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JP2001312253A - 表示装置の駆動方法およびそれを用いた表示装置ならびに携帯機器 - Google Patents

表示装置の駆動方法およびそれを用いた表示装置ならびに携帯機器

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JP2001312253A
JP2001312253A JP2000131251A JP2000131251A JP2001312253A JP 2001312253 A JP2001312253 A JP 2001312253A JP 2000131251 A JP2000131251 A JP 2000131251A JP 2000131251 A JP2000131251 A JP 2000131251A JP 2001312253 A JP2001312253 A JP 2001312253A
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liquid crystal
scanning
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Masahiro Shimizu
雅宏 清水
Kazuhiko Tsuda
和彦 津田
Hisakazu Nakamura
久和 中村
Yutaka Kamezaki
豊 亀崎
Takashige Ota
隆滋 太田
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 明るさ、コントラスト、応答速度、階調性な
どの基本的な表示品位を満たした状態で、容易に十分な
低消費電力化を図ることのできるマトリクス型の表示装
置の駆動方法を提供する。 【解決手段】 非走査期間として、走査期間T1より長
い時間の休止期間T2を設定し、1垂直期間を走査期間
T1と休止期間T2との和とする。例えば走査期間T1
を通常の60Hz相当の時間に設定すると、それよりも
長い休止期間T2が存在するために、垂直周波数が30
Hzより低い周波数となる。走査期間T1と非走査期間
とは、静止画や動画など表示したい画像における動きの
程度に応じて適宜設定すればよく、走査期間T1の種類
ごとに複数の非走査期間を設定することができるように
する。そして、非走査期間の少なくとも1つを休止期間
T2とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マトリクス型の表
示装置の低消費電力化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ワードプロセッサ、ラップトップ
型パーソナルコンピュータ、ポケットテレビなどへの液
晶表示装置の応用が急速に進展している。特に、液晶表
示装置の中でも外部から入射した光を反射させて表示を
行う反射型液晶表示装置は、バックライトが不要である
ため消費電力が少なく薄型であって、軽量化が可能であ
ることから注目されている。
【0003】従来の反射型液晶表示装置は、時計などに
用いられている単純な数字や絵文字のみを表示すること
のできるセグメント表示方式、さらにパーソナルコンピ
ュータや携帯情報端末などの複雑な表示に対応すること
のできるものとして、単純マルチプレックス駆動方式
と、TFT(Thin Film Transistor)などのアクティブ素
子を使用したアクティブマトリクス駆動方式とに大別さ
れる。各方式とも消費電力を低減することが望ましい。
【0004】セグメント表示方式の消費電力を削減する
方法として特開平5−232447号公報には、スタン
バイ時、すなわち全面白表示もしくは全面黒表示となる
画像非表示時に、コモン電極とセグメント電極とを同電
位として安定した白べた表示もしくは黒べた表示を行う
ことが開示されている。また、特開平2−210492
号公報には、スタンバイ時に液晶を直接駆動するMOS
型トランジスタをハイインピーダンス状態とすることに
より、駆動回路の消費電力を削減する方法が開示されて
いる。これらの技術はいずれもセグメント表示の液晶表
示装置を対象としているため、その表意性能は単純な数
字や絵文字を表示することに限られており、パーソナル
コンピュータや携帯情報端末などのように複雑な情報を
表示する機器に適用することは不可能である。
【0005】またこのような駆動方法をマトリクス型液
晶表示装置に用いることは困難である。詳しくは、例え
ば図16に示すような4×4のマトリクス型液晶表示装
置の場合、走査信号線G(0)〜G(3)のそれぞれに
供給する走査信号は図17に示すようなものとなり、走
査信号線G(0)〜G(3)に選択電圧が順次印加され
る。このように選択された各ラインに対し、走査信号と
同期させてデータ信号線S(0)〜S(3)にデータ信
号を供給することにより各画素にデータに対応した電荷
を書き込む。そして最終ラインを走査した後は、図18
に示すように僅かな時間の垂直帰線期間を経て再び1ラ
イン目から走査を開始する。この垂直帰線期間はもとも
とCRTの内部にある電子銃からの電子ビームが元の位
置に戻るために設けられた時間であるため、液晶表示装
置には全く必要がない。しかし、通常のテレビジョン映
像などを液晶表示装置において再生するためには、NT
SCなどのテレビジョン映像の信号と互換性を保つため
に設けられている。
【0006】以上のように、マトリクス型液晶表示装置
の場合、データ信号線が画面の縦方向に配列した複数の
画素を順次駆動しなければならず、上記セグメント表示
方式のセグメント出力に相当するような1つの画素だけ
を駆動するためのデータ信号出力というものがない。こ
のため、1画面の最下段のラインの画素に電荷を書き込
んだ後、セグメント表示方式の駆動方法を応用してデー
タ信号線と画素の対向電極とをハイインピーダンス状態
に保ったとしても、最下段以外の画素にとっては書き込
まれた電荷を保持していることにはならず、安定した表
示を得ることができない。
【0007】マトリクス型液晶表示装置のうち単純マル
チプレックス駆動方式のものでは、2型程度の大きさで
消費電力が10mW〜15mW程度と十分に小さいもの
の、明るさおよびコントラストが低く、応答速度が小さ
いなど基本的な表示品位に問題がある。一方、TFTな
どを使用したアクティブ駆動方式では、明るさおよびコ
ントラストが高く、応答速度も大きく基本的な表示品位
は十分であるものの、消費電力は2型程度の大きさでも
100mW〜150mW程度であり、十分に満足できる
ものではなかった。
【0008】これに対して、これまでも十分な低消費電
力化と良好な表示品位とのための研究開発が精力的に行
われており、例えば実開昭60−50573号公報や特
開平10−10489号公報に消費電力を低減する方法
が開示されている。これらの公報の方法はテレビジョン
信号の送信方法に着目したものであり、垂直帰線期間に
データが存在しないことを利用し、垂直帰線期間に周辺
駆動回路の動作を停止させることによって消費電力の低
減を図るものである。
【0009】また、別の方法として特開平9−1075
63号公報に開示されたものがある。これは、左右両眼
に対応した2つの液晶パネルを有するフィールド順次立
体画像表示用ヘッドマウント型ディスプレイの低消費電
力化に関するものであり、1フィールド期間は片方の液
晶パネルのみを駆動して他方の液晶パネルは停止させ、
フィールド期間ごとに駆動を交互に切り換えて表示を行
う方法である。
【0010】さらに別の方法として、SID '95 予稿集p2
49〜p252および特開平3−271795にマルチフィー
ルド駆動法が提案されている。これは、一画面の走査を
走査信号線の1本おきもしくは複数本おきとして複数回
に分割して行い、1回の走査中はデータ信号線の電圧の
極性反転を行わないことにより、データ信号線ドライバ
の消費電力の低減を行うものである。また、各ラインで
発生する明るさの変化、すなわちチラツキを、隣接する
反対極性のラインのチラツキで相殺することにより全体
としてチラツキのない表示を実現することも目的として
いる。
【0011】さらに、例えば特開平6−342148号
公報に開示されている方式のように、液晶パネルに強誘
電性液晶を用いてメモリ性を持たせ、駆動周波数(リフ
レッシュレート)を小さくして消費電力を削減する方法
もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、垂直帰
線期間に周辺駆動回路の動作を停止させる方法では、実
開昭60−50573号公報にも記載されているよう
に、垂直帰線期間が全体の8%程度の時間でしかなく、
この期間に削減することのできる消費電力は5%程度に
過ぎない。
【0013】また、特開平9−107563号公報の方
法は、全てのフィールド期間にいずれかの液晶パネルを
駆動していることとなり、消費電力は増加しないだけで
決して削減することはできない。さらに、左右両眼ヘッ
ドマウント型ディスプレイとすることで、片方のディス
プレイに対しては必ずリフレッシュが行われており、こ
のためチラツキの少ない画像を得ている。しかし、一般
に、液晶表示装置では30Hz、特に45Hz程度以上
で駆動したときにチラツキのない表示が得られるので、
この方法を1つの液晶パネルを直視する方式に適用する
と、チラツキは知覚されやすくなる。
【0014】さらに、マルチフィールド駆動を行っても
ラインごとにチラツキは発生しており、隣接するライン
で相殺しても実際にはチラツキが知覚され、視認性が著
しく低下する。また、駆動周波数の低減は僅かであって
低消費電力化も十分とは言えない。さらに、マルチフィ
ールド駆動方式では一画面を複数枚のサブフィールドに
分割し、走査を走査信号線の1本おきもしくは複数本お
きに行うために、一旦画像をフレームメモリに蓄積した
後、駆動する走査信号線に対応する信号を読み出す必要
があり、回路構成が複雑化することは避けられない。従
って、周辺回路が大型化してコストアップにつながると
いう欠点を有している。
【0015】さらに、特開平6−342148号公報に
開示されている方法では、強誘電性液晶が基本的に2値
(白黒)表示であるために階調表示ができず、自然画の
表示ができない。さらに、強誘電性液晶をパネル化する
には高度なパネル作成技術が要求されるため、実現が困
難であり、今日に至るまで実用化に至っていない。
【0016】このように、従来のマトリクス型液晶表示
装置の駆動方法では、明るさ、コントラスト、応答速
度、階調性などの基本的な表示品位を満たした状態で、
容易に十分な低消費電力化を図ることができなかった。
さらに、上記従来のマトリクス型液晶表示装置の駆動方
法では、十分な低消費電力化とチラツキない高表示品位
とを両立させることができなかった。これらの問題点は
液晶表示装置に限らず、マトリクス型の表示装置一般に
ついて言えることでもある。
【0017】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、明るさ、コントラスト、応
答速度、階調性などの基本的な表示品位を満たした状態
で、容易に十分な低消費電力化を図ることのできるマト
リクス型の表示装置の駆動方法、およびそれを用いた表
示装置、ならびに携帯機器を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、十分な低消費電力化とチラツ
キが十分に抑制された高表示品位とを両立させることの
できるマトリクス型の表示装置の駆動方法、およびそれ
を用いた表示装置、ならびに携帯機器を提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の表示装置の駆動
方法は、上記課題を解決するために、画素がマトリクス
状に配置されてなる画面の各ラインを複数の走査信号線
により線順次に選択して走査し、選択されたラインの画
素にデータ信号線からデータ信号を供給して表示を行う
表示装置の駆動方法において、上記画面を1回走査する
走査期間よりも長い非走査期間であって、全走査信号線
を非走査状態とする休止期間を設け、上記走査期間と上
記休止期間との和を1垂直期間とすることを特徴として
いる。
【0019】上記の発明によれば、走査期間と、走査期
間よりも長く全走査信号線を非走査状態とする休止期間
とを垂直期間ごとに繰り返す。例えば走査期間を通常の
60Hz相当の時間に設定すると、それよりも長い休止
期間が存在するために、垂直周波数が30Hzより低い
周波数となる。この走査期間と休止期間とは、静止画や
動画など表示したい画像における動きの程度に応じて適
宜設定すればよい。休止期間には全走査信号線を非走査
状態とするのでデータ信号の供給周波数を減少させるこ
とができる。従って、アクティブマトリクス型の液晶表
示装置など、明るさ、コントラスト、応答速度、階調性
などの基本的な表示品位を確保することのできるマトリ
クス型の表示装置においては、データ信号の供給周波数
に正比例して増加するデータ信号線ドライバの消費電力
を上記表示品位を犠牲にすることなく容易にかつ大幅に
削減することができる。
【0020】以上により、明るさ、コントラスト、応答
速度、階調性などの基本的な表示品位を満たした状態
で、容易に十分な低消費電力化を図ることのできるマト
リクス型の表示装置の駆動方法を提供することができ
る。
【0021】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記休止期間を含めた非走査
期間を複数種類の中から設定することを特徴としてい
る。
【0022】上記の発明によれば、休止期間を含めた非
走査期間を複数種類に切り換えるので、静止画や動画な
ど表示画像の種類に応じて画面を書き換える周期を変化
させることができる。これにより、表示画像の種類ごと
に最適な低消費電力化を図ることができる。
【0023】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記走査期間をT1、複数の
上記非走査期間のうちで最短のものをT01、T01以
外の任意のものをT02としたとき、 (T1+T02)=(T1+T01)×N(Nは2以上
の整数) の関係とすることを特徴としている。
【0024】上記の発明によれば、複数の非走査期間の
それぞれを用いたフレーム期間を、最短の非走査期間を
用いたフレーム期間の整数倍とする。例えば、通常の6
0Hzで駆動を行う場合、T1は16.7msec以下
である。T01を垂直帰線期間とし、T02を上式の関
係に設定すれば、60Hzで転送されてくる画面のデー
タ信号に対して整数回に1回サンプリングを行えばよ
い。従って、基準同期信号を非走査期間のそれぞれに共
通化して利用することができ、簡単な回路を付加するだ
けで低周波数駆動が可能となって、新たに発生する消費
電力を非常に小さくすることができる。
【0025】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記表示装置が上記データ信
号の基となる画像データを蓄積する画像データ蓄積手段
を有している場合に、上記休止期間に上記画像データ蓄
積手段からの上記画像データの転送を停止させることを
特徴としている。
【0026】上記の発明によれば、休止期間に画像デー
タ蓄積手段からの画像データの転送を停止させるので、
休止期間において画像データ転送のための消費電力を削
減することができる。これにより、表示装置全体の消費
電力をさらに低減することができる。
【0027】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記データ信号の基となる画
像データを上記表示装置に供給する画像データ供給手段
がある場合に、上記休止期間に上記画像データ供給手段
からの上記画像データの供給を受け付ける動作を上記表
示装置に停止させることを特徴としている。
【0028】上記の発明によれば、休止期間に画像デー
タ供給手段からの画像データの供給を受け付ける動作を
表示装置に停止させるので、休止期間において画像デー
タ供給を受け付けるための消費電力を削減することがで
きる。これにより、表示装置全体の消費電力をさらに低
減することができる。
【0029】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記休止期間に、表示とは無
関係なアナログ回路の動作を停止させることを特徴とし
ている。
【0030】上記の発明によれば、データ信号線ドライ
バやその制御回路などに含まれるアナログ回路のうち、
休止期間における表示とは無関係なアナログ回路の動作
を停止させる。従って、定常的に電力を消費している回
路の消費電力を削減することができ、表示装置全体の消
費電力をさらに低減することができる。
【0031】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記休止期間に、少なくとも
上記データ信号線のドライバのアナログ回路の動作を停
止させることを特徴としている。
【0032】上記の発明によれば、休止期間に少なくと
も最も消費電力の大きいアナログ回路の動作を停止させ
るので、表示装置全体の消費電力を効率よく低減するこ
とができる。
【0033】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記休止期間に、全データ信
号線を駆動するデータ信号ドライバに対して上記全デー
タ信号線をハイインピーダンス状態とすることを特徴と
している。
【0034】上記の発明によれば、休止期間に全データ
信号線をデータ信号ドライバから切り離すなどして、デ
ータ信号ドライバに対してハイインピーダンス状態とす
るので、休止期間において各データ信号線の電位を一定
に保持することができる。従って、データ信号線と接続
される画素電極を有するような液晶表示装置において生
じる、データ信号線と画素電極との容量結合に起因した
画素電極の電位変動などのように、データ信号線の電位
変動によって生じる各画素のデータ保持状態の変化が抑
制され、画面のチラツキが十分に抑制される。これによ
り、十分な低消費電力化とチラツキが十分に抑制された
高表示品位とを両立させることのできるマトリクス型の
表示装置の駆動方法を提供することができる。
【0035】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記休止期間に、上記全デー
タ信号線をハイインピーダンス状態とした後に、表示と
は無関係なアナログ回路の動作を停止させることを特徴
としている。
【0036】上記の発明によれば、全データ信号線をハ
イインピーダンス状態とした後に、休止期間の表示とは
無関係なアナログ回路の動作を停止させるので、休止期
間にアナログ回路を介してデータ信号線がグランド電位
となることを避けることができる。従って、アナログ回
路の消費電力の削減を行いながら、画素のデータ保持状
態の変化を抑制し、よりチラツキが抑制された高表示品
位を達成することができる。
【0037】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記休止期間に、少なくとも
上記データ信号線のドライバのアナログ回路の動作を停
止させることを特徴としている。
【0038】上記の発明によれば、休止期間に少なくと
も最も消費電力の大きいアナログ回路の動作を停止させ
るので、表示装置全体の消費電力を効率よく低減するこ
とができる。
【0039】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記全データ信号線をハイイ
ンピーダンス状態とする前に、上記全データ信号線を、
全画素のデータ保持状態の変化が平均して略最小となる
電位とすることを特徴としている。
【0040】上記の発明によれば、全データ信号線を、
全画素のデータ保持状態の変化が平均して略最小となる
電位としてからハイインピーダンス状態とする。例え
ば、データ信号線と接続される画素電極と、その対向電
極との間に液晶が介在する液晶表示装置では、全データ
信号線を、対向電極に交流電圧を印加する場合に該交流
電圧の振幅中心の電位とし、対向電極に直流電圧を印加
する場合に対向電極と同電位とする。この場合、交流駆
動で正極性電位の画素と負極性電位の画素電極とが混在
しても、データ信号線と画素電極との容量結合による全
画素の電荷保持状態の変化、すなわちデータ保持状態の
変化が平均して略最小となる。これにより、ラインごと
に画素のデータ保持状態が異なる場合でも、画面全体と
してデータ保持状態の変化が略最小となり、よりチラツ
キが抑制された高表示品位を達成することができる。
【0041】また、本発明の表示装置は、上記課題を解
決するために、前記所定の発明に記載の表示装置の駆動
方法を実行する制御手段を有していることを特徴として
いる。
【0042】上記の発明によれば、明るさ、コントラス
ト、応答速度、階調性などの基本的な表示品位を満たし
た状態で、容易に十分な低消費電力化を図ることのでき
るマトリクス型の表示装置を提供することができる。
【0043】また、本発明の表示装置は、上記課題を解
決するために、前記所定の発明に記載の表示装置の駆動
方法を実行する制御手段を有していることを特徴として
いる。
【0044】上記の発明によれば、十分な低消費電力化
とチラツキが十分に抑制された高表示品位とを両立させ
ることのできるマトリクス型の表示装置を提供すること
ができる。
【0045】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記表示装置が、画素電極と
対向電極との間に液晶が介在して形成される電気容量
に、走査信号線から供給される走査信号によって選択状
態となったアクティブ素子を介し、データ信号線から供
給されるデータ信号に基づいた電荷が周期的に書き込ま
れる画素がマトリクス状に配置された液晶表示素子を有
する液晶表示装置であることを特徴としている。
【0046】上記の発明によれば、明るさ、コントラス
ト、応答速度、階調性などの基本的な表示品位を満たし
た状態で、容易に十分な低消費電力化を図ることのでき
るアクティブマトリクス型の液晶表示装置の駆動方法を
提供することができる。
【0047】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記表示装置が、画素電極と
対向電極との間に液晶が介在して形成される電気容量
に、走査信号線から供給される走査信号によって選択状
態となったアクティブ素子を介し、データ信号線から供
給されるデータ信号に基づいた電荷が周期的に書き込ま
れる画素がマトリクス状に配置された液晶表示素子を有
する液晶表示装置であることを特徴としている。
【0048】上記の発明によれば、十分な低消費電力化
とチラツキが十分に抑制された高表示品位とを両立させ
ることのできるアクティブマトリクス型の表示装置の駆
動方法を提供することができる。
【0049】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記休止期間に上記対向電極
を、上記対向電極に上記走査期間に直流電圧を印加する
場合には上記走査期間の上記対向電極と同電位とし、上
記対向電極に上記走査期間に交流電圧を印加する場合に
は上記交流電圧の振幅中心の電位とすることを特徴とし
ている。
【0050】上記の発明によれば、休止期間に対向電極
の電位を上記のように設定することにより、各画素と対
向電極との容量結合に起因した画素電極の電位変動が抑
制される。従って、画素のデータ保持状態の変化が抑制
され、チラツキが抑制された高表示品位を達成すること
ができる。
【0051】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記休止期間に、上記アクテ
ィブ素子のOFF抵抗値を略最大とする非選択電圧を全
走査信号線に印加することを特徴としている。
【0052】上記の発明によれば、全走査信号線が非走
査状態となる休止期間において、アクティブ素子のOF
F抵抗値を略最大に保つため、データ信号線への漏れ電
流による画素電極の電位変動が抑制される。これによ
り、走査ラインごとに画素の電位が異なる場合でも、画
素のデータ保持状態の変化が抑制され、チラツキが抑制
された高表示品位を達成することができる。
【0053】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記休止期間を16.7ms
ec以上2sec以下とすることを特徴としている。
【0054】上記の発明によれば、休止期間を60Hz
の走査期間以上に相当する16.7msec以上として
データ信号線ドライバの消費電力を削減する。そして、
休止期間を2sec以下とすることにより、液晶および
アクティブ素子からの漏れ電流によって画素電極の電位
が変動することによるチラツキが抑制され、高表示品位
を達成することができる。
【0055】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、上
記課題を解決するために、上記休止期間を50msec
以上1sec以下とすることを特徴としている。
【0056】上記の発明によれば、休止期間を50ms
ec以上としてデータ信号線ドライバの消費電力を大幅
に削減する。そして、休止期間を1sec以下とするこ
とにより、液晶およびアクティブ素子からの漏れ電流に
よって画素電極の電位が変動することによるチラツキが
大きく抑制され、より高表示品位を達成することができ
る。
【0057】さらに本発明の表示装置は、上記課題を解
決するために、前記所定の発明に表示装置の駆動方法を
実行する制御手段を有していることを特徴としている。
【0058】上記の発明によれば、明るさ、コントラス
ト、応答速度、階調性などの基本的な表示品位を満たし
た状態で、容易に十分な低消費電力化を図ることのでき
るアクティブマトリクス型の液晶表示装置を提供するこ
とができる。
【0059】さらに本発明の表示装置は、上記課題を解
決するために、前記所定の発明に記載の表示装置の駆動
方法を実行する制御手段を有していることを特徴として
いる。
【0060】上記の発明によれば、十分な低消費電力化
とチラツキが十分に抑制された高表示品位とを両立させ
ることのできるアクティブマトリクス型の液晶表示装置
を提供することができる。
【0061】さらに本発明の表示装置は、上記課題を解
決するために、上記液晶表示素子には、上記画素電極と
の間で上記画素の補助容量を形成する補助容量電極が上
記走査信号線の位置を避けて設けられていることを特徴
としている。
【0062】上記の発明によれば、画素の補助容量を形
成する補助容量電極を走査信号線の位置を避けて設ける
ので、走査信号線と画素電極との電気容量結合を無視す
ることができる。従って、この状態で制御手段により休
止期間を設定して液晶表示素子の駆動を行えば、Csオ
ンゲート構造で補助容量を形成していた場合と異なり、
1ライン上の走査信号線の電位変動による画素電極の電
位変動は生じなくなる。これにより、長い休止期間を設
定してもチラツキが抑制された高表示品位を得ることが
できる。
【0063】さらに本発明の表示装置は、上記課題を解
決するために、上記液晶表示素子の画素電圧保持率を、
上記画素電極と上記対向電極との間の電気容量をCLC
上記補助容量をCCS、上記アクティブ素子の非選択期間
をT、上記書き換え周波数における非選択期間T3後の
液晶電圧保持率をHr(T)、書き込み直後の上記画素
電極と上記対向電極との電位差をV、上記アクティブ素
子の非選択時の抵抗値をR、V1 =V−{V・(1−H
r(T))×CLC/(CLC+CCS)}として、 P=V1 ・exp[−T/{(CLC+CCS)・R}]/
V と表したときに、P≧0.9であることを特徴としてい
る。
【0064】上記の発明によれば、走査信号線数をn、
走査期間をT1、非走査期間をT0とすれば、非選択期
間T=(T1+T0)−T1/nと表されるので、非走
査期間T0を休止期間に設定しても、選択期間中にデー
タ信号線から印加された画素の電圧が、非選択期間Tを
通して90%以上の電圧保持率で保持される。従って、
非選択期間Tにおいて画素電極の電位変動がほとんど生
じない。これにより、長い休止期間を設定してもよりチ
ラツキのない安定した表示品位が得られる。
【0065】さらに本発明の表示装置は、上記課題を解
決するために、上記液晶表示素子は周囲光を用いて反射
型表示を行う反射部材を有していることを特徴としてい
る。
【0066】上記の発明によれば、バックライトを必要
としない反射型液晶表示装置とするので、休止期間を設
定した駆動による低消費電力化の割合が大きくなる。
【0067】さらに本発明の液晶表示装置は、上記の課
題を解決するために、上記反射部材は上記画素電極の少
なくとも一部であることを特徴としている。
【0068】上記の発明によれば、反射部材が画素電極
の少なくとも一部である、すなわち、画素電極の少なく
とも一部が反射型液晶表示装置の反射電極となるので、
別途反射部材は必要なく、装置を構成する部材の種類を
減らすことが可能である。
【0069】さらに本発明の表示装置は、上記課題を解
決するために、上記反射部材に光透過用の穴が設けられ
ている、または上記反射部材が半透明であることを特徴
としている。
【0070】上記の発明によれば、反射透過両用型の液
晶表示装置とするので、周囲光が多いときには反射型と
して、周囲光が少ないときにはバックライトを点灯する
など透過型と併用して利用することができる。
【0071】また、本発明の携帯機器は、上記課題を解
決するために、前記所定の発明に記載の表示装置が搭載
されていることを特徴としている。
【0072】上記の発明によれば、明るさ、コントラス
ト、応答速度、階調性などの基本的な表示品位を満たし
た状態で、容易に十分な低消費電力化を図ることのでき
る携帯機器を提供することができ、バッテリーによる長
時間駆動が容易になる。
【0073】また、本発明の携帯機器は、上記課題を解
決するために、前記所定の発明に記載のの表示装置が搭
載されていることを特徴としている。
【0074】上記の発明によれば、十分な低消費電力化
とチラツキが十分に抑制された高表示品位とを両立させ
ることのできる携帯機器を提供することができ、バッテ
リーによる長時間駆動が容易になる。
【0075】
【発明の実施の形態】本発明の表示装置の駆動方法、お
よびそれを用いた表示装置、ならびに携帯機器を具現す
る一実施の形態について図1ないし図15に基づいて説
明すれば、以下の通りである。
【0076】図2に、本実施の形態に係る表示装置とし
ての液晶表示装置1のシステムブロック図を示す。液晶
表示装置1は、液晶パネル2、ゲートドライバ3、ソー
スドライバ4、コントロールIC5、および画像メモリ
6を備えている。液晶パネル2は、マトリクス状に配置
された画素からなる画面と、上記画面を線順次に選択し
て走査する複数の走査信号線と、選択されたラインの画
素にデータ信号を供給する複数のデータ信号線とを備え
ている。走査信号線とデータ信号線とは直交している。
ゲートドライバ3は走査信号線ドライバであり、液晶パ
ネル2の各走査信号線に、選択期間と非選択期間とのそ
れぞれに応じた電圧を出力する。ソースドライバ4はデ
ータ信号線ドライバであり、液晶パネル2の各データ信
号線にデータ信号を出力し、選択されている走査信号線
上にある画素のそれぞれに画像データを供給する。
【0077】コントロールIC5は、コンピュータなど
の内部にある画像メモリ6に蓄えられている画像データ
を受け取り、ゲートドライバ3にゲートスタートパルス
信号GSPおよびゲートクロック信号GCKを配信し、
ソースドライバ4にRGBの階調データ、ソーススター
トパルス信号SP、ソースラッチストローブ信号SL
S、およびソースクロック信号SCKを配信する。これ
ら全ての信号は同期しており、各信号の周波数を信号名
の前にfを付して表すと、これら周波数の関係は一般的
には、 fGSP<fGCK=fSP<fSCK となっている。なお、いわゆる擬似倍速駆動の場合はf
GCK>fSPとなる。画像データ蓄積手段としての画
像メモリ6に蓄積されている画像データは、データ信号
の基になるデータである。また、コントロールIC5は
後述する本実施の形態に係る表示装置の駆動方法を実行
する制御手段としての機能を有している。
【0078】ゲートドライバ3は、コントロールIC5
から受け取ったゲートスタートパルス信号GSPを合図
に液晶パネル2の走査を開始し、ゲートクロック信号G
CKに従って各走査信号線に順次選択電圧を印加してい
く。ソースドライバ4、コントロールIC5から受け取
ったソーススタートパルス信号SPを基に、送られてき
た各画素の階調データをソースクロック信号SCKに従
ってレジスタに蓄え、次のソースラッチストローブ信号
SLSに従って液晶パネル2の各データ信号線に階調デ
ータを書き込む。
【0079】また、コントロールIC5の内部には、ゲ
ートスタートパルス信号GSPのパルス間隔の設定を行
うGSP変換回路7が備えられている。ゲートスタート
パルス信号GSPのパルス間隔は、表示のフレーム周波
数が通常の60Hzである場合は約16.7msecで
ある。GSP変換回路7は、例えばこのゲートスタート
パルス信号GSPのパルス間隔を167msecと長く
することができる。1画面の走査期間T1が通常のまま
であるとすると、上記のパルス間隔のうち約9/10は
全走査信号線を非走査状態とする期間となる。このよう
に、GSP変換回路7では、走査期間T1が終了した後
に再びゲートスタートパルス信号GSPがゲートドライ
バ3に入力されるまでの非走査期間が、走査期間T1よ
り長くなるように設定することができる。この走査期間
T1より長い非走査期間を休止期間T2と呼ぶことにす
る。非走査期間として休止期間T2を設定した場合の、
走査信号線G1 〜Gn に供給する走査信号の波形を図1
に示す。同図においてn=4としたとき、従来の図17
に示す走査信号の波形と比較して、非走査期間が垂直帰
線期間に代わって走査期間T1より長い休止期間T2に
設定され、フレームやフィールドを表す垂直周期が長く
なっていることが分かる。
【0080】GSP変換回路7で非走査期間として休止
期間T2を設定すると、1垂直期間は走査期間T1と休
止期間T2との和になる。例えば走査期間T1を通常の
60Hz相当の時間に設定すると、それよりも長い休止
期間T2が存在するために、垂直周波数が30Hzより
低い周波数となる。走査期間T1と非走査期間とは、静
止画や動画など表示したい画像における動きの程度に応
じて適宜設定すればよく、GSP変換回路7では画像の
内容に応じて複数の非走査期間を設定することができる
ようになっている。そして、非走査期間の少なくとも1
つは休止期間T2となっている。同図では、GSP変換
回路7が外部から入力される非走査期間設定信号M1・
M2に応じて非走査期間の設定を変えるようになってい
る。非走査期間設定信号の数は任意でよいが、例えばこ
の2種類の非走査期間設定信号M1・M2が論理信号で
あれば、非走査期間を4通りに設定することができる。
【0081】休止期間T2を設けることにより、画面を
書き換える回数、すなわちソースドライバ4から出力す
るデータ信号の供給周波数を減少させることができるの
で、画素を充電する電力を削減することができる。従っ
て、液晶表示装置1が明るさ、コントラスト、応答速
度、階調性などの基本的な表示品位を確保することので
きるアクティブマトリクス型の液晶表示装置である場合
に、非走査期間として休止期間T2を設定すれば、デー
タ信号の供給周波数に正比例して増加するデータ信号線
ドライバの消費電力を、上記表示品位を犠牲にすること
なく容易にかつ十分に削減することができる。
【0082】このような理由から、静止画のように画像
に動きのない表示や、動画でも画像に動きの少ない表示
などに対しては、非走査期間を長い休止期間T2に設定
すればよい。また、動きの多い動画に対しては、非走査
期間として短い休止期間T2や、休止期間T2よりも短
い非走査期間に設定すればよい。例えば16.7mse
cという走査期間に対して十分短い非走査期間に設定す
ると、駆動周波数は通常の60Hz相当となるので、十
分に速い動画表示が可能になる。これに対し、非走査期
間を3333msecという長い休止期間T2に設定す
ると、静止画や動きの少ない動画に対して、画面を書き
換えることによる消費電力を基本的な表示品位を保った
まま削減することができる。すなわち、液晶パネル2を
動画ディスプレイと低消費電力ディスプレイとに切り換
えて使用することができる。このように、静止画や動画
など表示画像の種類に応じて画面を書き換える周期を変
化させることができるので、表示画像の種類ごとに最適
な低消費電力化を図ることができる。
【0083】また、複数の非走査期間のうちで最短のも
のをT01、T01以外の任意のものをT02としたと
き、 (T1+T02)=(T1+T01)×N(Nは2以上の整数) (1) の関係とする、すなわち、複数の非走査期間のそれぞれ
を用いたフレーム期間を、最短の非走査期間T01を用
いたフレーム期間の整数倍とするのが好ましい。例え
ば、通常の60Hzで駆動を行う場合、T1は16.7
msec以下である。T01を垂直帰線期間とし、T0
2を式(1)の関係に設定すれば、60Hzで転送され
てくる画面のデータ信号に対して整数回に1回サンプリ
ングを行えばよい。従って、基準同期信号を非走査期間
のそれぞれに共通化して利用することができ、簡単な回
路を付加するだけで低周波数駆動が可能となって、新た
に発生する消費電力を非常に小さくすることができる。
【0084】なお、非走査期間の設定では、この例のよ
うにGSP変換回路7に複数の非走査期間設定信号が入
力されるようになっていてもよいし、GSP変換回路7
に非走査期間調整用のボリュームや選択用のスイッチな
どが備えられていてもよい。もちろん使用者が設定しや
すいように液晶表示装置1の筐体外周面に非走査期間調
整用のボリュームや選択用のスイッチなどが備えられて
いてもよい。GSP変換回路7は少なくとも外部からの
指示に応じて非走査期間を所望の設定に変えることので
きる構成であればよい。また、図2ではGSP変換回路
7がコントロールIC5の内部に組み込まれている構成
であるが、これに限らず、コントロールIC5から独立
して設けられていてもよい。
【0085】次に、休止期間T2を設定した場合に、さ
らに消費電力を低減する方法について説明する。
【0086】ゲートドライバ3およびソースドライバ4
の内部にはロジック回路があり、それぞれが内部のトラ
ンジスタを動作させるために電力を消費する。このた
め、これらの消費電力はトランジスタが動作する回数に
比例し、クロック周波数に比例することとなる。休止期
間T2には全走査信号線を非走査状態とするので、ゲー
トクロック信号GCK、ソーススタートパルス信号S
P、ソースクロック信号SCKなどのゲートスタートパ
ルス信号GSP以外の信号を、ゲートドライバ3および
ソースドライバ4に入力しないことにより、ゲートドラ
イバ3およびソースドライバ4の内部にあるロジック回
路を動作させる必要がなくなるためそれだけ消費電力を
削減することができる。
【0087】一方、ソースドライバ4がデジタルのデー
タ信号を扱うデジタルドライバである場合には、図3に
示すように階調発生回路8が設けられており、コントロ
ールIC5から送られてきた階調信号に基づき、分圧抵
抗8aとスイッチング素子8bとを用いた抵抗分割法に
より電源電圧VDDから階調電圧を選択する。その後バッ
ファ9によって電流増幅を行って各データ信号線に出力
する。このように、ソースドライバ4の内部には階調発
生回路8やバッファ9などの定常的に電流が流れるアナ
ログ回路が存在する。また、ソースドライバ4がアナロ
グのデータ信号を扱うアナログドライバである場合に
は、アナログ回路としてサンプリングホールド回路とバ
ッファとが存在する。さらに、コントロールIC5の内
部にアナログ回路が存在している場合もある。
【0088】アナログ回路の消費電力は駆動周波数に依
存しないので、ゲートドライバ3およびソースドライバ
4の内部にあるロジック回路の動作を停止させただけで
は上記消費電力は削減することができない。そこで、休
止期間T2中にこれらのアナログ回路を停止させ、アナ
ログ回路を電源から切り離すようにすれば、アナログ回
路の消費電力を削減し、液晶表示装置1全体の消費電力
をさらに低減することができる。なお、液晶表示装置1
がアクティブマトリクス型液晶表示装置である場合に
は、休止期間T2中にゲートドライバ3から画素に非選
択電圧を印加するため、停止させるアナログ回路を最低
限ゲートドライバ3と関連しないもの、すなわち休止期
間T2における表示とは無関係なものとすればよい。少
なくともソースドライバ4のアナログ回路を停止させる
ことにより、最も消費電力の大きいアナログ回路の動作
を停止させることになるので、液晶表示装置1全体の消
費電力を効率よく低減することができる。
【0089】また、休止期間T2では画素にデータを書
き込まないので、休止期間T2に画像メモリ6からの画
像データの転送を停止させることにより、休止期間T2
において画像データ転送のための消費電力を削減するこ
とができる。画像データの転送の停止に当たっては、例
えば前述の非走査期間設定信号M1・M2に基づいてコ
ントロールIC5から画像メモリ6に画像データの転送
の停止を要求する。これにより、転送停止の制御が容易
ながら液晶表示装置1全体の消費電力をさらに低減する
ことができる。
【0090】また、画像データを液晶表示装置1に外部
から供給する画像データ供給手段が備えられている場合
もある。この場合、液晶表示装置1内部に画像メモリ6
が設けられていることもあれば、設けられていないこと
もある。このような条件では、休止期間T2に画像デー
タ供給手段からの画像データの供給を受け付ける動作を
液晶表示装置1に停止させることができる。例えば、非
走査期間設定信号M1・M2に基づいてコントロールI
C5の入力部を、画像データの供給側に対してハイイン
ピーダンスとする。これにより、上記入力部での消費電
力を削減することができる。このように、休止期間T2
に画像データ供給手段からの画像データの供給を受け付
ける動作を液晶表示装置1に停止させることにより、休
止期間T2において画像データ供給を受け付けるための
消費電力を削減することができる。従って、液晶表示装
置1全体の消費電力をさらに低減することができる。
【0091】次に、休止期間T2を設定した場合に、画
面のチラツキが十分に抑制された高表示品位を達成する
方法について説明する。
【0092】まず、休止期間T2に全データ信号線をソ
ースドライバ4から切り離すなどして、ソースドライバ
4に対してハイインピーダンス状態とする。このように
すると、休止期間T2において各データ信号線の電位を
一定に保持することができる。従って、液晶表示装置1
がデータ信号線と接続される画素電極を有するような場
合において生じる、データ信号線と画素電極との容量結
合に起因した画素電極の電位変動などのように、データ
信号線の電位変動によって生じる各画素のデータ保持状
態の変化が抑制され、チラツキが十分に抑制される。こ
れにより、十分な低消費電力化とチラツキが十分に抑制
された高表示品位とを両立させることができる。
【0093】また、前述のように、消費電力を削減する
ためにソースドライバ4のバッファ9内部のアナログ回
路の動作を停止させる際、バッファ9がグランド電位に
なる。すると、バッファ9と接続されているデータ信号
線も同時にグランド電位になってしまい、液晶表示装置
1がデータ信号線と接続される画素電極を有するような
場合に、容量結合に起因した画素電極の電位変動が生じ
る。従って、全データ信号線をハイインピーダンス状態
とした後に、休止期間T2の表示とは無関係なアナログ
回路の動作を停止させるようにする。従って、アナログ
回路の消費電力の削減を行いながら、画素のデータ保持
状態の変化を抑制し、よりチラツキが抑制された高表示
品位を達成することができる。
【0094】さらに、全データ信号線を、全画素のデー
タ保持状態の変化が平均して略最小となる電位としてか
らハイインピーダンス状態とすればなお好ましい。例え
ば、液晶表示装置1がデータ信号線と接続される画素電
極と、その対向電極との間に液晶が介在する構成であれ
ば、全データ信号線を、対向電極に交流電圧を印加する
場合に該交流電圧の振幅中心の電位とし、対向電極に直
流電圧を印加する場合に対向電極と同電位とする。この
場合、交流駆動で正極性電位の画素と負極性電位の画素
電極とが混在しても、データ信号線と画素電極との容量
結合による全画素の電荷保持状態の変化、すなわちデー
タ保持状態の変化が平均して略最小となる。これによ
り、ラインごとに画素のデータ保持状態が異なる場合で
も、画面全体としてデータ保持状態の変化が略最小とな
り、よりチラツキが抑制された高表示品位を達成するこ
とができる。
【0095】次に、上記液晶表示装置1の液晶パネル2
の具体的な構成例について説明する。
【0096】図4に液晶パネル2の断面構成を示す。同
図は後述する図5のA−A断面図に相当する。液晶パネ
ル2は反射型のアクティブマトリクス型液晶パネルであ
り、2枚のガラス基板11・12にネマチック液晶など
の液晶層13が挟持され、ガラス基板12上にアクティ
ブ素子としてのTFT14…が形成された基本構成を有
している。なお、本実施の形態ではアクティブ素子とし
てTFTを用いるが、MIM(Metal Insulator Metal)
やTFT以外のFETを用いることもできる。ガラス基
板11の上面には、入射光の状態を制御するための位相
差板15、偏光板16、および反射防止膜17がこの順
で設けられている。ガラス基板11の下面には、RGB
のカラーフィルタ18、および対向電極としての透明共
通電極19がこの順で設けられている。カラーフィルタ
18によりカラー表示が可能となっている。
【0097】各TFT14においては、ガラス基板12
上に設けられた走査信号線の一部をゲート電極20と
し、その上にゲート絶縁膜21が形成されている。ゲー
ト絶縁膜21を挟んでゲート電極20と対向する位置に
i型アモルファスシリコン層22が設けられ、i型アモ
ルファスシリコン層22のチャネル領域を挟むようにn
+ 型アモルファスシリコン層23が2箇所形成されてい
る。一方のn+ 型アモルファスシリコン層23の上面に
はデータ信号線の一部をなすデータ電極24が形成さ
れ、他方のn+ 型アモルファスシリコン層23の上面か
らゲート絶縁膜21の平坦部上面にわたってドレイン電
極25が引き出されて形成されている。ドレイン電極2
5の引き出し開始箇所と反対側の一端は、後述する図5
に示すように補助容量配線33と対向する矩形の補助容
量用電極パッド27aと接続されている。TFT14…
の上面には層間絶縁膜26が形成されており、層間絶縁
膜26の上面には反射電極27b…が設けられている。
反射電極27b…は周囲光を用いて反射型表示を行うた
めの反射部材である。反射電極27b…による反射光の
方向を制御するために、層間絶縁膜26の表面には微細
な凹凸が形成されている。
【0098】さらに、各反射電極27bは、層間絶縁膜
26に設けたコンタクトホール28を通じてドレイン電
極25と導通している。すなわち、データ電極24から
印加されてTFT14により制御される電圧は、ドレイ
ン電極25からコンタクトホール28を介して反射電極
27bに印加され、反射電極27bと透明共通電極19
との間の電圧によって液晶層13が駆動される。すなわ
ち、補助容量用電極パッド27aと反射電極27bとは
互いに導通し、また反射電極27bと共通透明電極19
との間に液晶が介在している。このように、補助容量用
電極パッド27aと反射電極27bとは画素電極27を
構成している。透過型の液晶表示装置の場合は、上記各
電極に相当するように配置された透明電極が画素電極と
なる。
【0099】さらに液晶パネル2には、図4のうち液晶
層13より下方の部分を上方から見た図5に示すよう
に、TFT14のゲート電極20に走査信号を供給する
走査信号線31…と、TFT14のデータ電極24にデ
ータ信号を供給するデータ信号線32…とがガラス基板
12上に直交するように設けられている。そして、補助
容量用電極パッド27a…のそれぞれとの間に画素の補
助容量を形成する補助容量電極としての補助容量配線3
3…が設けられている。補助容量配線33…は走査信号
線31…以外の位置で、一部がゲート絶縁膜21を挟ん
で補助容量用電極パッド27a…と対をなすようにガラ
ス基板12上に走査信号線31…と平行に設けられてい
る。この場合に限らず、補助容量配線33…は走査信号
線31…の位置を避けて設けられていればよい。なお、
同図では補助容量用電極パッド27a…と補助容量配線
33…との位置関係が明確になるように反射電極27b
…の図示を一部省略してある。また、図4における層間
絶縁膜26の表面の凹凸は図5では図示していない。
【0100】上記の構成の液晶パネル2における、1画
素についての等価回路を図6(a)・(b)に示す。同
図(a)は、透明共通電極19と反射電極27bとで液
晶層13を挟持することにより形成した液晶容量C
LCと、補助容量用電極パッド27aと補助容量配線33
とでゲート絶縁膜21を挟持することにより形成した補
助容量CCSとをTFT14に接続し、透明共通電極19
および補助容量配線33を一定の直流電位とした等価回
路である。同図(b)は、上記液晶容量CLCの透明共通
電極19にバッファを介して交流電圧Vaを印加し、上
記補助容量CCSの補助容量配線33にバッファを介して
交流電圧Vbを印加するようにした等価回路である。交
流電圧Vaと交流電圧Vbとは電圧振幅が等しく、位相
が揃っている。従って、この場合は透明共通電極19の
電位と補助容量配線33の電位とは互いに同位相で振動
する。また、同図(a)のように液晶容量CLCと補助容
量CCSとが並列に接続されている構成で、一定の直流電
位に代えてバッファを介した共通の交流電圧を印加する
場合もある。
【0101】以上のような構成の液晶パネル2につい
て、休止期間T2を設けた場合の駆動方法を次に説明す
る。
【0102】図6(a)・(b)の等価回路において、
走査信号線31に選択電圧を印加してTFT14をON
状態とし、データ信号線32から液晶容量CLCと補助容
量C CSとにデータ信号をを印加する。次に、走査信号線
31に非選択電圧を印加してTFT14をOFF状態と
することにより、液晶容量CLCと補助容量CCSとに書き
込まれた電荷を保持する。ここで、前述したように画素
の補助容量CCSを形成する補助容量配線33を走査信号
線31の位置を避けて設けているので、これらの等価回
路においては、走査信号線31と補助容量用電極パッド
27aとの容量結合を無視することができる。従って、
この状態でコントロールIC5により休止期間T2を設
定して液晶パネル2の駆動を行えば、Csオンゲート構
造で補助容量を形成する場合と異なり、前段の走査信号
線の電位変動による画素電極27の電位変動は生じなく
なる。
【0103】休止期間T2を設定して低周波数駆動とす
ることによって、データ信号の極性反転周波数が減少
し、データ信号ドライバ、この場合はソースドライバ4
の消費電力が十分に削減される。また、画素電極27の
電位変動が抑制されることによって、長い休止期間T2
を設定してもチラツキが抑制された高表示品位を得るこ
とができる。
【0104】また、図6(a)のように透明共通電極1
9に走査期間T1に直流電圧を印加する場合には、休止
期間T2に透明共通電極19を走査期間T1の透明共通
電極19と同電位とする。あるいは同図(b)のように
透明共通電極19に走査期間T1に交流電圧を印加する
場合には、休止期間T2に透明共通電極19を上記交流
電圧の振幅中心の電位とする。このように、休止期間T
2に透明共通電極19の電位を上記のように設定するこ
とにより、各画素と対向電極との容量結合に起因した画
素電極27の電位変動が抑制される。従って、画素のデ
ータ保持状態の変化が抑制され、チラツキが抑制された
高表示品位を達成することができる。
【0105】次に、サイズを対角0.1m、走査信号線
31を240本、データ信号線320×3本とした液晶
パネル2の特性の解析結果に基づく駆動方法について説
明する。図7は、前記液晶層13に用いた液晶(メルク
社製ZLI-4792)について、液晶電圧保持率Hrの非走査
期間依存性を測定した結果である。同図から分かるよう
に、液晶電圧保持率Hrは非走査期間が2secのとき
に92%、3secのときに80%と次第に大きく低下
する。非走査期間が3secのときには、後述する画素
電圧保持率Pは88%となり、画素電圧保持率Pは90
%以上が好ましいため、非走査期間は2sec以下が好
ましい。非走査期間を16.7msec以上とすると、
60Hzの走査期間16.7msecに対してはこの非
走査期間は休止期間T2となる。
【0106】従って、休止期間T2を16.7msec
以上とすることにより、ソースドライバ4の消費電力を
60Hz駆動の場合よりも削減することができるととも
に、2sec以下とすることにより、液晶およびTFT
14からの漏れ電流によって画素電極27の電位が変動
することによるチラツキが抑制され、高表示品位を達成
することができる。さらに好ましくは、休止期間T2を
50msec以上1sec以下とする。休止期間T2を
50msec以上とすることにより、ソースドライバ4
の消費電力を大幅に削減することができるとともに、休
止期間T2を1sec以下とすることにより、液晶およ
びTFT14からの漏れ電流によって画素電極27の電
位が変動することによるチラツキが大きく抑制され、よ
り高表示品位を達成することができる。
【0107】また、図8は、TFT14のOFF抵抗値
と、TFT14のゲート電極20の電位、すなわち走査
信号線31の電位との関係を測定した結果である。TF
T14のOFF電圧は通常−10V程度であり、これが
僅かでも変動して液晶電圧保持率HrおよびTFT14
のOFF抵抗値が十分でなくなると、液晶容量CLCと補
助容量CCSとに書き込まれた電荷がTFT14の非選択
期間に顕著に漏れてしまい、図9に示すように画素電極
27の電位が変動して、反射電極27bからの反射光強
度が変動する。すなわちチラツキが発生する。
【0108】そこで、休止期間T2には、TFT14の
OFF抵抗値を略最大とする非選択電圧を全走査信号線
31…に印加することとする。この非選択電圧は図8で
は−8V前後である。全走査信号線31…が非走査状態
となる休止期間T2において、TFT14のOFF抵抗
値を略最大に保つため、データ信号線32への漏れ電流
による画素電極27の電位変動が抑制される。これによ
り、走査ラインごとに画素の電位が異なる場合でも、画
素のデータ保持状態の変化が抑制され、チラツキが抑制
された高表示品位を達成することができる。
【0109】また、このように全走査信号線31…に非
選択電圧を印加することにより、前述とは異なって休止
期間T2中にゲートスタートパルス信号GSP以外の信
号をそのままゲートドライバ3およびソースドライバ4
に配信して、ソースドライバ4が液晶パネル2のデータ
信号線にデータ信号を出力する場合でも、画素電極27
の電位が保持され、表示は変化しない。
【0110】次に、画素電極27の電位、および反射電
極27bからの反射光強度が関係する画素電圧保持率P
は、 P=V1 ・exp[−T/{(CLC+CCS)・R}]/V (2) で表される。ただし、 V1 =V−{V・(1−Hr(T))×CLC/(CLC
CS)} T:TFT14の非選択期間 Hr(T):図7において、非選択期間T後の液晶電圧
保持率 V:書き込み直後の画素電極27と透明共通電極19と
の電位差 R:図8におけるTFT14のOFF抵抗値 である。V1 ・exp[−T/{(CLC+CCS)・
R}]は、書き込んでから時間T後の画素電極27と透
明共通電極19との電位差である。また、走査信号線数
をn、走査期間をT1、非走査期間をT0とすれば、非
選択期間T=(T1+T0)−T1/nと表される。
【0111】例えばT=180msecとしたときの液
晶電圧保持率Hr(T)、TFT14の非選択時の抵抗
値すなわちOFF抵抗値R、液晶容量CLC、および補助
容量CCSを表1のように設定して画素電圧保持率Pを式
(2)から計算すると、99.7%となる。
【0112】
【表1】
【0113】そこで、画素電圧保持率Pとチラツキの知
覚限界について詳細な検討を行った。図10(a)に示
すように、内側に透明電極43を形成したガラス基板4
2を2枚向かい合わせ、さらに透明電極43・43の間
に液晶層44を挟持したチラツキ評価用セル41を作製
した。そして、このチラツキ評価用セル41の2つの透
明電極43・43間に、信号発生装置45から電圧を印
加した。信号発生装置45から出力される電圧波形を同
図(b)に示す。同図においてVsを3V、非選択期間
Tを167msecとし、Veを変化させる。チラツキ
評価用セル41は初めVsの電圧に充電されるが、徐々
に電圧が低下してVeとなる。次に、−Vsの電圧を印
加するとチラツキ評価用セル41の明るさが変化する
が、このときの明るさの変化、すなわちチラツキを目視
で確認する。
【0114】ここで、Ve/Vsが実際の液晶表示装置
1における画素電圧保持率Pに相当する。画素電圧保持
率Pとチラツキの発生状況について詳細に観察したとこ
ろ、表2に示すような結果が得られた。
【0115】
【表2】
【0116】なお、○:チラツキが知覚されない、 △:チラツキがやや知覚される、 ×:チラツキが知覚される、 である。
【0117】これにより、休止期間T2を設けてもチラ
ツキがない液晶パネル2を得るためには、画素電圧保持
率P≧0.9とすればよいことが分かる。
【0118】以上の構成の液晶表示装置1で低周波数駆
動を行った場合の走査信号波形、データ信号波形、画素
電極27の電位、および反射電極27bからの反射光強
度を図11(a)ないし(e)に示す。なお、走査期間
T1を16.7msec、休止期間T2を167mse
cとした。また、奇数回目の画像の書き込みでは奇数番
目の走査信号線(G1 ,G3 ,…)を走査する場合にデ
ータ信号線32…を正極性、偶数番目の走査信号線(G
2 ,G4 ,…)を走査する場合にデータ信号線32…を
負極性とし、偶数回目の画像の書き込みではその逆とし
た。こうすることにより、走査ライン方向に極性を反転
させることができ、各画素には毎回極性反転した交流信
号が入力される。
【0119】同図(a)は、注目している画素の走査信
号線31の前段の走査信号線31に出力される走査信号
波形を、同図(b)は注目している画素(自段)の走査
信号線31に出力される走査信号波形を、同図(c)は
注目している画素のデータ信号線32に出力されるデー
タ信号波形を、同図(d)は注目している画素の画素電
極27の電位を示す。同図(a)および(d)から分か
るように、前段の走査信号線31に選択電圧が印加され
ているときに、画素電極27の電位は安定している。こ
のとき反射電極27bからの反射光強度を測定したとこ
ろ、同図(e)に示すように反射光強度の変化はほとん
ど確認されなかった。また、目視による評価の結果で
も、チラツキがなく均一で良好な表示品位が得られるこ
とが確認された。
【0120】これに対し、図12に示すように前段の走
査信号線31’…に補助容量用電極パッド27a’…を
対向させて補助容量を形成する従来のCsオンゲート構
造では、図13(a)ないし(e)の結果が得られた。
同図(a)および(d)から分かるように、1ライン上
の走査信号線31’に選択電圧が印加されているとき
に、画素電極27’の電位が大きく変動している。この
結果、同図(e)に示すように反射電極27b’からの
反射光強度も変動してしまい、目視による評価の結果で
もチラツキが知覚された。
【0121】また、液晶表示装置1の消費電力を測定し
たところ、休止期間T2を設けずに駆動を行った場合に
は160mWであったのに対し、休止期間T2を設けて
駆動を行った場合には40mWとなり、大きく低減する
ことが確認された。さらに、非走査期間を垂直帰線期間
とし、16.7msecで繰り返し画像を書き換えるよ
うに切り換えたところ、画像が刻々と変化する通常の動
画を表示させることができた。
【0122】以上に述べたように、液晶表示装置1によ
れば、アクティブ素子を有する構成において、良好な表
示品位を保ったまま低消費電力化を達成することができ
る。また、液晶表示装置1が反射電極27b…を備え、
バックライトを必要としない反射型液晶表示装置である
ことから、30Hz以下の駆動による低消費電力化の割
合が大きい液晶表示装置となる。これは液晶パネルの裏
面に反射部材が設けられている反射型液晶表示装置につ
いても同様である。
【0123】次に、液晶表示装置として、図4および図
5を用いて説明した液晶表示装置1における液晶パネル
2を、図14および図15に示す液晶パネル51で置き
換えた構成であり、透過反射両用型の液晶表示装置であ
る。図15のB−B断面図である図14に示すように、
液晶パネル51は、液晶パネル2の反射防止膜17およ
びカラーフィルタ18が省略されるとともに、ガラス基
板12の下面に位相差板15および偏光板16がこの順
で設けられた構成である。また、さらにその下方にバッ
クライト52が設けられている。また、補助容量用電極
パッド54aはITOなどの透明電極で形成されてお
り、層間絶縁膜26および反射電極54bに微細な凹凸
はない。
【0124】さらに、補助容量用電極パッド54aの上
方にある反射電極54b…の一部には、層間絶縁膜26
を貫通する光透過穴53が設けられている。この光透過
穴53がバックライト52からの光の透過領域となって
いる。反射電極27b…によって光が反射される反射領
域と、上記透過領域とはコンタクトホール28を介して
導通していて同電位であり、液晶層13を駆動すること
が可能である。この液晶パネル51で偏光モードで表示
を行う場合、反射領域と透過領域との位相差の整合性を
図る必要があることから、透過領域の液晶層13の厚み
T 、および反射領域の液晶層13の厚みdR とはdT
≒2dR とするのが望ましい。
【0125】また、図15に図14の液晶層13より下
方の部分を上方から見た図を示す。補助容量用電極パッ
ド54aと反射電極54bとを合わせて画素電極54と
している。各補助容量用電極パッド54aは補助容量配
線33と補助容量CCSを形成しながらTFT14の周囲
に広範囲に形成されている。そして、矩形の光透過穴5
3が、反射電極54bおよび層間絶縁膜26のうち、補
助容量用電極パッド54aの上方で、かつ走査信号線3
1と補助容量配線33との上方を避けた位置に設けられ
ている。
【0126】上記の構成の液晶パネル51とすれば、前
述の液晶表示装置1で得られる効果に加えて、周囲光が
多いときには反射型として、周囲光が少ないときにはバ
ックライト52を点灯して透過型と併用して利用するこ
とができるようになる。なお、液晶パネル2において、
反射板を半透明としても同様の効果が得られる。
【0127】以上、本実施の形態に係る表示装置の駆動
方法とそれを用いた表示装置について述べてきたが、表
示装置としてはアクティブマトリクス液晶表示装置に限
らず、単純マルチプレックス液晶表示装置、EL(Elec
tro Luminescence) 表示装置、PDP(Plasma Display
Panel)、giriconなどでもよい。また、上記の表
示装置は、携帯電話、ポケットゲーム機、PDA(Perso
nal Digital Assistants) 、携帯TV、リモートコント
ロール、ノート型パーソナルコンピュータ、その他の携
帯端末などに搭載可能である。これらの携帯機器はバッ
テリー駆動されることが多く、良好な表示品位を保った
ままの低消費電力化が図れる表示装置を搭載しているこ
とにより、長時間駆動が容易になる。
【0128】
【発明の効果】本発明の表示装置の駆動方法は、以上の
ように、画面を1回走査する走査期間よりも長い非走査
期間であって、全走査信号線を非走査状態とする休止期
間を設け、上記走査期間と上記休止期間との和を1垂直
期間とする構成である。
【0129】それゆえ、走査期間よりも長い休止期間が
存在するために、垂直周波数が低い周波数となる。従っ
て、明るさ、コントラスト、応答速度、階調性などの基
本的な表示品位を確保することのできるマトリクス型の
表示装置においては、データ信号の供給周波数に正比例
して増加するデータ信号線ドライバの消費電力を上記表
示品位を犠牲にすることなく容易にかつ大幅に削減する
ことができる。
【0130】以上により、明るさ、コントラスト、応答
速度、階調性などの基本的な表示品位を満たした状態
で、容易に十分な低消費電力化を図ることのできるマト
リクス型の表示装置の駆動方法を提供することができる
という効果を奏する。
【0131】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記休止期間を含めた非走査期間を複数種
類の中から設定する構成である。
【0132】それゆえ、静止画や動画など表示画像の種
類に応じて画面を書き換える周期を変化させることがで
きる。これにより、表示画像の種類ごとに最適な低消費
電力化を図ることができるという効果を奏する。
【0133】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記走査期間をT1、複数の上記非走査期
間のうちで最短のものをT01、T01以外の任意のも
のをT02としたとき、 (T1+T02)=(T1+T01)×N(Nは2以上
の整数) の関係とする構成である。
【0134】それゆえ、基準同期信号を非走査期間のそ
れぞれに共通化して利用することができ、簡単な回路を
付加するだけで低周波数駆動が可能となって、新たに発
生する消費電力を非常に小さくすることができるという
効果を奏する。
【0135】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記表示装置が上記データ信号の基となる
画像データを蓄積する画像データ蓄積手段を有している
場合に、上記休止期間に上記画像データ蓄積手段からの
上記画像データの転送を停止させる構成である。
【0136】それゆえ、休止期間において画像データ転
送のための消費電力を削減することができる。これによ
り、表示装置全体の消費電力をさらに低減することがで
きるという効果を奏する。
【0137】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記データ信号の基となる画像データを上
記表示装置に供給する画像データ供給手段がある場合
に、上記休止期間に上記画像データ供給手段からの上記
画像データの供給を受け付ける動作を上記表示装置に停
止させる構成である。
【0138】それゆえ、休止期間に画像データ供給手段
からの画像データの供給を受け付ける動作を表示装置に
停止させるので、休止期間において画像データ供給を受
け付けるための消費電力を削減することができる。これ
により、表示装置全体の消費電力をさらに低減すること
ができるという効果を奏する。
【0139】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記休止期間に、表示とは無関係なアナロ
グ回路の動作を停止させる構成である。
【0140】それゆえ、定常的に電力を消費している回
路の消費電力を削減することができ、表示装置全体の消
費電力をさらに低減することができるという効果を奏す
る。
【0141】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記休止期間に、少なくとも上記データ信
号線のドライバのアナログ回路の動作を停止させること
を特徴としている。
【0142】それゆえ、休止期間に少なくとも最も消費
電力の大きいアナログ回路の動作を停止させるので、表
示装置全体の消費電力を効率よく低減することができる
という効果を奏する。
【0143】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記休止期間に、全データ信号線を駆動す
るデータ信号ドライバに対して上記全データ信号線をハ
イインピーダンス状態とする構成である。
【0144】それゆえ、休止期間において各データ信号
線の電位を一定に保持することができる。従って、デー
タ信号線と接続される画素電極を有するような液晶表示
装置においてデータ信号線の電位変動によって生じる各
画素のデータ保持状態の変化が抑制され、画面のチラツ
キが十分に抑制される。これにより、十分な低消費電力
化とチラツキが十分に抑制された高表示品位とを両立さ
せることのできるマトリクス型の表示装置の駆動方法を
提供することができるという効果を奏する。
【0145】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記休止期間に、上記全データ信号線をハ
イインピーダンス状態とした後に、表示とは無関係なア
ナログ回路の動作を停止させる構成である。
【0146】それゆえ、休止期間にアナログ回路を介し
てデータ信号線がグランド電位となることを避けること
ができる。従って、アナログ回路の消費電力の削減を行
いながら、画素のデータ保持状態の変化を抑制し、より
チラツキが抑制された高表示品位を達成することができ
るという効果を奏する。
【0147】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記休止期間に、少なくとも上記データ信
号線のドライバのアナログ回路の動作を停止させる構成
である。
【0148】それゆえ、休止期間に少なくとも最も消費
電力の大きいアナログ回路の動作を停止させるので、表
示装置全体の消費電力を効率よく低減することができる
という効果を奏する。
【0149】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記全データ信号線をハイインピーダンス
状態とする前に、上記全データ信号線を、全画素のデー
タ保持状態の変化が平均して略最小となる電位とする構
成である。
【0150】それゆえ、ラインごとに画素のデータ保持
状態が異なる場合でも、画面全体としてデータ保持状態
の変化が略最小となり、よりチラツキが抑制された高表
示品位を達成することができるという効果を奏する。
【0151】また、本発明の表示装置は、以上のよう
に、前記所定の発明に記載の表示装置の駆動方法を実行
する制御手段を有している構成である。
【0152】それゆえ、明るさ、コントラスト、応答速
度、階調性などの基本的な表示品位を満たした状態で、
容易に十分な低消費電力化を図ることのできるマトリク
ス型の表示装置を提供することができるという効果を奏
する。
【0153】また、本発明の表示装置は、以上のよう
に、前記所定の発明に記載の表示装置の駆動方法を実行
する制御手段を有している構成である。
【0154】それゆえ、十分な低消費電力化とチラツキ
が十分に抑制された高表示品位とを両立させることので
きるマトリクス型の表示装置を提供することができると
いう効果を奏する。
【0155】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記表示装置が、画素電極と対向電極との
間に液晶が介在して形成される電気容量に、走査信号線
から供給される走査信号によって選択状態となったアク
ティブ素子を介し、データ信号線から供給されるデータ
信号に基づいた電荷が周期的に書き込まれる画素がマト
リクス状に配置された液晶表示素子を有する液晶表示装
置である構成である。
【0156】それゆえ、明るさ、コントラスト、応答速
度、階調性などの基本的な表示品位を満たした状態で、
容易に十分な低消費電力化を図ることのできるアクティ
ブマトリクス型の液晶表示装置の駆動方法を提供するこ
とができるという効果を奏する。
【0157】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記表示装置が、画素電極と対向電極との
間に液晶が介在して形成される電気容量に、走査信号線
から供給される走査信号によって選択状態となったアク
ティブ素子を介し、データ信号線から供給されるデータ
信号に基づいた電荷が周期的に書き込まれる画素がマト
リクス状に配置された液晶表示素子を有する液晶表示装
置である構成である。
【0158】それゆえ、十分な低消費電力化とチラツキ
が十分に抑制された高表示品位とを両立させることので
きるアクティブマトリクス型の表示装置の駆動方法を提
供することができるという効果を奏する。
【0159】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記休止期間に上記対向電極を、上記対向
電極に上記走査期間に直流電圧を印加する場合には上記
走査期間の上記対向電極と同電位とし、上記対向電極に
上記走査期間に交流電圧を印加する場合には上記交流電
圧の振幅中心の電位とする構成である。
【0160】それゆえ、休止期間に各画素と対向電極と
の容量結合に起因した画素電極の電位変動が抑制され
る。従って、画素のデータ保持状態の変化が抑制され、
チラツキが抑制された高表示品位を達成することができ
るという効果を奏する。
【0161】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記休止期間に、上記アクティブ素子のO
FF抵抗値を略最大とする非選択電圧を全走査信号線に
印加する構成である。
【0162】それゆえ、休止期間において、データ信号
線への漏れ電流による画素電極の電位変動が抑制され
る。これにより、走査ラインごとに画素の電位が異なる
場合でも、画素のデータ保持状態の変化が抑制され、チ
ラツキが抑制された高表示品位を達成することができる
という効果を奏する。
【0163】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記休止期間を16.7msec以上2s
ec以下とする構成である。
【0164】それゆえ、休止期間を60Hzの走査期間
以上に相当する16.7msec以上としてデータ信号
線ドライバの消費電力を削減することができるととも
に、休止期間を2sec以下とすることにより、液晶お
よびアクティブ素子からの漏れ電流によって画素電極の
電位が変動することによるチラツキが抑制され、高表示
品位を達成することができるという効果を奏する。
【0165】さらに本発明の表示装置の駆動方法は、以
上のように、上記休止期間を50msec以上1sec
以下とする構成である。
【0166】それゆえ、休止期間を50msec以上と
してデータ信号線ドライバの消費電力を大幅に削減する
ことができるとともに、休止期間を1sec以下とする
ことにより、液晶およびアクティブ素子からの漏れ電流
によって画素電極の電位が変動することによるチラツキ
が大きく抑制され、より高表示品位を達成することがで
きるという効果を奏する。
【0167】さらに本発明の表示装置は、以上のよう
に、前記所定の発明に表示装置の駆動方法を実行する制
御手段を有している構成である。
【0168】それゆえ、明るさ、コントラスト、応答速
度、階調性などの基本的な表示品位を満たした状態で、
容易に十分な低消費電力化を図ることのできるアクティ
ブマトリクス型の液晶表示装置を提供することができる
という効果を奏する。
【0169】さらに本発明の表示装置は、以上のよう
に、前記所定の発明に記載の表示装置の駆動方法を実行
する制御手段を有している構成である。
【0170】それゆえ、十分な低消費電力化とチラツキ
が十分に抑制された高表示品位とを両立させることので
きるアクティブマトリクス型の液晶表示装置を提供する
ことができるという効果を奏する。
【0171】さらに本発明の表示装置は、以上のよう
に、上記液晶表示素子には、上記画素電極との間で上記
画素の補助容量を形成する補助容量電極が上記走査信号
線の位置を避けて設けられている構成である。
【0172】それゆえ、走査信号線と画素電極との電気
容量結合を無視することができ、この状態で制御手段に
より休止期間を設定して液晶表示素子の駆動を行えば、
Csオンゲート構造で補助容量を形成していた場合と異
なり、1ライン上の走査信号線の電位変動による画素電
極の電位変動は生じなくなる。これにより、長い休止期
間を設定してもチラツキが抑制された高表示品位を得る
ことができるという効果を奏する。
【0173】さらに本発明の表示装置は、以上のよう
に、上記液晶表示素子の画素電圧保持率を、上記画素電
極と上記対向電極との間の電気容量をCLC、上記補助容
量をC CS、上記アクティブ素子の非選択期間をT、上記
書き換え周波数における非選択期間T3後の液晶電圧保
持率をHr(T)、書き込み直後の上記画素電極と上記
対向電極との電位差をV、上記アクティブ素子の非選択
時の抵抗値をR、V1 =V−{V・(1−Hr(T))
×CLC/(CLC+CCS)}として、 P=V1 ・exp[−T/{(CLC+CCS)・R}]/
V と表したときに、P≧0.9である構成である。
【0174】それゆえ、走査信号線数をn、走査期間を
T1、非走査期間をT0とすれば、非選択期間T=(T
1+T0)−T1/nと表されるので、非走査期間T0
を休止期間に設定しても、選択期間中にデータ信号線か
ら印加された画素の電圧が、非選択期間Tを通して90
%以上の電圧保持率で保持される。従って、非選択期間
Tにおいて画素電極の電位変動がほとんど生じない。こ
れにより、長い休止期間を設定してもよりチラツキのな
い安定した表示品位が得られるという効果を奏する。
【0175】さらに本発明の表示装置は、以上のよう
に、上記液晶表示素子は周囲光を用いて反射型表示を行
う反射部材を有している構成である。
【0176】それゆえ、バックライトを必要としない反
射型液晶表示装置とするので、休止期間を設定した駆動
による低消費電力化の割合が大きくなるという効果を奏
する。
【0177】さらに本発明の液晶表示装置は、以上のよ
うに、上記反射部材は上記画素電極の少なくとも一部で
ある構成である。
【0178】それゆえ、画素電極の少なくとも一部が反
射型液晶表示装置の反射電極となるので、別途反射部材
は必要なく、装置を構成する部材の種類を減らすことが
可能であるという効果を奏する。
【0179】さらに本発明の表示装置は、以上のよう
に、上記反射部材に光透過用の穴が設けられている、ま
たは上記反射部材が半透明である構成である。
【0180】それゆえ、反射透過両用型の液晶表示装置
とするので、周囲光が多いときには反射型として、周囲
光が少ないときにはバックライトを点灯するなど透過型
と併用して利用することができるという効果を奏する。
【0181】また、本発明の携帯機器は、以上のよう
に、前記所定の発明に記載の表示装置が搭載されている
構成である。
【0182】それゆえ、明るさ、コントラスト、応答速
度、階調性などの基本的な表示品位を満たした状態で、
容易に十分な低消費電力化を図ることのできる携帯機器
を提供することができ、バッテリーによる長時間駆動が
容易になるという効果を奏する。
【0183】また、本発明の携帯機器は、以上のよう
に、前記所定の発明に記載の表示装置が搭載されている
構成である。
【0184】それゆえ、十分な低消費電力化とチラツキ
が十分に抑制された高表示品位とを両立させることので
きる携帯機器を提供することができ、バッテリーによる
長時間駆動が容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における表示装置の駆動
方法を説明するタイミングチャートである。
【図2】図1の表示装置の駆動方法が適用される表示装
置の構成を示すシステムブロック図である。
【図3】図2の表示装置のデータ信号ドライバの内部構
成を示す回路図である。
【図4】図2の表示装置の液晶パネルの構成を示す断面
図である。
【図5】図2の表示装置の液晶パネルの構成を示す平面
透視図である。
【図6】(a)および(b)は、図5の等価回路を示す
回路図である。
【図7】液晶の特性を示すグラフである。
【図8】TFTのOFF抵抗の特性を示すグラフであ
る。
【図9】電荷を十分に保持することができない場合の画
素電極電位の変化と反射光強度の変化とを説明する説明
図である。
【図10】(a)および(b)は、液晶パネルの特性を
評価する方法を説明する説明図である。
【図11】(a)ないし(e)は、図5の液晶パネルの
信号および特性を示すタイミングチャートである。
【図12】図5の液晶パネルの比較例の構成を示す平面
透視図である。
【図13】(a)ないし(e)は、図12の液晶パネル
の信号および特性を示すタイミングチャートである。
【図14】図4の液晶パネルの変形例の構成を示す断面
図である。
【図15】図4の液晶パネルの変形例の構成を示す平面
透視図である。
【図16】マトリクス型表示装置の構成を示すブロック
図である。
【図17】従来の表示装置の駆動方法を説明するタイミ
ングチャートである。
【図18】垂直帰線期間を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 液晶表示装置(表示装置) 2 液晶パネル(液晶表示素子) 3 ゲートドライバ 4 ソースドライバ(データ信号線のドライバ) 5 コントロールIC(制御手段) 6 画像メモリ(画像データ蓄積手段) 7 GSP変換回路 13 液晶層(液晶) 14 TFT(アクティブ素子) 19 透明共通電極(対向電極) 27 画素電極 27a 補助容量用電極パッド 27b 反射電極 31 走査信号線 32 データ信号線 33 補助容量配線(補助容量電極) 51 液晶パネル(液晶表示素子) 53 光透過穴(光透過用の穴) 54 画素電極 54a 補助容量用電極パッド 54b 反射電極 CCL 液晶容量(電気容量) CCS 補助容量 T 非選択期間 T1 走査期間 T2 休止期間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 久和 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 亀崎 豊 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 太田 隆滋 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H093 NA16 NA34 NA43 NB22 NC07 NC10 NC11 NC16 NC18 NC21 NC29 NC34 NC35 NC49 NC59 ND10 ND12 ND35 ND39 NE03 NE06 NH14 NH15 NH18 5C006 AA02 AC02 AC21 AF42 AF68 AF69 AF71 BB16 BC06 BC13 BF02 BF37 EC13 FA47 GA02 GA03 5C080 AA10 BB05 DD26 EE32 FF12 JJ02 JJ03 JJ04 JJ05 JJ06 KK07

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画素がマトリクス状に配置されてなる画面
    の各ラインを複数の走査信号線により線順次に選択して
    走査し、選択されたラインの画素にデータ信号線からデ
    ータ信号を供給して表示を行う表示装置の駆動方法にお
    いて、 上記画面を1回走査する走査期間よりも長い非走査期間
    であって、全走査信号線を非走査状態とする休止期間を
    設け、上記走査期間と上記休止期間との和を1垂直期間
    とすることを特徴とする表示装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】上記休止期間を含めた非走査期間を複数種
    類の中から設定することを特徴とする請求項1に記載の
    表示装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】上記走査期間をT1、複数の上記非走査期
    間のうちで最短のものをT01、T01以外の任意のも
    のをT02としたとき、 (T1+T02)=(T1+T01)×N(Nは2以上
    の整数) の関係とすることを特徴とする請求項2に記載の表示装
    置の駆動方法。
  4. 【請求項4】上記表示装置が上記データ信号の基となる
    画像データを蓄積する画像データ蓄積手段を有している
    場合に、上記休止期間に上記画像データ蓄積手段からの
    上記画像データの転送を停止させることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の表示装置の駆動方
    法。
  5. 【請求項5】上記データ信号の基となる画像データを上
    記表示装置に供給する画像データ供給手段がある場合
    に、上記休止期間に上記画像データ供給手段からの上記
    画像データの供給を受け付ける動作を上記表示装置に停
    止させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載の表示装置の駆動方法。
  6. 【請求項6】上記休止期間に、表示とは無関係なアナロ
    グ回路の動作を停止させることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかに記載の表示装置の駆動方法。
  7. 【請求項7】上記休止期間に、少なくとも上記データ信
    号線のドライバのアナログ回路の動作を停止させること
    を特徴とする請求項6に記載の表示装置の駆動方法。
  8. 【請求項8】上記休止期間に、全データ信号線を駆動す
    るデータ信号ドライバに対して上記全データ信号線をハ
    イインピーダンス状態とすることを特徴とする請求項1
    ないし5のいずれかに記載の表示装置の駆動方法。
  9. 【請求項9】上記休止期間に、上記全データ信号線をハ
    イインピーダンス状態とした後に、表示とは無関係なア
    ナログ回路の動作を停止させることを特徴とする請求項
    8に記載の表示装置の駆動方法。
  10. 【請求項10】上記休止期間に、少なくとも上記データ
    信号線のドライバのアナログ回路の動作を停止させるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の表示装置の駆動方法。
  11. 【請求項11】上記全データ信号線をハイインピーダン
    ス状態とする前に、上記全データ信号線を、全画素のデ
    ータ保持状態の変化が平均して略最小となる電位とする
    ことを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載
    の表示装置の駆動方法。
  12. 【請求項12】請求項1ないし7のいずれかに記載の表
    示装置の駆動方法を実行する制御手段を有していること
    を特徴とする表示装置。
  13. 【請求項13】請求項8ないし11のいずれかに記載の
    表示装置の駆動方法を実行する制御手段を有しているこ
    とを特徴とする表示装置。
  14. 【請求項14】上記表示装置が、画素電極と対向電極と
    の間に液晶が介在して形成される電気容量に、走査信号
    線から供給される走査信号によって選択状態となったア
    クティブ素子を介し、データ信号線から供給されるデー
    タ信号に基づいた電荷が周期的に書き込まれる画素がマ
    トリクス状に配置された液晶表示素子を有する液晶表示
    装置であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれ
    かに記載の表示装置の駆動方法。
  15. 【請求項15】上記表示装置が、画素電極と対向電極と
    の間に液晶が介在して形成される電気容量に、走査信号
    線から供給される走査信号によって選択状態となったア
    クティブ素子を介し、データ信号線から供給されるデー
    タ信号に基づいた電荷が周期的に書き込まれる画素がマ
    トリクス状に配置された液晶表示素子を有する液晶表示
    装置であることを特徴とする請求項8ないし11のいず
    れかに記載の表示装置の駆動方法。
  16. 【請求項16】上記休止期間に上記対向電極を、上記対
    向電極に上記走査期間に直流電圧を印加する場合には上
    記走査期間の上記対向電極と同電位とし、上記対向電極
    に上記走査期間に交流電圧を印加する場合には上記交流
    電圧の振幅中心の電位とすることを特徴とする請求項1
    4または15に記載の表示装置の駆動方法。
  17. 【請求項17】上記休止期間に、上記アクティブ素子の
    OFF抵抗値を略最大とする非選択電圧を全走査信号線
    に印加することを特徴とする請求項14ないし16のい
    ずれかに記載の表示装置の駆動方法。
  18. 【請求項18】上記休止期間を16.7msec以上2
    sec以下とすることを特徴とする請求項14ないし1
    7のいずれかに記載の表示装置の駆動方法。
  19. 【請求項19】上記休止期間を50msec以上1se
    c以下とすることを特徴とする請求項18に記載の表示
    装置の駆動方法。
  20. 【請求項20】請求項14に記載の表示装置の駆動方法
    を実行する制御手段を有していることを特徴とする表示
    装置。
  21. 【請求項21】請求項15ないし19のいずれかに記載
    の表示装置の駆動方法を実行する制御手段を有している
    ことを特徴とする表示装置。
  22. 【請求項22】上記液晶表示素子には、上記画素電極と
    の間で上記画素の補助容量を形成する補助容量電極が上
    記走査信号線の位置を避けて設けられていることを特徴
    とする請求項20または21に記載の表示装置。
  23. 【請求項23】上記液晶表示素子の画素電圧保持率を、
    上記画素電極と上記対向電極との間の電気容量をCLC
    上記補助容量をCCS、上記アクティブ素子の非選択期間
    をT、上記書き換え周波数における非選択期間T終了後
    の液晶電圧保持率をHr(T)、書き込み直後の上記画
    素電極と上記対向電極との電位差をV、上記アクティブ
    素子の非選択時の抵抗値をR、V1 =V−{V・(1−
    Hr(T))×CLC/(CLC+CCS)}として、 P=V1 ・exp[−T/{(CLC+CCS)・R}]/
    V と表したときに、P≧0.9であることを特徴とする請
    求項22に記載の表示装置。
  24. 【請求項24】上記液晶表示素子は周囲光を用いて反射
    型表示を行う反射部材を有していることを特徴とする請
    求項20ないし23のいずれかに記載の表示装置。
  25. 【請求項25】上記反射部材は上記画素電極の少なくと
    も一部であることを特徴とする請求項24に記載の液晶
    表示装置。
  26. 【請求項26】上記反射部材に光透過用の穴が設けられ
    ている、または上記反射部材が半透明であることを特徴
    とする請求項24または25に記載の表示装置。
  27. 【請求項27】請求項12または20に記載の表示装置
    が搭載されていることを特徴とする携帯機器。
  28. 【請求項28】請求項13、21、22、23、24、
    25、26のいずれかに記載の表示装置が搭載されてい
    ることを特徴とする携帯機器。
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