JP2001350021A - 薄型光学積層体及びその製造方法 - Google Patents
薄型光学積層体及びその製造方法Info
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Abstract
や湿度の変化によるカールなどの変形が小さい光学積層
体を提供し、また従来とは異なる方法でこれを製造する
方法を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂を主成分と
する厚さ10μm 以下の偏光フィルムと、光学機能性の
フィルム又はシートとが積層されてなる薄型光学積層体
が提供される。また、基材樹脂フィルムにポリビニルア
ルコール系樹脂を塗布する工程、得られる積層フィルム
を、ポリビニルアルコール系樹脂層の厚さが10μm 以
下となるように一軸延伸する工程、厚さが10μm 以下
となったポリビニルアルコール系樹脂層1の側に光学機
能性のフィルム又はシート3を貼り合わせる工程、及び
光学機能性のフィルム又はシートが貼り合された後に基
材樹脂フィルム2を剥離除去する工程を経て、上記光学
積層体を製造する方法も提供される。
Description
体及びその製造方法に関するものである。
ート型パーソナルコンピュータや携帯電話など、さまざ
まな用途で用いられている。高度情報化社会といわれる
現在、携帯電話をはじめとする情報携帯端末の普及はめ
ざましいものがあり、それに付随して、多機能化及び軽
量薄肉化が急速に進行している。多機能化に伴って、よ
り多くの情報を美しく表示する必要が生じ、液晶表示装
置にはさまざまな光学機能性のフィルムが積層され、使
用されるようになっている。そして、フィルムの積層数
が増える一方で、軽量薄肉化の要求もますます強くなっ
てきているのが現状である。通常、液晶表示装置に用い
られる光学用積層体は、偏光板と光学機能性のフィルム
又はシートが積層されている。そのうちで通常、偏光板
は、かかる積層体の厚みを大きくする要因の一つとなっ
ている。
質の吸着配向が施されたポリビニルアルコールフィルム
をホウ酸含有水溶液中に浸漬し、水洗処理後、乾燥して
得られる偏光フィルムの両面に保護フィルムを貼合して
作製されている。現在工業的に製造されている偏光フィ
ルムの厚みは、15μm から30μm 程度であり、保護
フィルムが貼合された後の偏光板の膜厚は、100μm
から200μm にもなる。保護フィルムを貼合せずに偏
光フィルムを直接光学機能性のフィルムと貼合すること
で積層体の軽量薄肉化を図ることも考えられるが、実際
にこれを行った場合、温度や湿度のわずかな変化などで
偏光フィルムが収縮又は膨張し、その偏光フィルムの収
縮応力又は膨張応力で積層体が大きくカールするなどの
不具合があった。
平面表示装置の構成部材として用いられる積層フィルム
又はシートを軽量薄肉化及び低カール化するために鋭意
研究を行った結果、従来から採用されている方法とは異
なる方法で薄肉の偏光フィルムが製造でき、またそれを
他の光学機能性フィルム又はシートと積層することで、
軽量薄肉の積層体が製造できることを見出し、本発明に
至った。したがって本発明の目的は、軽量薄肉化の要求
に応え、偏光フィルム層を有し、薄肉で、しかも温度や
湿度の変化によるカールなどの変形が小さい光学積層体
を提供し、また従来とは異なる方法でこれを製造する方
法を提供することにある。
ビニルアルコール系樹脂を主成分とする厚さ10μm以
下の偏光フィルムと、光学機能性のフィルム又はシート
とが積層されてなる薄型光学積層体を提供し、さらに
は、基材樹脂フィルムにポリビニルアルコール系樹脂を
塗布する工程、得られる積層フィルムを、ポリビニルア
ルコール系樹脂層の厚さが10μm 以下となるように一
軸延伸する工程、厚さが10μm 以下となったポリビニ
ルアルコール系樹脂層の側に光学機能性のフィルム又は
シートを貼り合わせる工程、及び光学機能性のフィルム
又はシートが貼り合された後に基材樹脂フィルムを剥離
除去する工程を包含する上記光学積層体の製造方法を提
供するものである。
ルアルコール系樹脂を主成分とする厚さ10μm 以下の
偏光フィルムと、光学機能性のフィルム又はシートとが
積層されたものである。ポリビニルアルコール系樹脂と
しては、例えば、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化するこ
とにより得られるものが挙げられる。ポリ酢酸ビニル系
樹脂には、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニ
ルのほか、酢酸ビニル及びこれと共重合可能な他の単量
体の共重合体などが包含される。酢酸ビニルと共重合可
能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸
類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類などが挙げ
られる。 ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、
通常85〜100モル%、好ましくは98〜100モル
%の範囲であり、光学特性の面からさらに好ましくは9
9モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂はさ
らに変性されていてもよく、かかる変性されたポリビニ
ルアルコール系樹脂としては、例えば、アルデヒド類で
変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセター
ルなどが挙げられる。 ポリビニルアルコール系樹脂の
重合度は、通常1,000〜10,000、好ましくは
1,500〜10,000、さらに好ましくは2,000
〜10,000の範囲である。
アルコール系樹脂を10μm 以下の厚さとするために、
基材樹脂フィルムにポリビニルアルコール系樹脂を塗布
し、得られる積層フィルムを一軸延伸する方法が採用さ
れる。ここで用いる基材樹脂フィルムは、ポリビニルア
ルコール系樹脂以外のものであり、具体的には、ポリエ
ステル系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム
などが挙げられる。ポリエステル系樹脂フィルムとして
は、非晶性ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリ
エチレンナフタレートフィルムなどが、またポリオレフ
ィン系樹脂フィルムとしては、ポリプロピレンフィル
ム、ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重
合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フ
ィルムなどがそれぞれ挙げられるが、もちろん、これら
に限定されるわけではない。基材樹脂フィルムは、後工
程で5倍程度に一軸延伸できるものなら特に限定はない
が、ガラス転移温度が140℃以下のものが好ましい。
基材樹脂フィルムの膜厚は、20〜800μm 程度、さ
らには100〜400μm 程度であるのが好ましい。
ニルアルコール系樹脂を塗布する。ここでは通常、適当
な溶媒で溶解されたポリビニルアルコール系樹脂の溶液
が用いられ、塗布後、乾燥される。ポリビニルアルコー
ル系樹脂を溶解させる溶媒としては、水、ジメチルスル
ホキシド、N−メチルピロリドン、各種グリコール類な
どが挙げられるが、水が最も好ましい。水を用いる場
合、有機溶媒を含有させてもよい。この溶液中のポリビ
ニルアルコール系樹脂の濃度は、通常1〜20重量%程
度、好ましくは2〜10重量%程度である。ポリビニル
アルコール系樹脂溶液中には、グリコール類のような可
塑剤、界面活性剤のようなレベリング剤、二色性色素な
どが配合されていてもよい。
ル系樹脂溶液の塗布は、一般的に知られている方法によ
って行うことができる。例えば、ロールコーティング
法、グラビアコーティング法、スプレーコーティング
法、ディッピング法などがあり、もちろんこれらに限定
されるわけではない。乾燥は、通常100℃以下で行わ
れるが、基材樹脂フィルムが変形しない温度であれば特
に限定されない。乾燥後のポリビニルアルコール系樹脂
の膜厚は、2〜50μm 程度、好ましくは3〜20μm
程度である。また、基材樹脂フィルムへのポリビニルア
ルコール系樹脂溶液の塗布に先立って、この基材樹脂フ
ィルムを表面処理してもよい。表面処理の方法として
は、コロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理、プライ
マー処理などがある。プライマー処理には、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂など、通常知られたプラ
イマー樹脂を用いることができる。表面処理は、後述す
る一軸延伸工程や染色工程中に基材樹脂フィルムとポリ
ビニルアルコール系樹脂層とが剥離しない程度に行われ
ればよく、必ずしも強固な接着が得られるまでにする必
要はない。
アルコール系樹脂が塗布された積層フィルムは、一軸延
伸される。一軸延伸は、周速の異なるロール間で縦一軸
に延伸する方法により行ってもよいし、テンター法で横
一軸に延伸する方法により行ってもよく、また、熱ロー
ルを用いて一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて
圧延を行ってもよいが、最適にはテンター法が用いられ
る。延伸倍率は、通常4〜8倍程度である。延伸工程の
前後には、予熱、熱処理、冷却などの工程を適宜設ける
こともできる。延伸温度は、選定した基材樹脂フィルム
の性質により異なるが、例えば、基材樹脂フィルムが非
晶性ポリエステル樹脂フィルムの場合、70〜120℃
程度、好ましくは85〜110℃程度の温度で延伸を行
うことができる。一軸延伸の際には、基材樹脂フィルム
上のポリビニルアルコール系樹脂の含水率を1〜10重
量%程度、好ましくは2〜8重量%程度に調整すること
により、良好な延伸が可能となる。
系樹脂が塗布されたウェブには、二色性色素が吸着配向
され、さらに通常はホウ酸処理が施される。二色性色素
としては、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。二色
性色素の吸着配向は、上記ウェブの一軸延伸と二色性色
素を用いた染色により行われる。染色は、一軸延伸の前
に行ってもよいし、一軸延伸の後に行ってもよいが、基
材樹脂フィルムへのポリビニルアルコール系樹脂の塗
布、得られるウェブの一軸延伸、次いで染色の順に行う
のが最も好ましい。染色には例えば、二色性色素を含有
する水溶液にウェブを浸漬する方法が採用できる。
しては、例えば、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する
水溶液が用いられる。この水溶液におけるヨウ素の含有
量は通常、水100重量部あたり0.01〜1重量部程
度であり、またヨウ化カリウムの含有量は通常、水10
0重量部あたり0.5〜10重量部程度である。この水
溶液の温度は、通常20〜40℃程度であり、浸漬時間
は通常30〜300秒程度である。この操作では通常、
ウェブ上のポリビニルアルコール系樹脂層にのみヨウ素
が吸着される。
場合、染色浴中の二色性有機染料の含有量は通常、水1
00重量部あたり0.001〜0.1重量部程度であり、
有利には0.01重量部以下である。この染色浴は、複
数の二色性有機染料を含有してもよいし、硫酸ナトリウ
ムなどの無機塩を含有してもよい。二色性有機染料を用
いる場合の染色温度は、ポリビニルアルコール系樹脂層
が基材樹脂フィルムから剥離しない温度範囲で適宜選択
され、例えば、20〜80℃程度である。浸漬時間は通
常、30〜300秒程度である。この操作でも通常、ウ
ェブ上のポリビニルアルコール系樹脂層にのみ二色性有
機染料が吸着される。
た一軸延伸ポリビニルアルコール系樹脂層を有するウェ
ブをホウ酸水溶液に浸漬することにより行われる。ホウ
酸水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100重量部あ
たり、通常0.5〜15重量部程度、好ましくは1〜1
2重量部程度である。ホウ酸処理は、ポリビニルアルコ
ール系樹脂層が基材樹脂フィルムから剥離しない温度で
行えばよい。例えば、30℃以上、好ましくは30〜8
5℃程度の温度範囲から適宜選択される。ホウ酸処理の
時間は、通常30〜600秒程度、好ましくは60〜3
00秒程度である。二色性色素がヨウ素である場合、ホ
ウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有してもよい。ヨウ化
カリウムを含有する場合、その量は通常、水100重量
部あたり0.5〜20重量部程度、好ましくは1〜15
重量部である。
洗処理される。この水洗処理は、例えば、ホウ酸処理さ
れた一軸延伸ウェブを水に浸漬することにより行われ
る。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃程度
であり、浸漬時間は通常、2〜120秒程度である。次
いで乾燥処理するが、この乾燥は、通常100℃以下、
好ましくは40〜95℃の温度で行われる。乾燥時間は
通常、120〜600秒程度である。
ルムの上に偏光フィルムが形成された多層フィルムとな
る。例えば、250μm 厚の非晶質ポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に5μm 厚のポリビニルアルコール
系樹脂が塗布された積層フィルムを出発フィルムとして
5倍延伸した場合、乾燥工程後の偏光フィルム付きウェ
ブのトータル厚みは、例えばおよそ51μm となる。こ
のときの偏光フィルム層の厚みはおよそ1μm である。
本発明の光学積層体において、軽量薄肉化及び低カール
化のために必要な偏光フィルムの膜厚は、10μm 以下
であり、さらには0.5〜5μm 程度の膜厚とするのが
好ましい。膜厚が大きくなると、軽量薄肉化という目的
が達成できないのはもとより、収縮応力が大きくなっ
て、得られる積層体のカールが大きくなる。
光フィルムを他の光学機能性フィルムと貼り合わせただ
けでも、一般に市販されている180μm の偏光板と貼
り合わせるよりは約130μm 薄い積層体となるが、本
発明によれば、ウェブ上のポリビニルアルコール系樹脂
層(偏光フィルム)と基材樹脂フィルムとの間を剥離し
やすくしておき、そのポリビニルアルコール系樹脂層
(偏光フィルム)側に光学機能性のフィルム又はシート
を貼り合わせた後、基材樹脂フィルムを剥離除去するこ
とによって、さらに薄型の積層体が得られる。
ィルム又はシートとは、反射板、半透過反射板、位相差
フィルム、拡散フィルム、ガラス板、液晶表示装置用の
プラスチックセル基板など、なんらかの光学的機能を有
するフィルム又はシートを意味し、上記の薄肉偏光フィ
ルム製造のために用いた基材樹脂フィルムや、単なる保
護フィルム、他の層との接着のためだけに設けられる接
着剤層や粘着剤層、最表面に粘着剤層が来る場合にその
粘着剤層を使用時まで保護するセパレートフィルムなど
は、ここでいう光学機能性のフィルム又はシートに該当
しない。
理した基材樹脂フィルムにアルミニウムや銀などの金属
薄膜が蒸着され、当該金属薄膜が反射層となったたもの
などが挙げられる。反射板の金属蒸着面には、金属薄膜
の腐食防止のために、アンダーコート層やオーバーコー
ト層が設けられていてもよい。このような反射板を偏光
フィルムに積層した積層体は、例えば、反射型液晶表示
装置に使用される。
エチレンテレフタレートフィルム上に、無機微粒子及び
/又は有機微粒子を分散させた拡散粘着性樹脂組成物を
塗布したものや、透明ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に、アルミニウムや銀などが薄く蒸着され、ハー
フミラー状になったものなどが挙げられる。このような
半透過反射板を偏光フィルムに積層した積層体は、例え
ば、半透過反射型液晶表示装置に使用される。
ト系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリサルフォ
ン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリアリレ
ート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、環状
ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、液晶性高分
子、樹脂と液晶性物質の混合物などからなるフィルム
を、テンター延伸法、ロール間延伸法等の公知の方法に
より延伸して配向させたもののほか、液晶性物質を含む
塗布層を基材樹脂フィルムの上に形成して必要な配向を
させたものや、無機層状化合物を含む塗布層を基材樹脂
フィルムの上に形成したもの等、塗布型位相差フィルム
などを挙げることができる。位相差フィルムの素材、光
学特性及びフィルム厚みは、必要に応じて適宜選択され
る。このような位相差フィルムを偏光フィルムに積層し
た積層体は、例えば、1/2λ板、1/4λ板、楕円偏
光板、液晶表示装置の視野角改良フィルムなどとして使
用できる。
透明粒子とは異なる屈折率を有する透明樹脂からなるフ
ィルム又は、透明粒子及びその透明粒子とは異なる屈折
率を有する透明樹脂からなる層と透明基材とが積層され
たフィルムが好適に用いられる。拡散フィルムを構成す
る透明樹脂は、粘着性のものとすることもできる。この
ような拡散フィルムは、例えば、前記した反射板や半透
過反射板と組み合わせて偏光フィルムに積層し、反射型
又は半透過反射型液晶表示装置に用いることができる。
装置の液晶セル用ガラス板、メガネ用レンズなどがあ
る。
れる基材樹脂フィルムにポリビニルアルコール系樹脂層
が積層され、一軸延伸によってポリビニルアルコール系
樹脂層の厚さが10μm 以下となったウェブのポリビニ
ルアルコール系樹脂(偏光フィルム)側に、上記のよう
な光学機能性のフィルム又はシートを貼り合せる。本発
明による積層体の製造方法の特徴は、基材樹脂フィルム
上に形成したポリビニルアルコール系樹脂を主成分とす
る厚さ10μm 以下の偏光フィルムに、光学機能性のフ
ィルム又はシートを積層した後、偏光フィルムを支持し
ていた基材樹脂フィルムを剥離除去することにある。光
学機能性のフィルム又はシートが可撓性で、巻き取り可
能なものであれば、例えば、図1に示すような設備を用
いて、かかる積層体を製造することができる。図1は、
本発明による光学機能性のフィルム又はシートを貼り合
わせる工程以降に使用しうる設備の一例を概略的に示す
ものであり、もちろんこれに限定されるわけではない。
ール系樹脂層1が積層され、一軸延伸及び染色が施され
た積層フィルムの、ポリビニルアルコール系樹脂層(偏
光フィルム)1側には、塗工装置11で接着剤が塗布さ
れ、次いで乾燥炉12で乾燥することによって、ポリビ
ニルアルコール系樹脂(偏光フィルム)1の面に接着性
が付与される。接着性が付与された基材樹脂フィルム2
付きの偏光フィルム1上には、第一の供給手段13から
送り出される光学機能性のフィルム又はシート3が、第
一の貼合ロール15で貼合され、次いで基材樹脂フィル
ム2は、第一の巻き取り装置17で巻き取られて、偏光
フィルム1から剥離除去される。一方、粘着剤層5がセ
パレートフィルム6,7に保持されたノンキャリア粘着
剤フィルム4が第二の供給手段14から送り出され、第
二の巻き取り装置18によって片方のセパレートフィル
ム7を剥離した後、基材樹脂フィルム2が除去された側
の偏光フィルム1の面に粘着剤層5を第二の貼合ロール
16で貼合して、偏光フィルム1の一方の面に光学機能
性のフィルム又はシート3が接着剤を介して貼合され、
別の面にセパレートフィルム6の付いた粘着剤層5が設
けられた積層体が得られ、これを第三の巻き取り装置1
9で巻き取る。図1には、連続的に積層する例を掲げた
が、積層は断続的に行ってもよい。また、枚葉貼合と場
合により剥離を組み合わせて行ってもよい。特に光学機
能性のフィルム又はシートがガラスのように可撓性のな
い場合は、枚葉貼合によって、本発明の積層体を製造す
ることができる。
ような積層体が製造される。図2の例では、本発明に従
って製造された偏光フィルム1の一方の面に、金属を蒸
着した反射板21が接着剤層27を介して積層され、他
方の面には、別の基材に貼り付けるための粘着剤層28
が積層されており、この粘着剤層28はセパレートフィ
ルム30で保護されている。最上層の粘着剤層28とセ
パレートフィルム30は、あることが好ましいが、用途
によってはなくてもよい。この構成には、基材樹脂フィ
ルムが存在しないため、一般に市販されている180μ
m の偏光板に反射板を貼り合わせたものよりは、約18
0μm 薄い積層体となる。
ィルム、拡散フィルム、ガラス板、液晶表示装置のプラ
スチックセル基板などと積層体することで、従来より薄
型の偏光フィルム付き積層体を得ることができる。図3
〜5に、これらのいくつかの例を示す。
方の面に、半透過反射板22が拡散粘着剤層23を介し
て積層され、他方の面には、図2と同様、別の基材に貼
り付けるための粘着剤層28が積層されており、この粘
着剤層28は、セパレートフィルム30で保護されてい
る。拡散粘着剤層23は、先に述べた拡散フィルムに相
当する。この例でも、最上層の粘着剤層28とセパレー
トフィルム30は、あることが好ましいが、用途によっ
てはなくてもよい。
方の面に、位相差フィルム24が接着剤層27を介して
積層され、さらにその背面には、別の基材に貼り付ける
ための粘着剤層28が、セパレートフィルム30を伴っ
て積層されており、偏光フィルム1の他方の面には、図
2と同様、さらに別の基材に貼り付けるための粘着剤層
28が、セパレートフィルム30を伴って積層されてい
る。
方の面に、位相差フィルム24が接着剤層27を介して
積層され、その背面には、もう一枚の位相差フィルム2
4が接着剤層27を介して積層され、さらにその背面に
は、別の基材に貼り付けるための粘着剤層28が、セパ
レートフィルム30を伴って積層されている。一方、偏
光フィルム1の他方の面には、図2と同様、さらに別の
基材に貼り付けるための粘着剤層28が、セパレートフ
ィルム30を伴って積層されている。
される接着剤を接着剤層27とし、フィルム又はシート
状で供給される粘着性の接着剤を粘着剤層28として区
別したが、これらを明確に区別することは、必ずしも必
要でない。これらの図において、反射板21、半透過反
射板22、拡散粘着剤層23及び位相差フィルム24
が、本発明でいう光学機能性のフィルム又はシートに相
当する。また、前述したガラスや液晶表示装置用のプラ
スチックセル基板などを光学機能性のフィルム又はシー
トとする場合も、これらの例に準じて積層することがで
きる。さらには、図3や図5に示すように、複数の光学
機能性のフィルムとポリビニルアルコール系樹脂を主成
分とする厚さ10μm 以下の偏光フィルムとが積層され
てもよい。
る厚さ10μm 以下の偏光フィルムと、光学機能性のフ
ィルム又はシートを積層するためには、光学機能性のフ
ィルム又はシートの材質により、適宜最適な接着法が選
択される。例えば、接着剤を用いたり、ヒートシール性
を付与してヒートシールを行えばよい。
コール系接着剤、ポリウレタン系接着剤、芳香族ポリエ
ーテル系接着剤、脂肪族ポリエステル系接着剤、芳香族
ポリエステル系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ニトリ
ルゴム系接着剤、アクリル系接着剤などが挙げられる。
これらは、溶剤型、無溶剤型、1液型、2液型、エマル
ジョン型などの形態で使用される。ポリビニルアルコー
ル系樹脂を主成分とする厚さ10μm 以下の偏光フィル
ムと、光学機能性のフィルム又はシートとを積層するに
あたっては、どちらかの面又は両面に表面処理を施して
もよく、さらには接着剤面に表面処理を施すこともでき
る。表面処理の方法としては、コロナ処理、フレーム処
理、プラズマ処理、プライマー処理などがある。
ような粘着性を有する接着材としては、例えば、アクリ
ル酸系、メタクリル酸系、ブチルゴム系、シリコーン系
などのベースポリマーを用いた粘着剤が使用できる。特
に限定されるものでないが、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イ
ソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルの
ような(メタ)アクリル酸エステル系ベースポリマー
や、これらの(メタ)アクリル酸エステルを二種類以上
用いた共重合系ベースポリマーが好適に用いられる。
ースポリマー中に極性モノマーが共重合されており、か
かる極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのよう
な、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エ
ポキシ基などを有するモノマーを挙げることができる。
架橋剤については、2価又は多価金属イオンとカルボン
酸金属塩を生成するもの、ポリアミン化合物とアミド結
合を形成するもの、ポリエポキシ化合物やポリオールと
エステル結合を形成するもの、ポリイソシアネート化合
物とアミド結合を形成するものなどが用いられ、これら
の化合物が架橋剤として1種又は2種以上、ベースポリ
マーに混合して用いられる。一般的な粘着剤層の厚み
は、2〜50μm 程度である。
説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。
チレンテレフタレートシートの表面をコロナ処理した。
このコロナ処理面に、重合度2400、ケン化度99.
9%以上の5重量%ポリビニルアルコール水溶液をバー
コーターで塗工した後、50℃の熱風乾燥オーブンで5
分間乾燥して、厚み5μm のポリビニルアルコール層を
設けた。このシートに、テンター延伸機を用いて100
℃で横一軸に5倍の延伸を施し、染色用ウェブとした。
この染色用ウェブを25℃の純水に1分間浸漬した後、
水100重量部あたりヨウ素を0.25重量部及びヨウ
化カリウムを5重量部それぞれ含有する水溶液に、温度
28℃で180秒間浸漬した。次いで、水100重量部
あたりホウ酸を7.5重量部及びヨウ化カリウムを6重
量部それぞれ含有するホウ酸水溶液に、温度40℃で3
00秒間浸漬した。その後、15℃の純水で2秒間洗浄
した。水洗したフィルムを50℃で300秒間乾燥し、
基材樹脂フィルム付き偏光フィルムを得た。このとき、
基材樹脂フィルムを除いた偏光フィルムの膜厚は1μm
であった。
偏光フィルム面に、膜厚10μm の接着剤層を介して、
マット処理したポリエステル樹脂フィルム上にアルミニ
ウムを蒸着した膜厚53μm の反射板を、アルミニウム
蒸着膜の側で貼合した。そののち、基材樹脂フィルムを
剥ぎ取り、次いで基材樹脂フィルム剥離後の偏光フィル
ム面に、厚さ38μm のセパレートフィルムの付いた膜
厚25μm の粘着剤層を貼合し、本発明の薄型積層体と
した。構成は図2と同じであり、トータル厚みは127
μm であった。
上のポリビニルアルコールフィルムを、乾式で延伸倍率
5倍に一軸延伸し、緊張状態に保ったまま、水100重
量部あたりヨウ素を0.05重量部及びヨウ化カリウム
を5重量部それぞれ含有する水溶液に、温度28℃で6
0秒間浸漬した。次いで、緊張状態に保ったまま、水1
00重量部あたりホウ酸を7.5重量部及びヨウ化カリ
ウムを6重量部それぞれ含有するホウ酸水溶液に、温度
73℃で300秒間浸漬した。その後、15℃の純水で
10秒間洗浄した。水洗したフィルムを緊張状態を保っ
たまま、70℃で300秒間乾燥し、偏光フィルムを得
た。この偏光フィルムの膜厚は23μm であった。な
お、通常市販されている偏光フィルムは、この程度の膜
厚である。得られた偏光フィルムを実施例1と同様の方
法で反射板と貼合し、偏光フィルムの最表面に実施例1
と同じ粘着剤層を設けた。偏光フィルムの膜厚が異なる
だけで、構成は実施例1と同じである。トータルの膜厚
は149μm であり、実施例1の積層体より厚かった。
た積層体及び比較例1で得られた積層体を、同時に80
℃のオーブン中に1時間放置して、カールの大きさを比
較した。その結果、実施例1の積層体の方が、比較例1
の積層体に比べてカールが小さかった。
ニルアルコール系接着剤を塗布し、各塗布面に、トリア
セチルセルロース製で表面にケン化処理が施された厚み
80μm の保護フィルムを貼合し、50℃で5分間乾燥
して、偏光板とした。得られた偏光板の膜厚は183μ
m であった。この偏光板を実施例1と同様の方法で反射
板と積層し、さらに実施例1と同様の方法で最表面に粘
着剤層を設けた。トータルの膜厚は309μm であり、
実施例1のものと比較して非常に厚かった。
し、薄肉で、しかも温度や湿度の変化によるカールが小
さい光学積層体が提供され、またかかる薄型光学積層体
が工業的有利に製造できる。
を貼り合わせる工程以降に使用しうる設備の一例を示す
模式図である。
面図である。
断面図である。
す概略断面図である。
示す概略断面図である。
ム)、 2……基材樹脂フィルム、 3……光学機能性のフィルム又はシート、 4……ノンキャリア粘着剤フィルム、 5……粘着剤層、 6、7……セパレートフィルム、 11……塗工装置、 12……乾燥炉、 13、14……供給手段、 15、16……貼合ロール、 17、18、19……巻き取り装置、 21……反射板、 22……半透過反射板、 23……拡散粘着剤層、 24……位相差フィルム、 27……接着剤層、 28……粘着剤層、 30……セパレートフィルム。
Claims (10)
- 【請求項1】ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とす
る厚さ10μm 以下の偏光フィルムと、光学機能性のフ
ィルム又はシートとが積層されていることを特徴とする
薄型光学積層体。 - 【請求項2】光学機能性のフィルム又はシートが、反射
板である請求項1記載の積層体。 - 【請求項3】光学機能性のフィルム又はシートが、半透
過反射板である請求項1記載の積層体。 - 【請求項4】光学機能性のフィルム又はシートが、位相
差フィルムである請求項1記載の積層体。 - 【請求項5】光学機能性のフィルム又はシートが、拡散
フィルムである請求項1記載の積層体。 - 【請求項6】光学機能性のフィルム又はシートが、ガラ
スである請求項1記載の積層体。 - 【請求項7】光学機能性のフィルム又はシートが、液晶
表示装置用のプラスチックセル基板である請求項1記載
の積層体。 - 【請求項8】光学機能性のフィルム又はシートが、複数
層積層されている請求項1〜7のいずれかに記載の積層
体。 - 【請求項9】基材樹脂フィルムにポリビニルアルコール
系樹脂を塗布する工程、得られる積層フィルムを、ポリ
ビニルアルコール系樹脂層の厚さが10μm 以下となる
ように一軸延伸する工程、厚さが10μm 以下となった
ポリビニルアルコール系樹脂層の側に光学機能性のフィ
ルム又はシートを貼り合わせる工程、及び該光学機能性
のフィルム又はシートが貼り合された後に基材樹脂フィ
ルムを剥離除去する工程を包含することを特徴とする薄
型光学積層体の製造方法。 - 【請求項10】さらに、ポリビニルアルコール系樹脂に
二色性色素を吸着配向させる工程を包含する請求項9記
載の方法。
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