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JP2002029242A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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Publication number
JP2002029242A
JP2002029242A JP2000212226A JP2000212226A JP2002029242A JP 2002029242 A JP2002029242 A JP 2002029242A JP 2000212226 A JP2000212226 A JP 2000212226A JP 2000212226 A JP2000212226 A JP 2000212226A JP 2002029242 A JP2002029242 A JP 2002029242A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat exchanger
air
compressor
heat
conditioning unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000212226A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutaka Negishi
康隆 根岸
Kazuhiro Irie
一博 入江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Valeo Thermal Systems Japan Corp
Original Assignee
Zexel Valeo Climate Control Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zexel Valeo Climate Control Corp filed Critical Zexel Valeo Climate Control Corp
Priority to JP2000212226A priority Critical patent/JP2002029242A/ja
Publication of JP2002029242A publication Critical patent/JP2002029242A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デュアルエアコン用のヒートポンプサイクル
において、ウォームアップ時の性能向上や、フロント空
調ユニット内に配される除湿機能を有する熱交換器の凍
結防止、又はデフロストを圧縮機を停止させずに行う。 【解決手段】 圧縮機24と、室外コンデンサ26と、
フロント空調ユニット1に配された温水ヒータ5及びエ
バポレータ4と、リア空調ユニット2に配された放熱機
能と吸熱機能とが択一的に選択されるリアサブコンデン
サ20とを有し、暖房運転時において、フロント空調ユ
ニット1にあっては、温水ヒータ5で空気を加熱、エバ
ポレータ4で空気を除湿し、リア空調ユニット2にあっ
ては、リアサブコンデンサ20によって空気を加熱する
ヒートポンプサイクルにおいて、フロント空調ユニット
1の温水ヒータ5よりも下流側からエバポレータ4より
も上流側の部分へ温水ヒータ5を通過した空気を帰還さ
せる帰還通路16を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヒートポンプを
利用した車両用空調装置、より具体的には、車室の前席
側領域と後席側領域とを空調する格別の空調ユニットを
備え、それぞれの領域を冷暖房するために用いられる車
両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】所謂デュアルエアコンとして、特開平5
−85141号公報に示されるように、空調ダクト内に
冷房サイクルの一部をなすエバポレータと、エンジン冷
却液を熱源とするヒータコアとを配し、ヒータコアを通
過する空気とバイパスする空気との割合を調節するミッ
クスドアを配した空調ユニットを前席側と後席側とにそ
れぞれ設けたものが知られている。
【0003】このようなデュアルエアコンにおいては、
昨今のエンジン燃焼効率の向上などから、エンジン冷却
液が十分な暖房熱源となりにくい点が指摘されている。
つまり、空調ユニットが、特開平5−85141号公報
に示されるように、空調ダクト内に冷房サイクルの一部
をなすエバポレータと、エンジン冷却液を熱源とするヒ
ータコアとを配し、ミックスドアによってヒータコアを
通過する空気とバイパスする空気との割合を調節する構
成となっている場合に、このような空調ユニットを前席
側と後席側とにそれぞれ設けてデュアルエアコンを構成
すると、エンジン廃熱量が低下しているにも拘わらず、
エンジン冷却液を前席側と後席側の両ヒータコアに分配
しなければならず、暖房能力の不足が顕著になる。この
ため、暖房運転時において、不足する暖房能力を補うた
めに、デュアルエアコンにおいてもヒートポンプサイク
ルを併用するようにした技術が本発明者によって研究さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒート
ポンプサイクルの構築にあたっては、いかに暖房起動時
のウォームアップ能力の向上を図るかが問題となる。特
に、デュアルエアコン用のヒートポンプサイクルにあっ
ては、フロント空調ユニットとリア空調ユニットの両ユ
ニットに配管を引き回して冷媒を循環させることになる
ので、冷媒の寝込みが生じれば、その分、暖房性能が劣
ることとなる。このため、デュアルエアコン用のヒート
ポンプサイクルの構築にあたっては、冷媒の寝込みを抑
えることが可能となるサイクル構成を前提としつつ暖房
初期における暖房能力の向上を図る工夫が必要となる。
【0005】また、出願人が検討しているデュアルエア
コン用のヒートポンプサイクルは、暖房運転時におい
て、フロント空調ユニットでは温水ヒータによって暖房
能力を確保すると共にユニット内に配されたヒートポン
プサイクルの一部を構成する熱交換器に除湿機能を持た
せて全体として除湿暖房を実現させるものであり、ま
た、リア空調ユニットでは、ユニット内に配されたヒー
トポンプサイクルの一部を構成する他の熱交換器に放熱
機能を持たせることで暖房能力を確保するものである
が、このような構成とした場合には、フロント空調ユニ
ットの除湿用として用いられる熱交換器が凍結してしま
うと、或いは、凍結の恐れがあると、これを解消するた
めには圧縮機を停止させてサイクル内の冷媒循環を停止
せざるを得なくなる。このため、圧縮機の停止中はリア
空調ユニットの熱交換器に対して冷媒を供給できなくな
ることから、フロント空調ユニットのデフロスト処理の
ために後席の暖房が犠牲になってしまう不都合がある。
【0006】そこで、この発明においては、デュアルエ
アコン用のヒートポンプサイクルにおいて、上述した不
都合を解消し、冷媒の寝込みを考慮したサイクル構成の
下にウォームアップの性能向上を図ると共に、フロント
空調ユニット内に配される除湿機能を有する熱交換器の
凍結防止、或いは、凍結時のデフロスト機能を圧縮機を
停止させずに行うことができる車両用空調装置を提供す
ることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明に係る車両用空調装置は、車室の前席側領
域を空調するフロント空調ユニットと、後席側領域を空
調するリア空調ユニットと、冷媒を圧縮する圧縮機と、
空調ユニット外に配された放熱機能を有する第1の熱交
換器と、フロント空調ユニットに配された温水ヒータ及
びこの温水ヒータよりも上流側に配された吸熱機能を有
する第2の熱交換器と、リア空調ユニットに配された放
熱機能と吸熱機能とが択一的に選択される第3の熱交換
器とを備え、冷房運転時には、前記圧縮機によって圧縮
された冷媒を、前記第1の熱交換器で放熱し、その後分
岐させて、分岐させた一方を減圧した後に前記第2の熱
交換器で吸熱し、分岐させた他方を減圧した後に前記第
3の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記圧縮機に戻す冷
房回路を構成し、暖房運転時には、前記第1の熱交換器
を前記圧縮機の吸入側に接続すると共に、前記圧縮機に
よって圧縮された冷媒を、前記第3の熱交換器で放熱
し、減圧した後に前記第2の熱交換器で吸熱し、しかる
後に前記圧縮機に戻す暖房回路を構成する車両用空調装
置において、前記フロント空調ユニットの前記温水ヒー
タよりも下流側から前記第2の熱交換器よりも上流側の
部分へ前記温水ヒータを通過した空気を帰還させる帰還
通路を設けたことを特徴としている(請求項1)。
【0008】より具体的な構成としては、車室の前席側
領域を空調するフロント空調ユニットと、後席側領域を
空調するリア空調ユニットと、冷媒を圧縮する圧縮機
と、空調ユニット外に配された放熱機能を有する第1の
熱交換器と、フロント空調ユニットに配された温水ヒー
タ及び吸熱機能を有する第2の熱交換器と、リア空調ユ
ニットに配された放熱機能と吸熱機能とが択一的に選択
される第3の熱交換器と、前記第2の熱交換器の流入側
に設けられる第1の膨張装置と、前記第3の熱交換器の
冷媒が流出入する一方の側に設けられる第2の膨張装置
と、前記圧縮機の吐出側から冷媒を供給する熱交換器と
前記圧縮機の吸入側へ冷媒を戻す熱交換器とが切り換え
られて運転モードに応じて冷媒の流方向を規制する流方
向規制手段とを備え、冷房運転時には、前記圧縮機によ
って圧縮された冷媒を、前記流方向規制手段を介して前
記第1の熱交換器へ供給し、この第1の熱交換器を通過
した後に分岐させ、分岐させた一方を前記第1の膨張装
置へ供給し、ここで減圧した後に前記第2の熱交換器を
通過させて前記圧縮機に戻すと共に、分岐させた他方を
前記第2の膨張装置へ供給し、ここで減圧した後に前記
第3の熱交換器を通過させ、しかる後に前記流方向規制
手段を介して前記圧縮機に戻す冷房回路を構成し、暖房
運転時には、前記第1の熱交換器を前記流方向規制手段
を介して前記圧縮機の吸入側に接続すると共に、前記圧
縮機によって圧縮された冷媒を、前記流方向規制手段を
介して前記第3の熱交換器へ供給し、この第3の熱交換
器を通過した後に前記第1の膨張装置へ供給し、ここで
減圧した後に前記第2の熱交換器を通過させて前記圧縮
機に戻す暖房回路を構成する車両用空調装置において、
前記フロント空調ユニットの前記温水ヒータよりも下流
側から前記第2の熱交換器よりも上流側の部分へ前記温
水ヒータを通過した空気を帰還させる帰還通路を設けた
構成とすればよい(請求項2)。
【0009】ここで、帰還通路としては、第2の熱交換
器よりも上流側に送風機を設けたフロント空調ユニット
の構成において、送風機の上流側へ温水ヒータを通過し
た空気を帰還させる通路としてもよく(請求項3)、ま
た、帰還通路にこの通路を開閉するダンパを設け、暖房
運転時の所定条件下においてこのダンパを開けるように
してもよい(請求項4)。例えば、暖房起動時や第2の
熱交換器をデフロストする要請があると判定された場合
などにおいて前記ダンパを開けるようにするとよい(請
求項5,6)。
【0010】したがって、このようなデュアルエアコン
用のヒートポンプサイクルによれば、冷房運転時におい
てヒートポンプサイクルを構成する全熱交換器に冷媒を
流通させ、また、暖房運転時においても、第1の熱交換
器を圧縮機の吸入側に接続した上で他の熱交換器に冷媒
を流通させるようにしたので、冷媒の寝込みを低減させ
ることができ、このようなデュアルエアコン用のヒート
ポンプサイクルを前提として、暖房運転時において、温
水ヒータを通過した空気が帰還通路を介して第2の熱交
換器よりも上流側へ送られるので、暖房起動時にあって
はウォームアップの能力を高めることができる。また、
第2の熱交換器のデフロスト要請時においても温かい空
気を上流側から供給することができるようになることか
ら、圧縮機を停止させずに第2の熱交換器をデフロスト
することが可能となり、リア空調ユニットでの暖房を阻
害することがなくなる。
【0011】尚、第2の熱交換器をデフロストする要請
から前記ダンパを開けた場合には、凝縮水が一時的に車
室内へ吹き出す恐れを無くすために、前記フロント空調
ユニットの吹出モードをデフロスト吹出口を閉塞する吹
出モードに設定するとよい(請求項7)。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明する。図1において、本発明に係る車両用
空調装置の構成例が示され、この車両用空調装置は、車
室の前席側領域を空調するフロント空調ユニット1と、
後席側領域を空調するリア空調ユニット2とを備えてい
る。
【0013】フロント空調ユニット1は、空調通路3に
エバポレータ4、温水ヒータ5が配置され、温水ヒータ
5の上流側に配置されたエアミックスドア6によって温
水ヒータ6を通過する空気とバイパスする空気との割合
が調節されるようになっている。ここで、エバポレータ
4は、通路断面のほぼ全体を遮るように配設され、上流
から送られてくる空気を全て通過するようになってお
り、温水ヒータ5は、エバポレータ4の下流側に配され
てユニット内の一部を2分してなる一方の通路上を遮る
ように設けられている。
【0014】最上流側にはインテーク装置7が配置さ
れ、内気入口8と外気入口9との開口割合(吸入モー
ド)がインテークドア10によって調整されるようにな
っており、また、内気入口8と外気入口9とに臨むよう
に送風機11が収納され、この送風機11の回転により
吸引された空気を下流側のエバポレータ4へ圧送するよ
うになっている。また、温水ヒータ5よりも下流側に
は、デフロスト吹出口12、ベント吹出口13、および
ヒート吹出口14に分かれて前席側領域に開口し、その
分かれた部分にモードドア15a,15b,15cが設
けられ、これらのモードドア15a,15b,15cを
操作することにより吹出モードが切り換えられるように
なっている。
【0015】また、フロント空調ユニット1にあって
は、温水ヒータ5の下流側からエバポレータ4の上流
側、この実施例においては、送風機11の上流側へ温水
ヒータ5を通過した空気を帰還させる帰還通路16が設
けられている。帰還通路16には、この通路を開閉する
ダンパ17が設けられており、ダンパ17によって帰還
通路16が閉じられると温水ヒータ5を通過した空気が
送風機11の上流側へ戻されることがない通常の温調状
態となり、ダンパ17によって帰還通路16が開かれる
と、温水ヒータ5を通過した空気が送風機11の上流側
へ帰還され、エバポレータ4へ温かい空気を供給できる
ようになっている。
【0016】これに対して、リア空調ユニット2は、送
風機18によって内気のみを空調通路19に吸引し下流
側へ圧送するもので、送風機18の下流側には、リアサ
ブコンデンサ20のみが配置された構成となっている。
このリアサブコンデンサ20は、空調通路19の通路断
面全体を遮るように設けられ、上流から送られてくる空
気を全て通過するようになっており、暖房時には放熱機
能を有し、冷房時には吸熱機能を有するもので、その切
り替えは、後述するようになっている。
【0017】本ヒートポンプサイクルにおいては、四方
弁30を用いてその接続部(α、β、γ、δ)をα−
β、γ−δの連通状態(暖房時連通状態:HOT)と、
α−δ、β−γの連通状態(冷房時連通状態:COL
D)とに切り替えることで、暖房運転と冷房運転とが切
り換えられるようになっており、この四方弁30によっ
て流方向規制手段が構成されている。
【0018】そして、エバポレータ4の冷媒流入側に第
1の膨張装置21を設け、リアサブコンデンサ20の出
入口部の一方の側に流出方向の流れのみを許容する第1
の逆止弁31と第2の膨張装置22とから成る並列回路
23を設け、圧縮機24の吐出側(D)を四方弁30の
α接続部に接続し、この四方弁30のβ接続部をリアサ
ブコンデンサ11の出入口部の他方の側に接続してい
る。また、四方弁30のγ接続部をこの四方弁から流出
する方向への流れのみを許容する第2の逆止弁32及び
アキュムレータ25を介して圧縮機24の吸入側(S)
に、δ接続部を室外コンデンサ15の冷媒流入側にそれ
ぞれ接続し、室外コンデンサ26の冷媒流出側にこの室
外コンデンサ26から流出する方向への流れのみを許容
する第3の逆止弁33を設け、この第3の逆止弁33の
流出側を第1の膨張装置21を介してエバポレータ4の
冷媒流入側に接続している。
【0019】また、エバポレータ4の冷媒流出側を前記
アキュムレータ25を介してコンプレッサ24の吸入側
に接続し、リアサブコンデンサ20の一方の側を前記並
列回路23を介して第3の逆止弁33と第1の膨張装置
21との間に接続する構成としている。
【0020】40は、温度設定や吸入モード、吹出モー
ド、冷暖房の切り換えなどをマニュアル設定する操作パ
ネル41やエバポレータ4の温度又はエバポレータ直後
の吹き出し空気温度を検出するエバポレータ温度検出セ
ンサ42等の各種センサからの信号が入力される制御部
であり、この制御部40は、図示しない中央演算処理装
置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムア
クセスメモリ(RAM)、入出力ポート(I/O)等を
備えると共に、圧縮機24、エアミックスドア6、四方
弁30、送風機11,18、インテークドア10、モー
ドドア15a,15b,15c、ダンパ17などを制御
する駆動回路を有して構成され、ROMに与えられた所
定のプログラムにしたがって各種入力信号を処理し、圧
縮機24の稼動・停止(ON/OFF)、エアミックス
ドア6の開度、四方弁30の切り替え、送風機11、1
8の回転、吸入モード、吹出モード、ダンパ17の位置
等を制御するようになっている。
【0021】図2において、制御部40による制御動作
例がフロチャートとして示され、以下、このフロチャー
トに基づいて説明すると、空調装置は、送風機11、1
8を駆動させるスイッチが投入されたか否かを判定し
(ステップ50)、投入されていないと判定された場合
には、空調装置を作動させず、投入されていると判定さ
れた場合には、圧縮機24を作動させるスイッチ、即
ち、エアコンスイッチが投入されたか否かを判定する
(ステップ52)。ここで、圧縮機を作動させるスイッ
チが投入されていないと判定された場合には、空調装置
を作動させず、投入されていると判定された場合には、
暖房運転が選択されているのか冷房運転が選択されてい
るのかを判定する(ステップ54)。冷房運転が選択さ
れていると判定された場合には、冷房運転制御が行われ
(ステップ56)、暖房運転が選択されていると判定さ
れた場合には、暖房起動時であるかどうか、エバポレー
タ4のデフロストの要請があるかどうかを判定する(ス
テップ58、60)。暖房起動時であるか否かの判定
は、例えば、暖房運転が開始されてからの時間が所定時
間以内であるかどうかによって決定する等、その手法は
特に限定されるものではなく、また、エバポレータ4の
デフロストの要請があるかどうかの判定にあっても、前
記エバポレータ温度検出センサ42によって検出された
温度に基づいてデフロスト状態を判定する等、その手法
は特に限定されるものではない。
【0022】ステップ58、60において、暖房起動時
でもなく、エバポレータ4のデフロストの要請もない場
合には、通常暖房運転制御が行われ(ステップ62)、
暖房起動時である場合には、リヒート暖房運転制御が行
われる(ステップ64)。また、エバポレータ4のデフ
ロストの要請がある場合には、デフロスト吹出口12を
閉塞する吹出モード、例えばヒートモードに設定し(ス
テップ66)、リヒート暖房運転制御が行われる(ステ
ップ64)。
【0023】上述したステップ56の冷房運転制御、ス
テップ62の通常暖房運転制御、ステップ64のリヒー
ト暖房運転制御について説明すると、ステップ56の冷
房運転制御にあっては、四方弁12を冷房時連通状態
(COLD)とし、エアミックスドア7を、ヒータコア
6への通風量が小さくなる位置、特に、暖房負荷が小さ
い場合や急速クールダウンを要する場合には、ヒータコ
ア6への通風量が最小となる位置(フルクール位置)に
設定し、所望の送風能力で両ユニットの送風機11,1
8を駆動する。また、帰還通路16を開閉するダンパ1
7は帰還通路16を閉じる位置に設定しておく。
【0024】すると、圧縮機13から吐出した冷媒は、
第3図の太線に示されるように、四方弁12を通って直
接室外コンデンサ15に入って放熱し、その後、二手に
分かれて一部は第1の膨張装置21へ導かれ、この第1
の膨張装置21で減圧された後にエバポレータ4に入
る。また、残りの冷媒は、第2の膨張装置22へ直接導
かれ、ここで減圧されてリアサブコンデンサ20に入
る。そして、リアサブコンデンサ20から流出した冷媒
は、四方弁30、及び、第2の逆止弁32を通過した後
にエバポレータ4から流出した冷媒と合流してアキュム
レータ25へ送られ、ここで気液分離された後に気相冷
媒のみが圧縮機24へ戻される。
【0025】よって、フロント空調ユニット1では、ユ
ニット内に導入される空気が、エバポレータ4で冷却さ
れ、エアミックスドア6がフルクール位置にあれば、ヒ
ータコア5を通過することなく前席側領域へ供給され
る。また、リア空調ユニット2では、ユニット内に導入
される空気は、リアサブコンデンサ20で冷却され、そ
のまま後席側領域へ供給される。この場合には、帰還通
路16がダンパ17によって閉状態であることから、温
水ヒータ下流側から送風機上流側へ帰還される空気は無
い。
【0026】これに対して、通常暖房運転制御において
は、四方弁30を暖房時連通状態(HOT)とし、エア
ミックスドア6を、ヒータコア5への通風量が大きくな
る位置、特に、暖房負荷が大きい場合や即暖性を要する
場合には、ヒータコア5への通風量が最大となる位置に
設定し、所望の送風能力で両ユニットの送風機11,1
8を駆動する。また、ダンパ17を帰還通路16を閉じ
る位置に設定しておく。
【0027】すると、圧縮機24から吐出した冷媒は、
図4の太線に示されるように、四方弁30を介してリア
サブコンデンサ20へ直接供給され、その後、並列回路
23の第1の逆止弁31を通過して第1の膨張弁21に
至り、ここで減圧された後にエバポレータ4に入り、こ
のエバポレータ4で吸熱した後にアキュムレータ25へ
送られ、ここで気液分離された後に気相冷媒のみが圧縮
機24へ戻される。この場合には、室外コンデンサ26
へは冷媒は供給されない。
【0028】よって、フロント空調ユニット1では、ユ
ニット内に導入される空気が、エバポレータ4で除湿さ
れ、エアミックスドア6の開度に応じた割合でフロント
ヒータコア5を通過して加熱され、全体として除湿され
た温かい空気として前席側領域へ供給される。また、リ
ア空調ユニット2では、ユニット内に導入される空気
が、リアサブコンデンサ20で加熱され、そのまま後席
側領域へ供給される。この場合においても、帰還通路1
6がダンパ17によって閉状態であることから、温水ヒ
ータ下流側から送風機上流側へ帰還される空気は無い。
【0029】このように、本ヒートポンプサイクルにお
いては、冷房運転時にあっては、図3から明らかなよう
に、ヒートポンプサイクルを構成する全ての熱交換器
(室外コンデンサ26、エバポレータ4、リアサブコン
デンサ20)に冷媒が流れるようになっており、このた
め、サイクル上で冷媒が寝込むことがなくなり、冷媒の
寝込みによる能力不足を回避することができ、ツインエ
アコン用のヒートポンプサイクルとして極めて効率のい
いサイクルを提供することができるようになる。また、
暖房運転時にあっても、図4から明らかなように、室外
コンデンサ26を除く全ての熱交換器(エバポレータ
4、リアサブコンデンサ20)に冷媒が流れるので、エ
バポレータ4やリアサブコンデンサ20での冷媒の寝込
みは無く、また、室外コンデンサ26にあっても、冷媒
流入側が四方弁30、第2の逆止弁32、アキュムレー
タ25を介してコンプレッサ24の吸入側に接続される
ことから、例え冷媒が室外コンデンサ26に寝込んだ場
合でもこれを回収することができるようになる。
【0030】ところで、上述した通常暖房運転にあって
は、後席側の暖房能力はリアサブコンデンサ20の放熱
量に依存していることから、暖房能力をできるだけ高め
ること、特に、暖房起動時のウォームアップの能力を高
めるためには、エバポレータ4の吸熱能力を高める必要
がある。また、フロント空調ユニット1のエバポレータ
4に常時冷媒を流して除湿機能を持たせていることか
ら、エバポレータ4の凍結の恐れが生じる。
【0031】このため、暖房起動時やエバポレータ4の
デフロスト要請時においては、図5に示されるようなリ
ヒート暖房運転制御が行われる。このリヒート暖房運転
制御においては、ヒートポンプサイクルの冷媒の流し方
は図4で示す通常暖房運転制御と同様であるが、フロン
ト空調ユニット1の帰還通路16に設けられたダンパ1
7を開とし、温水ヒータ5を通過した空気の一部をエバ
ポレータ4よりも上流側、この例では、送風機11の上
流側に導く。
【0032】すると、暖房初期においては、温水ヒータ
5の温度上昇が早いことから、温水ヒータ5を通過した
温かい空気が帰還通路16を介して送風機11に吸引さ
れた後に下流側へ圧送されてエバポレータ4を通過する
こととなり、エバポレータ4の吸熱能力を高めて圧縮機
24から吐出する冷媒温度を速やかに上昇させることが
可能となる。また、エバポレータ4のデフロスト要請が
ある場合においても、温水ヒータ5を通過した温かい空
気が帰還通路16を介して送風機11に吸引された後に
下流側へ圧送されてエバポレータ4を通過することとな
り、エバポレータ4が凍結しても、圧縮機24を停止さ
せずにこれを速やかに解除することができ、或いは、エ
バポレータ4の凍結を防止することができるようにな
る。
【0033】また、上述の構成では、デフロストの要請
があると判定された場合に、吹出モードをデフロスト吹
出口を閉塞する吹出モード、例えば、ヒートモードに設
定される構成となっているので、デフロスト要請時にエ
バポレータ4の凝縮水がベント吹出口13から一時的に
車室内へ吹き出される不都合もなくなる。
【0034】尚、上述の構成では、送風機11の吸引力
を利用して温水ヒータ5を通過した空気を吸引すること
が可能であることから、帰還通路16を送風機11の上
流側に接続した構成を示したが、温水ヒータ5の下流側
から設けられる帰還通路16を送風機11によって圧送
された空気の動圧及び静圧を克服する構造と共に送風機
11とエバポレータ4との間に接続する構成としても良
い。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
冷媒を圧縮する圧縮機と、空調ユニット外に配された放
熱機能を有する第1の熱交換器と、フロント空調ユニッ
トに配された温水ヒータ及びこの温水ヒータよりも上流
側に配された吸熱機能を有する第2の熱交換器と、リア
空調ユニットに配された放熱機能と吸熱機能とが択一的
に選択される第3の熱交換器とを備え、冷房運転時に圧
縮機によって圧縮された冷媒を、第1の熱交換器で放熱
し、その後分岐させて、分岐させた一方を減圧して第2
の熱交換器で吸熱し、しかる後に圧縮機に戻すと共に、
分岐させた他方を減圧して第3の熱交換器で吸熱し、し
かる後に圧縮機に戻す冷房回路を構成し、暖房運転時に
は、第1の熱交換器を圧縮機の吸入側に接続すると共
に、圧縮機によって圧縮された冷媒を、第3の熱交換器
で放熱し、減圧した後に第2の熱交換器で吸熱し、しか
る後に圧縮機に戻す暖房回路を構成した車両用空調装置
において、フロント空調ユニットの温水ヒータよりも下
流側から第2の熱交換器よりも上流側の部分へ温水ヒー
タを通過した空気を帰還させる帰還通路を設けるように
したので、冷媒の寝込みを低減したデュアルエアコン用
のヒートポンプサイクルを採用しつつ、温かい空気を第
2の熱交換器へ供給することができるようになる。
【0036】例えば、暖房運転初期において、温水ヒー
タを通過した温かい空気を第2の熱交換器よりも上流側
へ帰還させるようにすれば、第2の熱交換器の吸熱能力
を高めることができるので、暖房起動時のウォームアッ
プの能力を高めることができる。また、第2の熱交換器
のデフロストを図る要請がある場合においても、温かい
空気を第2の熱交換器に供給することができるようにな
り、このため、圧縮機を停止せずに第2の熱交換器のデ
フロストを図ること、又は、第2の熱交換器の凍結を防
止することができるようになる。
【0037】特に、フロント空調ユニットにおいて、第
2の熱交換器よりも上流側に送風機を設ける構成にあっ
ては、温水ヒータを通過した空気を送風機の上流側へ帰
還させる帰還通路を設ければ、送風機の吸引力と相まっ
て温水ヒータを通過した空気を確実に第2の熱交換器の
上流側へ導くことができる。さらに、帰還通路にこの通
路を開閉するダンパを設け、暖房運転時の所定条件下に
おいてこのダンパを開くようにすれば、リヒートの要請
が強い必要なときにのみ帰還通路を利用することができ
る。例えば、暖房起動時や第2の熱交換器をデフロスト
する要請があると判定された場合においてダンパを開く
ようにすれば、暖房起動時に温かい空気を第2の熱交換
器へ供給することによって暖房起動時の暖房能力の向上
が図れ、第2の熱交換器の凍結時又は凍結の恐れがある
場合には、第2の熱交換器に温かい空気を導いて凍結し
た部分の解凍を図ること、又は、凍結を未然に防ぐこと
が可能となる。
【0038】さらに、デフロスト要請時にダンパを開く
場合においては、フロント空調ユニットの吹出モードを
デフロスト吹出口を閉塞する吹出モードに設定すれば、
第2の熱交換器から生じた凝縮水の一時的な車室内への
吹き出しを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る車両用空調装置の構成例
を示した図である。
【図2】図2は、図1の車両用空調装置の制御部の制御
動作例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、図1で示す車両用空調装置の構成例に
おいて、冷房運転制御での冷媒が流れる経路を太線で強
調して描いた図である。
【図4】図4は、図1で示す車両用空調装置の構成例に
おいて、通常暖房運転制御の状態を示し、その際の冷媒
の流れを太線で強調して描き、フロント空調ユニットの
空気の流れを細線の矢印で示した図である。
【図5】図5は、図1で示す車両用空調装置の構成例に
おいて、リヒート運転制御の状態を示し、その際の冷媒
の流れを太線で強調して描き、フロント空調ユニットの
空気の流れを細線の矢印で示した図である。
【符号の説明】
1 フロント空調ユニット 2 リア空調ユニット 4 エバポレータ 5 温水ヒータ 20 リアサブコンデンサ 21 第1の膨張装置 22 第2の膨張装置 24 圧縮機 26 室外コンデンサ 30 四方弁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室の前席側領域を空調するフロント空
    調ユニットと、 後席側領域を空調するリア空調ユニットと、 冷媒を圧縮する圧縮機と、 空調ユニット外に配された放熱機能を有する第1の熱交
    換器と、 フロント空調ユニットに配された温水ヒータ及びこの温
    水ヒータよりも上流側に配された吸熱機能を有する第2
    の熱交換器と、 リア空調ユニットに配された放熱機能と吸熱機能とが択
    一的に選択される第3の熱交換器とを備え、 冷房運転時には、前記圧縮機によって圧縮された冷媒
    を、前記第1の熱交換器で放熱し、その後分岐させて、
    分岐させた一方を減圧して前記第2の熱交換器で吸熱
    し、しかる後に前記圧縮機に戻すと共に、分岐させた他
    方を減圧して前記第3の熱交換器で吸熱し、しかる後に
    前記圧縮機に戻す冷房回路を構成し、 暖房運転時には、前記第1の熱交換器を前記圧縮機の吸
    入側に接続すると共に、前記圧縮機によって圧縮された
    冷媒を、前記第3の熱交換器で放熱し、減圧した後に前
    記第2の熱交換器で吸熱し、しかる後に前記圧縮機に戻
    す暖房回路を構成する車両用空調装置において、 前記フロント空調ユニットの前記温水ヒータよりも下流
    側から前記第2の熱交換器よりも上流側の部分へ前記温
    水ヒータを通過した空気を帰還させる帰還通路を設けた
    ことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 車室の前席側領域を空調するフロント空
    調ユニットと、 後席側領域を空調するリア空調ユニットと、 冷媒を圧縮する圧縮機と、 空調ユニット外に配された放熱機能を有する第1の熱交
    換器と、 フロント空調ユニットに配された温水ヒータ及びこの温
    水ヒータよりも上流側に配された吸熱機能を有する第2
    の熱交換器と、 リア空調ユニットに配された放熱機能と吸熱機能とが択
    一的に選択される第3の熱交換器と、 前記第2の熱交換器の流入側に設けられる第1の膨張装
    置と、 前記第3の熱交換器の冷媒が流出入する一方の側に設け
    られる第2の膨張装置と、 前記圧縮機の吐出側から冷媒を供給する熱交換器と前記
    圧縮機の吸入側へ冷媒を戻す熱交換器とが切り換えられ
    て運転モードに応じて冷媒の流方向を規制する流方向規
    制手段とを備え、 冷房運転時には、前記圧縮機によって圧縮された冷媒
    を、前記流方向規制手段を介して前記第1の熱交換器へ
    供給し、この第1の熱交換器を通過した後に分岐させ、
    分岐させた一方を前記第1の膨張装置へ供給し、ここで
    減圧した後に前記第2の熱交換器を通過させて前記圧縮
    機に戻すと共に、分岐させた他方を前記第2の膨張装置
    へ供給し、ここで減圧した後に前記第3の熱交換器を通
    過させ、しかる後に前記流方向規制手段を介して前記圧
    縮機に戻す冷房回路を構成し、 暖房運転時には、前記第1の熱交換器を前記流方向規制
    手段を介して前記圧縮機の吸入側に接続すると共に、前
    記圧縮機によって圧縮された冷媒を、前記流方向規制手
    段を介して前記第3の熱交換器へ供給し、この第3の熱
    交換器を通過した後に前記第1の膨張装置へ供給し、こ
    こで減圧した後に前記第2の熱交換器を通過させて前記
    圧縮機に戻す暖房回路を構成する車両用空調装置におい
    て、 前記フロント空調ユニットの前記温水ヒータよりも下流
    側から前記第2の熱交換器よりも上流側の部分へ前記温
    水ヒータを通過した空気を帰還させる帰還通路を設けた
    ことを特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記フロント空調ユニットの前記第2の
    熱交換器よりも上流側に送風機を設け、前記帰還通路
    は、前記送風機の上流側へ前記温水ヒータを通過した空
    気を帰還させる通路であることを特徴とする請求項1又
    は2記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記帰還通路には、この通路を開閉する
    ダンパが設けられ、前記暖房運転時の所定条件下におい
    て前記ダンパを開けるようにしたことを特徴とする請求
    項1又は2又は3記載の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記ダンパを開ける所定条件下とは、暖
    房起動時であることを特徴とする請求項4記載の車両用
    空調装置。
  6. 【請求項6】 前記ダンパを開ける所定条件下とは、前
    記第2の熱交換器をデフロストする要請があると判定さ
    れた場合であることを特徴とする請求項4記載の車両用
    空調装置。
  7. 【請求項7】 前記ダンパを開けた場合に前記フロント
    空調ユニットの吹出モードをデフロスト吹出口を閉塞す
    る吹出モードに設定することを特徴とする請求項6記載
    の車両用空調装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102305496A (zh) * 2011-08-16 2012-01-04 北京亚都新风节能技术有限公司 一种风冷热泵机组
JP2020044924A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 車両用空気調和システム
CN112428777A (zh) * 2020-11-19 2021-03-02 宝能(广州)汽车研究院有限公司 汽车热泵空调系统及具有其的汽车

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