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JP2003069523A - Ofdm通信装置 - Google Patents

Ofdm通信装置

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JP2003069523A
JP2003069523A JP2001259542A JP2001259542A JP2003069523A JP 2003069523 A JP2003069523 A JP 2003069523A JP 2001259542 A JP2001259542 A JP 2001259542A JP 2001259542 A JP2001259542 A JP 2001259542A JP 2003069523 A JP2003069523 A JP 2003069523A
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signal
ofdm
cnr
communication device
carrier
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Masakazu Takahashi
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電力線などの伝送路に係わるCNR
推定に基づき通信品質の改善、或いは、送信電力の無駄
を改善することが可能なOFDM通信装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】 予め決められた固定データから構成され
る複数のプリアンブル信号を有するOFDM信号を受信する
とともに、この受信信号から少なくとも2個以上の前記
プリアンブル信号を取り出し連結させて拡張プリアンブ
ル信号を生成し、これをフーリエ変換手段を用いて周波
数データに変換することにより、前記拡張プリアンブル
信号に係わる搬送波成分とそれ以外の雑音成分とを一括
して算出し、この結果に基づき前記搬送波成分のCNR推
定を行うようにしたことを特徴とするOFDM通信装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はOFDM通信装置に関
し、特に伝送路に係わる搬送波対雑音比(Carrier to No
ise Ratio、以下CNRと記す)を推定して通信品質を改善
する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】電力線通信は、屋外配電線や屋内電灯線
などの電力を供給するため配設している電力線を利用し
て情報を伝送するものであり、通信線路を新たに敷設す
る必要がなく通信料金の低コスト化が可能であるため、
従来より種々の方式が検討されてきた。電力線通信で
は、上記のような利点がある一方で、雑音などによる伝
送特性劣悪な電力線を使用するため、雑音に強い通信方
式を用いる必要がある。
【0003】直交周波数分割多重(Orthogonal Frequenc
y Division Multiplexing、以下OFDMと記す)方式は、1
チャネルのデータを複数の搬送波に分散させて伝送する
マルチキャリア変調方式の一種であり、データが複数の
搬送波に分散されるため雑音による全データ欠落の確率
が低くなり、従って電力線通信に適した通信方式として
知られている。
【0004】図7は、電力線通信装置における従来のOFD
M通信装置の構成例を示す機能ブロック図である。この
図に示す電力線通信装置は、送信系としてOFDM変調部10
0をD/A変換器(デジタル/アナログ変換器)110とローパス
フィルタ120とを介して中間周波・高周波処理部(以下、I
F・RF処理部と記す)130に接続するとともに、受信系とし
て前記IF・RF処理部130をアンチエイリアスフィルタ(ロ
ーパスフィルタ)140とA/D変換器(アナログ/デジタル変
換器)150とを介してOFDM復調部200に接続して構成され
る。
【0005】なお、OFDM方式については、例えば「伊丹
誠、OFDM変調技術、トリケップス、2000年3月」等に詳細
に記載されているので、ここでは要点のみ説明する。OF
DM変調部100は、送信データを各周波数成分が一部重複
しつつ直交する複数の搬送波に分散して所定の被変調信
号を生成するシンボルマッパ101と、シリアルデータを
パラレルデータに変換するS/P変換回路102と、逆フーリ
エ変換手段としての逆高速フーリエ変換器(Inverse Fas
t Fourier Transform、以下IFFTと記す)103と、パラレ
ルデータをシリアルデータに変換するP/S変換回路104
と、伝送路(電力線)分岐からの反射波によるマルチパス
の影響を軽減する送信側ガードインターバル回路105と
を順次接続して構成する。
【0006】また、OFDM復調部200は、上述したOFDM変
調部100の逆操作により復調信号を得るため、受信側ガ
ードインターバル回路201と、S/P変換回路202と、受信O
FDM信号から前記直交する複数の搬送波を生成するため
のフーリエ変換手段としての高速フーリエ変換器(Fast
Fourier Transform、以下FFTと記す)203と、P/S変換回
路204と、所定の復調処理を行うシンボルデマッパ205と
を順次接続して構成する。
【0007】図8は、シンボルマッパ101が出力する信号
のスペクトルを示す図である。この例では、n個の搬送
波を用いるOFDM信号を生成する場合のスペクトルを示し
ており、周波数利用効率を上げるために各スペクトルは
隣接するスペクトルの一部と重複するように配置され
る。
【0008】図9は、16個(n=15)の搬送波を用いる場合
の送信側P/S変換回路104より出力するOFDM信号(16個の
搬送波が多重化された信号)の例を示す図である。
【0009】以下、図8および図9を参照しつつ図7に示
したOFDM通信装置の動作について、電力線通信装置全体
の動作も含めて説明する。まず、送信系の動作として、
シンボルマッパ101が送信データを図8に示すような周波
数成分を有し互いに直交する複数の搬送波に分散して所
定の被変調信号(例えば、直交振幅変調(QAM)、或いは、
位相変調(PSK))を生成し出力すると、これをS/P変換回
路102がパラレル信号に変換する。
【0010】この被変調信号は、各搬送波の発生タイミ
ングのずれ(位相のずれ)に起因して正確な直交性が保証
されないが、この各搬送波をIFFT変換器103により時間
領域の信号に変換することにより、上記発生タイミング
のずれが補正されることが知られており、理想的なOFDM
信号が図9に示されたような多重化波形として出力され
る。このOFDM信号は、P/S変換回路104によりシリアル信
号に戻され、送信側ガードインターバル回路105により
マルチパスの影響を受けにくい信号に加工されるととも
に、D/A変換器110とローパスフィルタ120とを介して高
調波が除去されたアナログ信号に変換されIF・RF処理部1
30において所定の処理が行われた後に伝送路に送出され
る。
【0011】一方、受信系の動作として、IF・RF処理部1
30とアンチエイリアスフィルタ140とA/D変換器150とを
介して所定の処理の後に不要波が除去されデジタル信号
に変換されたOFDM信号がOFDM復調部200に入力すると、
受信側ガードインターバル回路201により送信側のガー
ドインターバル加工が解除され、S/P変換回路202におい
てパラレル信号に変換されFFT203に供給される。FFT203
がこの信号から直交する複数の搬送波(被変調信号)を周
波数成分として生成し、これをP/S変換器204を介してシ
ンボルデマッパ205に供給すると、ここで被変調信号か
ら送信データを再生するために所定の復調処理が行われ
る。
【0012】なお、図8に示すようにOFDM信号は各搬送
波のスペクトルの一部が隣接スペクトルと重複している
ため、各搬送波をフィルターで取り出す(分離する)こと
はできない。しかしながら、周知のように各搬送波間で
有する直交性を利用して信号を分離することができる。
これについては記述が煩雑になるので説明を省略する
(上記文献のpp.37-41に記載がある)。
【0013】以上のように、OFDM信号は1つのチャネル
信号を複数の搬送波を用いて伝送するので、雑音により
特定の搬送波のデータが欠落しても、搬送波全体のデー
タが欠落する可能性は低く、従って、所定の誤り訂正技
術等を併用することにより電力線を伝送路として利用し
ても情報データを送受信することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
マルチキャリア通信装置(OFDM通信装置)においては以下
に示すような問題点があった。つまり、伝送路として使
用する電力線には、これに接続された電子機器の種類、
接続数、使用状況、及び電力線敷設状況に依存してレベ
ルと周波数分布が様々に変化する雑音が発生する。従っ
て、CNR特性の高い(雑音レベルの低い)周波数を用いる
搬送波では、情報伝送エラーの少ない良好な通信を実現
できるものの、CNR特性の低い(雑音レベルの高い)周波
数を用いる搬送波では、雑音により情報伝送エラーが多
発して通信品質が劣化する問題があった。また、最悪の
場合は通信不能となるので送信電力が無駄になる問題も
あった。このような問題に対して、特開2000-165304号
公報にはマルチキャリア方式を用いる電力線通信装置に
おいて、受信SNR(CNR)に対して伝送レートや信頼性が高
くなる変調方式の選択、或いはキャリアの選択に関する
記載がある。また、特開2000-216752号公報にはマルチ
キャリア通信装置において、雑音による影響が大きい帯
域以外のキャリアのみを使用する記載がある。しかしな
がら、上記公報にはこれら装置(伝送路)に係わる具体的
な雑音評価手段、或いは、CNR評価手段については開示
されていない。本願出願人は、平成13年4月24日出願の
特願2001-125916号において、多数の受信信号をフーリ
エ変換手段の出力においてサンプリングし、平均信号
(S)及び雑音成分の分散特性から雑音電力(N)を求めてSN
R(CNR)推定を行う電力線通信装置を提案している。しか
しながら、処理時間短縮のため更に効率の良いCNR推定
手段が要求されていた。
【0015】本発明は、上述した従来のマルチキャリア
通信装置(OFDM通信装置)に関する問題を解決するために
なされたもので、電力線などの伝送路に係わるCNR推定
を効率良く行う手段を有するOFDM通信装置を提供するこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係わるOFDM通信装置の請求項1記載の発明
は、予め決められた固定データから構成される複数のプ
リアンブル信号を有するOFDM信号を受信するとともに、
この受信信号から少なくとも2個以上の前記プリアンブ
ル信号を取り出し連結させて拡張プリアンブル信号を生
成し、これをフーリエ変換手段を用いて周波数データに
変換することにより、前記拡張プリアンブル信号に係わ
る搬送波成分とそれ以外の雑音成分とを一括して算出
し、この結果に基づき前記搬送波成分のCNR推定を行う
ようにした。本発明に係わるOFDM通信装置の請求項2記
載の発明は、少なくとも送信系として送信データを各周
波数成分が一部重複しつつ直交する複数の搬送波に分散
し複数の変調方式に基づいて所定の被変調信号を生成す
るシンボルマッパと、前記被変調信号を時間領域におい
て多重化しOFDM信号を出力する逆フーリエ変換手段とを
備えるとともに、受信系として受信OFDM信号から前記直
交する複数の搬送波を生成するフーリエ変換手段と、所
定の復調処理を行うシンボルデマッパとを備えるOFDM通
信装置であって、前記受信OFDM信号には予め決められた
固定データから構成される複数のプリアンブル信号を有
し、当該プリアンブル信号を少なくとも2個以上取り出
し連結させて拡張プリアンブル信号を生成し、これをフ
ーリエ変換手段を用いて周波数データに変換することに
より、前記拡張プリアンブル信号に係わる搬送波成分と
それ以外の雑音成分とを一括して算出し、この結果に基
づき前記搬送波成分のCNR推定を行うようにした。本発
明に係わるOFDM通信装置の請求項3記載の発明は、請求
項2記載のOFDM通信装置において、前記CNR推定により求
めたCNR値に基づき前記搬送波ごとに前記複数の変調方
式から送信データの伝送レートが最適となる変調方式を
選択する通信制御を行うようにした。本発明に係わるOF
DM通信装置の請求項4記載の発明は、請求項2または請求
項3記載のOFDM通信装置において、前記CNR推定により求
めたCNR値が所定値より低い場合に当該搬送波を使用し
ないよう通信制御を行うようにした。。本発明に係わる
OFDM通信装置の請求項5記載の発明は、請求項1、請求項
2、請求項3または請求項4記載のOFDM通信装置におい
て、前記複数のプリアンブル信号が所定数連続してお
り、これを少なくとも2個以上連続するように取り出し
て拡張プリアンブル信号とした。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施の形態例に基
づいて本発明を詳細に説明する。本発明に係わるOFDM通
信装置は有線通信方式である電力線通信装置、或いは、
固定系、移動系の無線通信装置いずれにも使用可能であ
るが、一例として電力線通信装置に使用する場合につい
て説明する。図1は本発明に係わるOFDM通信装置を電力
線通信装置に用いる場合の実施の形態例を示す機能ブロ
ック図である。本発明の特徴は、受信系に後述するCNR
推定手段を有することであるが、まず、装置全体の構成
について説明する。この例に示す電力線通信装置は、送
信系としてOFDM変調部10をD/A変換器(デジタル/アナロ
グ変換器)30とローパスフィルタ40とを介して中間周波・
高周波処理部(以下、IF・RF処理部と記す)50に接続する
とともに、受信系として前記IF・RF処理部50をアンチエ
イリアスフィルタ(ローパスフィルタ)60とA/D変換器(ア
ナログ/デジタル変換器)70とを介してOFDM復調部20に接
続して構成される。
【0018】OFDM変調部10は、送信データを各周波数成
分が一部重複しつつ直交する複数の搬送波に分散し複数
の変調方式から所定の被変調信号を生成するシンボルマ
ッパ11と、シリアルデータをパラレルデータに変換する
S/P変換回路12と、逆フーリエ変換手段としての逆高速
フーリエ変換器(Inverse Fast Fourier Transform、IFF
Tと記す)13と、パラレルデータをシリアルデータに変換
するP/S変換回路14と、伝送路(電力線)分岐からの反射
波によるマルチパスの影響を軽減する送信側ガードイン
ターバル回路15とを順次接続して構成される。
【0019】また、OFDM復調部20は、上述したOFDM変調
部10の逆操作により復調信号を得るため、受信側ガード
インターバル回路21と、S/P変換回路22と、受信OFDM信
号から前記直交する複数の搬送波を生成するフーリエ変
換手段としての第1の高速フーリエ変換器(Fast Fourier
Transform、FFTと記す)23と、P/S変換回路24と、所定
の復調処理を行うシンボルデマッパ25とを順次接続する
とともに、ガードインターバル回路21の後段に伝送路
(電力線)に係わるCNR特性を推定するためのCNR推定部26
と、この推定結果に基づきシンボルマッパ11及びシンボ
ルデマッパ25における変調方式、或いは、使用する搬送
波を選択する変調方式/キャリア制御部27とを配置す
る。
【0020】OFDM変復調部を含めた電力線通信装置の基
本的な動作は、上述した従来技術と同様であるので説明
を省略する。
【0021】本発明では、CNR推定部26において伝送路
に係わるCNR特性を推定し、この推定値に基づき各搬送
波ごとに複数の変調方式(例えば、PSK/QPSK/8PSK/16PS
K)から最適な方式を選択するようにシンボルマッパ11及
びシンボルデマッパ25を変調方式/キャリア制御部27を
介して制御する。
【0022】つまり、変調方式として用いるBPSK(2値PS
K)/QPSK(4値PSK)/8PSK(8値PSK)/16PSK(16値PSK)は、1シ
ンボルにより伝送できる情報ビット数がそれぞれ1/2/3/
4ビットである。ここで、多くの情報ビット数を伝送で
きる方式ほど、信号空間ダイヤグラム上の信号間隔(PSK
系では位相偏移間隔)が狭くなる。例えば、BPSKの位相
偏移間隔は180°、QPSKでは90°、8PSKでは45°とな
り、多くの情報ビット数を伝送できる方式ほど雑音によ
る信号誤りが発生しやすく、その分所定の通信品質を得
るために高いCNR特性(低い雑音特性)を必要とする。一
方、BPSKは1シンボルにより多く情報ビット数を伝送で
きないが、位相偏移間隔が180°と広く雑音による伝送
エラーが少ないので、低いCNR特性でも通信品質に支障
をきたすことはない。
【0023】従って、上記CNR推定値に基づき、CNR値が
低い搬送波においては伝送できる情報ビット数は少ない
が伝送エラーの少ないBPSKを用い、CNR値が高い搬送波
では伝送情報ビット数の多い16PSKなどを選択して伝送
レートの向上を図るようにする。
【0024】なお、SNR推定部26での推定の結果、搬送
波のCNR値が所定値よりも小さい場合は、通信品質が劣
化して通信不能となるので、この場合は送信電力の無駄
を改善するためにこの搬送波をOFFするように変調方式/
キャリア制御部27を介してシンボルマッパ11を制御す
る。
【0025】次に、本発明を特徴づけるCNR推定部26に
おけるCNR推定について詳細に説明する。図2は、本発明
に係わるOFDM通信装置において用いるCNR推定部の構成
例を示す機能ブロック図である。この例に示すCNR推定
部26は、受信OFDM信号から後述するプリアンブル信号を
取り出して連結し拡張プリアンブル信号を生成するゲー
ト回路261と、第2のFFT262と、CNR算出部263とを順次接
続するとともに、前記第2のFFT262とCNR算出部263との
間に雑音電力検出器264を並列に配置して構成される。
【0026】図2に示したCNR推定部26の動作説明に先立
ち、まず、CNR推定の原理及びこれに係わる送信信号構
成例について説明する。図3は、このCNR推定の原理を説
明する図である。同図(a)は、先頭にガードインターバ
ル信号を、その後に予め決められたnビットの固定デー
タを配置した送信プリアンブル信号を、同図(b)はこの
固定データが4ビット(n=4)でガードインターバル信号GI
が除去された場合のFFT出力信号をそれぞれ示す。ま
た、同図(c)及び同図(d)は、同図(a)のプリアンブル信
号が2個連結された場合の信号フォーマットとFFT出力信
号をそれぞれ示す。
【0027】上記固定データのビット数は、OFDMシンボ
ルを構成するビット数と一致するように設定しており、
例えば4ビットに構成されると、FFT出力信号は同図(b)
に示すように4つの搬送波がΔfの間隔にて配置される。
一方、同図(c)に示すように同じプリアンブル信号が2個
連結される場合は、信号のビット数が2倍の8ビットにな
るので、周知のようにフーリエ変換の性質からFFT出力
信号の周波数間隔は同図(d)に示すようにΔf/2となる。
【0028】この際に、4ビットの固定データが繰り返
されるため、各被変調信号は信号空間ダイアグラム上に
おいて一定値から変動せず、無変調状態に保持される
(連続な正弦波信号が繰り返される)。周知のように、こ
のような連続正弦波信号は線スペクトルとして観測され
るので、同図(d)には図9に示すようなスペクトルの広が
りは発生しない。
【0029】ところで、同図(b)に示す搬送波C0〜C3が
発生する周波数f0〜f3は予め決められているので、これ
以外の周波数に発生するスペクトルは雑音成分と見なす
ことができる。但し、同図(d)に示すように各搬送波に
は雑音成分(N0、N2、N4、N6)が重畳されるので、観測信
号としてはC0+N0、C1+N2、C2+N4、C3+N6となり、各雑音
成分レベルを特定(推定)できれば、搬送波だけのレベル
を特定することができる。そこで、雑音レベルを平均雑
音レベルとして評価すると、この例では、雑音成分とし
てN1、N3、N5、N7の4つが搬送波と分離して観測される
ので、各レベルをn1、n2、n3、n4とすると 平均雑音レベル=(n1+n3+n5+n7)/4 (1) として評価できる。
【0030】従って、各搬送波には(1)式で表される雑
音が重畳されているものとして、各搬送波の観測レベル
(C0+N0、C1+N2、C2+N4、C3+N6)から上記平均雑音レベル
を減算して搬送波レベルを推定する。これにより、搬送
波レベルと雑音レベルが算定されるので、CNRを推定す
ることが可能となる。
【0031】図4は、本発明に係わるOFDM通信装置にお
いて使用する送信信号の構成例を示す図である。この例
に示す送信信号は、各フレームの先頭部分に上述したプ
リアンブル信号を、その後に所定数のOFDMシンボルデー
タをそれぞれ配置している。
【0032】以下、図3及び図4を参照しつつ、図2に示
したCNR推定部26の動作について説明するが、例えば、
特許第2772292号公報や本願と同一出願人による特許出
願(特願2001-201585号)に基づき、既にシンボルタイミ
ング同期は確立しているものとする。
【0033】まず、図4に示した送信OFDM信号が受信系
に入力すると、CNR推定部26の前段に配置されたガード
インターバル回路21によりガード信号GIが除去された
後、ゲート回路261に供給される。ゲート回路261は、入
力するOFDMシンボルの数をカウントしており、所定のカ
ウントごとにプリアンブル信号を取り出してこれらを結
合し、拡張プリアンブル信号を生成して(図4参照)FFT26
2に出力する。図3に示したようにFFT262からはこの拡張
プリアンブル信号に係わる周波数スペクトルが搬送波(C
0+N0、C1+N2、C2+N4、C3+N6)と雑音成分(N1、N3、N5、N
7)とに分離されて出力されるので、雑音電力検出器264
において上記(1)式で表される平均雑音レベルを算定す
るとともにCNR算出部263において上記した手順により搬
送波レベルを算出し、最終的に各搬送波ごとのCNRを推
定する。
【0034】なお、この実施例においては各フレームの
先頭にプリアンブル信号を配置するようにしたが、要す
るに2個以上のプリアンブル信号を連結して拡張プリア
ンブル信号を生成できればよいので、フレームの任意の
位置にプリアンブル信号を配置するようにしてもよい。
【0035】また、初めから2個以上のプリアンブル信
号を連結させたものを各フレームの先頭に配置するよう
送信信号を構成しても良い。図5は、本発明に係わるOFD
M通信装置において使用する送信信号の他の構成例を示
す図である。この例に示す送信信号は、フレームの先頭
に2つのプリアンブル信号を連続して配置するようにし
ている。このような信号を用いれば、ゲート回路261で
は改めて各プリアンブル信号を連結させる必要がなくな
るので、ゲート回路261における処理が軽くなり、従っ
て、ゲート回路261のハードウェア構成を簡略化するこ
とが可能である。
【0036】なお、拡張プリアンブル信号を構成するプ
リアンブル信号の数を増加すると、CNR推定の精度をよ
り向上させることができる。図6は、本発明に係わるOFD
M通信装置においてプリアンブル信号を3つに増やした拡
張プリアンブル信号を用いる利点を説明する図である。
同図(a)は、3つのプリアンブル信号から構成した拡張プ
リアンブル信号を、同図(b)はこの拡張プリアンブル信
号においてガードインターバル信号GIが除去された場合
のFFT出力信号をそれぞれ示している。この場合には、
図3(c)、(d)に示したものよりもプリアンブル信号のビ
ット数が増加するので、上述したFFTの性質から、さら
にスペクトル間隔がΔf/3と狭くなり、観測できる雑音
成分の数が増加する。
【0037】ここで、雑音電力が一定であると仮定する
と、各観測雑音N0〜N11のスペクトルレベルは図3(d)の
ものよりも低くなる。従って、各搬送波に重畳される雑
音成分(N0、N3、N6、N9)の各レベルも低くなり、その分
だけ搬送波に対する雑音レベル推定の影響が小さくなる
ので、CNR推定値の精度が向上する。
【0038】以上のように本発明に係わるOFDM通信装置
は動作するので、各搬送波のCNR特性に応じて最適な変
調方式を選択することができ、以て通信品質の劣化を改
善することができるとともに、通信に利用できない搬送
波を初めから使用しないので無駄な送信電力の消費を防
ぐことができる。
【0039】なお、受信側で知り得たCNR情報により上
述した変調方式制御、搬送波OFF制御を行う際には、こ
れに関する情報を送信相手側装置に通報する必要がある
ので、このためにはフレーム先頭部(ヘッダー部)に上記
プリアンブル信号に加えて所要の情報を配置するように
すればよい。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上説明したように伝送路に係
わるCNR特性を推定して搬送波ごとに最適な変調方式を
選択するようにしたので、通信品質の劣化を改善でき、
また、通信不能となる搬送波を最初から使用しないよう
にしたので、送信電力の無駄を改善できるOFDM通信装置
を実現する上で著効を奏す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるOFDM装置の実施の形態例を示す
機能ブロック図
【図2】本発明に係わるOFDM装置において用いるCNR推定
部を示す機能ブロック図
【図3】本発明に係わるOFDM装置において実施するCNR推
定の原理を説明する図
【図4】本発明に係わるOFDM装置において使用する送信
信号の構成例を示す図
【図5】本発明に係わるOFDM装置において使用する送信
信号の他の構成例を示す図
【図6】本発明に係わるOFDM装置においてプリアンブル
信号を増やした拡張プリアンブル信号を使用する利点を
説明する図
【図7】従来のOFDM装置の構成例を示す機能ブロック図
【図8】OFDM信号のスペクトルを説明する図
【図9】16キャリアを用いるOFDM信号の多重化波形を示
す模式図
【符号の説明】
11・・シンボルマッパ 12・・S/P変換器 13・・高速逆フーリエ変換器 14・・P/S変換器 15・・送信側ガードインターバル回路 21・・受信側ガードインターバル回路 22・・S/P変換器 23・・第1の高速フーリエ変換器 24・・P/S変換器 25・・シンボルデマッパ 26・・CNR推定部 27・・変調方式/キャリア制御部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め決められた固定データから構成され
    る複数のプリアンブル信号を有するOFDM信号を受信する
    とともに、この受信信号から少なくとも2個以上の前記
    プリアンブル信号を取り出し連結させて拡張プリアンブ
    ル信号を生成し、これをフーリエ変換手段を用いて周波
    数データに変換することにより、前記拡張プリアンブル
    信号に係わる搬送波成分とそれ以外の雑音成分とを一括
    して算出し、この結果に基づき前記各搬送波成分のCNR
    推定を行うことを特徴とするOFDM通信装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも送信系として送信データを各
    周波数成分が一部重複しつつ直交する複数の搬送波に分
    散し複数の変調方式に基づいて所定の被変調信号を生成
    するシンボルマッパと、前記被変調信号を時間領域にお
    いて多重化しOFDM信号を出力する逆フーリエ変換手段と
    を備えるとともに、受信系として受信OFDM信号から前記
    直交する複数の搬送波を生成するフーリエ変換手段と、
    所定の復調処理を行うシンボルデマッパとを備えるOFDM
    通信装置であって、 前記受信OFDM信号には予め決められた固定データから構
    成される複数のプリアンブル信号を有し、当該プリアン
    ブル信号を少なくとも2個以上取り出し連結させて拡張
    プリアンブル信号を生成し、これをフーリエ変換手段を
    用いて周波数データに変換することにより、前記拡張プ
    リアンブル信号に係わる搬送波成分とそれ以外の雑音成
    分とを一括して算出し、この結果に基づき前記各搬送波
    成分のCNR推定を行うことを特徴とするOFDM通信装置。
  3. 【請求項3】 前記CNR推定により求めたCNR値に基づき
    前記搬送波ごとに前記複数の変調方式から送信データの
    伝送レートが最適となる変調方式を選択する通信制御を
    行うことを特徴とする請求項2記載のOFDM通信装置。
  4. 【請求項4】 前記CNR推定により求めたCNR値が所定値
    より低い場合に当該搬送波を使用しないよう通信制御を
    行うことを特徴とする請求項2または請求項3記載のOFDM
    通信装置。
  5. 【請求項5】 前記複数のプリアンブル信号が所定数連
    続しており、これを少なくとも2個以上連続するように
    取り出して拡張プリアンブル信号としたことを特徴とす
    る請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載のOFDM
    通信装置。
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