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JP2001346828A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JP2001346828A
JP2001346828A JP2000175951A JP2000175951A JP2001346828A JP 2001346828 A JP2001346828 A JP 2001346828A JP 2000175951 A JP2000175951 A JP 2000175951A JP 2000175951 A JP2000175951 A JP 2000175951A JP 2001346828 A JP2001346828 A JP 2001346828A
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佳文 仁木
Kazuhiro Inaba
一浩 稲葉
Harumi Nakano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消臭性能及び吸収性能に優れ、しかも消臭剤
の脱落が防止され、製造ラインや製品、着用者の肌や着
用具を消臭剤で汚すことのない、使い捨ておむつ、失禁
パッド、生理用ナプキン等の吸収性物品を提供するこ
と。 【解決手段】 液透過性の表面シート21、液不透過性
の防漏シート22、及び表面シート21と防漏シート2
2との間に介在された吸収性コア11を具備する吸収性
物品において、表面シート21と吸収性コア11との間
に消臭性の積層シート1が配されており、積層シート1
は、消臭剤を含有する消臭層2と該消臭層2の上下面を
それぞれ被覆する二層の被覆層3A,3Bとを有し、且
つ表面シート側の被覆層3Aが、吸収性コア11側の被
覆層3Bよりも前記消臭剤を通過させにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使い捨ておむつ、
失禁パッド、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
使い捨ておむつ等の吸収性物品として、活性炭やゼオラ
イト等の消臭剤を用い、吸収した体液等からの匂いを外
部に出さないようにした消臭性能を有するものが提案さ
れている。しかし、消臭性能が比較的高いものは、製造
ラインや装着中に消臭剤が漏れ出し易く、製造ラインや
製品、着用者の肌を汚し易いという問題がある。他方、
消臭剤が漏れ出し難いものは、消臭性能が不充分であっ
たり、本来の吸収性能を犠牲にしたものが多かった。
【0003】従って、本発明の目的は、消臭性能及び吸
収性能に優れ、しかも消臭剤の脱落が防止され、製造ラ
インや製品、着用者の肌や着用具を消臭剤で汚すことの
ない、使い捨ておむつ、失禁パッド、生理用ナプキン等
の吸収性物品、及びその効率的な製造方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、液透過性の表
面シート、液不透過性の防漏シート、及び前記表面シー
トと前記防漏シートとの間に介在された吸収性コアを具
備する吸収性物品において、前記表面シートと前記吸収
性コアとの間に消臭性の積層シートが配されており、前
記積層シートは、消臭剤を含有する消臭層と前記消臭層
の上下面をそれぞれ被覆する二層の被覆層とを有し、且
つ前記表面シート側の前記被覆層が、前記吸収性コア側
の前記被覆層よりも前記消臭剤を通過させにくい吸収性
物品を提供することにより、上記の目的を達成したもの
である。
【0005】また、本発明は、上記の吸収性物品の製造
方法であって、前記消臭層を前記二層の被覆層間に介在
させた後、これらを乾燥ドラムの周面に巻き付けつつ一
体化させて、前記積層シートを得る工程を具備する、吸
収性物品の製造方法を提供することにより、上記の目的
を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸収性物品をその
好ましい一実施形態に基づいて説明する。本実施形態の
吸収性物品としての使い捨ておむつは、実質的に縦長の
形状を有しており、図1〜3に示すように、液透過性の
表面シート21、液不透過性の防漏シート22、及び表
面シート21と防漏シート22との間に介在された吸収
性コア11を具備しており、吸収性コア11は、該吸収
性コア11と表面シート21との間に配された積層シー
ト1と共に、液保持性の吸収体10を構成している。
【0007】本実施形態の使い捨ておむつ20は、下
着、おむつカバー等の着用具と共に着用されるもので、
吸収体10が、液透過性の表面シート21と液不透過性
の防漏シート22との間に幅方向中央において介在さ
れ、吸収体10の幅方向外方に延出された可撓性のサイ
ドフラップ23が設けられると共に、サイドフラップ2
3の股下領域に長手方向に沿って伸縮弾性部材24が設
けられている。そして、吸収性物品20の後方の長手方
向両側縁がそれぞれ表面シート21側に折り返されて吸
収体10が内在する第1折り返し部25が形成されると
共に、第1折り返し部25におけるサイドフラップ23
が防漏シート22側に折り返されて第2折り返し部26
が形成され、更に、第1折り返し部25は表面シート2
1に接合固定され、第2折り返し部26は第1折り返し
部25に接合固定されている。尚、吸収体10は、その
長手方向の中央部分が使い捨ておむつ20の股下領域に
当たるように配置されており、該中央部分が実質的に体
液等を吸収するように機能する。また、図示しないが、
防漏シート22の幅方向中央には、使い捨ておむつ20
を着用具に固定するための縦長長方形形状の粘着領域が
設けられており、使用前における該粘着領域は剥離シー
トで保護されている。
【0008】本実施形態における吸収体10は、図2及
び3に示すように、積層シート1により吸収性コア11
を、該積層シート1の長手方向の一側部1aと他側部1
aとを重ね合わせるようにして包んでなる。積層シート
1の一側部1aと他側部1aとは、吸収性コア11の幅
方向中央において重ね合わされて、公知の方法により接
着又は融着されている。
【0009】積層シート1は、消臭剤を含有する消臭層
と該消臭層の上下面をそれぞれ被覆する二層の被覆層と
からなる。具体的には、前記消臭層は消臭剤含有シート
2からなり、二層の被覆層は、それぞれ被覆シート3か
らなる。
【0010】本実施形態における積層シート1につい
て、更に説明すると、積層シート1は、液透過性であ
り、図3及び4に示すように、2枚の同サイズの長方形
形状の被覆シート3,3の間に、該被覆シート3よりも
幅方向の長さが短い長方形形状の消臭剤含有シート2を
介在させてなる。側部1a、1aは、それぞれ側部1a
全体に亘って消臭剤含有シート2を介在させずに、2枚
の被覆シート3、3を積層してなる2層構造部分であ
り、側部1a、1aにおける被覆シート3、3同士がそ
れぞれ接着されることにより、積層シート1の両側部が
封止されて、側端部からの消臭剤の脱落が防止されてい
る。
【0011】積層シート1における消臭剤含有シート2
は、消臭機能を有する消臭剤混抄紙であり、2枚の被覆
シート3、3に幅方向中央で挟持されている。消臭剤含
有シート2と両被覆シート3とは、抄き合わせ又は接着
剤等を用いた貼り合わせにより、積層一体化されてい
る。消臭剤含有シート2内の消臭剤は、シート2の厚み
方向の全体に亘って分散されている。消臭剤含有シート
2の厚みは、適宜に決定することができるが、好ましく
は0.1〜2.0mmであり、更に好ましくは0.2〜
0.5mmである。
【0012】両被覆シート3は、消臭剤を含有しない被
覆シートであり、2枚の被覆シート3,3で、消臭剤含
有シート2の上下面を被覆することにより、おむつの製
造時及び使用時における消臭剤の脱落を効果的に防止す
ることができる。被覆シート3の厚みは、用途に応じて
適宜調整すれば良いが、好ましくは0.1〜2.0mm
であり、更に好ましくは0.2〜0.5mmである。
【0013】消臭剤含有シート2は、消臭剤と繊維原料
を主体としてなる。消臭剤含有シート2の繊維原料とし
ては、NBKP、LBKP等の木材パルプの他、藁、綿
等の非木材パルプ等の公知の天然繊維が使用できる。ま
た、シート強度を向上させる目的で、ポリエチレン繊維
等の合成繊維を適宜混合しても良い。消臭剤含有シート
2における繊維原料の含有率は、好ましくは50〜99
wt%であり、更に好ましくは70〜97wt%であ
る。50wt%以上とすることにより、シート強度やフ
レキシブル性が十分なものとなり、99wt%以下とす
ることにより消臭効果が十分に発揮される。
【0014】被覆シート3,3としては、繊維原料から
なるシート材、例えば紙、不織布等が用いられる。紙と
した場合の繊維原料としては、消臭剤含有シート2と同
様のものが使用できる。また、不織布とした場合の原料
としては、例えば、スパンレース不織布、スパンボンド
不織布等の公知の不織布が使用できる。
【0015】積層シート1に含有させる消臭剤しては、
各種公知の消臭剤を用いることができ、例えば活性炭、
多孔性ポリマー、シリカゲル、ゼオライト、モンモリロ
ライト類等を用いることができる。
【0016】これらの中でも活性炭が好ましく、活性炭
を用いる場合、吸収体10中における活性炭の含有率
は、好ましくは0.5〜25wt%であり、更に好まし
くは1.5〜10wt%である。また、活性炭含有シー
ト2における活性炭の含有率は、好ましくは1〜50w
t%であり、更に好ましくは3〜30wt%である。粒
状の活性炭を用いる場合、その平均粒子径が0.1〜5
0μm、特に平均粒子径1〜20μmであることが好ま
しく、その比表面積が500〜2000m2/g、特に
1000〜1500m2 /gであることが好ましい。
【0017】表面シート21側の被覆層を構成する被覆
シート3Aは、吸収性コア11側の被覆層を構成する被
覆シート3Bよりも、消臭剤含有シートに含有された消
臭剤を通過させにくい構成を有している。表面シート2
1側の被覆層を、吸収性コア11側の被覆層よりも消臭
剤が通過させにくい構成とすることにより、使い捨てお
むつ20から消臭剤が漏れ出すのを効果的に防止しなが
ら、吸収性コア11側の被覆層の構成材料の使用量、延
いてはおむつの製造コストの低減を図ることができ、更
に、積層シート1の液透過性を向上させて吸収性能を向
上させることができる。
【0018】例えば、おむつ20からの消臭剤の漏れ出
しの主な原因となる積層シート1からの消臭剤の漏れ出
しを効果的に防止する一方、その他の部分の構造を簡易
化したり、その他の部分に用いる材料使用量を低減した
りすることにより、消臭剤の漏れ出しによる不都合を回
避しつつ、製造コストの低減や省資源化を図ることがで
きる。また、積層シート1からの消臭剤の漏れ出しを効
果的に防止することができるので、例えばフィット性の
向上させる等の目的で、表面シート21側から該表面シ
ート21及び吸収性コア11を圧縮して溝を形成する場
合においても、表面シート21側の被覆シート3Aの構
成を、特に消臭剤が漏れ出しにくいものとすることによ
り、該溝を形成した部分からの消臭剤の漏れ出しを効果
的に防止することができる。
【0019】ここで、被覆シート3Aが被覆シート3B
よりも消臭剤を通過させにくい構成であるか否かは、例
えば、以下のようにして判断できる。即ち、積層シート
1の両面に、シリコーンゴムからなる評価用シート(今
井ゴム社製「ITシート」)を貼り合わせ、これをマイ
クロセット式マングル型圧縮機(辻井染機工業(株)社
製「モデルM−380型」)における一対のローラー間
に挿通して強圧縮する。ローラー間を繰り返して10回
挿通した後、積層シートを取りかえ、再度ローラ間を1
0回挿通させる。この操作を10回繰り返した後、評価
用シートを分離し、両評価用シートに付着した消臭剤量
を比較する。比較の結果、被覆シート3A側の評価用シ
ートに対する消臭剤の付着量が、被覆シート3B側の評
価用シートに対する消臭剤の付着量よりも少ない場合、
被覆シート3Aが被覆シート3Bよりも消臭剤を通過さ
せにくい構成であると言える。評価用シートに対する消
臭剤の付着量の多寡は、種々の方法により判断できる
が、例えば活性炭等の色の濃い消臭剤の場合、色差計
(例えば、日本電色工業(株)社製、「NF−77
7」)を用いたL値の測定により容易に判断できる。
【0020】被覆シート3A,3Bに対する消臭剤の通
過性の良否は、例えば被覆シートの通気性、シートの坪
量、シートの構成繊維の繊度、叩解度、接着性繊維の含
有率等の何れか一以上を調整することにより、容易に調
整可能である。
【0021】表面シート21側の被覆シート3Aを吸収
性コア11側の被覆シート3Bよりも消臭剤を通過させ
にくい構成とするためには、両シートが以下の〜の
何れか一以上の要件を満たすことが好ましく、以下の
及び、又は及びの要件を満たすことが更に好まし
く、特に以下の〜の要件を満たすことが好ましい。 表面シート21側の被覆シート3Aの通気性が、吸収
性コア11側の被覆シート3Bの通気性よりも低い。こ
こで、通気性が低いとは、例えば下記測定方法にて測定
した透気度を示す数値が大きいことを意味する。透気度
の測定方法;JIS P−8117に規定される紙の透
気度試験方法に準拠して測定する。ただし、透気度の数
値が2を越える様にシートを複数枚重ねて測定するか又
は通過させる空気の量を設定して測定する。
【0022】被覆シート3Aの通気性を、被覆シート3
Bの通気性よりも低くすることで、使い捨ておむつ20
からの消臭剤の漏れ出しを効果的に防止しながら、積層
シート1全体としての通気性を向上させることができ、
効果的に吸収性能を向上させることができる。例えば、
被覆シート3Aの透気度と被覆シート3Bの透気度が同
じおむつを比較対象とした場合、該被覆シート3Aの透
気度をそれより上げる一方、被覆シート3Bの透気度を
それより下げたおむつは、比較対象のおむつよりも、尿
等の人体排出液の吸収速度が速く、すばやく吸収するこ
とができるので、モレ防止性能が高い。
【0023】表面シート21側の被覆シート3Aの坪
量が、吸収性コア11側の被覆シート3Bの坪量よりも
大きい。被覆シート3Aの坪量を、被覆シート3Bの坪
量よりも大きくすることで、使い捨ておむつ20からの
消臭剤の漏れ出しを効果的に防止しながら、吸水性能に
十分な通気性を持たせつつ、シートのコスト低減を図る
ことができる。
【0024】表面シート21側の被覆シート3Aが、
少なくとも2枚のシートを積層したシート積層体からな
る。被覆シート3Aとして、少なくとも2枚のシートを
積層したシート積層体を用いることで、使い捨ておむつ
20からの消臭剤の漏れ出しを効果的に防止しながら、
シートに液保持性や液拡散性といった機能を追加付与で
きる。被覆シート3Aを、シート積層体から構成する場
合の各シートの種類や形成材料は互いに同じでも異なる
ものであっても良い。
【0025】表面シート21側の被覆シート3Aの構
成繊維の繊度が、吸収性コア11側の被覆シート3Bの
構成繊維の繊度よりも小さい。被覆シート3Aの構成繊
維の繊度を、被覆シート3Bの構成繊維の繊度よりも小
さくすることで、被覆シート3Aの通気性を下げ、使い
捨ておむつ20からの消臭剤の漏れ出しを効果的に防止
することができる。
【0026】吸収性コア11は、吸収した体液を保持す
る部分であり、その形成材料としては、従来、吸収性物
品に使用されている各種公知の材料を用いることができ
るが、本実施形態の吸収性コア11は、繊維集合体及び
吸水性ポリマーからなる。繊維集合体を構成する繊維と
しては、例えば木材パルプや綿等の天然セルロース、レ
ーヨンやキュプラ等の再生セルロース等のセルロース系
繊維が好ましいが、熱可塑性繊維のフィラメントやステ
ープルファイバー等を用いることもできる。繊維集合体
は、不織布であっても良い。
【0027】吸水性ポリマーとしては、従来公知の各種
のものを用いることができるが、自重の20倍以上の液
体を吸収・保持でき且つゲル化し得るものが好ましい。
吸水性ポリマーの好ましい例としては、デンプンや架橋
カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアク
リル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリア
クリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重
合体を挙げることができる。
【0028】また、本実施形態のおむつにおける表面シ
ート21、防漏シート22、伸縮弾性部材24等として
は、それぞれ、従来、使い捨ておむつ、失禁パッド、生
理用ナプキン等の吸収性物品に用いられている各種の公
知のものを特に制限なく用いることができる。
【0029】本実施形態における積層シートの製造方法
は特に制限されないが、以下、本実施形態の積層シート
の好ましい製造方法について説明する。 〈本実施形態の積層シートの製造方法〉消臭剤含有シー
ト2は、多孔性消臭剤及び繊維原料を含有したスラリー
から、常法通り、通常の湿式抄紙法によりシート状に成
形して得る。このスラリーには、通常の抄紙において使
用される各種添加剤の他、多孔性消臭剤をシートに固着
させるための各種バインダーを添加する。尚、消臭剤含
有シート2は、添加剤を含む繊維原料からシートを成形
し、このシートをバインダーを混合した消臭剤の分散液
に浸漬させて、該シートに消臭剤を担持させる方法も採
用できる。被覆シート3は、繊維原料を主体としたスラ
リーから、消臭剤含有シート2と同様の手段でシート状
に成形して得る。
【0030】前記のようにして得られた消臭剤含有シー
ト2と被覆シート3とを、乾燥ドラムを備えた貼り合わ
せ機の該乾燥ドラムの周面に巻き付けるように所定の箇
所から連続的に導入し、これらのシートを、該乾燥ドラ
ム上において接着剤等により貼り合わせて一体化した
後、クレープを形成することにより、2枚の被覆シート
3、3の間に消臭剤含有シート2を介在させた積層シー
トを得る。その後、スリット工程において所望のシート
巾に調整されて、本実施形態の積層シート1とされる。
得られた積層シート1は、おむつ20の所定位置に、乾
燥ドラムの周面に密着させた方の被覆シート3を、表面
シート2側又は吸収性コア11側に向けて配する。
【0031】積層シート1を、このように製造すること
で、消臭剤の含有率が高く且つ吸収性物品に好適な通気
性を有するシートを、シートの製造ラインの汚れを抑制
しながら低コストで製造することができる。なぜなら、
単層のシートで消臭剤を含有させる場合、その表面に消
臭剤が存在するため、汚れや脱落を少なくする為に、消
臭剤の含有率を低くせざると得ない。また、シートに良
好な通気性を付与する為には、シートにクレープを形成
させることが好ましいが、クレープを形成する工程は、
シートにダメージを与える為、特に消臭剤の脱落を発生
させやすい。クレープを形成させる工程の前に、被覆シ
ートで消臭剤含有シートをサンドイッチしておくこと
が、消臭剤の脱落を防止して、製造ラインの汚れを防止
するとともに、消臭剤の歩留りを良くし、製造コストを
下げるために特に有効である。また、少なくとも湿式抄
紙法による消臭剤含有シート製造工程と被覆シートの貼
り合わせ工程を同一製造ライン上で行うことは、時間短
縮によるコストメリットが大きい。
【0032】本発明の吸収性物品は、前記実施形態に制
限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更
が可能である。前記実施形態においては、吸収性コア1
1の幅方向の断面(図2に示される断面)の全周が積層
シートにより覆われているが、積層シート1は、吸収性
コア11の両側部及び/又は下面側に配されていなくて
も良い。また、吸収性コア11は、繊維集合体及びポリ
マーの何れか一方のみからなるものであっても良く、吸
収性コア11、吸収体10、その他の部材の形状、大き
さ等は、用途等に応じて適宜変更できる。また、本発明
の吸収性物品は、着用具と共に装着される、使い捨てお
むつ、失禁パッド、生理用ナプキン、おりもの処理用シ
ート等の他、パンツ型の使い捨ておむつ、いわゆる展開
型の使い捨ておむつ等であっても良い。また、表面シー
ト21と積層シート1との間、及び/又は積層シート1
と吸収性コア11との間に、他のシート材等を介在させ
ても良い。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、消臭性能及び吸収性能
に優れ、しかも消臭剤の脱落が防止され、製造ラインや
製品、着用者の肌や着用具を消臭剤で汚すことのない、
使い捨ておむつ、失禁パッド、生理用ナプキン等の吸収
性物品、及びその効率的な製造方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態としての使い捨て
おむつを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1のX−X線断面図である。
【図3】図3は、図1に示す使い捨ておむつの吸収体を
一部破断して示す斜視図である。
【図4】図4は、図1に示す使い捨ておむつの吸収体に
用いられている積層シートの幅方向断面図である。
【符号の説明】
1 積層シート 2 消臭剤含有シート 3 被覆シート 3A 表面シート側の被覆シート 3B 吸収性コア側の被覆シート 10 吸収体 11 吸収性コア 20 使い捨ておむつ(吸収性物品) 21 表面シート 22 防漏シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 一浩 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 仲野 はるみ 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 3B029 BA05 BA17 BD18 BD22 4C003 DA01 GA01 HA01 4C098 AA09 CC03 DD10 DD25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液透過性の表面シート、液不透過性の防
    漏シート、及び前記表面シートと前記防漏シートとの間
    に介在された吸収性コアを具備する吸収性物品におい
    て、 前記表面シートと前記吸収性コアとの間に消臭性の積層
    シートが配されており、前記積層シートは、消臭剤を含
    有する消臭層と前記消臭層の上下面をそれぞれ被覆する
    二層の被覆層とを有し、且つ前記表面シート側の前記被
    覆層が、前記吸収性コア側の前記被覆層よりも前記消臭
    剤を通過させにくい吸収性物品。
  2. 【請求項2】 前記表面シート側の前記被覆層は、前記
    吸収性コア側の前記被覆層よりも通気性が低い請求項1
    記載の吸収性物品。
  3. 【請求項3】 前記表面シート側の前記被覆層の坪量
    が、前記吸収性コア側の前記被覆層の坪量よりも大きい
    請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 【請求項4】 前記表面シート側の前記被覆層が、少な
    くとも2枚のシートを積層したシート積層体からなる請
    求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物
    品の製造方法であって、前記消臭層を前記二層の被覆層
    間に介在させた後、これらを乾燥ドラムの周面に巻き付
    けつつ一体化させて、前記積層シートを得る工程を具備
    する、吸収性物品の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015070995A (ja) * 2013-10-04 2015-04-16 株式会社リブドゥコーポレーション 吸収性物品

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