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JP2002069473A - 摺動部材用組成物 - Google Patents

摺動部材用組成物

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JP2002069473A
JP2002069473A JP2000265590A JP2000265590A JP2002069473A JP 2002069473 A JP2002069473 A JP 2002069473A JP 2000265590 A JP2000265590 A JP 2000265590A JP 2000265590 A JP2000265590 A JP 2000265590A JP 2002069473 A JP2002069473 A JP 2002069473A
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microcapsules
resin
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博之 村瀬
Yoshio Fuwa
良雄 不破
Shoichi Seko
昇一 瀬古
Noriyuki Ikeda
徳行 池田
Takehiro Kawada
剛宏 川田
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Toyota Motor Corp
STT Inc
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Toyota Motor Corp
STT Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の、基材である樹脂と、該樹脂に分散され
た固体潤滑剤とからなる摺動部材用組成物と比較して、
より摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れ、耐焼き付き性の
良い摺動部材用組成物を提供することを課題とする。 【解決手段】本発明の摺動部材用組成物は、ポリアミド
イミド樹脂と、該ポリアミドイミド樹脂に分散され、樹
脂からなる膜と該膜に包まれるオイルまたはグリースか
らなる潤滑剤とからなるマイクロカプセルとを含んでな
ることを特徴とする。つまり、本発明の摺動部材用組成
物は、基材に、ポリアミドイミド樹脂(PAI)を用
い、このPAIに液体潤滑剤であるオイルまたはグリー
スを内包するマイクロカプセルを分散させたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦特性に優れた
摺動面を形成することが可能な摺動部材用組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】摺動部材には、大別して、ブレーキディ
スク等のように相手材との摩擦力を大きくして相手材の
運動エネルギを摩擦熱エネルギに変換し相手材の運動を
抑制するものと、ピストン、シリンダ等のように相手材
との摩擦力を小さくして相手材の運動エネルギの減少を
防ぎ相手材の運動を維持するものの2種類がある。後者
に該当する摺動部材の摺動面においては、摩擦係数が小
さいこと、耐摩耗性が高いこと、相手攻撃性が小さいこ
と等、摩擦特性が良いことが要求される。このため、摺
動部材の摺動面は、摩擦特性が良好な組成物(以下「摺
動部材用組成物」と称す)で形成される場合が多い。
【0003】例えば、ピストンのスカート部とシリンダ
内壁面とは、通常運転時においては両者の間にオイル膜
が介在して摺動するが、エンジン始動時等においては両
者がとが直接接触することになるため、フッ素樹脂等の
摺動部材用組成物をピストンのスカート部表面にコーテ
ィングして摺動面を形成する場合が多い。例えば、特開
昭54−162014号公報には、フッ素樹脂を基材と
しこの基材に固体潤滑剤を分散させた摺動部材用組成物
でピストンのスカート部表面をコーティングし、スカー
ト部の摩擦特性を向上させる技術が紹介されている。フ
ッ素樹脂は摩擦係数が小さく、また固体潤滑剤は自己摺
動性が高いため、この摺動部材用組成物は固体としては
摩擦特性が良好である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭54−
162014号公報で紹介された技術には以下の問題が
ある。まず、上記公報で紹介された摺動部材用組成物は
摩擦特性に優れているが、そのレベルは満足のいくもの
ではない。すなわち、従来から存在する固体潤滑剤を分
散させていないフッ素樹脂等の摺動部材用組成物と比較
すれば、固体潤滑剤を分散させた効果により摩擦特性は
向上しているものの、フッ素樹脂および固体潤滑剤は流
体潤滑ほどには摩擦係数が低くないこともあり、スカー
ト部とシリンダとの間に液体であるオイル膜が存在する
場合と比べると摩擦特性は劣っている。
【0005】また、黒鉛等、一般的に固体潤滑剤を形成
する物質の結晶は層状構造を有しており、結合力の弱い
層間の結合(例えばファンデルワールス結合)が破壊さ
れ層滑りを起こすことで自己摺動性を確保している。こ
のため、固体潤滑剤自体は耐摩耗性が低く、固体潤滑剤
の配合割合によっては、スカート部にコーティングされ
た被膜の耐久性が悪くなるおそれがある。さらに、被膜
から脱落した固体潤滑剤はスラッジとなってシリンダ内
に存在し、このスラッジはエンジン特性に悪影響を及ぼ
すおそれがある。
【0006】本発明者は、上記問題点を解決するため鋭
意、研究を重ね、液体状の潤滑剤が配合された摺動部材
用組成物で摺動面を形成することにより、その摺動面の
摩擦特性を向上させることができるとの知見を得た。本
発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであり、
摩擦特性の良好な摺動面を形成することの可能な摺動部
材用組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の摺動部材用組成物は、ポリアミドイミド樹
脂と、該ポリアミドイミド樹脂に分散され、樹脂からな
る膜と該膜に包まれるオイルまたはグリースからなる潤
滑剤とからなるマイクロカプセルとを含んでなることを
特徴とする。つまり、本発明の摺動部材用組成物は、基
材(マトリクス)に、ポリアミドイミド樹脂(PAI)
を用い、このPAIに液体潤滑剤であるオイルまたはグ
リースを内包するマイクロカプセルを分散させたもので
ある。言い換えれば、オイルまたはグリースを内包する
マイクロカプセルをPAIで結着したものである。
【0008】本発明の摺動部材用組成物の基材となるP
AIは、耐摩耗性に優れた特性を持つ。そして、本発明
の摺動部材用組成物では液体潤滑剤をマイクロカプセル
に充填しPAI中に分散させていため、本組成物で摺動
面を形成してその面を摺動させた場合、表出したマイク
ロカプセルが相手材との摩擦により破泡し、オイルまた
はグリースが流出して摺動面を覆い、潤滑を確保するこ
とになる。本発明の摺動部材用組成物で用いる潤滑剤
は、液体状であり、固体潤滑剤と比較して摩擦係数、相
手攻撃性が小さく、またスラッジ等が発生するおそれが
ない。
【0009】したがって、本発明の摺動部材用組成物
は、基材となるPAIの良好な耐摩耗性と液体潤滑剤の
有する小さな摩擦係数および小さな相手攻撃性とが相俟
って、摩擦特性の極めて良好な摺動面を形成することが
可能な摺動部材用組成物となる。また、本発明の摺動部
材用組成物では、摺動面の摩耗が進行するにつれ、新た
なマイクロカプセルが表出することで、定常的な液体潤
滑剤の摺動面への供給が可能となり、本摺動部材用組成
物で形成された摺動面は優れた摩擦特性を安定して維持
することが可能となる。
【0010】また、本発明の摺動部材用組成物は、熱硬
化性樹脂を基材としており、摺動させられる表面をもつ
機械部品等(以下「摺動部材」という)のその摺動させ
られる表面に塗布して熱硬化させることにより容易に被
膜として形成(コーティング)することができる。した
がって、各種摺動部材の摩耗特性を向上させることがで
き、幅広い用途に適用することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の摺動部材用組成物
の実施の形態を、組成物の基本的構成、固体潤滑剤を含
む態様、製造方法、コーティング被膜としての態様の項
目に分けてそれぞれ説明する。
【0012】(1)組成物の基本的構成 本発明の摺動部材用組成物の基本的構成は、ポリアミド
イミド樹脂と、該ポリアミドイミド樹脂に分散され、樹
脂からなる膜と該膜に包まれるオイルまたはグリースか
らなる潤滑剤とからなるマイクロカプセルとを含んでな
る(請求項1に対応)。以下、ポリアミドイミド樹脂、
マイクロカプセルのそれぞれについて説明する。
【0013】(a)ポリアミドイミド樹脂 基材となるポリアミドイミド樹脂(PAI)は、マイク
ロカプセルを分散、結着する機能に加え、耐摩耗性を担
保する機能を果たす。したがって、機械的強度に優れた
ものであることが必要で、特に引張強度が適度に高いこ
とが要求される。PAIは、同じ熱硬化性樹脂であるエ
ポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等に比較して機械的強度に
優れ、この要求を満たしている。
【0014】ポリアミドイミド樹脂は、引張強度が7
8.4〜98MPaであり、縦弾性係数が1960〜2
940MPaであり、伸び率が10〜20%であること
が望ましい(請求項2に対応)。引張強度が78.4M
Pa以上であれば、本組成物を被膜として形成した場合
であっても、実用的な範囲において、充分な耐摩耗性が
得られ、その被膜が破壊することは少なく、一方、98
MPaを越えてもそれ以上の耐摩耗性向上効果は小さい
からである。
【0015】縦弾性係数は、本組成物を被膜として摺動
部材表面に形成した場合に特に影響する。縦弾性係数が
低いと、被膜が変形しやすくなり、相手材との接触応力
を分散することができる。すなわち、接触応力を被膜の
広範囲の面で分散して受けることができるため単位面積
あたりの接触応力(すなわち接触圧力)は小さくなり、
摩擦係数も小さくなる。しかし、被膜が変形しすぎると
基材である摺動部材との接着性が悪くなるおそれがあ
る。一方、縦弾性係数が高いと、被膜の変形量は小さく
なるが、相手材との接触圧力が大きくなるため摩擦係数
が大きくなる、焼き付きやすい、摩耗しやすいおそれが
ある。これらの理由から、PAIの縦弾性係数は、上記
1960〜2940MPaの範囲が好適である。
【0016】伸び率とは、無負荷状態における材料の長
さに対する負荷状態の材料の変形量(伸び)の割合を百
分率で示したものである。本発明の組成物を摺動部材に
コーティングした場合、基材となるPAIの伸び率が大
きいと、コーティング被膜が変形しやすくなり、相手材
との接触応力を分散することができる。すなわち、接触
応力を被膜の広範囲の面で分散して受けることができる
ため接触圧力は小さくなり、摩擦係数も小さくなる。し
かし、被膜が変形しすぎると摺動部材との接着性が悪く
なるおそれがある。一方、伸び率が小さいと、被膜の変
形量は小さくなるが、相手材との接触圧力が大きくなる
ため摩擦係数が大きくなる、焼き付きやすい、摩耗しや
すいおそれがある。これらの理由から、PAIの伸び率
は、上記10〜20%範囲が好適である。
【0017】(b)マイクロカプセル マイクロカプセルは、樹脂からなる膜と該膜に包まれる
オイルまたはグリースからなる潤滑剤とから構成され
る。そして、基材となるPAI中において、あたかも、
液体状あるいは半液体状の潤滑剤を含んだ泡のような状
態で存在し、破泡することで潤滑剤が摺動面を覆うこと
になり、摺動面の潤滑性を確保する。この機能を果たす
ものである限り、マイクロカプセルの形状は特に問わな
い。例えば、球状であっても、円盤状であってもよい。
また、膜の一部に孔や溝等があり、潤滑剤が膜により完
全に密閉されるものでなくてもよい。
【0018】マイクロカプセルを構成する膜は樹脂から
なる。この樹脂は、特に限定するものでないが、2種類
以上の樹脂からなる混合樹脂とすることが望ましい。
(請求項3に対応)。実験により明らかになったことで
あるが、マイクロカプセルの膜を単一の樹脂により形成
する場合、膜に溝や孔ができてしまい、潤滑剤であるオ
イル、グリースを膜内に密閉して内包するのはある程度
の困難性を伴う。カプセル膜を混合樹脂により形成する
と、その膜に溝や孔ができにくく、このため、オイル、
グリースを密閉して内包することが容易に可能で、液密
性に優れた膜を形成することができる。膜が液密性に優
れていると、組成物内部でカプセル膜からオイル、グリ
ースが漏れることが無く、マイクロカプセルを相手材と
の摩擦により破泡させることができる。このため、本発
明の摺動部材用組成物が有する良好な摩擦特性を、長期
間維持することができる。
【0019】カプセル膜を混合樹脂により形成する場
合、その混合樹脂を、ウレア樹脂、メラミン樹脂、ベン
ゾグアナミン樹脂のいずれか2種から形成される混合樹
脂とすることが望ましい(請求項4に対応)。これらの
樹脂は熱硬化性を有しておりアミノ樹脂と総称されるも
のである。ウレア樹脂(UF)は耐熱性があり、硬度も
高い。メラミン樹脂(MF)は耐衝撃性に優れており、
耐熱性もあり、耐炎性にも優れている。また、ベンゾグ
アナミン樹脂(UBGF)はMFの耐クラック性を改善
したものである。これらの樹脂の混合樹脂によれば特性
のよりよいカプセル膜が容易に形成できる。この場合、
混合樹脂におけるUF、MF、UBGFのいずれか2種
の配合比(質量比)を3:7〜7:3とすることがより
好ましい。配合比をこの範囲内とすることにより、この
範囲外のものに比べ、より密閉性に優れた膜を形成する
ことができる。
【0020】マイクロカプセルに内包されるオイル、グ
リースは通常、潤滑剤として用いられているものであ
り、また、本発明の摺動部材用組成物の使用環境温度に
適合するものであり、かつ、液体状あるいは半液体状の
ものである限り、特にその種類を問わない。摺動面に要
求される摩擦特性に応じた粘度等を有するものを適宜選
択して用いればよい。
【0021】PAI中におけるマイクロカプセルの存在
割合は、PAI100重量部に対し、マイクロカプセル
を1〜60重量部とすることが望ましい。この好適範囲
のものと比較して、マイクロカプセルが1重量部未満で
は、充分な摩擦係数軽減効果、耐焼き付き性向上効果が
小さく、また、マイクロカプセルが60重量部を越える
と、PAI基材の相対量が少なくなるため、組成物自体
の強度が低下し、耐摩耗性が低下するからである。
【0022】(2)固体潤滑剤を含む態様 本発明の摺動部材用組成物は、基材となるポリアミドイ
ミド樹脂と、該ポリアミドイミド樹脂に分散され潤滑剤
を内包するマイクロカプセルとに加え、ポリアミドイミ
ド樹脂に分散された固体潤滑剤を含んだ態様で実施する
ことができる(請求項5に対応)。固体潤滑剤は自己摺
動性を有するため、本態様で実施される摺動部材用組成
物は、さらに摩擦係数が小さく、相手攻撃性が低い組成
物となる。
【0023】固体潤滑剤としては、その種類を特に限定
するものではない。例えば、黒鉛、硫化物、フッ素化合
物、六方晶型BN等の一般的な潤滑剤を、得ようとする
摩擦特性に応じて適宜選択して使用することができる。
ただし、固体潤滑剤を、硫化物、フッ素化合物、黒鉛か
ら選ばれる1種以上とすることが望ましい(請求項6に
対応)。摺動部材用組成物は、広い温度条件下で使用さ
れる場合が少なくない。例えば、自動車エンジン用ピス
トンは、エンジン始動時は常温環境下において使用され
ることになるが、エンジンが昇温すると高温条件下にお
いて使用されることになる。このため、本発明の組成物
に含有させる固体潤滑剤も広い温度条件下において、安
定して高い自己摺動性を維持することが要求される場合
がある。固体潤滑剤の中でも、特に硫化物、フッ素化合
物、黒鉛は、他の固体潤滑剤と比較して自己摺動性に優
れており、またその優れた自己摺動性を比較的広範囲の
温度条件下において、安定して維持することができる。
【0024】固体潤滑剤として硫化物を用いる場合、そ
の硫化物は、二硫化モリブデンおよび二硫化タングステ
ンの少なくとも1種であることが望ましい。これらは、
硫化物の中でも特に自己摺動性に優れ、またこの優れた
自己摺動性を比較的広範囲の温度条件下において安定し
て維持することが可能である。
【0025】固体潤滑剤としてフッ素化合物を用いる場
合、そのフッ素化合物は、ポリテトラフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン−バ−フルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレ
ン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、
ポリクロロトリフルオロエチレンから選ばれる少なくと
も1種であることが望ましい。これらの化合物またはこ
れら化合物の混合物は、フッ素化合物の中でも特に自己
摺動性に優れ、またこの優れた自己摺動性を比較的広範
囲の温度条件下において安定して維持することが可能で
ある。
【0026】固体潤滑剤を含んだ態様で実施する場合、
PAI中の固体潤滑剤の存在割合は、PAI:100重
量部に対し、固体潤滑剤を1〜500重量部とすること
が望ましい。この好適範囲のものと比べ、1重量部未満
とすると、充分な摩擦係数軽減効果、耐焼き付き性向上
効果が得られず、500重量部を越えるとすると、相対
的に基材となるPAIの量が減少するため充分な強度が
得られず、また、固体潤滑剤脱落によるスラッジが増加
するおそれがあるからである。
【0027】なお、本発明の摺動部材用組成物は、さら
に硬質粒子を含んだ態様で実施することができる。本態
様の摺動部材用組成物は、硬質粒子の硬度特性が組成物
全体に現れるため、より耐摩耗性の高い摺動部材用組成
物となる。ここで、硬質粒子としては立方晶系窒化ホウ
素(BN)、窒化ケイ素(Si34)、アルミナ(Al
23)等を使用することができる。
【0028】(3)製造方法 本発明の摺動部材用組成物は、その製造方法を特に限定
するものではなく、既に実施されている組成物製造に関
する技術を駆使して製造すればよい。以下、その一例と
なる製造方法について説明する。
【0029】基材となるポリアミドイミド(PAI)
は、通常PAIの生成に用いられる種々の方法により生
成することができ、例えば、ジイソシアネートと無水ト
リメリット酸のようなトリカルボン酸無水物を反応させ
て生成することができる。また、マイクロカプセルも、
通常マイクロカプセルの形成に用いられる種々の方法に
より形成することができる。例えば、潤滑剤であるオイ
ル、またはグリースを添加、分散した水系混合液に、カ
プセル膜を形成する樹脂の原料を加え、pH調整し、縮
重合させ生成させることができる。
【0030】PAIにマイクロカプセルを混合分散する
際には、PAIの粘度を調整し混合を容易にするため、
適切な有機溶剤を選択して添加することができる。この
有機溶剤は、PAIを溶解することができるものであれ
ば特に限定するものではない。例えば、N−メチル−2
−ピロリドン(NMP)を用いることができる。また、
NMPに対して、芳香族系溶剤(キシレン等)又はケト
ン系溶剤(メチルエチルケトン等)を適量加えた混合溶
剤を用いることもできる。粘度調整したPAIに固体潤
滑剤(MoS2、PTFE等)が入る場合、PAIと固
体潤滑剤をボールミル等で分散させ、その後マイクロカ
プセルを添加し、プロペラ攪拌機等で攪拌、分散する。
マイクロカプセルのみ添加する場合はPAIにマイクロ
カプセルを加えプロペラ攪拌し、適切な時間混合するこ
とにより摺動部材用組成物の前駆体を調製することがで
きる。なお、固体潤滑剤を含む摺動部材用組成物の場合
は、マイクロカプセルの混合分散の際、同時に添加して
混合分散させればよい。
【0031】こうして得られた前駆体を加熱し、基材と
なるPAIを熱硬化させることにより、PAI中にマイ
クロカプセルおよび必要に応じて固体潤滑剤が分散した
本発明の摺動部材用組成物を製造することができる。
【0032】(4)コーティング被膜としての態様 本発明の摺動部材用組成物は、その形状を特に限定する
ものではない。例えば、本組成物を種々の形状に成形し
て、本組成物のみからなる摺動部材の態様で実施するこ
とが可能である。実用的な態様として、例えば金属、セ
ラミック等からなる摺動部材の摺動面となる部分に本発
明の組成物をコーティングして形成されたコーティング
被膜としての態様で実施することができる(請求項7に
対応)。
【0033】コーティング被膜として形成する場合のコ
ーティング方法は、特に限定するものではなく、通常の
樹脂コーティングに用いられる公知の方法を採用すれば
よい。例えば、上記のように調製した組成物前駆体をエ
アースプレーや、刷毛で摺動部材に塗布して摺動部材に
付着させた後、電気炉等の加熱機器を用いてPAIを熱
硬化させコーティング被膜を形成することができる。
【0034】薄い被膜を形成する場合は、PAIを一気
に硬化させるため180〜270℃の温度に加熱するの
が望ましい。また、厚い被膜を形成する場合は、例え
ば、まず80℃程度の温度に前駆体を予備加熱して半硬
化状態の被膜を形成し、次いでこの被膜の上にさらにエ
アースプレー等により前駆体を積層させさらに加熱する
方法を用いることができる。この方法では、中間層とな
る被膜を積層させる場合は80℃程度の温度に加熱し、
最上層となる被膜を積層させた後は180〜270℃の
温度に加熱すればよい。積層を適宜繰り返すことにより
所望の厚さを有するコーティング被膜を容易に形成する
ことができる。
【0035】なお、コーティングの際には、被膜の接着
性を良くするため摺動部材の表面を予め洗浄、脱脂等し
て汚れ、油分等を除去することが好ましい。また、コー
ティングされた被膜のはじき、垂れを少なくし、均一な
被膜を形成するため摺動部材の表面を、例えば50〜1
20℃の温度に、予めプレヒートしておくのが好まし
い。
【0036】コーティング被膜としての態様で実施する
場合、マイクロカプセルの径は、コーティング被膜の膜
厚の10〜100%であることが望ましい(請求項8に
対応)。この好適範囲のものと比較して、マイクロカプ
セルの径が被膜の10%未満では、充分な摩擦係数軽減
効果、耐焼き付き性向上効果が得られなくなるおそれが
あり、また、マイクロカプセルの径が被膜の100%を
越えると、摺動面からマイクロカプセルが突出した状態
となり、相手材との最初の接触により一度に全てのマイ
クロカプセルが破泡してしまうからである。例えば、ピ
ストンのスカート部に使用される被膜の厚さは20μm
程度に形成されることが多く、この場合にはマイクロカ
プセルの径は2〜20μmとするのがよい。なお、マイ
クロカプセルを継続的に順次破泡させることを考える
と、被膜の厚さに対するマイクロカプセルの径は10〜
66%であることがより望ましい。なお、マイクロカプ
セルの径は、実用的には平均粒径によって管理すればよ
い。
【0037】また、固体潤滑剤を含んでコーティング被
膜が形成される場合、固体潤滑剤の粒径は被膜の膜厚の
2.5〜75%とすることが望ましい。この好適範囲の
ものと比較して、2.5%未満の場合は、固体潤滑剤を
添加したことによる充分な摩擦係数低減効果、耐焼き付
き性向上効果が得られず、また、75%を越える場合
は、相手材との摩擦により固体潤滑剤が被膜から脱落し
やすくなるおそれがあるためである。なお、固体潤滑剤
の粒径も、同様に実用的には平均粒径によって管理すれ
ばよい。
【0038】(5)以上、本発明の摺動部材用組成物の
実施形態について説明したが、上述した実施形態は一実
施形態にすぎず、本発明の摺動部材用組成物は、上記実
施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変
更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
【0039】
【実施例】本発明の摺動部材用組成物を摺動部材にコー
ティングしたサンプル、これらのサンプルのコーティン
グ被膜を形成する組成物の摩擦係数、焼き付き荷重、摩
耗量を測定するための実験方法および実験装置、実験結
果について、本実施例の項において説明する。
【0040】〈サンプルの製造〉 (1)実施例1のサンプル 摺動部材にコーティングする摺動部材用組成物は、PA
I(日立化成株式会社製、商品名HPC4250)と、
このPAIに分散されたマイクロカプセルからなる。
【0041】PAIの引っ張り強度は88.2MPa、
縦弾性係数は2009MPa、伸び率は17%とした。
またマイクロカプセルは、ベンゾグアナミン樹脂(UB
GF)とメラミン樹脂(MF)との混合樹脂からなる膜
にオイル(商品名キャッスルネオSJ30から添加剤を
除去したもの)が内包されて形成されているものを使用
した。このマイクロカプセルの平均粒径は4μmとし、
マイクロカプセル添加量はPAIを100重量部として
3重量部とした。また、オイルを100重量部とした場
合、膜を50重量部とし、膜を形成するUBGFとMF
との配合比(質量比)は1:1とした。
【0042】この組成物は、PAI100重量部に対
し、400重量部のN−メチル−2−ピロリドン(NM
P)を添加した後、上記マイクロカプセルを投入し、プ
ロペラ攪拌機で8時間攪拌することにより調製した。ま
た調製した組成物を、脱脂後100℃にプレヒートした
板状の摺動部材の摺動面に、エアースプレーで塗布し、
電気オーブンを用いて180℃〜200℃で100分間
焼成することによりコーティング被膜を形成した。コー
ティング被膜の厚さは約15μmであった。このように
して作製したサンプルを実施例1のサンプルとした。
【0043】(2)実施例2のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、実施例1のもの
と同様とした。この摺動部材用組成物を、ブロック状摺
動部材の摺動面に実施例1のサンプルを作製した場合と
同様の方法によりスプレーし、コーティング被膜を形成
した。このようにして作製したサンプルを実施例2のサ
ンプルとした。
【0044】(3)実施例3のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、PAI(日立化
成株式会社製、商品名HPC4250)と、このPAI
に分散されたマイクロカプセルと、さらにこのPAIに
分散された固体潤滑剤とからなる。
【0045】PAIの引っ張り強度は88.2MPa、
縦弾性係数は2009MPa、伸び率は17%とした。
またマイクロカプセルは、UFとMFとの混合樹脂から
なる膜にオイル(出光石油化学株式会社製、商品名出光
ポリブデン15R)が内包されて形成されているものを
使用した。このマイクロカプセルの平均粒径は10μm
とし、マイクロカプセル添加量はPAIを100重量部
として20重量部とした。また、オイルを100重量部
とした場合、膜を100重量部とし、膜を形成するUF
とMFとの配合比(質量比)は1:2とした。
【0046】さらにまた、固体潤滑剤は2硫化モリブデ
ン(MoS2)(商品名ウルトラピュア)を使用した。
この固体潤滑剤の平均粒径は1μmとし、添加量は、P
AIを100重量部として200重量部とした。すなわ
ち、本実施例のサンプルのコーティング被膜を形成する
組成物は、実施例1のサンプルの組成物に、さらに固体
潤滑剤としてMoS2を分散したものである。
【0047】摺動部材用組成物の製造方法は、PAI1
00重量部に対し、400重量部のNMPを添加した
後、ボールミルで分散させた後、マイクロカプセルを加
え、プロペラ攪拌機で5時間攪拌し分散した。
【0048】上記摺動部材用組成物を、板状摺動部材の
摺動面に実施例1のサンプルを作製した場合と同様の方
法によりスプレーし、コーティング被膜を形成した。こ
のようにして作製したサンプルを実施例3のサンプルと
した。
【0049】(4)実施例4のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、実施例3のもの
と同様とした。この摺動部材用組成物を、ブロック状摺
動部材の摺動面に実施例3のサンプルを作製した場合と
同様の方法によりスプレーし、コーティング被膜を形成
した。このようにして作製したサンプルを実施例4のサ
ンプルとした。
【0050】(5)実施例5のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、実施例1のサン
プルの組成物において、マイクロカプセル添加量を、P
AI100重量部として8重量部としたものである。使
用したPAI、マイクロカプセルの材質、組成物の調製
方法、コーティング被膜の形成方法等は実施例1のサン
プルを作製した場合と同様である。このようにして作製
したサンプルを実施例5のサンプルとした。
【0051】(6)実施例6のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、実施例1のサン
プルの組成物において、マイクロカプセル添加量を、P
AI100重量部として20重量部としたものである。
使用したPAI、マイクロカプセルの材質、組成物の調
製方法、コーティング被膜の形成方法等は実施例1のサ
ンプルを作製した場合と同様である。このようにして作
製したサンプルを実施例6のサンプルとした。
【0052】(7)実施例7のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、実施例1のサン
プルの組成物において、マイクロカプセル添加量を、P
AI100重量部として30重量部としたものである。
使用したPAI、マイクロカプセルの材質、組成物の調
製方法、コーティング被膜の形成方法等は実施例1のサ
ンプルを作製した場合と同様である。このようにして作
製したサンプルを実施例7のサンプルとした。
【0053】(8)実施例8のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、実施例1のサン
プルの組成物において、マイクロカプセル添加量を、P
AI100重量部として50重量部としたものである。
使用したPAI、マイクロカプセルの材質、組成物の調
製方法、コーティング被膜の形成方法等は実施例1のサ
ンプルを作製した場合と同様である。このようにして作
製したサンプルを実施例8のサンプルとした。
【0054】(9)実施例9のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、実施例1のサン
プルの組成物に固体潤滑剤を分散した実施例3のサンプ
ルの組成物において、マイクロカプセル添加量を、PA
I100重量部として3重量部としたものである。使用
したPAI、マイクロカプセルの材質、組成物の調製方
法、コーティング被膜の形成方法等は実施例3のサンプ
ルを作製した場合と同様である。このようにして作製し
たサンプルを実施例9のサンプルとした。
【0055】(10)実施例10のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、実施例3のサン
プルの組成物において、マイクロカプセル添加量を、P
AI100重量部として5重量部としたものである。使
用したPAI、マイクロカプセル、固体潤滑剤の材質、
組成物の調製方法、コーティング被膜の形成方法等は実
施例3のサンプルを作製した場合と同様である。このよ
うにして作製したサンプルを実施例10のサンプルとし
た。
【0056】(11)実施例11のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、実施例3のサン
プルの組成物において、マイクロカプセル添加量を、P
AI100重量部として10重量部としたものである。
使用したPAI、マイクロカプセル、固体潤滑剤の材
質、組成物の調製方法、コーティング被膜の形成方法等
は実施例3のサンプルを作製した場合と同様である。こ
のようにして作製したサンプルを実施例11のサンプル
とした。
【0057】(12)実施例12のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、実施例3のサン
プルの組成物において、マイクロカプセル添加量を、P
AI100重量部として35重量部としたものである。
使用したPAI、マイクロカプセル、固体潤滑剤の材
質、組成物の調製方法、コーティング被膜の形成方法等
は実施例3のサンプルを作製した場合と同様である。こ
のようにして作製したサンプルを実施例12のサンプル
とした。
【0058】(13)比較例1のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、実施例3と同様
のPAIと、固体潤滑剤(MoS2)とからなる。すな
わち、実施例3のサンプルのコーティング被膜を形成す
る組成物において、マイクロカプセルを添加しないもの
と同様である。固体潤滑剤の添加量は、PAIを100
重量部として230重量部とした。組成物の調整方法は
PAIに固体潤滑剤を入れボールミルで8時間攪拌する
方法で製作した。コーティング被膜の形成方法等は実施
例3のサンプルを作製した場合と同様である。このよう
にして作製したサンプルを比較例1のサンプルとした。
【0059】(14)比較例2のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、比較例1のサン
プルと同様とした。この摺動部材用組成物を、ブロック
状摺動部材の摺動面に比較例1のサンプルを作製した場
合と同様の方法によりスプレーし、コーティング被膜を
形成した。このようにして作製したサンプルを比較例2
のサンプルとした。
【0060】(15)比較例3のサンプル 摺動部材にコーティングする組成物は、実施例1と同様
のPAIのみからなる。すなわち、実施例1のサンプル
のコーティング被膜を形成する組成物において、マイク
ロカプセルを添加しないものと同様である。組成物の調
整方法、コーティング被膜の形成方法等は実施例1のサ
ンプルを作製した場合と同様である。このようにして作
製したサンプルを比較例3のサンプルとした。
【0061】〈実験方法および実験装置〉 (1)実験条件は、摺動部材の表面にコーティングされ
たコーティング被膜と、相手材との間に何も潤滑剤が無
い条件(以下「無潤滑条件」と称す)と、コーティング
被膜と相手材との間に潤滑剤であるオイル(商品名キャ
ッスルネオSJ30から添加剤を除去したもの)がある
条件(以下「潤滑条件」と称す)の2条件とした。な
お、添加剤を除去したのはマイクロカプセルの効果を明
確にするためである。
【0062】また、測定項目は、摩擦係数、焼き付き荷
重、摩耗量の3項目とした。摩擦係数、焼き付き荷重の
測定には、スラスト試験機を用いた。図1にスラスト試
験機の概要を示す。図1に示すように本試験機は回転す
る板状サンプル1のコーティング面10に、固定した鋼
製の外周径25mmφ、内周径20mmφの中空円柱部
材(硬度500Hv)2の円形面20を押しつけること
により、コーティング被膜を形成する摺動部材用組成物
の摩擦係数および焼き付き荷重を測定するものである。
今回の実験では、押しつけ荷重は、196Nごとにステ
ップアップしながら徐々に上げていった。また、板状サ
ンプル1の回転数は潤滑条件下で1000rpm、無潤
滑条件下で100rpmとした。なお、焼き付き荷重の
測定に用いたサンプルは、実施例1、実施例3、実施例
5〜実施例12、比較例1、比較例3のサンプルであ
る。また、摩擦係数の測定に用いたサンプルは、実施例
1、実施例3、比較例1のサンプルである。
【0063】ここで、焼き付きとは、中空円柱部材が回
転するコーティング面に押しつけられるとき、摩擦係数
が0.3を超えた時を焼き付きと判断した(0.3を超
える場合コーティング被膜は急激に摩耗、剥離してしま
う状態となっている)。また、摩擦係数は、押しつけ荷
重1960Nにおける値を用いた。
【0064】(2)摩耗量の測定には、ブロック−オン
−リング試験機、および表面粗度計を用いた。ブロック
−オン−リング試験機の概要を図2に示す。図2に示す
ようにブロック−オン−リング試験機は回転する鋼製の
外周径35mmφのリング部材(硬度500〜600H
v)3の周方向面30上に固定したブロック状サンプル
4のコーティング面40を押しつけることにより、コー
ティング被膜を形成する組成物を摺動、摩耗させるもの
である。
【0065】今回の実験では、サンプル4の押しつけ荷
重は98Pa、押しつけ時間は20分とした。また、リ
ングの回転数は30rpmとした。なお、摩耗量の測定
に用いたサンプルは、実施例2、実施例4、比較例2の
サンプルである。
【0066】実験後、コーティング面を表面粗度計で走
査し、コーティング面の非摺動部に対する摺動部のコー
ティング面垂直方向深さを測定し、この値を摩耗量とし
た。
【0067】〈実験結果〉表1および表2に実施例のサ
ンプル、比較例のサンプルのコーティング被膜を形成す
る摺動部材用組成物の構成、焼き付き荷重、摩擦係数、
摩耗量を示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】(1)まず、潤滑条件、無潤滑条件におけ
る、1)PAI+固体潤滑剤、2)PAI+マイクロカ
プセル、3)PAI+マイクロカプセル+固体潤滑剤と
いう各々構成の異なる摺動部材用組成物の焼き付き荷重
について検討する。実験に用いたサンプルは実施例1
(PAI+マイクロカプセル)、実施例3(PAI+マ
イクロカプセル+固体潤滑剤)、比較例1(PAI+固
体潤滑剤)である。これらのサンプルのコーティング被
膜を形成する摺動部材用組成物(以下、単に「サンプ
ル」と称す)についてスラスト試験機により焼き付き荷
重を測定した結果を図3に示す。なお、比較例1のサン
プルは、無潤滑条件では押しつけ荷重の初期ステップ値
である196(N)で焼き付いてしまったため、焼き付
き荷重は測定できなかった。
【0071】まず、マイクロカプセル添加の有無による
焼き付き荷重の差異について検討する。図3より、潤滑
条件および無潤滑条件において、マイクロカプセルを添
加した実施例1および3のサンプルの方が、マイクロカ
プセルを添加しない比較例1のサンプルよりも焼き付き
荷重が高いことが判った。すなわち、マイクロカプセル
を添加した方が、組成物の焼き付き荷重は高いことが判
った。なお、焼き付き荷重が高いということは、その荷
重まで焼き付きが生じないということであり、摩擦力が
小さいことを意味する。
【0072】次に、固体潤滑剤添加の有無による焼き付
き荷重の差異について検討する。図3において、固体潤
滑剤を添加しない実施例1のサンプルと、固体潤滑剤を
添加した実施例3のサンプルとを比較すると、潤滑条件
においては、焼き付き荷重はともに4704(N)であ
り(表1参照)、差異は見られなかった。一方、無潤滑
条件においては、実施例1のサンプルよりも実施例3の
サンプルの方が焼き付き荷重が高いことが判った。すな
わち、特に無潤滑条件においては、固体潤滑剤を添加し
た方が、組成物の焼き付き荷重は高いことが判った。
【0073】(2)次に、潤滑条件、無潤滑条件におけ
る、上記1)、2)、3)という各々構成の異なる組成
物の摩擦係数(荷重1960Nにおける値)について検
討する。実験に用いたサンプルは実施例1(PAI+マ
イクロカプセル)、実施例3(PAI+マイクロカプセ
ル+固体潤滑剤)、比較例1(PAI+固体潤滑剤)で
ある。これらのサンプルについてスラスト試験機により
摩擦係数を測定した結果を図4に示す。なお、比較例1
のサンプルの無潤滑条件での摩擦係数は、比較例1のサ
ンプルが196(N)以下の荷重で焼き付いてしまった
ため測定できなかった。
【0074】まず、マイクロカプセル添加の有無による
摩擦係数の差異について検討する。図4より、潤滑条件
および無潤滑条件において、マイクロカプセルを添加し
た実施例1および3のサンプルの方が、マイクロカプセ
ルを添加しない比較例1のサンプルよりも摩擦係数が小
さいことが判った。すなわち、マイクロカプセルを添加
した方が、組成物の摩擦係数は小さいことが判った。
【0075】次に、固体潤滑剤添加の有無による摩擦係
数の差異について検討する。図4において、固体潤滑剤
を添加しない実施例1のサンプルと、固体潤滑剤を添加
した実施例3のサンプルとを比較すると、潤滑条件にお
いては、実施例1のサンプルの摩擦係数は0.033で
あるのに対し、実施例3のサンプルの摩擦係数は0.0
28であり(表1参照)、実施例3のサンプルの方が若
干摩擦係数は小さいことが判った。また、無潤滑条件に
おいても、実施例1のサンプルよりも実施例3のサンプ
ルの方が摩擦係数が小さいことが判った。すなわち、潤
滑条件および無潤滑条件双方において、固体潤滑剤を添
加した方が、組成物の摩擦係数は小さいことが判った。
【0076】(3)次に、潤滑条件における、上記
1)、2)、3)という各々構成の異なる組成物の摩耗
量について検討する。実験に用いたサンプルは実施例2
(PAI+マイクロカプセル)、実施例4(PAI+マ
イクロカプセル+固体潤滑剤)、比較例2(PAI+固
体潤滑剤)である。これらのサンプルについてブロック
−オン−リング試験機、および表面粗度計により摩耗量
を測定した結果を図5に示す。
【0077】まず、マイクロカプセル添加の有無による
摩耗量の差異について検討する。図5より、マイクロカ
プセルを添加した実施例2および4のサンプルの方が、
マイクロカプセルを添加しない比較例2のサンプルより
も摩耗量が少ないことが判った。すなわち、マイクロカ
プセルを添加した方が、組成物の摩耗量は少なく、耐摩
耗性が良いことが判った。
【0078】次に、固体潤滑剤添加の有無による摩耗量
の差異について検討する。図5において、固体潤滑剤を
添加しない実施例2のサンプルと、固体潤滑剤を添加し
た実施例4のサンプルとを比較すると、実施例2のサン
プルの方が、実施例4のサンプルよりも摩耗量は少ない
ことが判った。すなわち、固体潤滑剤を添加しない方
が、組成物の耐摩耗性は高いことが判った。
【0079】(4)次に、無潤滑条件における、マイク
ロカプセル添加量(以下単に「添加量」と称す)と、焼
き付き荷重との関係について検討する。実験に用いたサ
ンプルは、実施例1(添加量3重量部)、実施例5(添
加量8重量部)、実施例6(添加量20重量部)、実施
例7(添加量30重量部)、実施例8(添加量50重量
部)、比較例3(添加なし)である。なお、これらのサ
ンプルには固体潤滑剤は添加されていない。これらのサ
ンプルについてスラスト試験機により、焼き付き荷重を
測定した結果を図6に示す。なお、比較例3のサンプル
は、押しつけ荷重の初期ステップ値である196(N)
で焼き付いてしまったため、焼き付き荷重は測定できな
かった。
【0080】図6より、マイクロカプセルを添加した実
施例1、5、6、7、8のサンプルの方が、マイクロカ
プセルを添加しない比較例3のサンプルより焼き付き荷
重が高いことが判った。また、添加量が比較的少ないサ
ンプル(実施例1)であっても、ある程度の焼き付き抑
制効果が得られることが判った。すなわち、無潤滑条件
においては、マイクロカプセルを添加すると焼き付きを
抑制することができ、またこの効果は添加量が少なくて
もある程度得ることができることが判った。
【0081】(5)次に、潤滑条件における、添加量
と、焼き付き荷重との関係について検討する。実験に用
いたサンプルは、実施例9(添加量3重量部)、実施例
10(添加量5重量部)、実施例11(添加量10重量
部)、実施例3(添加量20重量部)、実施例12(添
加量35重量部)、比較例1(無添加)である。なお、
これらのサンプルには固体潤滑剤が添加されている。こ
れらのサンプルについてスラスト試験機により、焼き付
き荷重を測定した結果を図7に示す。
【0082】図7より、マイクロカプセルを添加した実
施例9、10、11、3、12のサンプルの方が、マイ
クロカプセルを添加しない比較例1のサンプルより焼き
付き荷重が高いことが判った。また、マイクロカプセル
添加量が比較的少ないサンプル(実施例9)であって
も、充分な焼き付き抑制効果が得られることが判った。
すなわち、潤滑条件においても、マイクロカプセルを添
加すると焼き付きを抑制することができ、またこの効果
は添加量が少なくても得ることができることが判った。
【0083】〈まとめ〉以上の実験から、本発明のマイ
クロカプセルを添加したPAIからなる組成物による
と、従来の固体潤滑剤を添加したPAIからなる組成物
と比較して、焼き付き荷重を高くすることができ、摩擦
係数を小さくすることができ、摩耗量を少なくすること
ができることが判った。
【0084】また、本発明のマイクロカプセルおよび固
体潤滑剤を添加したPAIからなる組成物によると、さ
らに、焼き付き荷重を高くすることができ、摩擦係数を
小さくすることができることが判った。
【0085】
【発明の効果】本発明のマイクロカプセルを添加したP
AIからなる摺動部材用組成物によると、摩擦係数が小
さく、耐摩耗性に優れ、相手攻撃性の低い摺動部材用組
成物を提供することができる。また、上述した優れた摩
擦特性を安定して、継続維持できる摺動部材用組成物を
提供することができる。また、破泡したマイクロカプセ
ルにもオイルが摺動時に入り毛細管現象で保持されるた
め、長期間作動せずオイルが少なくなった条件において
もカプセル内のオイルが作用し焼き付き、高μ等の問題
がおきにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スラスト試験機の概要を示す図である。
【図2】 ブロック−オン−リング試験機の概要を示す
図である。
【図3】 潤滑条件、無潤滑条件における焼き付き荷重
を示す図である。
【図4】 潤滑条件、無潤滑条件における摩擦係数を示
す図である。
【図5】 潤滑条件における摩耗量を示す図である。
【図6】 無潤滑条件におけるマイクロカプセル添加量
と焼き付き荷重との関係を示す図である。
【図7】 潤滑条件におけるマイクロカプセル添加量と
焼き付き荷重との関係を示す図である。
【符号の説明】 1:板状サンプル 2:中空円柱部材 3:リング部材 4:ブロック状サンプル 10:コーティング面 2
0:円形面 30:周方向面 40:コーティング面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 103/02 C10M 103/02 Z 103/06 103/06 C 107/38 107/38 149/16 149/16 149/18 149/18 149/20 149/20 // F16J 1/01 F16J 1/01 C10N 10:12 C10N 10:12 20:00 20:00 Z 30:06 30:06 40:02 40:02 50:08 50:08 50:10 50:10 (72)発明者 不破 良雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 瀬古 昇一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 池田 徳行 神奈川県横浜市戸塚区名瀬町84タカタビル エスティーティー株式会社内 (72)発明者 川田 剛宏 神奈川県横浜市戸塚区名瀬町84タカタビル エスティーティー株式会社内 Fターム(参考) 3J044 AA02 BB37 BC04 DA09 4F071 AA55 AA71 AB03 AB23 AB27 AD04 AH18 EA01 4H104 AA04A AA19A AA26A CD01A CD02A CE12C CE13C CE14C EA01C FA06 LA03 PA01 QA11 QA18 QA22 QA27 4J002 AE002 AE052 BD143 BD153 CM041 DA026 DD036 DG026 DK006 FB282 GM05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドイミド樹脂と、 該ポリアミドイミド樹脂に分散され、樹脂からなる膜と
    該膜に包まれるオイルまたはグリースからなる潤滑剤と
    からなるマイクロカプセルと、 を含んでなる摺動部材用組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリアミドイミド樹脂は、引っ張り
    強度が78.4〜98MPaであり、縦弾性係数が19
    60〜2940MPaであり、伸び率が10〜20%で
    ある請求項1に記載の摺動部材用組成物。
  3. 【請求項3】 マイクロカプセルを構成する前記樹脂
    は、2種類以上の樹脂からなる混合樹脂である請求項1
    または請求項2に記載の摺動部材用組成物。
  4. 【請求項4】 前記混合樹脂は、ウレア樹脂、メラミン
    樹脂、ベンゾグアナミン樹脂のいずれか2種から形成さ
    れる混合樹脂である請求項3に記載の摺動部材用組成
    物。
  5. 【請求項5】 さらに前記ポリアミドイミド樹脂に分散
    された固体潤滑剤を含む請求項1ないし請求項4のいず
    れかに記載の摺動部材用組成物。
  6. 【請求項6】 前記固体潤滑剤は、硫化物、フッ素化合
    物、黒鉛から選ばれる1種以上である請求項5に記載の
    摺動部材用組成物。
  7. 【請求項7】 摺動部材にコーティングされたコーティ
    ング被膜として形成される請求項1ないし請求項6のい
    ずれかに記載の摺動部材用組成物。
  8. 【請求項8】 前記マイクロカプセルの径は、前記コー
    ティング被膜の膜厚の10〜100%である請求項7に
    記載の摺動部材用組成物。
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