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JP2002125344A - 磁気ディスク装置及びディスクドライブ用スピンドルモータ - Google Patents

磁気ディスク装置及びディスクドライブ用スピンドルモータ

Info

Publication number
JP2002125344A
JP2002125344A JP2000316848A JP2000316848A JP2002125344A JP 2002125344 A JP2002125344 A JP 2002125344A JP 2000316848 A JP2000316848 A JP 2000316848A JP 2000316848 A JP2000316848 A JP 2000316848A JP 2002125344 A JP2002125344 A JP 2002125344A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
sintered
rotating shaft
spindle motor
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000316848A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsutoshi Arai
勝敏 新居
Toshiichi Takehana
敏一 竹花
Hidekazu Tokushima
秀和 徳島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Powdered Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Powdered Metals Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2000316848A priority Critical patent/JP2002125344A/ja
Publication of JP2002125344A publication Critical patent/JP2002125344A/ja
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  • Rotational Drive Of Disk (AREA)
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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気ディスク装置の高回転化や、薄型化に伴っ
て、流体軸受を用いたスピンドルモータの開発が進めら
れている。その磁気ディスク装置に用いる流体軸受を実
現するにはシール性、耐衝撃性に優れた軸受構造とする
必要がある。 【解決手段】本発明のスピンドルモータは、磁気ディス
クを搭載するハブと、前記ハブに勘合した回転軸と、前
記回転軸を回転自在に支持する軸受ユニットと、前記ハ
ブを駆動する回転磁界発生部材で構成され、前記回転軸
の端部の近傍に回転軸の抜け止め用の溝を有し、前記軸
受ユニットは一端が開放され、他端が閉じられ、前記軸
受ユニットの開放端側からカバーを備えた第1の焼結軸
受と、回転軸の抜け止め用のストッパーリングとスラス
ト軸受を備えた第2の焼結軸受と、前記第1の焼結軸受
と第2の焼結軸受の間にリング状の永久磁石を備え、前
記カバーと前記第1の焼結軸受と第2の焼結軸受と永久
磁石を樹脂含浸によって接合した構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスクドラ
イブ装置等の情報機器に係り、特に動圧軸受を用いたデ
ィスクドライブ用スピンドルモータ及び磁気ディスク装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報の記録装置として代表される磁気デ
ィスク装置及は、パーソナルコンピュータの著しい普及
に伴い、記録の高密度、大容量化が進められている。こ
のパーソナルコンピュータには、情報の記憶装置として
磁気ディスク装置が組み込まれている。この情報が書き
込まれる磁気ディスクは、スピンドルモータにより駆動
される。
【0003】磁気ディスクドライブ用スピンドルモータ
は、磁気ディスクを精度良く回転させるためにボールベ
アリングが用いられてきたが、最近では磁気ディスク装
置の高密度、大容量化に伴いボールベアリングを用いた
スピンドルモータの回転精度では対応できなくなってき
ている。このため、特開平8−189525号公報に開
示されているように、モータの高速、高精度回転に有効
な動圧すべり軸受搭載のスピンドルモータが提案されて
いる。
【0004】動圧軸受としては、特開2000−350
41号公報に示されているように軸受面に動圧発生用の
へリングボーン形状の溝を設けたグルーブ軸受や、特開
平8−189525号公報のように三円弧溝を設けた三
円弧軸受が知られている。これらの動圧軸受は、油膜の
楔効果によって軸受面に発生する流体圧力やグルーブ溝
のポンピング作用による流体圧力(以下動圧と言う)に
よって軸を精度よく支持する。この動圧軸受の形状は、
焼結軸受を使用すると成形加工によって軸受面の形状を
作ることができるので、成形加工による三円弧軸受ない
しはグルーブ軸受が、この種のモータに量産性の点でこ
適しており、通常軸受ハウジングに圧入により組込まれ
る。また、焼結軸受を用いた動圧軸受ユニットは、焼結
体が空孔を持っているので動圧抜けが避けられず、特開
平8−221897号公報に開示されているように樹脂
を焼結軸受に含浸して封孔処理して使用することがあ
る。さらに、磁気ディスク装置では動圧軸受ユニットか
らの潤滑油(磁性流体)の漏れが許されず、確実なシー
ルが不可欠で磁性流体シール等のシール部を設けてい
る。その上、磁気ディスク装置に衝撃が作用した際に情
報を読み書きするヘッド部が損傷しないようにスピンド
ルモータには回転軸の抜け止め機構が必用で、特開平8
−189525号公報ではストッパー等の抜けとめ構造
を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように磁気デ
ィスク装置においては、ディスクドライブ用スピンドル
モータは高速性や回転精度及び量産性向上、低コスト化
のほか取扱性向上、すなわち持ち運び中に落下させたり
衝撃を与えてもディスク駆動装置としての機能が損なわ
れないように軸受ユニットのシールや耐衝撃性に対して
は厳しい仕様が要求されている。具体的には、モータの
概略の大きさは、外径30mm、高さ10mm、回転軸の
直径が3mm、軸受の外径が5mm、軸受幅は2mm前
後の寸法のものが使用されていて、回転体の重量が約3
0gである。従って、この種のモータは落下等により最
大数十Kgの衝撃荷重が軸受部に作用する。動圧軸受を
使用する場合は500Gから1000Gの衝撃力が作用
しても機械的強度が十分で動圧軸受ユニットからの油漏
れがなく、磁気記録装置としての機能が維持できる構造
が必要である。
【0006】前記した特開平8−221897号公報に
開示のスピンドルモータは、軸受ハウジングに軸受が圧
入され、潤滑油が封入されている。そして、衝撃時の荷
重は抜け止めを介して軸受の端面で受けるようにしてい
る。従って、これ等のスピンドルモータの構成では、軸
受ハウジングと軸受の勘合部には潤滑油が浸透するの
で、潤滑油の作用によって勘合部の摩擦力が低下し、衝
撃荷重が軸受部に作用すると軸受が軸方向に動く恐れが
ある。軸受が軸方向に例えば数十マイクロメータ動くと
磁気ヘッドアームを変形させたり、磁気ヘッドを損傷さ
せ、磁気ディスク装置の機能が損なわれる。また、軸受
ハウジングと軸受の抜去力を高めるために接着剤を用い
ても勘合部に潤滑油が介在するので接着力の経時変化に
よって抜去力が低下する恐れがある。さらに、この種の
動圧軸受は軸受の直径すきまが数マイクロメータと狭
く、特開平8−221897号公報や特開2000−3
5041号公報に開示の軸受装置では、軸受を軸受ハウ
ジングに圧入しているが、軸受の抜去力を確保するため
には圧入力を高くする必要が有り、圧入力が高いと軸受
内径が収縮したり変形して軸受特性のばらつきや回転精
度が損なわれる恐れがある。また、軸受ユニットの構成
部品はミクロンメータオーダーの加工精度が必要で、公
知の軸受ユニットは量産性や、コストの問題を抱えてい
る。
【0007】本発明は、このような従来技術の欠点に鑑
みなされたもので、その目的は磁気ディスク装置の記録
の高密度、大容量化や装置の薄型化に対応できるシール
性及び耐衝撃性に優れ、かつ量産性、信頼性の高い低価
格のスピンドルモータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記した課
題に対して軸受構成体に樹脂を含浸し、軸受構成部品を
接合すると共に、焼結軸受の動圧抜け防止を図り、回転
精度及び耐衝撃性に優れたスピンドルモータを構成した
ことを特徴とする。また、本発明の軸受ユニットの構成
部品はモータの量産、低コスト化を目的にプレス加工に
適した形状にし、塑性加工によって製作したことを特徴
とする。
【0009】すなわち、第一の軸受ユニットの構成で
は、焼結軸受間に永久磁石を挟み込み、焼結軸受及び焼
結軸受部の勘合部に樹脂を含浸して焼結軸受及び永久磁
石を接合した一体型の軸受構成体とし、この軸受構成体
にストッパーリング及びスラスト軸受を配置すると共
に、磁性流体を封入して磁性流体軸受ユニットを構成し
ている。
【0010】第二の軸受ユニットの構成では、焼結軸受
構成体に樹脂を含浸後、ストッパーリング及びスラスト
軸受を配置すると共に、スラスト軸受部背面に永久磁石
を配置し、磁性流体を封入して磁性流体軸受ユニットを
構成する。なお、第一及び第二の軸受構成体は樹脂含浸
後、樹脂が固化する前に軸受構成体表面に付着している
樹脂を水洗して除去した後常温ないしは加温して固化
し、軸受構成体の寸法精度が損なわれないようにしてい
る。また、第一及び第二の軸受ユニット構成体の軸受面
は、樹脂が固化した後塑性加工によって所定の寸法及び
動圧軸受形状に加工している。このようにして組み立て
られた軸受構成体にストッパーリング及びスラスト軸受
を配置すると共に、磁性流体を封入してシール性に優れ
た軸受ユニットを構成する。そして、これらの軸受ユニ
ットをモータケースに勘合して接着等を用いて固定す
る。
【0011】上記したように本発明の軸受ユニットは、
従来の軸受ユニットと異なり軸受構成体に樹脂を含浸し
て固化しているので軸受構成体が樹脂によって封孔さ
れ、軸受構成体に封入した磁性流体は滲み出ることがな
い。従って、軸受ユニットとモータケースとの勘合部に
は潤滑油等の油脂が介在しないので、軸受ユニット勘合
部の接合強度が高い上接着強度の経時変化も殆どなく、
スピンドルモータが衝撃荷重を受けても回転軸が軸方向
に殆ど動かない。また、本発明の軸受ユニットの構成部
品はプレス加工で製作しているので寸法安定性に優れ、
かつモータの量産、低コスト化が図れるばかりでなく永
久磁石と磁性流体を用いて磁性流体軸受を構成している
ので確実なシールができる上、動圧軸受効果によって磁
気ディスク装置の高密度、大容量化と信頼性向上が図れ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施例について説明する。図1は、本発明の一実施例を示
す磁気ディスク装置の駆動用スピンドルモータ付近の縦
断面図である。磁性材の回転軸1に締結したハブ7に、
リング10を介してクランパー8で磁気ディスク9が固
定されている。なお、図には記載していないが、この磁
気ディスク9に記録された情報の読み出し、または書き
込みのための磁気ヘッドが設けられている。また、ハブ
7の内周には、多極着磁のモータマグネット13が装着
されている。軸受ユニット2は、カバー12と、ラジア
ル軸受2aと、ラジアル軸受2bと、永久磁石5と、ス
トッパーリング4及びスラスト軸受3から成り、磁性流
体5を封入している。この軸受ユニット2は、磁気吸引
力及びカバー12とハブ7とで構成した数十μmの狭い
隙間に作用する表面張力で磁性流体のシールを構成して
いる。そして、回転軸1は第1のラジアル軸受2aと第
2のラジアル軸受2b及びスラスト軸受3によって回転
自在に支持されている。
【0013】また、モータケース11には、軽圧入と接
着を併用して軸受ユニット2とモータコイル15を備え
たモータ固定子14を固定している。本構成のモータ
は、DCブラシレスモータで回転磁界発生部材はコイル
15とモータ固定子14から成り、コイル15に通電し
たときに発生する回転磁界と、多極着磁のモータマグネ
ット13の持つ磁界によってハブ7が駆動される。
【0014】図2は、図1に示した軸受ユニット2の部
分縦断面の拡大図を示したものである。回転軸1は直径
3mm前後の寸法であり、回転軸1のスラスト軸受側の
先端部は、スラスト軸受部の摩擦抵抗を小さくするため
に球面形状にしている。また、図示のように回転軸1に
はスラスト軸受側先端の球面部の近傍にリング状の溝1
6を設け、この溝に10μm前後の隙間を持たせて、ス
トッパーリング4を回転軸1に非接触で介在するように
構成している。さらに、本軸受ユニット2では第1の焼
結軸受である第1のラジアル軸受2aと第2の焼結軸受
である第2のラジアル軸受2bとの間に、永久磁石6を
配置し、磁性流体5を封入して図のように磁気回路mを
構成した磁性流体軸受構成体にしている。なお、本磁性
流体軸受ユニット2においてカバー12は磁性流体5の
付着を避けるために非磁性の材料を用い、焼結軸受2
a、焼結軸受2bは軸受面に磁性流体を吸着させる目的
で鉄系ないしは鉄−銅系の焼結材とし、同様にスラスト
軸受3はマルテンサイト系のステンレス鋼の磁性材を用
いている。
【0015】次に、具体的に軸受構成体の組み立て方法
を説明する。図3に軸受構成体の永久磁石設置部分の拡
大図を示す。本ラジアル軸受構成体は、図3に示すよう
に外径aが10mm、内径bが3mmの前後の焼結軸受
2a、焼結軸受2bとの間に厚さcが約1mmの永久磁
石6を組み込み、さらに、焼結軸受2aにカバー12を
組み込む。そして、本ラジアル軸受構成体は、液体樹脂
が入ったチャンバーに浸漬してチャンバー内を減圧す
る。その後、大気に開放して焼結軸受及びそれぞれの勘
合部に樹脂を含浸する。この状態では、軸受構成体の表
面に樹脂が付着しているので、水洗によって表面に付着
している樹脂を取り除く。その後、常温ないしは加熱放
置して、樹脂を固化しているので所定の寸法精度が維持
できる。
【0016】従って、本ラジアル軸受構成体の焼結軸受
2a、2bの空孔は樹脂によって封孔され、同時にカバ
ー12と焼結軸受2a及び焼結軸受2a、焼結軸受2b
と永久磁石5との勘合部は、樹脂によって気密に接合さ
れ、一体化した軸受構成体になっている。すなわち、本
実施例の磁性流体軸受ユニットは、樹脂含浸により焼結
軸受の動圧抜け防止と軸受構成部品の接合を同時に行な
わせている。このようにして構成されたラジアル軸受構
成体の軸受内径面は、三円弧軸受形状ないしはへリング
ボーン形状用のサイジングピンを用いて塑性加工によっ
て動圧軸受形状を作る。そして、このラジアル軸受構成
体に可撓性のストッパーリング4とスラスト軸受3が組
み込まれる。
【0017】図4にストッパリングの正面図を示す。ま
た、図5に軸受構成体のストッパ部の拡大図を示す。ス
トッパーリング4は、図4に示すように可撓部17を有
する0.3mm前後の厚さの金属製ばねである。また、
スラスト軸受3は図5のように数十μmの段差dを設
け、この上にストッパーリング4が配置される。ストッ
パーリング4は、軸受ユニット2に回転軸1を装入した
時、ストッパーリング4の可撓部17が変形して回転軸
1に設けた溝16に非接触で介在するようにしている。
このスラスト軸受3に設けた段差dは、ストッパーリン
グ4の可撓部17の撓みを規制するために設けたもの
で、ストッパーリング4の塑性変形を防止するために設
けている。
【0018】また、スラスト軸受3は図2に示すよう
に、かしめや接着等により焼結軸受2bに勘合固定す
る。なお、本実施例の軸受ユニット2の構成部品は、寸
法精度のばらつきを最少に押さえること及び量産、低コ
スト化を目的にプレス加工による成形ができるように、
全て簡単な形状にしている。特に、ラジアル軸受2a、
2bはスプリングバックがほとんどない焼結材料を使用
し、軸受面の動圧形状を精度よく加工している。
【0019】また、スラスト軸受3はS面でスラスト荷
重を受けるので、回転軸1及びスラスト軸受面の耐摩耗
性向上と摩擦変動の軽減を図るためにDLC(ダイアモ
ンドライクカーボン)の表面処理をしている。すなわ
ち、上記したラジアル軸受は、非接触で回転軸を支持す
るが、スラスト軸受3は機構上回転軸1との直接接触が
避けられず、スラスト受け面で摩擦変動が発生する。こ
の摩擦変動は、磁気ディスク装置の高密度化に悪影響を
及ぼすので、摩擦係数の小さい材料で表面処理をする必
要がある。DLC膜は、厚さが1μm程度であり、スラ
スト軸受の寸法精度に影響しないばかりでなく、通常用
いられているTiN(チタンナイトライド)膜に比較し
摩擦係数が1/2程度で摩擦変動が極めて小さくなり、
磁気ディスク装置の高密度化に寄与できる。さらに、S
面は通常の切削加工では数μmの表面粗さになる。本実
施例では、耐摩耗性向上を図るために、切削加工後S面
をラッピング加工などにより、サブミクロン前後の表面
粗さに加工している。本スラスト軸受3は、成形加工に
よって製作するので、S面を加工する金型の面をサブミ
クロン前後の面粗度にしたものを使用している。このた
め、プレス加工によって鏡面加工ができ、上記したDL
C膜の摩擦低減作用がより効果的になる。
【0020】上記したように、本軸受ユニットは樹脂含
浸したラジアル軸受構成体を用いているので、磁性流体
5を封入しても焼結軸受2a、2b及び焼結軸受間等の
勘合部から磁性流体5が滲み出ることがない。さらに、
本軸受ユニット2は、永久磁石6を用いているので、図
2に示したように磁性材の回転軸1及び磁性流体5の間
で磁気回路mが構成され、磁気吸引力で磁性流体5を軸
受ユニット2内で保持できる。
【0021】さらに、本ピンドルモータでは、カバー1
2とハブ7とで構成した隙間から磁性流体が漏れ出ない
ように数十μmの狭い隙間に設定し、表面張力の作用を
利用したシールを併用しているので衝撃が作用した時や
モータが回転時、磁性流体5が軸受ユニット2の内部で
飛散しても表面張力の作用によって漏れを確実に防止で
きる。また、軸受ユニット2はケース11と軽圧入と接
着を併用して固定しているので、ケース11との圧入部
には磁性流体5が介在せず、長期間の使用に対しても本
軸受ユニット2とケース11との接合強度は低下しな
い。
【0022】従って、本実施例のスピンドルモータは、
回転軸1に軸方向の衝撃が作用しても、ストッパーリン
グ4を介してラジアル軸受構成体で衝撃荷重を受ける構
成としている。さらに、軸受ユニット2とケース11を
軽圧入と接着を併用して固定している。このため、従来
構造のように回転軸1が軸方向に動くことがない。従っ
て、磁気ディスク装置に本スピンドルモータを使用する
と、磁気ヘッド部を損傷させることがない。また、本軸
受ユニット2は、ケース11に軽圧入と接着を用いて固
定したため、軸受構成体に加工した動圧軸受の変形がな
い。その上、焼結軸受を樹脂によって封孔処理している
ので動圧抜けもなく、確実な動圧効果が発揮され、軸受
特性のばらつきや回転精度が損なわれることがない。
【0023】図6は、本発明における他の軸受ユニット
の実施例を示したもので、図2に示した軸受ユニットと
異なる点は、スラスト軸受3の背面に永久磁石6を配置
し、磁性流体を封入して磁性流体軸受ユニットを構成し
ている。
【0024】本磁性流体軸受ユニット2では、前述のよ
うに、カバー12は磁性流体5の付着を避けるために非
磁性の材料を用い、焼結軸受2a、焼結軸受2bは軸受
面に磁性流体を吸着させる目的で鉄系ないしは鉄−銅系
の焼結材とし、同様にスラスト軸受3はマルテンサイト
系のステンレス鋼の磁性材を用いている。このため、図
のように磁気回路mを構成することができる。従って、
上記した実施例と同様の作用効果が発揮できる。
【0025】特に、図2と図6の実施例の違いは、図2
に示した実施例では軸受ユニット2に磁性流体5を封入
すると永久磁石6の部分に磁性流体5が吸引される。こ
の状態で回転軸1を挿入すると、磁性流体5が軸受ユニ
ット2内の隙間に充填される。しかし、焼結軸受2bや
スラスト軸受3の部分の隙間にある磁性流体には気泡が
残ることがあり、回転軸1を挿入後軸受ユニット2内を
減圧して除去する必要がある。
【0026】図6の実施例の場合、図7に示すように軸
受ユニット2に磁性流体5を封入するとスラスト軸受3
の部分に磁性流体5が吸引される。この状態で回転軸1
を挿入すると、磁性流体5が軸受ユニット2内の隙間に
充填され、気泡が軸受部の隙間に介在せず動圧軸受の特
性が発揮される。すなわち、図6の実施例では軸受ユニ
ット2に回転軸1を挿入した後の磁性流体5の脱気が不
要でスピンドルモータの組立てが簡単になる。
【0027】また、図6の実施例では磁性流体の封入後
の脱気が不用でスピンドルモータの組立てが簡単で、モ
ータの油による汚染がない。さらに、本発明の軸受ユニ
ットの構成部品はプレス加工で製作しているので寸法安
定性に優れ、かつモータの量産低コスト化が図れるばか
りでなく永久磁石と磁性流体を用いて磁性流体軸受ユニ
ットを構成しているので確実なシールができる上、動圧
軸受効果によって磁気ディスク装置の高密度、大容量化
と信頼性向上が図れる。
【0028】
【発明の効果】本発明の磁気ディスク及びドライブ用ス
ピンドルモータは、軸受構成体に樹脂を含浸し、軸受構
成部品を接合すると共に、接合した軸受構成体に回転軸
の抜け止めを備えた軸受ユニットを構成し、スピンドル
モータに本軸受ユニットを勘合固定しているので、確実
な回転軸の抜け止めができる。また、本発明の軸受構成
体は樹脂含浸後、樹脂が固化する前に軸受構成体表面に
付着している樹脂を水洗して除去した後常温ないしは加
温して固化しているので、軸受構成体からの動圧抜けが
ないばかりでなく軸受構成体の寸法精度が維持できる。
【0029】すなわち、上記したように本発明の軸受ユ
ニットは、従来の軸受ユニットと異なり軸受構成体に樹
脂を含浸して固化しているので軸受構成体が樹脂によっ
て封孔され、軸受構成体に封入した磁性流体は滲み出る
ことがない。従って、軸受ユニットとモータケースとの
勘合部には潤滑油等の油脂が介在しないので、軸受ユニ
ット勘合部の接合強度が高い上接着強度の経時変化も殆
どなく、スピンドルモータが衝撃荷重を受けても回転軸
が軸方向に殆ど動かない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気ディスクドライブ用スピンド
ルモータの一実施例を示す縦断面図。
【図2】図1に示した軸受ユニットの縦断面図。
【図3】本発明の軸受構成体の縦断面図。
【図4】ストッパーリングの形状図。
【図5】スラスト軸受部の縦断面図。
【図6】本発明の他の実施例を示す軸受ユニットの縦断
面図。
【図7】図6に示した軸受ユニットの磁性流体の状態を
示す縦断面図。
【符号の説明】
1…回転軸、2…軸受ユニット、2a、2b…焼結軸
受、3…スラスト軸受、4…ストッパーリング、5…磁
性流体、6…永久磁石、11…ケース、m…磁気回路。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 17/038 G11B 17/038 19/20 19/20 E H02K 5/124 H02K 5/124 7/08 7/08 B (72)発明者 竹花 敏一 千葉県松戸市稔台520番地 日立粉末冶金 株式会社内 (72)発明者 徳島 秀和 千葉県松戸市稔台520番地 日立粉末冶金 株式会社内 Fターム(参考) 3J011 AA01 BA02 BA08 CA05 DA01 JA03 KA02 KA03 LA01 QA05 RA04 SB02 SB03 SB19 5D109 BB01 BB12 BB17 BB21 BB23 BB34 BC12 5H605 AA08 BB05 BB14 BB19 CC03 CC04 CC05 DD05 EA06 EB02 EB05 EB07 EB09 EB17 EB28 5H607 AA06 BB01 BB09 BB14 BB17 BB25 CC09 DD03 DD16 GG01 GG02 GG05 GG09 GG12 GG19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報が記録、再生されるディスクを駆動す
    るため、流体軸受を使用したディスクドライブ用スピン
    ドルモータにおいて、 前記スピンドルモータは、磁気ディスクを搭載するハブ
    と、前記ハブに勘合した回転軸と、前記回転軸を回転自
    在に支持する軸受ユニットと、前記ハブを駆動する回転
    磁界発生部材で構成され、前記回転軸の端部の近傍に回
    転軸の抜け止め用の溝を備えるとともに前記軸受ユニッ
    トは一端が開放され、他端が閉じられていて、前記軸受
    ユニットの開放端側からカバーを備えた第1の焼結軸受
    と、回転軸の抜け止め用のストッパーリングとスラスト
    軸受を備えた第2の焼結軸受と、前記第1の焼結軸受と
    第2の焼結軸受の間にリング状の永久磁石を備え、前記
    カバーと前記第1の焼結軸受と第2の焼結軸受と永久磁
    石を樹脂含浸によって接合した構成としたことを特徴と
    するディスクドライブ用スピンドルモータ。
  2. 【請求項2】情報が記録、再生されるディスクを駆動す
    るため、磁性流体を用いた、流体軸受を備えたディスク
    ドライブ用スピンドルモータにおいて、 前記スピンドルモータは、磁気ディスクを搭載するハブ
    と、前記ハブに勘合した回転軸と、前記回転軸を回転自
    在に支持する軸受ユニットと、前記ハブを駆動する回転
    磁界発生部材とで構成され、前記回転軸のスラスト軸受
    側端部の近傍に回転軸の抜け止め用の溝を備えると共
    に、前記軸受ユニットは一端が開放され、他端が閉じら
    れており、軸受ユニットの開放端側からカバーを備えた
    第1の焼結軸受と、回転軸の抜け止め用のストッパーリ
    ングとスラスト軸受を備えた第2の焼結軸受と、スラス
    ト軸受の背面に永久磁石を備え、前記カバーと、前記第
    1の焼結軸受と、前記第2の焼結軸受Bを樹脂含浸によ
    り接合し、前記軸受ユニット内に磁性流体を封入したこ
    とを特徴とするディスクドライブ用スピンドルモータ。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のディスクドライブ
    用スピンドルモータにおいて、 前記カバーを非磁性の材料で形成し、前記第1および第
    2の焼結軸受を鉄系又は鉄−銅系の焼結材とし、前記ス
    ラスト軸受をマルテンサイト系のステンレス鋼の磁性材
    を用いたことを特徴とするディスクドライブ用スピンド
    ルモータ。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれか1項に記載のス
    ピンドルモータにおいて、前記スラスト軸受の軸受面に
    DLC膜を処理したことを特徴とするディスクドライブ
    用スピンドルモータ。
  5. 【請求項5】情報が記録、再生される磁気ディスクと、
    前記磁気ディスクを駆動するため、流体軸受を使用した
    スピンドルモータとを備え、前記スピンドルモータには
    回転軸と、回転軸に勘合したハブと、前記ハブの一方の
    面に前記磁気ディスクが搭載され、他方の面には回転磁
    界発生部材が設けられた構成の磁気ディスク装置におい
    て、 前記回転軸を回転自在に支持する軸受ユニットと、前記
    回転軸の端部の近傍に回転軸の抜け止め用の溝を備える
    と共に、前記軸受ユニットは一端が開放され、他端が閉
    じられていて、前記軸受ユニットの開放端側からカバー
    を備えた第1の焼結軸受と、回転軸の抜け止め用のスト
    ッパーリングとスラスト軸受を備えた第2の焼結軸受
    と、前記第1の焼結軸受と第2の焼結軸受の間にリング
    状の永久磁石を備え、前記カバーと前記第1の焼結軸受
    と第2の焼結軸受と永久磁石を樹脂含浸によって接合し
    た構成としたことを特徴とする磁気ディスク装置。
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