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JP2002204827A - カーディオトミー付き静脈血貯血槽 - Google Patents

カーディオトミー付き静脈血貯血槽

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Publication number
JP2002204827A
JP2002204827A JP2001002342A JP2001002342A JP2002204827A JP 2002204827 A JP2002204827 A JP 2002204827A JP 2001002342 A JP2001002342 A JP 2001002342A JP 2001002342 A JP2001002342 A JP 2001002342A JP 2002204827 A JP2002204827 A JP 2002204827A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
venous blood
venous
intracardiac
filtration network
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001002342A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Tanaka
稔 田中
Masafumi Sato
雅郁 佐藤
Shinichi Yoshida
伸一 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JMS Co Ltd
Original Assignee
JMS Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JMS Co Ltd filed Critical JMS Co Ltd
Priority to JP2001002342A priority Critical patent/JP2002204827A/ja
Publication of JP2002204827A publication Critical patent/JP2002204827A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯血槽に流入した気泡が貯血槽の下流に流出
されることなく適切に除去され、しかも貯血液面の制御
が容易なカーディオトミー付き静脈血貯血槽を提供す
る。 【解決手段】 静脈血流入口4、心内血流入口5および
血液流出口6を有するハウジング2と、ハウジング内に
その底部から上部に亘って存在し静脈血流入口および心
内血流入口に連通するように設置された静脈血濾過網8
と、静脈血流入口に接続されその先端が静脈血濾過網内
の底部近傍まで延びている静脈血導入管7と、静脈血濾
過網の上方に設置され消泡剤を担持した消泡部材11
と、消泡部材の上方に設置され心内血流入口に連通する
心内血濾過消泡部10とを備える。静脈血導入管の先端
と静脈血濾過網の距離は7mm以上であり、かつ静脈血
濾過網のオープニングサイズは20〜55μmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体外循環回路に設
置され、血液中の気泡などを除去するための貯血槽、特
に貯血槽に流入した気泡が、貯血槽の下流に流出される
ことなく好適に除去されるカーディオトミー付き静脈血
貯血槽に関する。
【0002】
【従来の技術】心臓手術を行う場合に、その間に心臓や
肺の機能の代替手段として、人工肺体外循環用血液回路
を使用した体外循環が行われる。この血液回路には、患
者の静脈より脱血された静脈血に酸素を付加するための
人工肺や、静脈より脱血された血液を一次貯留するため
の貯血槽(静脈血貯血槽と呼ばれる)や、心腔内(術
野)に溢れ出た血液を吸引回収し異物を濾過した後に一
次貯留するための貯血槽(心内血貯血槽と呼ばれる)が
設けられている。心内血は静脈血に比べ、肉片、脂肪、
凝血塊等の異物や気泡を多く含むため、前記心内血貯血
槽には、血液を消泡するための消泡層と異物を除去する
ための濾過層とからなる心内血濾過消泡部(カーディオ
トミー部)を備えている。近年、このカーディオトミー
部と静脈血貯血槽とが一体となった貯血槽が考案され、
その構造の一例が、特開平5−317420号公報に開
示されている。
【0003】このような貯血槽は、回路内の血液量を調
整し、返血量を一定に保つための緩衝機能を有する。ま
た貯血槽に供給される血液中の異物や気泡を除去するた
めのフィルター(濾過網)を備える。静脈血は、一端が
静脈血流入口に接続され、他端が貯血槽の底部近傍まで
延びた静脈血導入管を通って貯血室内に導入される。静
脈血導入管はその周囲が濾過網によって包囲されてお
り、静脈血は濾過網によって微小な異物や気泡が除去さ
れる。一方、心内血は、心内血導入口より導入され、上
記のカーディオトミー部において肉片、脂肪、凝血塊等
の異物や気泡が取り除かれた後に、貯血室で静脈血と合
流する。また貯血室の上方には消泡装置が配置され、貯
血室内に貯留された血液の液面に集められた気泡を消泡
する機能を提供している。消泡装置としては、一般に、
消泡部材にシリコーン消泡剤を担持した構成のものが知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、既存の
カーディオトミー付き静脈血貯血槽には、以下の問題が
ある。
【0005】まず、静脈血導入管の先端が位置する箇所
のフィルタ内断面積が比較的狭く形成されているため、
静脈血導入管から供給される静脈血が貯血室内に流出す
る箇所において乱流が生じ易く、従って、泡立ちが多く
なる傾向がある。
【0006】また、静脈血導入管から血液が流出する際
に、流出箇所に近接した位置にフィルタ表面が存在する
ことになるので、血液とともに流入した気泡や乱流によ
り生じた気泡が、貯血室の液面まで上昇する前に、フィ
ルタを通り抜けて流出し易くなる。
【0007】これに対して、フィルタのポアサイズを小
さくすることにより気泡の流出を阻止することも考えら
れるが、ポアサイズを小さくし過ぎると、静脈血濾過網
内の血液の通過抵抗が大きくなるため、濾過網内に余分
に貯留される血液の量(以下「動的充填量」と称する)
が多くなり、貯血液面の制御が困難になる。
【0008】従って本発明は、貯血槽に流入した気泡が
貯血槽の下流に流出されることなく適切に除去され、し
かも貯血液面の制御が容易な貯血槽を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明のカーディオトミー付き静脈血貯血槽は、静
脈血流入口、心内血流入口および血液流出口を有するハ
ウジングと、ハウジング内にその底部から上部に亘って
存在し静脈血流入口および心内血流入口に連通するよう
に設置された静脈血濾過網と、静脈血流入口に接続され
その先端が静脈血濾過網内の底部近傍まで延びている静
脈血導入管と、静脈血濾過網の上方に設置され消泡剤を
担持した消泡部材と、消泡部材の上方に設置され心内血
流入口に連通する心内血濾過消泡部とを備える。静脈血
濾過網は静脈血導入管の周囲を包み込む構造を有し、静
脈血導入管は静脈血濾過網の底部近傍まで延びている。
静脈血導入管の先端と静脈血濾過網の距離は7mm以上
であり、かつ静脈血濾過網のオープニングサイズは20
〜55μmである。
【0010】この構成によれば、貯血槽内での血液流の
乱れが小さく、流速は遅くなり、血液の滞留時間が長く
なるので、気泡が貯血槽の下流に流出されることが十分
に低減される。従って、貯血槽に流入した気泡が貯血槽
の下流に流出されることなく適切に除去され、しかも貯
血液面の制御は容易である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施の形態に
おける貯血槽を示す正面図である。図2は、図1におけ
るA−Aで示される位置における側面構造を示す断面図
である。
【0012】図1および図2に示すように、貯血槽1は
ハウジング2を有し、その内部に血液を貯留する貯血室
3が形成されている。ハウジング2の上部には、貯血室
3に連通する管状の、静脈血流入口4及び心内血流入口
5が形成されている。静脈血流入口4は、体外循環用血
液回路の脱血ラインのチューブに接続される。心内血流
入口5は、心内血吸引ラインのチューブに接続される。
ハウジング2の下部には、貯血室3に連通する管状の血
液流出口6が形成されている。血液流出口6は、体外循
環用血液回路の送血ラインのチューブに接続される。
【0013】7は、静脈血流入口4に接続された静脈血
導入管であり、その周囲には、静脈血濾過網8が配置さ
れている。静脈血濾過網8は静脈血導入管7の周囲を包
み込む構造を有し、静脈血導入管7は静脈血濾過網8の
底部近傍まで延びており、その先端はホルダー13によ
って所定の位置に固定されている。静脈血流入口4から
流入した静脈血は、静脈血導入管7を通って静脈血濾過
網8の下部に供給される。供給された血液は、静脈血濾
過網8により濾過された後、血液流出口6から流出す
る。静脈血濾過網8は、血液中の異物や気泡を除去する
フィルターとして機能する。静脈血濾過網8の構成材料
としては、アルミニウム、ステンレス等の金属材料、プ
ラスチック、あるいはそれらの組合せを用いることがで
きるが、特に、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、あるいはステンレスが好ましい。
【0014】図2に示すように、静脈血濾過網8は、格
子状のフレーム9に固定され、支持されている。ハウジ
ング2の上部には、心内血濾過消泡部10、および消泡
部材11が設置されている。心内血流入口5から流入し
た心内血は、心内血濾過除泡部10により異物や気泡を
除去された後、静脈血濾過網8の内部へ供給される。消
泡部材11は、ウレタンフォームからなり、消泡剤が塗
布されている。12は、貯血室3に連通するエアーベン
トであり、消泡部材11等により消泡された後の空気が
ここから外部に排出される。また、貯血室3内での血液
の増減に伴う空気の出入は、このエアーベント12を通
して行われる。
【0015】図3は、図1におけるB−Bで示される位
置における平面構造を示す断面図である。図3に示され
るように、静脈血導入管7の先端は、貯血槽内での血液
流の乱れを抑止するために、静脈血濾過網8との間に十
分な距離を持つように配置される。
【0016】以上の様な構成を有する貯血槽について、
気泡発生の抑制および除去と、貯血液面の制御が容易で
あるための条件について検討した。すなわち、そのよう
な結果を得るための条件として、静脈血濾過網8の網目
のオープニングサイズ、および静脈血導入管7の先端と
静脈血濾過網8の間の距離について、適切な値に設定す
ることが必要であると考え、その設定範囲を決定するた
めの実験を行った。
【0017】1)オープニングサイズ 静脈血濾過網8の網目のオープニングサイズについて、
その上限値を調べるために、図4に示す装置を用いた実
験を行った。図4において、1は上記構成の貯血槽であ
る。40は貯血容器であり、クエン酸またはヘパリン化
牛血Ht35%(実験用血液と称する)を収容してい
る。貯血容器40に収容された実験用血液は、ポンプ4
1、44により、貯血容器42、貯血槽1、およびエア
ートラップ43を循環させるようになっている。但し、
貯血容器42からは、落差により貯血槽1へ供給され
る。また、貯血容器42から貯血槽1へ送液される間
に、空気が混入される。
【0018】実験用血液の流量は4L/min、空気の
混入量は1L/min、循環時間は60分とした。貯血
槽1における貯血量は200mL(最低貯血レベル)と
した。この条件で循環後、エアートラップ43から採取
した空気量を気泡送り込み量として測定した。オープニ
ングサイズを変化させた測定の結果、オープニングサイ
ズが55μmを超えると気泡送り込み量が急速に多くな
ることが判った。
【0019】一方、オープニングサイズの下限について
は、図4と同様の装置を用い、実験用血液を上記よりも
速い流速で循環させる実験を行った。その際、貯血槽1
における液面が適切な範囲を超えないように制御を行
い、オープニングサイズを変化させて、オープニングサ
イズの各設定値において制御の安定性を確認した。その
結果、オープニングサイズが20μmよりも小さくなる
と液面の制御が著しく不安定となった。その原因は、オ
ープニングサイズが20μmよりも小さい場合、血液の
濾過抵抗が増大して、静脈血濾過網8内での血液の動的
充填量が大きくなるためである。
【0020】以上の結果に基けば、静脈血濾過網8の網
目のオープニングサイズの実用的に好適な範囲は、20
〜55μmである。20μmよりも小さい場合は、液面
の制御が困難になる。また、55μmより大きいと、気
泡が抜け易くなり、濾過性能が不十分となる。
【0021】2)静脈血導入管7の先端部分と静脈血濾
過網8の間の距離 上記の範囲内のオープニングサイズを持つ静脈血濾過網
8を用いて、図3に示される距離sを変化させて、貯血
槽内での血液流の乱れの発生を観察する実験を行った。
【0022】実験の結果、静脈血導入管7の先端と静脈
血濾過網8の間の水平距離sを7mm以上に設定すれ
ば、良好な結果が得られることが判った。そのように設
定すれば、静脈血導入管7の先端部分と静脈血濾過網8
との間隙は、供給される静脈血による乱流の発生が抑制
されるだけの広さを持つことができ、また、血液中の気
泡どうしがぶつかり難くなるので、泡立ちの発生は少な
い。更に、静脈血とともに流入した気泡は、静脈血濾過
網8の表面に付着する前に液面まで上昇することがで
き、静脈血濾過網8からの気泡の通り抜けが低減され
る。
【0023】なお、静脈血導入管7の先端と静脈血濾過
網8の底部との間の垂直距離は、通常、水平距離sに比
べて十分に大きい(例えば33mm)ので、上記の条件
は充足される。
【0024】以上のように、静脈血導入管7の先端部分
と静脈血濾過網8の間の距離を7mm以上とし、かつ静
脈血濾過網8の網目のオープニングサイズを20〜55
μmとすることが、気泡発生の抑制および除去と、貯血
液面の制御が容易であるための、最適の条件である。す
なわち、貯血槽内での血液流の乱れが小さく、流速は遅
くなり、血液の滞留時間が長くなるので、気泡が貯血槽
の下流に流出されることが十分に低減される。
【0025】なお、静脈血導入管7の先端部分と静脈血
濾過網8との距離についての上記設定値を充足すれば、
静脈血濾過網8の網目のオープニングサイズの上記設定
値を前提として、血液の流速が通常予測される最大値の
場合でも良好な結果が得られた。
【0026】
【発明の効果】本発明のカーディオトミー付き静脈血貯
血槽によれば、貯血槽に流入した気泡が貯血槽の下流に
流出されることなく適切に除去され、しかも貯血液面の
制御が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるカーディオトミ
ー付き静脈血貯血槽を示し正面図
【図2】図1の貯血槽におけるA−Aで示される位置に
おける側面断面図
【図3】図1の貯血槽におけるB−Bで示される位置に
おける平面断面図
【図4】静脈血濾過網の網目のオープニングサイズの適
切な範囲を調べるための実験装置を示す概略図
【符号の説明】
1 貯血槽 2 ハウジング 3 貯血室 4 静脈血流入口 5 心内血流入口 6 血液流出口 7 静脈血導入管 8 静脈血濾過網 9 フレーム 10 心内血濾過消泡部 11 消泡部材 12 エアーベント 13 ホルダー 40、42 貯血容器 41、44 ポンプ 43 エアートラップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 伸一 広島県広島市中区加古町12番17号 株式会 社ジェイ・エム・エス内 Fターム(参考) 4C077 AA11 BB02 BB10 CC04 DD13 EE01 KK19 KK25 NN01 PP14

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静脈血流入口、心内血流入口および血液
    流出口を有するハウジングと、前記ハウジング内にその
    底部から上部に亘って存在し前記静脈血流入口および前
    記心内血流入口に連通するように設置された静脈血濾過
    網と、前記静脈血流入口に接続されその先端が前記静脈
    血濾過網内の底部近傍まで延びている静脈血導入管と、
    前記静脈血濾過網の上方に設置され消泡剤を担持した消
    泡部材と、前記消泡部材の上方に設置され前記心内血流
    入口に連通する心内血濾過消泡部とを備え、 前記静脈血導入管の先端と前記静脈血濾過網の距離は7
    mm以上であり、かつ前記静脈血濾過網のオープニング
    サイズは20〜55μmであることを特徴とするカーデ
    ィオトミー付き静脈血貯血槽。
JP2001002342A 2001-01-10 2001-01-10 カーディオトミー付き静脈血貯血槽 Pending JP2002204827A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008149001A (ja) * 2006-12-19 2008-07-03 Jms Co Ltd 貯血槽
GB2501221A (en) * 2011-10-27 2013-10-23 Basildon And Thurrock University Hospitals Pericardial blood suction apparatus and reservoir
WO2019172191A1 (ja) * 2018-03-09 2019-09-12 テルモ株式会社 貯血槽

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008149001A (ja) * 2006-12-19 2008-07-03 Jms Co Ltd 貯血槽
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