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JP2002505570A - 変圧器及びチョークコイルを備えた直流/直流変換器 - Google Patents

変圧器及びチョークコイルを備えた直流/直流変換器

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JP2002505570A
JP2002505570A JP2000533936A JP2000533936A JP2002505570A JP 2002505570 A JP2002505570 A JP 2002505570A JP 2000533936 A JP2000533936 A JP 2000533936A JP 2000533936 A JP2000533936 A JP 2000533936A JP 2002505570 A JP2002505570 A JP 2002505570A
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JP
Japan
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voltage
gate
transistor
switching
choke
Prior art date
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JP2000533936A
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Inventor
シュミーデラー クラウス
ケルン ロベルト
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Robert Bosch GmbH
Original Assignee
Robert Bosch GmbH
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、変圧器とチョークコイル並びに給電直流電圧のオン・オフのための制御可能なスイッチとを備えた直流/直流変換器に関する。所定の変成比で変成器的に結合されたチョークの一次巻線と二次巻線の間の接続タップには、スイッチングトランジスタのスイッチング区間が基準電位に対して接続され、前記チョークの二次巻線と直列に、ダイオードのアノード−カソード区間が接続されいる。さらに出力コンデンサが基準電位に対して配設されており、この場合該出力コンデンサを介して負荷に対する出力電圧が生成される。入力直流電圧は、チョークのインダクタンスと二次巻線を介して供給されており、スイッチングトランジスタのスイッチング区間に並列にキャパシタンスが設けられ、このインダクタンスとキャパシタンスによって、スイッチングトランジスタのオン・オフフェーズに作用する直列共振回路が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、請求項1の上位概念に記載されているように、変圧器と、チョーク
コイルと、給電直流電圧のオン・オフのための制御可能なスイッチとを備えた直
流/直流変換器に関している。
【0002】 負荷への供給に対して、様々な構造形式の直流/直流変換器が多くの目的のた めに用いられている。例えば自動車に使用される高圧ガス放電ランプなどのガス
放電ランプ系への給電に用いられている。
【0003】 一般的には遮断コンバータ、フローコンバータ、CuKコンバータなどが公知
である。さらに準共振コンバータも公知文献“Quasi-Resonant Converter-Topol
ogies and Characteristics, Verfasser: Kwang-Hwa Liu, Ramesh Oruganti, Fr
ed Lee; IEEE Transactions on Power Electronics, Vol. PE-2. No1. January
1987”などから公知である。
【0004】 本発明は、直流/直流変換器をより有利に用いることができるように改善する 目的を追求するものである。故に本発明の課題は実質的には、回路技術的な手段
によって、高い効率を備えた電圧変換器をできるだけ安いコストで提供すること
である。
【0005】 発明の利点 請求項1の特徴部分に記載されている本発明による直流/直流変換器は、公知の 従来技術に比べて、非常に僅かな回路コストのもとでスイッチングロスの著しい
低減が達成される決定的な利点を有している。さらなる顕著な利点は、EMV(
“Elektromagnetic Verschmutzung”電磁的汚染)の低減とそれに関与する現象 及び対抗手段である。
【0006】 本発明によれば、基本的に直流/直流変換器(これはチョーク変換器としても 構成されている)において、所定の変成比で変成器的に結合されたチョークの一
次巻線と二次巻線の間の接続タップに、スイッチングトランジスタのスイッチン
グ区間が基準電位に対して接続されており、前記チョークの二次巻線と直列に、
ダイオードのアノード−カソード区間が接続されており、さらに出力コンデンサ
が基準電位に対して配設されており、この場合該出力コンデンサを介して負荷に
対する出力電圧が生成され、入力直流電圧は、チョークのインダクタンスと二次
巻線を介して供給されており、スイッチングトランジスタのスイッチング区間に
並列にキャパシタンスが設けられており、このインダクタンスとキャパシタンス
によって、スイッチングトランジスタのオン・オフフェーズに作用する直列共振
回路が形成される。
【0007】 本発明の別の有利な実施例及び改善例は従属請求項に記載されている。
【0008】 本発明による電圧変換器の特に有利な実施形態によれば、前記スイッチングトラ
ンジスタは、通流区間に印加される電圧がほぼ0の値にある場合に、導通接続さ
れる。さらに別の有利な構成例によれば、前記スイッチングトランジスタの通流
区間に印加される電圧を検出しかつそのゼロ点通過を検出する回路が設けられる
。これらの手段により、スイッチングトランジスタの通流ロスもスイッチングロ
スも著しく低減される。
【0009】 本発明の別の有利な実施形態によれば、スイッチングトランジスタとしてMO
SFETトランジスタが用いられる。
【0010】 本発明による電圧変換器の特にコスト低減に結び付く有利な実施形態によれば
、前記二次巻線に前置接続されるインダクタンスが、別個のインダクタンスとし
て実現されるか、又は結合係数の適切な選択のもとでチョークの漏れインダクタ
ンスによって実現され得る。
【0011】 本発明のさらに別の有利な実施形態によれば、前記スイッチングトランジスタ
のスイッチング区間に対して並列なキャパシタンスは、別個のコンデンサによっ
て実現されるか、又は構成部材の寄生出力キャパシタンスによって、又はこれら
の2つの実現手段の組合わせによって実現可能である。
【0012】 本発明のMOSFETトランジスタが用いられるさらに別の有利な実施形態に
よれば、MOSFETトランジスタの制御がゲートにおけるゲート共振制御部に
よって行われる。
【0013】 さらに本発明によれば、ゲート共振制御部が可用であり、特にこれは本発明に
よる手段によって特徴付けられるように、直流/直流変換器の制御に対して次の ように特徴付けられる。すなわちゲート共振制御部が、入力直流電圧を切換るM
OSFETトランジスタのゲート前のゲートチョークを含んでおり、前記ゲート
チョークは、一方では第1のダイオードのカソード−アノード区間と第1のトラ
ンジスタスイッチを介して制御電圧源に接続可能であり、さらに前記ゲートチョ
ークは他方では第2のダイオードのアノード−カソード区間と第2のトランジス
タを介して基準電位に接続可能であり、この場合共振回路に対するキャパシタン
スとして、寄生ゲート−ドレインキャパシタンスないしは寄生ゲート−ソースキ
ャパシタンスが用いられ、前記2つのトランジスタスイッチのオン・オフのクロ
ックは、ゲート電圧の所望の揺動的振幅特性が生じるように選択される。このゲ
ート共振制御部の別の有利な構成例によれば、前記トランジスタスイッチとして
バイポーラトランジスタが用いられる。
【0014】 図面 次に本発明の実施例を図面に基づき以下の明細書で詳細に説明する。この場合 図1は、本発明によって構成された直流/直流変換器のブロック回路図であり、 図2は、従来の電圧変換器のもとでの種々の信号経過を示した図であり、 図3は、本発明による回路での種々の信号経過を図2と比較して示した図であり
、 図4は、本発明によるゲート共振制御部の基本原理図を概略的に示した図であり
、 図5は、ゲート共振制御部のスイッチング過程において発生した種々の信号のタ
イムチャートであり、 図6は、本発明によって構成された直流/直流変換器の回路を、本発明によって 構成されたゲート共振制御部と一緒に概略的に示したブロック回路図である。
【0015】 実施例の説明 図1に概略的に示されているブロック回路図は、本発明による直流/直流変換 器であり、以下ではこれを単に電圧変換器と称する。電圧UBを供給する電源1 は、所定の変成比uで変成器的に結合されたチョーク2のインダクタンスL1と
二次巻線L2pと、有利にはMOSFETトランジスタとして用いられるトラン
ジスタS1のスイッチング区間に直列に接続されている。トランジスタS1のス
イッチング区間と二次巻線L2pの接続点には、チョーク2の二次巻線L2pと
ダイオードD1のアノードカソード区間を介して出力コンデンサC2が接続され
ている。この出力コンデンサにはC2には出力電圧UAが印加されており、この 電圧は電流IAと結びつけられて当該コンデンサC2に並列に接続された負荷抵 抗RLにも印加される。スイッチングトランジスタS1の切換区間と並列に1つ のコンデンサC1が配設されている。スイッチングトランジスタS1はゲートに
おいて補助電圧源3からの電圧UHによって制御され切換られる。
【0016】 チョーク変換器として構成されているこの電圧変換器は、スイッチングトラン
ジスタS1,変成比uで変成器的に結合されたチョーク2、ダイオードD1、出
力コンデンサC2からなる電圧変換器として構成されている。
【0017】 スイッチングトランジスタS1が導通されているフェーズでは、一次チョーク
巻線L2pにおいて磁気エネルギが蓄積され、スイッチングトランジスタS1が
遮断されているフェーズにおいては、そのように蓄積されたエネルギが負荷回路
に、つまりコンデンサC2と負荷抵抗RLに送出される。この負荷回路への電流 は、ダイオードD1を介して整流される。チョーク2の変成比uは、L2p:L
2p+L2sの比によって定まる。
【0018】 図2には従来方式の電圧変換における様々な信号の時間経過をダイヤグラムで
表わした図である。この図の上方のダイヤグラムには、図1のスイッチングトラ
ンジスタS1が導通している間、つまりスイッチオンされている間のフェーズS
11の期間中の入力電流IBと、図1のスイッチングトランジスタS1が遮断さ れている間のフェーズS10の期間中の入力電流IBがプロットされている。電 流IBは、値ゼロから切換時点のもとでの最大値まで上昇し、切換及びロス時間 tvの間は急峻に落ち込み、その後はフラットに値ゼロまで下降している。中央 のダイヤグラムには、図1のスイッチングトランジスタS1が導通している間の
フェーズS11の期間中の低い通流電圧を伴った電圧US1と、スイッチングトラ
ンジスタS1が遮断されている、つまりスイッチオフされている間のフェーズS
10の期間中の高い電圧を伴った電圧US1が時間tに亘ってプロットされている
。切換時点におけるそのつどの電圧の移行は、非常に急峻であり、ほとんど矩形
の形状である。下方のダイヤグラムには、損失出力PVが時間tに関してプロッ トされている。切換時点の前では、上昇している電流値と低く維持される通流電
圧に相応して通流損失出力PVDS1は穏やかに上昇している。切換時点からは
、切換時間tVの間に生じる損失PVSS1は、急激に上昇する電圧US1に相 応して急峻に上昇する。この急峻度は図2において良好に識別可能なグラフ先端
で表わされている。
【0019】 図2からも明らかなように、スイッチングトランジスタS1の損失出力PVは 、導通状態から遮断状態への移行の際に非常に大きな値をとっている。この従来
の電圧変換器が達成可能な効率は、実質的にこのスイッチオフに伴うロスによっ
て定まる。
【0020】 図1の回路図に示されているように、本発明によれば、インダクタンスL1と
キャパシタンスC1が挿入されている。これによって、従来方式の電圧変換器構
造は、直列共振回路分だけ拡張される。この共振回路は、スイッチングトランジ
スタS1のスイッチオフフェーズと遮断フェーズにおいて効果を発揮する。この
ようにして、準共振型の変換器構造が得られる。
【0021】 図3には、本発明による回路における種々の信号の時間ダイヤグラムが示され
ており、図2の場合の相応の信号と比較可能なものである。詳細にはスイッチン
グトランジスタS1における入力電流IB、準共振型チョーク変換器における損 失出力PVの経過が示されている。
【0022】 この図の上方のダイヤグラムには、図1のスイッチングトランジスタS1が導
通している間、つまりスイッチオンされている間のフェーズS11の期間中の入
力電流IBと、図1のスイッチングトランジスタS1が遮断されている間のフェ ーズS10の期間中の入力電流IBがプロットされている。電流IBは、値ゼロか
ら切換時点のもとでの最大値まで上昇し、切換及びロス時間tvの間は急峻に落 ち込み、その後はフラットに値ゼロまで下降している。中央のダイヤグラムには
、図1のスイッチングトランジスタS1が導通している間のフェーズS11の期
間中の低い通流電圧を伴った電圧US1と、スイッチングトランジスタS1が遮断
されている、つまりスイッチオフされている間のフェーズS10の期間中の、正
弦波状に上昇しゼロまで下降する電圧を伴った電圧US1が時間tに亘ってプロッ
トされている。切換時点におけるそのつどの電圧の移行は、ほぼ矩形形状であっ
た図2のものに比べて正弦波形状によりかなりフラットになっている。下方のダ
イヤグラムには、損失出力PVが時間tに関してプロットされている。切換時点 の前では、上昇している電流値と低く維持される通流電圧に相応して通流損失出
力PVDS1は穏やかに上昇している。切換時点からは、切換時間tVの間に生 じる損失PVSS1は、急峻に下降する電流値IBとさほど強くなく上昇する電 圧US1に相応して望ましい迅速さで値ゼロまで下降する。この経過も図3にお
いて良好に識別可能な下降グラフで示されている。
【0023】 以下では図1の回路における切換過程の経過を説明する。これは図3に示され
ている信号経過に後付けられるものである。ここではまずスイッチングトランジ
スタS1が導通されているものとする。それによりこのスイッチングトランジス
タには電流IBが流れる。この電流は磁化電流とも称される。これはインダクタ ンスL1、L2p並びに入力電圧UBによって定まる。ここにおいてスイッチン グトランジスタS1が遮断されると、電流は、当該スイッチングトランジスタS
1に対して並列設けられたキャパシタンスC1の方向に転流される。スイッチン
グトランジスタS1を流れる電流は、非常に迅速にゼロになる。キャパシタンス
C1とインダクタンス(L1+L2p)は共に直列共振回路を形成する。この回
路は、入力電圧UBの正極とアース電位に接続される。それによりスイッチング トランジスタS1に関する電圧は、正弦波状に上昇する。従ってトランジスタ電
流とスイッチングトランジスタに係わる電圧の結果から生じる遮断ロス出力PV の大きさは、図2及び図3に比較的に示されているように、従来方式の直流/直 流変換器の場合よりも数倍少なくなる。遮断モード中にキャパシタンスC1に蓄
積されるエネルギは、共振要素の間で減衰される振動の形態で処理される。電圧
源1(例えばバッテリ)へのフィードバック給電が行われる。ダイオードD1の
アノードにおける電圧が出力電圧UAよりも大きくなると、直ちにダイオードD 1は導通する。スイッチングトランジスタS1の導通フェーズS11にインダク
タンスL2pに蓄積されるエネルギは、負荷回路に給電される。直列共振回路中
にまだ存在する残留エネルギも、同様にダイオードD1を介して負荷へ転流され
る。スイッチングトランジスタS1におけるスイッチオンロスを最小化するため
に、本発明の特有の実施形態に相応してスイッチングトランジスタS1のスイッ
チオンが、電圧が0ボルトを越えると行われる。これに対して、スイッチングト
ランジスタS1に関する電圧を検出し、ゼロ点通過を監視する回路ユニットが設
けられている。この特別な回路ユニットは、図には示されていない。
【0024】 直列共振回路の構成素子に対しては、以下の言及を付け加える。
【0025】 共振インダクタンスL1は、別個のコイルとして回路に設けることも可能である
。但しチョーク2の結合係数の適切な選択によっては、インダクタンスL1は、
チョーク2の漏れインダクタンスによっても実現可能であり、そのようにして当
該電圧変換器内に設けてもよい。このことは別個の構成部材の節約にもつながる
。共振キャパシタンスC1は、スイッチングトランジスタS1としてのMOSF
ETトランジスタの適用のもとで、当該構成部材の寄生出力キャパシタンスによ
って実現してもよい。但しこの出力キャパシタンスは、トランジスタに係わる電
圧に依存して強く漂遊する傾向があるので、必要に応じて有利には、別個のキャ
パシタンスを当該出力キャパシタンスに対して並列に設けた方がよい。別個のコ
ンデンサによってこのキャパシタンスの許容範囲は狭くなる。
【0026】 本発明によれば、スイッチングトランジスタS1の“ソフト”なオン・オフス
イッチングが達成され、これまでの“ハード”なスイッチングのもとで常に発生
していた、線路に絡み空気を介して放射される障害成分の量が最小に低減される
。それにより、このようないわゆる電磁汚染(EMV)の除去や緩和に必要とさ
れる構成要素や対抗手段が実質的に僅かな範囲でしか必要なくなり、このことは
品質やコストに関する著しい改善に寄与する。
【0027】 スイッチングトランジスタS1としてのMOSFETトランジスタの適用のも
とでは、本発明の有利な実施例の構成に応じて、トランジスタの制御がゲートに
おけるゲート共振制御によって行われる。
【0028】 図4には、本発明によって構成されるゲート共振制御部の基本的なブロック回
路図が概略的に示されている。このゲート共振制御部は、MOSFETトランジ
スタS14のゲートの前にゲートチョークL3を含んでおり、これによって電圧
源41の入力直流電圧UBが切換られる。ゲートチョークL3は、一方では第1 のダイオードD2のカソード−アノード区間を介して第1のトランジスタS2を
基準電位に接続させ、他方では第2のダイオードD3のアノード−カソード区間
を介して第2のトランジスタスイッチS3を基準電位に接続させる。共振回路の
キャパシタンスとして、寄生ゲート−ドレインキャパシタンスCGDないしは寄生
ゲート−ソースキャパシタンスCGSが利用され、これらは図4中に破線で示され
ている。2つのトランジスタスイッチS2、S3のオン・オフのクロックは、次
のように選択される。すなわちゲート電圧に所望のような揺動が生じるように選
択される。スイッチングトランジスタS14のドレインDは、抵抗R1を介して
電圧源41の正極に接続され、スイッチングトランジスタS14のソースSは、
直接基準電位に接続されるか電圧源41の負極に接続される。
【0029】 図4には図4によるゲート共振制御部の切換過程のもとで発生する種々の信号
の時間ダイヤグラムが示されている。この場合上方の2つのダイヤグラムa)と
b)には、2つのトランジスタスイッチS2とS3の、符号1で表わされたスイ
ッチオンフェーズと、符号0で表わされたスイッチオフフェーズが時間tに亘っ
て示されており、これらのフェーズは90゜だけずらされている。第3のダイヤ
グラムc)には時間tに亘ってゲート電圧UGがプロットされており、これは補 助電圧UHから引き出され揺動している。下方の第4のダイヤグラムd)には、 ゲート電流IGが時間tに亘ってプロットされている。
【0030】 以下に述べるゲート共振回路の作用効果と機能の説明では、簡素化の理由から
いわゆるミラーキャパシタンスと、ゲート/ドレイン間の寄生キャパシタンスCG D は無視するものとする。
【0031】 スイッチングトランジスタS1がスイッチオンされるべき場合には、短時間だ
け第1のトランジスタスイッチS2が閉じられる。つまり図5のa)に相応する
ように0から1へスイッチオンされる。補助電圧またはドライバ電圧UHがダイ オードD2を介してゲートチョークL3に到達した場合には、これがキャパシタ
ンスGGSと共に共振回路を形成する。この時点でゲートGの電圧がゼロボルトで
あるならば、ここにおいて半波の正弦波振動が形成され、これによりゲート電圧
Gは二倍の補助電圧UHまで理想的に上昇する。電圧の最大値に達しゲート電圧
がフィードバック振動におかれた瞬間には、ダイオードD2が遮断され、それに
よてゲート電圧UGの低下が避けられる。充電されたゲート電圧UGは、維持され
続ける。ここにおいてトランジスタスイッチS2も開放され、つまり図5a)に
相応するように値が1から0に切換わる。このことは、トランジスタS2とS3
としてバイポーラトランジスタが適用される有利な実施形態において、次のよう
な利点となる。すなわち電荷キャリヤがここにおいて既に取除かれ、これによっ
て後続のスイッチオフ過程が阻害されない利点となる。
【0032】 スイッチングトランジスタS1がスイッチオフされるべき場合には、第2のト
ランジスタスイッチT3が短時間だけ閉成される。つまり図5のb)に相応する
ように値が0から1に切換わる。それにより、ダイオードD3のカソードには、
負極ないしアースに接続される。ここにおいて再び共振回路が形成され、これは
ここにおいて図5のc)に示されているように先行するゲート電圧UGを負の電 圧へ振動させる。電圧最小値に達した場合には、ロードの逆行が再び阻止され、
つまりここにおいて遮断されるダイオードD3によって阻止される。形成された
負の電圧は維持され続ける。それにより前述のトランジスタスイッチS2のよう
に、ここにおいてトランジスタスイッチT3が再び開放され、これは前述したと
同じ利点をもたらす。
【0033】 スイッチングトランジスタS1が再びスイッチオンされるべき場合には、短時
間だけトランジスタスイッチS2が閉成される。補助電圧UHはダイオードD2 を介してゲートチョークL3に到達する。ここでも再びゲートチョークL3とキ
ャパシタンスCGSが共振回路を形成する。ゲートGの電圧はこの時点で既に負の
バイアス電圧を有しているので、ゲート電圧UGは以前よりも高い値まで振動す る。複数の周期を介すことにより、常に高まり続けるゲート電圧UGが形成され 、これは寄生的損失による制限を被るるだけである。
【0034】 ゲート電圧UGの意図的に前述したように得られる揺動作用によって、有利に はFETトランジスタをスイッチングトランジスタS1として使用することが可
能である。これのしきい値電圧は、補助ないし駆動電圧UHの近傍かそれよりも 上にある。典型的な適用ケースとして、5Vの補助ないし駆動電圧UHの場合に 、7Vのしきい値電圧を有するFETトランジスタが挙げられる。さらなる別の
利点は、従来の制御方式とは異なった迅速なスイッチング過程(切換過程)によ
って得られる。というのも切換速度とそれに伴うスイッチングロスに対して、ゲ
ート電流IGがゲートGにまさにしきい値電圧が印加される時点において決定的 となるからである。トランジスタスイッチS2、S3が所定の最大電流の導入を
許容するということを前提にすれば、以下のことが成り立つ。
【0035】 −従来の制御のもとでは、トランジスタスイッチS2の切換フェーズの開始と共
に電流がその最大値に直ぐに到達し、そして指数的な形態でゼロまで経過するよ
うな電流経過が生じる。しきい値電圧は、ゲート電流IGがまだ最大値の、例え ば典型的には50%の値に達しただけの時点で既に到達する; −本発明のゲート共振制御部によれば、正弦波状の隆起形状で表わすことのでき
る電流経過が得られる。この本発明による回路のもとでは、ゲート電圧UHは、 ゲート電流IGが最大となるところでそのしきい値に達する。これは図5のd) の経過曲線に表わされている。
【0036】 本発明によるゲート共振制御部のさらなる利点は、ゲートチョークL3の電流
源特性によって得られr。このことは遮断降下に基づいて説明する。スイッチン
グトランジスタS1の遮断のもとでは非常に短時間の間ソースからの総負荷電流
が遮断される。ソース区間に存在する寄生インダクタンス(例えばボンディング
ワイヤ及びレイアウトなどによる)は、これらの高い電流跳躍によって相応に高
い誘起電圧を誘導する。制御回路が従来方式での電圧特性を有しているのならば
、半導体チップ上で誘起された電圧を外部にあるゲート−ソース電圧に加算し、
それによってFETトランジスタが制御される。このことは結果的に遮断エッジ
の緩急化につながり、それによって損失出力の増加が引き起こされる。但しここ
において本発明によれば電流充電するインダクタンスがゲート線路に存在するの
で、この作用は影響を及ぼさない。このインダクタンスはその電流変化にも反作
用し、その際に相応の電圧も誘起させる。この電圧はソース線路において誘起さ
れた電圧を補償する。
【0037】 次にミラーキャパシタンスCGDの影響を論じる。このキャパシタンスは、振動
過程を阻害する。なぜなら逆の結合作用を有しているからである。振動過程にお
いてゲート電圧UGがスイッチングトランジスタS1のしきい値電圧に達した瞬 間に、そのドレイン電圧は先行の値からゼロまで降下する。なぜなら最終的にス
イッチオンされるからである。この負の電圧信号エッジは、ミラーキャパシタン
スCGDを介してゲートGに結合され、その期間中にゲートGのロードに反作用す
る。事前に印加されたドレイン遮断電圧とミラーキャパシタンスCGDの積が所定
の限界値を上回った場合には、反作用の影響が次のように大きくなる。すなわち
ゲート電圧UGの揺動が、増加し続ける値に対してもはや作用しきれなくなるく らいに大きくなる。
【0038】 ここにおいて述べておきたいことは、現行の市販されているMOSFETトラ
ンジスタの場合には前述した積が限界値近傍に存在していることである。そのた
めパラメータ耐性的設計仕様の観点からみれば、MOSFETトランジスタの本
来の許容遮断電圧は、このような回路形式のもとでは十分に活用できない結論と
なる。故にこのようなケースでの支援策として最終的に前述したような本発明に
よる実施形態が提案されている。
【0039】 図6には本発明の構成による準共振性の、有利には、電圧のゼロ点で切換わる
直流/直流変換器が本発明の構成によるゲート共振制御部と共にブロック回路図 で概略的に示されている。この準共振性の変換器は、図1に示されている回路と
次の点を除いてほぼ同一のものである。すなわちスイッチングトランジスタS1
のゲートGに接続された補助電圧源3が図4中の符号S14で示されたスイッチ
ングトランジスタのゲートGに接続されている点を除いてほぼ同一である。この
実施例は、図1による準共振性変換器に図4の本発明の構成によるゲート共振制
御部を統合的に組み合わせた回路である。従ってこの準共振性変換器は、次のよ
うな特有の利点を有している。すなわちスイッチングトランジスタS1として用
いられるMOSFETトランジスタの遮断の際に、ドレイン電圧が直ちに上昇す
るのではなく(特にスイッチング過程の間)、共振要素によって緩急化されるこ
とである。スイッチング過程の間はFETトランジスタにおいては非常に短いド
レイン−ソース電圧しか生じないので、ミラーキャパシタンスCGDももはや障害
的には作用しない。そのためゲート共振制御部の動作は、逆に有利に作用する補
足的効果と抑圧効果をもたらす。ドレイン−ソース電圧は、FETトランジスタ
の本来の切換過程が終わった後で初めて上昇する。その結果、確かにミラーキャ
パシタンスCGDは作用するが、しかしながらこれはゲート電圧UGの高さに影響 を与えるだけで、切換過程自体に影響を及ぼすものではない。
【0040】 本発明によるこの特有の実施形態によれは、特異的に構成されたゲート共振制
御部の作用効果によって起動制御ロスが低減され、さらに準共振変換器の構成に
よってスイッチングロスも最小化される。それによって直流/直流変換器の損失 出力は、実質的にスイッチングトランジスタS1の導通フェーズ中の通流ロスだ
けで定められるものなる。これにより本発明の電圧変換器は非常に高い効率を達
成することができる。さらに熱損失も僅かなので、周辺温度の条件が同じもとで
ヒートシンクもわずかしか必要としないので、これは制御機器構造への高度な要
求の緩和によるコスト的な利点をもたらす。
【0041】 本発明固有の実施形態は、ドライバ段の給電電圧、すなわち補助電圧UHをス イッチングトランジスタS1のゲートしきい値電圧よりも小さくすることも可能
である。本発明の構成によるゲート共振制御部の作用により、ゲートにおいて電
圧の引上げが達成される。それにより非論理レベルのFETトランジスタでも5
Vでの駆動が可能である。
【0042】 本発明固有のこの実施形態は、著しく改善されたEMV特性も有している。従
って本発明によれば、スイッチングトランジスタS1のほぼ損失ロスなしのスイ
ッチオン・オフによって、従来方式の変換器に比べ、著しく僅かな障害量として
のエネルギが線路や空気を媒体として放出されるだけである。そのためEMV限
界値に対する法政基準ないし業界基準を維持するのに必要な手段、例えばEMV
フィルタ部材やシールド部材などが抑えられ、コストが相応に節約され、品質も
高められる。
【0043】 別の箇所でも既に前述したように、適切な設計仕様のもとで、別個のインダク
タンスL1の代わりに、変圧器2の漏れインダクタンスをキャパシタンスC1と
共に直列共振回路の誘導性共振要素として用いることも可能である。スイッチン
グトランジスタS1としてMOSFETトランジスタを用いる場合には、基本的
にトランジスタの寄生出力キャパシタンスも容量性の共振要素として適している
。キャパシタンス許容帯域の狭幅化に対しては、必要に応じて、トランジスタの
出力キャパシタンスに、別個のコンデンサ(例えばC1)を並列に接続させても
よい。
【0044】 本発明によれば、非常に効率のよい直流/直流変換器と、有利なゲート共振制 御部、並びに損出ロスの非常に少ないこれらの組合わせ構成が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によって構成された直流/直流変換器のブロック回路図である。
【図2】 従来の電圧変換器のもとでの種々の信号経過を示した図である。
【図3】 本発明による回路での種々の信号経過を図2と比較して示した図である。
【図4】 本発明によるゲート共振制御部の基本原理図を概略的に示した図である。
【図5】 ゲート共振制御部のスイッチング過程において発生した種々の信号のタイムチ
ャートである。
【図6】 本発明によって構成された直流/直流変換器の回路を、本発明によって構成さ れたゲート共振制御部と一緒に概略的に示したブロック回路図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロベルト ケルン ドイツ連邦共和国 ビューラータール ア ルベルト−シュネーブレ−シュトラーセ 28 Fターム(参考) 5H730 AA02 AA14 AA15 AS11 BB74 BB76 DD04 DD26 EE07 FG01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変圧器(2)とチョークコイル(L1)並びに給電直流電圧
    (UB)のオン・オフのための制御可能なスイッチとを備えた直流/直流変換器に
    おいて、 所定の変成比(u)で変成器的に結合されたチョーク(2)の一次巻線(L2
    p)と二次巻線(L2s)の間の接続タップに、スイッチングトランジスタ(S
    1)のスイッチング区間が基準電位(−)に対して接続されており、 前記チョーク(2)の二次巻線(L2s)と直列に、ダイオード(D1)のア
    ノード−カソード区間が接続されており、さらに出力コンデンサ(C2)が基準
    電位に対して配設されており、この場合該出力コンデンサ(C2)を介して負荷
    (RL)に対する出力電圧(UA)が生成され、入力直流電圧(UB)は、チョーク
    (2)のインダクタンス(L1)と二次巻線(L2p)を介して供給されており
    、スイッチングトランジスタ(S1)のスイッチング区間に並列にキャパシタン
    ス(C1)が設けられており、この場合前記インダクタンス(L1)とキャパシ
    タンス(C1)によって、スイッチングトランジスタ(S1)のオン・オフフェ
    ーズに作用する直列共振回路が形成されることを特徴とする、直流/直流変換器 。
  2. 【請求項2】 前記スイッチングトランジスタ(S1)は、その通流区間に
    印加される電圧がほぼ0の値にある場合に導通接続される、請求項1記載の直流
    /直流変換器。
  3. 【請求項3】 前記スイッチングトランジスタ(S1)の通流区間に印加さ
    れる電圧を検出しそのゼロ点通過を検出する回路が設けられている、請求項2記
    載の直流/直流変換器。
  4. 【請求項4】 前記スイッチングトランジスタ(S1)としてMOSFET
    トランジスタが設けられる、請求項1または2記載の直流/直流変換器。
  5. 【請求項5】 前記二次巻線(L2p)に前置接続されるインダクタンスが
    、別個のインダクタンス(L1)として実現可能か、又は結合係数の適切な選択
    のもとで前記チョーク(2)の漏れインダクタンスによって実現可能である、請
    求項1から4いずれか1項記載の直流/直流変換器。
  6. 【請求項6】 前記スイッチングトランジスタ(S1)のスイッチング区間
    に対して並列なキャパシタンスは、別個のコンデンサ(C1)によって実現可能
    か、又は構成要素の寄生出力キャパシタンスによって実現可能か、又はこれらの
    2つの実現手段の組合わせによって実現可能である、請求項1から5いずれか1
    項記載の直流/直流変換器。
  7. 【請求項7】 MOSFETトランジスタの制御がゲート(G)においてゲ
    ート共振制御部によって行われる、請求項4から6いずれか1項記載の直流/直 流変換器。
  8. 【請求項8】 ゲート共振制御部が、入力直流電圧(UB)を切換るMOS FETトランジスタ(S14)のゲート(G)前のゲートチョーク(L3)を含
    んでおり、該ゲートチョーク(L3)は、一方では第1のダイオード(D2)の
    カソード−アノード区間と第1のトランジスタスイッチ(S2)を介して制御電
    圧源(34)に接続可能であり、さらに前記ゲートチョーク(L3)は他方では
    第2のダイオード(D3)のアノード−カソード区間と第2のトランジスタスイ
    ッチ(S3)を介して基準電位に接続可能であり、この場合共振回路に対するキ
    ャパシタンスとして、寄生ゲート−ドレインキャパシタンス(CGD)ないしは寄
    生ゲート−ソースキャパシタンス(CDS)が用いられ、前記2つのトランジスタ
    スイッチ(S2,S3)のスイッチオン・オフのクロックは、ゲート電圧(UG )に所望の揺動特性が生じるように選択されることを特徴とする、請求項7に記
    載の直流/直流変換器の制御のためのゲート共振制御部。
  9. 【請求項9】 前記トランジスタスイッチ(S2,S3)としてバイポーラ
    トランジスタが用いられる、請求項8記載のゲート共振制御部。
  10. 【請求項10】 入力電圧(UB)を切換るMOSFETトランジスタ(S 1)の制御に対して、請求項8または9に記載のゲート共振制御部が用いられる
    、請求項7記載の直流/直流変換器。
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