Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2002154052A - 研磨材 - Google Patents

研磨材

Info

Publication number
JP2002154052A
JP2002154052A JP2000352494A JP2000352494A JP2002154052A JP 2002154052 A JP2002154052 A JP 2002154052A JP 2000352494 A JP2000352494 A JP 2000352494A JP 2000352494 A JP2000352494 A JP 2000352494A JP 2002154052 A JP2002154052 A JP 2002154052A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
fluororesin
abrasive
web
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000352494A
Other languages
English (en)
Inventor
Seigo Yamamoto
誠吾 山本
Katsutoshi Yamamoto
勝年 山本
Shinichi Chaen
伸一 茶圓
Jun Asano
純 浅野
Tomohisa Konishi
智久 小西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2000352494A priority Critical patent/JP2002154052A/ja
Publication of JP2002154052A publication Critical patent/JP2002154052A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐薬品性、耐油性、低摩擦性、耐熱性に優
れ、砥粒スラリーの保持が良好であり、また固定砥粒と
することもでき、さらに研磨速度が大きく、しかも洗浄
性にも優れる研磨シートや研磨パッド、研磨ベルトを提
供する。 【解決手段】 フッ素樹脂繊維を交絡して得られるフッ
素樹脂繊維のウェブを単独で、または基布とを交絡して
なる複層シートを加圧下に加熱して得られる成形体から
なり、要すれば無機微粒子がシート表面に存在していて
もよい研磨材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の金属製金
型、金属製品、セラミックス製品の研磨や、各種ウェハ
や半導体デバイスなどの製造工程におけるケミカルメカ
ニカルポリシング(CMP)に使用できるフッ素樹脂製
の研磨材、たとえば研磨シート、研磨パッド、研磨ベル
トなどに関する。
【0002】
【従来の技術】研磨は一般に、研磨砥粒を保持する研磨
シートや研磨パッドなどの研磨材を被研磨対象物に対し
て押し付け(または被研磨対象物を研磨パッドに押し付
け)、その面と平行に相対運動させることで行なってい
る。研磨材を含まず、研磨砥粒を含む研磨液(スラリ
ー)を供給して行なう研磨であっても、研磨砥粒は研磨
パッドなどの研磨材に保持拘束され、相対運動が生じ
る。研磨では、実際に研磨作用を担う砥粒以外に、研磨
面の洗浄・清浄や、研磨屑の粗粒化防止、研磨時の表面
温度上昇による表面反応による変性の抑制などのため
に、研磨液や研磨油が供給される。さらに、研磨液にエ
ッチング作用をもたせるために強アルカリ、強酸を用い
られることもある。このように研磨は、被研磨対象物で
ある母材と工具側である研磨材(シート、パッド、ベル
ト)の境界にある砥粒の一部が母材表面に食い込み、移
動する結果生ずる母材の磨耗であるから、研磨材に要求
される性質としては、砥粒が確実に研磨材(工具)側に
保持されること、砥粒の適度な母材への食い込みを得る
ために必要な適度な強度と硬さをもっていることがあげ
られる。また研磨屑や脱落砥粒、反応生成物を適切かつ
迅速に研磨表面から排除でき、研磨屑などの堆積で砥粒
が埋没する(目詰まり)といった弊害が生じないことも
要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種の金属
製金型、金属製品、セラミックス製品;各種ウェハや半
導体デバイスなど製造工程におけるケミカルメカニカル
ポリシングに使用でき、研磨による変形が少なく、加工
面を傷つける恐れが小さく、砥粒の目詰まりを防止で
き、しかも耐薬品性および耐熱性に優れる研磨シート、
研磨パッド、研磨ベルトなどの研磨材を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、フッ
素樹脂繊維を交絡して得られるフッ素樹脂繊維のウェブ
を加圧下に加熱して得られる成形体からなる研磨材に関
する。この研磨材は、研磨シートおよび研磨パッドとし
て特に有用である。
【0005】また本発明は、フッ素樹脂繊維を交絡して
得られるウェブと基布とを交絡してなる複層シートを加
圧下に加熱して得られる複層成形体からなる研磨材に関
する。この研磨材は、研磨シート、研磨パッドおよび研
磨ベルトとして特に有用である。
【0006】これらの研磨材において、前記フッ素樹脂
繊維表面の少なくとも一部に該フッ素樹脂繊維の繊維径
よりも小さい粒子径の無機微粒子を存在させることが好
ましい。
【0007】また、これらの研磨材のウェブ上にさら
に、砥粒を有するフッ素樹脂繊維ウェブまたは砥粒を有
しないウェブを加圧下に加熱して複合シートとしてもよ
い。
【0008】いずれの場合も、加圧下に加熱することが
重要であり、その結果ウェブ表面が平滑になり、またフ
ッ素樹脂繊維同士が熱融着して強い機械的強度が得られ
る。
【0009】フッ素樹脂繊維としては、フッ素樹脂フィ
ルムから解繊により作製されたフッ素樹脂繊維、特に焼
成ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)または半焼
成PTFEの分枝を有する繊維が、加工性および交絡性
に優れているので好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の研磨材(研磨シート、研
磨パッド、研磨ベルト)は、フッ素樹脂フィルムから解
繊により作製された分枝を有するフッ素樹脂繊維を機械
的に交絡して得られるフッ素樹脂繊維ウェブを単独で、
またはこのフッ素樹脂繊維ウェブを基材に交絡してなる
複層シートを加圧下に加熱して成形して得られるもので
あるので、微細な連通孔を有する多孔質構造となってい
る。どのような多孔質構造とするかは、研磨対象物の種
類、要求される研磨品質、研磨速度などに応じて、フッ
素樹脂の種類、加圧の程度、加熱温度などを適宜選定す
ることによって決定することができる。成形体の機械的
強度からは、孔径を10μm以下にすることが望まし
い。
【0011】原料となるフッ素樹脂繊維としては、たと
えばつぎの公知のフッ素樹脂繊維が好ましく使用でき
る。
【0012】(1)フッ素樹脂フィルムを解繊すること
により作製されかつ分枝を有するフッ素樹脂繊維。 たとえばWO94/23098号パンフレット、WO9
6/00807号パンフレット、WO96/10662
号パンフレットなどに記載されている分枝を有するモノ
フィラメント、ステープルファイバー、マルチフィラメ
ントなどが好適にあげられる。これらの分枝を有するフ
ッ素樹脂繊維は、フッ素樹脂のフィルムを機械的に裁
断、解繊することにより製造できる。これらのフッ素樹
脂繊維は断面形状が一定しておらず異形であり、また分
枝を有しているので、機械的に交絡することにより取扱
性に優れたウェブを容易に作製できる。この繊維は焼成
または半焼成のものが、加工性がよい点から好ましい。
【0013】(2)エマルジョン紡糸法で製造された分
枝を有しないフッ素樹脂繊維。 たとえば米国特許第2,772,444号明細書に記載
されているフッ素樹脂繊維であり、フッ素樹脂粒子とビ
スコースなどの結着剤などを含むエマルジョンを押出し
紡糸し、焼成することにより、断面形状が円形の焼成さ
れたフッ素樹脂長繊維が得られる。この繊維を所定の長
さに切断して使用する。
【0014】(3)フッ素樹脂フィルムを任意の幅にス
リットしてストリップとし、これを延伸するか、フッ素
樹脂フィルムを延伸した後任意の幅にスリットして得ら
れる断面形状矩形の細帯状フッ素樹脂繊維。 この繊維は、たとえば特公昭36−22915号公報ま
たは特公昭48−8769号公報に記載されている方法
で製造できる。フィルムは焼成または半焼成であるもの
が加工性がよいことから好ましい。
【0015】なお、原料となるフッ素樹脂繊維のうちP
TFE繊維は、PTFE粒子に摩擦処理または破砕処理
を施すことによりフィブリル化した繊維、たとえば特公
昭42−5244号公報、米国特許第3,003,91
2号明細書、特開平9−366675号公報などに記載
されているフィブリル化繊維、すなわちミクロ的には未
焼成PTFEの粒子にせん断力(摩擦力や圧搾力)を加
えて粒子自体がノード(節)を有するフィブリル化した
繊維ではない。かかるフィブリル化繊維はカード機など
により機械的に交絡することができない。
【0016】使用するフッ素樹脂としては、テトラフル
オロエチレン(TFE)の単独重合体(PTFE)でも
よいし、TFEに少量のパーフルオロビニルエーテルな
どを共重合することにより変性された変性PTFEでも
よい(なお、本発明においては特に断らない限り変性P
TFEをも含めてPTFEという)。ただし、これらは
溶融加工が困難な含フッ素重合体である。さらにTFE
とヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、TFEとパ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体、
エチレンとTFEとの共重合体などの溶融加工可能なフ
ッ素樹脂も使用できる。これらのフッ素樹脂は、耐薬品
性、低摩擦特性、耐磨耗性、非粘着性、耐熱性に優れ、
しかも撥水撥油性にも優れた樹脂である。これらのフッ
素樹脂のうちPTFEが耐薬品性、機械的強度の点から
好ましく、ウェブ作製が容易な点から焼成または半焼成
PTFE、特に半焼成PTFEが好ましい。ただし、前
記エマルジョン紡糸法で製造される長繊維は焼成されて
いる。
【0017】本発明で使用するウェブは、フッ素樹脂繊
維をカード機やニードリング機などにより機械的に交絡
することで容易に作製できる(たとえば特開平9−19
3277号公報参照)。ウェブは上記フッ素樹脂繊維を
単独で使用して作製してもよいし、別のフッ素系樹脂や
非フッ素系樹脂の繊維を混合使用して作製してもよい。
さらに、構成する繊維が異なるウェブを複数積層しても
よい。なお、本発明において「機械的に交絡する」と
は、接着剤で結合したり、自然堆積させる(抄造)は含
まない意味で使用される。
【0018】かかるフッ素樹脂繊維ウェブは、そのまま
加圧下に加熱してフッ素樹脂繊維成形体とし研磨シー
ト、研磨パッド、研磨ベルトなどの研磨材として使用で
きるが、さらに基材と交絡させた後、加圧下に加熱して
複層シートの形態にすることで、より高強度でかつ研磨
装置の工具への装着性に優れた研磨材とすることができ
る。
【0019】複層シートは、フッ素樹脂繊維ウェブを基
材(多孔質体、織布、編布、不織布など)の片面に機械
的に結合させることにより作製できる。結合形態として
は、基材の繊維とフッ素樹脂繊維とが投錨的に交絡する
形が望ましい。交絡させる方法としてはウォータージェ
ットニードル法が好ましい。なお、ウェブ中の繊維同士
の交絡を促進する手段としても、また後述する砥粒を含
有または付着させる場合にウェブ表面に加圧加熱成形後
も残存する砥粒の排出用、さらには研磨時の研磨屑排出
用の溝状孔を与える手段としても、ウォータージェット
ニードル法による交絡処理は有効である。
【0020】本発明において基材としては、ウェブ中の
フッ素樹脂繊維と交絡できる形態のものであればよく、
たとえば多孔体、網状体、織布、編布、不織布などが使
用でき、材料としても後述の加圧下での加熱処理に耐え
得る材料を必要に応じて適宜選択すればよい。織布、不
織布の場合の繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、金
属繊維などの無機繊維;ポリイミド繊維、パラアラミド
繊維などの合成樹脂繊維が好ましい。また、融点の低い
繊維をウェブに配合したり、加熱処理時間が短い場合な
どでは、メタアラミド繊維、ポリフェニレンスルファイ
ド繊維、フェノール樹脂繊維なども使用できる。
【0021】基材に複層するフッ素樹脂繊維ウェブの目
付は、ウェブ繊維の種類、基材の種類などに応じて設定
すればよい。通常100〜500g/m2である。な
お、目付量を大きくすることにより、同一の加圧加熱条
件でも空孔率を小さくできる。
【0022】成形方法としては、ウェブに圧力をかけた
状態で加熱成形することが以下の点から望ましい。 ・フリー(無加圧)の状態で加熱すると溶融温度付近で
繊維が急激に収縮し目的とする寸法のシート状形態とな
らないが、加圧下で加熱するとそうした収縮が抑えられ
る。 ・加圧下で加熱成形すると、ウェブ中の繊維密度が大き
くなって繊維同士の融着が促進され、機械的強度の大き
い成形体が得られる。 ・加圧下の加熱成形により、得られる多孔質構造におけ
る孔径が小さい成形体が得られる。
【0023】加圧加熱方法としては、たとえば加熱した
2枚の金属板でウェブ単体またはウェブと基材との複層
品、さらに要すれば砥粒を含むウェブ単体または複層品
を挟み、所定時間加圧する方法;ウェブ単体または複層
品を加圧ベルトと加熱ロールで所定の距離をニップする
方法があげられる。加熱温度としてはウェブを構成して
いるフッ素樹脂繊維の種類、基材の種類や厚さなどによ
り異なるが、PTFEを使用する場合は330〜380
℃の範囲の温度を採用すればよい。加圧圧力は目的とす
る多孔質体の孔径・空孔率、基材との剥離強度などによ
り適宜選択すればよいが、0.005〜2MPa・Gの
範囲で選択すればよい。
【0024】加熱時間は加圧加熱成形方法によるが、加
熱金属板で挟む場合では、通常10秒間〜30分間が適
当である。
【0025】このように加圧加熱することにより、ウェ
ブ中の繊維同士、または繊維と基材とを強力に結合で
き、しかもウェブや基材の多孔質性を制御した成形体を
得ることができる。
【0026】基布を用いた複層シート状の成形体の場合
は、ウェブ中の繊維が基材繊維内に投錨的に結合するの
で、大きな結合力が得られ、表層を形成するウェブと基
材との剥離強度を大きくすることができる。したがっ
て、基材の繊維と交絡している繊維が溶融する温度条件
で成形することが望ましい。
【0027】また、複層シート状の成形体は、ウェブ単
独の成形体に比べて、機械的強度の向上以外に、基材の
もつ耐圧縮性により溶融時のウェブ収縮がさらに抑制さ
れ、また成形後においても寸法形状変化が小さいという
利点を有する。
【0028】以上のとおり、加圧加熱成形の結果、ウェ
ブを構成するフッ素樹脂繊維は繊維同士で融着して繊維
間に連通孔が形成された多孔質体となる。この連通孔の
一部または全部は、研磨のために供給されるスラリー状
の砥粒(研磨用の無機粒子)を保持する場、研磨により
生じた研磨屑を一時的に保持する場、あるいは工具側か
ら研磨液を研磨面に供給する流路を提供する。
【0029】本発明の研磨材において、加圧加熱成形体
のウェブ側の少なくとも表面に無機粒子を存在させても
よい。すなわち、砥粒をフッ素樹脂繊維に予め含有、ま
たは成形体に無機粒子を固着させて、いわゆる固定砥粒
を有する研磨材(研磨シート、研磨パッド、研磨ベル
ト)としてもよい。
【0030】加圧加熱成形体におけるウェブの少なくと
も表面に無機粒子を存在させる方法としては、(A)造
粒法などにより無機粒子を含有させて得られた無機粒子
含有フッ素樹脂粉末を使用して作製したフィルムを解繊
してフッ素樹脂繊維ついでウェブを作製し、加圧加熱し
て無機粒子含有フッ素樹脂成形体とする方法、(B)溶
融加工可能なフッ素樹脂を使用する場合は、無機粒子を
添加したペレットを用いて作製したフィルムを解繊して
フッ素樹脂繊維ついでウェブを作製し、加圧加熱して無
機粒子含有フッ素樹脂成形体とする方法、(C)フッ素
樹脂ウェブの製作工程、加圧加熱成形工程のいずれか1
つの工程またはその前後に無機粒子を添加し、これを固
着させる方法などがあげられる。
【0031】特に(A)法または(B)法で得られる成
形体は、ウェブ表面の一部に無機粒子の一部が露出して
いるだけでなくフッ素樹脂ウェブ中の繊維内部にも無機
粒子が含有されている形態であるため、研磨によってま
たはドレッシングによって表面を更新させることによ
り、新たな無機粒子を表面に露出させることができるの
で、研磨効率が容易に回復できる。ただし、もちろん、
研磨時には外部からスラリー状の無機粒子を供給する方
法を併用してもよい。
【0032】研磨効率を向上させることは、成形体の表
面に存在する無機粒子の量を増加させることで可能であ
るが、そうすると成形体の強度が低下するため、研磨効
率と強度のバランスを取ることが必要である。たとえば
(A)法または(B)法の場合は、通常、2〜30重量
%の含有率とすることが適当である。
【0033】無機粒子としては、従来より砥粒として使
用されている無機粒子であればよく、ダイアモンド、炭
化珪素、窒化硼素、アルミナなど微粒子のほか、ヒュー
ムドシリカやコロイダルシリカなどの酸化ケイ素微粒
子、酸化アルミニウム微粒子、二酸化マンガン微粒子、
酸化ジルコニウム微粒子などの精密研磨用微粒子が例示
できる。
【0034】粒径は、上記(A)法または(B)法にあ
っては、ウェブを構成している繊維の繊維径よりも小さ
い、特に1/3以下のものが望ましい。通常3μm以下
にするのが望ましい。
【0035】本発明の研磨材の厚さは、被加工物と成形
体の使用形態(シート、パッド、ベルトなど)により種
々選定すればよいが、通常0.2mmから5mm程度の
範囲内の厚さで使用される。
【0036】本発明の研磨材は、砥粒を含有した成形体
として使用することが好ましく、金属製品、セラミック
ス製品などの種々の加工工程での研磨、特に仕上げ工程
での研磨に好適に使用できる。また、高硬度金属製金型
や傷つきやすいアルミニウム製金型の最終仕上げ研磨に
も有効である。さらに、砥粒を含まない成形体にあって
は、半導体関連のデバイス用研磨パッド、シリコンウェ
ハ用研磨パッド、ハードディスクドライブ用HD基板用
の研磨パッドとしても期待できる。
【0037】特に本発明の研磨材は、砥粒を保持する成
形体が適度な硬度と密度をもった多孔性のフッ素樹脂繊
維成形体であるので、フッ素樹脂のもつ耐薬品性、耐油
性、低摩擦性、耐熱性により、種々の研磨液に対して種
々の液温で長時間安定して使用できる。これに加えて、
内部からの研磨液供給や洗浄液供給を行ないことができ
るという利点を有するので、さらに広範囲の用途に適用
できる。また、複層シートからなる成形体にあっては、
フッ素樹脂の欠点でもある非粘着性による研磨機側の工
具との結合(連結)においても、接着剤による強い接着
が可能な基材を選択使用できるので、種々の工具や用途
にも対応できる。
【0038】
【実施例】つぎに本発明の研磨材を実施例を挙げて説明
するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるもので
はない。
【0039】実施例1(単層成形体) PTFEファインパウダーから常法により未焼成フィル
ムを作製し、337℃に加熱した塩浴中で45秒間熱処
理することにより半焼成フィルムを得、350℃で25
倍に一軸延伸した。このフィルムを回転速度4500r
pm、フィルム送り速度1.5m/分で針刃ロールによ
り擦過解繊して分枝およびループを有するPTFEステ
ープルファイバーの綿状物を製造し、これをニップロー
ルに通して目付250g/m2のウェブを得た。得られ
たPTFEステープルのファイバーの繊維長は概ね1〜
100mmの間にあり、比表面積は3.3m2/gであ
り、平均繊維径は10μmであった。
【0040】このPTFEウェブを2枚の金属板で挟
み、さらにこれを370℃に加熱した2枚の金属板で挟
み、面圧力0.25MPa・Gで10分間ヒートプレス
して、PTFE繊維ウェブの単層からなる成形体とし、
本発明の研磨材を製造した。
【0041】実施例2(複層シート成形体) 実施例1で作製したPTFEウェブを目付量300g/
2のガラス織布からなる基材に載せ、ウォータージェ
ットニードル法により、以下の条件で交絡を行なった。 ノズル仕様:ノズル孔径0.1mm、ノズルピッチ1m
m(ウェブ幅方向全域) 交絡時の基材、ウェブ搬送速度:4m/分 予備交絡条件:圧力2MPa・Gで3回処理 本交絡条件 :圧力6MPa・Gで2回処理
【0042】得られた複層品を2枚の金属板で挟み、さ
らにこれを370℃に加熱した2枚の金属板で挟み、面
圧力0.25MPa・Gにて10分間ヒートプレスして
複層シート成形体とし、本発明の研磨材を製造した。
【0043】実施例3(複層シート成形体) 実施例2で作製したPTFE複層シートにおいて、複層
されたPTFEウェブ面の上にさらに実施例1で作製し
たPTFEウェブを積層し、実施例2と同様の条件で、
面圧を1MPa・Gにてヒートプレスして複層シート成
形体をとし、本発明の研磨材を製造した。
【0044】
【発明の効果】本発明の研磨材は、耐薬品性・耐油性に
優れたフッ素樹脂を使用しているので、種々の砥粒スラ
リー、研磨液研磨油に含まれている薬品(酸・アルカリ
類・界面活性剤など)や石油類に対して安定であり、研
磨スラリー、研磨液、研磨油を汚染せず、また自身も変
質しにくく形状の変化も小さい。特に、化学的作用を併
用して研磨を行なうケミカルメカニカルポリシング用の
パッドにも適している。
【0045】本発明の研磨材は、摩擦係数の小さいフッ
素樹脂を使用しているので、研磨時に加工面と研磨材が
接触しても摺動抵抗が少なく、加工動力が小さくてよ
い。また、非粘着性でもあるフッ素樹脂を使用している
ので、研磨屑や反応生成物が付着しにくく、洗浄性がよ
く、目詰まりしにくい。
【0046】本発明の研磨材は、耐熱性に優れたフッ素
樹脂を使用しているので、乾式研磨や化学反応を利用し
た200℃程度の比較的高温度での研磨が可能である。
【0047】本発明の研磨材は、連通した多孔性を有す
るので、砥粒スラリーを有効に保持でき、また多孔性を
利用して、研磨液を工具取付面から研磨面に向かって通
液することが可能で、また目詰まりしにくい研磨シート
や研磨パッド、研磨ベルトを提供でき、長時間の研磨作
業が実現できる。
【0048】本発明の研磨材は、加圧加熱成形により得
られるので、多孔性であるにも拘わらず厚さ方向の寸法
安定性が高く、研磨圧力による寸法変化が小さいので、
研磨時の変形が少ない。
【0049】さらに複層した研磨材にあっては、上記の
効果のほかに、つぎの効果をも有する。 ・研磨材の成形体の強度を上げることができるのでより
厳しい研磨条件にも対応できる。 ・基材側に工具との接着性のよい材料を使用できるの
で、工具との接続作業性、信頼性が向上する。 ・ベルト状に成形できるので研磨ベルトに適用できる。
またベルト状の基材にウェブを複層することで継ぎ目無
しの研磨ベルトも製造可能である。
【0050】また、予め砥粒を有する成形体にあって
は、上記効果のほか、砥粒スラリーの補給が不要で作業
性に優れる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 1/42 D04H 1/42 K 1/46 1/46 C H01L 21/304 622 H01L 21/304 622C // C08L 27:12 C08L 27:12 (72)発明者 茶圓 伸一 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 浅野 純 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 小西 智久 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 3C058 AA07 AA09 DA17 4F071 AA26 AA27 AB03 AB18 AB26 AB27 DA17 DA19 4L047 AA18 AB05 AB09 BA03 BA07 BA24 CA04 CC14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂繊維を交絡して得られるフッ
    素樹脂繊維のウェブを加圧下に加熱して得られる成形体
    からなる研磨材。
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂繊維を交絡して得られるウェ
    ブと基布とを交絡してなる複層シートを加圧下に加熱し
    て得られる複層成形体からなる研磨材。
  3. 【請求項3】 前記フッ素樹脂繊維が、フッ素樹脂フィ
    ルムから解繊により作製されたフッ素樹脂繊維である請
    求項1または2記載の研磨材。
  4. 【請求項4】 前記フッ素樹脂繊維表面の少なくとも一
    部に該フッ素樹脂繊維の繊維径よりも小さい粒子径の無
    機微粒子が存在している請求項1〜3のいずれかに記載
    の研磨材。
JP2000352494A 2000-11-20 2000-11-20 研磨材 Pending JP2002154052A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000352494A JP2002154052A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 研磨材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000352494A JP2002154052A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 研磨材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002154052A true JP2002154052A (ja) 2002-05-28

Family

ID=18825381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000352494A Pending JP2002154052A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 研磨材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002154052A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011067904A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Fujibo Holdings Inc 研磨布
CN113302022A (zh) * 2019-01-14 2021-08-24 奥古斯特吕格贝格有限及两合公司 研磨盘及其用途
JP2023042967A (ja) * 2021-09-15 2023-03-28 株式会社巴川製紙所 研磨パッド及びその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011067904A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Fujibo Holdings Inc 研磨布
CN113302022A (zh) * 2019-01-14 2021-08-24 奥古斯特吕格贝格有限及两合公司 研磨盘及其用途
CN113302022B (zh) * 2019-01-14 2023-11-17 奥古斯特吕格贝格有限及两合公司 研磨盘及其用途
JP2023042967A (ja) * 2021-09-15 2023-03-28 株式会社巴川製紙所 研磨パッド及びその製造方法
JP7447383B2 (ja) 2021-09-15 2024-03-12 株式会社巴川コーポレーション 研磨パッド及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI757410B (zh) 用於cmp應用的薄的塑膠拋光用具
US5571413A (en) Composite filter material
JP5411862B2 (ja) 研磨パッド及び研磨パッドの製造方法
AU748037B2 (en) Loop substrate for releasably attachable abrasive sheet material
TWI573661B (zh) 研磨墊
US20040224623A1 (en) Polishing pad for cmp, method for polishing substrate using it and method for producing polishing pad for cmp
JP5421635B2 (ja) 研磨パッド
JP2009543709A (ja) パッド表面上にマイクロ溝を有する研磨パッド
US6863774B2 (en) Polishing pad for use in chemical-mechanical planarization of semiconductor wafers and method of making same
JP2002001651A (ja) 基板を研磨する物品
JP6671908B2 (ja) 研磨パッド
US20030181155A1 (en) Smooth pads for CMP and polishing substrates
JP6267590B2 (ja) 繊維複合シートの製造方法
JP2002154052A (ja) 研磨材
WO2003002299A2 (en) Carrier head with porose retainer ring
TW201125687A (en) Polishing pad and method for making the same
US9862071B2 (en) Method for manufacturing polishing pad and polishing pad
WO2002100595A1 (fr) Feuille de polissage et procede de realisation de la feuille de polissage
TW581716B (en) Material for use in carrier and polishing pads
KR102203415B1 (ko) 캘린더롤의 스티킹 현상이 없는 습식 부직포 제조방법
JP6398467B2 (ja) シート状物
JP7550583B2 (ja) 研磨パッド及びその製造方法
KR102203416B1 (ko) 캘린더롤의 스티킹 현상이 없는 습식 부직포 제조장치
JP2003025215A (ja) 研磨用不織布並びに研磨シート
JP7553299B2 (ja) 研磨パッド及びその製造方法