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JP2002114925A - ハロゲン化金属フタロシアニン組成物の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化金属フタロシアニン組成物の製造方法

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Publication number
JP2002114925A
JP2002114925A JP2000304786A JP2000304786A JP2002114925A JP 2002114925 A JP2002114925 A JP 2002114925A JP 2000304786 A JP2000304786 A JP 2000304786A JP 2000304786 A JP2000304786 A JP 2000304786A JP 2002114925 A JP2002114925 A JP 2002114925A
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JP
Japan
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phthalocyanine
halogenated
metal phthalocyanine
metal
pigment
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Pending
Application number
JP2000304786A
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English (en)
Inventor
Kazunobu Tomimori
和宣 富盛
Ikuro Kiyoto
育郎 清都
Kikuo Tsuchiya
幾久郎 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来公知の顔料化工程を必要としない、顔料
品質のハロゲン化金属フタロシアニン組成物を直接生産
性よく提供する。 【解決手段】 ハロゲン化フタロジニトリル類(A)
と、金属源(B)とを、アンモニア又はアンモニア供与
体(C)の存在化に反応させる際に、結晶成長を抑制す
る物質の存在下で前記反応を行い、ハロゲン化金属フタ
ロシアニン組成物を直接製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化金属フ
タロシアニン組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フタロシアニン環上の水素原子がハロゲ
ン原子で置換されたポリハロゲン化金属フタロシアニン
は、有機顔料として多用されている。この様なポリハロ
ゲン化金属フタロシアニンは、従来公知のワイラー法に
従って、無水フタル酸と、金属化合物と、尿素とを触媒
の存在下に反応させ、予めハロゲン化されていない金属
フタロシアニンを製造し、これを塩化アルミニウムと食
塩の溶融塩または、クロルスルホン酸等の無機酸に溶解
し、塩素または臭素等のハロゲン化剤と反応させてハロ
ゲン化する方法により製造されている。
【0003】しかしながら、前段の反応では、アンモニ
アガス、二酸化炭素等の気体が副生するので、大気環境
への負荷が大きい。一方後段の反応で、得られたハロゲ
ン化金属フタロシアニンは極微細な粒子となるため、着
色剤に適した粒子径に結晶成長させるため、従来公知の
ソルベントソルトミリング等の顔料化処理が別途必要で
ある。また、毒性と腐食性の強いハロゲン化剤と、腐食
性の強い溶融塩または無機酸を取り扱うための特別な設
備を必要とするという欠点があった。
【0004】この様な欠点のないハロゲン化金属フタロ
シアニンの製造方法として、ハロゲン化フタロジニトリ
ル類を用いる方法(フタロジニトリル法)が、例えば特
開昭39−23970号公報等に記載されている。
【0005】しかし、この方法で得られたハロゲン化金
属フタロシアニンは巨大な粒子となるため、着色剤に適
した粒子径に微粒子化するための、従来公知のソルベン
トソルトミリング等の顔料化処理工程がやはり必要とな
り、ニーダーまたはシンプソンミックスマーラー等の重
装備な設備を必要とし、多大なエネルギーを必要とする
生産性の低い方法であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】即ち、上記フタロジニ
トリル法では、生成するハロゲン化金属フタロシアニン
の結晶成長が激しく、著しく成長した着色力の低い、色
相が不鮮明な着色剤としては価値の低い結晶しか得られ
なかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は上記
実状に鑑みて鋭意検討したところ、フタロジニトリル法
でハロゲン化金属フタロシアニンを、結晶成長を抑制す
る物質の存在下で製造することで、従来必要であった、
公知のソルベントソルトミリング等の顔料化処理するこ
となしに、着色剤に適した粒子径の顔料として使用でき
るハロゲン化金属フタロシアニンを生産性よく、得るこ
とが出来ることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いる用語を以下に定義
する。ハロゲン化フタロジニトリル類(A)とは、ベン
ゼン環上の水素原子1〜4個が、ハロゲン原子に置換さ
れたフタロジニトリル類のことをいう。このハロゲン化
フタロジニトリル類(A)には、ハロゲン化フタロジニ
トリルと、アンモニアまたはアルコールとが等モル反応
した、ハロゲン化フタロジニトリルのアンモニア付加体
やアルコール付加体も含まれる。結晶成長を抑制する物
質とは、(生成した)ハロゲン化金属フタロシアニンの
結晶粒子の成長を抑制する効果を持っている物質のこと
をいう。アンモニア供与体(C)とは、加熱によりアン
モニアを発生する物質をいう。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明は
上記課題を解決するために、ハロゲン化フタロジニトリ
ル類(A)と、金属源(B)と、アンモニア又はアンモ
ニア供与体(C)とを反応させるハロゲン化金属フタロ
シアニンの製造法において、結晶成長を抑制する物質の
存在下で前記反応を行うことを特徴とする、従来公知の
ソルベントソルトミリング等の顔料化処理を必要としな
い、ハロゲン化金属フタロシアニン組成物の製造方法を
提供するものである。
【0010】本発明で得られるハロゲン化金属フタロシ
アニンは、フタロシアニン環上の水素原子がハロゲン原
子により置換された金属フタロシアニンである。
【0011】本発明において使用されるハロゲン化フタ
ロジニトリル類(A)としては、それ自体いずれも公知
であるフタロジニトリルや前記付加体である1,3−ジ
イミノイソインドリン、1−アルコキシ−3−イミノイ
ソインドレニン等のテトラハロゲン化物、トリハロゲン
化物、またはジハロゲン化物をそれぞれ単独で使用する
ことも、またはテトラハロゲン化物、トリハロゲン化
物、ジハロゲン化物、またはモノハロゲン化物等の混合
物を使用することができるが、なかでも工業的利用価値
が最も高いのは、テトラハロゲン化フタロジニトリルを
単独で用いる場合である。こうして得られるヘキサデカ
ハロゲン化金属フタロシアニンは緑色の生成物である。
【0012】ハロゲン原子としては、いずれのハロゲン
原子も使用可能であるが、工業的には塩素、または臭素
が一般的である。
【0013】また本発明において使用する、ハロゲン化
金属フタロシアニンの中心原子を形成する金属源(B)
の金属としては、アルミニウム、チタン、バナジウム、
クロム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、コバルト等の金属微
粉末が、また金属化合物としては、これら金属の塩化
物、酸化物、水酸化物、硫酸塩、酢酸塩、脂肪族モノカ
ルボン酸塩またはそのアンモニウム塩等が挙げられる。
その使用量はフタロシアニン核を形成するハロゲン化フ
タロジニトリル類(A)4モルに対して、0.95〜
1.05モルが好ましい。
【0014】また本発明において使用するアンモニア又
はアンモニア供与体(C)のうち、アンモニア供与体と
しては、尿素、カルバミン酸アンモニウム、炭酸水素ア
ンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、臭
化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム、シアナミド、ジシアンジアミ
ド、ビュレット等が挙げられ、それらの1種、または2
種以上が使用できる。また、アンモニアやアンモニア供
与体(C)の使用量は、使用されるハロゲン化フタロジ
ニトリル類(A)と、金属源(B)の種類により多少異
なるが、出発原料の金属源(B)1モル当たり、1〜2
モル使用するのが好ましい。
【0015】また、本発明では通常のワイラー法に用い
られる、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸、バ
ナジン酸アンモニウム等の触媒は必要としない。即ち、
使用しなくても高収率でハロゲン化金属フタロシアニン
が得られる。
【0016】本発明では、前記ハロゲン化フタロジニト
リル類(A)と、金属源(B)と、アンモニア又はアン
モニア供与体(C)とを、結晶成長を抑制する物質の存
在下で反応を行って、ハロゲン化金属フタロシアニンと
前記結晶成長を抑制する物質とを含む組成物を得る。
【0017】本発明で使用し、本発明を特徴づける結晶
成長を抑制する物質としては、従来公知の、(1)金属
フタロシアニン誘導体、すなわち、フタルイミドメチル
金属フタロシアニン、スルホン化金属フタロシアニン、
スルホンアミド金属フタロシアニン、カルボン酸金属フ
タロシアニン、カルボンアミド金属フタロシアニン、ヒ
ドロオキシメチル金属フタロシアニン、アミノメチル金
属フタロシアニン、ハロゲン化金属フタロシアニン等を
挙げることができる。その他、公知のフタロシアニン系
染料を使用してもその効果が認められる。
【0018】さらに、(2)異種金属フタロシアニン、
すなわち、アルミニウム、チタン、バナジウム、クロ
ム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、コバルト等の金属フタロ
シアニンが挙げられる。
【0019】ハロゲン化金属フタロシアニンの顔料特性
である色相、鮮明性、着色力が優れるハロゲン化金属フ
タロシアニン、中でも緑色顔料として使用できるものを
得る場合には、これらの物質の中で、フタロシアニン環
上のハロゲン原子数14以上のポリハロゲン化金属フタ
ロシアニンクルードを用いることが最も好ましい。
【0020】ここで、ポリハロゲン化金属フタロシアニ
ンクルードとは、従来公知のソルベントソルトミリング
等の顔料化処理を経ていないポリハロゲン化金属フタロ
シアニン粗顔料であり、例えばハロゲン化されていない
金属フタロシアニンをクロルスルホン酸等の無機酸、ま
たは塩化アルミニウムと食塩の混合塩等の無機溶融塩類
に溶解させて、塩素または臭素等のハロゲン化剤でハロ
ゲン化する方法により得ることができる。
【0021】本発明において使用される結晶成長を抑制
する物質として、フタロシアニン環上のハロゲン原子数
14以上のポリハロゲン化金属フタロシアニンクルード
を用いた場合は、ハロゲン原子数の少ないフタロジニト
リル類(A)を使用して、ハロゲン原子数の少ないハロ
ゲン化金属フタロシアニンを生成させると、色相にくす
みが発生して好ましくない。一方、ハロゲン原子数の多
いフタロジニトリル類(A)を使用して、ハロゲン原子
数の多いハロゲン化金属フタロシアニンを生成させる
と、色相にくすみのない鮮明な生成物が得られる。従っ
て、結晶成長を抑制する物質として、フタロシアニン環
上のハロゲン原子数14以上のポリハロゲン化金属フタ
ロシアニンクルードを用いた場合は、オクタハロゲン化
金属フタロシアニンより多くハロゲン化されたハロゲン
化金属フタロシアニンが得られる様に、即ちハロゲン化
金属フタロシアニン環上のハロゲン原子が8以上となる
様に、ハロゲン化フタロジニトリル類(A)を用いるこ
とが好ましい。
【0022】成分(A)としてテトラクロロフタロジニ
トリルのみを用い、成分(B)として銅微粉末または、
銅化合物を用い、かつ、結晶成長を抑制する物質として
ヘキサデカクロロ銅フタロシアニンクルードを用いる様
にするのが緑色着色剤を得る製造方法としては好まし
く、こうして得られるのは、結果的に顔料化を経ていな
いが顔料品質を有するヘキサデカクロロ銅フタロシアニ
ンのみになる。
【0023】結晶成長を抑制する物質の効果は、同一溶
媒で同一反応温度でも、結晶成長を抑制する物質の使用
量を増すと比表面積がより大きくなり、より着色力の大
きい顔料が得られる。従ってその使用量は、生成するハ
ロゲン化金属フタロシアニンの理論生成量100重量部
当たり1〜20重量部となる様、即ち、ハロゲン化フタ
ロジニトリル類(A)の種類によって使用量は異なる
が、例えばテトラクロロフタロジニトリルの場合は、テ
トラクロロフタロジニトリル100重量部当たり、1.
06〜21.2重量部用いることが特に好ましい。
【0024】前記結晶成長を抑制する物質の添加時期
は、ハロゲン化金属フタロシアニンの生成が終了する以
前であれば、原料の仕込みと同時でも、ハロゲン化金属
フタロシアニンの生成中でもいずれの時期に添加しても
良い。しかし、工業的には、原料の仕込みと同時に添加
するのが作業効率に優れ、最も一般的である。
【0025】また、本発明の反応は無溶媒反応でも、有
機溶媒を使用しても、いずれの方法でも反応を遂行する
ことが可能である。しかし、無溶媒反応の場合は、一般
的に有機溶媒を使用した反応と比較して、反応温度が高
くなり、結晶粒子の成長が激しく、微粒子のハロゲン化
金属フタロシアニンが得られにくいので好ましくない。
また、反応の制御が良好に行い難く、分解物の生成が多
くなり、溶剤洗浄等の精製処理を経ないと、顔料品質の
鮮明な色相のハロゲン化金属フタロシアニンが得にくい
ので好ましくない。これらの理由によって、一般的には
有機溶媒中で製造することが好ましい。
【0026】本発明の製造方法で用いる好ましい有機溶
媒の例としては、キシレン、トルエン、ナフタリン等の
芳香族炭化水素、またはジ及びトリクロロベンゼンまた
は1−クロロナフタリン、またはニトロベンゼン等のハ
ロゲン化、またはニトロ化された芳香族炭化水素、また
はこれらの混合物が好ましい。この中でも特に、ニトロ
ベンゼンが鮮明な色相のポリハロゲン化金属フタロシア
ニンが得られ最も好ましい。
【0027】これら有機溶媒の使用量は、生成物の撹拌
が可能であればいかなる量でもよいが、出発原料のハロ
ゲン化フタロジニトリル類(A)1重量部当たり、3〜
10重量部用いるのが好ましく、特に4〜6重量部用い
るのが最も好ましい。
【0028】また本発明によって製造したハロゲン化金
属フタロシアニンは反応終了後濾過、洗浄、乾燥して使
用しても良いし、必要に応じて、稀酸、稀アルカリ水溶
液で洗浄してから乾燥しても良い。
【0029】また本発明を遂行する際の反応温度は、同
一の結晶成長を抑制する物質の使用量のもとで、温度が
低い場合は反応の完結に長時間必要となる上に、収率が
低いが、比表面積が大きく、着色力の大きい顔料が得ら
れる。また温度が高い場合は、反応は短時間に完結し、
収率は高くなるが結晶成長が著しくなり、比表面積が小
さく、着色力の小さい顔料が得られる。
【0030】従って反応温度は393〜503K(ケル
ビン温度)が好ましく、特に423〜483Kが最も好
ましい。また反応時間は使用する原料物質と、溶媒種類
の組み合わせにより種々変わるが1〜20時間が好まし
く、特に2〜10時間が最も好ましい。
【0031】本発明により得られるハロゲン化金属フタ
ロシアニンは、粒子が非常に柔らかいため分散に当たっ
て、従来の、ハロゲン化されていない金属フタロシアニ
ンを塩化アルミニウムと食塩の溶融塩または、クロルス
ルホン酸等の無機酸に溶解し、塩素または臭素等のハロ
ゲン化剤と反応させてハロゲン化した後に、従来公知の
ソルベントソルトミリング等の顔料化処理を経て得られ
た製品が必要とするような、莫大な機械的エネルギーや
長時間の分散を必要とせずに、容易に分散媒体中に分散
が可能であり、着色剤としての使用の面での生産性も著
しく改善された、広範囲の用途に使用可能な着色剤製品
を与えるものである。
【0032】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例により具体
的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。以下において、特に断りの無い限り、
「%」は『重量%』を表す。
【0033】〔実施例1〕攪拌機、温度計を備えた容量
500mlのガラス製セパラブルフラスコに、テトラク
ロロフタロジニトリル34.1g、塩化第二銅5.16
g、尿素2.3g、ヘキサデカクロロ銅フタロシアニン
クルード(ハロゲン化されていない銅フタロシアニンを
クロルスルホン酸に溶解して、塩素ガスにて塩素化した
後水中に取り出し、濾過、水洗、乾燥、粉砕したヘキサ
デカクロロ銅フタロシアニン)1.8gとニトロベンゼ
ン240gを仕込み、撹拌しながら473Kで4時間反
応させた。
【0034】反応液を323K迄冷却した後、生成物を
濾別し、キシレン、イソプロピルアルコール、メタノー
ル、水の順に生成物を洗浄した。このウエットケーキを
1%塩酸水溶液800gに解膠し、363Kで1時間撹
拌を行った後、熱時濾過し353Kの熱湯800gで洗
浄した。更に、このウエットケーキを1%苛性ソーダ水
溶液800gに解膠し、363Kで1時間撹拌を行った
後、熱時濾過し353Kの熱湯800gで洗浄した。こ
のウエットケーキを353Kで15時間乾燥し、緑色の
ヘキサデカクロロ銅フタロシアニン32.5gを得た。
【0035】このヘキサデカクロロ銅フタロシアニン
を、マイクロソープ自動表面積計(マイクロ・データ
(株)製:MODEL4232II)で窒素吸着の比表
面積の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0036】以下に記した試験例に従って平版インキを
作成した後、着色力の評価法に従って着色力を評価した
ところ、従来公知のソルベントソルトミリング等の顔料
化処理を行わなくても、顔料として充分な性能を備えて
いた。その結果を表1に示す。
【0037】〔実施例2〕実施例1において、塩化第二
銅5.16gに代えて、無水塩化コバルト(II)を5.
2g使用した以外は実施例1と同様にして、緑色のヘキ
サデカクロロコバルトフタロシアニン組成物27.8g
を得た。
【0038】実施例1と同様にして比表面積の測定と、
着色力を評価したところ、従来公知のソルベントソルト
ミリング等の顔料化処理を行わなくても、顔料として充
分な性能を備えていた。比表面積の測定結果と、着色力
の評価結果を表1に示す。
【0039】〔実施例3〕実施例1において、テトラク
ロロフタロジニトリル34.1gに代えて、テトラブロ
モフタロジニトリルを56.8g使用した以外は実施例
1と同様にして、緑色のヘキサデカブロモ銅フタロシア
ニン組成物50.6gを得た。
【0040】実施例1と同様にして比表面積の測定と、
着色力を評価したところ、従来公知のソルベントソルト
ミリング等の顔料化処理を行わなくても、顔料として充
分な性能を備えていた。比表面積の測定結果と、着色力
の評価結果を表1に示す。
【0041】〔比較例1〕攪拌機、温度計を備えた容量
500mlのガラス製セパラブルフラスコに、テトラク
ロロフタロジニトリル34.1g、塩化第二銅5.16
g、尿素2.3g、とニトロベンゼン240gを仕込
み、撹拌しながら473Kで4時間反応させた。反応液
を323K迄冷却した後、生成物を濾別し、キシレン、
イソプロピルアルコール、メタノール、水の順に生成物
を洗浄した。
【0042】このウエットケーキを1%塩酸水溶液80
0gに解膠し、363Kで1時間撹拌を行った後、熱時
濾過し353Kの熱湯800gで洗浄した。更にこのウ
エットケーキを1%苛性ソーダ水溶液800gに解膠
し、363Kで1時間撹拌を行った後、熱時濾過し35
3Kの熱湯800gで洗浄した。このウエットケーキを
353Kで15時間乾燥し、緑色のヘキサデカクロロ銅
フタロシアニン34.8gを得た。
【0043】実施例1と同様にして比表面積の測定と、
着色力を評価したところ比表面積が小さく、着色力は低
く、従来公知のソルベントソルトミリング等の顔料化処
理を行わなければ、着色剤として利用価値の低いもので
あった。比表面積の測定結果と、着色力の評価結果を表
1に示す。
【0044】<試験例> ・平版インキ作成方法 以下の方法により、実施例及び比較例により得られた、
ハロゲン化金属フタロシアニンを用い、平版インキを作
成した。顔料0.3g、インキ用樹脂ワニスMG−63
(大日本インキ化学工業(株)製)1.2gをフーバー
マーラーで分散し濃色インキを作成した。上記で得られ
た濃色インキ0.1gと白顔料が30%の白インキ2.
0gを混合して淡色インキを作成した。得られた各イン
キを試験インキとし、着色力を以下の方法で評価した。
【0045】・着色力の評価方法 実施例及び、比較例で得られた顔料の評価は以下の方法
に従った。市販のヘキサデカクロロ銅フタロシアニング
リーン顔料(大日本インキ化学工業(株)製の「FAS
TOGEN GREEN S」)を用いて、濃色インキ
(標準とする)と、顔料使用量を2%刻みでー10%迄
減量した濃色インキ(比較標準とする)を作成した。標
準及び、比較標準の濃色インキより、上記淡色インキ作
成法に従って、対応する淡色インキを作成し、それぞれ
標準淡色インキ及び比較標準淡色インキとした。
【0046】実施例及び、比較例で得られた顔料の淡色
インキを、比較標準淡色インキと展色紙にヘラを使用し
て展色して着色力を比較し、着色力の一致した点を実施
例、または比較例の着色力とし、標準インキの95%以
上を◎、90〜95%を○、90%未満を×の3段階評
価を行った。
【0047】
【表1】
【0048】表1から明らかなように、結晶成長を抑制
する物質の存在下で製造した、ハロゲン化金属フタロシ
アニン組成物は、顔料に匹敵する比表面積の値と、優れ
た着色力を示し、従来公知のソルベントソルトミリング
等の顔料化処理を行わなくても、顔料として充分な性能
を備えていた。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明の製造方法に
よれば、従来公知のソルベントソルトミリング等の顔料
化処理を行わなくても、顔料品質のハロゲン化銅フタロ
シアニン組成物が直接製造できるので、生産性が著しく
改善される。
【0050】また、顔料化処理工程を必要としないの
で、顔料化設備が不要で、顔料化に要する原材料と、エ
ネルギーが不要になる利点がある。更にまた従来の無置
換金属フタロシアニンのハロゲン化に使用していた、ハ
ロゲン化剤、溶融塩、無機酸等の、強腐食性原料が不要
となり、生産設備の腐食が著しく低減できる利点があ
る。
【0051】また、粒子が非常に柔らかいため分散に当
たって、従来の、ハロゲン化されていない金属フタロシ
アニンを塩化アルミニウムと食塩の溶融塩または、クロ
ルスルホン酸等の無機酸に溶解し、塩素または臭素等の
ハロゲン化剤と反応させてハロゲン化した後に、従来公
知のソルベントソルトミリング等の顔料化工程を経て得
られた製品が必要とするような、莫大な機械的エネルギ
ーや長時間の分散を必要とせずに、容易に分散媒体中に
分散が可能であり、着色剤としての使用の面での生産性
も著しく改善された、広範囲の用途に使用可能な着色剤
製品を与えるものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化フタロジニトリル類(A)
    と、金属源(B)と、アンモニア又はアンモニア供与体
    (C)とを反応させるハロゲン化金属フタロシアニンの
    製造方法において、結晶成長を抑制する物質の存在下で
    前記反応を行うことを特徴とするハロゲン化金属フタロ
    シアニン組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 結晶成長を抑制する物質として、フタロ
    シアニン環上のハロゲン原子数14以上のポリハロゲン
    化金属フタロシアニンクルードを用いる請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化金属フタロシアニン環上のハ
    ロゲン原子が8以上となる様に、ハロゲン化フタロジニ
    トリル類(A)を用いる請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 結晶成長を抑制する物質の使用量を、生
    成するハロゲン化金属フタロシアニンの理論生成量10
    0重量部当たり1〜20重量部となる様に用いる請求項
    1〜3記載の製造方法。
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