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JP2002249646A - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物

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JP2002249646A
JP2002249646A JP2001051927A JP2001051927A JP2002249646A JP 2002249646 A JP2002249646 A JP 2002249646A JP 2001051927 A JP2001051927 A JP 2001051927A JP 2001051927 A JP2001051927 A JP 2001051927A JP 2002249646 A JP2002249646 A JP 2002249646A
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Japan
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alkali
resin
soluble
radiation
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JP2001051927A
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Kei Sakamoto
圭 坂本
Kohei Kawahara
耕平 川原
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高い耐熱性を持つ電子部品を与える感放
射線性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 [A]アルカリ可溶性樹脂、[B]−C
OR(1)[式中、R1は水素原子またはアルキ
ル基である]で示される基を分子内に有する架橋剤、
[C]感放射線性酸発生剤を含有する感放射線性樹脂組
成物であって、[A]アルカリ可溶性樹脂が、1種類の
アルカリ可溶性環状ポリオレフィン系樹脂(a1)と、
当該アルカリ可溶性環状ポリオレフィン系樹脂のTgよ
り少なくとも5℃以上高いTgを持つアルカリ可溶性樹
脂の前駆体、およびアルカリ可溶性環状ポリオレフィン
系樹脂のTgより少なくとも5℃以上高いTgを持つア
ルカリ可溶性樹脂から成る群より選択される1または2
種類以上の化合物(a2)とを含有し、かつ、(a
1):(a2)=95:5〜10:90(重量比)であ
ることを特徴とする感放射線性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感放射線性樹脂組
成物に関する。さらに詳しくは、電子部品に用いられる
保護膜などを形成するための材料、または層間絶縁膜、
特に、液晶表示素子、集積回路素子、固体撮像素子など
の層間絶縁膜を形成するための材料として好適な低誘電
性の感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶表示素子、集積回路素子、
固体撮像素子などの電子部品には、その劣化や損傷を防
止するための保護膜、素子表面を平坦化するための平坦
化膜、電気絶縁性を保つための絶縁膜などが設けられて
いる。また、薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と記
す。)型液晶表示素子や集積回路素子には、層状に配置
される配線の間を絶縁するために層間絶縁膜が設けられ
ている。
【0003】しかし、従来知られている電子部品用の熱
硬化型絶縁膜形成用の材料を用いて層間絶縁膜を形成す
る場合には、必要とするパターン形状の層間絶縁膜を得
るための工程数が多く、しかも十分な平坦性を有する層
間絶縁膜が得られないという問題がある。また、近年、
配線やデバイスの高密度化にともない、これらの材料に
低誘電性が求められるようになってきた。このような要
求に応える絶縁膜形成材料として、アルカリ可溶性環状
ポリオレフィン系樹脂、−CHOR(1)で示され
る基を分子内に有する架橋剤、および感放射線性酸発生
剤を含有する感放射線性樹脂組成物が提案されている
(特開平11−52574号公報、特開平10−307
388号公報など)。
【0004】しかし、これらの組成物を用いても、得ら
れる膜の耐熱温度は、せいぜい250℃程度であり、さ
らに高い耐熱性の要求される多層配線板、集積回路など
の用途への展開においては耐熱性不足による脱ガス、パ
ターンの変形などが問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術のも
と、本発明らは、より高い耐熱性を持つ電子部品を提供
しうる感放射線性樹脂組成物を得るべく鋭意検討した結
果、アルカリ可溶性樹脂成分としてTgの異なる2種類
以上の樹脂を用いると、絶縁性、平坦性、耐熱性、透明
性、耐薬品性などの諸性能に優れたパターンを与える感
放射先生樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明
を完成するに到った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、[A]アルカリ可溶性樹脂、[B]−CHOR
(1)[式中、Rは水素原子またはアルキル基であ
る]で示される基を分子内に有する架橋剤、[C]感放
射線性酸発生剤(以下、酸発生剤ということがある)を
含有する感放射線性樹脂組成物であって、[A]アルカ
リ可溶性樹脂が、1種類のアルカリ可溶性環状ポリオレ
フィン系樹脂(a1)と、当該アルカリ可溶性環状ポリ
オレフィン系樹脂のTgより少なくとも10℃以上高い
Tgを持つ樹脂を与えるアルカリ可溶性前駆体、および
アルカリ可溶性環状ポリオレフィン系樹脂のTgより少
なくとも10℃以上高いTgを持つアルカリ可溶性樹脂
から成る群より選択される1または2種類以上の化合物
(a2)とを含有し、かつ、(a1):(a2)=9
5:5〜10:90(重量比)であることを特徴とする
感放射線性樹脂組成物が提供され、また当該感放射線性
樹脂組成物を基板に塗布する工程、放射線を照射し、パ
ターンを形成する工程、アルカリ性現像液で現像する工
程、および現像後の基板を加熱処理する工程を有するパ
ターン形成方法が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、まず本発明に係る感放射線
性樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。な
お、本発明でTgは、示差走査熱量計DSCにより測定
された値である。
【0008】本発明に用いられる[A]アルカリ可溶性
樹脂は、1種類のアルカリ可溶性環状ポリオレフィン系
樹脂(a1)と、当該アルカリ可溶性環状ポリオレフィ
ン系樹脂のTgより少なくとも10℃以上高いTgを持
つ樹脂を与えるアルカリ可溶性前駆体、およびアルカリ
可溶性環状ポリオレフィン系樹脂のTgより少なくとも
5℃以上高いTgを持つアルカリ可溶性樹脂から成る群
より選択される1または2種類以上の樹脂(a2)とを
含有する。アルカリ可溶性環状ポリオレフィン系樹脂
(a1;以下、単にa1樹脂と言うことがある)として
は、エステル構造を有する環状ポリオレフィン系樹脂を
加水分解して得られる樹脂や環状ポリオレフィン樹脂に
酸性基または酸誘導体型残基を有する化合物を変性反応
させて得られる樹脂などが挙げられる。
【0009】エステル構造を有する環状ポリオレフィン
系樹脂を加水分解して得られる樹脂としては、特開平1
0−307388号公報や特開平11−52574号公
報などに詳述された8−メチル−8−メトキシカルボニ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセンなどのエステル構造(−COOR)を有する
エステル構造を有する脂環式単量体(以下、極性脂環式
単量体という)の開環(共)重合体、極性脂環式単量体
と、これと共重合可能な重合性単量体(5−メチル−5
−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
エチレン、プロピレン、ブテンなど)との開環共重合
体、前記開環(共)重合体の水素添加重合体などのエス
テル構造を有する環状ポリオレフィンの加水分解物を挙
げることができる。良好なパターン形状を与える点か
ら、この樹脂のTgは50℃〜250℃、好ましくは1
00℃〜200℃である。
【0010】開環(共)重合体および開環共重合体は、
開環重合反応により製造される。具体的には、各単量体
を、芳香族炭化水素などの有機溶剤中、メタセシス触媒
の存在下で反応させる。開環重合反応に際し、1−ブテ
ンや1−ヘキセンなどの分子量調節剤を添加することも
できる。また、得られた開環重合体を、常法に従って、
不均一触媒存在下で水素添加することにより水素添加重
合体を得ることができる。
【0011】これらのエステル構造を有する環状ポリオ
レフィンを、有機溶剤や水などの溶媒を単独あるいは混
合した媒体中で加水分解することにより、アルカリ可溶
性の環状ポリオレフィン系樹脂を得ることができる。加
水分解の方法には特に制限はなく、通常のアルカリおよ
び酸加水分解が使用できる。重合体の加水分解率は、反
応温度、反応時間、酸、アルカリ量を調整することで任
意に変更することができる。
【0012】また、環状ポリオレフィン樹脂に酸性基ま
たは酸誘導体型残基を有する化合物を変性反応させて得
られるアルカリ可溶性脂環式ポリオレフィンは、8−エ
チルテトラシクロ[4.4.12,5.17,10]−
3−ドデセンやトリシクロ[4.3.1.12,5]デ
カ−3,7−ジエンなどの脂環式オレフィンを、または
脂環式オレフィンと、これと共重合可能な単量体(エチ
レン;1−ヘキセンなどのα−オレフィン;1,4−ヘ
キサジエンなどの非共役ジエン;等)とを、重合触媒や
分子量調整剤存在下、開環重合した脂環式オレフィン重
合体を、水素添加し、さらに、無水マレイン酸などの酸
性基または酸誘導体型残基を有する化合物と、ジクミル
パーオキサイドなどのラジカル開始剤存在下、有機溶剤
中で反応させて得られる樹脂である。脂環式オレフィン
重合体はオレフィン由来の繰り返し単位を有し、その割
合は、耐熱性確保の観点から、通常30〜100重量
%、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは7
0〜100重量%である。
【0013】本発明に係るアルカリ可溶性環状ポリオレ
フィン樹脂(a1)の分子量は、ゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィー(GPC)で測定した単分散ポ
リスチレン換算の重量平均分子量(Mw;以下、単に重
量平均分子量という)は2,000〜150,000、
好ましくは5,000〜50,000のものが、良好な
パターン形状を与える点から好適である。本発明に係る
アルカリ可溶性環状ポリオレフィン樹脂(a1)のTg
は、良好なパターン形状を与える点から、Tgが50℃
〜250℃、好ましくは100℃〜200℃のものが好
ましい。
【0014】本発明においては、アルカリ可溶性樹脂と
して、上述したアルカリ可溶性環状ポリオレフィン系樹
脂(a1)の他に、当該アルカリ可溶性環状ポリオレフ
ィン系樹脂(a1)のTgより少なくとも10℃以上、
好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上以
上、特に好ましくは60℃以上高いTgを持つ樹脂を与
えるアルカリ可溶性前駆体(以下、高Tg樹脂前駆体と
いうことがある)、およびアルカリ可溶性環状ポリオレ
フィン系樹脂(a1)のTgより少なくとも10℃以
上、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以
上、特に好ましくは60℃以上高いTgを持つアルカリ
可溶性樹脂(以下、高Tg樹脂ということがある)から
成る群より選択される化合物(a2;以下、a2樹脂と
いうことがある)を含有することにより、耐熱性を向上
させることができる。高Tg樹脂前駆体は、現像前まで
のパターン形成工程において、加熱により架橋または重
合してアルカリ可溶性環状ポリオレフィン系樹脂(a
1)より高いTgの樹脂を与える化合物であれば特に制
限されない。このような化合物の具体例としては、ポリ
アミック酸(ポリイミド前駆体)、ポリベンゾオキサゾ
ール前駆体およびポリベンズチオゾール前駆体などが挙
げられる。中でも、ポリアミック酸は、高いTgと高い
透明性を与えることから好ましい例である。
【0015】本発明に用いられる、ポリアミック酸(ポ
リイミド前駆体)は、ジアミンとテトラカルボン酸2無
水物との縮合重合反応により得られる。より具体的に
は、特開平8−120080号公報で詳述された通り、
例えば、有機溶媒中にジフェニルエーテル−4,4’−
ジアミンや2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサ
フルオロプロパンなどのジアミンを溶解し、この溶液中
に2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸2無
水物や2,2−ビス(3,4−フタリックアンハイドラ
イド)ヘキサフルオロプロパンなどのテトラカルボン酸
2無水物を添加することで、ポリアミック酸(ポリイミ
ド前駆体)を得ることができる。一般に、用いられる溶
媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドン,γ−ブチルラクトンなどの非プロトン性
極性溶剤である。テトラカルボン酸2無水物添加時は、
0℃付近まで冷却することが好ましい。添加後の反応は
室温から50℃程度で反応を行うことができる。こうし
たポリアミック酸の重量平均分子量(Mw)は1,00
0〜150,000、好ましくは5,000〜100,
000のものが、良好なパターン形状を与える点から好
適である。また、ポリアミック酸は、加熱によりポリイ
ミド樹脂となる。このポリイミドのTgは、良好な耐熱
性を与える点から、100℃以上、好ましくは250℃
以上である。
【0016】本発明に用いられるポリベンゾオキサゾ−
ル前駆体は、特開平4−31860号公報や特開平8−
123034号公報で詳述されている通り、ジカルボン
酸クロライドとビス(オルトアミノフェノール)誘導体
との反応により得られる。例えば有機溶媒中に2,2−
ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンや
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパンなどのビス(オルトアミノフェ
ノール)誘導体を溶解し、この溶液中にジフェニルエー
テル−4,4’−ジカルボン酸クロライドなどのジカル
ボン酸クロライドを添加することで、ポリベンゾオキサ
ゾール前駆体を得ることができる。一般に、用いられる
溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン,γ−ブチルラクトンなどの非プロトン
性極性溶剤である。反応の条件としては、ジカルボン酸
クロライド添加時は、0℃付近まで冷却することが好ま
しい。添加後の反応は室温から50℃程度で反応を行う
ことができる。こうしたポリベンゾオキサゾール前駆体
の重量平均分子量(Mw)が、1,000〜150,0
00、好ましくは5,000〜100,000である
と、良好なパターン形状を与える点から好適である。ま
た、ポリベンゾオキサゾール前駆体から加熱処理によっ
て誘導されるポリベンゾオキサゾールのTgは、良好な
耐熱性を与える点から、100℃以上、好ましくは25
0℃以上である。
【0017】高Tg樹脂としては、上述したもののほ
か、芳香族単量体と、これと共重合可能な単量体との共
重合体であって、水酸基、カルボキシル基、スルホニル
基又はチオール基のような酸性残基を有する樹脂でも良
い。
【0018】上述した高Tg樹脂の中でもポリイミド
は、組成物中での溶解性、膜としての耐熱性や透明性な
どが良好なため、好ましい。こうした高Tg樹脂の重量
平均分子量(Mw)が1,000〜150,000、好
ましくは2,000〜100,000のものは、良好な
パターン形状を与える点から好適である。また、高Tg
樹脂のTgは、良好な耐熱性を与える点から、100℃
以上、好ましくは250℃以上である。高Tg樹脂は、
Tgが上述の規定に合うものであれば、上述したアルカ
リ可溶性環状ポリオレフィンの中から選択することもで
きる。組成物中にアルカリ可溶性環状ポリオレフィンが
2以上含有する場合、樹脂として最もTgの低いものが
a1樹脂であり、当該a1樹脂に対して上述のTgの条
件を満たすものがa2樹脂であると判断する。
【0019】上述してきたa1樹脂とa2樹脂との組成
物中での比率(重量比)は、膜の特性と現像性のバラン
スからa1樹脂:a2樹脂=95:5〜10:90であ
り、より好ましくは、90:10〜20:80であり、
さらに好ましくは、90:10〜50:50である。
【0020】[B]架橋剤は、−CHOR(1)
[式中、Rは水素原子またはアルキル基である]で示
される基を分子中に有する化合物である。アルキル基の
炭素数は好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4であ
る。架橋剤は好ましくは上記式(1)の基を分子中に少
なくとも2個有する。好ましい化合物は上記式(1)の
基が窒素原子に結合する化合物、すなわちN−メチロー
ル基および/またはN−アルコキシメチル基を含有する
化合物である。一分子中に式(1)の有機基が2以上あ
るときは、それらの基のRは同一でも異なってもよ
い。本発明の組成物において、上記式(1)で示される
有機基は、酸発生剤に由来する酸の存在下、[A]アル
カリ可溶性樹脂が有する酸性基と反応し、架橋構造を形
成する。
【0021】当該架橋剤として、特開平10−3073
88号公報や特開平11−52574号公報に詳述され
たN,N,N’,N’,N’’,N’’−(ヘキサアルコキ
シメチル)メラミンの如きアルコキシメチル化メラミン
やN,N’,N’’,N’’’−(テトラアルコキシメチ
ル)グリコールウリルの如きアルコキシメチル化グリコ
ールウリルが好ましい例として挙げられる。また、光架
橋性、耐熱性および耐溶剤性のバランスに優れ、低誘電
率の硬化物が得られる点から、アルコキシメチル化メラ
ミン(I)とアルコキシメチル化グリコールウリル(I
I)とを混合して用いるのも特に好ましく、この場合、
重量比[(I)/(II)]で5/95〜95/5、よ
り好ましくは10/90〜90/10で混合されたもの
である。
【0022】[B]架橋剤の使用割合は、[A]アルカ
リ可溶性樹脂100重量部に対して、通常、3〜50重
量部であり、好ましくは5〜50重量部、特に好ましく
は10〜40重量部である。架橋剤が少なすぎると、組
成物から得られる硬化物の架橋密度が十分でなくなり、
その結果、形成されるパターンが膨潤し、解像度が低下
したり、耐溶剤性および耐耐熱性に劣るものとなる場合
がある。逆に、多すぎると、放射線の未照射部分におい
ても架橋反応が進行し、形成されるパターン性状が悪化
する場合がある。
【0023】[C]感放射線性酸発生剤としては、例え
ばジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニ
ウム塩、フェニルジアゾニウム塩などのオニウム化合
物、イミドスルフォネート誘導体、トシラート化合物、
ベンジル誘導体のカルボナート化合物、ならびにトリア
ジン誘導体のハロゲン化物など、一般的な酸発生剤が挙
げられ、なかでも、トリアジン誘導体のハロゲン化物が
好ましい。このようなトリアジン誘導体のハロゲン化物
としては、例えばトリス(2,4,6−トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、2−フェニル−ビス(4,6−
トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロ
ロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s
−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−ビス
(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
(3−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロ
ロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフ
チル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリ
アジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス
(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−
ピペロニル−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−
トリアジンなどが挙げられる。
【0024】[C]酸発生剤の使用割合は、[A]アル
カリ可溶性樹脂100重量部に対して、通常、0.5〜
20重量部であり、好ましくは1〜15重量部、特に好
ましくは1〜10重量部である。酸発生剤が少なすぎる
と、放射線照射による硬化が不十分となる場合があり、
その結果、形成されるパターンが溶解してしまう場合が
ある。逆に、酸発生剤が多すぎると、放射線未照射部で
も架橋反応が進行し、その結果、形成されるパターンが
現像できなくなる場合がある。
【0025】さらに本発明の感放射線性樹脂組成物は、
ストリエーション防止や現像性の向上などの目的で、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテルなどのノニオン系;
メガファックF172(大日本インキ化学工業製)など
のフッ素系;オルガノシロキサンポリマーなどのシリコ
ン系;などの界面活性剤を配合することもできる。界面
活性剤は、感放射線性樹脂組成物の固形分100重量部
に対して、2重量部以下、好ましくは1重量部以下の量
で必要に応じて用いられる。更に、本発明の感放射線性
樹脂組成物は、耐熱性、耐溶剤性を向上する目的で潜在
性酸発生剤を配合することもできる。本発明で用いられ
る潜在性酸発生剤は、加熱により酸を発生するカチオン
重合触媒であり、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム
塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などのオニウム塩
が用いられる。中でも、スルホニウム塩およびベンゾチ
アゾリウム塩が好ましい。
【0026】その他、本発明の感放射線性樹脂組成物
は、基板との密着性を向上させる目的で、密着助剤を含
んでいてもよい。このような密着助剤としては、官能性
シランカップリング剤などが挙げられる。該官能性シラ
ンカップリング剤の具体例としては、トリメトキシシリ
ル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシランなどが挙げられる。当該密着助剤の使
用割合は、[A]アルカリ可溶性樹脂100重量部に対
して、通常、20重量部以下、好ましくは0.05〜1
0重量部、特に好ましくは1〜10重量部である。また
本発明に係る感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて帯
電防止剤、保存安定剤、消泡剤、顔料、染料などを含ん
でいてもよい。
【0027】本発明の感放射線性樹脂組成物は、上記の
各成分を均一に混合することによって容易に調製するこ
とができ、通常、適当な溶媒に溶解されて溶液状態で用
いられる。例えば、[A]アルカリ可溶性樹脂を溶媒に
溶解し、この溶液に[B]架橋剤、および[C]酸発生
剤および必要に応じて他の成分を所定の割合で混合する
ことにより、溶液状態の感放射線性樹脂組成物を調製す
ることができる。
【0028】当該溶媒としては、例えばアルコール類、
エーテル類;セロソルブエステル類、グリコールエーテ
ル類、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテー
ト類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類、非プ
ロトン性極性溶媒、アミド類、ラクトン類、アルキレン
カルボナート類など、感光性樹脂組成物に用いられる一
般的な溶媒が挙げられる。N−メチルホルムアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニ
リド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシ
ド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ア
セトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル
酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアル
コール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエ
チル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸
エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテ
ートなどの溶媒を用いることもできる。
【0029】これらの溶媒のうち、溶解性および塗膜の
形成のしやすさから、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル
−2−ペンタノンなどのケトン類およびエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルなどのグリコールエーテル類、N−メチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メ
チルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど
のアミド類が好ましく用いられる。
【0030】本発明の感放射線性樹脂組成物は、固形分
濃度が好ましくは10〜40重量%となるように溶媒に
溶解された溶液として被塗布物に塗布される。また、上
記のように調製された感放射線性樹脂組成物溶液は、孔
径が0.5μm程度のフィルタなどを用いて濾過した
後、使用に供することが好ましい。このように調製され
た感放射線性樹脂組成物溶液は、長期間の貯蔵安定性に
も優れる。
【0031】本発明の感放射性樹脂組成物溶液は、基板
表面に塗布され、加熱により溶媒を除去され、次いで露
光前加熱(プリベーク)される。基板表面への感放射性
樹脂組成物溶液の塗布方法としては、例えばスプレー
法、ロールコート法、回転塗布法などの各種の方法を採
用することができる。プリベークにより残留する少量の
溶剤も揮発し、流動性のない塗膜が得られる。プリベー
ク条件は、各成分の種類、配合割合などによっても異な
るが、通常60〜120℃で10〜600秒間程度であ
る。
【0032】次に得られた塗膜に所定パターンのマスク
を介して放射線を照射した後、現像液により現像する。
放射線としては、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、分
子線、γ線、プロトンビーム線、シンクロトロン放射線
などが挙げられる。現像液としては、例えば水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナト
リウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水などの無
機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミンなど
の第一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピル
アミンなどの第二級アミン類;トリエチルアミン、メチ
ルジエチルアミン、N−メチルピロリドンなどの第三級
アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノール
アミンなどのアルコールアミン類;テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロ
キシド、コリンなどの第四級アンモニウム塩;ピロー
ル、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.
0]−5−ノナンなどの環状アミン類のアルカリ類から
なるアルカリ水溶液を用いることができる。また上記ア
ルカリ水溶液に、メタノール、エタノールなどの水溶性
有機溶媒、界面活性剤などを適当量添加した水溶液を現
像液として使用することもできる。
【0033】現像時間は、通常30〜180秒間であ
る。また現像方法は液盛り法、パドル法、ディップ法な
どのいずれでもよい。現像後、流水洗浄を30〜90秒
間行い、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによっ
て、基板上の水分を除去し、パターン状薄膜が形成され
る。その後、このパターン状被膜に、高圧水銀灯などに
よる放射線を全面照射し、パターン状被膜中に残存する
1,2−キノンジアジド化合物を完全に分解させる。続
いて、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置によ
り、所定温度、例えば150〜300℃で、所定時間、
例えばホットプレート上なら5〜30分間、オーブン中
では30〜90分間加熱処理(ポストベーク)をするこ
とによって、パターン状架橋薄膜を得ることができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
実施例中「部」は「重量部」を意味する。
【0035】(合成例1)脂環式ポリオレフィン樹脂
(A−1)の製造 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5.1 ,10]−3−ドデセン25
0部、1−ヘキセン180部およびトルエン750部
を、窒素置換した反応容器に仕込み、60℃に加熱し
た。これに、トリエチルアルミニウム(1.5モル/リ
ットル)のトルエン溶液0.62部、tert−C
OH/CHOHで変性(tert−COH/
CHOH/W=0.35/0.3/1;モル比)したW
Cl溶液(濃度0.05モル/l)3.7部を加え、8
0℃で3時間加熱攪拌して、開環重合体溶液を得た。こ
の重合反応における重合転化率は90%であり、重合体
の重量平均分子量は17,000であった。
【0036】得られた重合体溶液4,000部をオート
クレーブに入れ、これにRuHCl(CO)[P(C
]30.48部を加え、水素ガス圧を100K
g/cm反応温度165℃の条件で3時間加熱攪拌し
た。得られた反応溶液を冷却した後、水素ガスを放圧
し、水素添加重合体溶液(b)を得た。こうして得られ
た水素添加重合体を大量のメタノール中に注いで、重合
体を凝固させた。得られた水素添加重合体の水素化率は
実質上100%であった。次いで、得られた水素添加重
合体100部、N−メチルピロリドン100部、プロピ
レングリコール500部、水酸化カリウム(85%)8
4.5部を反応器に仕込み190℃で4.5時間加熱撹拌
した。得られた反応溶液を大量の水、テトラヒドロフラ
ンおよび塩酸の混合溶液に注いで加水分解物を凝固させ
た。凝固物を水洗、乾燥して環状ポリオレフィン樹脂
(A−1)を得た。得られた樹脂の加水分解率は95%
であった。樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパー
ミエイションクロマトグラフィ)(東ソー(株)製HL
C−8020)を用いて測定したポリスチレン換算分子
量である。
【0037】(合成例2)環状ポリオレフィン樹脂(A
−2)樹脂の製造 六塩化タングステン、トリイソブチルアルミニウム及び
イソブチルアルコールからなる開環重合触媒と分子量調
整剤としての1−ヘキセンとを用い、公知の方法により
8−エチルテトラシクロ[4.4.12,5.1
7,10]−3−ドデセン(以下、ETDという)を開
環重合した。得られた開環重合体を、ニッケルアセチル
アセトナートとトリイソブチルアルミニウムの水素添加
触媒を用いて水素化し、水素化率が99%以上の開環重
合体水素添加物を得た。次いで、オートクレーブ中で開
環重合体水素添加物100部、無水マレイン酸200
部、及びt−ブチルベンゼン400部とアニソール50
0部との混合溶媒中に投入、混合し、135℃に昇温し
た。この反応容器に、ジクミルパーオキシド20部を1
2分間隔で10回に分けて逐次添加した後、更に3時間
反応させた。引き続き、反応容器中に400部の水を添
加し、10時間反応させた。反応液を大量のイソプロパ
ノール中に滴下、凝固、乾燥し、マレイン酸変性率82
%(H−NMRによる測定)の変性ポリマーを得た。
この変性ポリマーの重量平均分子量は1.2×10
加水分解率は100%(FT−IRにより測定)であっ
た。
【0038】(合成例4)ポリイミド前駆体(A−3)
の製造 攪拌機と乾燥ガス導入管を装備した反応器にジフェニル
エーテル−4,4’−ジアミン54.06部(0.27
0モル)、アニリン5.58部(0.06モル)および
N,N−ジメチルアセトアミド3042部を仕込み、2
3℃で攪拌溶解した。10℃以下に冷却後、この溶液に
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水
物67.2部(0.300モル)、を加え、氷冷攪拌3
時間、室温攪拌24時間した。反応終了後、蒸留水8l
に滴下し、沈殿物を濾別して集め、減圧乾燥することに
よってポリイミド前駆体(A−3)を得た。
【0039】(合成例5)ポリベンゾオキサゾール前駆
体(A−4)樹脂の製造 ジカルボン酸クロライドの合成ジフェニルエーテル−
4,4’−ジカルボン酸50.10部(0.194モ
ル)をN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPとい
う)150.0部に溶解した後、ピリジン76.73部
(0.970モル)を加える。反応系を0〜5℃にし、
NMP 100部に溶かした塩化チオニル69.24部
(0.582モル)を30分かけて滴下する。反応系を
室温に戻し、室温で5時間攪拌した後、減圧下50℃に
て過剰の塩化チオニルを除去した。次のポリベンゾオキ
サゾール前駆体の反応には、ジフェニルエーテル−4,
4’−ジカルボン酸クロリドは単離せずにNMP溶液に
まま用いた。ポリアミドの合成2,2−ビス(3−アミ
ノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
54.94部(0.150モル)、1,3−ビス(3−
アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシ
ロキサン6.58部(0.026モル)を乾燥したN,
N−ジメチルアセトアミド200.0部に溶解した。乾
燥窒素気流下で先に合成したジフェニルエーテル−4,
4’−ジカルボン酸クロリドのNMP溶液を0〜5℃に
冷却しながら30分かけて滴下し、滴下終了後、室温ま
で戻し、5時間攪拌を続ける。反応終了後蒸留水800
0部に滴下し、沈殿物を濾別して集め、減圧乾燥するこ
とによってポリベンゾオキサゾール前駆体(A−4)を
得た。
【0040】<Tgの測定>合成例1〜5で得られた樹
脂100部に溶剤としてN,N−ジメチルアセトアミド
400部溶解させた後、孔径0.45μmのミリポアフ
ィルタで濾過して樹脂溶液を調製した。塗膜の形成シリ
コン基板上にスピンナーを用いて、組成物溶液1を塗布
した後、90℃て120秒間ホットプレート上でプリベ
ークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。その後、窒
素ガス雰囲気下にて250℃で2時間キュアを行った。
その後、塗膜を剥がして集め、DSC分析を行うことで
Tgを求めた。以下に合成した樹脂A−1、A−2、A
−3、およびA−4のTgは、それぞれ、180℃、1
20℃、260℃、および270℃であった。
【0041】(実施例1)[A]アルカリ可溶性樹脂と
して(A−1)80部と、ポリイミド前駆体(A−3)
20部、[B]架橋剤としてサイメル300(三井サイ
テック社製;ヘキサメトキシメイルメラミン)、20部
と、[C]酸発生剤として2−ピペロニル−ビス(4,
6−トリクロロメチル)−s−トリアジン5部と、界面
活性剤としてメガファックF172(大日本インキ化学
工業(株)製)0.05部をN,N−ジメチルアセトア
ミド480部中で混合し、溶解させた後、孔径0.45
μmのミリポアフィルタで濾過して感放射線性樹脂組成
物溶液1を調製した。得られた溶液をシリコン基板上
(誘電率測定、寸法安定性および現像性評価用)、1μ
mの段差を有するシリコン酸化膜基板上(平坦性評価
用)、および2枚のガラス基板上(透明性、変色性評価
用と耐溶剤性評価用)に、それぞれスピンナーを用いて
塗布した後、90℃、120秒間ホットプレート上でプ
リベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。
【0042】塗膜を形成したシリコン基板上及びガラス
基板上に、それぞれ所定のパターンを有するマスクを置
き、波長365nm、光強度5mW/cmの紫外線を
空気中で100mJ/cmのエネルギー量となるよう
に照射した。照射後、110℃のホットプレート上で、
ポストベークを2分間行った。次いで、テトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド0.3重量%水溶液を用いて、
25℃×60秒間の現像処理を行った。その後、超純水
でリンス処理を1分間行った。こうして、ネガ型のパタ
ーンを有するパターン状薄膜を形成した。
【0043】このパターン状薄膜が形成されたシリコン
基板をホットプレート上で、250℃、30分間加熱す
ることにより、パターンのポストベークを行い、パター
ン状架橋薄膜を形成したシリコン基板を得た。
【0044】得られた膜について、以下の測定及び評価
を行った。 ・誘電率測定 JIS C6481に準じて、1MHz(室温)での誘
電率(ε)を測定した。 ・寸法安定性の評価 このパターン状架橋薄膜を形成したシリコン基板を30
0℃のオーブンを用いて60分間加熱した後、パターン
状架橋薄膜の膜厚変化を測定した。加熱後の膜厚が、加
熱前の膜厚の95%を超える場合を○、90〜95%の
範囲にある場合を△、90%未満の場合を×とした。結
果を表1に示す。
【0045】・平坦性の評価 平坦性の評価シリコン基板の代わりに、1.0μmの段
差を有するシリコン酸化膜基板を用いたこと以外は、上
記と同様にしてパターン状架橋薄膜を形成した。接触式
の膜厚測定器を用いて、パターン状架橋薄膜の段差を測
定し、段差の最大値が5%未満である場合を○とし、5
%以上である場合を×とした。結果を表1に示す。
【0046】・透明性の評価 シリコン基板の代わりにガラス基板「コーニング705
9(コーニング社製)」を用いた以外は上記と同様にし
てパターン状架橋薄膜を形成したガラス基板を得た。次
いで、得られたガラス基板の透過率を分光光度計「15
0−20型ダブルビーム(日立製作所製)」を用いて4
00〜800nmの波長で測定した。このとき最低透過
率が90%以上の場合を○、90%未満である場合を×
とした。結果を表1に示す。
【0047】・変色性の評価 透過率で測定したのと同じパターン状架橋薄膜を形成し
たガラス基板を300℃のオーブンで60分間加熱した
後、このガラス基板の透過率を分光光度計「150−2
0型ダブルビーム」を用いて400〜800nmの波長
で測定し、加熱処理後における透過率の変化を求めた。
変化率が5%未満の場合を○、5〜10%の範囲にある
場合を△、10%を超える場合を×とした。結果を表1
に示す。
【0048】・耐溶剤性の評価 パターン状架橋薄膜を形成したガラス基板を70℃中の
ジメチルスルホキシド中に15分浸漬し、膜厚変化を測
定し、10%以下の膜厚変化を○、10%を越える場合
を△、膨潤が大きく、基板から剥がれてしまう状態を×
とした。結果を表1に示す。
【0049】・現像性の評価 パターン状架橋薄膜を形成したシリコン基板上に、所定
のパターンを有するマスクを置き、波長365nm、光
強度5mW/cmの紫外線を空気中で100mJ/c
のエネルギー量となるように照射した。照射後、1
10℃のホットプレート上で、ポストベークを2分間行
った。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
0.3重量%水溶液を用いて、25℃×60秒間の現像
処理を行った。その後、超純水でリンス処理を1分間行
った。こうして、ネガ型のパターンを有するパターン状
薄膜を形成した。形成したパターンを光学顕微鏡および
走査型電子顕微鏡で観察し、パターン間に残渣がない場
合を○、残渣がある場合を×とした。結果を表1に示す
【0050】(実施例2)ポリイミド前駆体(A−3)
樹脂をポリベンゾオキサゾール前駆体(A−4)に代え
た以外は、実施例1と同様にして感放射線性樹脂組成物
溶液を調製し、パターン状架橋薄膜を得、評価を行った
結果を表1に示す。 (実施例3)加水分解重合体(A−1)100部を40
部に代え、さらにポリイミド前駆体(A−3)樹脂20
部を60部に代えた以外は、実施例1と同様にして感放
射線性樹脂組成物溶液を調製し、パターン状架橋薄膜を
得、評価を行った結果を表1に示す。
【0051】(実施例4)加水分解重合体(A−1)1
00部を10部に代え、さらにポリイミド前駆体(A−
3)樹脂20部を90部に代えた以外は、実施例1と同
様にして感放射線性樹脂組成物溶液を調製し、パターン
状架橋薄膜を得、評価を行った結果を表1に示す。
【0052】(実施例5)環状ポリオレフィン樹脂(A
−1)80部を環状ポリオレフィン樹脂(A−2)60
部に代え、ポリイミド前駆体(A−3)20部をポリイ
ミド前駆体(A−3)40部に代えた以外は、実施例1
と同様にして感放射線性樹脂組成物溶液を調製し、パタ
ーン状架橋薄膜を得、評価を行った結果を表1に示す。
【0053】(比較例1)ポリイミド前駆体(A−3)
樹脂20部を添加しない以外は、実施例1と同様にして
感放射線性樹脂組成物溶液を調製し、パターン状架橋薄
膜を得、評価を行った結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】この結果から、本発明の組成物によれば、
300℃でも形状変化のない耐熱性に優れたパターンが
得られることがわかる。このパターンは、平坦性、透明
性、変色性、耐溶剤性、現像性にも優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 79/04 C08L 79/04 B 79/08 79/08 A 81/00 81/00 G03F 7/004 501 G03F 7/004 501 7/038 601 7/038 601 H01L 21/027 H01L 21/30 502R Fターム(参考) 2H025 AA02 AA06 AA10 AA20 AB16 AB20 AC01 AD01 BJ08 CB08 CB42 CB59 CC17 FA17 FA29 4J002 BC001 CE001 CM021 CM041 CN061 EB117 EQ017 ET016 EU186 EU187 EV217 EV247 EV297 FD146 FD157 GP03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [A]アルカリ可溶性樹脂、[B]−C
    OR(1)[式中、R1は水素原子またはアルキ
    ル基である]で示される基を分子内に有する架橋剤、
    [C]感放射線性酸発生剤を含有する感放射線性樹脂組
    成物であって、[A]アルカリ可溶性樹脂が、1種類の
    アルカリ可溶性環状ポリオレフィン系樹脂(a1)と、
    当該アルカリ可溶性環状ポリオレフィン系樹脂のTgよ
    り少なくとも10℃以上高いTgを持つアルカリ可溶性
    樹脂を与えるアルカリ可溶性前駆体、およびアルカリ可
    溶性環状ポリオレフィン系樹脂のTgより少なくとも1
    0℃以上高いTgを持つアルカリ可溶性樹脂から成る群
    より選択される1または2種類以上の化合物(a2)と
    を含有し、かつ、(a1):(a2)=95:5〜1
    0:90(重量比)であることを特徴とする感放射線性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 [A]アルカリ可溶性樹脂、[B]−C
    OR(1)[式中、R1は水素原子またはアルキ
    ル基である]で示される基を分子内に有する架橋剤、
    [C]感放射線性酸発生剤を含有する感放射線性樹脂組
    成物であって、[A]アルカリ可溶性樹脂が、1種類の
    アルカリ可溶性環状ポリオレフィン系樹脂(a1)と、
    当該アルカリ可溶性環状ポリオレフィン系樹脂のTgよ
    り少なくとも10℃以上高いTgを持つアルカリ可溶性
    樹脂を与えるアルカリ可溶性前駆体、およびアルカリ可
    溶性環状ポリオレフィン系樹脂のTgより少なくとも1
    0℃以上高いTgを持つアルカリ可溶性樹脂から成る群
    より選択される1または2種類以上の化合物(a2)と
    を含有し、かつ、(a1):(a2)=95:5〜1
    0:90(重量比)である感放射線性樹脂組成物を基板
    に塗布して得られた塗膜する工程、放射線を照射し、パ
    ターンを形成する工程、アルカリ性現像液で現像する工
    程、および現像後の基板を加熱処理する工程を有するパ
    ターン形成方法。
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