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JP5057876B2 - 補助吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつ又は他の補助吸収性物品等と重ねて使用される、尿吸収用パッド等の補助吸収性物品に関する。
近年、尿の処理に伴う経済的、労力的な負担の軽減を目的として、尿吸収用パッドの如き補助吸収性物品を、使い捨ておむつや他の補助吸収性物品等と重ねて使用することが行われている。補助吸収性物品を使用する目的の1つは、使い捨ておむつ等の吸収性物品の交換頻度を低減することである。斯かる目的の達成のため、例えば、尿吸収用パッドは、老人や病人等が着用する使い捨ておむつの表面シートの上に配置され、失禁した尿を吸収保持させるのに使用される。排泄される尿の量が比較的少量の場合には、該尿吸収用パッドのみを交換するだけで済み、使い捨ておむつの交換頻度を減らすことができる。
補助吸収性物品を使用する他の目的の1つは、例えば夜間就寝中に使い捨ておむつを着用する場合のように、長時間に亘って吸収性物品を着用し続け、該吸収性物品だけでは吸収しきれないような多量の尿が排泄される場合等に、吸収性物品の尿の吸収を補助することである。
しかしながら、従来の尿吸収用パッドは、その非肌当接面側に液不透過性の裏面シートを備えており、該裏面シートを使い捨ておむつ等の吸収性物品の表面シートに対向させて配置されるため、該尿吸収用パッドでは吸収しきれないような多量の尿が排泄された場合には、該尿吸収用パッドで吸収しきれなかった尿が吸収性物品の横から漏れ出す、いわゆる横漏れを起こし易いという問題があった。
このような横漏れの対策としては、尿吸収用パッドを頻繁に交換する方法、又は尿吸収用パッドの吸収体の吸収容量を大きくする方法がある。しかし、前者の方法では、介護者の労力が増える問題がある。また、後者の方法では、尿吸収用パッドの寸法が大きくなるため、装着しづらくなる等、取り扱いの点で問題が生じる。
補助吸収性物品の改良技術に関し、例えば特許文献1には、液透過性の表面シートと液透過性の裏面シートとの間に、吸水紙、綿状パルプ及び高吸水性ポリマーより構成された吸収体を備えた補助吸収材が記載されている。
また、特許文献2には、液透過性の表面シートと液透過性の外面シートとの間に、粉砕パルプあるいは粉砕パルプと高吸水性ポリマーなどの混合物により形成された吸収体を備え、外面側の略全域を覆う液不透過性の裏面シートが、該外面シートに剥離可能に接合されている尿取りパッドが記載されている。特許文献2に記載の尿取りパッドは、該尿取りパッドを頻繁に交換可能な場合には、前記裏面シートを接合したままの状態で使用され、該尿取りパッドを頻繁に交換できない場合には、前記裏面シートを剥離した状態で使用される。
また、特許文献3には、吸収体と、吸収体の上側に積層された液透過性の表面シートと、吸収体の下側に積層された裏面シートとを備え、該裏面シートが排泄液の一部を透過し得る素材からなる使い捨て補助パッドが記載されている。特許文献3に記載の補助パッドにおいては、前記吸収体として、天然パルプ繊維、合成繊維や高吸水性ポリマー粉末等を混合または積層し、その外周を薄葉紙によって包み込んで繊維が脱離しないように構成されたものが好ましく用いられる。
特許文献1〜3に記載されている補助吸収性物品を使い捨ておむつや通常の尿取りパッド等に重ねて使用することで、このような補助吸収性物品を使用しない場合に比して吸収できる尿の量が増すため、一定の横漏れ防止効果は得られるが、特許文献1〜3に記載されている補助吸収性物品は、その吸収体にパルプ繊維が含まれているため、厚みが厚く嵩高であり、使い捨ておむつや通常の尿とりパッド等に重ねて使用した場合、該補助吸収性物品が重ねられた部分と重ねられていない部分との境界部に段差が発生し、着用者に違和感を与えるという問題があった。また、吸水したパルプ繊維は、吸収性物品の着用者に対し、濡れているという不快感を与えやすい。
前記段差に起因する違和感は、補助吸収性物品の厚み、特に吸収体の厚みを薄くすることで低減できるが、吸収体に含有されているパルプ繊維及び吸水性ポリマーの量を減らして吸収体の厚みを薄くした場合、液吸収量の低下を招き、更には液戻り量も多くなり、漏れや肌へのダメージの原因になるおそれがある。
特開昭63−309601号公報 特許第3519267号公報 特開2001−70341号公報
従って、本発明の目的は、厚みが薄く、吸収性物品等に重ねて使用しても段差が小さくて違和感が少なく、且つ液戻りが防止され、液吸収後に濡れた感じを与え難い補助吸収性物品を提供することにある。
本発明は、液透過性の表面シート、液透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備する補助吸収性物品であって、前記吸収体は、第1シート、第2シート、及びこれら両シート間に接着剤により固着された吸水性樹脂粉末を含んで構成されるポリマーシートであり、前記第1シートと前記第2シートとの間には、前記吸水性樹脂粉末の存在域及び非存在域が形成されており、前記ポリマーシートの幅方向両端部及びこれら両端部に挟まれた領域の一部が、該非存在域となっており、前記非存在域において前記第1シートと前記第2シートとが接合されており、前記ポリマーシートが湿潤状態となってもこれら両シートが剥がれないようになされている補助吸収性物品を提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明の補助吸収性物品は、厚みが薄く、吸収性物品等に重ねて使用しても段差が小さくて違和感が少なく、且つ液戻りが防止され、液吸収後に濡れた感じを与え難い。
以下、本発明の補助吸収性物品を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態としての尿吸収用パッドが示されている。図2は、図1におけるX−X線断面の模式図、図3は、図1に示す尿吸収用パッドにおけるポリマーシートの平面図である。
本実施形態の尿吸収用パッド1は、液透過性の表面シート2と、同じく液透過性の裏面シート3と、これら両シート2,3間に介在された吸収体としてのポリマーシート4を具備している。ポリマーシート4は、平面視で縦長の矩形形状を有し、その長手方向を尿吸収用パッド1の長手方向Lと一致させて、表面シート2と裏面シート3との間に配されている。
ポリマーシート4は、第1シート41、第2シート42、及びこれら両シート41,42間に接着剤により固着された吸水性樹脂粉末43を含んで構成されている。ポリマーシート4は、パルプ繊維等の繊維を含んでいない、いわゆるパルプレス構造の吸収体である。吸水性樹脂粉末43は、尿等の体液を吸液・膨潤する球状のポリマー微粒子であり、第1シート41と第2シート42との間に多数存在している。
第1シート41と第2シート42との間には、吸水性樹脂粉末43の存在域44、及び吸水性樹脂粉末43の存在しない非存在域45が形成されており、ポリマーシート4の幅方向両端部4a,4a及びこれら両端部に挟まれた領域の一部が、該非存在域45となっている。非存在域45において、第1シート41と第2シート42とが接合されており、ポリマーシート4が湿潤状態となってもこれら両シート41,42が剥がれないようになされている。
ポリマーシート4の斯かる構成により、吸水性樹脂粉末43の膨潤阻害、吸水性樹脂粉末43のポリマーシート4からの脱落、吸液前の吸水性樹脂粉末43の移動等の不都合を回避しつつ、液の拡散性を高めることができ、これにより、液戻りが効果的に防止され、液吸収後に尿吸収用パッド1の着用者に濡れた感じを与え難くなる。一般に、尿等の体液は、吸水性樹脂粉末43の存在する存在域44よりも、吸水性樹脂粉末43の存在しない非存在域45の方が移動速度が速く、液の拡散性の向上は、非存在域45によるところが大きい。
仮に、非存在域45において、ポリマーシート4が湿潤状態となったときに第1シート41と第2シート42とが剥がれてしまった場合、吸水性樹脂粉末43の存在域44が拡大し、これに伴い吸水性樹脂粉末43の収容空間が増えるため、ポリマーシート4自体の液吸収量が増すことになる。しかし、この場合、ポリマーシート4の幅方向両端部4a,4aに挟まれた領域、特に、排泄された体液を直接受けるポリマーシート4の排泄領域の略全体が、吸水性樹脂粉末43の存在域44となってしまい、該排泄領域には、液の拡散を促進する非存在域45が形成されない。このため、排泄領域において液が広がりにくくなると共に、尿吸収用パッド1と併用され該パッド1の非肌当接面側に配されている、使い捨ておむつや他の補助吸収性物品への液の透過が阻害されやすくなる。このような状態では、尿吸収用パッド1の両サイドから液が漏れ出し、この漏れ出した液が、使い捨ておむつや他の補助吸収性物品の外方に更に漏れ出すおそれがあり、尿吸収用パッド1を使用する意義が失われてしまう。
尚、本明細書において、「肌当接面」は、補助吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、「非肌当接面」は、着用時に下着側(着用者の肌側とは反対側)に向けられる面である。また、「長手方向」は、補助吸収性物品又は各種部材の長手方向に沿う方向であり、「幅方向」は、長手方向と直交する方向である。
本実施形態においては、図2及び図3に示すように、存在域44が複数形成されており、これら複数の存在域44は、それぞれポリマーシート4の長手方向に延び且つ該ポリマーシート4の幅方向に所定間隔を置いて並列に配されている。隣接する存在域44,44の間は、ポリマーシート4の幅方向両端部4a,4aと同様に、非存在域45となっている。即ち、本実施形態においては、ポリマーシート4の長手方向の全長に亘って延びる、直線状の存在域44と非存在域45とが、ポリマーシート4の幅方向に交互に配されており、且つポリマーシート4の幅方向両端部4a,4aに非存在域45が位置している。存在域44は6箇所、非存在域45は7箇所存在している。吸水性樹脂粉末43の吸液・膨潤によって存在域44が膨張しても、非存在域45は膨張しないため、この膨張差によって、ポリマーシート4の湿潤状態においては、非存在域45は、ポリマーシート4の長手方向に伸びる溝となり、排泄された体液の導液路として作用する。
このように、ポリマーシート4の長手方向に延びる、吸水性樹脂粉末43の存在域44と非存在域45とが、ポリマーシート4の幅方向に交互に配されていることにより、ポリマーシート4の液拡散性が一層向上し、排泄された体液は、導液路として作用する非存在域45を主に伝わってポリマーシート4の長手方向に素早く移動するようになるため、体液をポリマーシート4の面方向に拡散させつつ、吸収することができる。更に、ポリマーシート4が吸収しきれなかった体液は、液透過性の裏面シート3を通して、尿吸収用パッド1の外側に位置する使い捨ておむつや尿とりパッド等(尿吸収用パッド1と併用される使い捨ておむつ又は他の補助吸収性物品)に吸収されるため、吸水性樹脂粉末43がポリマーシート4の内部に多量に含まれていても、吸水性樹脂粉末43の吸収阻害やゲルブロッキングを発生させずに液戻りを防止することが可能となり、また、表面のドライ感が向上し、液吸収後に濡れた感じを与え難くなる。
また、非存在域45において、第1シート41と第2シート42とは、ポリマーシート4が尿等の体液を吸収して湿潤状態となり、吸水性樹脂粉末43が吸液・膨潤しても剥がれないように接合されており、且つ上記のように、吸収しきれなかった体液が、液透過性の裏面シート3を通して、外側の使い捨ておむつや尿とりパッド等に吸収されるため、数回の体液排泄を経ても、非存在域45は導液路として作用する溝として機能し得る。従って、ポリマーシート4の上述した良好な液拡散性が長期に亘って維持される。
また、ポリマーシート4の幅方向両端部4a,4aが、吸水性樹脂粉末43が存在せず第1シート41と第2シート42とが接合されている非存在域45となっていることにより、吸水性樹脂粉末43のポリマーシート4からの脱落が効果的に防止される。また、隣接する存在域44,44の間が該非存在域45となっていることは、液拡散性の向上のみならず、吸液前の吸水性樹脂粉末43の移動の防止にも有効である。
各存在域44の幅は、上述した効果をより確実に奏させるようにする観点から、好ましくは10〜50mm、より好ましくは15〜40mm、更に好ましくは15〜30mmである。ポリマーシート4における存在域44の数は、ポリマーシート4のサイズにもよるが、好ましくは3〜14箇所、更に好ましくは4〜10箇所である。
また同様の観点から、各非存在域45の幅は、好ましくは4〜15mm、更に好ましくは5〜10mmである。非存在域45の幅が4mm未満では、上述した液拡散性の向上効果等が充分に得られないおそれがある。一方、非存在域45の幅が15mmを超えると、ポリマーシート4で吸収されずに、液透過性の裏面シート3を通して、外側の使い捨ておむつや尿とりパッドに吸収される体液の量が多くなり、補助吸収性物品としての効果が薄れる。
また、非存在域45の幅に関し、ポリマーシート4の幅方向両端部4a,4aに位置する非存在域45の幅は、他の非存在域45(両端部4a,4aよりポリマーシート4の内方に位置する非存在域45)の幅に比して大きいことが、吸水性樹脂粉末43の脱落防止効果をより高める点で好ましい。両者の比は、(両端部4a,4aに位置する非存在域45の幅)/(他の非存在域45)=1.2〜3.0が好ましく、1.4〜2.5が更に好ましい。
非存在域45と存在域44との面積比は、ポリマーシート4の平面視で、非存在域:存在域=1:9〜5:5であることが好ましく、非存在域:存在域=1:6〜2:3であることが更に好ましい。非存在域45と存在域44との面積比が斯かる範囲にあることにより、上述した効果がより確実に奏されるようになる。
また、存在域44における吸水性樹脂粉末43の坪量は、吸収性能と液透過性及び着用感とのバランスの観点から、好ましくは150〜360g/m2、更に好ましくは180〜330g/m2ある。
本発明においては、非存在域45と存在域44との面積比が前記範囲にあり、且つ存在域44における吸水性樹脂粉末43の坪量が前記範囲にあることが、特に好ましい。
第1シート41及び第2シート42それぞれと存在域44との間には、接着剤が塗布されていることが好ましい。このように、存在域44の上下に接着剤が塗布されていることにより、吸水性樹脂粉末43が両シート41,42間にしっかりと固着され、吸液前の吸水性樹脂粉末43の移動が一層効果的に防止される。接着剤としては、ホットメルト接着剤が好ましく用いられる。ホットメルト接着剤としては、スチレン系、オレフィン系等が挙げられる。スチレン系ホットメルト接着剤としては、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、SBSの水素添加物であるスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、及びこれらの2種以上をブレンドしたブレンド系ホットメルト接着剤を使用することができる。
これらの中でも、特にSISとSBSとのブレンド系ホットメルト接着剤、又はSISとSEBSとのブレンド系ホットメルト接着剤は、タック力と凝集力のバランスがとりやすいため、本発明で好ましく用いられる。
非存在域45において、第1シート41と第2シート42とは接着剤やヒートシール等の接合手段により接合されている。接合手段として接着剤を用いる場合、接着剤は、第1シート41及び第2シート42の両方に塗布されていても良く、あるいはこれら両シート41,42のどちらか一方にのみ塗布されていても良い。接着剤としては、上述した吸水性樹脂粉末43の固着に使用可能な接着剤を用いることができる。
非存在域45における第1シート41と第2シート42との間の湿潤時接合強度は、好ましくは100cN/25mm以上、更に好ましくは200〜600cN/25mmである。両シート41,42間の湿潤時接合強度が100cN/25mm未満では、ポリマーシート4が液を吸収して湿潤状態となったときに、吸水性樹脂粉末43の膨潤する力等によって第1シート41と第2シート42とが剥がれてしまい、上述した液拡散効果や吸水性樹脂粉末43の脱落防止効果等が奏されないおそれがある。第1シート41と第2シート42との間の湿潤時接合強度は次のようにして測定される。
(第1シート41と第2シート42との間の湿潤時接合強度の測定方法)
測定対象であるポリマーシート4の非存在域45を横切るように、該ポリマーシート4を幅25mm、長さ30mm(非存在域45が必ず含まれる長さ)にカットし、引張り試験機のチャックに取り付け易いように最も端に位置する存在域44における第1シート41と第2シート42との間を開いてサンプルとする。このサンプルを、非存在域45を横切る方向(CD方向)が引張方向となるように、引張試験機のチャック間に取り付ける。次いで、刷毛を用いてサンプル全体に生理食塩水を塗布し、十分湿潤させる。生理食塩水を塗布してから1分後に300mm/minの引張速度でサンプルを引っ張り、非存在域45にて接合されていた第1シート41と第2シート42とを剥がし、このときの応力を測定する。測定は6回行い、これらの平均値を、第1シート41と第2シート42との間の湿潤時接合強度とする。
非存在域45における第1シート41と第2シート42との間の湿潤時接合強度の大きさは、その接合手段に大きく左右される。接合手段として上述の如き接着剤を用いる場合、該接着剤の種類や塗布量等を調整することで、両シート41,42間の湿潤時接合強度を調整することができる。第1シート41と第2シート42との間の湿潤時接合強度を高める方法としては、接着強度の強い接着剤を用いる方法、接着剤の塗布量を増やす方法、接着剤を介して接合されている第1シート41と第2シート42との該接着剤の塗布部に、エンボスロール等を用いて加圧処理又は加熱加圧処理を施す方法、等が挙げられる。これらの接合強度向上方法は、1つを単独で用いても良く、あるいは複数を併用しても良い。
第1シート41、第2シート42としては、それぞれ、親水性不織布又は紙が好ましく用いられる。親水性不織布としては、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、スパンボンドーメルトブローンースパンボンド(SMS)不織布等が挙げられる。紙としては、クレープ紙、吸水紙等が挙げられる。
第1シート41と第2シート42とは、組成が同じであっても良く、異なっていても良い。
第1シート41、第2シート42として前記クレープ紙を用いる場合、両シート41,42の一方のみがクレープ紙であっても良く、両方がクレープ紙であっても良い。クレープ紙は、表面に縮緬状の細かい皴が形成されている紙である。クレープ紙は、液と接触して濡れると素早く伸びる性質を有しているため、クレープ紙を第1シート41及び/又は第2シート42として用いることで、ポリマーシート4内に吸水性樹脂粉末43が充分に膨潤し得る空間が形成されるようになり、吸水性樹脂粉末43の膨潤阻害を一層効果的に防止することができる。
クレープ紙としては、クレープ率20〜100%のクレープ紙が特に好ましい。クレープ率が20%未満では、上述したクレープ紙を用いることによる効果が得られにくく、100%を超えると、存在域44の内部空間容積が大きくなりすぎて、膨潤した吸水性樹脂粉末43が移動し、吸水性樹脂粉末43の偏在化が起こるおそれがある。
クレープ率は次のようにして測定される。測定対象であるクレープ紙をMDに100mm、CDに100mmにカットしてこれを試験片とし、水の入ったバットに該試験片を1分間浸漬した後、該試験片におけるクレープが掛けられた方向(一般的にはMD)の長さを金尺で測定する。MD(Machine Direction)とは、クレープ紙の製造時における該クレープ紙の流れ方向であり、MDと直行する方向がCD(Cross machine Direction)である。この測定値から、水に浸漬する前の試験片のクレープが掛けられた方向の長さ(元の長さ)を引くことによりクレープ紙の伸び量を求め、元の長さに対する該伸び量の割合(%)を算出する。該割合の算出は6回行い、これらの平均値をクレープ率とする。
クレープ紙には、湿潤強度の向上、及び第1シート41と第2シート42との接合強度の向上の観点から、熱融着繊維が配合されていることが好ましい。熱融着繊維としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の単一繊維;PETを芯、PEを鞘とする芯鞘型複合繊維等が好ましく用いられる。熱融着繊維の繊維長は好ましくは3〜7mmである。クレープ紙における熱融着繊維の含有量は、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%、更に好ましくは10〜30重量%である。
第1シート41、第2シート42の坪量は、各シート材料の湿潤強度やポリマーシート4の柔軟性の観点から、それぞれ、好ましくは15〜80g/m2、より好ましくは20〜70g/m2、更に好ましくは30〜70g/m2である。
また、第1シート41、第2シート42の湿潤時のCD強度は、それぞれ、好ましくは800cN/25mm以下、更に好ましくは100〜600cN/25mmである。CD(Cross machine Direction)とは、シートの製造時における該シート(該シートの前駆体)の流れ方向〔MD(Machine Direction)〕と直交する方向である。第1シート41、第2シート42の湿潤時のCD強度が800cN/25mm以下であると、湿潤状態となったときにこれらシートが伸びやすく、吸水性樹脂粉末43の膨潤阻害がより効果的に防止される。シート41,42の湿潤時のCD強度は、例えば、シート41,42がエアスルー不織布の場合には、エアスルー不織布製造時の熱処理条件である熱風温度を低く設定することでコントロールすることができ、また、シート41,42がスパンボンド不織布の場合には、スパンボンド不織布製造時の熱エンボスの程度(例えばエンボスのパターンと温度条件)を適宜調整することでコントロールすることができ、また、シート41,42が紙の場合には、湿潤紙力増強剤や熱融着繊維を配合することでコントロールすることができる。
シートの湿潤時のCD強度は次のようにして測定される。シートをMDに幅25mm、CDに長さ150mmにカットしてサンプルとし、このサンプルの長手方向が引張方向になる様に引張試験機のチャック(チャック間距離100mm)に取り付けつける。次いで、刷毛を用いてサンプル全体に生理食塩水を塗布し、十分湿潤させる。生理食塩水を塗布してから1分後に300mm/minの引張速度でサンプルを引っ張り、最大応力を測定する。測定は6回行い、これらの平均値を、第1シート41と第2シート42との間の湿潤時接合強度とする。
吸水性樹脂粉末43としては、この種の吸収性物品において通常用いられているものと同様のものを特に制限無く用いることができる、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸セシウム等の合成樹脂系;でんぷん、セルロース及びその誘導体等の天然あるいは生物由来の物質を用いることができる。
吸水性樹脂粉末43は、ボルテックス法(VORTEX法)による吸水速度が、好ましくは45秒以下、より好ましくは3〜35秒、更に好ましくは3〜30秒である。ボルテックス法は吸水性樹脂粉末が強制的に液体にさらされるときの液の固定能力を示す方法として知られている。ポリマーシート4はパルプレス構造の薄型吸収体であるため、吸収速度が速いことが望ましいところ、吸水性樹脂粉末43のボルテックス法による吸水速度が斯かる範囲にあることにより、ポリマーシート4の吸収速度の向上を図ることができ、一度に大量の尿が排泄されてもこれを素早く吸収することができる。吸水性樹脂粉末43のボルテックス法による吸水速度が45秒を超えると、ポリマーシート4に液が素早く吸収されないため尿漏れが生じたり、また尿が広がり肌を沢山濡らすことになるので、不潔になりかぶれのおそれがある。尚、本発明においてはボルテックス法による吸水速度の評価を、時間を測定することで評価しているため、測定時間が短いほど吸水速度が速いとみなされる。ボルテックス法による吸水速度は次のようにして測定される。
(ボルテックス法による吸水速度の測定方法)
100mLのガラスビーカーに、生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水)50mLとマグネチックスターラーチップ(中央部直径8mm、両端部直径7mm、長さ30mmで、表面がフッ素樹脂コーティングされているもの)を入れ、ビーカーをマグネチックスターラー(アズワン製HPS−100)に載せる。マグネチックスターラーの回転数を600±60rpmに調整し、生理食塩水を攪拌させる。測定試料である吸水性樹脂粉末2.0gを、攪拌中の食塩水の渦の中心部で液中に投入し、JIS K 7224(1996)に準拠して該吸水性樹脂粉末の吸水速度(秒)を測定する。具体的には、吸水性樹脂粉末のビーカーへの投入が完了した時点でストップウォッチをスタートさせ、スターラーチップが試験液に覆われた時点(渦が消え、液表面が平らになった時点)でストップウォッチを止め、その時間(秒)をボルテックス法による吸水速度として記録する。測定はn=5測定し、上下各1点の値を削除し、残る3点の平均値を測定値とした。尚、これらの測定は23±2℃、湿度50±5%で行い、測定の前に吸水性樹脂粉末を同環境で24時間以上保存した上で測定する。
また吸水性樹脂粉末43は、飽和吸水量が好ましくは35〜70g/gである。吸水性樹脂粉末43の飽和吸水量が斯かる範囲にあると、単位面積辺りの吸収容量が増加するため、ポリマーシート4の一層の薄型化が可能となり、また、液吸収後において吸水性樹脂粉末43のゲル強度が高いため、ポリマーシート4における液の拡散を阻害しにくいという効果が奏される。吸水性樹脂粉末の飽和吸水量は次のようにして測定される。尚、この測定は23±2℃、湿度50±5%で行い、測定の前に吸水性樹脂粉末を同環境で24時間以上保存した上で測定する。
(飽和吸水量の測定方法)
飽和吸水量の測定は、JIS K 7223(1996)に準拠して行う。ナイロン製の織布(メッシュ開き250、三力製作所販売、品名:ナイロン網、規格:250×メッシュ巾×30m)を幅10cm、長さ40cmの長方形に切断して長手方向中央で二つ折りにし、両端をヒートシールして幅10cm(内寸9cm)、長さ20cmのナイロン袋を作製する。測定試料である吸水性樹脂粉末1.00gを精秤し、作製したナイロン袋の底部に均一になるように入れる。試料の入ったナイロン袋を生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水)に1時間浸漬させる。1時間後、ナイロン袋を生理食塩水から取り出し、1時間垂直状態に吊るして水切りした後、該ナイロン袋の重量を測定する。目的とする飽和吸水量は次式から算出される。
生理食塩水の飽和吸水量(g/g)=(a−b−c)/c ;式中、aは吸水後の試料及びナイロン袋の総重量(g)、bはナイロン袋の吸水前(乾燥時)の重量(g)、cは試料の吸水前(乾燥時)の重量(g)を表す。測定は5回行い(n=5)、上下各1点の値を削除し、残る3点の平均値を測定値とした。
吸水性樹脂粉末43の形状は特に制限されず、顆粒状(粒子表面に多数の凹凸を有する)、球状(粒子状)、繊維状、不定形状等、及びこれらの凝集体でも良いが、顆粒状凝集体や不定形状の凝集体が特に好ましい。
吸水性樹脂粉末43の粒子径は、好ましくは106〜840μm、更に好ましくは150〜710μmである。粒子径が106μm未満の吸水性樹脂粉末の量が全吸水性樹脂粉末の10重量%を超えると、特に、存在域44における吸水性樹脂粉末の坪量を上述の如く150g/m2以上とした場合に、第1シート41と第2シート42との間に吸水性樹脂粉末を固着させることが難しくなり、吸水性樹脂粉末が移動し、ポリマーシート4のヨレの原因となるおそれがある。一方、吸水性樹脂粉末43の粒子径が840μmを超えると、ザラ付き感が発生し、また、吸水性樹脂粉末43によって裏面シート3に小さな穴が開く、いわゆるピンホールの原因になるおそれがある。
また、吸水性樹脂粉末43の平均粒子径(メディアン径)は、好ましくは250〜500μmである。
吸水性樹脂粉末43の粒子径、106μm以下の粒子の比率及び平均粒子径(メディアン径)は、JIS K 0069(1992)の乾式ふるい分けによる手動ふるい分け法によって粒度分布を得ることで求められる。
上述の如き構成を有するポリマーシート4は、例えば次のようにして製造することができる。第2シート42の前駆体である帯状の第2シート材料を連続的に繰り出し、該第2シート材料の一面の全面に接着剤を塗布する。次いで、第2シート材料の接着剤塗布面上に、吸水性樹脂粉末43を、該第2シート材料の流れ方向に沿ってストライプ状に連続散布する。別途、第1シート41の前駆体である帯状の第1シート材料を連続的に繰り出し、該第1シート材料の一面の全面に接着剤を塗布する。そして、第2シート材料と第1シート材料とを、該第2シート材料の吸水性樹脂粉末散布面と該第1シート材料の接着剤塗布面とが対向するように重ね合わせて積層シートを得、更にこの積層シートを、一対のニップロール間及び一対のエンボスロール間を順次通過させて加圧処理または、加熱加圧処理を行った後、所定のサイズに切断することにより、目的とするポリマーシート4が得られる。
ポリマーシート4の製造において、前記接着剤の塗布は、コーター、スロットスプレー、スパイラルスプレー等の公知の接着剤塗布手段を用いて行なうことができる。第1シート41、第2シート42それぞれの接着剤塗布面は、接着剤に起因する液吸収性や通気性の低下を防止する観点から、接着剤が塗布されていない部分を有している、即ち、接着剤がベタ塗りされていないことが好ましい。つまり、第1シート41、第2シート42それぞれに接着剤を塗布することにより形成される接着層は、平面視で、線状(直線状、スパイラル状等)又は点状の接着剤の集合体から構成されることが好ましい。第1シート41、第2シート42それぞれにおける接着剤の塗布量は、好ましくは3〜40g/m2、更に好ましくは6〜30g/m2である。
また、ポリマーシート4の製造において、前記ニップロールやエンボスロール等による積層シートの加圧処理は、必須の工程ではないが、非存在域45における第1シート41と第2シート42との間の接合強度を高めるのに有効であり、行なうことが好ましい。加圧処理時に、積層シートを加熱しても良い。
ポリマーシート4は、吸水性樹脂粉末43の脱落や外部への漏れ出しを防止する観点から、被覆シート(図示せず)で被覆されていることが好ましい。特に、ポリマーシート4の全体が被覆シートで被覆されていることが好ましく、ポリマーシート4の長手方向の前後端より外方に5〜30mm長く被覆されていることがより好ましい。被覆シートとしては、ティッシュペーパー等の紙やSMS不織布やスパンボンド不織布等の各種不織布、等を用いることができる。被覆シートの坪量は、好ましくは8〜30g/m2、更に好ましくは12〜30g/m2である。
ポリマーシート4においては、薄型化と液吸収性とのバランスの観点から、存在域44の0.25kPaの圧力下における厚みは、好ましくは1〜4mm、更に好ましくは1〜3mmである。尚、ここでいう厚みは、前記被覆シートを含めない厚みである。
ポリマーシート4の平面視での形状、大きさに特に制限はなく、用途等に応じて適宜設定することができる。実質的に縦長のポリマーシート4(例えば矩形形状のポリマーシート4)において、通常、長手方向の長さは10〜60cm、幅方向の長さは5〜20cmである。
以下、本実施形態の尿吸収用パッド1について更に説明する。
尿吸収用パッド1は、全体として縦長の矩形形状を有している。表面シート2及び裏面シート3はそれぞれ、ポリマーシート4の左右両側縁及び前後両端部から外方に延出しており、その延出部において表面シート2と裏面シート3とが接合されている。このように、表面シート2及び裏面シート3それぞれが、ポリマーシート4よりも寸法が大きいことにより、吸水性樹脂粉末43のパッド外部への漏れ出しが効果的に防止される。表面シート2と裏面シート3とは、何れも平面視で縦長の矩形形状を有し、大きさは同じである。
表面シート2及び裏面シート3は、上述したように何れも液透過性であり、表面シート2と裏面シート3とは、組成が同じであっても良く、異なっていても良い。
表面シート2、裏面シート3としては、それぞれ、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品において表面シートとして従来用いられている各種のものを用いることができ、尿などの液体を透過させることができるものであれば制限はなく、例えば、合成繊維又は天然繊維からなる織布や不織布、多孔性シート等が挙げられる。表面シート2、裏面シート3としては、特に好ましいものは、親水性不織布である。該親水性不織布としては、上述した表面シート2、裏面シート3として使用可能な親水性不織布を用いることができる。
表面シート2、裏面シート3の坪量は、それぞれ、好ましくは10〜40g/m2、更に好ましくは16〜30g/m2である。
ポリマーシート4における存在域44と表面シート2及び裏面シート3それぞれとの間は、ホットメルト接着剤等の接合手段により接合されていることが好ましい。斯かる構成により、表面シート2及び裏面シート3それぞれとポリマーシート4との間の通液性が向上し、吸水性樹脂粉末43に尿等の体液が吸収されやすくなる。吸水性樹脂粉末43が体液を吸収すると、上述したように、存在域44が膨張すると共に、膨張しない非存在域45は溝となるため、特に2回目以降の体液排泄時においては、体液はこの溝を通ってポリマーシート4全体に広がり吸収される。ポリマーシート4に吸収しきれなかった体液は、尿吸収用パッド1と併用されている使い捨ておむつや他の補助吸収性物品へ透過される。
尚、非存在域45と表面シート2及び裏面シート3それぞれとの間は、接合されていても良く、接合されていなくても良い。
本実施形態の尿吸収用パッド1は、その中央領域の0.25kPaの圧力下における厚みが、好ましくは5mm以下、更に好ましくは2〜4mmである。中央領域は、図1に示す如く平面状に拡げられた尿吸収用パッド1を長手方向Lに3等分して前方部、排泄部位対向部、後方部としたときの、該排泄部位対向部における幅方向中央部であり、その幅は、尿吸収用パッド1の幅方向の長さ(最大幅)に対し、20〜80%である。尿吸収用パッド1の中央領域における厚みが5mm以下であることにより、着用時のごわごわした感じが低減され、違和感がなくなる。
本実施形態の尿吸収用パッド1は、150gの生理食塩水を注入したときの液戻り量が、好ましくは3g以下、更に好ましくは1g以下である。該液戻り量が斯かる範囲にあることにより、尿等の体液の排泄後に濡れているという不快感がなくなり、着用感が向上する。該液戻り量は、例えば、1)表面シート2及び/又は裏面シート3において、その親水性を肌当接面側よりもポリマーシート4側を高くする方法(本実施形態では、表面シート2及び裏面シート3共に肌に接して使用することが可能)、2)表面シート2とポリマーシート4との間、及び/又は、裏面シート3とポリマーシート4との間に、親水性で嵩高なケミカルボンド不織布やエアスルー不織布等を介在させる方法、等によって低下させることができる。前記1)及び2)は適宜組み合わせて用いることができる。該液戻り量は次のようにして測定される。
(液戻り量の測定方法)
尿吸収用パッド1を図1に示す如く平面状に拡げ、表面シート2を上に向けて水平面上に固定する。尚、裏面シート3を上に向けても良く、この場合、以下の「表面シート2」は、「裏面シート3」に読み替えられる。ポリマーシート4の長手方向及び幅方向の中心線の交点を注入ポイントとし、表面シート2より高さ10mmの位置に固定した内径3mmのチューブを用いて、尿吸収用パッド1に生理食塩水を注入した。生理食塩水の注入量は150gとし、これを5g/secの流速で注入した後、10分間放置した。次いで、注入ポイントに位置する尿吸収用パッド1の表面シート2上に、吸収紙(No.2 TOYO Roshi Kaisha LTD.φ110mm)を20枚重ねて置き、φ100の円筒状の錘をのせて、4.4kPa(45gf/cm2)の荷重を加える。この状態で2分間放置した後、吸収紙を取り出し、吸収紙に吸収された生理食塩水の重量を計測し、その量を液戻り量とする。
本実施形態の尿吸収用パッド1は、図4に示すように、使い捨ておむつ又は他の補助吸収性物品と重ねて使用される。尿吸収用パッド1の使用時には、表面シート2を肌当接面としても良く、裏面シート3を肌当接面としても良い。尿吸収用パッド1と併用される使い捨ておむつ90は、液透過性の表面シート92、液不透過性の裏面シート93、及び両シート92,93間に介在された吸収体94を具備する吸収性本体91を有しており、実質的に縦長である。吸収性本体91における長手方向の両側部に沿って、弾性部材を有する一対のレッグフラップ部95,95が設けられている。また、吸収体94における長手方向の両側部に沿って、弾性部材を有する一対の立体ギャザー96,96が設けられている。
本実施形態の尿吸収用パッド1は、吸収体として、いわゆるパルプレス構造のポリマーシート4を具備しているため、厚みが薄く、吸収性物品等に重ねて使用しても段差が小さくて違和感が少なく、携帯性にも優れている。また、ポリマーシート4は、主として吸水性樹脂粉末43の存在しない非存在域45の作用により液の拡散性に優れているため、排泄された尿等の体液をシートの面方向に拡散させつつ、吸水性樹脂粉末43に吸収させることができ、液の吸収効率が良い。吸水性樹脂粉末43に一旦吸収された体液は、加圧しても液戻りしにくいため、濡れた感じが小さくなり、着用者に良好な着用感を与えることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
例えば、本発明の補助吸収性物品は、本発明以外の他の補助吸収性物品と重ねて使用されても良い。例えば、使い捨ておむつの表面シート上に、液不透過性の裏面シートを有する他の補助吸収性物品を配置し、該他の補助吸収性物品の表面シート上に、本発明の補助吸収性物品を重ねて配置して使用しても良い。
また、本発明の補助吸収性物品の非肌当接面には、該補助吸収性物品を使い捨ておむつ又は他の補助吸収性物品等に固定するための粘着部が設けられていても良い。該粘着部は、ホットメルト接着剤等を塗布することにより設けることができる。該粘着部は、剥離紙によって被覆され、使用時まで保護されることが好ましい。
本発明の本実施形態である尿吸収用パッドの展開状態における表面シート側を示す平面図である。 図1のX−X線断面を模式的に示した断面図である。 図1に示す尿吸収用パッドにおけるポリマーシートの平面図である。 図1に示す尿吸収用パッドの使用形態を示す断面図である。
符号の説明
1 尿吸収用パッド(補助吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 ポリマーシート(吸収体)
41 第1シート
42 第2シート
43 吸水性樹脂粉末
44 吸水性樹脂粉末の存在域
45 吸水性樹脂粉末の非存在域
4a ポリマーシートの幅方向端部

Claims (9)

  1. 表面シート、裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備する補助吸収性物品で、使い捨ておむつ又は他の補助吸収性物品と重ねて使用される補助吸収性物品であって、
    前記表面シート及び前記裏面シートは何れも液透過性であり、前記補助吸収性物品の使用時において、該表面シート及び該裏面シートの何れも、着用者の肌側に向けられる肌当接面として使用可能であり、
    前記補助吸収性物品の中央領域の0.25kPaの圧力下における厚みが5mm以下であり、
    前記吸収体は、第1シート、第2シート、及びこれら両シート間に接着剤により固着された吸水性樹脂粉末を含んで構成されるポリマーシートであり、
    前記第1シートと前記第2シートとの間には、前記吸水性樹脂粉末の存在域及び非存在域が形成されており、前記ポリマーシートの幅方向両端部及びこれら両端部に挟まれた領域の一部が、該非存在域となっており、
    前記非存在域において前記第1シートと前記第2シートとが接合されており、前記ポリマーシートが湿潤状態となってもこれら両シートが剥がれないようになされており、
    前記表面シートと前記ポリマーシートとの間及び前記裏面シートと前記ポリマーシートとの間の何れか一方又は両方に、親水性のケミカルボンド不織布又はエアスルー不織布が介在されている補助吸収性物品。
  2. 表面シート、裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備する補助吸収性物品で、使い捨ておむつ又は他の補助吸収性物品と重ねて使用される補助吸収性物品であって、
    前記表面シート及び前記裏面シートは何れも液透過性であり、前記補助吸収性物品の使用時において、該表面シート及び該裏面シートの何れも、着用者の肌側に向けられる肌当接面として使用可能であり、
    前記補助吸収性物品の中央領域の0.25kPaの圧力下における厚みが5mm以下であり、
    前記吸収体は、第1シート、第2シート、及びこれら両シート間に接着剤により固着された吸水性樹脂粉末を含んで構成されるポリマーシートであり、
    前記第1シートと前記第2シートとの間には、前記吸水性樹脂粉末の存在域及び非存在域が形成されており、前記ポリマーシートの幅方向両端部及びこれら両端部に挟まれた領域の一部が、該非存在域となっており、
    前記非存在域において前記第1シートと前記第2シートとが接合されており、前記ポリマーシートが湿潤状態となってもこれら両シートが剥がれないようになされており、
    前記表面シート及び前記裏面シートの何れか一方又は両方は、肌当接面側よりも前記ポリマーシート側の方が親水性が高い補助吸収性物品。
  3. 前記非存在域と前記存在域との面積比が、前記ポリマーシートの平面視で、非存在域:存在域=1:9〜5:5であり、該存在域における前記吸水性樹脂粉末の坪量が150〜360g/m2である請求項1又は2記載の補助吸収性物品。
  4. 前記第1シート及び前記第2シートの一方又は双方が、親水性不織布又は紙である請求項1〜3の何れか一項に記載の補助吸収性物品。
  5. 前記第1シート及び前記第2シートの一方又は双方が、クレープ率20〜100%のクレープ紙である請求項1〜3の何れか一項に記載の補助吸収性物品。
  6. 前記第1シート及び前記第2シートの一方又は双方の湿潤時のCD強度が800cN/25mm以下である請求項1〜の何れか一項に記載の補助吸収性物品。
  7. 前記ポリマーシートが被覆シートで被覆されている請求項1〜の何れか一項に記載の補助吸収性物品
  8. 前記ポリマーシートにおける前記存在域と前記表面シート及び前記裏面シートそれぞれとの間が接合されている請求項1〜の何れか一項に記載の補助吸収性物品
  9. 前記補助吸収性物品に150gの生理食塩水を注入したときの液戻り量が3g以下である請求項1〜の何れか一項に記載の補助吸収性物品。
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