JP2001302516A - カスパーゼ阻害剤 - Google Patents
カスパーゼ阻害剤Info
- Publication number
- JP2001302516A JP2001302516A JP2000129057A JP2000129057A JP2001302516A JP 2001302516 A JP2001302516 A JP 2001302516A JP 2000129057 A JP2000129057 A JP 2000129057A JP 2000129057 A JP2000129057 A JP 2000129057A JP 2001302516 A JP2001302516 A JP 2001302516A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pge
- ester
- pgt
- compound
- caspase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規なカスパーゼ阻害剤を提供するこ
と。 【解決手段】 PGE1活性を有する化合物を有効成
分とするカスパーゼ阻害剤およびPGTを介して細胞内
に取り込まれる性質を有する化合物を有効成分とするカ
スパーゼ阻害剤。
と。 【解決手段】 PGE1活性を有する化合物を有効成
分とするカスパーゼ阻害剤およびPGTを介して細胞内
に取り込まれる性質を有する化合物を有効成分とするカ
スパーゼ阻害剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカスパーゼ阻害剤に
関する。
関する。
【0002】
【従来の技術】カスパーゼは、ICE(インターロイキ
ン−1β変換酵素)ファミリープロテアーゼともいい、
細胞死の実行や炎症反応等に重要なサイトカイン[イン
ターロイキン−1β(IL−1β)、インターフェロン
−γ−誘導因子(IGIF)など]のプロセシングに機
能する一群のシステインプロテアーゼである。線虫の細
胞死遺伝子産物CED−3とヒトIL−1β変換酵素と
の相同性をもとに、哺乳類から多くの同族体が得られて
いて少なくとも12種が知られている(生化学辞典第3
版、東京化学同人)。
ン−1β変換酵素)ファミリープロテアーゼともいい、
細胞死の実行や炎症反応等に重要なサイトカイン[イン
ターロイキン−1β(IL−1β)、インターフェロン
−γ−誘導因子(IGIF)など]のプロセシングに機
能する一群のシステインプロテアーゼである。線虫の細
胞死遺伝子産物CED−3とヒトIL−1β変換酵素と
の相同性をもとに、哺乳類から多くの同族体が得られて
いて少なくとも12種が知られている(生化学辞典第3
版、東京化学同人)。
【0003】カスパーゼ阻害剤としては、Z−Asp−
CH2−DBC(カルボベンゾキシ−L−アスパルチル
−α−[(2,6−ジクロロベンゾイル)オキシ]メタ
ン)、YVAD−CHO(アセチル−L−チロシル−L
−バリル−L−アラニル−L−アスパルト−1−アルデ
ヒド),DEVD−CHO(アセチル−L−アセパルチ
ル−L−グルタミル−L−バリル−L−アスパルト−1
−アルデヒド)等が報告されている(特開平11−22
8352号公報)。
CH2−DBC(カルボベンゾキシ−L−アスパルチル
−α−[(2,6−ジクロロベンゾイル)オキシ]メタ
ン)、YVAD−CHO(アセチル−L−チロシル−L
−バリル−L−アラニル−L−アスパルト−1−アルデ
ヒド),DEVD−CHO(アセチル−L−アセパルチ
ル−L−グルタミル−L−バリル−L−アスパルト−1
−アルデヒド)等が報告されている(特開平11−22
8352号公報)。
【0004】一方、プロスタグランジン・トランスポー
ター(以下、PGT)は、生体内においてプロスタグラ
ンジン(以下、PG)類を担体介在的(carrier
−mediated)に輸送する性質を有する。PG類
はPGTを介して生体膜を通過し、その細胞内で生理活
性を発現する、あるいは酵素などによる代謝分解を受け
る。PGTは生体内では肺、腎臓、脳などに存在するこ
とが知られており、またPGTをコードする遺伝子の配
列も確認されている(サイエンス、268巻、866〜
869頁、1995年)。
ター(以下、PGT)は、生体内においてプロスタグラ
ンジン(以下、PG)類を担体介在的(carrier
−mediated)に輸送する性質を有する。PG類
はPGTを介して生体膜を通過し、その細胞内で生理活
性を発現する、あるいは酵素などによる代謝分解を受け
る。PGTは生体内では肺、腎臓、脳などに存在するこ
とが知られており、またPGTをコードする遺伝子の配
列も確認されている(サイエンス、268巻、866〜
869頁、1995年)。
【0005】このPGTを通過する(くぐり抜ける)物
質の一つがPGである。特に肺のPGTにおける透過試
験において、PGE1、PGE2が高い透過速度(Km)
を有すると報告されている(上記のサイエンス誌を参照
のこと)。
質の一つがPGである。特に肺のPGTにおける透過試
験において、PGE1、PGE2が高い透過速度(Km)
を有すると報告されている(上記のサイエンス誌を参照
のこと)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カス
パーゼ阻害剤を提供することにある。
パーゼ阻害剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の事情
を考慮に入れて研究を行った結果、PGE1がカスパー
ゼ阻害作用を有することを見出した。さらにこのカスパ
ーゼ阻害作用にPGTが関与することを見出して、本発
明を完成した。
を考慮に入れて研究を行った結果、PGE1がカスパー
ゼ阻害作用を有することを見出した。さらにこのカスパ
ーゼ阻害作用にPGTが関与することを見出して、本発
明を完成した。
【0008】本発明は、PGE1活性を有する化合物を
有効成分とするカスパーゼ阻害剤およびPGTを介して
細胞内に取り込まれる性質を有する化合物を有効成分と
するカスパーゼ阻害剤に係るものである。以下に詳細を
説明する。
有効成分とするカスパーゼ阻害剤およびPGTを介して
細胞内に取り込まれる性質を有する化合物を有効成分と
するカスパーゼ阻害剤に係るものである。以下に詳細を
説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】PGE1活性を有する化合物と
は、PGE1そのもの、PGE1活性を有する誘導体、生
体内においてPGE1に変換されてPGE1活性を発現す
るもの(PGE1前駆体)等を含む概念である。以下、
PGE1類と呼称する。
は、PGE1そのもの、PGE1活性を有する誘導体、生
体内においてPGE1に変換されてPGE1活性を発現す
るもの(PGE1前駆体)等を含む概念である。以下、
PGE1類と呼称する。
【0010】PGE1活性を有する誘導体としては7−
チオ体(特開昭58−110562号公報)等が挙げら
れる。具体的には7−チオ−PGE1等が例示される。
チオ体(特開昭58−110562号公報)等が挙げら
れる。具体的には7−チオ−PGE1等が例示される。
【0011】本発明で使用し得るPGE1前駆体は、生
体内において、PGE1に変換されPGE1活性を発現し
うる化合物であれば、特に限定されない。
体内において、PGE1に変換されPGE1活性を発現し
うる化合物であれば、特に限定されない。
【0012】PGE1前駆体としては、例えば、PGE1
のアルキルエステル体(特開昭59−216820号公
報)、アルコキシカルボニルアルキルエステル体または
アシルオキシアルキルエステル体(特開昭59−206
344号公報、同60−13779号公報)、9−アシ
ルオキシ体(特開昭58−39660号公報、特開平3
−204853号公報、同5−213862号公報)、
7−チオ誘導体(特開昭58−110562号公報)、
(アルキルカルボニルオキシ)エチルエステル体、2−
(アルキルオキシアセトキシ)エチル体(特開平9−1
10828号公報)、1,3−ビス(アルキルカルボニ
ルオキシ)−2−プロピルエステル体(特開平9−12
4593号公報)等が挙げられる。
のアルキルエステル体(特開昭59−216820号公
報)、アルコキシカルボニルアルキルエステル体または
アシルオキシアルキルエステル体(特開昭59−206
344号公報、同60−13779号公報)、9−アシ
ルオキシ体(特開昭58−39660号公報、特開平3
−204853号公報、同5−213862号公報)、
7−チオ誘導体(特開昭58−110562号公報)、
(アルキルカルボニルオキシ)エチルエステル体、2−
(アルキルオキシアセトキシ)エチル体(特開平9−1
10828号公報)、1,3−ビス(アルキルカルボニ
ルオキシ)−2−プロピルエステル体(特開平9−12
4593号公報)等が挙げられる。
【0013】アルキルエステル体、アルコキシカルボニ
ルアルキルエステル体、アシルオキシアルキルエステル
体におけるアルキルは、好ましくは炭素数1〜30、よ
り好ましくは炭素数1〜10のアルキルである。アルコ
キシカルボニルアルキルエステル体におけるアルコキシ
は、好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは炭素数
3〜10のアルコキシである。アシルオキシアルキルエ
ステル体におけるアシルは、好ましくは炭素数1〜1
5、より好ましくは炭素3〜10のアシルである。9−
アシルオキシ体におけるアシルは、好ましくは炭素数2
〜6、より好ましくは炭素数2〜4のアシルである。
ルアルキルエステル体、アシルオキシアルキルエステル
体におけるアルキルは、好ましくは炭素数1〜30、よ
り好ましくは炭素数1〜10のアルキルである。アルコ
キシカルボニルアルキルエステル体におけるアルコキシ
は、好ましくは炭素数1〜15、より好ましくは炭素数
3〜10のアルコキシである。アシルオキシアルキルエ
ステル体におけるアシルは、好ましくは炭素数1〜1
5、より好ましくは炭素3〜10のアシルである。9−
アシルオキシ体におけるアシルは、好ましくは炭素数2
〜6、より好ましくは炭素数2〜4のアシルである。
【0014】PGE1のアルキルエステル体としては、
具体的には、PGE1メチルエステル、PGE1エチルエ
ステル、PGE1プロピルエステル、PGE1ブチルエス
テル、PGE1ペンチルエステル、PGE1オクチルエス
テル等が挙げられる。PGE1のアルコキシカルボニル
アルキルエステル体としては、具体的には、PGE1ブ
トキシカルボニルメチルエステル、PGE1ヘキシルオ
キシカルボニルメチルエステル、PGE1オクチルオキ
シカルボニルメチルエステル、PGE1デシルオキシカ
ルボニルメチルエステル等が挙げられる。PGE1のア
シルオキシアルキルエステル体としては、具体的には、
PGE1アセトキシメチルエステル、PGE1ピバロイル
オキシメチルエステル、PGE11−アセトキシエチル
エステル、PGE11−ヘキサノイルオキシエチルエス
テル、PGE11−デカノイルオキシエチルエステル等
が挙げられる。
具体的には、PGE1メチルエステル、PGE1エチルエ
ステル、PGE1プロピルエステル、PGE1ブチルエス
テル、PGE1ペンチルエステル、PGE1オクチルエス
テル等が挙げられる。PGE1のアルコキシカルボニル
アルキルエステル体としては、具体的には、PGE1ブ
トキシカルボニルメチルエステル、PGE1ヘキシルオ
キシカルボニルメチルエステル、PGE1オクチルオキ
シカルボニルメチルエステル、PGE1デシルオキシカ
ルボニルメチルエステル等が挙げられる。PGE1のア
シルオキシアルキルエステル体としては、具体的には、
PGE1アセトキシメチルエステル、PGE1ピバロイル
オキシメチルエステル、PGE11−アセトキシエチル
エステル、PGE11−ヘキサノイルオキシエチルエス
テル、PGE11−デカノイルオキシエチルエステル等
が挙げられる。
【0015】PGE1の9−アシルオキシ体としては、
例えば、次の一般式(I)で示される化合物が挙げられ
る。
例えば、次の一般式(I)で示される化合物が挙げられ
る。
【0016】
【化1】
【0017】〔式中、R1はアシル、R2はアルキル、R
3は水素原子または水酸基の保護基、R4は水素原子また
は水酸基の保護基、R5はアルキルを示す。〕
3は水素原子または水酸基の保護基、R4は水素原子また
は水酸基の保護基、R5はアルキルを示す。〕
【0018】R1で示されるアシルは、炭素数2〜6、
好ましくは炭素数2〜4のアシルであり、例えばアセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイル、ヘキサノイ
ル等が挙げられる。R2で示されるアルキルは、炭素数
1〜30、好ましくは炭素数1〜4のアルキルであり、
例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、ヘキシル、オクチル、デシル、イコシル等が挙げら
れる。R3またはR4で示される水酸基の保護基として
は、アシル(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾ
イルなど)、アラルキル(例えば、ベンジル、フェニル
エチルなど)等が挙げられる。R5で示されるアルキル
は、炭素数1〜10、好ましくは炭素数5〜7のアルキ
ルであり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2−メ
チルヘキシル、オクチル、デシル等が挙げられる。
好ましくは炭素数2〜4のアシルであり、例えばアセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイル、ヘキサノイ
ル等が挙げられる。R2で示されるアルキルは、炭素数
1〜30、好ましくは炭素数1〜4のアルキルであり、
例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、ヘキシル、オクチル、デシル、イコシル等が挙げら
れる。R3またはR4で示される水酸基の保護基として
は、アシル(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾ
イルなど)、アラルキル(例えば、ベンジル、フェニル
エチルなど)等が挙げられる。R5で示されるアルキル
は、炭素数1〜10、好ましくは炭素数5〜7のアルキ
ルであり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2−メ
チルヘキシル、オクチル、デシル等が挙げられる。
【0019】PGE1の9−アシルオキシ体としては、
具体的には、メチル 9−アセトキシ−11α,15S
−ジヒドロキシプロスタ−8,13E−ジエン−1−オ
エート、メチル 9,11α,15S−トリアセトキシ
−プロスタ−8,13E−ジエン−1−オエート、メチ
ル 9,15R−ジアセトキシ−11α−ヒドロキシプ
ロスタ−8,13E−ジエン−1−オエート、メチル
9,15S−ジアセトキシ−11α−ヒドロキシプロス
タ−8,13E−ジエン−1−オエート、ブチル9−ア
セトキシ−11α,15S−ジヒドロキシ−17S,2
0−ジメチルプロスタ−8,13E−ジエン−1−オエ
ート、ブチル 9−アセトキシ−11α,15S−ジヒ
ドロキシプロスタ−8,13E−ジエン−1−オエー
ト、ブチル9−ブチリルオキシ−11α,15S−ジヒ
ドロキシプロスタ−8,13E−ジエン−1−オエー
ト、ブチル 9,11α−ジアセトキシ−15S−ヒド
ロキシ−17S,20−ジメチルプロスタ−8,13E
−ジエン−1−オエート等が挙げられる。
具体的には、メチル 9−アセトキシ−11α,15S
−ジヒドロキシプロスタ−8,13E−ジエン−1−オ
エート、メチル 9,11α,15S−トリアセトキシ
−プロスタ−8,13E−ジエン−1−オエート、メチ
ル 9,15R−ジアセトキシ−11α−ヒドロキシプ
ロスタ−8,13E−ジエン−1−オエート、メチル
9,15S−ジアセトキシ−11α−ヒドロキシプロス
タ−8,13E−ジエン−1−オエート、ブチル9−ア
セトキシ−11α,15S−ジヒドロキシ−17S,2
0−ジメチルプロスタ−8,13E−ジエン−1−オエ
ート、ブチル 9−アセトキシ−11α,15S−ジヒ
ドロキシプロスタ−8,13E−ジエン−1−オエー
ト、ブチル9−ブチリルオキシ−11α,15S−ジヒ
ドロキシプロスタ−8,13E−ジエン−1−オエー
ト、ブチル 9,11α−ジアセトキシ−15S−ヒド
ロキシ−17S,20−ジメチルプロスタ−8,13E
−ジエン−1−オエート等が挙げられる。
【0020】PGE1の7−チオ誘導体は、上記の各種
PGE1前駆体における7位のCH2がSで置換されたも
のを意味する。具体的には7−チオ−PGE1メチルエ
ステル、7−チオ−PGE1エチルエステル、7−チオ
−PGE1ブトキシカルボニルメチルエステル、7−チ
オ−PGE1ピバロイルオキシメチルエステル、ブチル
7−チオ−9−ブチリルオキシ−11α,15S−ジヒ
ドロキシプロスタ−8,13E−ジエン−1−オエート
等が挙げられる。
PGE1前駆体における7位のCH2がSで置換されたも
のを意味する。具体的には7−チオ−PGE1メチルエ
ステル、7−チオ−PGE1エチルエステル、7−チオ
−PGE1ブトキシカルボニルメチルエステル、7−チ
オ−PGE1ピバロイルオキシメチルエステル、ブチル
7−チオ−9−ブチリルオキシ−11α,15S−ジヒ
ドロキシプロスタ−8,13E−ジエン−1−オエート
等が挙げられる。
【0021】PGE1の(アルキルカルボニルオキシ)
エチルエステル体、2−(アルキルオキシアセトキシ)
エチル体における、アルキルは炭素数10〜20を有す
る。具体例としては、PGE1(ドデカノイルオキシ)
エチルエステル、PGE12−(デキサデシルオキシア
セトキシ)エチルエステル、PGE12−(ドデシルオ
キシアセトキシ)エチルエステルなどが例示される。
エチルエステル体、2−(アルキルオキシアセトキシ)
エチル体における、アルキルは炭素数10〜20を有す
る。具体例としては、PGE1(ドデカノイルオキシ)
エチルエステル、PGE12−(デキサデシルオキシア
セトキシ)エチルエステル、PGE12−(ドデシルオ
キシアセトキシ)エチルエステルなどが例示される。
【0022】PGE1の1,3−ビス(アルキルカルボ
ニルオキシ)−2−プロピルエステル体における、アル
キルは炭素数4〜12を有する。具体例としては、PG
E11,3−ビス(ヘキサノイルオキシ)−2−プロピ
ルエステル、PGE11,3−ビス(ドデカノイルオキ
シ)−2−プロピルエステルなどが例示される。
ニルオキシ)−2−プロピルエステル体における、アル
キルは炭素数4〜12を有する。具体例としては、PG
E11,3−ビス(ヘキサノイルオキシ)−2−プロピ
ルエステル、PGE11,3−ビス(ドデカノイルオキ
シ)−2−プロピルエステルなどが例示される。
【0023】本発明における有効成分のもう一つの態様
は、PGTを介して細胞内に取り込まれる性質を有する
化合物である。より好ましくは、PGTに親和性を有
し、かつPGTを介して細胞内に取り込まれる性質を有
する化合物である。本発明において、「PGTに親和性
を有する」とは、具体的には、ヒトPGTを強制発現し
たHela細胞を用いた細胞内取り込みを測定する系に
おいて、Kmが100nM以下程度であればよい。ま
た、「PGTを介して細胞内に取り込まれる」とは、具
体的には、分化したPC12細胞を用い、トリチウム標
識物と37℃で10分間インキュベーション後に細胞内
の放射活性を測定する系において、70fmol/mg
蛋白以上程度の水準にあればよい。このような化合物と
しては、上記のPGE1類の他、PGE2、PGF2 α、
PGD2等またはその活性誘導体、前駆体、あるいはこ
れらの化合物と同程度のPGT親和性およびPGTを介
して細胞内に取り込まれる性質を有するものなどが例示
される。好ましくは、PGTを介して細胞内に取り込ま
れる性質を有する新規物質、またはPGTを介して細胞
内に取り込まれる性質を有することが知られていない既
知物質である。
は、PGTを介して細胞内に取り込まれる性質を有する
化合物である。より好ましくは、PGTに親和性を有
し、かつPGTを介して細胞内に取り込まれる性質を有
する化合物である。本発明において、「PGTに親和性
を有する」とは、具体的には、ヒトPGTを強制発現し
たHela細胞を用いた細胞内取り込みを測定する系に
おいて、Kmが100nM以下程度であればよい。ま
た、「PGTを介して細胞内に取り込まれる」とは、具
体的には、分化したPC12細胞を用い、トリチウム標
識物と37℃で10分間インキュベーション後に細胞内
の放射活性を測定する系において、70fmol/mg
蛋白以上程度の水準にあればよい。このような化合物と
しては、上記のPGE1類の他、PGE2、PGF2 α、
PGD2等またはその活性誘導体、前駆体、あるいはこ
れらの化合物と同程度のPGT親和性およびPGTを介
して細胞内に取り込まれる性質を有するものなどが例示
される。好ましくは、PGTを介して細胞内に取り込ま
れる性質を有する新規物質、またはPGTを介して細胞
内に取り込まれる性質を有することが知られていない既
知物質である。
【0024】本発明の化合物は、例えば、シクロデキス
トリン(CD)包接化、リポソーム化、エタノール溶液
化、脂肪乳剤化等、適当な形態に製剤化することにより
使用することができる。さらに必要に応じて、通常の製
剤化技術を施してもよい。
トリン(CD)包接化、リポソーム化、エタノール溶液
化、脂肪乳剤化等、適当な形態に製剤化することにより
使用することができる。さらに必要に応じて、通常の製
剤化技術を施してもよい。
【0025】脂肪乳剤化は、例えば、当該化合物、油成
分[大豆油、ゴマ油、オリーブ油、綿実油などの植物
油、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等]、乳化剤
(リン脂質、界面活性剤等)などを混合、加熱して溶液
とした後に、必要量の水を加え、乳化機(ホモジナイザ
ー、高圧噴射型、超音波型等)を用いて、乳化・均質化
処理を行うことにより実施される(特開昭58−222
014号公報、特開平3−69340号公報、同8−4
0891号公報等)。リン脂質として、ホスファチジル
エタノールアミンを実質的に含まない卵黄リン脂質を用
いることもできる(特開昭60−149524号公
報)。脂肪乳剤は凍結乾燥化することもできる(特開平
5−43450号公報、同9−136836号公報
等)。また、脂肪乳剤化に際し、乳化補助剤、安定化
剤、等張化剤などを添加してもよい。乳化補助剤として
は、脂肪酸、脂肪族アミン等が例示される。安定化剤と
しては、コレステロール類、ホスファチジン酸等が例示
される。等張化剤としては、グリセリン、糖類(例え
ば、ブドウ糖、ソルビトール、果糖など)等が例示され
る。脂肪乳剤中における当該有効成分の含有量は0.1
〜100μg/ml程度である。
分[大豆油、ゴマ油、オリーブ油、綿実油などの植物
油、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等]、乳化剤
(リン脂質、界面活性剤等)などを混合、加熱して溶液
とした後に、必要量の水を加え、乳化機(ホモジナイザ
ー、高圧噴射型、超音波型等)を用いて、乳化・均質化
処理を行うことにより実施される(特開昭58−222
014号公報、特開平3−69340号公報、同8−4
0891号公報等)。リン脂質として、ホスファチジル
エタノールアミンを実質的に含まない卵黄リン脂質を用
いることもできる(特開昭60−149524号公
報)。脂肪乳剤は凍結乾燥化することもできる(特開平
5−43450号公報、同9−136836号公報
等)。また、脂肪乳剤化に際し、乳化補助剤、安定化
剤、等張化剤などを添加してもよい。乳化補助剤として
は、脂肪酸、脂肪族アミン等が例示される。安定化剤と
しては、コレステロール類、ホスファチジン酸等が例示
される。等張化剤としては、グリセリン、糖類(例え
ば、ブドウ糖、ソルビトール、果糖など)等が例示され
る。脂肪乳剤中における当該有効成分の含有量は0.1
〜100μg/ml程度である。
【0026】シクロデキストリン(CD)包接化は、例
えば、当該化合物を溶媒(エタノール等)に溶解した溶
液に、シクロデキストリンを水等に加温溶解した溶液を
加えた後、冷却し、析出した沈澱を濾過し、減圧乾燥す
ることにより行うことができる。シクロデキストリンと
しては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキスト
リンおよびγ−シクロデキストリンが挙げられる。CD
包接化の例としては、特公昭52−31404号公報に
記載の方法が挙げられる。
えば、当該化合物を溶媒(エタノール等)に溶解した溶
液に、シクロデキストリンを水等に加温溶解した溶液を
加えた後、冷却し、析出した沈澱を濾過し、減圧乾燥す
ることにより行うことができる。シクロデキストリンと
しては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキスト
リンおよびγ−シクロデキストリンが挙げられる。CD
包接化の例としては、特公昭52−31404号公報に
記載の方法が挙げられる。
【0027】リポソーム化は、例えば、リン脂質を溶媒
(クロロホルム等)に溶解させた溶液に、当該化合物を
溶媒(エタノール等)に溶解した溶液を加えた後、溶媒
を留去し、これにリン酸緩衝液を加え、振盪、超音波処
理および遠心分離した後、上清をメンブランフィルター
等で濾過することにより行うことができる。リポソーム
化の例としては、ケミカル・アブストラクト93巻11
36f(1980年)、同95巻91231w(198
1年)に記載の方法が挙げられる。
(クロロホルム等)に溶解させた溶液に、当該化合物を
溶媒(エタノール等)に溶解した溶液を加えた後、溶媒
を留去し、これにリン酸緩衝液を加え、振盪、超音波処
理および遠心分離した後、上清をメンブランフィルター
等で濾過することにより行うことができる。リポソーム
化の例としては、ケミカル・アブストラクト93巻11
36f(1980年)、同95巻91231w(198
1年)に記載の方法が挙げられる。
【0028】エタノール溶液化は、当該化合物をエタノ
ールに溶解することにより行うことができる。エタノー
ル溶液中の当該有効成分の含有量は通常1〜1000μ
g/ml程度である。なお、当該エタノール溶液剤は用
時、生理食塩水またはブドウ糖液等で希釈して用いる。
ールに溶解することにより行うことができる。エタノー
ル溶液中の当該有効成分の含有量は通常1〜1000μ
g/ml程度である。なお、当該エタノール溶液剤は用
時、生理食塩水またはブドウ糖液等で希釈して用いる。
【0029】本発明の薬剤の投与量は、患者の病態、性
別、年齢、体重に応じて適宜選択できる。投与経路とし
ては、経口、非経口のいずれでもよい。好ましくは、注
射剤等の形態として非経口的に投与することができ、特
に静脈内投与が好ましい。投与量としては、成人1日当
たり、例えば当該有効成分として1〜1000μg程度
が例示される。好ましくは、0.01〜1000ng/
kg体重/分の割合で1日1回静脈内に持続注入するこ
とにより行う。
別、年齢、体重に応じて適宜選択できる。投与経路とし
ては、経口、非経口のいずれでもよい。好ましくは、注
射剤等の形態として非経口的に投与することができ、特
に静脈内投与が好ましい。投与量としては、成人1日当
たり、例えば当該有効成分として1〜1000μg程度
が例示される。好ましくは、0.01〜1000ng/
kg体重/分の割合で1日1回静脈内に持続注入するこ
とにより行う。
【0030】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために、実施例
および実験例を挙げるが、本発明はこれらに何ら限定さ
れるものではない。
および実験例を挙げるが、本発明はこれらに何ら限定さ
れるものではない。
【0031】実施例1(CD包接化) PGE117mgをエタノール0.2mlに溶解した溶
液に、β−シクロデキストリン257mgを水6mlに
加温溶解して調製した溶液を加え、45℃で加温溶解し
た後に室温に冷却し、沈澱を析出させた。これを0℃で
一夜放置後に濾過し、50%エタノール水溶液で洗浄し
て減圧乾燥することにより、CD包接化製剤を調製し
た。
液に、β−シクロデキストリン257mgを水6mlに
加温溶解して調製した溶液を加え、45℃で加温溶解し
た後に室温に冷却し、沈澱を析出させた。これを0℃で
一夜放置後に濾過し、50%エタノール水溶液で洗浄し
て減圧乾燥することにより、CD包接化製剤を調製し
た。
【0032】実施例2(リポソーム化) 卵黄ホスファチジルコリン60mgおよびオレイルアミ
ン11mgをクロロホルム5mlに溶解後、PGE13
0μgをエタノール100μlに溶解した溶液をこれに
加え、ナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポレータ
ーで溶媒を留去した。0.1M等張化リン酸緩衝液(p
H5)1mlを加え、振盪、超音波処理(ソニケート)
および遠心分離後に、上清を0.2μmのメンブランフ
ィルターで濾過し、リポソーム製剤を回収し、調製し
た。
ン11mgをクロロホルム5mlに溶解後、PGE13
0μgをエタノール100μlに溶解した溶液をこれに
加え、ナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポレータ
ーで溶媒を留去した。0.1M等張化リン酸緩衝液(p
H5)1mlを加え、振盪、超音波処理(ソニケート)
および遠心分離後に、上清を0.2μmのメンブランフ
ィルターで濾過し、リポソーム製剤を回収し、調製し
た。
【0033】実施例3(エタノール溶液化) PGE1500μgをエタノール1mlに溶解すること
により、エタノール溶液剤を調製した。用時、生理食塩
水またはブドウ糖液等で希釈して用いる。
により、エタノール溶液剤を調製した。用時、生理食塩
水またはブドウ糖液等で希釈して用いる。
【0034】実施例4(脂肪乳剤化) 精製大豆油30gに精製卵黄リン脂質5.4g、PGE
11.5mgおよびオレイン酸0.72gを加え、40
〜75℃で加熱溶解した。これに蒸留水200mlを加
え、次いで日本薬局方グリセリン7.5gを加え、20
〜40℃の注射用蒸留水で全量を300mlとし、ホモ
ジナイザーで粗乳化した。さらにマントン−ガウリン型
ホモジナイザーを用い、高圧下で乳化した。こうして、
均質化された極めて微細のPGE1を含有する脂肪乳剤
を得た。この乳剤の平均粒子径は0.2〜0.4μmで
あり、1μm以上の粒子を含有しなかった。
11.5mgおよびオレイン酸0.72gを加え、40
〜75℃で加熱溶解した。これに蒸留水200mlを加
え、次いで日本薬局方グリセリン7.5gを加え、20
〜40℃の注射用蒸留水で全量を300mlとし、ホモ
ジナイザーで粗乳化した。さらにマントン−ガウリン型
ホモジナイザーを用い、高圧下で乳化した。こうして、
均質化された極めて微細のPGE1を含有する脂肪乳剤
を得た。この乳剤の平均粒子径は0.2〜0.4μmで
あり、1μm以上の粒子を含有しなかった。
【0035】実施例5〜8 実施例3のPGE1の代わりに、PGE1エチルエステル
(実施例5)、PGE1ピバロイルオキシメチルエステ
ル(実施例6)、PGE1オクチルオキシカルボニルメ
チルエステル(実施例7)、ブチル 9−ブチリルオキ
シ−11α,15S−ジヒドロキシプロスタ−8,13
E−ジエン−1−オエート(実施例8)を用いる以外は
実施例3の方法に準じて、製剤化を施した。
(実施例5)、PGE1ピバロイルオキシメチルエステ
ル(実施例6)、PGE1オクチルオキシカルボニルメ
チルエステル(実施例7)、ブチル 9−ブチリルオキ
シ−11α,15S−ジヒドロキシプロスタ−8,13
E−ジエン−1−オエート(実施例8)を用いる以外は
実施例3の方法に準じて、製剤化を施した。
【0036】実験例1 アミロイドベータペプチドによるカスパーゼ−2および
同−3の活性化に対するPGE1の抑制効果を調べた。
同−3の活性化に対するPGE1の抑制効果を調べた。
【0037】1)ラット大脳皮質ニューロンの培養方法 胎生17または18日齢のラット胎児の大脳より皮質部
位を氷冷下で摘出し、細断後、神経細胞分散液(SUM
ILON)を用いて、細胞を分散させた。その後、予
め、ポリエチレンイミンコートした培養フラスコに細胞
を1.5×105個/cm2の密度で播き、4日間培養
後、次の試験に供した。なお、培養液は、B27サプリ
メント(1/50容量)、2−メルカプトエタノール
(27.5μM)、L−グルタミン酸(25μM)およ
びグルタミン(0.5mM)を添加したNeuroba
sal medium(ギブコ社製)を用いた。
位を氷冷下で摘出し、細断後、神経細胞分散液(SUM
ILON)を用いて、細胞を分散させた。その後、予
め、ポリエチレンイミンコートした培養フラスコに細胞
を1.5×105個/cm2の密度で播き、4日間培養
後、次の試験に供した。なお、培養液は、B27サプリ
メント(1/50容量)、2−メルカプトエタノール
(27.5μM)、L−グルタミン酸(25μM)およ
びグルタミン(0.5mM)を添加したNeuroba
sal medium(ギブコ社製)を用いた。
【0038】2)アミロイドベータペプチドによるアポ
トーシスの誘導とPGE1の添加 アミロイドベータペプチド25−35(Aβ25-35)
を、1mMの濃度になるように蒸留水に溶解し、37℃
で約1週間インキュベートし、Aged−Aβ25-3 5を
調製した。神経細胞へのアポトーシスの誘導は、10μ
MのAged−Aβ2 5-35を含む上記培養液(L−グル
タミン酸は除く)に交換することによって行った。ま
た、PGE1はエタノールに溶解後、Aged−Aβ
25-35を添加する時に同時に培養液に添加した。その終
濃度は0.1または1μMとした。なお、各群とも例数
は3とした。
トーシスの誘導とPGE1の添加 アミロイドベータペプチド25−35(Aβ25-35)
を、1mMの濃度になるように蒸留水に溶解し、37℃
で約1週間インキュベートし、Aged−Aβ25-3 5を
調製した。神経細胞へのアポトーシスの誘導は、10μ
MのAged−Aβ2 5-35を含む上記培養液(L−グル
タミン酸は除く)に交換することによって行った。ま
た、PGE1はエタノールに溶解後、Aged−Aβ
25-35を添加する時に同時に培養液に添加した。その終
濃度は0.1または1μMとした。なお、各群とも例数
は3とした。
【0039】3)カスパーゼ−2および同−3活性測定
方法 アポトーシス誘導の8時間後、細胞を氷冷したPBS
(−)で洗浄し、lysate緩衝液で細胞を溶解し、
氷中で約10分間放置後、遠心分離(12000rpm
/3分間)し、上清を採取した。この上清中のカスパー
ゼ−2および同−3の活性を、それぞれの特異的蛍光基
質である、Val−Asp−Val−Ala−Asp−
AFCおよびAsp−Glu−Val−Asp−AFC
(AFCは7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリ
ンの略。共にMBL社製)を用いて測定した。活性単位
はいずれもpmoleAFC/min/mg蛋白であ
る。結果を表1に示す。
方法 アポトーシス誘導の8時間後、細胞を氷冷したPBS
(−)で洗浄し、lysate緩衝液で細胞を溶解し、
氷中で約10分間放置後、遠心分離(12000rpm
/3分間)し、上清を採取した。この上清中のカスパー
ゼ−2および同−3の活性を、それぞれの特異的蛍光基
質である、Val−Asp−Val−Ala−Asp−
AFCおよびAsp−Glu−Val−Asp−AFC
(AFCは7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリ
ンの略。共にMBL社製)を用いて測定した。活性単位
はいずれもpmoleAFC/min/mg蛋白であ
る。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表中、##はStudentのt−検定によ
り、コントロール群との間に危険率1%未満で有意差が
あることを、**はDunnettの方法により、溶媒群
との間に危険率1%未満で有意差があることを示す。
り、コントロール群との間に危険率1%未満で有意差が
あることを、**はDunnettの方法により、溶媒群
との間に危険率1%未満で有意差があることを示す。
【0042】PGE1はカスパーゼ−2および同−3の
活性を有意に抑制することが判明した。
活性を有意に抑制することが判明した。
【0043】4)PGTの関与について PGT阻害薬であるブロムクレゾール・グリーン(Br
CG:エタノールに溶解)も上記操作と同時に添加し
(終濃度は60μM)、また、アポトーシス誘導の48
時間前よりPGTのアンチセンスオリゴヌクレオチド
(AS:5’−GGCTTGAGCAGGAGCCCC
AT−3’)またはセンスオリゴヌクレオチド(S:
5’−ATGGGGCTCCTGCTCAAGCC−
3’)で処理(終濃度は1.5μM)した細胞を用い
て、同様の実験を行った。例数は4とした。結果を表
2、表3に示す。
CG:エタノールに溶解)も上記操作と同時に添加し
(終濃度は60μM)、また、アポトーシス誘導の48
時間前よりPGTのアンチセンスオリゴヌクレオチド
(AS:5’−GGCTTGAGCAGGAGCCCC
AT−3’)またはセンスオリゴヌクレオチド(S:
5’−ATGGGGCTCCTGCTCAAGCC−
3’)で処理(終濃度は1.5μM)した細胞を用い
て、同様の実験を行った。例数は4とした。結果を表
2、表3に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表中の##、**は上記と同意義である。$は
Tukey−Kramer法により、PGE1投与群と
の間に危険率5%未満で有意差があることを示す。
Tukey−Kramer法により、PGE1投与群と
の間に危険率5%未満で有意差があることを示す。
【0046】PGT阻害剤であるBrCGが共存する
と、PGE1のカスパーゼ阻害作用は有意に抑制される
ことが判明した。このことは、本用途の作用機作にPG
Tが関与することを示唆するものであった。
と、PGE1のカスパーゼ阻害作用は有意に抑制される
ことが判明した。このことは、本用途の作用機作にPG
Tが関与することを示唆するものであった。
【0047】
【表3】
【0048】表中の##、**は上記と同意義である。$$は
Tukey−Kramer法により、PGE1投与群と
の間で危険率1%未満で有意差があることを示す。
Tukey−Kramer法により、PGE1投与群と
の間で危険率1%未満で有意差があることを示す。
【0049】PGT阻害剤であるPGTアンチセンスが
共存すると、PGE1のカスパーゼ阻害作用は有意に抑
制されることが判明した。このことは、本用途の作用機
作にPGTが関与することを示唆するものであった。
共存すると、PGE1のカスパーゼ阻害作用は有意に抑
制されることが判明した。このことは、本用途の作用機
作にPGTが関与することを示唆するものであった。
【0050】実験例2(毒性試験) 実施例4で調製した本発明の予防治療剤をマウス、ラッ
トおよびイヌにPGE1として250μg/kg体重ま
で静脈内投与しても死亡例はなく、重篤な毒性は発現し
なかった。
トおよびイヌにPGE1として250μg/kg体重ま
で静脈内投与しても死亡例はなく、重篤な毒性は発現し
なかった。
【0051】
【発明の効果】本発明のPGE1活性を有する化合物、
あるいはPGTを介して細胞内に取り込まれる性質を有
する化合物は、カスパーゼ阻害作用を有することから、
哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネ
コ、ヒト等)におけるカスパーゼが関与する疾患の予防
治療剤として、特に、全身性炎症性疾患、炎症性大腸疾
患、乾癬・角化症・湿疹等の皮膚炎群、多発性硬化症、
慢性疼痛(異所痛)、肝メラノーマ転移等の予防および
/または治療に有用である。
あるいはPGTを介して細胞内に取り込まれる性質を有
する化合物は、カスパーゼ阻害作用を有することから、
哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネ
コ、ヒト等)におけるカスパーゼが関与する疾患の予防
治療剤として、特に、全身性炎症性疾患、炎症性大腸疾
患、乾癬・角化症・湿疹等の皮膚炎群、多発性硬化症、
慢性疼痛(異所痛)、肝メラノーマ転移等の予防および
/または治療に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/06 A61P 17/06 29/00 29/00 35/04 35/04 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 丸山 智之 大阪府枚方市招提大谷二丁目25番1号 ウ ェルファイド株式会社創薬研究所内 Fターム(参考) 4C084 AA17 MA17 MA22 MA24 MA66 ZC202 4C086 AA01 AA02 DA03
Claims (2)
- 【請求項1】 プロスタグランジンE1活性を有す
る化合物を有効成分とするカスパーゼ阻害剤。 - 【請求項2】 プロスタグランジン・トランスポ
ーターを介して細胞内に取り込まれる性質を有する化合
物を有効成分とするカスパーゼ阻害剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000129057A JP2001302516A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | カスパーゼ阻害剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000129057A JP2001302516A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | カスパーゼ阻害剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001302516A true JP2001302516A (ja) | 2001-10-31 |
Family
ID=18638392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000129057A Pending JP2001302516A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | カスパーゼ阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001302516A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006036557A1 (en) * | 2004-09-24 | 2006-04-06 | Lipo Chemicals, Inc. | Delivery system for topically applied compounds |
WO2009155662A1 (en) * | 2008-06-27 | 2009-12-30 | Medvet Science Pty Ltd | A tumour suppressor protein, caspase-2 |
-
2000
- 2000-04-28 JP JP2000129057A patent/JP2001302516A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006036557A1 (en) * | 2004-09-24 | 2006-04-06 | Lipo Chemicals, Inc. | Delivery system for topically applied compounds |
WO2009155662A1 (en) * | 2008-06-27 | 2009-12-30 | Medvet Science Pty Ltd | A tumour suppressor protein, caspase-2 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1581185B1 (de) | Liposomale glucocorticoide | |
Roelofsen et al. | Impaired hepatocanalicular organic anion transport in endotoxemic rats | |
EP0074251B2 (en) | Novel lipid fraction, its preparation and pharmaceutical compositions containing same | |
JPH0930979A (ja) | 神経疾患の治療剤 | |
Hering et al. | Extracellular vesicles derived from neural stem cells, astrocytes, and microglia as therapeutics for easing TBI-induced brain dysfunction | |
US20230061134A1 (en) | Methods and compositions for stimulation and enhancement of regeneration of tissues | |
JPH05213744A (ja) | 炎症性疾患の処置のための薬剤調製物 | |
EP1991235B1 (fr) | Utilisation de dérivés du 3,5-séco-4-nor-cholestane pour l'obtention d'un médicament cytoprotecteur | |
FR2555050A1 (fr) | Compositions pharmaceutiques et procede de preparation de compositions de phosphatidylserine, utilisables au traitement de desordres du systeme nerveux central sans exercer d'effets sur la coagulation du sang | |
US4677099A (en) | Medical processes employing a novel lipid fraction | |
TW200302735A (en) | Pharmaceutically acceptable phosphate-glycerol carrying bodies | |
US9504700B2 (en) | Methods and compositions for stimulation and enhancement of regeneration of tissues | |
KR100225689B1 (ko) | 프로스타글란딘 유도체(prostaglandin derivatives) | |
CA1259750A (fr) | Derives lipophiles de muramylpeptides ayant des proprietes d'activation des macrophages, compositions les contenant et procede pour les obtenir | |
JP2001302516A (ja) | カスパーゼ阻害剤 | |
JPH03101622A (ja) | 肝炎予防治療剤 | |
FR2551758A1 (fr) | Derives de muramyl-peptides et de steroides ayant des proprietes d'activation des macrophages | |
CA3037712A1 (en) | Methods and compositions for stimulation and enhancement of regeneration of tissues | |
JP2002524016A (ja) | イノシトールポリホスフェート誘導体およびその使用方法 | |
JPH08277222A (ja) | 神経疾患の予防治療剤 | |
JPS63221837A (ja) | 脂質膜構造体 | |
JP2802912B2 (ja) | プロスタグランジンe1エステル、それらを含有するリポソーム製剤、およびそれらを含有する医薬 | |
WO2010110314A1 (ja) | 核酸を含有する肺高血圧症治療剤 | |
WO2004091603A1 (fr) | Utilisation d’un ester de dha pour le traitement des malades cardiovasculaires | |
JPH09124593A (ja) | プロスタグランジンe1エステル、それらを含有するリポソーム製剤、およびそれらを含有する医薬 |