JP2001271160A - 高密度ito焼結体スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents
高密度ito焼結体スパッタリングターゲット及びその製造方法Info
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Abstract
を抑制すると共に、ターゲット表面に発生するノジュー
ルを低減し、ターゲット寿命全体に亘って安定的に一定
条件でスパッタリング操業を行うことができるITO膜
形成用スパッタリングターゲットを提供する。 【解決手段】 相対密度が99.8%以上であり、焼結
体ターゲット研磨面中に、2μm以上のポアが5個/m
m2以下で1),Im2O3とSnO2の混合粉末を大
気中1150℃以上で熱処理して、粉砕した後、酸素雰
囲気中1530℃以上で焼結したことを特徴とする高密
度ITO焼結体スパッタリングターゲット。
Description
時におけるマイクロアーキングやノジュールの発生量が
少なく、特性経時変化の少ないITOスパッタリングタ
ーゲット及びその製造方法に関する。
膜は液晶ディスプレーを中心とする表示デバイスの透明
電極(膜)として広く使用されている。このITO膜を
形成する方法として、真空蒸着法やスパッタリング法な
ど、一般に物理蒸着法と言われている手段によって行わ
れるのが普通である。特に、成膜のコントロールが容易
であることやITO膜の抵抗値及び透過率の経時変化が
少ないという皮膜の安定性からみて、マグネトロンスパ
ッタリング法を用いて形成することが多い。
に設置したターゲットにArイオンなどの正イオンを物
理的に衝突させ、その衝突エネルギーでターゲットを構
成する材料を放出させて、対面している陽極側の基板に
ターゲット材料とほぼ同組成の膜を積層することによっ
て行われる。スパッタリング法による被覆法は処理時間
や供給電力等を調節することによって、安定した成膜速
度でオングストローム単位の薄い膜から数十μmの厚い
膜まで形成できるという特徴を有している。
工業的にDC電源を用いたマグネトロンスパッタリング
が広く用いられているが、近年このDC電源でアーク放
電を検知できる装置が開発され、アーク放電を監視しな
がらスパッタリングが行われている。この場合、検知す
るアークは、放出されるエネルギーが大きく継続時間が
長い、通常のスパッタリング放電によるアーク、すなわ
ちハードアークと呼ばれているものである。しかし、実
際のスパッタリングにおいては、前記ハードアークより
も小規模なアーク(一般に「マイクロアーク」と呼ばれ
ている。)が多数発生しているが、このマイクロアーク
は最近のデバイスの高精細化プロセスにおいて、膜の品
質に大きな影響を与えていることが分かり、前記ハード
アーク以外にこのマイクロアークを測定できる検出器を
特別に配置して成膜の条件や得られた膜の評価を行うよ
うになってきた。
使用してITO膜を形成する場合に問題となっているの
は、上記のマイクロアークの発生以外に、スパッタリン
グ操作中に発生するノジュール(黒色のインジウムの低
級酸化物)や投入スパッタパワー密度の変化等がある。
これらは、スパッタリング積算電力量の増加とともに急
速に増加又は変化する傾向があり、厳密に解明されてい
る訳ではないが、これらの問題の因子が相互に大きく影
響しているものと考えられる。したがって、マイクロア
ークやノジュールの発生防止及び投入スパッタパワー密
度の変化抑制が、スパッタリングITO膜の性質を良好
にするために特に必要なことである。
おいては、酸化錫粉末と酸化インジウム粉末とを所定の
割合に混合した粉末を焼結する方法が主流となってい
る。従来、このようにして製造されるターゲットのノジ
ュールの発生防止又は均一な薄膜形成を目的として、タ
ーゲット密度を上げる方法等がいくつか提案されてい
る。その例を次に列挙する。例えば、従来の酸化錫粉末
と酸化インジウム粉末の混合粉末に替えて、単一混晶の
粉末を使用し、1100°C以下の温度で焼結し、95
%以上の相対密度の焼結体ターゲットを得ようとするI
TOスパッタリングターゲットの製造方法が提案されて
いる。この場合、実施例に記載されている最大の相対密
度で99.2%程度である(特許第2984581
号)。
混合粉末を1400〜1500°Cの温度で均質化処理
をした後、500〜1000°Cの温度で加圧焼結する
か又は同混合粉末を1000〜1200°Cの温度で固
溶化処理を行い、その後1440〜1550°Cの温度
で焼結し、さらに1000〜1300°Cの温度で熱処
理を行いITO焼結体中のSnOの凝集を防止する方法
が提案されている(特公平7−79005号公報)。こ
の場合、実施例に示されている最大の相対密度は94%
である。
混合粉末を1350〜1600°Cの温度で熱処理をし
た後これを粉砕し、さらにプレス成形した後1350〜
1550°Cの温度で焼結し、低抵抗の膜を得ることを
目的とするスパッタリングターゲット又は蒸着用ペレッ
トとして使用するITO焼結体が提案されている(特公
平8−32589号公報)。しかし、焼結温度範囲は実
際(実施例)には、1450°Cのものしかなく、しか
もその時の密度の規定もない。したがって、特に密度に
関心が持たれている訳ではなく、密度達成のための焼結
温度条件ではないと考えられる。
混合粉末を1350°C以上の温度で熱処理した後粉砕
し、これを500〜1000°Cの温度で加圧焼結する
か又は同混合粉末を1350°C以上の温度で熱処理
し、これを粉砕加圧成形した後1350°C以上の温度
で焼結し、さらに500〜1300°Cの温度で熱処理
し、低抵抗の膜を得ることを目的とするスパッタリング
ターゲット又は蒸着用ペレットとして使用するITO焼
結体が提案されている(特開平4−160047号公
報)。この場合、実施例に示されている最大の相対密度
は94%である。
固溶体粉末を製造し、これを1450〜1550°Cの
温度で焼結し、ノジュール及びパーティクルの発生を抑
制する高密度ITO焼結体スパッタリングターゲットが
提案されている(特開平10−30173号公報)。こ
の場合、ターゲットの密度は最大のもので、実施例に記
載されている7.08g/cm3(相対密度99.63
%)である。
たITO焼結体ターゲットが記載されている。しかし、
このようなターゲットを使用しても、スパッタリング時
に発生するマイクロアークを極力減少させ、またターゲ
ット表面に形成するノジュールを目的とする基準以下に
低減させることは難しく、根本的な解決に至っていない
のが現状である。特に、透明導電膜は最近の電子機器が
より小型化又は細密化されているので、膜自体も薄く微
細化され、形成された膜が均一でない場合には品質の低
下に及ぼす影響が大きく現れる傾向にあり、上記マイク
ロアーク等の発生防止は特に重要な問題であった。
して、ターゲットの密度が低い場合に起因してITO焼
結体ターゲットのエロージョン面にノジュール(突起
物)が多発し、これが不規則なスパッタリングを誘発し
て、異常放電やクラスター状(固まりになった)の皮膜
が形成されショートの原因になる問題もある。同時に、
ノジュール等に原因してスパッタチャンバ内に粗大化し
た粒子(パーティクル)が浮遊するようになり、これが
基板上に再付着して薄膜回路を短絡させたり、薄膜の突
起物の原因となるという問題が発生した。以上のことか
ら、マイクロアークやノジュールの発生を極力抑制する
と共に、スパッタリング操作中投入スパッタパワー密度
を安定化させ、成分が均一かつ高密度の焼結体ターゲッ
トを得ることが必要であったが、これらの要求に満足で
きるITO膜形成用スパッタリングターゲットが得られ
ていないという問題があった。
ング時に発生するマイクロアークを抑制すると共に、タ
ーゲット表面に発生するノジュールを低減し、ターゲッ
ト寿命全体に亘って安定的に一定条件でスパッタリング
操業を行うことができるITO膜形成用焼結体スパッタ
リングターゲット及びその製造方法を提供することを目
的としたものである。
めの技術的な手段は、従来のターゲット材よりもさらに
密度を向上させ、ポアを低減させ、これによってITO
透明導電膜等の形成に好適な焼結体スパッタリングター
ゲットを得ることができるとの知見を得た。この知見に
基づき、本発明は 1. 相対密度が99.8%以上であり、焼結体ターゲ
ット研磨面中に、2μm以上のポアが5個/mm2以下
であることを特徴とする高密度ITO焼結体スパッタリ
ングターゲット 2. In2O3とSnO2の混合粉末を大気中115
0°C以上で熱処理することにより、比表面積2m2/
g以下とした粉末を比表面積4m2/g以上となるよう
に粉砕した後、酸素雰囲気中1530°C以上で焼結し
て得たことを特徴とする上記1記載の高密ITO焼結体
スパッタリングターゲット 3. 粉砕後の粉末の比表面積が7m2/g以上である
ことを特徴とする上記2記載の高密ITO焼結体スパッ
タリングターゲット、を提供するものである。
ッタリングターゲットはその相対密度が99.8%以上
であり、焼結体ターゲット研磨面中の2μm以上のポア
が5個/mm 2以下である。なお、密度の算出方法はミ
キシングルール(mixing rule)によるものであり、理
論密度は次によって計算する。 In2O3真密度:7.18g/cm3、SnO2真密
度:6.95g/cm 3 ITO焼結体の理論密度は、「7.18×αVIn+
6.95×αVSn」により計算できる。(なお、αV
InはIn2O3の体積分率、αVSnはSnO2の体
積分率である。) したがって、SnO2が10wt%の場合は、7.15
6g/cm3である。また、本発明の焼結体ターゲット
はアルキメデス法で測定したものであり、これによって
測定した密度を上記理論密度で除した値、を相対密度と
して計算したものである。
上のポアが5個/mm2以下の条件は、焼結体の任意の
研磨面を意味するものであり、特定の研磨面を意味する
ものではない。本発明は、従来考えられていた密度より
もはるかに高い密度を有するものであり、これによって
スパッタリング時に発生するマイクロアークを著しく抑
制すると共に、ターゲット表面に発生するノジュールを
低減し、ターゲット寿命全体に亘って安定的に一定条件
でスパッタリング操業を行うことが可能となった。IT
O焼結体スパッタリングターゲットの相対密度は99.
8%未満、そして焼結体ターゲット研磨面中の2μm以
上のポアが5個/mm2を超えると、スパッタリング時
に発生するマイクロアークを効果的に抑制することが困
難であり、ターゲット表面に発生するノジュールを低減
することも難しくなる。
を製造するには、原材料として、例えば平均粒度20μ
m以下の酸化インジウム粉末及びほぼ同粒度の酸化錫粉
末を使用し、重量比で約90:10になるように均一に
混合する。この原材料としての酸化インジウム粉末及び
酸化錫粉末粒度や混合比率は任意に調整でき、必ずしも
SnO2が10wt%に限定されない。また、一般に焼
結用粉末の粒度が小さいと高密度の焼結体が得られるの
で、粉末の90%以上が10μm以下、好ましくは1μ
m以下の粒径をもつ酸化インジウム及び酸化錫粉末を使
用することが望ましい。上記混合粉末を1150°C以
上の温度、大気中で熱処理することにより、比表面積2
m2/g以下の粉末得る。好ましくは、比表面積1m2
/g以下とする。前記熱処理温度に特に上限はないが、
あまり高温にしても効果が飽和するだけなので、エネル
ギー経済的に1400°C程度が望ましい。次に、これ
を粉砕して、比表面積4m2/g以上、好ましくは比表
面積7m2/g以上となるように粉砕する。
SnO2の混合粉末を成形後焼結しているために、焼結
中にSnO2の固溶反応が進行し、O2ガスが発生し焼
結体内部にポアが残留し易くなり、緻密化を阻害する可
能性がある。本発明は、In2O3とSnO2の混合粉
末の熱処理(仮焼)及び粉砕を行うことにより、焼結中
にSnO2の固溶反応によるO2ガス発生が原因となる
ポアの残留を著しく低減させることができる。上記熱処
理による比表面積2m2/g以下(好ましくは、比表面
積1m2/g以下)及び粉砕後の比表面積4m2/g以
上(好ましくは比表面積7m2/g以上)は、そのため
の必要な条件を意味する。また、熱処理により粗大化し
た粒子はボールミル等の手段により容易に粉砕が可能で
ある。
型に充填し、この混合粉を油圧プレス(CIP)で15
00kgf/cm2の圧力を加えて加圧成形体を得る。
なお、混合粉の加圧成形工程は従来公知の方法を採用す
ることができ、必ずしも上記の条件に制限される必要は
ない。上記熱処理と粉砕によって得られた粉末は、細孔
が消滅するため高い成形体密度となる。次に、このよう
にして得られた成形体を1気圧(絶対圧)の酸素雰囲気
下1530°C以上で3〜10時間焼結し、ITOスパ
ッタリングターゲット焼結体を製造する。これによっ
て、従来のターゲット材よりもさらに密度を向上させ、
かつポアを低減し、相対密度が99.8%以上であり、
焼結体ターゲット研磨面中に、2μm以上のポアが5個
/mm2以下であるITO透明導電膜等の形成に好適な
焼結体スパッタリングターゲットを得ることができる。
nO2が残存すると、上記のようにこのSnO2の固溶
化によって発生するO2ガスにより焼結時の緻密化が阻
害されることが容易に理解できる。したがって、予め熱
処理によってSnO2を固溶化することは、O2ガス発
生を低減することができ、有効である。また、O2ガス
発生だけでなく、焼結の際に1400°C以上からSn
O2自体の蒸発が起こり、これも同様に焼結時にガス化
しポア増加の一因となる可能性があるが、前記熱処理に
よってフリーのSnO2がなくなるため、ポアの発生は
一層減少し、緻密化が促進されると考えられる。そし
て、熱処理の温度がより高い方が、ポアの発生を抑制で
きる傾向があり、焼結性向上に有効である。また、粉体
の熱処理(仮焼)時には細孔の消滅が大きく影響してい
る可能性がある。この細孔の消滅により成形体密度が向
上し、さらに焼結体の密度向上に影響を与えていること
も考えられる。
を低減した透明導電膜用焼結体スパッタリングターゲッ
トはマイクロアークやノジュール発生防止に有効であ
る。また、ターゲットを使い込んでいった場合、前記ノ
ジュール等の発生により、同一のスパッタパワーではス
パッタレートが使用開始時よりも相当低下してくる。こ
の場合レートが低下した分だけ投入パワーを上げてスパ
ッタレートを一定に保つ必要があるが、これは投入スパ
ッタパワーの変更(上げること)は、実質的にスパッタ
リング条件を変えることを意味するものであり、この変
化率が大きくなると、膜特性にも影響を与える(膜特性
が変化する)という問題を生ずるようになる。したがっ
て、当然のことながら、投入スパッタパワー密度が一定
であり、変化率が低い方がターゲットとしての機能が優
れており、重要なターゲット評価項目の一つである。す
なわち、スパッタリング操作を通じて、ITO膜特性を
良好に維持するにはこの投入スパッタパワー密度の変化
が小さいことが必要となる。本発明のスパッタリングタ
ーゲットにおいては、このような投入スパッタパワー密
度を、より長期に亘って安定させることが可能となっ
た。
明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例
に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思
想の範囲内で、実施例以外の態様あるいは変形を全て包
含するものである。
グターゲットの原材料として、平均粒度3μm以下の酸
化インジウム粉末と同粒度の酸化錫粉末を使用し、これ
らを重量比で約90:10になるように均一に混合し
た。原料粉の比表面積は10m2/gであった。これを
大気中1150以上°Cで熱処理することにより、表1
に示す比表面積0.2〜10m2/g以下とした粉末を
得た。次に、これらの粉末を比表面積が4.8〜13m
2/g以上となるように、湿式ボールミルで粉砕し、さ
らにこれらの粉末をバインダー(PVD)を少量添加
し、一軸プレスにより予備成形を行った後、150MP
aのCIPにより成形体を得た。上記成形体を酸素雰囲
気中1530°C以上で焼結して高密ITO焼結体スパ
ッタリングターゲットを得た。以上の条件、各特性値を
実施例及び比較例に区別して表1に示す。
して表示し、本発明外のものを比較例1〜9として表1
に示した。そして、上記実施例1〜7及び比較例1〜9
で得られたスパッタリングターゲットを用いてスパッタ
リングし、条件毎に各積算電力量に応じたマイクロアー
ク発生回数(回)、ノジュール被覆率(%)測定による
総合判定を行った。なお、マイクロアーク抑制され良好
と判定した条件は、検出電圧100V以上、放出エネル
ギー(アーク放電が発生している時のスパッタ電圧×ス
パッタ電流×発生時間)が10mJ以下の条件で、積算
電力量80Whr/cm2におけるマイクロ発生回数が
30個以下となる場合である。また、ノジュール発生が
抑制され良好と判定した条件は、同積算電力量80Wh
r/cm2におけるノジュール被覆率(発生したノジュ
ールの面積をエロージョン面積で除した値)が0.1%
以下の場合である。
理後に粉砕していない(未粉砕)のケースで、粉末の比
表面積が本発明の範囲を外れており、相対密度は99.
55%と低く、ポア個数も22個/mm2と多い場合で
ある。マイクロアーク発生回数及びノジュール被覆率の
測定による総合判定結果は不良(×)であった。比較例
2は焼結温度が1500°Cと低く、相対密度は99.
13%と低く、ポア個数も51個/mm2と多い場合で
あり、本発明の条件から大きく外れている。マイクロア
ーク発生回数及びノジュール被覆率の測定による総合判
定結果は不良(×)であった。比較例3は焼結温度が1
520°Cと低く、相対密度は99.63%と低く、ポ
ア個数も13個/mm2と多い場合である。マイクロア
ーク発生回数及びノジュール被覆率の測定による総合判
定結果は不良(×)であった。なお、比較例2よりはや
や改善されているが、本発明の目的に合致しなかった。
積が0.2m2/g、粉砕粉の比表面積が8.5m2/
g、焼結温度1540°C、相対密度99.98%、ポ
ア個数2個/mm2であり、いずれも本発明の条件を満
たしているものである。マイクロアーク発生回数及びノ
ジュール被覆率の測定による総合判定結果は良好で
(○)であった。
粉砕)のケースで、粉末の比表面積が本発明の範囲を外
れており、相対密度は99.58%と低く、ポア個数も
19個/mm2と多い場合である。マイクロアーク発生
回数及びノジュール被覆率の測定による総合判定結果は
不良(×)であった。比較例5は焼結温度が1500°
Cと低く、相対密度は99.21%と低く、ポア個数も
48個/mm2と多い場合であり、本発明の条件から大
きく外れている。マイクロアーク発生回数及びノジュー
ル被覆率の測定による総合判定結果は不良(×)であっ
た。比較例6は焼結温度が1520°Cと低く、相対密
度は99.54%と低く、ポア個数も20個/mm2と
多い場合である。マイクロアーク発生回数及びノジュー
ル被覆率の測定による総合判定結果は不良(×)であっ
た。
積が0.5m2/g、粉砕粉の比表面積が12m2/
g、焼結温度1540°C、相対密度99.99%、ポ
ア個数3個/mm2であり、いずれも本発明の条件を満
たしている。マイクロアーク発生回数及びノジュール被
覆率の測定による総合判定結果は良好で(○)であっ
た。
粉砕)のケースで、粉末の比表面積が本発明の範囲を外
れており、相対密度は99.61%と低く、ポア個数も
17個/mm2と多い場合である。マイクロアーク発生
回数及びノジュール被覆率の測定による総合判定結果は
不良(×)であった。比較例8は焼結温度が1520°
Cと低く、相対密度は99.37%と低く、ポア個数も
50個/mm2と多い場合であり、本発明の条件から大
きく外れている。マイクロアーク発生回数及びノジュー
ル被覆率の測定による総合判定結果は不良(×)であっ
た。
積が1.6m2/g、粉砕粉の比表面積が7.7m2/
g、焼結温度1540°C、相対密度99.82%、ポ
ア個数3個/mm2であり、いずれも本発明の条件を満
たしている。マイクロアーク発生回数及びノジュール被
覆率の測定による総合判定結果は良好で(○)であっ
た。実施例4は熱処理粉の比表面積が1.6m2/g、
粉砕粉の比表面積が7.7m2/g、焼結温度1560
°C、相対密度100.21%、ポア個数0個/mm2
であり、いずれも本発明の条件を満たしている。この場
合、相対密度が100を超えているが、実際の焼結体
は、SnO2がIn2O3に固溶あるいはC2相を形成
しているため、ミキシングルールからずれることが考え
られ、そのために相対密度が真密度(理論値)を大きく
なったと想定される。いずれにしても、相対密度が従来
に比べて各段に大きい結果が得られている。マイクロア
ーク発生回数及びノジュール被覆率の測定による総合判
定結果は良好で(○)であった。実施例5は熱処理粉の
比表面積が1.6m2/g、粉砕粉の比表面積が13m
2/g、焼結温度1560°C、相対密度99.97
%、ポア個数2個/mm 2であり、いずれも本発明の条
件を満たしている。マイクロアーク発生回数及びノジュ
ール被覆率の測定による総合判定結果は良好で(○)で
あった。
粉砕)のケースで、粉末の比表面積が本発明の範囲を外
れており、相対密度は99.63%と低く、ポア個数も
17個/mm2と多い場合である。マイクロアーク発生
回数及びノジュール被覆率の測定による総合判定結果は
不良(×)であった。比較例10は焼結温度が1520
°Cと低く、相対密度は99.57%と低く、ポア個数
も32個/mm2と多い場合であり、本発明の条件から
大きく外れている。マイクロアーク発生回数及びノジュ
ール被覆率の測定による総合判定結果は不良(×)であ
った。
2/g、粉砕粉の比表面積が8.2m2/g、焼結温度
1540°C、相対密度99.88%、ポア個数4個/
mm2であり、いずれも本発明の条件を満たしている。
マイクロアーク発生回数及びノジュール被覆率の測定に
よる総合判定結果は良好で(○)であった。実施例7は
熱処理粉の比表面積が1.9m2/g、粉砕粉の比表面
積が8.2m2/g、焼結温度1560°C、相対密度
99.93%、ポア個数2個/mm2であり、いずれも
本発明の条件を満たしている。マイクロアーク発生回数
及びノジュール被覆率の測定による総合判定結果は最も
良好で(○)であった。
5m2/gで本発明の範囲を外れており、相対密度は9
9.58%と低く、ポア個数も21個/mm2と多い場
合である。マイクロアーク発生回数及びノジュール被覆
率の測定による総合判定結果は不良(×)であった。比
較例12は熱処理後の粉末の比表面積が10m2/gで
本発明の範囲を外れており、焼結温度が1640°Cで
あるが、相対密度は99.56%と低く、ポア個数も1
8個/mm2と多い場合であり、本発明の条件から大き
く外れている。マイクロアーク発生回数及びノジュール
被覆率の測定による総合判定結果は不良(×)であっ
た。比較例13は熱処理後の粉末の比表面積が10m2
/gで本発明の範囲を外れており、焼結温度が1640
°Cであるが、相対密度は99.62%と低く、ポア個
数も12個/mm2と多い場合であり、本発明の条件か
ら外れている。マイクロアーク発生回数及びノジュール
被覆率の測定による総合判定結果は不良(×)であっ
た。
99.8%以上、焼結体ターゲット研磨面中に2μm以
上のポアが5個/mm2以下とすることにより、ITO
透明導電膜等の形成に好適なスパッタリングターゲット
を得るものであり、スパッタリング時に発生するマイク
ロアークを抑制すると共に、ターゲット表面に発生する
ノジュールを低減し、ターゲット寿命全体に亘って安定
的に一定条件でスパッタリング操業を行うことができる
優れた効果を有する。
Claims (3)
- 【請求項1】 相対密度が99.8%以上であり、焼結
体ターゲット研磨面中に、2μm以上のポアが5個/m
m2以下であることを特徴とする高密度ITO焼結体ス
パッタリングターゲット。 - 【請求項2】 In2O3とSnO2の混合粉末を大気
中1150°C以上で熱処理することにより、比表面積
2m2/g以下とした粉末を比表面積4m2/g以上と
なるように粉砕した後、酸素雰囲気中1530°C以上
で焼結して得たことを特徴とする請求項1記載の高密I
TO焼結体スパッタリングターゲット。 - 【請求項3】 粉砕後の粉末の比表面積が7m2/g以
上であることを特徴とする請求項2記載の高密ITO焼
結体スパッタリングターゲット。
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---|---|---|---|
JP2000088332A JP3715504B2 (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 高密度ito焼結体スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
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JP2000088332A JP3715504B2 (ja) | 2000-03-28 | 2000-03-28 | 高密度ito焼結体スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
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