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JP2002060967A - 銅または銅合金の表面処理法 - Google Patents

銅または銅合金の表面処理法

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JP2002060967A
JP2002060967A JP2000252912A JP2000252912A JP2002060967A JP 2002060967 A JP2002060967 A JP 2002060967A JP 2000252912 A JP2000252912 A JP 2000252912A JP 2000252912 A JP2000252912 A JP 2000252912A JP 2002060967 A JP2002060967 A JP 2002060967A
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JP
Japan
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copper
resin
copper oxide
oxide
roughened
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Pending
Application number
JP2000252912A
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English (en)
Inventor
Tomoshi Saito
知志 斉藤
Masayo Kuriyama
雅代 栗山
Shuichi Takagaki
秀一 高垣
Hideichiro Ono
秀一郎 小野
Sachiko Nakamura
幸子 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MEC Co Ltd
Original Assignee
MEC Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハローイングの問題が生じず、従来の針状の
酸化銅を形成する方法に比べて生産性が良く、得られる
酸化銅表面の取り扱い性も向上できる銅または銅合金の
表面処理法を提供すること。 【解決手段】 銅または銅合金の表面を粗化し、ついで
この表面に2〜20mg/dm2の酸化銅を形成するこ
とを特徴とする銅または銅合金の表面処理法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の
製造等に有用な銅または銅合金の表面処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の製造工程においては、
銅の回路パターン上にプリプレグ、エッチングレジス
ト、ソルダーレジスト等の樹脂が、積層または塗布され
る。例えば多層プリント配線板の製造工程においては、
表面に銅の回路パターンを有する内層基板が、プレプレ
グを挟んで他の内層基板や銅箔と積層プレスされる。一
般に銅と樹脂とは接着性に劣るが、表面を酸化して針状
の酸化銅を形成すると樹脂との接着性が向上することが
知られている。そこで、前記積層プレスの前にも、内層
基板の銅表面とプリプレグとの接着性を向上させるため
に、銅表面を酸化することが行われている。その処理
は、プリント配線板基材を、亜塩素酸ナトリウムなどの
酸化剤を含有するアルカリ性水溶液中に、90℃前後で
数分間浸漬することにより行われている。この処理によ
って形成される酸化銅の量は、通常30〜60mg/d
2である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記酸
化銅は、その後のめっき工程において酸性液と接触した
場合、バイアホールの周囲で溶解し、ハローイングと呼
ばれる欠陥を生じる問題がある。また、この酸化銅は針
状結晶であるため壊れやすく、取り扱いに充分な注意を
要する。さらに、酸化銅を形成する処理は、前記のごと
く高温のアルカリ性水溶液を用いるため、プリント配線
板の製造工程の中でも作業性が悪く、時間がかかり、生
産性に問題のある処理となっている。したがって、本発
明は、従来技術の欠点を克服し、ハローイングの問題が
生じず、従来の針状の酸化銅を形成する方法に比べて生
産性が良く、得られる酸化銅表面の取り扱い性も向上で
きる銅または銅合金の表面処理法を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記のご
とき問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、銅表
面を粗化したのち、この表面に従来よりも大幅に少ない
特定量の酸化銅を形成すると、プリプレグなどの樹脂と
の接着性に優れた銅表面になり、かつ酸性液と接触した
場合にもハローイングが生じないことを見出した。しか
も粗化された銅表面に少量の酸化銅を形成する処理は、
従来の酸化銅を形成する処理に比べて温和な条件で可能
であり、生産性に優れていることを見出した。
【0005】本発明は、銅または銅合金の表面を粗化
し、ついでこの表面に2〜20mg/dm2の酸化銅を
形成することを特徴とする銅または銅合金の表面処理法
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明の処理法においては、まず銅または銅合
金の表面が粗化される。前記粗化法に特に限定はない
が、例えばマイクロエッチング法、電気めっき法、無電
解めっき法、ジェットスクラブ法等があげられる。前記
マイクロエッチング法としては、例えば硫酸・過酸化水
素タイプエッチング剤、過硫酸塩タイプエッチング剤、
塩化銅タイプエッチング剤、塩化鉄タイプエッチング
剤、硝酸タイプエッチング剤(メック(株)製のCZ−
5480等)、有機酸タイプエッチング剤(メック
(株)製のCZ−8100等)等を用いる方法があげら
れる。前記粗化表面のうちでは、メック(株)製のCZ
−8100による粗化表面のような、微細なこぶ状の突
起が密に形成されたような深い凹凸のある粗化表面が、
樹脂と接着させた場合にアンカー効果が生じるので好ま
しい。
【0007】本発明においては、樹脂との接着性をさら
に向上させるために、前記粗化表面に、2〜20mg/
dm2、好ましくは3〜15mg/dm2、さらに好まし
くは3〜10mg/dm2の酸化銅が形成される。前記
酸化銅が2mg/dm2未満では銅または銅合金の表面
に均一に酸化銅を形成することができず、樹脂との接着
性を向上させる効果が不充分になる。一方20mg/d
2を超えるとハローイングが発生するおそれがある。
【0008】この酸化銅の量は、酸化されていない銅と
の酸性水溶液に対する溶解度の違いを利用することによ
り確認することができる。例えば、被処理材を10重量
%の硫酸水溶液中に浸漬して酸化銅をのみを溶解させ、
被処理材の重量変化を測定することにより確認すること
ができる。
【0009】前記酸化銅の形成方法に特に限定はない
が、例えば過硫酸カリウム20〜50g/リットルおよ
び水酸化ナトリウム15〜40g/リットルを含有する
水溶液に、40〜60℃で15〜60秒間浸漬する方法
や、亜塩素酸ナトリウム120〜220g/リットルお
よび水酸化ナトリウム15〜40g/リットルを含有す
る水溶液に、40〜60℃で15〜60秒間浸漬する方
法などがあげられる。
【0010】本発明においては、酸化銅の形成がこのよ
うな低温かつ短時間で行われるため、水平コンベアで連
続処理することが可能であり、生産性に優れている。
【0011】前記処理により、銅または銅合金の表面に
酸化銅が形成されると、その表面の色調が変化する。こ
れを電子顕微鏡にて7000倍に拡大して観察すると、
被処理材の粗化表面を構成する凹凸のそれぞれの表面
に、さらに微細な凹凸が形成されているのが確認でき
る。例えば前記メック(株)製のCZ−8100で粗化
された銅表面は明るい褐色であるが、酸化銅が形成され
ることにより、黒褐色になる。えられた表面の凹凸は、
通常の取り扱いでは壊れることがないため、その取り扱
いに格別の注意を要しない。
【0012】前記水溶液による処理の後、必要に応じて
特開7−38254号や同11−43778号に開示さ
れているような防錆剤水溶液で処理してもよく、シラン
カップリング剤や有機チタネートカップリング剤で処理
してもよい。
【0013】本発明によって処理された銅または銅合金
を樹脂と接着させると、あらかじめ形成されている粗化
形状によるアンカー効果と、酸化銅(酸化されていない
銅よりも樹脂との接着性が良好である)の効果との相乗
効果により、優れた接着力をうることができる。
【0014】前記樹脂に特に限定はなく、例えばAS樹
脂、ABS樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリエチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリサルホン、ポリプロピレン、液晶ポリマー等の
熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
イミド、ポリウレタン、ビスマレイミド・トリアジン樹
脂、変性ポリフェニレンエーテル等の熱硬化性樹脂等が
あげられる。
【0015】本発明の表面処理法は種々の用途に使用す
ることができる。例えば配線板の導電層の銅と、層間絶
縁樹脂(プリプレグ、無電解めっき用接着剤、フィルム
状樹脂、液状樹脂、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑
性樹脂)、ソルダーレジスト、導電性樹脂、導電性ペー
スト、導電性接着剤、穴埋め用樹脂、フレキシブルカバ
ーレイフィルム等との接着性を向上させるために使用す
ることができる。
【0016】例えば、多層プリント配線板を製造する際
の内層基板の銅表面処理に用いると、プリプレグとの接
着性が著しく向上し、後に続くめっき工程でハローイン
グが生じないという効果が得られる。また、ビルドアッ
ププリント配線板の層間絶縁樹脂との接着性を向上させ
るためにも有効である。さらにリードフレームの表面処
理にも有用であり、封止樹脂との接着性を向上させるこ
とができる。
【0017】さらに、本発明の処理法によってえられて
銅表面は、赤褐色〜黒褐色の色調を示すため、感光性樹
脂の下地とした場合に解像度が向上する効果が得られ、
またプリント配線板回路の自動光学検査機(AOI)の
誤動作が少なくなるという効果が得られる。
【0018】また、プリント配線板のバイアホールの形
成に、従来のドリルにかわり、炭酸ガス、YAG、エキ
シマなどのレーザが使用され始めているが、本発明の処
理法によって銅表面を赤褐色〜黒褐色の色調にすること
により、レーザ光の反射が少なくなり、エネルギー吸収
が向上し、銅と樹脂の両方をレーザで孔あけできるとい
う効果が得られる。従来、炭酸ガスレーザやYAGレー
ザで発振されたレーザ光は銅表面で反射され、銅に孔あ
けすることができないため、この部分の銅をあらかじめ
エッチングにより除去したのち、絶縁樹脂層をレーザで
孔あけしていた。
【0019】本発明の処理法を用いる場合は、例えば多
層プリント配線板の外層の銅箔(通常厚さ9〜18μ
m)を、メック(株)製のCZ−8100等でエッチン
グして3〜7μm程度の厚さにするとともに(細線パタ
ーンの形成を可能にするため)、かつ表面を深い凹凸の
ある形状に粗化したのち、この表面に2〜20mg/d
2の酸化銅を形成して黒褐色にし、炭酸ガスレーザで
孔あけする方法が好ましい。前記酸化銅を形成するかわ
りに、硫化銅を形成したり、樹脂で被覆したりすること
によってもレーザ光のエネルギー吸収を向上させること
が可能であるが、酸化銅を形成する方法は作業性がよ
く、孔あけ後に樹脂膜を除去する必要がないという点で
好ましい。
【0020】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに具体的に
説明する。 実施例1〜3および比較例1〜3 (はんだ耐熱性)両面に厚さ18μmの銅箔を張り合わ
せたガラス布エポキシ樹脂含浸銅張積層板(FR−4グ
レード)を、メック(株)製のCZ−8100で処理
し、銅表面を粗化した。えられた表面は明るい褐色であ
った。次に表1に示す組成の水溶液に浸漬し、銅表面に
酸化銅を形成した。この表面の酸化銅量および色調を表
1に示す。
【0021】えられた銅張積層板の両面にガラス布エポ
キシ樹脂含浸プリプレグ(FR−4グレード)を積層プ
レスした後、周辺部を切り取り、テストピースを作製し
た。次に、えられたテストピースにプレッシャークッカ
ーにて121℃、100%RH、2気圧、4時間の負荷
を与えた後、JIS C 6481に準じて260℃の
溶融はんだ浴中に1分間浸漬し、はんだ耐熱性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0022】(引きはがし強さ)厚さ70μmの電解銅
箔のS面を前記CZ−8100で処理して粗化した後、
表1に示す組成の水溶液に浸漬し、銅表面に酸化銅を形
成した。えられた銅箔の処理面に、前記プリプレグを積
層プレスした後、JIS C 6481に準じて幅1c
mの銅箔を残して残りの銅箔を除去し、引きはがしき強
さを測定した。結果を表1に示す。
【0023】(ハローイング)両面に厚さ35μmの銅
箔を張り合わせたガラス布エポキシ樹脂含浸銅張積層板
(FR−4グレード、厚さ0.3mm)を、メック
(株)製のCZ−8100で処理し、銅表面を粗化し
た。次に表1に示す組成の水溶液に浸漬し、銅表面に酸
化銅を形成した。えられた積層板に前記プリプレグを挟
んで厚さ18μmの銅箔を積層プレスし、4層板を作製
した。得られた4層板に、径0.4mm、回転数700
00rpmのドリルで孔あけを行なった。次に、得られ
た4層板を4規定の塩酸に2時間浸漬したのち取り出
し、内層の銅箔が観察できるように水平研磨し、内層銅
箔のハローの発生状況を顕微鏡により100倍で観察し
た。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示されるように、実施例1〜3は、
ハローイングが生じず、はんだ耐熱性、引き剥がし強さ
に優れていた。これに対し、比較例1、3の場合には、
酸化銅量が多くなり、ハローイングが生じた。また、比
較例2は、酸化銅量が少なくなり、ハローイングは生じ
ないものの、はんだ耐熱性、引き剥がし強さに劣ってい
た。
【0026】
【発明の効果】本発明の銅または銅合金の表面処理法よ
り、ハローイングの問題が生じず、従来の針状の酸化銅
を形成する方法に比べて生産性が良く、得られる酸化銅
表面の取り扱い性も向上できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高垣 秀一 兵庫県尼崎市東初島町1番地 メック株式 会社内 (72)発明者 小野 秀一郎 兵庫県尼崎市東初島町1番地 メック株式 会社内 (72)発明者 中村 幸子 兵庫県尼崎市東初島町1番地 メック株式 会社内 Fターム(参考) 4K026 AA06 BA08 BA12 BB06 CA16 CA33 CA34 CA36 DA03 EA02 EB08 5E343 AA15 AA17 BB24 BB67 CC01 CC03 CC04 CC46 DD76 EE52 EE55 GG01 GG11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金の表面を粗化し、ついで
    この表面に2〜20mg/dm2の酸化銅を形成するこ
    とを特徴とする銅または銅合金の表面処理法。
JP2000252912A 2000-08-23 2000-08-23 銅または銅合金の表面処理法 Pending JP2002060967A (ja)

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