JP2002070729A - 斜板式圧縮機 - Google Patents
斜板式圧縮機Info
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- JP2002070729A JP2002070729A JP2001006530A JP2001006530A JP2002070729A JP 2002070729 A JP2002070729 A JP 2002070729A JP 2001006530 A JP2001006530 A JP 2001006530A JP 2001006530 A JP2001006530 A JP 2001006530A JP 2002070729 A JP2002070729 A JP 2002070729A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- drive shaft
- chamber
- swash plate
- crank chamber
- housing
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- Pending
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- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 駆動軸を支持するラジアルベアリング及び軸
封装置の潤滑を簡単な構成で良好に行うことができる斜
板式圧縮機を提供する。 【解決手段】 フロントハウジング12に吸入室19及び吐
出室20が形成され、クランク室17はシリンダブロック13
とリヤハウジング14との間に形成されている。駆動軸18
は吸入室19を貫通してフロントハウジング12から突出す
るように、第1及び第2ラジアルベアリング24,25を介
してハウジング11に回転可能に支持されている。駆動軸
18には吸入室19とクランク室17とを連通する経路を構成
する連通孔60が、入口60aが第2ラジアルベアリング25
よりリヤ側に、出口60bが第1ラジアルベアリング24よ
りリヤ側に位置するように形成されている。駆動軸18の
回転運動が、駆動軸18に一体回転可能に固定されたラグ
プレート36及びヒンジ機構39を介して、シリンダボア33
内に収容されたピストン34の往復運動に変換される。
封装置の潤滑を簡単な構成で良好に行うことができる斜
板式圧縮機を提供する。 【解決手段】 フロントハウジング12に吸入室19及び吐
出室20が形成され、クランク室17はシリンダブロック13
とリヤハウジング14との間に形成されている。駆動軸18
は吸入室19を貫通してフロントハウジング12から突出す
るように、第1及び第2ラジアルベアリング24,25を介
してハウジング11に回転可能に支持されている。駆動軸
18には吸入室19とクランク室17とを連通する経路を構成
する連通孔60が、入口60aが第2ラジアルベアリング25
よりリヤ側に、出口60bが第1ラジアルベアリング24よ
りリヤ側に位置するように形成されている。駆動軸18の
回転運動が、駆動軸18に一体回転可能に固定されたラグ
プレート36及びヒンジ機構39を介して、シリンダボア33
内に収容されたピストン34の往復運動に変換される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両等の
空調装置に使用される片頭ピストンを備えた斜板式圧縮
機に係り、詳しくはピストンを駆動する駆動軸(回転
軸)を支持するラジアルベアリング及び軸封装置の潤滑
構成に特徴を有する斜板式圧縮機に関するものである。
空調装置に使用される片頭ピストンを備えた斜板式圧縮
機に係り、詳しくはピストンを駆動する駆動軸(回転
軸)を支持するラジアルベアリング及び軸封装置の潤滑
構成に特徴を有する斜板式圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の斜板式圧縮機では、一般に図6
に示すように、ハウジングは互いに接合固定されたフロ
ントハウジング71、シリンダブロック72及びリヤハ
ウジング73で構成されている。駆動軸74は第1端部
がフロントハウジング71から突出するように、第1端
部側及び第2端部側において一対のラジアルベアリング
75,76を介してハウジングに回転可能に支持されて
いる。ハウジングには第1ラジアルベアリング75より
駆動軸74の第1端部寄りに、冷媒ガスがクランク室7
7から大気へ洩れるのを防止する軸封装置78が配設さ
れている。
に示すように、ハウジングは互いに接合固定されたフロ
ントハウジング71、シリンダブロック72及びリヤハ
ウジング73で構成されている。駆動軸74は第1端部
がフロントハウジング71から突出するように、第1端
部側及び第2端部側において一対のラジアルベアリング
75,76を介してハウジングに回転可能に支持されて
いる。ハウジングには第1ラジアルベアリング75より
駆動軸74の第1端部寄りに、冷媒ガスがクランク室7
7から大気へ洩れるのを防止する軸封装置78が配設さ
れている。
【0003】圧縮機ではベアリング等の摺動部の潤滑
は、冷媒ガス中にミスト状で存在する潤滑油によって行
われる。従って、冷媒ガスの流れが淀んだ部分では潤滑
が不充分になる。また、近年フロンに代えて二酸化炭素
(CO2)等、冷媒の臨界温度を超えた超臨界域で冷媒
を冷却する場合を含む熱交換を行う冷凍回路に使用され
る圧縮機も提案されている。このような冷媒を使用した
場合は、冷媒圧力がフロンを用いた場合の圧力よりも1
0倍以上となり、ベアリングや軸封装置への負荷が大き
くなるため、特に潤滑を良好に行う必要がある。
は、冷媒ガス中にミスト状で存在する潤滑油によって行
われる。従って、冷媒ガスの流れが淀んだ部分では潤滑
が不充分になる。また、近年フロンに代えて二酸化炭素
(CO2)等、冷媒の臨界温度を超えた超臨界域で冷媒
を冷却する場合を含む熱交換を行う冷凍回路に使用され
る圧縮機も提案されている。このような冷媒を使用した
場合は、冷媒圧力がフロンを用いた場合の圧力よりも1
0倍以上となり、ベアリングや軸封装置への負荷が大き
くなるため、特に潤滑を良好に行う必要がある。
【0004】特開平11−241681号公報には図6
に示すように、駆動軸74に減圧通路79が形成されて
いる。減圧通路79の入口79aが、第1ラジアルベア
リング75より駆動軸74の第1端部側の、軸封装置7
8が収容されている隔離室80と対応する位置に開口し
ており、減圧通路79の出口79bが駆動軸74の第2
端部端面に開口している。駆動軸74の第2端部にはフ
ァン81が嵌合止着されている。そして、ファン81が
駆動軸74と一体的に回転すると、減圧通路79内の冷
媒が出口79b側へ汲み出される。出口79b側へ汲み
出された冷媒はラジアルベアリング76の隙間からクラ
ンク室77へ流出する。
に示すように、駆動軸74に減圧通路79が形成されて
いる。減圧通路79の入口79aが、第1ラジアルベア
リング75より駆動軸74の第1端部側の、軸封装置7
8が収容されている隔離室80と対応する位置に開口し
ており、減圧通路79の出口79bが駆動軸74の第2
端部端面に開口している。駆動軸74の第2端部にはフ
ァン81が嵌合止着されている。そして、ファン81が
駆動軸74と一体的に回転すると、減圧通路79内の冷
媒が出口79b側へ汲み出される。出口79b側へ汲み
出された冷媒はラジアルベアリング76の隙間からクラ
ンク室77へ流出する。
【0005】隔離室80は、ラジアルベアリング75内
の隙間及びスラストベアリング82の隙間を介して、ク
ランク室77に連通されている。ラジアルベアリング7
5内の隙間及びスラストベアリング82内の隙間は油供
給通路として機能する。
の隙間及びスラストベアリング82の隙間を介して、ク
ランク室77に連通されている。ラジアルベアリング7
5内の隙間及びスラストベアリング82内の隙間は油供
給通路として機能する。
【0006】また、特開平8−165987号公報に
は、図7に示すように、駆動軸74の第2端部を吸入室
83に連通された室84に対向させ、駆動軸74には入
口85aを軸封装置78が収容されている隔離室80と
対応する位置に開口し、出口85bを室84に連通する
ように開口した連通路85が形成された構成が開示され
ている。
は、図7に示すように、駆動軸74の第2端部を吸入室
83に連通された室84に対向させ、駆動軸74には入
口85aを軸封装置78が収容されている隔離室80と
対応する位置に開口し、出口85bを室84に連通する
ように開口した連通路85が形成された構成が開示され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−2416
81号公報に開示の装置では、駆動軸74に設けられた
ファン81の作用によってクランク室77内の冷媒ガス
の一部が第1ラジアルベアリング75あるいはスラスト
ベアリング82の隙間を経て減圧通路79へ導入され、
第2ラジアルベアリング76の隙間を経てクランク室7
7へ戻る流れが発生し、両ラジアルベアリング75,7
6や軸封装置78の潤滑が良好になる。しかし、減圧通
路79の流れを生じさせるためのファン81が必要とな
り、構造が複雑になる。
81号公報に開示の装置では、駆動軸74に設けられた
ファン81の作用によってクランク室77内の冷媒ガス
の一部が第1ラジアルベアリング75あるいはスラスト
ベアリング82の隙間を経て減圧通路79へ導入され、
第2ラジアルベアリング76の隙間を経てクランク室7
7へ戻る流れが発生し、両ラジアルベアリング75,7
6や軸封装置78の潤滑が良好になる。しかし、減圧通
路79の流れを生じさせるためのファン81が必要とな
り、構造が複雑になる。
【0008】一方、特開平8−165987号公報に開
示された構成では、駆動軸74にファンを設ける代わり
に、駆動軸74の第2端部を吸入室83に連通する室8
4内に配置し、駆動軸74に隔離室80と室84とを連
通させる連通路85が形成されている。従って、この構
成ではファンを設けずにクランク室77の圧力と室84
との圧力差で冷媒がラジアルベアリング75,76ある
いはスラストベアリング82の隙間を通るように移動す
る。しかし、入口85aが第1ラジアルベアリング75
の配設位置とスラストベアリング82の配設位置との中
間にあるため、いずれか一方を通過する冷媒ガスの流れ
が弱くなって潤滑が不充分になる。
示された構成では、駆動軸74にファンを設ける代わり
に、駆動軸74の第2端部を吸入室83に連通する室8
4内に配置し、駆動軸74に隔離室80と室84とを連
通させる連通路85が形成されている。従って、この構
成ではファンを設けずにクランク室77の圧力と室84
との圧力差で冷媒がラジアルベアリング75,76ある
いはスラストベアリング82の隙間を通るように移動す
る。しかし、入口85aが第1ラジアルベアリング75
の配設位置とスラストベアリング82の配設位置との中
間にあるため、いずれか一方を通過する冷媒ガスの流れ
が弱くなって潤滑が不充分になる。
【0009】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、駆動軸を支持するラジアルベ
アリング及び軸封装置の潤滑を簡単な構成で良好に行う
ことができる斜板式圧縮機を提供することにある。
のであって、その目的は、駆動軸を支持するラジアルベ
アリング及び軸封装置の潤滑を簡単な構成で良好に行う
ことができる斜板式圧縮機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、吸入室及び吐出室を備
えたハウジングと、前記ハウジングに区画形成されたク
ランク室と、第1端部が前記ハウジングから突出するよ
うに、第1端部側及び第2端部側において第1及び第2
ラジアルベアリングを介して前記ハウジングに回転可能
に支持された駆動軸と、前記ハウジングに形成されたシ
リンダボア内に往復動可能に収容された片頭型のピスト
ンと、前記クランク室内に収容され、前記駆動軸の回転
運動を前記ピストンの往復運動に変換するため前記ピス
トンと作動連結されたカムプレートとを備えた斜板式圧
縮機であって、前記ハウジングには前記駆動軸の第1端
部側を支持する第1ラジアルベアリングより第1端部側
に前記駆動軸の軸封装置を収容する吸入圧領域が設けら
れ、前記駆動軸には前記吸入圧領域と前記クランク室と
を連通する経路の一部を構成する連通孔が、入口が前記
第2ラジアルベアリングより第2端部側に、出口が前記
第1ラジアルベアリングより第2端部側に位置するよう
に形成されている。
に、請求項1に記載の発明では、吸入室及び吐出室を備
えたハウジングと、前記ハウジングに区画形成されたク
ランク室と、第1端部が前記ハウジングから突出するよ
うに、第1端部側及び第2端部側において第1及び第2
ラジアルベアリングを介して前記ハウジングに回転可能
に支持された駆動軸と、前記ハウジングに形成されたシ
リンダボア内に往復動可能に収容された片頭型のピスト
ンと、前記クランク室内に収容され、前記駆動軸の回転
運動を前記ピストンの往復運動に変換するため前記ピス
トンと作動連結されたカムプレートとを備えた斜板式圧
縮機であって、前記ハウジングには前記駆動軸の第1端
部側を支持する第1ラジアルベアリングより第1端部側
に前記駆動軸の軸封装置を収容する吸入圧領域が設けら
れ、前記駆動軸には前記吸入圧領域と前記クランク室と
を連通する経路の一部を構成する連通孔が、入口が前記
第2ラジアルベアリングより第2端部側に、出口が前記
第1ラジアルベアリングより第2端部側に位置するよう
に形成されている。
【0011】この発明においては、駆動軸の回転運動が
カムプレートを介してピストンの往復運動に変換されて
冷媒ガスの圧縮動作が行われる。駆動軸の軸封装置を収
容する吸入圧領域には、クランク室内の圧力と、吸入圧
領域の圧力との差圧に基づいて、クランク室内の冷媒ガ
スが駆動軸に形成された連通孔を介して流入する。この
冷媒ガスの流れは、第2ラジアルベアリング及び第1ラ
ジアルベアリングを通過するため、両ラジアルベアリン
グの潤滑が良好に行われる。また、吸入圧領域に絶えず
冷媒ガスが流入するため、吸入圧領域に収容された軸封
装置の潤滑も良好に行われる。
カムプレートを介してピストンの往復運動に変換されて
冷媒ガスの圧縮動作が行われる。駆動軸の軸封装置を収
容する吸入圧領域には、クランク室内の圧力と、吸入圧
領域の圧力との差圧に基づいて、クランク室内の冷媒ガ
スが駆動軸に形成された連通孔を介して流入する。この
冷媒ガスの流れは、第2ラジアルベアリング及び第1ラ
ジアルベアリングを通過するため、両ラジアルベアリン
グの潤滑が良好に行われる。また、吸入圧領域に絶えず
冷媒ガスが流入するため、吸入圧領域に収容された軸封
装置の潤滑も良好に行われる。
【0012】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記吸入室及び吐出室は前記クラン
ク室に対して前記駆動軸の突出側に設けられ、前記軸封
装置は前記吸入室内に配置されている。
載の発明において、前記吸入室及び吐出室は前記クラン
ク室に対して前記駆動軸の突出側に設けられ、前記軸封
装置は前記吸入室内に配置されている。
【0013】この発明においては、駆動軸には、カムプ
レートを介してピストンの圧縮反力が作用するととも
に、第2端部にクランク室の圧力が作用する。そして、
後者の力が圧縮反力と逆方向に作用する。従って、前記
両者の作用方向が同じであった従来の圧縮機に比較して
駆動軸を駆動するための動力が大幅に低減される。ま
た、ハウジングから突出する駆動軸とハウジングとの間
をシールする軸封装置は吸入室と外気との差圧に耐える
シール力を確保すればよい。従って、吸入室より圧力の
高いクランク室と外気との差圧に耐えるシール力を必要
とする従来の圧縮機に比較して、軸封装置の寿命を伸ば
すことができるとともに軸シールの信頼性が向上する。
このことは、冷媒としてCO2を使用した場合のように
クランク室内の圧力がフロン冷媒に比較して大幅に高く
なる場合に特に有効となる。また、ピストンのストロー
クが一定の固定容量型の圧縮機に比較してクランク室の
圧力が高くなる可変容量型の場合により有効となる。
レートを介してピストンの圧縮反力が作用するととも
に、第2端部にクランク室の圧力が作用する。そして、
後者の力が圧縮反力と逆方向に作用する。従って、前記
両者の作用方向が同じであった従来の圧縮機に比較して
駆動軸を駆動するための動力が大幅に低減される。ま
た、ハウジングから突出する駆動軸とハウジングとの間
をシールする軸封装置は吸入室と外気との差圧に耐える
シール力を確保すればよい。従って、吸入室より圧力の
高いクランク室と外気との差圧に耐えるシール力を必要
とする従来の圧縮機に比較して、軸封装置の寿命を伸ば
すことができるとともに軸シールの信頼性が向上する。
このことは、冷媒としてCO2を使用した場合のように
クランク室内の圧力がフロン冷媒に比較して大幅に高く
なる場合に特に有効となる。また、ピストンのストロー
クが一定の固定容量型の圧縮機に比較してクランク室の
圧力が高くなる可変容量型の場合により有効となる。
【0014】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記カムプレートは傾
角が変更可能に前記駆動軸に対して支持され、前記圧縮
機は前記カムプレートの傾角を変更して前記ピストンの
ストロークを変更する傾角制御手段を備えている。な
お、カムプレートの傾角とは駆動軸に直交する仮想平面
とカムプレートとが成す角度を意味する。
請求項2に記載の発明において、前記カムプレートは傾
角が変更可能に前記駆動軸に対して支持され、前記圧縮
機は前記カムプレートの傾角を変更して前記ピストンの
ストロークを変更する傾角制御手段を備えている。な
お、カムプレートの傾角とは駆動軸に直交する仮想平面
とカムプレートとが成す角度を意味する。
【0015】この発明においては、傾角制御手段により
カムプレートの傾角が変更されてピストンのストローク
が変更される。傾角の変更は、ピストンのストロークが
冷房負荷に応じた値となるように行われ、圧縮機が適正
な吐出容量で運転される。
カムプレートの傾角が変更されてピストンのストローク
が変更される。傾角の変更は、ピストンのストロークが
冷房負荷に応じた値となるように行われ、圧縮機が適正
な吐出容量で運転される。
【0016】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記連通孔には途中に絞り部が設け
られている。従って、この発明では、連通孔を介してク
ランク室から吸入室へ排出される冷媒ガスの量が絞り部
で調整され、クランク室内の圧力を変更して斜板の傾角
を変更する際の操作が円滑に行われる。また、連通孔全
体の径を小さくする構成に比較して加工が簡単になる。
載の発明において、前記連通孔には途中に絞り部が設け
られている。従って、この発明では、連通孔を介してク
ランク室から吸入室へ排出される冷媒ガスの量が絞り部
で調整され、クランク室内の圧力を変更して斜板の傾角
を変更する際の操作が円滑に行われる。また、連通孔全
体の径を小さくする構成に比較して加工が簡単になる。
【0017】請求項5の発明では、請求項1〜請求項4
のいずれか一項において、前記軸封装置はメカニカルシ
ールよりなる。メカニカルシールは耐圧性に優れ、例え
ば冷媒としてCO2を使用した場合のように、冷媒圧力
がフロン冷媒に比較して大幅に高くなる場合に、特に有
効なシール作用を奏する。
のいずれか一項において、前記軸封装置はメカニカルシ
ールよりなる。メカニカルシールは耐圧性に優れ、例え
ば冷媒としてCO2を使用した場合のように、冷媒圧力
がフロン冷媒に比較して大幅に高くなる場合に、特に有
効なシール作用を奏する。
【0018】請求項6の発明では、請求項1〜請求項4
のいずれか一項において、前記軸封装置はリップシール
よりなる。リップシールは軸封装置を安価に構成するこ
とができるし、オイルシール性に優れる。
のいずれか一項において、前記軸封装置はリップシール
よりなる。リップシールは軸封装置を安価に構成するこ
とができるし、オイルシール性に優れる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を車両用空調装置の
可変容量型圧縮機に具体化した一実施の形態を図1及び
図2に従って説明する。
可変容量型圧縮機に具体化した一実施の形態を図1及び
図2に従って説明する。
【0020】図1に示すように、圧縮機10のハウジン
グ11を構成するフロントハウジング12、シリンダブ
ロック13及びリヤハウジング14は、ハウジング11
の第1端部側(図1の左側)から順に配置され、複数の
通しボルト(1本のみ図示)15によって相互に接合固
定されている。弁・ポート形成体16はフロントハウジ
ング12とシリンダブロック13との間に介装されてい
る。クランク室17は、シリンダブロック13とリヤハ
ウジング14とで囲まれた領域に区画されている。
グ11を構成するフロントハウジング12、シリンダブ
ロック13及びリヤハウジング14は、ハウジング11
の第1端部側(図1の左側)から順に配置され、複数の
通しボルト(1本のみ図示)15によって相互に接合固
定されている。弁・ポート形成体16はフロントハウジ
ング12とシリンダブロック13との間に介装されてい
る。クランク室17は、シリンダブロック13とリヤハ
ウジング14とで囲まれた領域に区画されている。
【0021】駆動軸18は、弁・ポート形成体16に形
成された孔を遊貫するとともに、第1端部がフロントハ
ウジング12から突出し、第2端部がクランク室17内
に配置された状態でハウジング11に回転可能に支承さ
れている。フロントハウジング12には駆動軸18の第
1端部寄りと対応する位置に吸入圧領域としての吸入室
19が形成され、吸入室19を取り囲むようにほぼ環状
の吐出室20が区画形成されている。フロントハウジン
グ12には吸入室19の弁・ポート形成体16と対向す
る側に収容凹部21が形成されている。シリンダブロッ
ク13にはクランク室17と吸入室19とを連通するよ
うに軸孔22が形成されている。リヤハウジング14に
はクランク室17側に収容凹部23が形成されている。
収容凹部23はクランク室17の一部を構成する。
成された孔を遊貫するとともに、第1端部がフロントハ
ウジング12から突出し、第2端部がクランク室17内
に配置された状態でハウジング11に回転可能に支承さ
れている。フロントハウジング12には駆動軸18の第
1端部寄りと対応する位置に吸入圧領域としての吸入室
19が形成され、吸入室19を取り囲むようにほぼ環状
の吐出室20が区画形成されている。フロントハウジン
グ12には吸入室19の弁・ポート形成体16と対向す
る側に収容凹部21が形成されている。シリンダブロッ
ク13にはクランク室17と吸入室19とを連通するよ
うに軸孔22が形成されている。リヤハウジング14に
はクランク室17側に収容凹部23が形成されている。
収容凹部23はクランク室17の一部を構成する。
【0022】駆動軸18は軸孔22、吸入室19、収容
凹部21及びフロントハウジング12に形成された挿通
孔を貫通した状態で、中間部が軸孔22内に配設された
第1ラジアルベアリング24を介して、第2端部が収容
凹部23内に配設された第2ラジアルベアリング25を
介してシリンダブロック13及びリヤハウジング14に
回転可能に支持されている。
凹部21及びフロントハウジング12に形成された挿通
孔を貫通した状態で、中間部が軸孔22内に配設された
第1ラジアルベアリング24を介して、第2端部が収容
凹部23内に配設された第2ラジアルベアリング25を
介してシリンダブロック13及びリヤハウジング14に
回転可能に支持されている。
【0023】吸入室19内にはメカニカルシールよりな
る軸封装置26が配設されている。すなわち、図2
(a)に示すように、軸封装置26は、収容凹部21に
嵌合固定されたリング27と、駆動軸18にO(オー)
リング28を介して一体回転可能に取り付けられるとと
もに、リング27に摺接するカーボン製の摺動リング2
9とを備えている。リング27は駆動軸18に遊挿され
るとともに、フロントハウジング12との間にOリング
30が介装されている。摺動リング29の外周部には溝
29aが形成されている。また、軸封装置26は、駆動
軸18と一体回転可能な支持リング31を備え、支持リ
ング31は溝29aと係合する掛止片31aを備えると
ともに、摺動リング29をリング27側に付勢する付勢
手段としてのバネ32を備えている。そして、駆動軸1
8とハウジング11との間のシールが、Oリング28、
摺動リング29、リング27及びOリング30間の接触
により保持される。
る軸封装置26が配設されている。すなわち、図2
(a)に示すように、軸封装置26は、収容凹部21に
嵌合固定されたリング27と、駆動軸18にO(オー)
リング28を介して一体回転可能に取り付けられるとと
もに、リング27に摺接するカーボン製の摺動リング2
9とを備えている。リング27は駆動軸18に遊挿され
るとともに、フロントハウジング12との間にOリング
30が介装されている。摺動リング29の外周部には溝
29aが形成されている。また、軸封装置26は、駆動
軸18と一体回転可能な支持リング31を備え、支持リ
ング31は溝29aと係合する掛止片31aを備えると
ともに、摺動リング29をリング27側に付勢する付勢
手段としてのバネ32を備えている。そして、駆動軸1
8とハウジング11との間のシールが、Oリング28、
摺動リング29、リング27及びOリング30間の接触
により保持される。
【0024】複数(図面には一つのみ示す)のシリンダ
ボア33は、駆動軸18を等角度間隔にて取り囲むよう
にしてシリンダブロック13に形成されている。即ち、
シリンダボア33は、ハウジング11内のクランク室1
7と弁・ポート形成体16との間に形成されている。片
頭型のピストン34は、各シリンダボア33に往復動可
能に収容されている。シリンダボア33の前後開口は、
弁・ポート形成体16及びピストン34によって閉塞さ
れており、シリンダボア33内にはピストン34の往復
動に応じて体積変化する圧縮室35が区画されている。
ボア33は、駆動軸18を等角度間隔にて取り囲むよう
にしてシリンダブロック13に形成されている。即ち、
シリンダボア33は、ハウジング11内のクランク室1
7と弁・ポート形成体16との間に形成されている。片
頭型のピストン34は、各シリンダボア33に往復動可
能に収容されている。シリンダボア33の前後開口は、
弁・ポート形成体16及びピストン34によって閉塞さ
れており、シリンダボア33内にはピストン34の往復
動に応じて体積変化する圧縮室35が区画されている。
【0025】回転支持体としてのラグプレート36は、
クランク室17において駆動軸18の第2端部側に一体
回転可能に固定されている。ラグプレート36は第1の
スラストベアリング37を介してリヤハウジング14の
内壁面14aに当接している。内壁面14aはピストン
34の圧縮反力による軸荷重を支承し、駆動軸18の軸
方向位置を規制する規制面として機能する。
クランク室17において駆動軸18の第2端部側に一体
回転可能に固定されている。ラグプレート36は第1の
スラストベアリング37を介してリヤハウジング14の
内壁面14aに当接している。内壁面14aはピストン
34の圧縮反力による軸荷重を支承し、駆動軸18の軸
方向位置を規制する規制面として機能する。
【0026】カムプレートとしての斜板38は、貫通孔
38aに駆動軸18が貫通された状態でクランク室17
内に配設されている。ヒンジ機構39は、ラグプレート
36と斜板38との間に介在されている。ヒンジ機構3
9は、ラグプレート36のフロント面から突設された2
本の支持アーム40(1本のみ図示)と、各支持アーム
40に形成されたガイド孔41と、斜板38に固定され
た2本のガイドピン(一本のみ図示)42とから構成さ
れている。各ガイドピン42は先端にガイド孔41と係
合する球状部42aを備えている。そして、斜板38
は、ヒンジ機構39を介したラグプレート36との間で
のヒンジ連結及び駆動軸18の支持により、ラグプレー
ト36及び駆動軸18と同期回転可能で、かつ駆動軸1
8の軸線方向へのスライド移動を伴いながら駆動軸18
に対し傾動可能となっている。ラグプレート36及びヒ
ンジ機構39は傾角制御手段を構成する。なお、斜板3
8には、駆動軸18を挟んでヒンジ機構39と反対側に
カウンタウェイト部38bが一体に形成されている。
38aに駆動軸18が貫通された状態でクランク室17
内に配設されている。ヒンジ機構39は、ラグプレート
36と斜板38との間に介在されている。ヒンジ機構3
9は、ラグプレート36のフロント面から突設された2
本の支持アーム40(1本のみ図示)と、各支持アーム
40に形成されたガイド孔41と、斜板38に固定され
た2本のガイドピン(一本のみ図示)42とから構成さ
れている。各ガイドピン42は先端にガイド孔41と係
合する球状部42aを備えている。そして、斜板38
は、ヒンジ機構39を介したラグプレート36との間で
のヒンジ連結及び駆動軸18の支持により、ラグプレー
ト36及び駆動軸18と同期回転可能で、かつ駆動軸1
8の軸線方向へのスライド移動を伴いながら駆動軸18
に対し傾動可能となっている。ラグプレート36及びヒ
ンジ機構39は傾角制御手段を構成する。なお、斜板3
8には、駆動軸18を挟んでヒンジ機構39と反対側に
カウンタウェイト部38bが一体に形成されている。
【0027】駆動軸18には軸孔22のクランク室17
寄りの大径部22aと対応する位置に係止リング(例え
ばサークリップ)43が固着されている。大径部22a
内には第2のスラストベアリング44が駆動軸18に挿
通された状態で収容され、係止リング43とスラストベ
アリング44との間の駆動軸18上には付勢手段として
の第1コイルバネ45が巻装されている。このコイルバ
ネ45は少なくとも圧縮機10の運転停止時に駆動軸1
8を、駆動軸18の軸方向位置を規制する前記規制面
(内壁面14a)に向けて付勢する。
寄りの大径部22aと対応する位置に係止リング(例え
ばサークリップ)43が固着されている。大径部22a
内には第2のスラストベアリング44が駆動軸18に挿
通された状態で収容され、係止リング43とスラストベ
アリング44との間の駆動軸18上には付勢手段として
の第1コイルバネ45が巻装されている。このコイルバ
ネ45は少なくとも圧縮機10の運転停止時に駆動軸1
8を、駆動軸18の軸方向位置を規制する前記規制面
(内壁面14a)に向けて付勢する。
【0028】ラグプレート36と斜板38との間におい
て駆動軸18上には、傾角減少バネとしての第2コイル
バネ46が巻装されている。このコイルバネ46は斜板
38をシリンダブロック13に接近する方向(即ち傾角
減少方向)に付勢する。
て駆動軸18上には、傾角減少バネとしての第2コイル
バネ46が巻装されている。このコイルバネ46は斜板
38をシリンダブロック13に接近する方向(即ち傾角
減少方向)に付勢する。
【0029】また、斜板38と係止リング43との間に
おいて駆動軸18上には、復帰バネとしての第3コイル
バネ47が設けられている。斜板38が大傾角状態にあ
るとき(例えば図1に実線で示す位置にあるとき)に
は、第3コイルバネ47は、自然長のまま駆動軸18の
周囲に単に存在するのみで斜板38やその他の部材に対
していかなる付勢作用も及ぼさない。他方、図1に鎖線
で示すように斜板38が小傾角状態に移行すると、第3
コイルバネ47は斜板38と係止リング43との間に挟
まれて収縮されると共に、係止リング43を支座として
コイルの収縮の程度に応じて斜板38をシリンダブロッ
ク13から離間する方向(即ち傾角増大方向)に付勢す
る。
おいて駆動軸18上には、復帰バネとしての第3コイル
バネ47が設けられている。斜板38が大傾角状態にあ
るとき(例えば図1に実線で示す位置にあるとき)に
は、第3コイルバネ47は、自然長のまま駆動軸18の
周囲に単に存在するのみで斜板38やその他の部材に対
していかなる付勢作用も及ぼさない。他方、図1に鎖線
で示すように斜板38が小傾角状態に移行すると、第3
コイルバネ47は斜板38と係止リング43との間に挟
まれて収縮されると共に、係止リング43を支座として
コイルの収縮の程度に応じて斜板38をシリンダブロッ
ク13から離間する方向(即ち傾角増大方向)に付勢す
る。
【0030】ピストン34はシュー48を介して斜板3
8の周縁部に係留されている。従って、駆動軸18の回
転に伴う斜板38の回転運動が、シュー48を介してピ
ストン34の往復運動に変換される。斜板38及びシュ
ー48は共に鉄系金属製で、斜板38のシュー48との
摺接部には焼付き防止のための表面処理、例えば、アル
ミニウム系金属の溶射や摩擦圧接等の処理が施されてい
る。
8の周縁部に係留されている。従って、駆動軸18の回
転に伴う斜板38の回転運動が、シュー48を介してピ
ストン34の往復運動に変換される。斜板38及びシュ
ー48は共に鉄系金属製で、斜板38のシュー48との
摺接部には焼付き防止のための表面処理、例えば、アル
ミニウム系金属の溶射や摩擦圧接等の処理が施されてい
る。
【0031】駆動軸18は、動力伝達機構49を介して
駆動源としてのエンジン50に作動連結されている。動
力伝達機構49は、外部からの電気制御によって動力の
伝達/遮断を選択可能なクラッチ機構(例えば電磁クラ
ッチ)であってもよく、又は、そのようなクラッチ機構
を持たない常時伝達型のクラッチレス機構(例えばベル
ト/プーリの組合せ)であってもよい。なお、本実施形
態では、クラッチレスタイプの動力伝達機構49が採用
されている。
駆動源としてのエンジン50に作動連結されている。動
力伝達機構49は、外部からの電気制御によって動力の
伝達/遮断を選択可能なクラッチ機構(例えば電磁クラ
ッチ)であってもよく、又は、そのようなクラッチ機構
を持たない常時伝達型のクラッチレス機構(例えばベル
ト/プーリの組合せ)であってもよい。なお、本実施形
態では、クラッチレスタイプの動力伝達機構49が採用
されている。
【0032】弁・ポート形成体16には各シリンダボア
33に対応して、吸入ポート51、同ポート51を開閉
する吸入弁52、吐出ポート53、及び同ポート53を
開閉する吐出弁54が形成されている。吸入ポート51
を介して吸入室19と各シリンダボア33とが連通さ
れ、吐出ポート53を介して各シリンダボア33と吐出
室20とが連通される。
33に対応して、吸入ポート51、同ポート51を開閉
する吸入弁52、吐出ポート53、及び同ポート53を
開閉する吐出弁54が形成されている。吸入ポート51
を介して吸入室19と各シリンダボア33とが連通さ
れ、吐出ポート53を介して各シリンダボア33と吐出
室20とが連通される。
【0033】シリンダブロック13及びリヤハウジング
14にはクランク室17と吐出室20とを連通する給気
通路55が設けられ、給気通路55の途中には、傾角制
御手段を構成する制御弁56が設けられている。給気通
路55の出口55aは第1のスラストベアリング37の
上方に形成されている。制御弁56は公知の電磁弁より
なり、弁室が給気通路55上に形成され、ソレノイドの
励磁により給気通路55が開放され、ソレノイドの消磁
により給気通路55が閉塞されるようになっている。ま
た、ソレノイドの励磁電流の大きさにより開度が調整可
能となっている。
14にはクランク室17と吐出室20とを連通する給気
通路55が設けられ、給気通路55の途中には、傾角制
御手段を構成する制御弁56が設けられている。給気通
路55の出口55aは第1のスラストベアリング37の
上方に形成されている。制御弁56は公知の電磁弁より
なり、弁室が給気通路55上に形成され、ソレノイドの
励磁により給気通路55が開放され、ソレノイドの消磁
により給気通路55が閉塞されるようになっている。ま
た、ソレノイドの励磁電流の大きさにより開度が調整可
能となっている。
【0034】吸入室19と吐出室20とは外部冷媒回路
57で接続されている。外部冷媒回路57と前記構成の
可変容量型圧縮機とで、車両空調装置の冷凍回路が構成
されている。
57で接続されている。外部冷媒回路57と前記構成の
可変容量型圧縮機とで、車両空調装置の冷凍回路が構成
されている。
【0035】図1及び図2(b),(c)に示すよう
に、駆動軸18には吸入室19とクランク室17とを連
通する経路の一部を構成する連通孔60が形成されてい
る。連通孔60は、入口60aが第2ラジアルベアリン
グ25より第2端部側に、出口60bが第1ラジアルベ
アリング24より第2端部側に位置するように形成され
ている。連通孔60の途中には絞り部61が設けられて
いる。絞り部61は所定の小径の孔が形成された別部材
を連通孔60内に嵌合固定することで形成されている。
に、駆動軸18には吸入室19とクランク室17とを連
通する経路の一部を構成する連通孔60が形成されてい
る。連通孔60は、入口60aが第2ラジアルベアリン
グ25より第2端部側に、出口60bが第1ラジアルベ
アリング24より第2端部側に位置するように形成され
ている。連通孔60の途中には絞り部61が設けられて
いる。絞り部61は所定の小径の孔が形成された別部材
を連通孔60内に嵌合固定することで形成されている。
【0036】駆動軸18の第2端部には連通孔60の入
口60aの開口する部分にフィルタ62が一体回転可能
に固定されている。フィルタ62は、例えば網、多数の
孔が形成された板あるいは多孔質プレートで形成されて
いる。連通孔60はクランク室17と吸入室19とを連
通する抽気通路を構成する。
口60aの開口する部分にフィルタ62が一体回転可能
に固定されている。フィルタ62は、例えば網、多数の
孔が形成された板あるいは多孔質プレートで形成されて
いる。連通孔60はクランク室17と吸入室19とを連
通する抽気通路を構成する。
【0037】軸孔22内において駆動軸18の外周面と
シリンダブロック13内面との間には、シール部材とし
てのシールリング63が出口60bより第2のスラスト
ベアリング44側に設けられている。シールリング63
は、軸孔22を介してクランク室17内の圧力が吸入室
19に洩れるのを防止する。シールリング63は例えば
ゴム材やフッ素樹脂で形成され、断面形状はU字形状に
形成されている。従って、クランク室17と吸入室19
とを連通する経路は連通孔60だけとなる。
シリンダブロック13内面との間には、シール部材とし
てのシールリング63が出口60bより第2のスラスト
ベアリング44側に設けられている。シールリング63
は、軸孔22を介してクランク室17内の圧力が吸入室
19に洩れるのを防止する。シールリング63は例えば
ゴム材やフッ素樹脂で形成され、断面形状はU字形状に
形成されている。従って、クランク室17と吸入室19
とを連通する経路は連通孔60だけとなる。
【0038】次に前記のように構成された圧縮機の作用
を説明する。駆動軸18の回転に伴いラグプレート36
及びヒンジ機構39を介して斜板38が一体回転され、
斜板38の回転運動がシュー48を介して各ピストン3
4の往復運動に変換される。この駆動の継続によって圧
縮室35では、冷媒の吸入、圧縮及び吐出が順次繰り返
される。外部冷媒回路57から吸入室19に供給された
冷媒は、吸入ポート51を介して圧縮室35に吸入さ
れ、ピストン34の移動による圧縮作用を受けた後、吐
出ポート53を介して吐出室20に吐出される。吐出室
20に吐出された冷媒は吐出通路を経て外部冷媒回路5
7に送り出される。
を説明する。駆動軸18の回転に伴いラグプレート36
及びヒンジ機構39を介して斜板38が一体回転され、
斜板38の回転運動がシュー48を介して各ピストン3
4の往復運動に変換される。この駆動の継続によって圧
縮室35では、冷媒の吸入、圧縮及び吐出が順次繰り返
される。外部冷媒回路57から吸入室19に供給された
冷媒は、吸入ポート51を介して圧縮室35に吸入さ
れ、ピストン34の移動による圧縮作用を受けた後、吐
出ポート53を介して吐出室20に吐出される。吐出室
20に吐出された冷媒は吐出通路を経て外部冷媒回路5
7に送り出される。
【0039】そして、図示しない制御装置により、制御
弁56の開度、即ち給気通路55の開度が冷房負荷に応
じて調整され、吐出室20とクランク室17との連通状
態が変更される。
弁56の開度、即ち給気通路55の開度が冷房負荷に応
じて調整され、吐出室20とクランク室17との連通状
態が変更される。
【0040】冷房負荷が大きい場合は給気通路55の開
度が減少され、吐出室20からクランク室17に供給さ
れる冷媒ガスの流量が減少する。クランク室17に供給
される冷媒ガスの量が減少すると、連通孔(抽気通路)
60を介した吸入室19への冷媒ガスの逃がしにより、
クランク室17の圧力が次第に低下する。その結果、ク
ランク室17の圧力とシリンダボア33の圧力とのピス
トン34を介した差が小さくなるため、斜板38が最大
傾斜角側に変位される。従って、ピストン34のストロ
ーク量が増大し、吐出容量が増大される。
度が減少され、吐出室20からクランク室17に供給さ
れる冷媒ガスの流量が減少する。クランク室17に供給
される冷媒ガスの量が減少すると、連通孔(抽気通路)
60を介した吸入室19への冷媒ガスの逃がしにより、
クランク室17の圧力が次第に低下する。その結果、ク
ランク室17の圧力とシリンダボア33の圧力とのピス
トン34を介した差が小さくなるため、斜板38が最大
傾斜角側に変位される。従って、ピストン34のストロ
ーク量が増大し、吐出容量が増大される。
【0041】逆に、冷房負荷が小さくなると、制御弁5
6の開度が増大され、吐出室20からクランク室17に
供給される冷媒ガスの流量が増大する。クランク室17
に供給される冷媒ガスの量が、連通孔60を介した吸入
室19への冷媒ガスの逃がし量を上回ると、クランク室
17の圧力が次第に上昇していく。その結果、クランク
室17の圧力とシリンダボア33の圧力とのピストン3
4を介した差が大きくなるため、斜板38が最小傾斜角
側に変位される。従って、ピストン34のストローク量
が減少し、吐出容量が減少される。
6の開度が増大され、吐出室20からクランク室17に
供給される冷媒ガスの流量が増大する。クランク室17
に供給される冷媒ガスの量が、連通孔60を介した吸入
室19への冷媒ガスの逃がし量を上回ると、クランク室
17の圧力が次第に上昇していく。その結果、クランク
室17の圧力とシリンダボア33の圧力とのピストン3
4を介した差が大きくなるため、斜板38が最小傾斜角
側に変位される。従って、ピストン34のストローク量
が減少し、吐出容量が減少される。
【0042】ピストン34が冷媒ガスの圧縮動作を行う
際、駆動軸18にはピストン34の圧縮反力F1がシュ
ー48、ヒンジ機構39及びラグプレート36を介して
リヤハウジング14側に向かうように作用する。また、
駆動軸18の第2端部にはクランク室17の圧力Pcが
圧縮反力F1と逆向きに作用するとともに、第1端部に
はクランク室17の圧力Pcより低圧雰囲気にある外気
圧(大気圧Pa)が圧縮反力F1と同じ向きに作用す
る。即ち、クランク室17の圧力Pcと外気圧(大気圧
Pa)との差圧にクランク室17内における駆動軸18
のシールリング63と対応する部分の断面積Sを掛け合
わせた力F2=(Pc−Pa)・Sが前記圧縮反力F1
と逆向きに駆動軸18に作用する。従来は、圧縮反力F
1及び力F2の作用方向が同じであったのに対して、本
発明では後者の力F2が圧縮反力F1と逆方向に作用す
る。従って、駆動軸18を駆動するための動力が低減さ
れる。
際、駆動軸18にはピストン34の圧縮反力F1がシュ
ー48、ヒンジ機構39及びラグプレート36を介して
リヤハウジング14側に向かうように作用する。また、
駆動軸18の第2端部にはクランク室17の圧力Pcが
圧縮反力F1と逆向きに作用するとともに、第1端部に
はクランク室17の圧力Pcより低圧雰囲気にある外気
圧(大気圧Pa)が圧縮反力F1と同じ向きに作用す
る。即ち、クランク室17の圧力Pcと外気圧(大気圧
Pa)との差圧にクランク室17内における駆動軸18
のシールリング63と対応する部分の断面積Sを掛け合
わせた力F2=(Pc−Pa)・Sが前記圧縮反力F1
と逆向きに駆動軸18に作用する。従来は、圧縮反力F
1及び力F2の作用方向が同じであったのに対して、本
発明では後者の力F2が圧縮反力F1と逆方向に作用す
る。従って、駆動軸18を駆動するための動力が低減さ
れる。
【0043】また、クラッチレスタイプの場合は空調装
置の運転を停止した状態においても駆動軸18にエンジ
ン50の回転が伝達される。このとき、斜板38の傾角
は最小に保持されるが、ピストン34の圧縮動作が行わ
れ(圧縮機のオフ運転)駆動軸18に圧縮反力F1が作
用する。しかし、前記のように駆動軸18にクランク圧
Pcと大気圧Paとの差圧に基づく力F2が圧縮反力F
1を打ち消す方向に作用するため、圧縮機10のオフ運
転時の動力消費が低減される。
置の運転を停止した状態においても駆動軸18にエンジ
ン50の回転が伝達される。このとき、斜板38の傾角
は最小に保持されるが、ピストン34の圧縮動作が行わ
れ(圧縮機のオフ運転)駆動軸18に圧縮反力F1が作
用する。しかし、前記のように駆動軸18にクランク圧
Pcと大気圧Paとの差圧に基づく力F2が圧縮反力F
1を打ち消す方向に作用するため、圧縮機10のオフ運
転時の動力消費が低減される。
【0044】圧縮機10の運転停止時、即ちピストン3
4の圧縮反力F1が駆動軸18に作用しない時には、駆
動軸18を前記規制面に向けて付勢する力がなくなる。
ハウジング11内の圧力は外気の圧力Paより高いた
め、駆動軸18を前記規制面に向けて付勢する力がない
状態では、駆動軸18が第1端部側即ちリヤハウジング
14から離れる方向に移動され、ラグプレート36がス
ラストベアリング37から離間する。しかし、この実施
の形態では、第1コイルバネ45が常に駆動軸18をリ
ヤハウジングl4側へ付勢しているため、圧縮機10の
運転停止中もラグプレート36がスラストベアリング3
7に当接した状態に保持される。
4の圧縮反力F1が駆動軸18に作用しない時には、駆
動軸18を前記規制面に向けて付勢する力がなくなる。
ハウジング11内の圧力は外気の圧力Paより高いた
め、駆動軸18を前記規制面に向けて付勢する力がない
状態では、駆動軸18が第1端部側即ちリヤハウジング
14から離れる方向に移動され、ラグプレート36がス
ラストベアリング37から離間する。しかし、この実施
の形態では、第1コイルバネ45が常に駆動軸18をリ
ヤハウジングl4側へ付勢しているため、圧縮機10の
運転停止中もラグプレート36がスラストベアリング3
7に当接した状態に保持される。
【0045】クランク室17と吸入室19とが駆動軸1
8に形成された連通孔60を介して連通され、連通孔6
0の出口60bよりクランク室17側にはシールリング
63が設けられている。従って、クランク室17と吸入
室19とを連通する経路は、第1のスラストベアリング
37の隙間、ラグプレート36とリヤハウジング14の
内壁面14aとの隙間、第2ラジアルベアリング25の
隙間、収容凹部23、連通孔60及び第1ラジアルベア
リング24の隙間を通る経路のみとなる。その結果、ク
ランク室17の圧力Pcと吸入室19の圧力Psとの差
圧に基づいてクランク室17から吸入室19へ移動する
冷媒ガスの流れは、第1のスラストベアリング37、第
2ラジアルベアリング25及び第1ラジアルベアリング
24を必ず通過し、各ベアリング37,25,24が冷
媒ガス中の潤滑油によって確実に潤滑される。
8に形成された連通孔60を介して連通され、連通孔6
0の出口60bよりクランク室17側にはシールリング
63が設けられている。従って、クランク室17と吸入
室19とを連通する経路は、第1のスラストベアリング
37の隙間、ラグプレート36とリヤハウジング14の
内壁面14aとの隙間、第2ラジアルベアリング25の
隙間、収容凹部23、連通孔60及び第1ラジアルベア
リング24の隙間を通る経路のみとなる。その結果、ク
ランク室17の圧力Pcと吸入室19の圧力Psとの差
圧に基づいてクランク室17から吸入室19へ移動する
冷媒ガスの流れは、第1のスラストベアリング37、第
2ラジアルベアリング25及び第1ラジアルベアリング
24を必ず通過し、各ベアリング37,25,24が冷
媒ガス中の潤滑油によって確実に潤滑される。
【0046】また、軸封装置26が収容された吸入室1
9に絶えず冷媒ガスが流入するため、軸封装置26の潤
滑も良好に行われる。この実施の形態は以下に示す効果
を有する。
9に絶えず冷媒ガスが流入するため、軸封装置26の潤
滑も良好に行われる。この実施の形態は以下に示す効果
を有する。
【0047】(1) ハウジング11に、駆動軸18の
第1端部側を支持する第1ラジアルベアリング24より
第1端部側に駆動軸18の軸封装置26を収容する吸入
圧領域が設けられ、駆動軸18には該吸入圧領域とクラ
ンク室17とを連通する経路の一部を構成する連通孔6
0が、入口60aが第2ラジアルベアリング25より第
2端部側に、出口60bが第1ラジアルベアリング24
より第2端部側に位置するように形成されている。従っ
て、クランク室17から吸入圧領域へ向かう冷媒ガスの
流れが、両ラジアルベアリング24,25を確実に通過
し、冷媒ガス中に含まれる潤滑油によって両ラジアルベ
アリング24,25の潤滑が良好に行われる。また、吸
入の冷媒ガスにより軸封装置26の雰囲気温度が従来の
構成に比べて低くなり、耐久性が向上する。
第1端部側を支持する第1ラジアルベアリング24より
第1端部側に駆動軸18の軸封装置26を収容する吸入
圧領域が設けられ、駆動軸18には該吸入圧領域とクラ
ンク室17とを連通する経路の一部を構成する連通孔6
0が、入口60aが第2ラジアルベアリング25より第
2端部側に、出口60bが第1ラジアルベアリング24
より第2端部側に位置するように形成されている。従っ
て、クランク室17から吸入圧領域へ向かう冷媒ガスの
流れが、両ラジアルベアリング24,25を確実に通過
し、冷媒ガス中に含まれる潤滑油によって両ラジアルベ
アリング24,25の潤滑が良好に行われる。また、吸
入の冷媒ガスにより軸封装置26の雰囲気温度が従来の
構成に比べて低くなり、耐久性が向上する。
【0048】(2) 吸入室19が前記吸入圧領域を構
成するため、吸入圧領域を別に配設する必要がなく、構
造が簡単になる。 (3) 連通孔60の出口60bよりクランク室17側
(駆動軸18の第2端部側)にシールリング63が設け
られ、クランク室17から吸入圧領域へ向かう冷媒ガス
の流れる経路が、第1のスラストベアリング37及び両
ラジアルベアリング24,25を通過する経路だけにな
り、各ベアリング24,25,37の潤滑がより良好に
行われる。また、クランク室17の冷媒ガスは、抽気通
路として機能する連通孔60からのみ吸入室19に抽気
されるため、吐出容量を変更する際のクランク室17の
圧力調整を精度良く行うことが可能になる。
成するため、吸入圧領域を別に配設する必要がなく、構
造が簡単になる。 (3) 連通孔60の出口60bよりクランク室17側
(駆動軸18の第2端部側)にシールリング63が設け
られ、クランク室17から吸入圧領域へ向かう冷媒ガス
の流れる経路が、第1のスラストベアリング37及び両
ラジアルベアリング24,25を通過する経路だけにな
り、各ベアリング24,25,37の潤滑がより良好に
行われる。また、クランク室17の冷媒ガスは、抽気通
路として機能する連通孔60からのみ吸入室19に抽気
されるため、吐出容量を変更する際のクランク室17の
圧力調整を精度良く行うことが可能になる。
【0049】(4) 吸入室19及び吐出室20はクラ
ンク室17に対して駆動軸18の突出側に設けられ、軸
封装置26は吸入室19内に配置されている。従って、
吸入室19より圧力の高いクランク室17と外気との差
圧に耐えるシール力を必要とする従来の圧縮機に比較し
て、軸封装置26の寿命を伸ばすことができるとともに
軸シールの信頼性が向上する。また、駆動軸18に対し
てクランク室17の圧力Pcと外気(大気)Paとの差
圧に比例した力F2が、駆動軸18に作用する圧縮反力
F1と逆方向に作用する。従って、前記両者F1,F2
の作用方向が同じである従来の圧縮機に比較して、駆動
軸18を駆動するための動力を大幅に低減できる。ま
た、スラストベアリング37の耐久性が向上する。これ
らの効果は、冷媒としてCO2を使用した場合のように
クランク室17内の圧力がフロン冷媒に比較して大幅に
高くなる場合に特に有効となる。また、ピストン34の
ストロークが一定の固定容量型の圧縮機に比較してクラ
ンク室17の圧力が高くなる可変容量型の場合により有
効となる。
ンク室17に対して駆動軸18の突出側に設けられ、軸
封装置26は吸入室19内に配置されている。従って、
吸入室19より圧力の高いクランク室17と外気との差
圧に耐えるシール力を必要とする従来の圧縮機に比較し
て、軸封装置26の寿命を伸ばすことができるとともに
軸シールの信頼性が向上する。また、駆動軸18に対し
てクランク室17の圧力Pcと外気(大気)Paとの差
圧に比例した力F2が、駆動軸18に作用する圧縮反力
F1と逆方向に作用する。従って、前記両者F1,F2
の作用方向が同じである従来の圧縮機に比較して、駆動
軸18を駆動するための動力を大幅に低減できる。ま
た、スラストベアリング37の耐久性が向上する。これ
らの効果は、冷媒としてCO2を使用した場合のように
クランク室17内の圧力がフロン冷媒に比較して大幅に
高くなる場合に特に有効となる。また、ピストン34の
ストロークが一定の固定容量型の圧縮機に比較してクラ
ンク室17の圧力が高くなる可変容量型の場合により有
効となる。
【0050】(5) 駆動軸18に形成された連通孔6
0が抽気通路の役割を果たし、連通孔60の途中に絞り
部61が形成されている。冷媒としてクランク室17内
が高圧になるCO2を使用する際には、抽気通路の径の
僅かな違いで吸入室19への抽気量が大きく変化し、容
量制御を正確に行うのが難しくなる。抽気通路としての
連通孔60を一定径で形成する場合は加工がし難いが、
途中に絞り部61を挿入して設けることにより、加工が
簡単になる。
0が抽気通路の役割を果たし、連通孔60の途中に絞り
部61が形成されている。冷媒としてクランク室17内
が高圧になるCO2を使用する際には、抽気通路の径の
僅かな違いで吸入室19への抽気量が大きく変化し、容
量制御を正確に行うのが難しくなる。抽気通路としての
連通孔60を一定径で形成する場合は加工がし難いが、
途中に絞り部61を挿入して設けることにより、加工が
簡単になる。
【0051】(6) 吐出室20とクランク室17とを
連通する給気通路55が設けられ、該給気通路55の途
中に設けられた制御弁56により給気通路55の開度を
変更してクランク室17の圧力を調整する。従って、ク
ランク室17内の圧力を制御弁56の開度調整により簡
単に調整できる。
連通する給気通路55が設けられ、該給気通路55の途
中に設けられた制御弁56により給気通路55の開度を
変更してクランク室17の圧力を調整する。従って、ク
ランク室17内の圧力を制御弁56の開度調整により簡
単に調整できる。
【0052】(7) 軸封装置26はメカニカルシール
よりなり、同メカニカルシールは耐圧性に優れる。従っ
て、冷媒としてCO2を使用した場合のように、クラン
ク室17内の圧力がフロン冷媒に比較して大幅に高くな
る場合に、特に有効なシール作用を奏する。また、ピス
トン34のストロークが一定の固定容量型の圧縮機に比
較してクランク室17の圧力が高くなる可変容量型の場
合により有効となる。
よりなり、同メカニカルシールは耐圧性に優れる。従っ
て、冷媒としてCO2を使用した場合のように、クラン
ク室17内の圧力がフロン冷媒に比較して大幅に高くな
る場合に、特に有効なシール作用を奏する。また、ピス
トン34のストロークが一定の固定容量型の圧縮機に比
較してクランク室17の圧力が高くなる可変容量型の場
合により有効となる。
【0053】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば次のように構成してもよい。 ○ 軸封装置26は必ずしも吸入室19内に配設する必
要はなく、図3に示すように、軸封装置26が収容され
る吸入圧領域としての室64を環状の吸入室19の内側
に区画壁65により区画形成し、吸入室19と室64と
を孔65aで連通した構成としてもよい。この場合も前
記実施の形態の(1)、(3)〜(7)の効果を有す
る。
く、例えば次のように構成してもよい。 ○ 軸封装置26は必ずしも吸入室19内に配設する必
要はなく、図3に示すように、軸封装置26が収容され
る吸入圧領域としての室64を環状の吸入室19の内側
に区画壁65により区画形成し、吸入室19と室64と
を孔65aで連通した構成としてもよい。この場合も前
記実施の形態の(1)、(3)〜(7)の効果を有す
る。
【0054】○ 軸封装置26を収容する吸入圧領域を
吸入室19と独立させた構成の場合は、吸入室19を吐
出室20の外側に配置してもよい。 ○ 図4に示すように、吸入室19及び吐出室20をリ
ヤハウジング14に、即ち駆動軸18の突出側と反対側
に設ける構成の圧縮機10に適用してもよい。吸入圧領
域としての室64は図示しない通路により吸入室19と
連通されている。通路は外部配管でもハウジングの壁内
に形成された通路のいずれであってもよい。
吸入室19と独立させた構成の場合は、吸入室19を吐
出室20の外側に配置してもよい。 ○ 図4に示すように、吸入室19及び吐出室20をリ
ヤハウジング14に、即ち駆動軸18の突出側と反対側
に設ける構成の圧縮機10に適用してもよい。吸入圧領
域としての室64は図示しない通路により吸入室19と
連通されている。通路は外部配管でもハウジングの壁内
に形成された通路のいずれであってもよい。
【0055】○ 抽気通路60の絞り部61をなくし
て、抽気通路60を一定径に形成してもよい。しかし、
絞り部61を設ける方が加工が簡単になる。 ○ 圧縮機は可変容量タイプに限らず固定容量タイプの
圧縮機であってもよい。
て、抽気通路60を一定径に形成してもよい。しかし、
絞り部61を設ける方が加工が簡単になる。 ○ 圧縮機は可変容量タイプに限らず固定容量タイプの
圧縮機であってもよい。
【0056】○ カムプレート(斜板38)が駆動軸1
8と一体回転する構成に代えて、カムプレートが駆動軸
に対して相対回転可能に支承されて揺動するワッブルタ
イプの圧縮機に適用してもよい。
8と一体回転する構成に代えて、カムプレートが駆動軸
に対して相対回転可能に支承されて揺動するワッブルタ
イプの圧縮機に適用してもよい。
【0057】○ 軸封装置はメカニカルシール26に限
らず、摺動するシール面が駆動軸18の周面となるリッ
プシールを使用してもよい。リップシールは軸封装置を
安価に構成することができるし、オイルシール性に優れ
る利点がある。特に、図5に示すリップシール67は、
本体金具67a内にフッ素樹脂等の樹脂製のリップリン
グ67bと、ゴム製のリップリング67cとが抱持され
てなる。複数のリップリング67b,67cを備えるこ
とで、軸封性能が高まる。また、リップリング67bに
おいて駆動軸18との摺動面には、駆動軸18の軸線を
中心とした螺旋溝67dが刻設されている。同螺旋溝6
7dは、駆動軸18との相対回転によって潤滑油を吸入
室19側に案内するオイル戻し作用を奏し、リップシー
ル67のオイルシール性をさらに向上させる。
らず、摺動するシール面が駆動軸18の周面となるリッ
プシールを使用してもよい。リップシールは軸封装置を
安価に構成することができるし、オイルシール性に優れ
る利点がある。特に、図5に示すリップシール67は、
本体金具67a内にフッ素樹脂等の樹脂製のリップリン
グ67bと、ゴム製のリップリング67cとが抱持され
てなる。複数のリップリング67b,67cを備えるこ
とで、軸封性能が高まる。また、リップリング67bに
おいて駆動軸18との摺動面には、駆動軸18の軸線を
中心とした螺旋溝67dが刻設されている。同螺旋溝6
7dは、駆動軸18との相対回転によって潤滑油を吸入
室19側に案内するオイル戻し作用を奏し、リップシー
ル67のオイルシール性をさらに向上させる。
【0058】○ 制御通路の開度を調整する制御弁56
等は電磁制御弁に限らず、例えば、特開平6−1232
81号公報に開示された制御弁のように、吸入圧力を検
知して変位するダイアフラムと、ダイアフラムの変位に
より制御通路の開度を制御する弁機構を備えた、所謂内
部制御弁であってもよい。しかし、クラッチレスタイプ
の圧縮機においては、外部から制御可能な電磁弁が好ま
しい。
等は電磁制御弁に限らず、例えば、特開平6−1232
81号公報に開示された制御弁のように、吸入圧力を検
知して変位するダイアフラムと、ダイアフラムの変位に
より制御通路の開度を制御する弁機構を備えた、所謂内
部制御弁であってもよい。しかし、クラッチレスタイプ
の圧縮機においては、外部から制御可能な電磁弁が好ま
しい。
【0059】○ 駆動源はエンジン50に限らず、電動
モータとしてもよい。この場合、電気自動車に装備でき
る。前記各実施の形態から把握される技術的思想につい
て記載する。
モータとしてもよい。この場合、電気自動車に装備でき
る。前記各実施の形態から把握される技術的思想につい
て記載する。
【0060】(1) 請求項1〜請求項6のいずれか一
項に記載の発明において、前記連通孔の出口より前記駆
動軸の第2端部側にシール部材が設けられている。この
場合、クランク室から連通孔を通って軸封装置が収容さ
れた吸入圧領域へ向かう冷媒ガスの流れが円滑になり、
両ラジアルベアリングの潤滑が良好に行われる。
項に記載の発明において、前記連通孔の出口より前記駆
動軸の第2端部側にシール部材が設けられている。この
場合、クランク室から連通孔を通って軸封装置が収容さ
れた吸入圧領域へ向かう冷媒ガスの流れが円滑になり、
両ラジアルベアリングの潤滑が良好に行われる。
【0061】(2) 請求項6に記載の発明において、
前記軸封装置(リップシール)は複数のリップリングを
備えている。 (3) 請求項6又は前記(2)のいずれか一項に記載
の発明において、前記軸封装置(リップシール)のリッ
プリングには、駆動軸との相対回転によってオイルをハ
ウジング内へ戻す作用を奏する溝が形成されている。
前記軸封装置(リップシール)は複数のリップリングを
備えている。 (3) 請求項6又は前記(2)のいずれか一項に記載
の発明において、前記軸封装置(リップシール)のリッ
プリングには、駆動軸との相対回転によってオイルをハ
ウジング内へ戻す作用を奏する溝が形成されている。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
6に記載の発明によれば、駆動軸を支持するラジアルベ
アリング及び軸封装置の潤滑を簡単な構成で良好に行う
ことができる。
6に記載の発明によれば、駆動軸を支持するラジアルベ
アリング及び軸封装置の潤滑を簡単な構成で良好に行う
ことができる。
【図1】 一実施の形態の圧縮機の断面図。
【図2】 (a)は軸封装置の部分断面図、(b)は連
通孔の出口付近の部分拡大断面図、(c)は駆動軸の第
2端部付近の部分拡大断面図。
通孔の出口付近の部分拡大断面図、(c)は駆動軸の第
2端部付近の部分拡大断面図。
【図3】 別の実施の形態の部分断面図。
【図4】 別の実施の形態の可変容量圧縮機の断面図。
【図5】 別の実施の形態の軸封装置の部分断面図。
【図6】 従来技術の可変容量圧縮機の断面図。
【図7】 別の従来技術の可変容量圧縮機の断面図。
10…圧縮機、11…ハウジング、17…クランク室、
18…駆動軸、19…吸入圧領域としての吸入室、20
…吐出室、24…第1ラジアルベアリング、25…第2
ラジアルベアリング、26…軸封装置、33…シリンダ
ボア、34…ピストン、36…回転支持体としてのラグ
プレート、38…カムプレートとしての斜板、39…傾
角制御手段を構成するヒンジ機構、56…同じく制御
弁、60…連通孔、60a…入口、60b…出口、61
…絞り部、64…吸入圧領域としての室。
18…駆動軸、19…吸入圧領域としての吸入室、20
…吐出室、24…第1ラジアルベアリング、25…第2
ラジアルベアリング、26…軸封装置、33…シリンダ
ボア、34…ピストン、36…回転支持体としてのラグ
プレート、38…カムプレートとしての斜板、39…傾
角制御手段を構成するヒンジ機構、56…同じく制御
弁、60…連通孔、60a…入口、60b…出口、61
…絞り部、64…吸入圧領域としての室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村瀬 正和 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 鈴木 潤也 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 小出 達也 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 今井 崇行 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 藤井 俊郎 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H076 AA06 BB17 CC12 CC20 CC36 CC72
Claims (6)
- 【請求項1】 吸入室及び吐出室を備えたハウジング
と、 前記ハウジングに区画形成されたクランク室と、 第1端部が前記ハウジングから突出するように、第1端
部側及び第2端部側において第1及び第2ラジアルベア
リングを介して前記ハウジングに回転可能に支持された
駆動軸と、 前記ハウジングに形成されたシリンダボア内に往復動可
能に収容された片頭型のピストンと、 前記クランク室内に収容され、前記駆動軸の回転運動を
前記ピストンの往復運動に変換するため前記ピストンと
作動連結されたカムプレートとを備えた斜板式圧縮機で
あって、 前記ハウジングには前記駆動軸の第1端部側を支持する
第1ラジアルベアリングより第1端部側に前記駆動軸の
軸封装置を収容する吸入圧領域が設けられ、前記駆動軸
には前記吸入圧領域と前記クランク室とを連通する経路
の一部を構成する連通孔が、入口が前記第2ラジアルベ
アリングより第2端部側に、出口が前記第1ラジアルベ
アリングより第2端部側に位置するように形成されてい
る斜板式圧縮機。 - 【請求項2】 前記吸入室及び吐出室は前記クランク室
に対して前記駆動軸の突出側に設けられ、前記軸封装置
は前記吸入室内に配置されている請求項1に記載の斜板
式圧縮機。 - 【請求項3】 前記カムプレートは傾角が変更可能に前
記駆動軸に対して支持され、前記圧縮機は前記カムプレ
ートの傾角を変更して前記ピストンのストロークを変更
する傾角制御手段を備えている請求項1又は請求項2に
記載の斜板式圧縮機。 - 【請求項4】 前記連通孔には途中に絞り部が設けられ
ている請求項3に記載の斜板式圧縮機。 - 【請求項5】 前記軸封装置はメカニカルシールよりな
る請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の斜板式圧
縮機。 - 【請求項6】 前記軸封装置はリップシールよりなる請
求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の斜板式圧縮
機。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001006530A JP2002070729A (ja) | 2000-06-13 | 2001-01-15 | 斜板式圧縮機 |
EP01114172A EP1164289A3 (en) | 2000-06-13 | 2001-06-11 | Swash plate type compressor |
US09/879,383 US6533555B2 (en) | 2000-06-13 | 2001-06-12 | Swash plate type compressor |
PCT/JP2001/011304 WO2002055880A1 (fr) | 2001-01-15 | 2001-12-21 | Compresseur a came plate |
CN 01809467 CN1429317A (zh) | 2001-01-15 | 2001-12-21 | 斜盘式压缩机 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000-176660 | 2000-06-13 | ||
JP2000176660 | 2000-06-13 | ||
JP2001006530A JP2002070729A (ja) | 2000-06-13 | 2001-01-15 | 斜板式圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002070729A true JP2002070729A (ja) | 2002-03-08 |
Family
ID=26593815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001006530A Pending JP2002070729A (ja) | 2000-06-13 | 2001-01-15 | 斜板式圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002070729A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030076352A (ko) * | 2002-03-20 | 2003-09-26 | 칼소닉 칸세이 가부시끼가이샤 | 압축기 |
-
2001
- 2001-01-15 JP JP2001006530A patent/JP2002070729A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20030076352A (ko) * | 2002-03-20 | 2003-09-26 | 칼소닉 칸세이 가부시끼가이샤 | 압축기 |
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