【発明の詳細な説明】
即時使用可能な殺有害生物剤を分配するための容器および方法
発明の分野
本発明は、有害生物管理のために即時使用可能な殺有害生物剤(ready-to-use
pesticides)を分配するための容器および方法に関する。特に、本発明は、濃い
粘性半固体流動性組成物の形態である即時使用可能な殺有害生物剤を手で分配す
るための容器および方法に関する。
発明の背景
従来の有害生物管理技術は、液体を広い範囲にスプレーすることに依拠してお
り、殺有害生物剤濃縮物を希釈して液体形態にし、領域にスプレーして有害生物
を防除する。しかし、広い範囲のスプレーは、殺有害生物剤を堆積させる特に正
確な形態ではなく、過度のスプレー(すなわち、むだな製品)をもたらし、所望
のスプレー領域内(外)の製品の配置がより個別的でないことが多い。
多くのこれらの問題に基づいて、有害生物管理技術は、濃縮物の希釈形態の広
い範囲のスプレーから、「即使用可能な」殺有害生物剤(たとえば、毒餌、忌避
剤、および接触に基づいた殺有害生物剤)のより個別的な配置へ移ろうとしてい
る。望ましい即使用可能な殺有害生物剤は、有害生物管理において効果的である
ために、耐久性があり、物理的化学的に安定していなければならない。さらに、
殺有害生物剤毒餌は、効果的な有害生物管理のために、有害生物を引き寄せ、有
害生物にとっておいしいものでなければならない。
また、即使用可能な殺有害生物剤の分配が正確であり、操作者にとって分配し
やすいことも重要である。実際、限られたアクセスで狭い領域、隠れた領域およ
び/または暗い領域(すなわち、「割れ目および裂け目」)への分配を容易にす
るために、操作者が即使用可能な殺有害生物剤を片手で分配できることが特に望
ましい。
いくつかの即使用可能な殺有害生物剤(たとえば、ゲルまたはペースト形態で
供給されるもの)は、注入器またはコーキン型銃で分配されている。他の即時使
用可能な殺有害生物剤(たとえば、粉末またはダスト形態で供給されるもの)は
、チューブ状または球状ディスペンサーで分配されている。しかし、別個のディ
スペンサーは割れ目および裂け目などに使用しにくいことが多く、有害生物管理
システム全体のコストをさらに増す。
また、多くのディスペンサーは、より濃いゲルおよびペーストを分配するのに
必要な力により、比較的低粘性の液体殺有害生物剤組成物および粉末殺有害生物
剤組成物の分配に限られている。より濃いゲルおよびペーストは、より大きくか
さばったディスペンサーを必要とするか、操作者にとって、やっかいで身体的に
疲れるものとなるであろう。より大きく強力なディスペンサーは、一般に対費用
効果がよくなく、割れ目および裂け目に使用しにくいことが多い。また、より強
力なディスペンサーは、分配操作後、しばらく分配が続き、製品がむだになるで
あろう。
しかし、より濃い半固体流動性組成物で供給される、いくつかの即使用可能な
殺有害生物剤は、ゴキブリなどの有害生物にとって、よりおいしいものであるの
で、より低粘性の液体および粉末よりも効果的であることが多いことがわかって
いる。たとえば、いくつかの即使用可能な殺有害生物剤は、ペースト形態で利用
でき、槽状容器で供給される。即使用可能な殺有害生物剤ペーストは、手袋をは
めた手で、またはパテナイフを用いて手で分配される。しかし、即使用可能な殺
有害生物剤ペーストをこのように使用すると、汚くなり、操作者の手袋および衣
類がかなり汚れることがある。これは、重大な環境および安全問題であり、また
顧客には職業的操作者が汚く、あまり優れていないように見えるだろう。さらに
、即使用可能な殺有害生物剤ペーストは、個別的に配置しにくく、製品の過度の
塗布、槽容器ならびに操作者の手袋および衣類が汚れることにより、かなりの量
の製品がむだになることが多い。
従来のディスペンサー、たとえば液体または粉末殺有害生物剤を分配するのに
使用されるディスペンサーは、このタイプのペースト組成物を分配するのに適し
ていない。たとえば、デービス(Davis)に付与された米国特許第5,169,251号明細
書は、様々な液体または粉末組成物用のディスペンサーに関する。このディスペ
ンサーは、本質的に、操作者の手にはめる手袋であり、操作者の手のひらで強く
握られるように配置された包みを含む。粉末材料は、一つの実施の形態の手のひ
ら側の穴を介して分配される。他の実施の形態では、代わりに液体材料を指先に
通じている狭い導管を介して分配してもよい。
デービスのディスペンサーで使用できるものとして、液体ならびに粉末殺有害
生物剤および忌避剤を含めて、様々な食品製品、個人ケア製品、家庭製品などが
挙げられる。これらのタイプのディスペンサーの一つの利点は、片手での操作、
および指先の近くに(少なくとも液体材料用の)分配口を配置することにより、
比較的個別的に制御して製品を配置できることである。しかし、これらのディス
ペンサーは、比較的複雑であり、製造しにくく、製造コストがかかるであろう。
さらに、デービスのディスペンサーは、濃い半固体流動性組成物の分配用に設
計されていない。デービス特許に示されている導管は、比較的低粘性(たとえば
、約20,000cps以下)の液体しか分配できない。デービスのディスペンサーは
、濃い半固体流動性組成物を狭い導管を介して分配するのに必要な高圧に耐える
ように構成されていない。また、より濃い組成物を狭い導管を介して分配するの
に必要な過度の労力から、望まれない操作者の疲労が生じる。
したがって、この技術においては、より効果的な即使用可能な濃い半固体流動
性殺有害生物剤組成物を、制御して、個別的に、対費用効果がよいように分配す
るという正確かつ経済的な態様が実質的に必要である。さらに、この技術におい
ては、容易かつ簡単に用いられる即時使用可能な殺有害生物剤組成物を分配する
態様が実質的に必要である。
発明の開示
本発明は、即時使用可能な濃い半固体流動性殺有害生物剤組成物を充填した柔
軟性パッケージを、手でつかみ、殺有害生物剤塗布領域の近くに位置合わせし、
強く握って、柔軟性パッケージの開口を介して殺有害生物剤塗布領域に殺有害生
物剤組成物を制御可能であるように押し出す、即時使用可能な殺有害生物剤を分
配するための容器および方法を提供することにより、先行技術に付随する前記お
よび他の問題に対処する。
本発明の好ましい実施の形態で使用される柔軟性パッケージは、対費用効果が
よく簡便な容器であり、片手で分配するのに適している。したがって、有害生物
が集まる割れ目および裂け目に殺有害生物剤を塗布できる。さらに、操作者が柔
軟性パッケージから殺有害生物剤を分配するのに過度の力を必要としないので、
操作者が疲れずに、簡単かつ容易な態様で殺有害生物剤を分配することができる
。さらに、柔軟性パッケージは、片手で、制御して個別的に製品を配置すること
ができ、好ましい実施の形態において、分配時に製品の位置をよりうまく導くた
めに同じ手の指を使用することができる。
したがって、本発明の一つの態様によれば、即時使用可能な殺有害生物剤組成
物を分配する方法が提供される。この方法は、即時使用可能な殺有害生物剤組成
物のための開口を有する柔軟性容器を手でつかむ工程を含み、柔軟性容器には、
即時使用可能な殺有害生物剤組成物が入っており、殺有害生物剤組成物が少なく
とも約25,000cpsの粘性を有する濃い半固体流動性組成物の形態であり
、この方法はさらに、柔軟性容器の開口を殺有害生物剤塗布領域の近くに位置合
わせする工程と、柔軟性容器を強く握って開口を介して塗布領域に殺有害生物剤
組成物を押し出す工程とを含む。
本発明の別の態様によれば、内室を定める少なくとも一つの壁と内室に流動的
に連通する分配口とを含む操作者が手でつかめる大きさの柔軟性パッケージと、
柔軟性パッケージの内室に配置された、少なくとも約25,000cpsの粘性
を有する濃い半固体流動性組成物の形態である即使用可能な殺有害生物剤組成物
とを含む即時使用可能な殺有害生物剤組成物用容器が提供される。
本発明の特徴となる、これらおよび他の利点および特徴は、本件に添えた本件
のさらなる部分を構成するクレームに詳述する。しかし、本発明ならびに本発明
の使用により達成される目的および利点をよりよく理解するために、図面、およ
び本発明の好ましい実施の形態を説明してある下記の記述事項を参照すべきであ
る。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の原理と一致する好ましい即時使用可能な殺有害生物剤容器の
平面図である。
図2は、図1の容器の使用を示す側面図である。
図3は、本発明の原理と一致する別の殺有害生物剤容器の部分斜視図であり、
殺有害生物剤容器に配置された外部ポケットを示す。
図4は、本発明の原理と一致する別の殺有害生物剤容器の部分底面図であり、
容器を開けるための取り外しできるクロージュアを示す。
図5a〜図5fは、本発明の原理と一致する付加的な殺有害生物剤容器の平面
図であり、いくつかの代替的な形状を示す。図5aは、三角形の容器を示し、図
5bは、長方形の容器を示し、図5cは、台形の容器を示し、図5dは、ひし形
の容器を示し、図5eは、五角形の容器を示し、図5fは、曲がった多角形の容
器を示す。
図6は、本発明の原理と一致する別の殺有害生物剤容器の平面図を示し、一つ
のフィルムシートがフィンシームで密封されている。
好ましい実施の形態の詳細な説明
図面について説明すると、いくつかの図を通して同類の部分が同類の番号で示
されている。図1は、本発明の原理と一致する即時使用可能な殺有害生物剤用柔
軟性容器10を示す。容器10は、一般に、柔軟性パッケージ18内に入ってい
る殺有害生物剤組成物12を含む。
殺有害生物剤組成物12は、好ましくは、少なくとも約25,000cpsの
粘性を有し、粘性半固体流動性組成物であり、より好ましくは、約74,700
〜1,520,000cpsの粘性を有する濃い粘性半固体流動性組成物である
。約74,700〜1,520,000cpsの粘性は、本発明で使用するのに
適している、いくつかの市販の殺有害生物剤組成物の粘性範囲である。しかし、
以下で説明するように、容器の分配口の大きさを変えることにより、より広い範
囲の粘性が好ましい容器で使用するのに適しているであろう。
本発明で使用する殺有害生物剤組成物の粘性を決定するにおいて、以下の手順
を行うことが好ましい。3−1/2インチ(8.9cm)直径ストレートウォー
ルコンテナに2−1/2インチ(6.4cm)の深さまで殺有害生物剤組成物を
加える。ブルックフィールドDV−I+ビスコメータ(Brookfield DV-I+Viscome
ter)に挿入されたブルックフィールドTバースピンドル(典型的には、粘性の範
囲によってA、CまたはEスピンドル)を用いて組成物の粘性を測定する。組成
物表面下1/4インチ(0.64cm)の最初の深さにスピンドルを設定する。
30秒間に7/16インチ(1.11cm)の組成物へのダイブ速度で、スピン
ドルを毎分10回転させながら、組成物をせん断し、粘性を測定する。ダイブは
、ブルックフィールドヘリパススタンドモデルD(Brookfield Helipath Stand M
odel D)によって行われる。組成物の粘性は、ブルックフィールドDV−I+ビ
スコメータのディジタルディスプレイに示される。組成物サンプルの粘性は、好
ましくは3回測定し、平均値を組成物の粘性として報告する。
殺有害生物剤組成物12は、好ましくは即時使用可能な組成物である。即時使
用可能な殺有害生物剤組成物は、直接塗布に適しており、また、家または他の建
物のゴキブリなどの有害生物が集まる領域、特に割れ目および裂け目に使用する
のに適している。
前記のように、本発明は、有害生物にとって特においしいものであることがわ
かっている濃い半固体流動性組成物の分配に関する。したがって、本発明で使用
するのに適している組成物は、一般に、適切なテクスチャーおよび粘性、たとえ
ばペースト、ゲル、エマルジョン、懸濁液、ろうなどの形態に調合することがで
きる殺有害生物剤(たとえば、殺虫剤、殺そ剤、殺鳥剤(avicide)など)であっ
てもよい。また、低流動性によって、または乾燥もしくは化学反応後に「開始す
る」能力によって、殺有害生物剤組成物が表面に塗布された時にその形状を維持
できることが好ましい。
本発明で使用するのに適している殺有害生物剤組成物は、典型的には、活性成
分または殺作用剤と、適切な引き寄せる性質、耐久性、安定性、おいしさ、粘性
などを組成物に提供する不活性成分とを含む。活性成分の例としては、下記の分
類の殺虫剤の化合物がある。
1−有機リン酸塩類(organophosphates)、たとえばアセフェート(acephate)、
クロルピリフォス(chlorpyrifos)、またはダイアジノン
2−鉱酸類およびそれらの塩類、たとえばホウ酸
3−カルバメート類(carbamates)、たとえばプロポクサー(propoxur)またはベ
ンジオカーブ(bendiocarb)
4−ピレトロイト類(pyrethroids)、たとえばシフルトリン(cyfluthrin)
5−アミジノヒドラゾン類(amidinohydrazones)、たとえばヒドラメチルノン(
hydramethylnon)
6−アベルメクチン類(avermectins)、たとえばアバメクチン(abamectin)
7−塩素化炭化水素類、たとえばリンデン、ならびに前記化合物と既知の共力
剤との組み合わせ、たとえばカルバメート類またはピレトロイド類、たとえばベ
ンジオカーブをピペロニルブトキシドと組み合わせてもよい。
殺そ剤については、活性成分の例として、ジファシノン(diphacinone)、ブロ
マジオロン(bromadiolone)、クロロフアシノン(chlorophacinone)、コレカルシ
フェロール、ワルファリン、リン化亜鉛などがある。殺鳥剤については、活性成
分の例として4−アミノピリジンがある。
好ましい殺有害生物剤組成物に使用される不活性成分は、典型的には、水また
は希釈剤として作用する他の溶媒と、希釈剤として作用し、引き寄せる性質およ
び摂食刺激を提供する食品成分と、希釈剤として作用し、組成物に所望の粘性を
提供するうすめ液または増粘剤とを含む。食品成分は、デンプン類および糖類な
どの炭水化物類、ならびにタンパク質類および脂肪類であってもよい。適切なう
すめ液は、たとえば水であってもよく、適切な増粘剤は、たとえばデンプンまた
はキサンテンガム(xanthan gum)であってもよい。
いくつかの特に適切なタイプの即使用可能な殺有害生物剤組成物は市販されて
いる。一例として、33.3%のホウ酸と66.7%の不活性成分とを含む、ブ
ルー ダイヤモンド エクスターミネイティング アンド マニュファクチャリ
ング カンパニー(Blue Diamond Exterminating and Manufacturing Company)に
よって製造されたステープルトンズマグネティックローチフード(Stapleton's M
agnetic Roach Food)殺有害生物剤がある。別の例として、2%のヒドラメチル
ノンと98%の不活性成分とを含む、アメリカン シアナミド カンパニー(Ame
rican Cyanamid Co.)によって製造されたシージ(Siege)ゲル殺虫剤がある。
他の殺有害生物剤組成物は、パッケージ内に配置する前に、所望の粘性で即時
使用可能であるようにすることができる。一例として、マイルズ インコーポレ
イテッド(Miles Inc.)によって製造され、水、およびキサンテンガムなどの増粘
剤で、0.05〜0.1%のシフルトリン使用濃度および所望の粘性に希釈され
たテンポ(Tempo)WP殺有害生物剤がある。
他の即時使用可能な殺有害生物剤組成物は、パッケージ内に配置する前に、濃
くするか、または薄めて所望の粘性にすることができる。一例として、セノレト
ケミカル カンパニー インコーポレイテッド(Senoret Chemical Co.,Inc.)
によって製造された、5.40%のソジウムテトラボレートデカヒドレート(四
ホウ酸ナトリウム十水化物)(sodium tetraborate decahydrate)(ホウ砂)と9
4.60%の不活性成分とを含み、キサンテンガムで濃くされて所望の粘性にさ
れたテロアントキラー(Terro Ant Killer)殺有害生物剤がある。
また、有害生物にとって十分においしいものである適切なテクスチャーおよび
他の特性を有する他の殺有害生物剤組成物を使用してもよい。
柔軟性パッケージ18は、少なくとも一つの壁によって定められる内室13に
殺有害生物剤組成物12が入っている。一つの好ましい柔軟性パッケージの内室
13は、好ましくは、既知の態様(たとえばヒートシーリングまたは超音波密封
)で周囲24で密封されて対向壁ならびに端縁26および28などの複数の端縁
を形成する一対の対向ポリマーフィルムシート20、22によって定められる。
シート20および22は、好ましくは、PET、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル
、マイラフォイル(mylar foil)などの金属化ポリマー、他のポリマーなど、およ
び1以上の前記材料を組み合わせた積層品である。また、必要な透過性、強度、
柔軟性および耐久性を与える他の材料または材料の組み合わせを使用してもよい
。さらに、材料は透明でも不透明でもよい。
柔軟性パッケージ18は、食品および個人製品などのより低粘性の液体(たと
えばケチャップ、マスタードなど)用の一回使用容器に使用されるパッケージン
グと概念が幾分似ている。しかし、そのようなパッケージングは、即時使用可能
な殺有害生物剤組成物などを分配するための有害生物管理の分野では使用されて
いない。さらに、柔軟性パッケージ18は、一回の適用量を越える殺有害生物剤
組成物を入れることができ、一つのパッケージから複数回の分配操作が行えるの
で、一回使用パッケージではない。
また、内部に定められた室内に液体またはペースト組成物を入れるための柔軟
性パッケージングを構成する他の態様を代わりに用いてもよい。たとえば、周囲
を定める「端縁」を2以上の部材の接合部または密封部に形成してもよく、一つ
のシート自体が重なるか折りたたまれるところにそのような端縁を定めて対向壁
を形成してもよい。さらに、パッケージ、たとえば一般に連続的な一つの壁を有
するバルーン形パッケージにおいて、はっきりした端縁が容易に定められない場
合でも、室を定めてもよい。
さらに、たとえば一つのシートを一つのフィンシームを用いて接合する場合の
ように、様々な数のシートを使用してもよい。たとえば、図6は、フィンシーム
60で片側に沿って密封され、シーム62および64で端部に沿って密封された
一つのシート20'''を有する代替的な殺有害生物剤容器10'''を示す。また、
容器10'''は、別個の密封部または接合部が多数の部材間に形成される場合だ
けでなく、一つのフィルムシート自体が端縁28'''に沿って折りたたまれてい
る場合にも「端縁」を定めてもよいことを示している。接着剤の使用などによっ
て、1以上のシートを接合して柔軟性パッケージを形成する他の態様を用いても
よい。
図1を参照すると、柔軟性パッケージ18は、好ましくはコーナ32、たとえ
ば一点に集まる一対の端縁26、28の交点に形成された、内室13に流動的に
連通する分配口30を含む。代わりに、分配口を端縁の一つに沿って配置しても
、シート20、22のいずれかの任意の位置に配置してもよい。
分配口30は、好ましくは、使用前は閉じており、容器から材料を分配するた
めに初めて口を開けなければならない。本発明と一致する、分配口30を開ける
いくつかの態様を用いることができる。たとえば、図1に示されているように、
たとえばコーナを切るか、ちぎり取ることにより、コーナ32を除去して口30
を開け、シート20とシート22との間に口30で開口を形成してもよい。口を
開けるのを容易にするために、口の近くに予めカットされた1以上のミシン目を
含んでもよいことが理解されるであろう。また、たとえば、コーナの近くでシー
トの一つに穴を形成するかスリットを付けることによって、シートの一つのみに
開口を形成してもよいことが理解されるであろう。
さらに、図4に示されているように、開口を覆うために、別個のクロージュア
、たとえば殺有害生物剤容器10"上のクロージュアまたはカバー50を使用し
てもよい。カバー50は、シート20"、22"のうちの一つに形成された開口3
0"上に配置してもよい。シートの一つにカバー50を取り外しできるように固
定するために接着剤を使用してもよい。また、カバーを取り外す際に操作者の助
けとなるようにカバー50上につまみを設けてもよい。さらに、容器10"から
単にカバーを引き離すだけで完全に取り外さないように、カバーの一部をシート
の一つに永続的に固定することも可能だろう。また、他のカバー/クロージュア
、および柔軟性パッケージに開口または分配口を形成する他の態様を代わりに用
いてもよい。
図1を参照すると、たとえば、コーナ32を多少切り取ることによって、様々
な開口サイズ(または直径)を有する分配口30を形成してもよい。より低粘性
の材料には、したたり落ちるのを少なくし、より個別的な配置を可能にするため
に、より小さい開口サイズが好ましいであろう。一方、より粘性のある材料には
、操作者が材料を分配するのに必要な力を、より快適なレベルに低減させるため
に、より大きい開口サイズが好ましいであろう。
好ましい容器による分配時の疲労を制限するために、好ましい分配口の直径(
たとえば、様々な大きさの円筒状の棒を口に挿入し、口の直径として適合する最
大の棒の直径を用いて測定してもよい)は、好ましい範囲の最大の粘性(約1,
520,000cps)を有する組成物の場合、約0.326インチ(0.82
8cm)以上であり、より低粘性の材料の場合、より小さい直径が好ましい(た
とえば、約74,700cpsの粘性を有する組成物の場合、約0.085イン
チ(0.22cm)以上の口の直径が好ましい)。粘性と分配口の直径の関係は
、以下、実施例IIに関して詳細に説明する。
さらに、約0.344インチ(0.874cm)以下の分配口の直径では、製
品が十分に個別的に配置されることがわかっている。より大きい直径によって分
配される材料は、好ましい容器で容易に扱えるが、よりかさばり、より個別的で
ない傾向があるだろう。
組成物の粘性、製品の配置の個別性、分配の労力などによって、他の適用にお
いて他の口の直径を用い得ることが理解されるであろう。さらに、好ましい容器
に使用するのに適している組成物の許容粘性範囲が、単に分配口の大きさを変え
るだけで、ここに開示されているものより広くなってもよいことが理解されるで
あろう。
好ましい容器は、殺有害生物剤組成物の1回の塗布量を分配するための1回使
用容器でもよい。より好ましくは、各容器から複数回、塗布量を分配するのに十
分な量の殺有害生物剤組成物を容器に入れる。また、殺有害生物剤組成物の一部
だけを使用した場合に、後で容器を使用できるように、たとえば、分配口の上で
容器の一部を折りたたみ、テープを貼るか、クリップで留めるか、または他の方
法で容器を閉じた状態にすることによって、容器を再び閉めることのできるよう
にしてもよい。
図2は、一般に、容器10を使用して即時使用可能な殺有害生物剤組成物を分
配する好ましい方法を示す。この図に示されているように、容器10は、好まし
くは操作者の手1でつかめる大きさである。容器10を使用して製品を分配する
ために、前記のように容器を開けなければならない。次に、操作者が容器10を
手でつかみ、位置合わせをして、殺有害生物剤組成物を塗布すべき殺有害生物剤
塗布領域、たとえば表面5の近くに口30を配置する。塗布領域は、床、コーナ
、壁、割れ目、裂け目など、特に、ゴキブリなどの多くの有害生物が集まる暗い
場所および/または狭い場所であってもよい。
容器10から殺有害生物剤組成物を分配するために、操作者は単に手1の手の
ひらの容器を強く握る。それにより、圧力が発生し、図2の参照符号12で示さ
れているように、分配口30を介して塗布領域に殺有害生物剤組成物を押し出す
。また、この図に示されているように、操作者の一本の指、たとえば人さし指2
の近くに口30を位置合わせするように容器10をつかむことにより、殺有害生
物剤組成物の制御された塗布を容易にしてもよい。これにより、操作者が非常に
制御可能な態様で分配口30を操作することができ、操作者が容器を強く握りな
がら、殺有害生物剤組成物を非常に厳密かつ正確に塗布することができる。これ
は、製品が容器、手袋および衣類に付くことによって、ならびに過度の製品塗布
によって、かなりの量の製品がむだになる従来の槽または広口びん容器と対照的
である。
パッケージの変形性により、操棒者は、容器をつかみながら、パッケージ内の
殺有害生物剤組成物を指で操作して、より多くの組成物が使い尽くされるにつれ
て組成物を分配口の近くに位置合わせすることができる。実際に、簡単な設計の
容器があれば、容器にもともと供給されていた組成物の95%を越える量を使用
することができ、「空の」容器に残る製品の量を最小にすることができると考え
られる。残留組成物を備えた使用済みの容器は、容易に捨てることができ、かな
りの量のパッケージング材料または殺有害生物剤組成物がむだにならない。した
がって、むだが最小になり、容器の費用効果が最大になる。
図3に示されているように、塗布の可制御性を増すために、指、たとえば指2
を入れる外部ポケット、ポーチまたはバンドを含むことが望ましいであろう。こ
の図に示されているように、容器10’は、口30’の近くで密封され、シート
20’および22’と接触し、これらのシートと重なっている別個のポリマーフ
ィルムシートから形成される外部ポケットまたはバンド40を含む。分配時に指
2が殺有害生物剤組成物と接触しないようにするために、口30’からポケット
を密封してもよい。代わりに、バンドを形成しているパッケージのコーナをちぎ
るか、切るか、または他の方法で除去することによって、口30’を開けると同
時にポケットの端部を開けてもよい。さらに、ポケット40を形成する好ましい
態様は、シート20’および22’のうちの一つと重なっている付加的なポリマ
ーフィルムシートを設けることであるが、外部ポケットまたはポーチを製造する
他の態様を用いてもよいことが理解されるであろう。
図1を参照すると、好ましい柔軟性パッケージ18は、平行四辺形であり、一
点に集まっている一対の端縁26および28によってコーナが形成されているこ
とがわかるであろう。可制御性の問題により、端縁26および28が90°未満
、たとえば約60°の角度αを形成することが好ましい。しかし、容器から低流
動性ペースト組成物を分配するのに必要な力を最小にするために、十分に大きな
角度、たとえば30°を越える角度を提供することも重要である。
殺有害生物剤組成物の高粘性の結果として、より小さく狭い開口は、口30か
ら殺有害生物剤組成物を絞り出すのに過度の労力を必要とする傾向がある。また
、口の近くに、狭い間隔をあけられた実質的に平行な端縁を有した結果としての
「導管」効果を最小にするか、なくすことが好ましい。口30の近くに導管を形
成してもよいが、口を介して殺有害生物剤組成物を押し出すのに必要な労力を最
小にするために、導管の端縁を、比較的短くし、互いに比較的広い間隔をあける
ことが好ましい。
図1の容器10の周囲24によって定められる平行四辺形の形状は、保持およ
び分配が簡便であり、操作者の手に比較的うまく適合するので好ましい。また、
このタイプの形状を製造することも簡便である。なぜなら、この形状の周囲の対
向端縁の一致する角度により、複数のそのような容器を帯状に形成してもよいか
らである。しかし、直線端縁および/または曲がった端縁を有する無数の他の形
状を用いてもよいことが理解されるであろう。いくつかの代替的な形状を図5a
〜図5fに示す。
たとえば、様々な三角形形状、たとえば図5aに示されている分配口105を
有する容器100を用いてもよい。さらに、様々な長方形形状、たとえば図5b
に示されている口115を有する容器110を用いてもよい。さらに、様々な台
形形状、たとえば図5cに示されている口125を含む容器120を用いてもよ
い。また、ひし形形状(図5dに示されている口135を有する容器130)お
よび五角形形状(図5eに示されている口145を有する容器140)などの他
の形状を用いてもよい。さらに、操作者の手により合うように、様々な曲がった
多角形形状、たとえば図5fに示されている口155を有する容器150を用い
てもよい。
快適さ、簡便さ、および製造能力に基づいて、様々な大きさおよび形状が好ま
しいであろう。したがって、本発明と一致する様々な他の形状を用いてもよい。
有害生物管理において、好ましい容器および方法にはいくつかの独自の利点が
ある。たとえば、好ましい容器は、片手で殺有害生物剤組成物の個別的な量を厳
密かつ正確に塗布することができ、様々な適用において、特に暗い場合、および
/または割れ目および裂け目に届きにくい場合、比較的容易かつ簡便に殺有害生
物剤組成物を塗布できる。また、片手での操作により、他方の手が自由になり、
たとえば、バランスを取ったり、懐中電灯を持つことができる。また、好ましい
容器は、きれいであり、比較的出っ張らないものである。さらに、容器の設計に
より、容器を使い果たした時の製品およびパッケージング材料のむだが最小にな
る。また、好ましい容器は、比較的少ないコストおよび複雑さで、好ましくは使
い捨てられるが、必要に応じて再使用可能および再充填可能であってもよい。
したがって、本発明は、従来のディスペンサーよりかなり容易で、より制御可
能である即時使用可能な殺有害生物剤組成物を分配するための容器および方法を
提供することが理解されるであろう。多数の変更および変形が、本発明の精神お
よび範囲から逸脱することなく、これらの好ましい実施の形態になされてもよい
。したがって、本発明は、添付のクレームにある。
下記の実施例は、従来のディスペンサーと比較して優れた、好ましい即時使用
可能な殺有害生物剤容器の操作を示す。
実施例I
60°のコーナに形成された約0.136インチ(0.345cm)の直径を
有する分配口を備えた、平行四辺形の、本発明と一致する好ましい殺有害生物剤
容器を構成した。さらに、溜に結合され、0.136インチ(0.345cm)
の直径の分配口で終端する一つの導管のみを有する、デービスへの米国特許第5
,169,251号明細書に開示されている容器と同様の構成の容器を構成した
。
約160〜約2,400,000cpsの範囲の粘性(前記の好ましい態様で
測定した)を有する様々なテストサンプル材料をこれらの容器に入れた。テスト
被験者たちは、各容器の操作の好ましい態様の場合のように、片手で容器をつか
み、その手で容器を強く握ることによって、それぞれの容器から材料を分配しよ
うとした。次に、テスト被験者たちは、(1)各容器から各材料を分配すること
さえできるかどうか、(2)容器から特定の材料を分配することができるかどう
か、その材料を分配することにより疲労するかどうかを決定するために調査した
。
「疲労」とは、容器から組成物を分配する場合に、容器を圧縮する間に手を動
かさないのが困難であることにより(製品の配置が不正確になる)、または長時
間容器に過度の力を加えた結果としての実際の身体的不快さまたは痛みにより、
テスト被験者が快適でないと考える労力を必要とする状態を意味する。この例で
は、疲労は、4時間の連続使用(すなわち、約4時間、住居または施設に殺有害
生物剤組成物の個別的な量を分配する通常の態様で容器を使用すること)後に疲
労が生じるかどうかというテスト被験者の主観的な判断に基づいていた。組成物
の分配により疲労が生じるかどうかは重要である。なぜなら、職業的操作者側の
過度の労力により、操作者が、効果的な有害生物管理に必要な殺有害生物剤組成
物の量より少なく分配するか、その量を分配することさえできないことが多いか
らである。同様に、製品の分配に過度の労力を必要とするか、使用しにくければ
、居住消費者が製品を好まないだろう。
表Iおよび表IIは、それぞれ好ましい容器とデービス型容器の前記テスト手
順の比較結果を示す。表I:好ましい容器 表II:デービスの容器 テストにおいて、好ましい容器は、すべての材料を分配することができた。サ
ンプル1〜4については、材料が柔らかすぎ、容器からしたたり落ちる傾向があ
ることがわかった。もっとも、この状態は、より小さい分配口により改善される
であろう。サンプル1〜8は、操作者が疲労しないで分配することができた。し
かし、サンプル9〜11は、分配しにくいことがわかり、操作者の過度の労力を
必要とした。実施例II(下記)に示されているように、サンプル9〜11など
のより粘性のあるサンプル材料は、単に容器により大きい分配口を形成するだけ
で、依然として好ましい容器で分配してもよい。
対照的に、デービスの容器は、サンプル1〜5を分配できただけで、残りのサ
ンプルは被験者が片手で加えることのできる力より過度の力を必要とした。デー
ビスの容器で分配できたサンプルのうち、サンプル2〜4は、材料を分配するの
に必要な過度の力により操作者が疲労することがわかった。
実施例II
分配口の大きさを変えることによって好ましい容器がより粘性のある材料を分
配できることを示すために、約108,000〜2,069,333cpsの範
囲の粘性を有するいくつかのテストサンプルを、前記実施例Iで使用したのと同
様の好ましい殺有害生物剤容器に入れ、特定のテストサンプルについて、ある直
径が4時間にわたって疲労を生じないと二人のテスト被験者が見い出すまで、各
テストサンプルの分配口の直径を大きくして、容器を開けた。まず、このテスト
では、単に分配口の直径を大きくするだけで、好ましい容器でより高粘性の材料
を適切に分配できることを示した。また、このテストでは、材料の粘性と疲労の
ない分配を可能にする口の最小直径との間に一般的な関係があることを示した。
たとえば、各テストサンプルの疲労のない分配をもたらす分配口の最小直径を表
IIIに示す。表III:粘性対分配口の直径 データの回帰は、殺有害生物剤組成物の粘性と分配口の最小直径の下記の関係
を示す。
粘性=(5,995,500cps/インチ)(口の直径)−436,270
cps
ここで、サンプルの相関r=0.987(5,995,500cps/インチ=
2,360,433cps/cm)である。
本発明での使用に適している殺有害生物剤組成物のより好ましい範囲(約1,
520,000cps以下の粘性)に前記の回帰を適用すると、好ましい組成物
の最大粘性のための分配口の最小直径は、約0.326インチ(0.828cm
)であり、これは個別的な材料の配置をもたらす範囲(約0.344インチ(0
.874cm)以下)内であった。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成9年5月29日(1997.5.29)
【補正内容】
−特許法第184条の5第1項の規定による書面に添付した翻訳文の明細書の2
頁下から4行目の『従来のディスペンサー・・・』〜3頁19行目の『・・・必
要である。』を以下のように補正する。
従来のディスペンサー、たとえば液体または粉末殺有害生物剤を分配するのに
使用されるディスペンサーは、このタイプのペースト組成物を分配するのに適し
ていない。たとえば、デービス(Davis)に付与された米国特許第5,169,251号明細
書は、様々な液体または粉末組成物用のディスペンサーに関する。このディスペ
ンサーは、本質的に、操作者の手にはめる手袋であり、操作者の手のひらで強く
握られるように配置された包みを含む。粉末材料は、一つの実施の形態の手のひ
ら側の穴を介して分配される。他の実施の形態では、代わりに液体材料を指先に
通じている狭い導管を介して分配してもよい。
デービスのディスペンサーで使用できるものとして、液体ならびに粉末殺有害
生物剤および忌避剤を含めて、様々な食品製品、個人ケア製品、家庭製品などが
挙げられる。これらのタイプのディスペンサーの一つの利点は、片手での操作、
および指先の近くに(少なくとも液体材料用の)分配口を配置することにより、
比較的個別的に制御して製品を配置できることである。しかし、これらのディス
ペンサーは、比較的複雑であり、製造しにくく、製造コストがかかるであろう。
さらに、デービスのディスペンサーは、濃い半固体流動性組成物の分配用に設
計されていない。デービス特許に示されている導管は、比較的低粘性(たとえば
、約200gm/(cm/sec)(20,000cps)以下)の液体しか分配できな
い。デービスのディスペンサーは、濃い半固体流動性組成物を狭い導管を介して
分配するのに必要な高圧に耐えるように構成されていない。また、より濃い組成
物を狭い導管を介して分配するのに必要な過度の労力から、望まれない操作者の
疲労が生じる。
したがって、この技術においては、より効果的な即使用可能な濃い半固体流動
性殺有害生物剤組成物を、制御して、個別的に、対費用効果がよいように分配す
るという正確かつ経済的な態様が実質的に必要である。
−特許法第184条の5第1項の規定による書面に添付した翻訳文の明細書の4
頁3行目の『さらに・・・』〜5頁下から4行目の『・・・適しているであろう
。』を以下のように補正する。
さらに、操作者が柔軟性パッケージから殺有害生物剤を分配するのに過度の力を
必要としないので、操作者が疲れずに、簡単かつ容易な態様で殺有害生物剤を分
配することができる。さらに、柔軟性パッケージは、片手で、制御して個別的に
製品を配置することができ、好ましい実施の形態において、分配時に製品の位置
をよりうまく導くために同じ手の指を使用することができる。
したがって、本発明の一つの態様によれば、即時使用可能な殺有害生物剤組成
物を分配する方法が提供される。この方法は、即時使用可能な殺有害生物剤組成
物のための開口を有する柔軟性容器を手でつかむ工程を含み、柔軟性容器には、
即時使用可能な殺有害生物剤組成物が入っており、殺有害生物剤組成物が少なく
とも約25,000cpsの粘性を有する濃い半固体流動性組成物の形態であり
、この方法はさらに、柔軟性容器の開口を殺有害生物剤塗布領域の近くに位置合
わせする工程と、柔軟性容器を強く握って開口を介して塗布領域に殺有害生物剤
組成物を押し出す工程とを含む。
本発明の別の態様によれば、内室を定める少なくとも一つの壁と内室に流動的
に連通する分配口とを含む操作者が手でつかめる大きさの柔軟性パッケージと、
柔軟性パッケージの内室に配置された、少なくとも約250gm/(cm−se
c)(25,000cps)の粘性を有する濃い半固体流動性組成物の形態であ
る即使用可能な殺有害生物剤組成物とを含む即時使用可能な殺有害生物剤組成物
用容器が提供される。
本発明の特徴となる、これらおよび他の利点および特徴は、本件に添えた本件
のさらなる部分を構成するクレームに詳述する。しかし、本発明ならびに本発明
の使用により達成される目的および利点をよりよく理解するために、図面、およ
び本発明の好ましい実施の形態を説明してある下記の記述事項を参照すべきであ
る。図面の簡単な説明
図1は、本発明の原理と一致する好ましい即時使用可能な殺有害生物剤容器の
平面図である。
図2は、図1の容器の使用を示す側面図である。
図3は、本発明の原理と一致する別の殺有害生物剤容器の部分斜視図であり、
殺有害生物剤容器に配置された外部ポケットを示す。
図4は、本発明の原理と一致する別の殺有害生物剤容器の部分底面図であり、
容器を開けるための取り外しできるクロージュアを示す。
図5a〜図5fは、本発明の原理と一致する付加的な殺有害生物剤容器の平面
図であり、いくつかの代替的な形状を示す。図5aは、三角形の容器を示し、図
5bは、長方形の容器を示し、図5cは、台形の容器を示し、図5dは、ひし形
の容器を示し、図5eは、五角形の容器を示し、図5fは、曲がった多角形の容
器を示す。
図6は、本発明の原理と一致する別の殺有害生物剤容器の平面図を示し、一つ
のフィルムシートがフィンシームで密封されている。
好ましい実施の形態の詳細な説明
図面について説明すると、いくつかの図を通して同類の部分が同類の番号で示
されている。図1は、本発明の原理と一致する即時使用可能な殺有害生物剤用柔
軟性容器10を示す。容器10は、一般に、柔軟性パッケージ18内に入ってい
る殺有害生物剤組成物12を含む。
殺有害生物剤組成物12は、好ましくは、少なくとも約250gm/(cm−
sec)(25,000cps)の粘性を有し、粘性半固体流動性組成物であり
、より好ましくは、約747〜15,200gm/(cm−sec)(74,7
00〜1,520,000cps)の粘性を有する濃い粘性半固体流動性組成物
である。約747〜15,200gm/(cm−sec)の粘性は、本発明で使
用するのに適している、いくつかの市販の殺有害生物剤組成物の粘性範囲である
。しかし、以下で説明するように、容器の分配口の大きさを変えることにより、
より広い範囲の粘性が好ましい容器で使用するのに適しているであろう。
−特許法第184条の5第1項の規定による書面に添付した翻訳文の明細書の1
0頁13行目の『より低粘性・・・』〜11頁7行目の『・・・容器でもよい。
』を以下のように補正する。
より低粘性の材料には、したたり落ちるのを少なくし、より個別的な配置を可能
にするために、より小さい開口サイズが好ましいであろう。一方、より粘性のあ
る材料には、操作者が材料を分配するのに必要な力を、より快適なレベルに低減
させるために、より大きい開口サイズが好ましいであろう。
好ましい容器による分配時の疲労を制限するために、好ましい分配口の直径(
たとえば、様々な大きさの円筒状の棒を口に挿入し、口の直径として適合する最
大の棒の直径を用いて測定してもよい)は、好ましい範囲の最大の粘性(約15
,200gm/(cm−sec)(1,520,000cps))を有する組成
物の場合、約0.326インチ(0.828cm)以上であり、より低粘性の材
料の場合、より小さい直径が好ましい(たとえば、約747gm/(cm−se
c)(74,700cps)の粘性を有する組成物の場合、約0.085インチ
(0.22cm)以上の口の直径が好ましい)。粘性と分配口の直径の関係は、
以下、実施例IIに関して詳細に説明する。
さらに、約0.344インチ(0.874cm)以下の分配口の直径では、製
品が十分に個別的に配置されることがわかっている。より大きい直径によって分
配される材料は、好ましい容器で容易に扱えるが、よりかさばり、より個別的で
ない傾向があるだろう。
組成物の粘性、製品の配置の個別性、分配の労力などによって、他の適用にお
いて他の口の直径を用い得ることが理解されるであろう。さらに、好ましい容器
に使用するのに適している組成物の許容粘性範囲が、単に分配口の大きさを変え
るだけで、ここに開示されているものより広くなってもよいことが理解されるで
あろう。
好ましい容器は、殺有害生物剤組成物の1回の塗布量を分配するための1回使
用容器でもよい。
−特許法第184条の5第1項の規定による書面に添付した翻訳文の明細書の1
4頁8行目の『多数の変更および変形が・・・』〜15頁3行目の『・・・状態
を意味する。』を以下のように補正する。
多数の変更および変形が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、これ
らの好ましい実施の形態になされてもよい。したがって、本発明は、添付のクレ
ームにある。
下記の実施例は、従来のディスペンサーと比較して優れた、好ましい即時使用
可能な殺有害生物剤容器の操作を示す。
実施例I
60°のコーナに形成された約0.136インチ(0.345cm)の直径を
有する分配口を備えた、平行四辺形の、本発明と一致する好ましい殺有害生物剤
容器を構成した。さらに、溜に結合され、0.136インチ(0.345cm)
の直径の分配口で終端する一つの導管のみを有する、デービスへの米国特許第5
,169,251号明細書に開示されている容器と同様の構成の容器を構成した
。
約1.6gm/(cm−sec)(160)〜約24,000gm/(cm−
sec)(2,400,000cps)の範囲の粘性(前記の好ましい態様で測
定した)を有する様々なテストサンプル材料をこれらの容器に入れた。テスト被
験者たちは、各容器の操作の好ましい態様の場合のように、片手で容器をつかみ
、その手で容器を強く握ることによって、それぞれの容器から材料を分配しよう
とした。次に、テスト被験者たちは、(1)各容器から各材料を分配することさ
えできるかどうか、(2)容器から特定の材料を分配することができるかどうか
、その材料を分配することにより疲労するかどうかを決定するために調査した。
「疲労」とは、容器から組成物を分配する場合に、容器を圧縮する間に手を動
かさないのが困難であることにより(製品の配置が不正確になる)、または長時
間容器に過度の力を加えた結果としての実際の身体的不快さまたは痛みにより、
テスト被験者が快適でないと考える労力を必要とする状態を意味する。
−特許法第184条の5第1項の規定による書面に添付した翻訳文の16頁1行
目の『表I』〜18頁最終行目『・・・内であった。』を以下のように補正する
。
表I:好ましい容器 表II:デービスの容器 テストにおいて、好ましい容器は、すべての材料を分配することができた。サ
ンプル1〜4については、材料が柔らかすぎ、容器からしたたり落ちる傾向があ
ることがわかった。もっとも、この状態は、より小さい分配口により改善される
であろう。サンプル1〜8は、操作者が疲労しないで分配することができた。し
かし、サンプル9〜11は、分配しにくいことがわかり、操作者の過度の労力を
必要とした。実施例II(下記)に示されているように、サンプル9〜11など
のより粘性のあるサンプル材料は、単に容器により大きい分配口を形成するだけ
で、依然として好ましい容器で分配してもよい。
対照的に、デービスの容器は、サンプル1〜5を分配できただけで、残りのサ
ンプルは被験者が片手で加えることのできる力より過度の力を必要とした。デー
ビスの容器で分配できたサンプルのうち、サンプル2〜4は、材料を分配するの
に必要な過度の力により操作者が疲労することがわかった。
実施例II
分配口の大きさを変えることによって好ましい容器がより粘性のある材料を分
配できることを示すために、約1,080gm/(cm−sec)(108,0
00)〜20,693.33gm/(cm−sec)(2,069,333)c
psの範囲の粘性を有するいくつかのテストサンプルを、前記実施例Iで使用し
たのと同様の好ましい殺有害生物剤容器に入れ、特定のテストサンプルについて
、ある直径が4時間にわたって疲労を生じないと二人のテスト被験者が見い出す
まで、各テストサンプルの分配口の直径を大きくして、容器を開けた。まず、こ
のテストでは、単に分配口の直径を大きくするだけで、好ましい容器でより高粘
性の材料を適切に分配できることを示した。また、このテストでは、材料の粘性
と疲労のない分配を可能にする口の最小直径との間に一般的な関係があることを
示した。たとえば、各テストサンプルの疲労のない分配をもたらす分配口の最小
直径を表IIIに示す。表III:粘性対分配口の直径 データの回帰は、殺有害生物剤組成物の粘性と分配口の最小直径の下記の関係
を示す。
粘性=(5,995,500cps/インチ)(口の直径)−436,270
cps
ここで、サンプルの相関r=0.987(5,995,500cps/インチ=
2,360,433cps/cm)である。
本発明での使用に適している殺有害生物剤組成物のより好ましい範囲(約15
,200gm/(cm−sec)(1,520,000cps)以下の粘性)に
前記の回帰を適用すると、好ましい組成物の最大粘性のための分配口の最小直径
は、約0.326インチ(0.828cm)であり、これは個別的な材料の配置
をもたらす範囲(約0.344インチ(0.874cm)以下)内であった。請求の範囲
1.即時使用可能な殺有害生物剤組成物を分配する方法であって、
(a)即時使用可能な殺有害生物剤組成物のための開口を有する柔軟性容器を
手でつかむ工程を含み、前記柔軟性容器には前記即時使用可能な殺有害生物剤組
成物が入っており、前記殺有害生物剤組成物が少なくとも約250gm/(cm
−sec)(25,000cps)の粘性を有し、半固体流動性組成物の形態で
あり、前記方法は、さらに
(b)前記柔軟性容器の前記開口を殺有害生物剤塗布領域の近くに位置合わせ
する工程と、
(c)前記柔軟性容器を強く握って前記開口を介して前記塗布領域に前記殺有
害生物剤組成物を押し出す工程とを含む方法。
2.前記柔軟性容器をつかんでいる手の指で前記開口から前記殺有害生物剤組成
物を操作する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
3.前記柔軟性容器の前記開口の近くに配置したポケット内に前記指を位置合わ
せする工程をさらに含む請求項2に記載の方法。
4.前記柔軟性容器が使い捨てであり、かつ1以上のポリマーフィルムシートか
ら形成される請求項1に記載の方法。
5.前記柔軟性容器のコーナを除去することによって前記柔軟性容器に前記開口
を形成する工程をさらに含む請求項4に記載の方法。
6.前記コーナが、前記容器の一点に集まる二つの端縁の交点の近くに配置され
る請求項5に記載の方法。
7.前記一点に集まる端縁が、90度未満の角度を形成する請求項6に記載の方
法。
8.前記柔軟性容器の周囲が、三角形、長方形、平行四辺形、台形、ひし形、五
角形、および曲がった多角形からなるグループから選択される形状である請求項
5に記載の方法。
9.前記柔軟性容器が、前記殺有害生物剤組成物が配置された状態で、フィンシ
ームおよび端部に沿って密封された一つのポリマーフィルムシートを含む請求項
5に記載の方法。
10.前記殺有害生物剤組成物が約747〜15,200gm/(cm−sec
)(74,700〜1,520,000cps)の粘性を有する請求項1に記載
の方法。
11.前記殺有害生物剤組成物が、溶媒および増粘剤またはゲル化剤で使用濃度
に希釈された活性成分を含む請求項1に記載の方法。
12.前記殺有害生物剤組成物が、溶媒、食品成分、および増粘剤またはゲル化
剤で使用濃度に希釈された活性成分を含む請求項1に記載の方法。
13.前記殺有害生物剤組成物を前記塗布領域の個別的な位置に分配できるよう
に、前記開口が約0.344インチ(0.874cm)以下の直径を有する請求
項1に記載の方法。
14.(a)内室を定める少なくとも一つの壁と、内室に流動的に連通する分配
口とを含む操作者が手でつかめる大きさの柔軟性パッケージと、
(b)前記柔軟性パッケージの前記内室に配置された、少なくとも約250g
m/(cm−sec)(25,000cps)の粘性を有し、半固体流動性組成
物の形態である即時使用可能な殺有害生物剤組成物とを含む即時使用可能な殺有
害生物剤組成物用容器。
15.前記殺有害生物剤組成物が約747〜15,200gm/(cm−sec
)(74,700〜1,520,000cps)の粘性を有する請求項14に記
載の容器。
16.操作者がパッケージを手でつかみながら前記分配口の近くに前記手の指を
配置することができるように、前記柔軟性パッケージに前記分配口が配置される
請求項14に記載の容器。
17.前記柔軟性パッケージが前記分配口の近くに配置された外部ポケットをさ
らに含み、前記操作者が前記パッケージを手でつかみながら前記手の指をポケッ
ト内に入れることができる請求項16に記載の容器。
18.前記柔軟性パッケージが、使い捨てであり、フィンシームおよび端部に沿
ってヒートシールされた一つのポリマーフィルムシートから形成される請求項1
4に記載の容器。
19.前記柔軟性パッケージが、前記柔軟性パッケージの周囲に配置された複数
の端縁を含み、一点に集まる二つの端縁の交点の近くで前記柔軟性パッケージか
らコーナを除去することによって前記柔軟性パッケージの前記分配口が開けられ
る請求項14に記載の容器。
20.前記一点に集まる端縁が90度未満の角度を形成する請求項19に記載の
容器。
21.前記一点に集まる端縁が約60度の角度を形成する請求項20に記載の容
器。
22.前記柔軟性パッケージの周囲が、三角形、長方形、平行四辺形、台形、ひ
し形、五角形、および曲がった多角形からなるグループから選択される形状であ
る請求項19に記載の容器。
23.前記柔軟性パッケージの周囲が平行四辺形の形状である請求項19に記載
の容器。
24.前記一点に集まる端縁が分配口の近くで導管を形成しない請求項19に記
載の容器。
25.前記分配口が約0.344インチ(0.874cm)以下の直径を有する
請求項14に記載の容器。
26.前記殺有害生物剤組成物が、溶媒および増粘剤またはゲル化剤で使用濃度
に希釈された活性成分を含む請求項14に記載の容器。
27.前記殺有害生物剤組成物が、溶媒、食品成分、および増粘剤またはゲル化
剤で使用濃度に希釈された活性成分を含む請求項14に記載の容器。
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月26日(1998.1.26)
【補正内容】
表I:好ましい容器
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU
,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BB
,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,
DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,IS,J
P,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LS
,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,
MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S
E,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA
,UG,UZ,VN
(72)発明者 アンダーソン、ダグラス、ジー
アメリカ合衆国、55044 ミネソタ州、レ
イクビル、12190−168ス ストリート