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JP2002082342A - 液晶セル製造プロセスにおける基板の接着方法および装置 - Google Patents

液晶セル製造プロセスにおける基板の接着方法および装置

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Publication number
JP2002082342A
JP2002082342A JP2000271463A JP2000271463A JP2002082342A JP 2002082342 A JP2002082342 A JP 2002082342A JP 2000271463 A JP2000271463 A JP 2000271463A JP 2000271463 A JP2000271463 A JP 2000271463A JP 2002082342 A JP2002082342 A JP 2002082342A
Authority
JP
Japan
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cooling
bonded substrate
heating means
surface plate
flexible cover
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000271463A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Ishio
博明 石尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2000271463A priority Critical patent/JP2002082342A/ja
Publication of JP2002082342A publication Critical patent/JP2002082342A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型の液晶セルの製造に適した基板の接着方
法を提供する。 【解決手段】 液晶セル製造プロセスにて1対の基板を
所定のセルギャップにて接着する方法において:(a)
1対の基板間にスペーサーおよび未硬化の熱硬化性シー
ル材を挟んだ貼り合わせ基板(1)を定盤(2)に載
せ、貼り合わせ基板(1)を覆うように定盤(2)に可
撓性カバー(3)を配置して、貼り合わせ基板(1)を
収容する密閉空間(4)を形成し;(b)密閉空間
(4)を減圧化して貼り合わせ基板(1)を周辺圧力に
よりカバー(3)を介して定盤(2)に対して押し付
け;(c)貼り合わせ基板(1)を押し付けた状態で加
熱手段(4、5)により加熱して、貼り合わせ基板
(1)間のシール材を熱硬化させ;(d)貼り合わせ基
板(1)を押し付けた該状態を維持しながら冷却手段
(7、8)により冷却し、これにより、貼り合わせ基板
(1)を所定のセルギャップにて接着し、更に、工程
(a)〜(d)の間、定盤(2)を同じ位置に保持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置を構
成する液晶セル(またはパネル)の製造技術に関し、よ
り詳細には、液晶セルの製造プロセスにおいて、対向す
る1対の基板の間にスペーサーおよび未硬化の熱硬化性
シール材を挟んだ貼り合わせ基板を、所定のセルギャッ
プにて離間させて接着する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置に用いられる液晶セルは、
一般的には、図7(a)および(b)に示すように、対
向する1対のガラス基板61aおよび61bが、ポリエ
チレン系材料またはセラミクス系材料からなる粒子(ま
たはビーズ)などのスペーサ62を介して所定のセルギ
ャップにて、熱硬化性シール材63を用いて接着され、
熱硬化性シール材63で包囲された基板61aおよび6
1bの間の空間に液晶64が封入されて構成されてい
る。
【0003】従来、上記のような液晶セル60は概略的
には次のようにして製造される。まず、予め電極および
フィルターなどの所定の部材(図示せず)を個々に形成
した基板61aおよび61bのうち、一方の基板の所定
のセル領域の周縁部に、熱硬化性シール材63を開口部
65を残してスクリーン印刷などにより塗布し、他方の
基板のセル領域内にスペーサ62を散布する。各基板6
1aおよび61bに予め設けられたアライメントマーク
を用いて、これら基板61aおよび61bを位置合わせ
しながら対向させて配置し、シール材63およびスペー
サ62を挟んで貼り合わせる。次いで、このようにして
貼り合わせた基板(以下、単に「貼り合わせ基板」とい
う)61をプレスしながら熱処理してシール材63を熱
硬化させ、スペーサ62により所定のセルギャップを確
保しつつ、基板61aおよび61bを接着する。その
後、接着した貼り合わせ基板61の、基板61aおよび
61bの間の空隙に開口部65から圧力差などを利用し
て液晶64を注入して、開口部65をシール材で封止す
る。これによって、液晶セル60が完成される。
【0004】従来、上記のような液晶セル製造プロセス
における貼り合わせ基板の接着は、より詳細には図8に
示すような接着装置(一般的にはシール硬化装置とも呼
ばれる)を用いて実施される。従来の接着装置70は、
貼り合わせ基板61を搬送するためのローラ71aおよ
び71bおよび搬送ベルト72と、貼り合わせ基板61
をプレスおよび加熱して接着するための上定盤73aお
よび下定盤73bからなる1対の定盤を備える。上定盤
73aおよび下定盤73bは、いずれも良熱伝導性の
(即ち熱伝導性が高い)材料、例えばガラスからなり、
ヒーター発熱線74aおよび74bを各々備える。ま
た、上定盤73aおよび下定盤73bの対向する面は、
互いに平行に配置されており、上定盤73aは、空気圧
シリンダ(図示せず)などを用いて(図面に対して)上
下動可能に構成されている。
【0005】この接着装置70を用いる貼り合わせ基板
の接着工程においては、まず、ローラ71aおよび71
bの回転により搬送ベルト72を移動させて、ヒーター
発熱線74aおよび74bにより予め所定の温度に加熱
された上定盤73aと下定盤73bとの間に、上述のよ
うにして得られた貼り合わせ基板61を図8のように配
置する。次いで、上定盤73aを空気圧シリンダを用い
て下方に移動させて、上定盤73aと下定盤73bとの
間で貼り合わせ基板61をプレスすると共に、上定盤7
3aおよび下定盤73bからの伝熱によって貼り合わせ
基板61を加熱する。このとき、基板61aおよび61
bの間に配置されたスペーサー62によって、これら基
板間に所定のセルギャップが確保される。所定時間経過
後、基板61aおよび61bの間に配置されたシール材
63が、その硬化温度以上に加熱されて十分に熱硬化し
て、これら貼り合わせ基板61を所定のセルギャップに
て接着する。その後、上定盤73aを空気圧シリンダを
用いて上方に移動させて、以上のようにして接着された
貼り合わせ基板61を放冷してから取り出す。所定のセ
ルギャップで接着された貼り合わせ基板61は、続く液
晶注入工程へ移される。
【0006】上述のようにして作製される液晶セルのセ
ルギャップ、即ち液晶が注入される貼り合わせ基板間の
間隔は、一般的には3〜8μmである。このセルギャッ
プが均一に形成および保持されていない液晶セルを用い
て液晶表示装置を作製すると、その表示面に色ムラを生
じさせたり、また、液晶の応答時間のばらつきにより表
示画像のチラツキ、残像現象などを生じさせたりして、
液晶表示装置の表示特性を低下させる。従って、液晶セ
ル製造プロセスにおいて、液晶セルの表示面内に亘って
均一なセルギャップを確保することは非常に重要であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、液晶表示装置の
大型化が進行し、特に表示面の対角寸法が15インチ
(約381mm)〜19インチ(約482mm)である
液晶セルの需要が増大している。しかし、従来の液晶セ
ル製造プロセスにおける貼り合わせ基板の接着方法は、
このような大型の液晶セルを製造するのに必ずしも適し
ているとは言えない。
【0008】上述のような従来の接着方法では、接着す
る貼り合わせ基板の大型化につれてセルギャップの均一
性が低下する傾向にあるため、従来方法を用いて大型の
液晶セルを製造すると液晶表示装置の表示特性の低下を
招き得るという問題がある。上下の定盤の間で基板をプ
レスする従来の接着方法では、高い平面度(または平坦
度)、例えば数μmのレベルの平面度を有する定盤が用
いられているが、均一なセルギャップを達成するために
は、これに加えて、上下の定盤の主面(またはプレス
面)が平行になるようにこれらを高精度で配置し、上定
盤を下定盤に対して正確に上下に移動させる必要があ
る。しかし、このようにして接着装置を構成し、操作す
ることは容易ではなく、実際には一方の定盤の主面が他
方の主面に対してごくわずかに傾いた状態で基板をプレ
スしている場合も多い。このような現象は「片当たり」
と呼ばれ、プレスする基板が比較的小さい面積を有する
場合には無視できる適度であるが、より大きな面積を有
する基板の場合にはセルギャップに顕著な差を生じさ
せ、その均一性を低下させる原因となる。
【0009】加えて、大型(または大面積)の液晶セル
を製造するために従来の接着方法を適用することには更
なる欠点がある。従来方法では、一般的にガラスからな
る上定盤を下定盤に対して上下に移動させているが、定
盤の大型化につれて大重量となる上定盤を上下に移動さ
せるためには、移動手段の性能を増強させなければなら
ず、例えば空気圧シリンダの容量を増大させる必要が生
じる。この結果、製造設備の大型化および設備費用の増
大を招くという欠点がある。
【0010】更に、従来の方法では、貼り合わせた基板
間に配置される熱硬化性シール材を熱硬化させるため
に、上下の定盤に設けられたヒーター発熱線を用いて、
貼り合わせ基板と接触する各定盤を加熱している。しか
し、定盤の大型化につれてその熱容量も増大するので、
より多くの熱量を定盤に加える必要があり、その結果消
費エネルギーが増大するという欠点がある。
【0011】また、従来の方法では、貼り合わせ基板を
プレスした状態で、基板間に配置される熱硬化性シール
材の硬化温度以上に基板を加熱し、硬化後の熱硬化性シ
ール材のガラス転移点以下で、作業員が触れても問題な
い温度にまで放冷しているが、大型の定盤を用いる場
合、定盤の放冷に要する時間が長期化し、製造プロセス
の長期化を招く。
【0012】以上のように、大型の液晶セルを製造する
ために、単に従来の接着方法を適用して大面積の基板を
接着すると、セルギャップの均一性の低下、製造設備の
大型化、設備費用の増大、消費エネルギーの増大および
製造プロセスの長期化などの問題が生じる。
【0013】本発明は、上記従来の課題を解決すべくな
されたものであり、本発明の目的は、大型の液晶セルを
製造するのに適した新規な貼り合わせ基板の接着方法お
よびそのための装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの要旨にお
いては、液晶セル製造プロセスにおいて1対の基板を所
定のセルギャップにて接着するための接着方法であっ
て:(a)対向する1対の基板の間にスペーサーおよび
未硬化の熱硬化性シール材を挟んだ貼り合わせ基板を定
盤に載せ、貼り合わせ基板を覆うように定盤に可撓性カ
バーを配置することによって、可撓性カバーと定盤との
間で貼り合わせ基板を収容する密閉空間を形成する工程
と;(b)密閉空間を減圧化して、密閉空間内の貼り合
わせ基板を周辺圧力により可撓性カバーを介して定盤に
対して押し付ける工程と;(c)貼り合わせ基板を定盤
に対して押し付けた状態で、加熱手段により貼り合わせ
基板を加熱して、貼り合わせ基板間の熱硬化性シール材
を熱硬化させる工程と;(d)貼り合わせ基板を定盤に
対して押し付けた該状態を維持しながら、加熱手段を冷
却手段で置き換え、冷却手段により貼り合わせ基板を冷
却し、これにより、貼り合わせ基板を所定のセルギャッ
プにて接着する工程とを含み、定盤が工程(a)〜
(d)の間に亘って同じ位置に保持されることを特徴と
する方法が提供される。
【0015】本発明の方法によれば、可撓性カバーと定
盤との間に貼り合わせ基板を取り囲んで形成される密閉
空間を減圧化することによって、密閉空間内の貼り合わ
せ基板を周辺圧力により可撓性カバーを介して定盤に対
して押し付けている。このため、本発明の方法では、1
対の定盤を用いて該定盤間で貼り合わせ基板をプレスす
る従来方法のような「片当たり」現象が起こることがな
い。従って、本発明の方法を用いれば、簡単な方法で貼
り合わせ基板を均等に押圧することができ、基板面内で
均一なセルギャップを得ることが可能となる。このよう
な本発明の方法は、特に大面積の基板を均一なセルギャ
ップで接着するのに適している。
【0016】また、本発明の方法によれば、加熱手段と
冷却手段とを切り替えて用いているので、従来のように
1対の定盤を用いて加熱し、その後放冷を行う場合より
も、貼り合わせ基板の加熱および冷却を効率よく切り換
えることができ、よって、貼り合わせ基板を急速に加熱
し、次いで急速に冷却することが可能となる。これによ
り、従来よりもエネルギー損失が低減された高効率の方
法が提供される。
【0017】加えて、本発明の方法によれば、定盤が工
程(a)〜(d)の間に亘って同じ位置に保持され、実
質的に動かない。このため、従来方法のように定盤を上
下に移動させる必要がなく、定盤を移動させるための空
気圧シリンダなどの上下動手段が不要となる。従って、
本発明の方法を用いれば、従来の方法を適用した場合に
比べて小型の製造設備を用いて、より少ない設備費用で
大面積の基板を接着することが可能となる。
【0018】更に、本発明の方法によれば、定盤は1つ
のみで足りるので、基板間に配置される熱硬化性シール
材を硬化させるために消費されるエネルギーは、1対の
定盤を加熱している従来の方法に比べて小さいという利
点がある。従って、本発明の方法を用いれば、従来の方
法を適用した場合に比べてより小さい消費エネルギーで
大面積の基板を接着することが可能となる。
【0019】また、本発明の方法によれば、貼り合わせ
基板を積極的に冷却するので、基板を単に放冷している
従来の方法に比べてより短時間で基板を取り出すことが
できる。従って、本発明の方法を用いれば、従来の方法
を適用した場合に比べてより短い時間で大面積の基板を
接着することが可能となる。
【0020】以下、本発明の方法について各工程毎に詳
述する。工程(a)においては、まず、当業者に既知の
方法によって得られた上述のような貼り合わせ基板を、
例えば吸着機構を有する搬送手段を用いて定盤に載せ
る。次に、可撓性カバーを、適切な着脱手段を用いて、
貼り合わせ基板を覆うようにして定盤に配置し、貼り合
わせ基板を収容する密閉空間を定盤と可撓性カバーとの
間で形成する。
【0021】次に、工程(b)においては、例えば、上
記密閉空間と連通するように定盤に設けられ、真空ポン
プなどの減圧化手段に連結された排気孔を通して、この
密閉空間を減圧化することができる。このようにして密
閉空間が減圧化されると、周辺圧力と密閉空間内の圧力
との差によって可撓性カバーが撓んで、定盤上に配置さ
れた貼り合わせ基板が、可撓性カバーを介して定盤に対
して押し付けられることになる。
【0022】工程(c)および工程(d)に関しては、
上記の工程(b)により貼り合わせ基板を定盤に対して
押し付けた状態で、それぞれ加熱および冷却することが
できればどのようにして実施してもよい。好ましい態様
においては、加熱手段として、可撓性カバーの上方に隔
間して配置される上方加熱手段と、定盤の下方に配置さ
れる下方加熱手段とが用いられ、冷却手段として、上方
加熱手段および下方加熱手段とそれぞれ置き換えて配置
される上方冷却手段および下方冷却手段が用いられる。
ここで、下方加熱手段および下方冷却手段は、定盤から
隔間して配置されてもよいが、加熱および冷却の際には
定盤に接触して配置されることが好ましい。しかし、本
発明はこれに限定されず、上方および下方加熱手段のい
ずれか一方、および/または上方および下方冷却手段の
いずれか一方を用い、必要に応じて加熱手段と冷却手段
を置き換えるようにしてもよい。
【0023】工程(c)においては、工程(a)および
(b)と同じ位置に保持(または固定)され、実質的に
動かない定盤に対して貼り合わせ基板を押し付けた状態
で、上方および/または下方加熱手段を用いて貼り合わ
せ基板を加熱し、これにより、基板間に配置されている
熱硬化性シール材を熱硬化させる。このとき、上方加熱
手段は、圧力差に起因する均一な押圧力以外の余分な外
力が貼り合わせ基板に加わって、その押圧力が不均一に
ならないように、可撓性カバーから隔間して配置され
る。他方、上記のような加熱板などの下方加熱手段につ
いては、貼り合わせ基板への熱供給を効率的にするた
め、加熱の際には、定盤の裏面(即ち、貼り合わせ基板
が配置される側の面に対して裏側の面)に下方加熱手段
(例えば加熱板)を接触して配置することが好ましい。
【0024】工程(c)を実施した後、工程(d)にお
いて加熱手段を冷却手段に置き換える。具体的には、上
方および/または下方加熱手段を他の場所に移動させ、
上方および/または下方加熱手段があった場所にそれぞ
れ上方および/または下方冷却手段を配置することによ
って置き換えられる。この置き換えは、場合によっては
加熱の際に定盤の裏面と接触して配置されている下方加
熱手段を定盤から隔間して配置した後、定盤の主面(ま
たは貼り合わせ基板を載置する面)に対して平行な面内
で、加熱手段および冷却手段を個別に、または同時に、
同一または異なる方向に適切にスライドさせることによ
って実施できる。後述する冷却板などの下方冷却手段
は、定盤から隔間して配置されている下方冷却手段を定
盤の裏面と接触するように移動させることが好ましい。
【0025】その後、所定の同じ位置に保持された定盤
に対して貼り合わせ基板を押し付けた状態を維持したま
ま、適切な上方および/または下方冷却手段を用いて、
貼り合わせ基板を、好ましくは硬化後の熱硬化性シール
材のガラス転移点以下まで冷却し、これにより、貼り合
わせ基板を所定のセルギャップにて接着する。
【0026】下方冷却手段は、例えば、定盤の裏面に接
触して配置され、冷却流体を流す流路を内部に備える冷
却板を含み得る。この冷却板は、一般的に良熱伝導性の
材料、例えばアルミナセラミクス、BNセラミクスおよ
びアルミニウムなどの材料から成る。この場合、工程
(d)における冷却は、定盤の裏面に冷却板を接触させ
ながら、該流路に冷却流体を流すことによって実施され
る。
【0027】加熱手段および冷却手段は、これらの置き
換えを容易にするために、近接して配置されることが好
ましいが、その場合には、加熱および冷却という熱的に
相反する手段が近接して配置されることになるため熱効
率が低くなる。従って、これらの置き換えを妨げない範
囲で加熱手段と冷却手段との間を断熱することが好まし
い。例えば、断熱材などによりこれら手段間の熱的相互
作用を最小限にすることができる。あるいは、この流路
には冷却流体だけでなく、必要に応じて該冷却流体と切
り替えて断熱性の流体などを流し、充填するようにして
もよい。例えば、貼り合わせ基板を加熱手段により加熱
しているときに、その後に該加熱手段と置き換えられる
べき冷却手段が冷却を行っていない場合、冷却手段に冷
却流体を流したままにしておくと加熱手段により加熱さ
れた周囲雰囲気から、その近くに位置する冷却手段に伝
導される熱が冷却手段によって無駄に消費されるが、冷
却流体の代わりに断熱性気体を流して流路内を断熱性気
体で満たすことによって、冷却流体を介して冷却手段の
外部に熱が取り出されることを回避し、更に効率的に貼
り合わせ基板を加熱することができる。しかし、本発明
はこれに限定されず、加熱手段および冷却手段を遠くに
引き離して配置するようにしてもよい。
【0028】また、上方冷却手段は、冷却流体を可撓性
カバーに吹き付ける吹き付け手段を含み得る。この場
合、工程(d)における冷却は、該吹き付け手段を用い
て冷却流体を可撓性カバーに吹き付けて接触させること
によって実施される。
【0029】上述のような工程(a)〜(d)を経て、
所定のセルギャップにて接着された貼り合わせ基板を得
ることができるが、好ましくは、1つの貼り合わせ基板
を所定のセルギャップにて接着した後、上述の置き換え
と逆の手順で、冷却手段を加熱手段で置き換え、新たな
貼り合わせ基板を同様の工程(a)〜(d)を繰り返し
て接着する。加熱手段および冷却手段を相互に置き換え
て配置するための移動手段としては、一般的には、定盤
の主面に対して平行な面内で(または左右に)加熱手段
および冷却手段をスライドさせる滑動手段を用い得る。
このような滑動手段は、定盤に比べて軽量の加熱手段お
よび冷却手段をスライドさせることができればよいた
め、大重量の定盤を上下に移動させるために従来必要で
あった上下動手段よりも小さな容積を占め、製造設備の
小型化という本発明の利点が維持される。
【0030】また、上記可撓性カバーとして、内部に冷
却流体を通す空間を有する袋状構造を有するものを用
い、工程(d)に代えて、可撓性カバーの空間内に冷却
流体を流すことによって、貼り合わせ基板を押し付けた
状態で冷却し、これにより、貼り合わせ基板を所定のセ
ルギャップにて接着するようにしてもよい。空間に流さ
れる冷却流体としては、任意の適切な流体を用いること
ができるが、好ましくは不凍性冷却液などを用いること
ができる。このように空間を有する袋状構造を有する可
撓性カバーのみを利用して基板を冷却する場合には、加
熱手段と冷却手段を置き換える必要がないという利点を
有する。あるいは、空間を有する袋状構造を有する可撓
性カバーと上記のような下方冷却手段とを併用し、下方
加熱手段を下方冷却手段で置き換えるようにしてもよ
い。
【0031】好ましい態様においては、上下に隣接して
配置された複数の定盤から成る少なくとも1組の定盤
と、各定番上の貼り合わせ基板を覆うように各々配置さ
れる可撓性カバーとを用いて、貼り合わせ基板を所定の
セルギャップにて各々接着するために、工程(c)にお
ける加熱が、加熱手段として、1組の定盤のうち最も上
方に位置する定盤に配置された可撓性カバーの上方に隔
間して配置される上方加熱手段と、上下に隣接する(2
つの)定盤間にて、その下方に位置する可撓性カバーと
隔間して配置される(1つまたは複数の)中間加熱手段
と、1組の定盤のうち最も下方に位置する定盤の下方に
配置される下方加熱手段とを用いて実施され、工程
(d)における冷却が、冷却手段として、上方加熱手
段、(1つまたは複数の)中間加熱手段および下方加熱
手段とそれぞれ置き換えて配置される上方冷却手段、
(1つまたは複数の)中間冷却手段および下方冷却手段
を用いて実施される。このような態様は、換言すれば、
上下に隣接して配置された複数の定盤の各々について、
定盤の上下に加熱手段が存在するように配置され、この
加熱手段と置き換えて冷却手段が配置されると説明され
得る。
【0032】中間加熱手段は、該中間加熱手段の直ぐ下
方に位置する定盤に対しては、該定盤上の貼り合わせ基
板を加熱する上方加熱手段として機能し、同時に、該中
間加熱手段の直ぐ上方に位置する定盤に対しては、該定
盤上の貼り合わせ基板を加熱する下方加熱手段として機
能するものであり、このことは、中間冷却手段について
も同様に当て嵌まる。中間加熱手段には、例えば、上述
のようなヒーター発熱線またはヒーター発熱線を備える
加熱板を用いることができ、加熱板を用いる場合には、
該中間加熱手段の直ぐ上方に位置する定盤の裏面と接触
して配置されることが好ましい。また中間冷却手段に
は、例えば、上述のような冷却板または冷却流体の吹き
付け手段と同様のものなどを用いることができる。中間
冷却手段として冷却板を用いる場合には、該冷却板の上
方および下方に位置する定盤と空間を隔てて配置されて
いても、該空間を伝わる熱伝導によって、これら定盤を
冷却することが可能であるが、好ましくは冷却の際に該
冷却板の上方に位置する定盤と接触させる。また、中間
冷却手段として冷却流体の吹き付け手段を用いる場合に
は、該冷却板の上方および下方に位置する定盤に向かっ
て冷却流体を吹き付けるようにすればよく、例えば低温
のコンプレッサエアを中間冷却手段の上下に吐出させる
ような手段を用い得る。このような構成により、1つの
貼り合わせ基板を処理するのに必要な消費エネルギーお
よび装置サイズを減少させて、貼り合わせ基板の処理効
率を上昇させることが可能となる。
【0033】上下に隣接して配置される複数の定盤から
成る組の数は、1組、2組、3組またはそれ以上であっ
てもよい。例えば3組の定盤を用いる場合、定盤の主面
を上方から見て、円周上に均等に配置することが好まし
い。
【0034】本発明の別の要旨においては、液晶セル製
造プロセスにおいて1対の基板を所定のセルギャップに
て接着するための接着装置であって:対向する1対の基
板の間にスペーサーおよび未硬化の熱硬化性シール材を
挟んだ貼り合わせ基板を載せるための定盤と;貼り合わ
せ基板を覆うように定盤に着脱可能に配置されて、貼り
合わせ基板を収容する密閉空間を形成する可撓性カバー
であって、密閉空間を減圧化することによって、密閉空
間内の貼り合わせ基板を周辺圧力により定盤に対して押
し付ける可撓性カバーと;貼り合わせ基板を定盤に対し
て押し付けた状態で加熱する加熱手段と;加熱手段と置
き換えられる冷却手段であって、貼り合わせ基板を定盤
に対して押し付けた該状態を維持しながら冷却する冷却
手段とを含み、定盤が所定の位置で保持され、実質的に
動かないことを特徴とする装置が提供される。
【0035】好ましい態様においては、加熱手段が、可
撓性カバーの上方に隔間して配置される上方加熱手段
と、定盤の下方に配置される下方加熱手段とを含み、冷
却手段が、上方加熱手段および下方加熱手段とそれぞれ
置き換えて配置される上方冷却手段および下方冷却手段
を含む。例えば、上記下方冷却手段は、定盤に接触して
配置される、冷却流体を流す流路を内部に備える冷却板
を含み、ならびに/あるいは、上方冷却手段は、冷却流
体を可撓性カバーに吹き付ける吹き付け手段を含む。
【0036】別の好ましい態様においては、上記冷却手
段に代えて、可撓性カバーが、内部に冷却流体を通す空
間を有する袋状構造を有する。
【0037】好ましい態様においては、上記定盤が、上
下に隣接して配置された複数の定盤から成る少なくとも
1組の定盤を構成し、上記可撓性カバーが、貼り合わせ
基板を覆うように定盤に各々配置され、上記加熱手段
が、1組の定盤のうち最も上方に位置する定盤に配置さ
れた可撓性カバーの上方に配置される上方加熱手段と、
上下に隣接する(2つの)定盤間にて、その下方に位置
する可撓性カバーと隔間して配置される(1つまたは複
数の)中間加熱手段と、1組の定盤のうち最も下方に位
置する定盤の下方に配置される下方加熱手段とを含み、
上記冷却手段が、上方加熱手段、(1つまたは複数の)
中間加熱手段および下方加熱手段とそれぞれ置き換えて
配置される上方冷却手段、(1つまたは複数の)中間冷
却手段および下方冷却手段を含む。
【0038】このような本発明の装置は、上述の本発明
の方法を実施するのに好適に用いられ得、本発明の方法
によって得られる効果を享受することができる。本発明
の方法および装置を用いて貼り合わせ基板を接着して液
晶セルを作製すると、セル表示サイズに対するセルギャ
ップの面内測定値の標準偏差(即ち、ばらつき係数σ/
L(−))が、1×10-6以下、好ましくは0.85×
10-6以下である液晶セルが提供される。尚、本明細書
において「セル表示サイズ」とは、貼り合わせ基板の液
晶を封入する直方体において、画像等を表示する面の対
角寸法を言うものとする。また、「セルギャップ」と
は、貼り合わせ基板の液晶を封入する空間において、該
貼り合わせ基板間の距離を言うものとする。
【0039】
【発明の実施の形態】(実施形態1)以下、本発明の1
つの実施形態について図面を参照しながら説明する。図
1(a)および(b)は、定盤の主面に垂直な方向から
見た場合の、加熱手段および冷却手段の置き換え前後に
おける、本実施形態の接着装置(またはシール硬化装
置)を説明する概略図である。
【0040】図1(a)および(b)に示すように、本
実施形態の接着装置30は、貼り合わせ基板1を載せる
ための定盤2と、貼り合わせ基板1を覆うように定盤2
に着脱可能に配置されて密閉空間4を形成する可撓性カ
バー3と、定盤2上の貼り合わせ基板1を加熱して、基
板間の熱硬化性シール材を熱硬化させるための上方加熱
手段5および下方加熱手段6と、定盤2上の貼り合わせ
基板1を冷却するための上方冷却手段7および下方冷却
手段8とを含む。この定盤2は、実質的に動かないよう
に固定され、所定の位置に保持されている。
【0041】より詳細には、定盤2上に配置される貼り
合わせ基板1は、対向する1対の基板の間にスペーサー
および未硬化の熱硬化性シール材(共に図示せず)を挟
んで構成される。この貼り合わせ基板1に用いられる基
板、スペーサーおよび熱硬化性シール材としては、液晶
セルの製造プロセスにおいて既知のものまたは任意の適
切なものを用い得る。1対の基板には、例えばガラスな
どの材料からなる厚さ約0.5〜1.0mmの基板を用
いることができる。スペーサーには、例えばアルミナセ
ラミクスまたはエポキシ樹脂などからなる粒径約3〜1
0μmの粒子(またはビーズ)を用いることができる。
熱硬化性シール材には、例えばエポキシ樹脂、メラミン
樹脂、およびアクリル樹脂などの熱硬化性材料(および
必要に応じて硬化剤)などからなる材料を用いることが
できる。このような熱硬化性シール材は、代表的には約
100〜140℃の硬化温度で硬化する。
【0042】また、定盤2には、上記のような貼り合わ
せ基板1を取り囲んで、定盤2および可撓性カバー3に
よって形成される密閉空間4を減圧化するように、密閉
空間4に通じる排気孔9が設けられ、該排気孔9は排気
ラインを通じて真空ポンプ(図示せず)に接続されてい
る。この排気孔9を通して密閉空間4を減圧化すると、
周辺圧力、即ち可撓性カバー2を介して密閉空間4の周
辺にある流体圧力、例えば大気圧によって、可撓性カバ
ー3がその可撓性に応じて撓んで(または貼り合わせ基
板1の外形に追従するように変形して)、密閉空間4内
の貼り合わせ基板1を定盤2に対して押し付ける。
【0043】この定盤2には、好ましくは熱伝導性の高
い、即ち良熱伝導性の材料からなるものを用い得る。こ
こで、定盤2に用いられる良熱伝導性の材料としては、
例えばBN(窒化ホウ素系)セラミクス、SiC(炭化
シリコン系)セラミクス、アルミナ系セラミクス、また
は石英ガラスなどが挙げられる。このような材料からな
る定盤2は、減圧により可撓性カバーから受ける力に耐
える範囲で適度に薄く、例えば約5〜15mmの厚さを
有し、高い平坦度、約10〜90μmの平面度を有する
ことが好ましい。
【0044】上記のような定盤2に、貼り合わせ基板1
を覆って配置される可撓性カバー3には、熱硬化性シー
ル材の硬化温度より高い温度に耐え、減圧条件下に耐え
る可撓性カバーを用いることができる。例えばポリイミ
ド系樹脂、ポリエチレン系樹脂およびシリコーン系樹脂
などの可撓性の樹脂材料からなる、厚さ約0.5〜2.
5mmの膜、あるいは、例えばチタン、アルミニウム、
ステンレスおよび銅などの良熱伝導性の金属材料などの
材料からなる、厚さ約0.05〜0.15mmの箔を可
撓性カバーとして用い得る。
【0045】また、上方加熱手段5および下方加熱手段
6としては、例えばニッケルクロム系合金または鉄クロ
ム系合金などからなるヒーター発熱線10をそれぞれ備
える良熱伝導性の材料からなる加熱板を用い得る。加熱
板に用いられる良熱伝導性の材料としては、例えばアル
ミナ系セラミクスまたはBNセラミクスなどが挙げられ
る。ヒーター発熱線10そのものを加熱手段5または6
として使用することも可能であるが、貼り合わせ基板1
を効率的に加熱するためには、特に、下方加熱手段6に
上記のような加熱板を用いて、定盤2の裏面に加熱板を
接触させて直接的に加熱することが好ましい。
【0046】他方、上方冷却手段7としては、好ましく
は、冷却流体を吹き付ける吹き付け手段を用い得る。吹
き付け手段はファン11を含み、ファン11の前方に
は、吐出孔12が設けられた分配板が備えられることが
好ましい。吹き付け手段によって可撓性カバー3に吹き
付けられる冷却流体は、約5℃〜23℃(または室温)
の範囲の温度を有する気体であって、使用温度範囲にお
いて液体への相変化が起こりにくいものであればよく、
例えば空気、窒素およびアルゴンなどの気体を適切な温
度および流量で用いることがことができる。
【0047】また、下方冷却手段8としては、冷却流体
を流すことができる流路13を備える良熱伝導性の、例
えばアルミナ系セラミクス、BNセラミクス、またはア
ルミニウムなどからなる冷却板を用いる。上記のような
吹き付け手段を下方冷却手段として用いることも可能で
あるが、冷却効率の観点から、冷却板を定盤2の裏面に
接触させて用いるほうが好ましい。冷却板の流路内に流
される冷却流体は、密度が大きく(よって、蓄熱量が大
きく)、かつ熱伝導率が高い液体または気体であればよ
く、好ましくは、例えばフッ素系冷媒溶液、液体窒素溶
液およびエチレングリコール溶液などの不凍性冷却液な
どを用いることができる。更に、下方冷却手段8の冷却
板は、好ましくは冷却流体と断熱性の流体とを切り替え
て流路13に流すことができる構成とされる。ここで、
断熱性の流体は、熱硬化性シール材の硬化温度に近い温
度(例えば約90〜120℃)に加熱された、熱伝導率
の低い気体であればよく、例えば空気、窒素、アルゴ
ン、ヘリウムおよび二酸化炭素などの気体を適切な温度
および流量で用いることができる。
【0048】上記のような上方加熱手段5および下方加
熱手段6と、上方冷却手段7および下方冷却手段8とは
隣接し、図1(a)の配置と図1(b)の配置との間で
相互に置き換え可能に、例えば貼り合わせ基板1が配置
される定盤2の主面(即ち上面)およびその裏面に対し
て実質的に平行にスライドするように構成される。上述
のように、好ましくは下方加熱手段(加熱板)5および
/または下方冷却手段(冷却板)8は、貼り合わせ基板
1を加熱または冷却する際に定盤2の裏面に接触するよ
うに配置されるが、より好ましくは、置き換え(スライ
ド)の際には、加熱手段5および6と冷却手段7および
8とは可撓性カバー1から隔間して移動される。
【0049】次に、このような接着装置30を用いて貼
り合わせ基板1を所定のセルギャップで接着する本実施
形態の接着方法について説明する。
【0050】まず、可撓性カバー3が配置されておら
ず、露出している定盤2の上面上に、例えば吸着機構を
有する搬送手段(図示せず)を用いて貼り合わせ基板1
を載せた後、適切な着脱手段を用いて可撓性カバー3を
貼り合わせ基板1を覆うようにして定盤2に配置する。
この可撓性カバー3は、その自重によって撓んで可撓性
カバー3の実質的に全周が(場合によってはOリングを
介して)定盤2と接触するか、あるいは可撓性カバー3
が自重によって十分に撓まない場合には、クランプなど
の手段により外力を加えて、可撓性カバー3の実質的に
全周が(場合によってはOリングを介して)定盤2と接
触することによって、可撓性カバー3と定盤2との間
に、貼り合わせ基板1を収容する密閉空間を形成できる
大きさ(面積)および形状を有する。この密閉空間4
は、定盤2に設けられた排気孔9(および排気ライン)
を通じて真空ポンプ(図示せず)に連絡している。
【0051】次いで、真空ポンプを用いて排気孔9を通
じて密閉空間4を減圧化する。その結果、周辺圧力(例
えば大気圧)と密閉空間4の内部の圧力(例えば約13
0〜60000Pa)との差により、可撓性カバー3
が、その可撓性により定盤9の上面および貼り合わせ基
板1の外形に沿うように撓んで、密閉空間4内の貼り合
わせ基板1は、可撓性カバー3を介して定盤2に対して
押し付けられる。
【0052】その後、貼り合わせ基板1を定盤2に対し
て押し付けた状態で、図1(a)に示すような上方加熱
手段5および下方加熱手段6のヒーター発熱線10を用
いて貼り合わせ基板1を加熱する。加熱条件は、貼り合
わせ基板1の基板間にある熱硬化性シール材が十分に硬
化する温度および時間とし、例えば、約25℃の室温か
ら、約7〜15℃/分の加熱速度で約160〜190℃
まで加熱し、その温度を約5分間維持する。このとき、
下方加熱手段6として加熱板を用いる場合、下方加熱手
段6は定盤2の裏面に接触するように配置されることが
好ましい。
【0053】この加熱工程においては、下方加熱手段9
に隣接して(図面に向かって右方向に)配置されている
冷却板(下方冷却手段)8の内部にある流路13には、
冷却流体ではなく断熱性の流体(例えば空気など)が満
たされている。これにより、加熱手段により供給される
熱エネルギーを無駄に消費することが回避される。
【0054】所定時間経過後、ヒーター発熱線10の発
熱を停止させ、定盤2の裏面に接触している下方加熱手
段6を下方に移動させて定盤2から離し、加熱手段5お
よび6を冷却手段7および8に置き換える。具体的に
は、図1(a)に示す上方加熱手段5および下方加熱手
段6を、(図面に向かって左方向に)にスライドさせ
て、固定されている定盤2の上方位置および下方位置か
らそれぞれ取り除き、他方、図1(a)に示す上方冷却
手段7および下方冷却手段8を、定盤2の上方位置およ
び下方位置へと同様にスライドさせることによって、図
1(b)に示すような配置とする。ここで、加熱手段5
および6ならびに冷却手段7および8をスライドさせる
タイミングは、同時であっても、各々ずれていてもよ
い。好ましくは冷却板(下方冷却手段)8は、定盤2の
下方位置にスライドした後、定盤2の裏面に接触するよ
うに上方に移動する。
【0055】続いて、貼り合わせ基板1を定盤2に対し
て押し付けた状態で、上方冷却手段7のファン11を作
動させ、下方冷却手段8の流路13に冷却流体を流して
貼り合わせ基板1を冷却する。このとき、硬化後の熱硬
化性シール材のガラス転移点以下まで、例えば約15〜
45℃まで冷却することが好ましい。冷却速度は、例え
ば約−4〜−25℃/分とすることができる。
【0056】以上のようにして貼り合わせ基板1を十分
に冷却した後、ファン11の運転および流路13への冷
却流体の供給を停止し、着脱手段(図示せず)により可
撓性カバー3を取り除いて密閉空間4を開放し、これに
より、所定のセルギャップにて接着された貼り合わせ基
板(または空セル)1が得られる。接着された貼り合わ
せ基板1を、吸着機構などを有する搬送手段(図示せ
ず)を用いて取り除いた後、定盤2の裏面に接触してい
る下方冷却手段8を下方に移動させて定盤2から離し、
上方冷却手段7および下方冷却手段8を、上述の手順と
逆の手順に従って上方加熱手段5および下方加熱手段6
で置き換え、下方加熱手段9を上方に移動させて定盤2
に接触させる。その後、新たな貼り合わせ基板1を定盤
2に載せて、同様の方法により、所定のセルギャップで
接着することができる。
【0057】得られた貼り合わせ基板1の空間(ギャッ
プ)に、当業者に既知の方法を用いて液晶を注入し、そ
の注入孔を封止することによって液晶セルが作製され
る。
【0058】本実施形態によれば、従来の方法および装
置を用いて大型の液晶セルを製造する場合に比べて、よ
り小型な製造設備で、より少ない設備費用および消費エ
ネルギーで、より短い製造プロセスで、より均一なセル
ギャップにて基板を接着することが可能となる。
【0059】(改変例1)上述の実施形態1において
は、1つの貼り合わせ基板を所定のセルギャップで接着
するために1個の定盤を用いたが、同一平面上に配置さ
れた複数の定盤を用いて、これら定盤の上方位置および
下方位置で共通の加熱手段および冷却手段をスライドさ
せるように、実施形態1を改変してもよい。以下、この
ような改変例について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本改変例の接着装置における定盤の配置を説明
する図であり、定盤の主面を上方から見た図である。
【0060】図2に示すように、本改変例の接着装置に
おいては、3つの定盤2a、2bおよび2cが、点Cを
中心として同一平面上に等距離および等間隔で、回転対
称に配置されている。これら定盤2a〜2cの上方位置
および下方位置においては、加熱手段および冷却手段が
点Cを中心として定盤の主面に対して平行に(即ち図2
の面と平行な面上で)周方向にスライドする。理解を容
易にするために、この接着装置を、図2におけるC−
C’線にて切り開いて図示した断面展開図を図3に示
す。図3から解るように、定盤2aの上方および下方位
置には加熱手段5および6が配置され、貼り合わせ基板
1aが加熱される。また、定盤2bの上方および下方位
置には冷却手段7および8が配置され、貼り合わせ基板
1bが冷却される。また、定盤2cでは、着脱手段16
を用いて可撓性カバー3cを定盤2cから外して密閉空
間を開放し、既に加熱および冷却されて接着された貼り
合わせ基板1cを搬送手段17により取り出す。次い
で、新たな貼り合わせ基板1c’(図示せず)を搬送手
段17により定盤2c上に供給し、新たな貼り合わせ基
板1c’を収容する密閉空間を形成するように、着脱手
段16により可撓性カバー3cを再び定盤2cに配置
し、その後、密閉空間を減圧化して、貼り合わせ基板1
c’を定盤2cに向かって押し付ける。
【0061】所定時間経過後、加熱手段5および6なら
びに冷却手段7および8を、図2の点Cを中心に周方向
にスライドさせ、加熱手段5および6を定盤2cの上方
位置および下方位置に移動させ、冷却手段7および8を
定盤2aの上方位置および下方位置に移動させる。これ
により、加熱手段5および6が、冷却手段7および8で
置き換えられる。このとき、加熱手段5および6の加熱
ならびに冷却手段の冷却は停止しなくてよい。置き換え
(スライド)後、定盤2cに供給された新たな貼り合わ
せ基板1c’が加熱され、定盤2a上では、加熱された
貼り合わせ基板1aが冷却される。また、定盤2b上で
冷却され、接着された貼り合わせ基板1bは、定盤2c
について説明した手順と同様の手順により定盤2bから
取り除かれ、定盤2b上に新たな貼り合わせ基板1b’
(図示せず)が供給され、可撓性カバー3bを介して定
盤2bに向かって押し付けられる。
【0062】同じく所定時間経過後、加熱手段5および
6ならびに冷却手段7および8を、図2の点Cを中心に
更に周方向にスライドさせ、加熱手段5および6を定盤
2bの上方位置および下方位置に移動させ、冷却手段7
および8を定盤2cの上方位置および下方位置に移動さ
せて、定盤2bに供給された新たな貼り合わせ基板1
b’を加熱し、定盤2c上では、加熱された貼り合わせ
基板1c’を冷却する。定盤2a上にある接着された貼
り合わせ基板1aは、上記と同様にして取り除かれ、定
盤2b上には新たな貼り合わせ基板1a’が供給され
る。
【0063】以上の工程を1サイクルとして、繰り返し
て実施すると、定盤2a〜2c上で加熱、冷却、ならび
に取り出しおよび新たな貼り合わせ基板の供給を順次行
うようにすることができる。このような態様によれば、
製造効率を更に上昇させることができる。
【0064】尚、本改変例においては説明を省略した
が、下方加熱手段および下方冷却手段は、それぞれ加熱
および冷却の際には、定盤の裏面に接触して配置される
ことが好ましい。また、本改変例では、3つの定盤を、
それらの主面を上方から見て回転対称に配置したが、2
つまたは4つ以上の定盤を使用することならびにこれら
定盤の配置を変更することも可能である。
【0065】(改変例2)更に、複数の定盤を同一平面
上だけでなく、その平面の上および/または下にも隣接
して配置するように、上記の実施形態1を改変すること
も可能である。
【0066】例えば、3個の定盤2a〜2cを備える、
上記の改変例1の接着装置(図2および図3)に、図4
に示すように、3個の定盤2d〜2eをそれぞれ定盤2
a〜2cの下方に位置するように配置して追加すること
ができる。この場合、図4を参照して、上側の定盤2
a、2bおよび2cと下側の定盤2d、2eおよび2f
との間には中間加熱手段14および中間冷却手段15が
加えられる。この上方加熱手段5、中間加熱手段14お
よび下方加熱手段6ならびに上方冷却手段7、中間冷却
手段15および下方冷却手段8は、固定された定盤2a
〜2cおよび定盤2a〜2cの主面がそれぞれ位置する
平行な平面に対して平行に、図2の点Cを中心として周
方向にスライドされる。これにより、加熱手段5、14
および6が、冷却手段7、15および8で置き換えられ
る。その後、加熱手段および冷却手段を、改変例1と同
様にして順次スライドさせていくことによって、各定盤
にて貼り合わせ基板が接着される。
【0067】本改変例によれば、上下に隣接する2つの
定盤、例えば定盤2aおよび2dの間に配置される中間
加熱手段14は、定盤2aおよび2dにそれぞれ配置さ
れる貼り合わせ基板1aおよび1dを同時に加熱するの
で、中間加熱手段14によって供給される熱を効率的に
利用することができる。また、上下に隣接する2つの定
盤、例えば2bおよび2eの間に配置される中間冷却手
段15は、定盤2bおよび2eにそれぞれ配置される貼
り合わせ基板1bおよび1eを同時に冷却できる。この
ような態様によれば、加熱および冷却の効率を上昇させ
ることが可能であり、製造効率を更に上昇させることが
できる。
【0068】尚、本改変例においては説明を省略した
が、中間および下方加熱手段ならびに中間および下方冷
却手段は、それぞれ加熱および冷却の際には、定盤の裏
面に接触して配置されることが好ましい。また、本改変
例では、上下に隣接して配置された2つの定盤を1組と
して、3組の定盤を、それらの主面を上方から見て回転
対称に配置したが、上下に隣接する複数の定盤から成る
1組の定盤の数およびこれらの組数を変更することは、
当業者であれば容易に想到されるであろう。
【0069】(実施形態2)次に、上述の実施形態1の
冷却手段を他の手段で置換した、本発明の別の実施形態
について図面を参照しながら説明する。図5は、本実施
形態の接着装置を説明する概略部分拡大図である。図5
において、図1と同様の部材には同様の参照番号を付す
ものとする。
【0070】本実施形態の接着装置は、図1(a)およ
び(b)の上方冷却手段7および下方冷却手段8を有さ
ず、可撓性カバー3の代わりに、図5に示すような空間
18を有する袋状構造を有する可撓性カバー19を用い
た点を除いて、実施形態1の接着装置と同様の構成およ
び機能を有する。この空間18は、入口20および出口
21を有し、適切な装置(図示せず)を用いて空間18
の内部を通して冷却流体が流される。
【0071】このような構成の接着装置を用いれば、実
施形態1の冷却工程に代えて、単に空間18の内部を通
して冷却流体を流すことによって貼り合わせ基板1を冷
却し、所定のセルギャップにて接着することができる。
本実施形態においても、硬化後の熱硬化性シール材のガ
ラス転移点以下まで、例えば約15〜45℃まで冷却す
ることが好ましい。このとき、例えば約−4〜−65℃
/分の冷却速度を得ることができる。例えば、約5℃の
不凍性溶液を空間18の入口20から出口21へ流量5
0リットル/分で流すと、貼り合わせ基板1の平均温度
約160〜100℃の範囲に対して毎分約−65℃の冷
却速度が得られる。この冷却速度の値は、実施形態1の
場合よりかなり大きく、より短時間で冷却することが可
能である。空間18の出口17から流出した冷却流体
は、好ましくは、再び所定の温度に冷却されて空間18
の入口へと供給され、循環使用される。
【0072】本実施形態によれば、実施形態1によって
得られる効果に加えて、より短時間で基板を冷却するこ
とができるので、製造効率を更に上昇させることができ
る。
【0073】本実施形態においては、上方冷却手段およ
び下方冷却手段を省略したが、これらのいずれかまたは
双方と空間を有する袋状構造を有する可撓性カバーとを
組み合わせて用いて、貼り合わせ基板を冷却するように
してもよい。また、本実施形態においては、可撓性カバ
ーの空間に冷却流体を流したが、冷却流体の代わりに、
適切な温度に加熱した流体を流すことによって、貼り合
わせ基板を加熱するために用いることもできる。更に、
本実施形態に関しても実施形態1と同様に改変すること
が可能である。即ち、複数の定盤を同一平面上に、更に
必要に応じて上下に配置して接着装置を構成し、加熱手
段および冷却手段を停止することなく用いて、複数の貼
り合わせ基板を連続的に接着するようにしてもよい。
【0074】
【実施例】実施形態1にて上述した接着装置および接着
方法を用いて、以下のようにして貼り合わせ基板を接着
した。本実施例においては、対角寸法約178mm(7
インチ)、約279mm(11インチ)、330mm
(13インチ)、約381mm(15インチ)および約
482mm(19インチ)の種々のセル表示サイズを有
する貼り合わせ基板を用いた。これら貼り合わせ基板
は、厚さ約0.7mmの1対のガラス基板の間に、シリ
カ系セラミクスから成る粒径約5μmのスペーサーおよ
びアクリル樹脂(硬化温度約120℃)からなる熱硬化
性シール材が挟まれたものとした。また、定盤には、B
Nセラミクスから成る、平面度約5μmの、縦約650
mm、横約770mm、厚さ約10mmの板状体を用い
た。可撓性カバーには、約230℃の耐熱温度を有し、
約0.1MPaの真空に耐える、厚さ300μmのポリ
イミド系樹脂シート(日東電工製、商品名:カプトンシ
ート)を用いた。
【0075】これら貼り合わせ基板の1つを、実施形態
1に詳述した方法で、定盤上に載せ、貼り合わせ基板を
覆うようにして可撓性カバーを定盤に配置して、貼り合
わせ基板を収容する密閉空間を形成した。その後、密閉
空間内の圧力を約2000Paまで減圧化し、周辺圧力
である大気圧と密閉空間内の圧力との差により、可撓性
カバーを介して貼り合わせ基板を定盤に対して押し付け
た。
【0076】貼り合わせ基板を押し付けた状態のまま、
ヒーター発熱線が埋め込まれたセラミクスから成る加熱
板を上方加熱手段および下方加熱手段として用いて、貼
り合わせ基板を約10℃/分の昇温速度で室温(約25
℃)から約160〜190℃まで加熱し、この温度で約
5分間維持した。このとき、下方加熱手段の加熱板は、
定盤の裏面に接触させて用いた。これにより、貼り合わ
せ基板の熱硬化性シール材を十分に熱硬化させた。
【0077】その後、実施形態1と同様にして、下方加
熱手段を下方に移動させて定盤から離し、上方および下
方加熱手段をスライドさせて、定盤の上方および下方位
置から取り除き、上方および下方冷却手段をスライドさ
せて、定盤の上方および下方位置にスライドさせ、その
後、下方冷却手段を定盤の裏面に接触するように上方に
移動させた。これにより、上方および下方加熱手段が、
上方および下方冷却手段で置き換えられた。
【0078】本実施例では、上方冷却手段として、4.
5Nm3/分の定格風量を有するファンを用いた。この
ファンは、その周囲にある室温付近の空気を冷却流体と
して吹き付けることができる。ファンの前方には、直径
約5mmの円形断面を有する吐出孔12が約25mmピ
ッチで等間隔に配された分配板を設け、冷却の際には約
25m/秒の風速で吐出孔から空気を吐出させ、貼り合
わせ基板に吹きつけるようにした。しかし、本発明はこ
れに限定されず、例えば、吐出孔を出る流体の流速が約
25〜50m/秒となるように、直径約3〜10mmの
吐出孔を、約15〜50mmピッチで配し得る。
【0079】他方、下方冷却手段としては、流路を内部
に備え、純アルミニウムから成る冷却板を用いた。貼り
合わせ基板の冷却の際には、冷却板を定盤の裏面に接触
させながら、この流路に、約−3〜5℃の不凍性溶液を
約900リットル/分の流量で流した。尚、上記の加熱
の際には、断熱性の流体として空気をこの流路内に充填
しておいた。
【0080】これら上方冷却手段および下方冷却手段を
上記のように用いて、貼り合わせ基板を冷却した。本実
施例においては、貼り合わせ基板の平均温度が約160
〜100℃の範囲に対して、約−25℃/分の冷却速度
が得られた。貼り合わせ基板を約30℃まで冷却した
後、冷却を停止し、可撓性カバーを取り外して、所定の
セルギャップで接着された貼り合わせ基板を得た。
【0081】種々のセル表示サイズを有する残りの貼り
合わせ基板を、同様にして各々接着した。このようにし
て得られた貼り合わせ基板のセルギャップの面内でのば
らつきを調べるために、セルギャップを多数の位置で面
内でほぼ均等に測定し、その標準偏差を求めた。また、
比較のために、図8を参照して説明した従来の方法およ
び装置を用いて種々のサイズの貼り合わせ基板を接着
し、そのセルギャップの標準偏差を求めた。
【0082】以上のようにして得られたセルギャップの
標準偏差σを貼り合わせ基板のセル表示サイズLで割っ
たσ/Lを、ばらつき係数(変動係数)として求めた。
セル表示サイズLに対するばらつき係数σ/Lのグラフ
を図6に示す。
【0083】図6から、比較例については、セル表示サ
イズが330mm(13インチ)より大きくなるとその
ばらつき係数が1.1×10-6のレベルから1.4×1
-6のレベルへと上昇し、増加することがわかる。これ
に対して、本発明の実施例については、セル表示サイズ
が大きくなってもばらつき係数はほとんど増加しない。
本実施例のばらつき係数は、最大0.85×10-6程度
(セル表示サイズ 約178mm(7インチ))であ
る。更に、実施例と比較例のばらつき係数を比較する
と、比較例のばらつき係数は1.1×10-6より大きい
のに対して、実施例のばらつき係数は1.0×10-6
下、更には0.9×10-6以下、より更には0.85×
10-6以下であり、全てのセル表示サイズに亘って実施
例のばらつき係数の方が比較例のものよりも小さい。特
にセル表示サイズが約381mm(15インチ)および
約482mm(19)インチの場合、実施例のばらつき
係数は従来例のものに比べて半分未満となることがわか
る。従って、本発明の実施例の方が、従来技術の比較例
よりもセルギャップのばらつきが小さく、即ちセルギャ
ップが均一であり、特に大型の液晶セル、例えば15イ
ンチ以上の液晶セル製造プロセスにおいて、従来技術の
比較例よりもセルギャップの均一性を顕著に上昇させる
ことができる。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、大型の液晶セルを製造
するのに適した新規な貼り合わせ基板の接着方法および
そのための装置が提供される。本発明の方法および装置
によれば、従来の方法および装置を用いて大型の液晶セ
ルを製造する場合に比べて、より小型な製造設備で、よ
り少ない設備費用および消費エネルギーで、より短い製
造プロセスで、より均一なセルギャップにて基板を接着
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)および(b)は、本発明の1つの
実施形態における接着装置を説明する概略断面図であ
り、それぞれ加熱手段および冷却手段の置き換え前後の
様子を示す。
【図2】 図1の実施形態の改変例における接着装置を
説明する概略上面図である。
【図3】 図2の改変例における接着装置を図2のC−
C’線にて切り開いた概略断面展開図である。
【図4】 図1の実施形態のもう1つの改変例における
接着装置を説明する概略断面展開図である。
【図5】 本発明の別の実施形態における接着装置を説
明する概略部分拡大図である。
【図6】 本発明の実施例および比較例についてのセル
表示サイズL(mm)に対するばらつき係数σ/L
(−)のグラフである。
【図7】 図7(a)は、一般的な液晶パネルの概略的
な透視上面図であり、図7(b)は、図7(a)のX−
X線における断面図である。
【図8】 従来の液晶セルの製造プロセスにおいて用い
られる接着装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 貼り合わせ基板 2 定盤 3 可撓性カバー 4 密閉空間 5 上方加熱手段(加熱板) 6 下方加熱手段(加熱板) 7 上方冷却手段(吹き付け手段) 8 下方冷却手段(冷却板) 9 排気孔 10 ヒーター発熱線 11 ファン 12 吐出孔 13 流路 30 接着装置
フロントページの続き Fターム(参考) 2H089 HA40 JA10 LA07 MA01X MA04Y NA09 NA19 NA24 NA25 NA32 NA41 NA45 NA48 NA55 NA56 NA60 QA11 QA12 QA14 TA06 5G435 AA09 AA17 BB12 GG42 HH14 HH18 HH20 KK05 KK10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶セル製造プロセスにおいて1対の基
    板を所定のセルギャップにて接着するための方法であっ
    て、 (a)対向する1対の基板の間にスペーサーおよび未硬
    化の熱硬化性シール材を挟んだ貼り合わせ基板を定盤に
    載せ、貼り合わせ基板を覆うように定盤に可撓性カバー
    を配置することによって、可撓性カバーと定盤との間で
    貼り合わせ基板を収容する密閉空間を形成する工程と、 (b)密閉空間を減圧化して、密閉空間内の貼り合わせ
    基板を周辺圧力により可撓性カバーを介して定盤に対し
    て押し付ける工程と、 (c)貼り合わせ基板を定盤に対して押し付けた状態
    で、加熱手段により貼り合わせ基板を加熱して、貼り合
    わせ基板間の熱硬化性シール材を熱硬化させる工程と、 (d)貼り合わせ基板を定盤に対して押し付けた該状態
    を維持しながら、加熱手段を冷却手段で置き換え、冷却
    手段により貼り合わせ基板を冷却し、これにより、貼り
    合わせ基板を所定のセルギャップにて接着する工程とを
    含み、定盤が工程(a)〜(d)の間に亘って同じ位置
    に保持されることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 工程(c)における加熱が、加熱手段と
    して、可撓性カバーの上方に隔間して配置される上方加
    熱手段と、定盤の下方に配置される下方加熱手段とを用
    いて実施され、工程(d)における冷却が、冷却手段と
    して、上方加熱手段および下方加熱手段とそれぞれ置き
    換えて配置される上方冷却手段および下方冷却手段を用
    いて実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 下方冷却手段が、流路を内部に備える冷
    却板を含み、工程(d)における冷却が、定盤の裏面に
    冷却板を接触させながら該流路に冷却流体を流すことに
    よって実施される、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 上方冷却手段が、冷却流体を可撓性カバ
    ーに吹き付ける吹き付け手段を含み、工程(d)におけ
    る冷却が、該吹き付け手段を用いて冷却流体を可撓性カ
    バーに吹き付けて接触させることによって実施される、
    請求項2または3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 可撓性カバーが、内部に冷却流体を通す
    空間を有する袋状構造を有し、工程(d)に代えて、貼
    り合わせ基板を押し付けた前記状態を維持しながら、可
    撓性カバーの空間内に冷却流体を流すことによって、貼
    り合わせ基板を冷却し、これにより、貼り合わせ基板を
    所定のセルギャップにて接着する、請求項1に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 上下に隣接して配置された複数の定盤か
    ら成る少なくとも1組の定盤と、各定番上の貼り合わせ
    基板を覆うように各々配置される可撓性カバーとを用い
    て、貼り合わせ基板を所定のセルギャップにて各々接着
    するために、工程(c)における加熱が、加熱手段とし
    て、1組の定盤のうち最も上方に位置する定盤に配置さ
    れた可撓性カバーの上方に隔間して配置される上方加熱
    手段と、上下に隣接する定盤間にて、その下方に位置す
    る可撓性カバーと隔間して配置される中間加熱手段と、
    1組の定盤のうち最も下方に位置する定盤の下方に配置
    される下方加熱手段とを用いて実施され、工程(d)に
    おける冷却が、冷却手段として、上方加熱手段、中間加
    熱手段および下方加熱手段とそれぞれ置き換えて配置さ
    れる上方冷却手段、中間冷却手段および下方冷却手段を
    用いて実施される、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 液晶セル製造プロセスにおいて1対の基
    板を所定のセルギャップにて接着するための装置であっ
    て、 対向する1対の基板の間にスペーサーおよび未硬化の熱
    硬化性シール材を挟んだ貼り合わせ基板を載せるための
    定盤と、 貼り合わせ基板を覆うように定盤に着脱可能に配置され
    て、貼り合わせ基板を収容する密閉空間を形成する可撓
    性カバーであって、密閉空間を減圧化することによっ
    て、密閉空間内の貼り合わせ基板を周辺圧力により定盤
    に対して押し付ける可撓性カバーと、 貼り合わせ基板を定盤に対して押し付けた状態で加熱す
    る加熱手段と、 加熱手段と置き換えられる冷却手段であって、貼り合わ
    せ基板を定盤に対して押し付けた該状態を維持しながら
    冷却する冷却手段とを含み、定盤が所定の位置で保持さ
    れ、実質的に動かないことを特徴とする装置。
  8. 【請求項8】 加熱手段が、可撓性カバーの上方に隔間
    して配置される上方加熱手段と、定盤の下方に配置され
    る下方加熱手段とを含み、冷却手段が、上方加熱手段お
    よび下方加熱手段とそれぞれ置き換えて配置される上方
    冷却手段および下方冷却手段を含む、請求項7に記載の
    装置。
  9. 【請求項9】 下方冷却手段が、定盤の裏面に接触して
    配置され、冷却流体を流す流路を内部に備える冷却板を
    含む、請求項8に記載の装置。
  10. 【請求項10】 上方冷却手段が、冷却流体を可撓性カ
    バーに吹き付ける吹き付け手段を含む、請求項8または
    9に記載の装置。
  11. 【請求項11】 冷却手段に代えて、可撓性カバーが、
    内部に冷却流体を通す空間を有する袋状構造を有する、
    請求項7に記載の装置。
  12. 【請求項12】 定盤が、上下に隣接して配置された複
    数の定盤から成る少なくとも1組の定盤を構成し、可撓
    性カバーが、貼り合わせ基板を覆うように定盤に各々配
    置され、加熱手段が、1組の定盤のうち最も上方に位置
    する定盤に配置された可撓性カバーの上方に配置される
    上方加熱手段と、上下に隣接する定盤間にて、その下方
    に位置する可撓性カバーと隔間して配置される中間加熱
    手段と、1組の定盤のうち最も下方に位置する定盤の下
    方に配置される下方加熱手段とを含み、冷却手段が、上
    方加熱手段、中間加熱手段および下方加熱手段とそれぞ
    れ置き換えて配置される上方冷却手段、中間冷却手段お
    よび下方冷却手段を含む、請求項7に記載の装置。
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JP2005266755A (ja) * 2004-02-19 2005-09-29 Seiko Epson Corp 電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器
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