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JP2001254031A - コーティング成形物及びその成形方法 - Google Patents

コーティング成形物及びその成形方法

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Publication number
JP2001254031A
JP2001254031A JP2000066838A JP2000066838A JP2001254031A JP 2001254031 A JP2001254031 A JP 2001254031A JP 2000066838 A JP2000066838 A JP 2000066838A JP 2000066838 A JP2000066838 A JP 2000066838A JP 2001254031 A JP2001254031 A JP 2001254031A
Authority
JP
Japan
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powder
titanium
product
titania
coated molded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000066838A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Miyasaka
四志男 宮坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Kihan Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kihan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Kihan Co Ltd filed Critical Fuji Kihan Co Ltd
Priority to JP2000066838A priority Critical patent/JP2001254031A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒作用の助長されたコーティング成形物を
得る。 【解決手段】 金属成品又はセラミック又はこれらの混
合体から成る被処理成品の表面に、チタン又はチタン合
金から成る粉体とモナズ石の粉体等の放射性物質を含む
粉体とから成る噴射粉体を、噴射速度80m/sec以上又
は噴射圧力0.29MPa以上で噴射し、金属成品又はセ
ラミック又はこれらの混合体から成る成品の表面にチタ
ニア被膜を形成すると共に、微量の放射性物質を担持さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、脱臭、抗菌、防
汚といった分解機能及び親水機能を有する光触媒である
チタニア(TiO2)を、その光触媒機能を良好に発揮し得
る状態で成品の表面にコーティングすると共に、微量の
放射性物質を担持させて前記光触媒コーティングの触媒
機能を助長すると共に、担持された放射性物質より放出
される放射線、特にα線や、マイナスイオンの発生等に
よる相乗効果により、空気等の気体、水その他の液体等
における有害物質の分解、浄化、人体の細胞等の活性化
等を行い得るコーティング成形物及びコーティング成形
物の成形方法に関し、より詳細には、金属又はセラミッ
ク又はこれらの混合物から成る被処理成品の表面にチタ
ン又はチタン合金から成る粉体及び放射性物質を含む粉
体を噴射することにより、被処理成品の表面にチタニア
被膜を形成すると共に微量の放射性物質を担持させたコ
ーティング成形物及びその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、優れた分解機能及び親水機能
を持つチタニアを主成分とする光触媒は多くの分野で利
用されている。その分解機能とは、太陽光や蛍光灯など
に含まれる紫外線をチタニアに照射すると、チタニア表
面に電子及び正孔が発生し、この電子が空気中の酸素を
還元してスーパーオキサイドイオン(O2)に、また正孔
はチタニア表面に付着した水分を酸化して水酸基ラジカ
ル(OH)に変え、これらのスーパーオキサイドイオン及
び水酸基ラジカルが、チタニア表面の汚れなどの有機化
合物を酸化分解するものである。
【0003】また、親水機能とは前述のように紫外線の
照射によって生じたスーパーオキサイドイオン及び水酸
基がチタニア表面の疎水性分子を分解し、発生した水酸
基に空気中の水分が吸着して薄い水膜を作り、チタニア
表面が親水性を帯びるものであり、光触媒は前述の分解
機能と併せて、脱臭、抗菌、防汚を目的としてレンズ、
鏡、壁紙、カーテンなどの建材、家具などに多く利用さ
れている。
【0004】これらの光触媒機能を建材、家具といった
成品に利用する場合は、光触媒の主成分であるチタニア
を成品に含有させ、かつ十分な紫外線を照射させること
になるが、その一手法としてチタニア被膜を、対象とす
る被処理成品の表面に形成することが行われている。
【0005】そのチタニア被膜の形成方法としては、チ
タン自体が活性な金属であり、特に酸素との親和力が大
きいために酸化反応を起こしやすいことを利用して、チ
タン又はチタン合金から成る被処理成品の表面を酸化さ
せて、酸化被膜すなわちチタニア被膜を形成させる方法
がある。
【0006】また、他のチタニア被膜の形成方法とし
て、ゾル・ゲル法とバインダ法が行われている。
【0007】ゾル・ゲル法は、チタニアの前駆体である
チタニウムアルコキシドやチタニウムキレートなどの有
機系チタンのゾルをガラス、セラミックなどの耐熱性の
ある処理対象の被処理成品の表面にスプレーなどで塗布
し、乾燥させてゲルを作り、500℃以上に加熱するこ
とで、強固なチタニア被膜を形成する方法である。被処
理成品の表面全体にチタニア粒子が存在するために、分
解力が高く、また高硬度なチタニア被膜を形成すること
ができる。
【0008】またバインダ法は、チタニア粒子を被処理
成品の表面にバインダで固定する方法であり、バインダ
としてはシリカなどの無機系、あるいはシリコーンなど
の有機系を用いている。ゾル・ゲル法との違いは、加熱
温度がバインダの硬化温度で済むため、約100℃以下
の加熱で高温処理が不要な点である。
【0009】前述した従来の光触媒コーティング方法に
あっては、以下の問題点があった。
【0010】(1)チタン又はチタン合金から成る被処
理成品の表面を酸化してチタニア被膜を形成する方法で
は、チタン自体が高価でありコスト高になるという問題
点や、またチタンは加工性が悪く利用分野が限られてし
まうという問題点があった。
【0011】(2)またゾル・ゲル法では、チタニアの
前駆体であるチタニウムアルコキシドやチタニウムキレ
ートなどの有機系チタンをチタニア被膜に変えるため
に、約500℃以上の加熱処理を必要とするので、処理
対象の被処理成品に耐熱性が求められ、従ってガラス、
セラミックなどに限られ、仮に金属の表面にゾル・ゲル
法でチタニア被膜を形成しようとする場合には、高温加
熱処理によって、金属表面が酸化し、劣化や光沢の低下
など商品価値が下がるといった問題があった。
【0012】さらに、ゾル・ゲル法では前記有機系チタ
ンを塗布する回数が多く、多くの手間がかかることや、
高価な設備を必要としコスト高であり、また有害な廃棄
物が発生するといった問題があった。
【0013】(3)またバインダ法では、上記ゾル・ゲ
ル法の問題を解消し、多くの成品を処理対象とすること
ができる他、比較的コストが安いという反面、バインダ
として被処理成品との接着性が高く、しかも光触媒の分
解機能の影響を受けない材料を用いることが必要であ
り、バインダの選択が効果に影響を与えるという問題が
あった。
【0014】またバインダ法ではゾル・ゲル法に比べ、
形成されたチタニア被膜の硬度が低いという問題があっ
た。これは、バインダ法によるチタニア被膜の硬度を高
めるためには、バインダを増やして接着力を高めれば良
いが、その場合、チタニアはバインダに対して相対的に
少なくなり、従って分解力が落ちる。逆に、バインダを
減らすと被処理成品の表面に露出するチタニアが増える
ので分解力が高まるが、接着力が低くなりチタニア被膜
が剥がれやすく、硬度が落ちるといった問題があった。
【0015】このような問題点を解消するために、本発
明の出願人は、被処理成品の表面にチタン又はチタン合
金の粉体を比較的簡易なブラスト法により噴射すること
で、被処理成品との接着力の高いチタニア被膜を光触媒
として被処理成品の表面に形成する光触媒コーティング
成形物及びその成形方法を出願している(特願平10−
23171号)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前述の光触媒コーティ
ング成形物及びその成形方法による場合、成品の表面に
成された光触媒コーティングが有効に効果を発揮するか
否かは、光触媒が浴びる光、特に紫外線によるところが
大きい。そのためこの光触媒コーティング成形物は使用
される環境、条件等により、その分解機能、親水機能に
顕著な相違が現れる。特に、充分な光、紫外線の照射が
得られない環境において使用する場合には、光触媒を大
量にコーティングする必要があり、比較的高価なチタン
又はチタン合金を大量に噴射する必要がある等、コスト
的な問題を有するものであった。
【0017】そこで、本発明は、上記従来技術における
欠点を解消するためになされたものであり、使用環境の
変化、特に照射される紫外線量の変化による触媒の分解
機能、親水機能等に生じる差が少なく、従って使用環境
の変化によっても脱臭、抗菌、防汚等の安定した効果を
得ることができ、かつ、大量の光触媒をコーティングす
ることなく触媒の機能を有効に発揮させることのできる
コーティング成形物及びその成形方法を提供することを
目的とする。
【0018】また、本発明は上記目的に加え、コーティ
ング成形物に担持された微量の放射性物質から放出され
る放射線、特にα線や、放射性物質によるマイナスイオ
ンの生成により人体、その他の生物に対して好適な影響
を与えることのできるコーティング成形物及びその成形
方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のコーティング成形物は、金属成品又はセラ
ミック又はこれらの混合体から成る成品の表面にチタニ
ア被膜を形成すると共に、前記チタニア被膜に微量の放
射性物質、例えば光触媒コーティング組成物に対して重
量比で0.2〜2.0%のトリウム(Th)を担持させ
て成ることを特徴とする。
【0020】また、前記コーティング成形物は、金属成
品又はセラミック又はこれらの混合体から成る被処理成
品の表面に、チタン又はチタン合金から成る粉体及び放
射性物質を含む粉体とから成る噴射粉体を噴射して成形
することができる。
【0021】前記放射性物質を含む粉体は、トリウム
(Th)等の放射性物質を含む例えばモナズ石の粉体等
を使用することができ、前記チタン又はチタン合金から
成る粉体70〜90wt%と、モナズ石の粉体10〜30w
t%により前記噴射粉体とすることができる。
【0022】さらに、前記チタン又はチタン合金の粉体
を、比重が軽いため、平均粒径500μm以下、好まし
くは30〜300μmとなし、このチタン又はチタン合
金を含む前記噴射粉体を、噴射速度80m/sec以上又は
噴射圧力0.29MPa以上で噴射することによりコーテ
ィング成形物を成形することができる。
【0023】なお、前記噴射粉体は、その形状を球状又
は多角形状のいずれとすることもできる。
【0024】なお、本明細書において「放射性物質」と
は、例えばトリウム(Th)、ウラン(U)、ラジウム
(Ra)等の自発的に崩壊して放射線を放出する核種を
含む物質をいう。
【0025】また、本明細書では、主成分をチタンとす
る粉体を「チタン又はチタン合金から成る粉体」とい
い、この中には大気中の酸素と反応して表面に安定な酸
化被膜(TiO,Ti2O3,TiO2等)が形成されているものも
含む。
【0026】ブラスト処理により、金属又はセラミック
又はこれらの混合体から成る被処理成品の表面に、チタ
ン又はチタン合金から成る粉体(以下、両者を総称して
「チタン粉体」という。)と放射性物質を含む粉体とか
ら成る噴射粉体を高速の噴射速度で噴射すると、噴射粉
体の被処理成品の表面への衝突前後の速度変化により、
エネルギー不変の法則を考慮すると、熱エネルギーが生
じる。このエネルギー変換は、噴射粉体が衝突した変形
部分のみで行われるので、前記噴射粉体及び被処理成品
の表面付近に局部的に温度上昇が起こる。
【0027】また、温度上昇は噴射粉体の衝突前の速度
に比例するので、噴射粉体の噴射速度を高速にすると、
噴射粉体及び被処理成品の表面の温度を上昇させること
ができる。このとき噴射粉体が被処理成品の表面で加熱
されるために、噴射粉体中のチタン粉体に含まれるチタ
ンが被処理成品の表面に活性化吸着して拡散すると共
に、大気中の酸素と酸化反応を起こし、被処理成品の表
面に光触媒機能を有するチタニア破膜が形成されると考
えられる。
【0028】より詳細に説明するために、一般に行われ
る拡散浸透メッキを例に挙げると、例えば金属成品Aを
金属粉末Bに埋めて温度tで拡散させると、浸炭が主と
してCOガスから行われるように、金属粉末Bから発生
する金属蒸気、又は金属粉末と添加剤の反応によって生
ずる金属ハロゲン化物蒸気から主として行われる。浸炭
を例にして考えると、鉄系の金属成品の表面に、COガ
スが単に外力や加熱その他の物理的方法によって簡単に
除去できるような物理的な付着をしただけでは、成品の
FeとCOが反応を起こすことはできないが、さらに熱
その他のエネルギーをある一定以上与えるとCOガスは
Fe表面に活性化吸着をする。この活性化吸着をしたC
Oガスは二酸化炭素と炭素に熱解離をする。この反応に
よりできた炭素はFeの格子内に拡散して浸炭現象を起
こすものと考えられている。
【0029】上記の浸炭の現象を考慮すると、本発明に
おける光触媒コーティングは、被処理成品に以下に示す
ような過程でチタニア被膜が形成されると考えられる。
【0030】例えば、金属又はセラミック又はこれらの
混合物から成る被処理成品の表面にチタン粉体を噴射速
度80m/sec以上又は噴射圧力0.29MPa以上
で噴射し、被処理成品の表面に衝突させると衝突前後
で、チタン粉体の速度が減少する。エネルギー不変の法
則を考慮すると、衝突時に被処理成品への衝突部が変形
することによる内部摩擦により、熱エネルギーが生じ
て、この熱エネルギーによりチタン粉体が被処理成品の
表面で加熱されるために、チタンが被処理成品に活性化
吸着して拡散浸透し、さらには大気中の酸素と反応して
酸化することにより、チタニア被膜が形成されると考え
られる。
【0031】また、このチタニア被膜が形成される際、
チタン粉体と共に放射性物質を含む粉体が噴射されてい
るので、この粉体中に含まれる放射性物質がチタニア被
膜中に埋設された状態で、またはチタニア被膜の表面か
ら一部露出した状態で被処理成品の表面に付着し、微量
の放射性物質がコーティング成形物の表面に担持され
る。
【0032】チタニア被膜の形成と共に被処理成品の表
面に担持されたれらの微量の放射性物質は、放射性核種
の崩壊により例えばα線等の微量の放射線を放射し、又
はマイナスイオンの発生が持続して行われるものと考え
られ、この放射線やマイナスイオンにより、防臭、殺菌
等の効果や人体等に対する好ましい効果が得られると共
に、放射性物質より放射される微量放射線がチタニア被
膜が有する触媒の作用を助長してより一層の触媒能を発
揮するものと考えられる。
【0033】したがって、本発明によるコーティング成
形物は、チタニア被膜の形成と、微量の放射性物質の担
持による相乗効果により、単に被処理成品の表面に光触
媒コーティングとしてチタニア被膜のみを形成した場合
に比較してより高い分解機能等を発揮する。
【0034】なお、本発明は噴射粉体の衝突による温度
上昇を利用して、被処理成品の表面にチタンを活性化吸
着させ、かつ酸化反応させると共に、微量の放射性物質
を担持させることを目的とするので、噴射粉体が前記熱
エネルギーで瞬時に加熱されるよう、噴射粉体は重量の
大きなショットではなく比較的小さなショットを用いる
必要があるが、チタンは他の金属などに比べ密度が低
く、また熱電導度も比較的低いために局所的に熱が集中
しやすく、粒径500μmm以下、好ましくは粒径30μ
m〜300μmの粉末状の粉体を用いることが可能であ
る。
【0035】また、前述の温度上昇をより効率よくする
ためには、噴射粉体の形状を球状もしくは多角形状にす
ることが望ましい。
【0036】また、チタンは酸素との親和力が良く、表
面に酸化被膜を形成して安定化していることが多いが、
この酸化被膜を有するチタン粉体を前述のように被処理
成品の表面に噴射した場合、被処理成品との衝突により
瞬時に酸化被膜は破壊し、したがって、チタンが被処理
成品の表面に活性化吸着すると考えられる。
【0037】
【発明の実施の形態】〔製造実施例〕本実施例で使用し
たブラスト装置は重力式ブラスト装置であるが、エア式
であれば吸込式のサイホン式、あるいは他のブラスト装
置でも良い。
【0038】被処理成品であるアルミナボール(Al
2O3:92.7%、SiO2:5.8%、直径8mm)を重力
式ブラスト装置のノズル先端に対峙して設けられたバレ
ル籠内に約10kg投入し、このバレル籠内に投入された
セラミックボールに均等に噴射粉体を衝突させることが
できるようこのバレル籠を回転しながら噴射粉体を約1
0分間下記の処理条件で噴射して光触媒コーティング処
理を行った。
【0039】なお、本実施例では噴射粉体を構成するチ
タン粉体として純チタン(Ti:99.5% 平均粒径50μm)
(♯300)を、放射性物質を含む粉体としてモナズ石(m
onazite)の粉体(平均粒径300μm)を使用してい
る。
【0040】なお、このモナズ石とは、放射性元素であ
るトリウム(Th)、セリウム(Ce)等の希土類元素
を含む鉱石であり、本実施例において使用したモナズ石
の粉体のX線分光分析結果を図1に示す。図1に示すよ
うに、本実施例において使用したモナズ石の粉体中には
トリウム(Th)が3.95wt%含まれている。
【0041】このモナズ石の粉体20wt%と、チタン粉
体80wt%を混合して、本実施例における噴射粉体とし
た。
【0042】
【表1】 上記の加工条件により得られたコーティング成形物たる
アルミナボールは、その表面にチタニア被膜が形成され
ると共に、モナズ石に含まれる放射性物質であるトリウ
ム(Th)が担持されて、好適なコーティング成形物が
形成された。
【0043】このコーティング成形物のX線分光分析結
果を図2に示す。図2に示すように、このコーティング
成形物には、放射性物質として0.62wt%という微量
のトリウム(Th)が担持されていることが確認され
た。
【0044】このように形成されたコーティング成形物
は、そのままで、または容器に詰める等して室内、トイ
レ、自動車内、その他各種の場所に配置することによ
り、光触媒コーティングの分解機能などにより消臭、防
臭効果を発揮する消臭剤又は防臭剤として使用できる
他、放射性物質の放出するα線、マイナスイオン等によ
り、例えば人体の細胞等を活性化させ、または周辺環境
のマイナスイオンの増加により人にリフレッシュ感を与
える等の効果をも有する。
【0045】また、本発明のコーティング成形物は、例
えば液体中においても好適に分解機能等を発揮し、例え
ば水中に投入することにより、このコーティング成形物
の投入された水の防臭、殺菌、防汚を図ることができ
る。特に紫外線の充分な照射を受けられない室内や、容
器内等において使用する場合においても好適に分解機能
等を発揮し、例えば観賞魚用水槽、池、花瓶、浴槽、下
水用の升内に直接又はネット内に封入する等して本発明
のコーティング成形物を投入することにより、水が悪臭
を発生したりヌメリを発生したりすること等を好適に防
止することができ、また水槽や池においては観賞魚の病
気発生防止等にも寄与するものとなる。
【0046】なお、前記実施例にあっては、被処理対象
としてアルミナボールを使用した例について説明したが
被処理対象の材質はこれに限定されるものではなく、各
種の金属又はセラミックに対して適用可能である。
【0047】また、被処理対象となる金属成品又はセラ
ミック成品の形状は、前記実施例における球状のものに
限定されず、また、前述のように比較的小さいものであ
る必要はなく、その形状、大きさは制限されない。
【0048】〔試験例1〕以上説明した本発明のコーテ
ィング成形物をプラスチック水槽内の水中に投入して使
用した結果を表2に示す。
【0049】なお、下記表2に示す試験例において、被
処理対象である金属成品は、アルミナのグリッドであ
り、他の処理条件については前記製造実施例と同様であ
る。
【0050】また、本願例において使用したコーティン
グ成形物は、アルミナのグリッド表面にチタニア被膜の
みを形成して成るコーティング成形物0.8kgと、アル
ミナのグリッドにチタニア被膜を形成すると共に微量の
放射性物質を担持して成るコーティング成形物0.2kg
とを水槽底に敷かれた砂利に混入したものであり、一
方、比較例は、アルミナグリッドにチタニア被膜のみを
形成して成るコーティング成形物1kgを砂利に混入して
試験を行った。
【0051】また、試験に使用したプラスチック水槽
は、室内に配置された、容量50リットル、浄水装置及
びヒータ(設定水温23℃)付きのもので、この水槽内
に体長約7cmの金魚6匹を飼育している。また、前記水
槽の底には、砂利が約5kgが敷かれている。
【0052】
【表2】 以上の試験結果から、特に室内のように紫外線の照射の
少ない場所においてコーティング成形物を使用する場合
であっても、表面に担持された微量の放射性物質より放
射される微量の放射線により光触媒コーティングの触媒
機能が励起されて、使用場所を問わず消臭、殺菌等の分
解機能等を有効に発揮することが確認された。
【0053】また、放射性物質より放出されるマイナス
イオンが金魚の細胞を活性化させる等好適に作用してい
るものと考えられ、金魚が病気になり難く食欲旺盛とな
ることが確認できた。
【0054】〔試験例2〕アルミナボール(直径8mm)
を被処理成品とし、このアルミナボールに光触媒コーテ
ィングして成るコーティング成形物300gをネット内
に封入し、これをステンレス製の浴槽(容量350リッ
トル、湯温42℃)に投入して約10分置きに入浴し
た。その結果を表3に示す。
【0055】なお、表3において、本願例は、チタニア
被膜と共に微量の放射性物質を担持したコーティング形
成物であり、比較例は光触媒コーティングとしてチタニ
ア被膜のみを形成してなる光触媒コーティング形成物で
ある。
【0056】
【表3】 以上の試験結果より、本願例にあっては光触媒コーティ
ングによる防臭、殺菌等の分解機能と共に、微量の放射
性物質を担持させたことにより、この放射性物質より放
出される放射線による痛み止めの作用、細胞の活性化に
よる血行の促進等により、温泉等における治療効果と同
様に筋肉痛、神経痛の痛みを和らげ、また、血行促進に
より湯冷めし難い等の効果が得られるものと考えられ
る。
【0057】〔試験例3〕石油ストーブのカートリッジ
タンク(容量2リットル)内に、光触媒コーティングを
施したアルミナボール(直径8mm)をそれぞれ100g
投入してストーブの点火、消火、ストーブによる灯油の
燃焼の状態を観測した結果を表4に示す。
【0058】なお、表4において、本願例はアルミナボ
ールの表面に光触媒コーティングとしてチタニア被膜を
形成すると共に、微量の放射性物質を担持させたもので
あり、比較例は、アルミナボールの表面にチタニア被膜
のみを形成してなる光触媒コーティング成形物であり、
他の点については同様である。
【0059】
【表4】 以上の試験例から、微量の放射性物質を担持することに
より、光触媒コーティングの触媒機能が励起されて、燃
料の完全燃焼が促進され、火力が強く成り、また、従来
は不完全燃焼されていた分の燃料が完全燃焼されること
となった結果、これに伴い燃費が向上したものと考えら
れる。
【0060】
【発明の効果】以上説明した本発明の構成により、本発
明のコーティング成形物は、光触媒コーティングと共に
微量の放射性物質を担持させたことにより、コーティン
グされた光触媒の触媒としての作用が助長されてより一
層の分解機能等を発揮するものとなった。特に、室内や
容器内などのように、充分な光の照射がされていない場
所においても使用することができ、コーティングの光触
媒機能が充分に発揮された。従って、高い分解機能等に
より空気、ガス等の各種気体、水、石油燃料等の液体等
の改質を行うことができ、有害物質の分解、環境浄化等
に役立つものである。
【0061】また、本発明のコーティング成形物を例え
ば浴槽内に沈めて使用する場合には、表面に担持された
微量の放射性物質から放射されるα線及びマイナスイオ
ンの効果により、細胞の活性化による血行促進、痛み止
め効果などをも得ることができ、光触媒コーティングに
よる防臭、除菌、防汚等の効果のみならず、温泉等にお
ける治療効果と同様の効果を得ることができる。
【0062】また、室内等に配置する場合には、周辺環
境のマイナスイオンが増加し、これを呼吸することによ
りリフレッシュ感等を得ることができる。
【0063】さらに、本発明のコーティング成形物の成
形方法にあっては、モナズ石等の希土類元素を含む比較
的高価な鉱石を使用するものであるが、ブラスト法とい
う比較的簡単な方法により、必要な部分に必要量のみ噴
射して放射性物質の担持を行うことができ、また、噴射
粉体は数度にわたり使用することができることから、比
較的安価に本発明のコーティング成形物を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 放射性物質の粉体の一例であるモナズ石の粉
体のX線分光分析結果を示すグラフ。
【図2】 本発明の一実施例におけるコーティング成形
物のX線分光分析結果を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 41/85 C04B 41/85 Z C09D 1/00 C09D 1/00 Fターム(参考) 4F100 AA19 AA21B AA36B AB01A AB12B AB31B AC10B AD00A BA02 DE01B EH612 GB90 JC00 JL08 JM02B 4G069 AA03 AA08 BA01A BA04A BA04B BA17 BA48A BB02A BB02B BB04A BB04B BC43A BC46A BC46B CA01 CA05 CA10 CA11 CD10 DA06 EB18X EB18Y FA02 FA05 FB22 FB23 FB30 FB39 4J038 AA011 HA061 HA066 HA211 HA556 KA04 MA02 MA14 NA05 NA06 NA19 NA27 PA06 PC02 PC03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属成品又はセラミック又はこれらの混
    合体から成る成品の表面にチタニア被膜を形成すると共
    に、前記チタニア被膜に微量の放射性物質を担持させて
    成るコーティング成形物。
  2. 【請求項2】 前記放射性物質としてトリウム(Th)
    をコーティング成形物に対して重量比で0.2〜2.0
    %担持して成ることを特徴とする請求項1記載のコーテ
    ィング成形物。
  3. 【請求項3】 金属成品又はセラミック又はこれらの混
    合体から成る被処理成品の表面に、チタン又はチタン合
    金から成る粉体及び放射性物質を含む粉体とから成る噴
    射粉体を噴射して、請求項1又は2いずれか1項記載の
    コーティング成形物を成形することを特徴とするコーテ
    ィング成形物の成形方法。
  4. 【請求項4】 前記放射性物質を含む粉体がモナズ石の
    粉体である請求項3記載のコーティング成形物の成形方
    法。
  5. 【請求項5】 前記噴射粉体は、前記チタン又はチタン
    合金から成る粉体70〜90wt%と、モナズ石の粉体1
    0〜30wt%からなることを特徴とする請求項3又は4
    記載のコーティング成形物の成形方法。
  6. 【請求項6】 前記噴射粉体の噴射を、噴射速度80m
    /sec以上又は噴射圧力0.29MPa以上で行うことを特
    徴とする請求項3〜5いずれか1項記載のコーティング
    成形物の成形方法。
  7. 【請求項7】 前記チタン又はチタン合金から成る粉体
    は、平均粒径500μm以下、好ましくは30〜300
    μmである請求項3〜6いずれか1項記載のコーティン
    グ成形物の成形方法。
  8. 【請求項8】 前記噴射粉体が、球状又は多角形状であ
    る請求項3〜7いずれか1項記載のコーティング成形物
    の成形方法。
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