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JP7459480B2 - 貯血槽 - Google Patents

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Description

本発明は、心肺手術等を行う際に体外循環中の血液を一時的に貯留する貯血槽に関する。
従来、心臓手術等を行う場合、患者の心臓や肺の機能を代替するための血液ポンプや人工肺を備えた体外血液循環回路が用いられる。体外血液循環回路には、患者の静脈から脱血された静脈血を一時的に貯留して循環回路血液量を調整するための貯血槽(「静脈血貯血槽」と呼ばれることがある)や、術野に溢れた血液(「心内血」と呼ばれることがある)を吸引して回収して一時的に貯留するための貯血槽(「心内血貯血槽」と呼ばれることがある)が設けられる。心内血は、静脈血に比べて、肉片、脂肪、凝血塊などの異物や気泡を多く含む。そのため、心内血貯血槽には、異物を除去するためのフィルタと、気泡を消泡(破泡)するための消泡材と、を有するカーディオトミー部が設けられる。静脈血と心内血とを共通の貯血槽に貯留することも広く行われている(例えば、特許文献1参照)。
貯血槽は、一般的に、患者の静脈から脱血された静脈血を一時的に貯留して循環回路血液量を調整する場合や、患者の血液に薬液を投与する場合に用いられる。例えば、特許文献1に記載される貯血槽は、静脈血と心内血とを共通の貯血槽に貯留するように構成され、ハウジングと、ハウジング内に収容され周壁部の一部分にフィルタが設けられた消泡フレームと、消泡フレームの内部に配置されフィルタを有するカーディオトミー部と、ハウジングの蓋部から消泡フレームの内部に延びて配置される静脈血用導管と、ハウジングの蓋部からカーディオトミー部の内部に延びて配置される心内血用導管と、を備える。
特許第6307916号公報
このような貯血槽に血液が一時的に貯留された場合に、血液成分が分離したり、注入された薬液が血液に均一に混ざらないことがある。例えば、特許文献1の貯血槽においては、消泡フレームの内部に流入された血液は、消泡フレームのフィルタを通してハウジング側に流出する。そのため、消泡フレームとハウジングとの間の隙間において、消泡フレームのフィルタが設けられている部分は、血液の流通があるため血液は撹拌されやすい。一方、消泡フレームのフィルタが設けられていない部分は、消泡フレームとハウジングとの間に血液が滞留してしまうため血液は撹拌されにくい。貯血槽に貯留される血液が撹拌されにくい場合には、血液成分が分離したり、注入された薬液が均一に混ざらない可能性がある。よって、撹拌性能を向上させることができる貯血槽が望まれている。
本発明は、撹拌性能を向上させることができる貯血槽を提供することを目的とする。
本発明は、ハウジング本体及びハウジング蓋体を備え、前記ハウジング蓋体に設けられる第1血液流入ポート及び第2血液流入ポートと、前記ハウジング本体の下部に設けられる血液流出ポートと、を有するハウジングと、前記ハウジングの内部に収容され、血液が通過可能なメッシュ状の第1フィルタ部と、血液が通過不可能な閉鎖部と、を有する消泡フレームと、前記第1血液流入ポートに連通し、前記消泡フレームの内部に配置される第1導管と、前記消泡フレームの内部に配置され、上下方向に延びる第2フィルタ部と、前記第2血液流入ポートに連通し、前記第2フィルタ部の内部に配置される第2導管と、を備える貯血槽であって、前記閉鎖部と前記ハウジング本体の内面との間には、上下方向に連通する閉鎖側隙間が形成され、前記閉鎖側隙間は、前記第2フィルタ部の下端部よりも下方側に形成される第1隙間と、前記第1隙間の上方側に形成される第2隙間と、を有し、前記第1隙間と前記第2隙間との境界近傍において、下方側から上方側に向けて隙間の大きさが拡大する貯血槽に関する。
また、前記消泡フレームは、前記第1導管の下端部よりも下方に配置される底部と、前記底部から上方に延びる誘導板と、を有することが好ましい。
本発明によれば、撹拌性能を向上させることができる貯血槽を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る貯血槽の全体の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る貯血槽を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る貯血槽からハウジング本体を取り外した状態を示す斜視図である。 図1のA-A線断面図である。 図1のB-B線断面図である。 消泡フレームの下部及び静脈血導管の下端を示す斜視図である。 図4のC-C線断面図である。 図4及び図5のD-D線断面図である。 図4及び図5のE-E線断面図である。 比較例に係る貯血槽を示す図であって、図4に対応する断面図である。 比較例に係る貯血槽を示す図であって、図5に対応する断面図である。 実施例及び比較例の時間経過に伴う色変化を示す貯血槽の写真である。 実施例及び比較例の貯血槽の色変化をグラフ化したものである。
以下、本発明の貯血槽1の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の貯血槽1は、静脈血と心内血とを共通の貯血槽に貯留するように構成される。なお、本実施形態においては、貯血槽1において、ハウジング蓋体22の長手方向をX方向といい、ハウジング蓋体22の幅方向をY方向といい、上下方向をZ方向という。図1は、本実施形態の一実施形態に係る貯血槽1の全体の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る貯血槽1を示す分解斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係る貯血槽1からハウジング本体21を取り外した状態を示す斜視図である。図4は、図1のA-A線断面図である。図5は、図1のB-B線断面図である。図6は、消泡フレーム3の下部及び静脈血導管5の下端51を示す斜視図である。図7は、図4のC-C線断面図である。図8は、図4及び図5のD-D線断面図である。図9は、図4及び図5のE-E線断面図である。
貯血槽1は、図1~図5に示すように、ハウジング2と、消泡フレーム3と、カーディオトミー部4と、静脈血導管5(第1導管)と、心内血導管6(第2導管)と、を備える。ハウジング2は、ハウジング本体21と、ハウジング本体21の上端に配置されるハウジング蓋体22と、を有する。
ハウジング本体21は、上端部が開放された容器により形成される。ハウジング本体21の内部には、後述する静脈血流入ポート222及び心内血流入ポート223から流入された血液が一時的に貯留される。ハウジング本体21は、上方側に形成される上部周壁部211と、下方側に形成される下部周壁部212と、固定部214と、を有する。
上部周壁部211は、ハウジング本体21の上部において周方向に囲む周壁状に形成され、上端部には開放部分が形成される。
下部周壁部212は、上部周壁部211の下方側に連続して形成され、X方向の一方側において、下方に延伸する。下部周壁部212のX方向の一方側の側面は、上下方向に延びる面状に形成され、下部周壁部212のX方向の他方側の面は、一方側の側面に近づくように傾斜する。下部周壁部212の下端部には、血液を外部に流出させる血液流出ポート213が設けられている。血液流出ポート213は、図2に示すように、血液流出ポート本体213aと、キャップ部材213bと、を有する。
固定部214は、ハウジング本体21のX方向の他方側の下部に形成される。固定部214は、二重の筒状に形成され、貯血槽1を設置するためのホルダ(図示せず)などに挿入されることで固定される。
ハウジング蓋体22は、ハウジング本体21の上端部の開放部分を塞ぐように、ハウジング本体21の上端部に配置される。ハウジング蓋体22は、図3に示すように、平面視で、略長方形状に形成される。また、ハウジング蓋体22は、図2及び図3に示すように、中央側の上面に形成される上方に延びる上面円筒壁部228aと、上面円筒壁部228aの上端部に配置される円形上面部228bと、円形上面部228bの下面に上面円筒壁部228aの径よりも小さい径で形成される下方に延びる内部円筒壁部228cと、を有する。ハウジング蓋体22には、図1に示すように、複数のポート221が設けられている。
複数のポート221は、図1に示すように、静脈血を流入させるための静脈血流入ポート222(第1血液流入ポート)と、心内血を流入させるための複数の心内血流入ポート223(第2血液流入ポート)と、薬液等を血液に混入するための複数の薬液注入ポート224と、貯血槽1内の空気を吸引して陰圧にするための吸引手段が接続されるベントポート225と、貯血槽1内の圧力が異常な陽圧又は陰圧になるのを防止するための圧力調整弁226と、を有する。静脈血流入ポート222には、静脈血の温度を測定するための温度プルーブ227が挿入されている。
静脈血流入ポート222には、体外血液循環回路の脱血ラインのチューブ(図示せず)が接続される。静脈血流入ポート222は、図4に示すように、ハウジング蓋体22のX方向の一方側の下面に接続された静脈血導管5に連通する。静脈血導管5は、後述する消泡フレーム3の内部に配置される。静脈血導管5は、ハウジング蓋体22の下面から、消泡フレーム3の下方側に延びる。静脈血導管5の下端51は、図3に示すように、消泡フレーム3の下部の内部において、底板部33から隙間Gを空けた状態で、底板部33に対向して配置される。
複数の心内血流入ポート223には、心内血吸引ラインのチューブ(図示せず)が接続される。複数の心内血流入ポート223は、ハウジング蓋体22の円形上面部228bの下方に配置された心内血導管6に連通する。心内血導管6は、後述するカーディオトミー部4の内部に配置され、上下方向に延びる。
血液流出ポート213には、体外血液循環回路の送血ラインのチューブ(図示せず)が接続される。薬液注入ポート224には、所定の薬液容器に接続された薬液注入ラインのチューブ(図示せず)が接続される。薬液注入ポート224から貯血槽1に流入した薬液は、カーディオトミー部4の内部に注入され、又は、カーディオトミー部4を通さずに消泡フレーム3の内部に注入される。
消泡フレーム3は、図2~図4に示すように、ハウジング本体21の内部に収容されている。消泡フレーム3は、X方向の一方側の端部において上下方向に延びて形成されるフィルタ構成部31と、フィルタ構成部31のX方向の他方側に形成される閉鎖カップ状部32(閉鎖部)と、を備える。
フィルタ構成部31は、図2に示すように、X方向の一端部に形成され上下方向に亘って延びる第1縦面部311と、Y方向の両端部に形成され上下方向に亘って延びる一対の第2縦面部312と、フィルタ構成部31の下部においてX方向の他端部に形成される内側面部313と、を有する。内側面部313は、下端に向かうに従って垂直方向に対してX方向の他方側から一方側に向かうように僅かに傾斜する。フィルタ構成部31の下部は、消泡フレーム3におけるX方向の一方側の端部において下方に延伸する。消泡フレーム3の下部の延伸する部分は、ハウジング2の内部において、ハウジング2の下部周壁部212の下部の内面に沿って配置されている。第1縦面部311、一対の第2縦面部312及び内側面部313は、格子状のフレーム部材36と、気泡除去用フィルタ37(第1フィルタ部)と、を有する。
フレーム部材36は、第1縦面部311、一対の第2縦面部312及び内側面部313に設けられ、略矩形の複数の領域が開口している。格子状のフレーム部材36の複数の開口を塞ぐように、気泡除去用フィルタ37が固定されている。
気泡除去用フィルタ37は、格子状のフレーム部材36によって形成された開口を塞ぐように、フレーム部材36に保持される。気泡除去用フィルタ37は、血液が通過可能にメッシュ状に形成される。気泡除去用フィルタ37は、血液が通過する際に、血液中の気泡を除去するフィルタとして機能する。なお、気泡除去用フィルタ37は、消泡剤(例えばシリコーンなど)をコーティングすることで気泡の消泡機能を有していてもよい。
気泡除去用フィルタ37の構成及び材料に特に制限はなく、公知のものを適宜選択して使用することができる。例えば、気泡除去用フィルタ37として多数の微細な開口を有するスクリーンフィルタを用いることができる。気泡除去用フィルタ37の開口径は、特に制限はないが、例えば、30μm~200μmが好ましい。
フィルタ構成部31の内部には、静脈血導管5が配置される。
静脈血導管5は、図3及び図4に示すように、静脈血流入ポート222に連通し、フィルタ構成部31の内部において、ハウジング蓋体22の下面から下方側に延びる。静脈血導管5の下端51は、下方に向けて開口しており、底板部33との間に隙間Gを空けた状態で、底板部33に対向して配置される。静脈血導管5の下端51は、貯血槽1に貯留される血液の最低血液面レベルよりも下方に位置している。
閉鎖カップ状部32におけるX方向の一方側の開放端部は、開放して形成され、フィルタ構成部31のX方向の他方側の端部に接続される。閉鎖カップ状部32は、血液が通過不可能に構成されている。閉鎖カップ状部32のX方向の他方側の面は、複数の傾斜部を有することで、一方側の側面に近づくように傾斜する。閉鎖カップ状部32は、閉鎖カップ状部32のX方向の他方側の面において、上側傾斜部321と、中段傾斜部322と、下側傾斜部323と、を有する。
上側傾斜部321は、図4に示すように、下方に向かうに従ってX方向の他方側から一方側に向かうように傾斜する。上側傾斜部321は、ハウジング本体21のX方向の他方側の上部周壁部211の内部側に配置される。
中段傾斜部322は、上側傾斜部321の傾斜角度よりも小さい傾斜角度で、下方に向かうに従ってX方向の他方側から一方側に向かうように傾斜する。中段傾斜部322は、ハウジング本体21のX方向の他方側の下部周壁部212の上方側に形成される傾斜面に沿って傾斜する。中段傾斜部322の上方側の部分の下面には、下方に突出する支持板322aが形成される。支持板322aは、下部周壁部212の内面の上方側に形成される傾斜面に当接する。
下側傾斜部323は、中段傾斜部322の傾斜角度よりも大きい傾斜角度で、下方に向かうに従ってX方向の他方側から一方側に向かうように傾斜する。下側傾斜部323は、ハウジング本体21のX方向の他方側の下部周壁部212の下方側に形成される傾斜面に沿って傾斜する。
消泡フレーム3は、上記構成に加えて、フィルタ構成部31の下端部に配置される底板部33と、底板部33の上面に配置される4枚の保持板34(図6及び図7参照)と、底板部33の上面に配置される4枚の誘導板35(図6及び図7参照)と、を更に備える。
底板部33は、図6及び図7に示すように、フィルタ構成部31の底部を構成する。底板部33は、静脈血導管5の下端51よりも下方に形成され、静脈血導管5の下端51に対向して配置される。底板部33は、略矩形の板状に形成される。静脈血導管5の下端51と底板部33との間には、隙間Gが形成される。
4枚の保持板34は、底板部33の上面から立設して形成され、静脈血導管5の下端51を保持する。4枚の保持板34は、底板部33の略中央を中心とした放射状に配置される。4枚の保持板34は、周方向に90°毎に離間して配置されている。保持板34の内側の上部側は、静脈血導管5の下端51を保持するために、上方側の内側の部分が切り欠かれている。4枚の保持板34に静脈血導管5の下端51が保持された状態において、底板部33の上面近傍は、4枚の保持板34により4つの領域に分けられている。
4枚の誘導板35は、図7に示すように、それぞれ、底板部33の上面近傍における4枚の保持板34により分けられた4つの領域それぞれに配置され、底板部33の上面から上方に延びて形成される。4枚の誘導板35は、それぞれ、Y方向に厚みを有した板状の部材であり、Y方向に見た場合にX方向及び上下方向に延びる台形形状に形成される。4枚の誘導板35は、平面視で静脈血導管5の下端51に対して、Y方向の両方の外側それぞれに2つずつ配置され、Y方向の両方の外側に配置される2つの誘導板35は、保持板34を挟んでX方向に離間して直線上に並んで配置されている。
誘導板35の高さは、静脈血導管5の下端51との関係も考慮されることが好ましい。
本実施形態においては、誘導板35の上端は、静脈血導管5の下端51よりも下方に位置すると共に、静脈血導管5の下端51から下方に離れ過ぎないことが好ましい。
誘導板35の上端が静脈血導管5の下端51よりも上方に位置すると、静脈血導管5の下端51から流出した血液が誘導板35に遮られて、血液が撹拌されにくくなるためである。一方、誘導板35の上端が静脈血導管5の下端51から下方に離れ過ぎていると、静脈血導管5の下端51から流出した血液のうち、底板部33に衝突することなく気泡除去用フィルタ37に直接到達する血液が増え、気泡除去用フィルタ37の近傍の領域において、血液の流速差及び圧力差が大きくなり、気泡捕捉の能力が低下するためである。
カーディオトミー部4は、図2~図4に示すように、ハウジング蓋体22の下方において、消泡フレーム3の内部に配置される。カーディオトミー部4は、心内血フィルタ41(第2フィルタ部)と、心内血フィルタ41の内部に配置された心内血消泡材42と、を備える。
心内血フィルタ41は、図4に示すように、消泡フレーム3の内部に配置されている。心内血フィルタ41は、上端部がY方向に長い略楕円形状に開放され下端部に向かうに従ってX方向の幅が短くなる袋状に形成される。心内血フィルタ41は、図2に示すように、下端部に向かうに従ってX方向の幅が狭くなり、下端部においてY方向に延びる直線状に形成される。本実施形態においては、図4に示すように、心内血フィルタ41の下端部411は、消泡フレーム3の中段傾斜部322の内面に当接した状態で、ハウジング蓋体22の上面(Z0=0)から、第1距離Z1(例えば、本実施形態においては、Z1=145mm)の位置に配置される。
心内血フィルタ41は、血液(心内血)が心内血フィルタ41を通過する際に血液中の異物を捕捉して除去する機能を有している。なお、心内血フィルタ41は、気泡を捕捉する機能を有していてもよいし、消泡剤(例えばシリコーン)をコーティングすることで気泡を消泡する機能を有していてもよい。
心内血フィルタ41としては、特に制限はないが、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンなどの樹脂材料からなるメッシュフィルタなど、カーディオトミー部として公知のフィルタ材を用いることができる。心内血フィルタ41の孔径は、特に制限はないが、例えば、20~50μmが好ましい。
心内血消泡材42は、心内血フィルタ41内に配置されている。心内血消泡材42は、心内血フィルタ41を全体的に小さくした形状に形成される。心内血消泡材42は、上端部がY方向に長い略楕円形状に開放され下端部に向かうに従ってX方向の幅が短くなる袋状に形成される。心内血消泡材42は、図2に示すように、下端部に向かうに従ってX方向の幅が狭くなり、下端部においてY方向に延びる直線状に形成される。
心内血消泡材42は、心内血消泡材42に接触した気泡を破泡させる消泡機能を有していることが好ましい。また、心内血消泡材42は、外力を加えることにより容易に変形することができる可撓性及び柔軟性を有し、外力を取り除くと初期形状に復帰するクッション性(形状復帰性)も有することが好ましい。
心内血消泡材42として、カーディオトミー部4に使用される公知の消泡材料を任意に選択して使用することができ、例えば、基層としてのポリウレタンの表面に、消泡剤としてのシリコーンがコーティングされた材料を用いることができる。また、基層の形態は、連続気泡を有する発泡体、織物、編み物、不織布などであってもよく、好ましくは、軟質のポリウレタンフォームにシリコーンをコーティングした材料を用いることができる。
心内血フィルタ41の上端及び心内血消泡材42の上端は、ハウジング蓋体22の下面に固定される。心内血消泡材42の内部には、心内血流入ポート223と連通した心内血導管6の下端部61が配置される。
以上のように構成される貯血槽1において、図4及び図5に示すように、消泡フレーム3の閉鎖カップ状部32とハウジング2の内面との間には、上下方向に連通する閉鎖側連通隙間S(閉鎖側隙間)が形成されている。閉鎖側連通隙間Sは、消泡フレーム3における気泡除去用フィルタ37が設けられていない閉鎖カップ状部32側に形成される隙間である。閉鎖側連通隙間Sは、X方向の他端部側に形成されるX方向端部隙間Sx(図4参照)と、Y方向の両端部それぞれに形成される一対のY方向端部隙間Sy,Sy(図5、図8及び図9参照)と、を有する。
X方向端部隙間Sxには、図4に示すように、心内血フィルタ41の下端部411よりも下方側に形成されるX方向端部第1隙間Sx1(第1隙間)と、X方向端部第1隙間Sx1の上方側に形成されるX方向端部第2隙間Sx2(第2隙間)と、が形成される。X方向端部第1隙間Sx1とX方向端部第2隙間Sx2との境界近傍において、下方側から上方側に向けて隙間の大きさが拡大する。本実施形態においては、X方向端部第1隙間Sx1が形成される領域は、心内血フィルタ41の下端部411よりも下方側の領域であって、ハウジング蓋体22の上面(Z0=0)からの距離が第1距離Z1(例えば、Z1=145mm)となる位置よりも下方側の領域である。また、X方向端部第2隙間Sx2が形成される領域は、X方向端部第1隙間Sx1の上方側の領域であって、ハウジング蓋体22の上面(Z0=0)からの距離が第2距離Z2(例えば、Z2=75mm)となる領域を含む領域である。なお、本実施形態においては、X方向端部第1隙間Sx1及びX方向端部第2隙間Sx2は、消泡フレーム3の閉鎖カップ状部32とハウジング2の内面との距離が最短の部分である。
また、一対のY方向端部隙間Syには、図5、図8及び図9に示すように、それぞれ、心内血フィルタ41の下端部411よりも下方側に形成されるY方向端部第1隙間Sy1(第1隙間)と、Y方向端部第1隙間Sy1の上方側に形成されるY方向端部第2隙間Sy2(第2隙間)と、が形成される。Y方向端部第1隙間Sy1とY方向端部第2隙間Sy2との境界近傍において、下方側から上方側に向けて隙間の大きさが拡大する。本実施形態においては、Y方向端部第1隙間Sy1が形成される領域は、心内血フィルタ41の下端部411よりも下方側の領域であって、ハウジング蓋体22の上面(Z0=0)からの距離が第1距離Z1(例えば、Z1=145mm)となる位置よりも下方側の領域である。また、Y方向端部第2隙間Sy2が形成される領域は、ハウジング蓋体22の上面(Z0=0)からの距離が第2距離Z2(例えば、Z2=75mm)となる領域を含む領域である。なお、本実施形態においては、Y方向端部第1隙間Sy1及びY方向端部第2隙間Sy2は、消泡フレーム3の閉鎖カップ状部32とハウジング2の内面との距離が最短の部分である。
貯血槽1内における血液の流れについて、図4及び図5を参照しながら簡単に説明する。
患者の術野から吸引された心内血は、心内血流入ポート223及び心内血導管6を順に通過してカーディオトミー部4内に流入する。カーディオトミー部4内の心内血は、心内血消泡材42及び心内血フィルタ41を順に通過して、消泡フレーム3内に流入する。この際、心内血に混入していた気泡は、心内血消泡材42に接触すると破泡する。また、心内血に含まれる肉片、脂肪、凝血塊などの異物や気泡は、心内血フィルタ41により捕捉される。消泡フレーム3内に流入した心内血は、消泡フレーム3の下方側に移動する。
一方、患者の静脈から脱血された静脈血は、静脈血流入ポート222及び静脈血導管5を順に通過して、静脈血導管5の下端51の開口から消泡フレーム3内に流入する。静脈血導管5の下端51の開口から消泡フレーム3内に流入した血液は、消泡フレーム3の底板部33に当たり、4つの誘導板35に誘導されて、上方側に拡散されながら移動する。これにより、静脈血導管5の下端51から消泡フレーム3内に流入した血液は、4つの誘導板35に誘導されて上方側に撹拌されながら移動するため、貯血槽1の撹拌性能を向上できる。
続けて、心内血及び静脈血は、消泡フレーム3内において混合され、消泡フレーム3の内部から、気泡除去用フィルタ37を通過して、消泡フレーム3とハウジング本体21との間に排出される。
気泡除去用フィルタ37を通過して消泡フレーム3とハウジング本体21との間に排出された血液は、気泡除去用フィルタ37の外側に滞留していた血液を押し出すように移動して血液を撹拌する。一方、気泡除去用フィルタ37とは反対側の閉鎖カップ状部32の外側に滞留していた血液は、気泡除去用フィルタ37側から排出された血液が回り込んで押し出すことで上方側へ移動される。
ここで、図4及び図5に示すように、X方向端部隙間Sx及びY方向端部隙間Syは、心内血フィルタ41の下端部411よりも下方側に形成される第1隙間(X方向端部第1隙間Sx1,Y方向端部第1隙間Sy1)と、第1隙間(X方向端部第1隙間Sx1,Y方向端部第1隙間Sy1)の上方側に形成される第2隙間(X方向端部第2隙間Sx2,Y方向端部第2隙間Sy2)と、を有し、第1隙間(X方向端部第1隙間Sx1,Y方向端部第1隙間Sy1)と第2隙間(X方向端部第2隙間Sx2,Y方向端部第2隙間Sy2)との境界近傍において、下方側から上方側に向けて隙間の大きさが拡大する。
これにより、閉鎖カップ状部32側の側方の3方向の全てにおける閉鎖カップ状部32とハウジング本体21の内面との間における第1隙間(X方向端部第1隙間Sx1,Y方向端部第1隙間Sy1)と第2隙間(X方向端部第2隙間Sx2,Y方向端部第2隙間Sy2)との境界近傍において、下方側から上方側に向けて隙間の大きさが拡大する。よって、心内血フィルタ41の下端部411よりも上方側において、血液が撹拌される空間を確保できるため、貯血槽1の撹拌性能を向上できる。
気泡除去用フィルタ37を介して消泡フレーム3の外部に排出された血液は、血液面が最低血液面レベルより上に位置する状態で、ハウジング2の内部に一時的に貯留される。ハウジング2の内部に一時的に貯留された血液は、血液流出ポート213を通って貯血槽1外に流出する。
以上説明した本実施形態の貯血槽1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)貯血槽1を、ハウジング2と、ハウジング2の内部に収容され血液が通過可能なメッシュ状の第1フィルタ部37と、血液が通過不可能な閉鎖カップ状部32と、を有する消泡フレーム3と、第1血液流入ポート222に連通し、消泡フレーム3の内部に配置される静脈血導管5と、消泡フレーム3の内部に配置され、上下方向に延びる心内血フィルタ41と、第2血液流入ポート223に連通し、心内血フィルタ41の内部に配置される心内血導管6と、を備えて構成し、閉鎖カップ状部32とハウジング本体21の内面との間には、上下方向に連通する閉鎖側連通隙間S(X方向端部隙間Sx,Y方向端部隙間Sy)を形成し、閉鎖側連通隙間S(X方向端部隙間Sx,Y方向端部隙間Sy)を、心内血フィルタ41の下端部よりも下方側に形成される第1隙間(X方向端部第1隙間Sx1,Y方向端部第1隙間Sy1)と、第1隙間(X方向端部第1隙間Sx1,Y方向端部第1隙間Sy1)の上方側に形成される第2隙間(X方向端部第2隙間Sx2,Y方向端部第2隙間Sy2)と、を有して構成し、第1隙間(X方向端部第1隙間Sx1,Y方向端部第1隙間Sy1)と第2隙間(X方向端部第2隙間Sx2,Y方向端部第2隙間Sy2)との境界近傍において、下方側から上方側に向けて隙間の大きさが拡大するように構成した。
そのため、気泡除去用フィルタ37が設けられていない閉鎖カップ状部32側の側方の3方向の全てにおいて、心内血フィルタ41の下端部411よりも上方側の第2隙間(X方向端部第2隙間Sx2,Y方向端部第2隙間Sy2)と、心内血フィルタ41の下端部411よりも下方側の第1隙間(X方向端部第1隙間Sx1,Y方向端部第1隙間Sy1)との境界近傍において、下方側から上方側に向けて隙間の大きさが拡大して形成される。これにより、閉鎖カップ状部32側の側方の3方向の全てにおける閉鎖カップ状部32とハウジング本体21の内面との間における第1隙間(X方向端部第1隙間Sx1,Y方向端部第1隙間Sy1)と第2隙間(X方向端部第2隙間Sx2,Y方向端部第2隙間Sy2)との境界近傍において、血液が撹拌される空間を確保できる。よって、撹拌性能を向上できる。
(2)消泡フレーム3を、静脈血導管5の下端51よりも下方に配置される底板部33と、底板部33から上方に延びる誘導板35と、を有して構成した。これにより、静脈血導管5の下端51から消泡フレーム3内に流入した血液を、4つの誘導板35に誘導にさせて撹拌させながら移動させることができるため、貯血槽1の撹拌性能を向上できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、消泡フレーム3に誘導板35を設けたが、これに限定されず、誘導板35を設けなくてもよい。底板部33は平面板でなくてもよく、例えば、曲面状の板であってもよい。
また、前記実施形態では、カーディオトミー部4の心内血フィルタ41及び心内血消泡材42を袋形状に形成したが、これに限定されず、例えば、円筒形状に形成してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例の貯血槽1及び比較例の貯血槽1Aにおいて、撹拌性能の評価試験を実施した。
まず、実施例の貯血槽1及び比較例の貯血槽1Aの構成について説明する。
実施例に係る貯血槽として、図4及び図5に示す本発明に係る貯血槽1を使用した。
比較例に係る貯血槽として、図10及び図11に示す貯血槽1Aを使用した。図10は、比較例に係る貯血槽1Aを示す図であって、図4に対応する断面図である。図11は、比較例に係る貯血槽1Aを示す図であって、図5に対応する断面図である。
比較例に係る貯血槽1Aは、図10及び図11に示すように、ハウジング2Aと、消泡フレーム3Aと、心内血フィルタ41A(第2フィルタ部)を有するカーディオトミー部4Aと、静脈血導管5Aと、心内血導管6Aと、を備える。消泡フレーム3Aは、フィルタ構成部31Aと、閉鎖カップ状部32Aと、を有する。
X方向端部隙間Saは、図10に示すように、心内血フィルタ41Aの下端部411Aよりも下方側に形成されるX方向端部第1隙間Sa1と、X方向端部第1隙間Sa1の上方側に形成されるX方向端部第2隙間Sa2と、を有する。X方向端部第1隙間Sa1とX方向端部第2隙間Sa2との境界近傍において、下方側から上方側に向かって隙間の大きさが拡大している。なお、比較例のX方向端部第1隙間Sa1及びX方向端部第2隙間Sa2は、実施例のX方向端部第1隙間Sx1及びY方向端部第1隙間Sy1に対応する位置に形成される。
また、一対のY方向端部隙間Sbは、図11に示すように、それぞれ、心内血フィルタ41Aの下端部411Aよりも下方側に形成されるY方向端部第1隙間Sb1と、Y方向端部第1隙間Sb1の上方側に形成されるY方向端部第2隙間Sb2と、を有する。Y方向端部第1隙間Sb1とY方向端部第2隙間Sb2との境界近傍において、下方側から上方側に向かって隙間の大きさは縮小している。なお、比較例のY方向端部第1隙間Sb1及びY方向端部第2隙間Sb2は、実施例のX方向端部第2隙間Sx2及びY方向端部第2隙間Sy2に対応する位置に形成される。
以上の比較例に係る貯血槽1Aは、以下の点において、実施例に係る貯血槽1と異なる。
実施例の貯血槽1のY方向端部第1隙間Sy1とY方向端部第2隙間Sy2との境界近傍において、下方側から上方側に向かって隙間の大きさが拡大しているのに対して、比較例に係る貯血槽1Aは、Y方向端部第1隙間Sb1とY方向端部第2隙間Sb2との境界近傍において下方側から上方側に向かって隙間の大きさが縮小している。また、実施例の貯血槽1の消泡フレーム3に誘導板35が設けられているのに対して、比較例に係る貯血槽1Aの消泡フレーム3Aには、誘導板が設けられていない。
<試験手順>
次に、試験手順について説明する。
(i)試験液Aは、塩酸を0.1mol/Lに調整した溶液を、キシレノールオレンジを用いて黄色に着色したものである。また、試験液Bは、水酸化ナトリウムを0.1mol/Lに調整した溶液を、キシレノールオレンジを用いて紫色に着色したものである。
(ii)まず、試験液A(黄色に着色した塩酸)を、静脈血流入ポート222,222Aから、所定の流量で貯血槽に導入して、血液流出ポート213,213から排出する循環動作を安定するまで行った後に、試験液B(紫色に着色した水酸化ナトリウム)を、静脈血流入ポート222,222Aから、所定の流量で貯血槽1,1Aに導入した。本実施例及び比較例において、貯血槽1,1Aに貯留した試験液の量を2000mLとし、後から導入した試験液Bの導入速度を3L/minとした。
(iii)試験液B(紫色に着色した水酸化ナトリウム)を一定時間循環させ、撹拌経過時間毎に、貯血槽1,1A内の試験液の色調変化を確認した。
<試験結果>
試験結果の図12の写真の実際の色は、試験液Aの黄色と試験液Bの紫色が混在した状態である。しかし、紙面上では、貯血槽1,1Aに貯留される試験液の色を、グレースケールの濃淡で示している。実際の写真の黄色は、紙面上では薄い色で示し、実際の写真の紫色は、紙面上では濃い色で示している。黄色に着色した塩酸が充填された貯血槽に、紫色に着色した水酸化ナトリウムを導入することで、撹拌経過時間の経過に伴って、黄色(紙面上では、薄い色)から紫色(紙面上では、濃い色)に変化する。
図12に示す写真から、貯血槽1,1Aにおける第1測定点(a)を含むフィルタ構成部31,31Aに貯留された試験液の色と、貯血槽1,1Aにおける第2測定点(b)を含む閉鎖カップ状部32,32Aに貯留された試験液の色と、を観察した。第1測定点(a)は、貯血槽1,1Aにおけるフィルタ構成部31,31Aに貯留される溶液の液面付近である。第2測定点(b)は、貯血槽1,1Aにおける閉鎖カップ状部32,32Aに貯留される溶液の液面付近である。
図12に示す試験結果の写真からは、実施例の貯血槽1における第1測定点(a)を含むフィルタ構成部31に貯留された試験液の色は、特に撹拌経過時間0秒から10秒に移行する際に、比較例の貯血槽1Aにおける第1測定点(a)を含むフィルタ構成部31Aに貯留された試験液の色に比べて、薄い色から濃い色に速く変化することが分かった。
また、実施例の貯血槽1における第2測定点(b)を含むフィルタ構成部31に貯留された試験液の色は、撹拌経過時間60秒~180秒に移行する際に、比較例の貯血槽1Aにおける第2測定点(b)を含むフィルタ構成部31Aに貯留された試験液の色に比べて、薄い色から濃い色に僅かに速く変化することが分かった。
より具体的に、図12に示す貯血槽1,1Aの第1測定点(a)及び第2測定点(b)における色の濃淡の変化を数値化して、図13のグラフに示した。図13において、色の変化を数値化してグラフに示すことで、より明確に理解できる。図13においては、溶液の色のB/R値を算出してグラフ化した。本実施形態において、B/R値とは、色の三原色RGBにおけるRに対するBの割合である。B/R値が低いほど色が薄く、B/R値が高いほど色が濃い。
第1測定点(a)では、図13のグラフに示すように、撹拌経過時間が0~120秒程度の範囲において、実施例の貯血槽1は、比較例の貯血槽1AよりもB/R値が高くなる速さが速くなっており、実施例の貯血槽1は、比較例の貯血槽1Aよりも薄い色から濃い色への変化の速さが速いことが分かった。
また、第2測定点(b)では、図13のグラフに示すように、撹拌経過時間90~180秒程度の範囲において、実施例の貯血槽1は、比較例の貯血槽1AよりもB/R値の上昇の割合が大きくなっており、実施例の貯血槽1は、比較例の貯血槽1Aよりも薄い色から濃い色の変化の割合が大きいことが分かった。
以上の試験結果により、実施例の貯血槽1は、比較例の貯血槽1Aよりも、薄い色から濃い色への変化の速さが速く且つ割合が大きい。そのため、実施例の貯血槽1は、比較例の貯血槽1Aよりも、撹拌される速度が速く、撹拌性能が高いことが分かった。
1 貯血槽
2 ハウジング
3 消泡フレーム
5 静脈血導管(第1導管)
6 心内血導管(第2導管)
21 ハウジング本体
22 ハウジング蓋体
32 閉鎖カップ状部(閉鎖部)
33 底板部(底部)
35 誘導板
37 気泡除去用フィルタ(第1フィルタ部)
41 心内血フィルタ(第2フィルタ部)
213 血液流出ポート
222 静脈血流入ポート(第1血液流入ポート)
223 心内血流入ポート(第2血液流入ポート)
S 閉鎖側連通隙間(閉鎖側隙間)
Sx X方向端部隙間(閉鎖側隙間)
Sy Y方向端部隙間(閉鎖側隙間)
Sx1 X方向端部第1隙間(第1隙間)
Sy1 Y方向端部第1隙間(第1隙間)
Sx2 X方向端部第2隙間(第2隙間)
Sy2 Y方向端部第2隙間(第2隙間)

Claims (2)

  1. ハウジング本体及びハウジング蓋体を備え、前記ハウジング蓋体に設けられる第1血液流入ポート及び第2血液流入ポートと、前記ハウジング本体の下部に設けられる血液流出ポートと、を有するハウジングと、
    前記ハウジング本体の内部に収容され、血液が通過可能なメッシュ状の第1フィルタ部と、血液が通過不可能な閉鎖部と、を有する消泡フレームと、
    前記第1血液流入ポートに連通し、前記消泡フレームの内部に配置される第1導管と、
    前記消泡フレームの内部に配置され、上下方向に延びる第2フィルタ部と、
    前記第2血液流入ポートに連通し、前記第2フィルタ部の内部に配置される第2導管と、を備える貯血槽であって、
    前記閉鎖部と前記ハウジング本体の内面との間には、上下方向に連通する閉鎖側隙間が形成され、
    前記閉鎖側隙間は、前記第2フィルタ部の下端部よりも下方側に形成される第1隙間と、前記第1隙間の上方側に形成される第2隙間と、を有し、
    前記ハウジング本体の内部に前記消泡フレームが収容された状態において、水平方向における前記第1フィルタ部と前記閉鎖部とをつなぐ方向をX方向とし、水平方向におけるX方向に直交する方向をY方向とし、上下方向をZ方向とした場合に、前記第1隙間及び前記第2隙間は、いずれも、XZ平面及びYZ平面それぞれにおいて前記閉鎖部と前記ハウジング本体の内面との水平方向の距離が最短となる隙間であり、
    前記閉鎖部と前記ハウジング本体の内面との間に形成される上下方向に連通する前記閉鎖側隙間における前記第1隙間と前記第2隙間との境界近傍において、XZ平面及びYZ平面の両平面において、下方側から上方側に向けて水平方向の隙間の大きさが拡大する貯血槽。
  2. 前記消泡フレームは、前記第1導管の下端部よりも下方に配置される底部と、前記底部から上方に延びる誘導板と、を有する請求項1に記載の貯血槽。
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