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JP2001124653A - 回転体のアンバランス修正方法 - Google Patents

回転体のアンバランス修正方法

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JP2001124653A
JP2001124653A JP30699599A JP30699599A JP2001124653A JP 2001124653 A JP2001124653 A JP 2001124653A JP 30699599 A JP30699599 A JP 30699599A JP 30699599 A JP30699599 A JP 30699599A JP 2001124653 A JP2001124653 A JP 2001124653A
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magnitude
map
phase
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宏 堀川
Masafumi Uchihara
誠文 内原
Nobuaki Suzuki
延明 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、アンバランスを修正するまでに要する
加工回数が多かった。本発明は1回又は2回の加工で、
加速度の大きさを規格内におさめられるようにする。 【解決手段】 本発明では、加速度の大きさと位相を測
定する第1測定工程と、修正量及び修正方位マップから
修正量及び修正方位を読み出す工程と、回転体を加工し
てアンバランスを修正する第1加工工程と、加速度の大
きさと位相を再測定する第2測定工程と、修正量マップ
内の修正量と修正方位マップ内の修正方位を更新する工
程と、更新された修正量マップと修正方位マップから第
2測定工程で測定された加速度の大きさと位相を検索キ
ーとして修正量及び修正方位を読み出す工程と、更新さ
れたマップから読み出された修正量と修正方位に基づい
て回転体を再加工してアンバランス修正を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転体のアンバラン
ス修正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回転体のアンバランス状態を測定し、測
定されたアンバランス量が規定値以上の場合に、回転体
に加えるべき修正量と修正方位を指示する技術が、特開
平6−201506号公報に記載されている。このアン
バランス測定方法では、回転体を所定速度で回転させな
がら、その回転体を回転可能に支持している支持体に生
じる加速度の大きさと、その回転体の基準線が所定方位
を向いたタイミングに対する加速度波形の位相を測定す
る。この技術では、回転体の回転数が所定回転数からず
れた状態で測定したときに合否判定を誤らないようにす
るために、合否判定の基準とする加速度の大きさを回転
数に対して予め記憶しておく。その上で、測定された加
速度の大きさと、合否判定の基準とする加速度の大きさ
を比較し、前者が後者以下であれば合格とし、以上であ
れば不合格とする。不合格の場合には、さらに、測定さ
れた加速度の大きさと位相に基づいて修正量と修正方位
を算出する。
【0003】この技術は、加速度の大きさが近似的にア
ンバランス量に等しく1対1に対応しており、従って測
定された加速度の大きさから修正量が算出できるという
知見に立脚している。修正量が算出されると、その修正
量に応じた質量のバランスが回転体に固定されてアンバ
ランス量が修正される。この技術ではバランスを付加す
ることでアンバランス状態を修正するが、回転体の一部
を切削してアンバランス状態を修正することもできる。
【0004】バランスを付加してアンバランスを修正す
る場合であれ、回転体の一部を切削してアンバランスを
修正する方法であれ、回転体のどこにバランスを付加す
るかあるいは、回転体のどこを切削するのかの情報が得
られなければアンバランス状態は修正できない。そこ
で、回転体に基準線を設けておき、その基準線が所定方
位を向いたタイミングに対する加速度波形の位相を測定
する。測定された位相に基づいて、バランスを付加ない
し切削する位置の基準線に対する方位が特定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した特開平6−2
01506号公報に記載の技術は、測定された加速度の
大きさが近似的にアンバランス量に等しいことから、測
定された加速度の大きさからそのアンバランス状態を修
正するために必要な修正量を算出する。また、回転体の
基準線が所定方位を向いたタイミングに対する加速度波
形の位相を測定し、測定された位相に基づいて修正加工
する位置の方位を特定する。この手法は、数学的あるい
は物理的には理にかなっているものの、実際に採用して
みると、良好な結果をもたらさない。本発明者らが数多
くの実験をしてみた結果、測定された加速度の大きさに
対応するアンバランス量だけ修正してみてもアンバラン
スは解消せず、かえって、測定された加速度の大きさに
対応するアンバランス量から外れた量だけ修正するほう
が、アンバランス状態の解消に有効なことを見出した。
【0006】図1の横軸は測定された加速度の大きさを
アンバランス量の単位(この場合mgcm)に換算した
ものを例示する。縦軸は修正量をアンバランス量の単位
で示している。図中のライン1は、従来の考え方による
ときの修正量を示し、アンバランス量の単位に換算され
た加速度の大きさと修正量が1対1で対応し、45度の
傾きを持っている。従来は、測定された加速度の大きさ
とライン1に基づいて修正量を算出していることにな
る。これに対して、ライン2は同一種の多数の回転体に
対する修正実績から得られた修正量を示し、アンバラン
ス状態を修正するために必要とされた修正量が理論的に
計算される値よりも大きかった例を示している。回転体
の種類によっては、アンバランス状態を修正するために
必要とされた修正量が理論的に計算される値よりも小さ
い場合も存在する。
【0007】本発明者らが、実際に必要とされた修正量
と数学的に算出される修正量とが一致しない原因を調べ
たところ、回転体が剛体ではなく、回転体が捩れる等の
現象が起き、その捩れの程度が修正加工の前後で相違す
るために、この不一致が生じることを確認した。即ち、
剛体であれば数学的に算出される量だけ修正加工すれば
アンバランスが解消するのに、実際には剛体でないため
に、剛体であればアンバランスが解消する量だけ修正加
工すると、その修正加工の影響が回転体に現れて、これ
が修正加工後の回転体に新たなアンバランス状態を生じ
させることが確認された。その結果、図1のライン2に
示すように、アンバランス状態を修正するのに実際に必
要とされた修正量が、測定された加速度の大きさから数
学的に算出される値からずれるのである。
【0008】同じことが修正方位にも現れ、測定された
位相から数学的に算出される方位を修正加工してもアン
バランスは解消せず、数学的に算出される方位とは異な
る方位を修正加工しないとアンバランスが解消されない
ことが確認された。図2がそれを示し、ライン3が数学
的に算出される位相と修正方位の関係を示し、ライン4
が測定された位相とアンバランスを解消するのに実際に
必要とされた修正方位の関係を示している。
【0009】以上の認識が得られたことから、今まで、
発明者らは、図1のライン2と図2のライン4を実験的
に求め、測定された加速度の大きさとライン2の関係か
ら修正量を求め、測定された位相と図2のライン4の関
係から修正方位を求め、求められた修正量と修正方位で
回転体を加工してアンバランスを解消している。実際に
は、図1のライン2の関係に従って、測定された加速度
の大きさに対して修正量をマップしておき、この修正量
マップから修正量を読み出す。あるいは図2のライン4
の関係に従って、測定された位相に対して修正方位をマ
ップしておき、この修正方位マップから修正方位を読み
出す。
【0010】回転体が剛体でないことに着目し、アンバ
ランスを解消するに必要な修正量と修正方位は数学的に
算出されるものでないことを認識し、この認識に基づい
て、修正量マップと修正方位マップを作成し、これらの
マップを利用して修正量と修正方位を読み出す手法は、
本発明者らによって開発されたものであり、本出願人の
工場内でのみ実施されており、また、特許公報を調査し
ても発見されず、特許法でいう従来技術にあたらないと
考える。
【0011】上記のマップ化技術は、数学的に算出され
た修正量と修正方位によって修正加工するのに比して良
好な修正結果をもたらすものの、許されるアンバランス
量が厳格になってくるとなおも問題を残している。
【0012】この原因を種々に調べてみた結果、複雑な
要因が複合してアンバランスが修正されるのに起因し
て、図1のライン2と図2のライン4が時の経過ととも
に変動し、嘗ては正しかった関係が現時点では得られな
いことに起因していることが確認された。この結果、マ
ップ方式を利用しても、許されるアンバランス量が厳格
な場合、一度の修正加工でアンバランス状態を解消でき
る確率が悪くなり、アンバランス状態を修正するまでに
要する加工回数が多くなってしまう。また修正に要する
加工回数も不確定となり、最悪の場合に備えてサイクル
タイムを長く取らざるを得なかった。また一つのワーク
について加工できる位置ないし回数に上限数があり、そ
の上限回数まで加工を繰返してもまだアンバランス状態
を解消できない回転体が存在し、これらの回転体は不良
品となってしまう。
【0013】本発明は1回又は2回の修正加工で、加速
度の大きさを規格値内におさめられるようにすることを
目的とする。そのために、本発明は、図1ないし図2に
例示した、測定された加速度の大きさから修正量を読み
出す修正量マップと、測定された位相から修正方位を読
み出す修正方位マップを適宜更新し、更新されたマップ
から読み出される修正量と修正方位で修正加工すること
によってアンバランス状態が効果的に修正されるように
するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段と作用と効果】本発明の一
つのアンバランス修正方法は、図3に模式的に示すよう
に、回転体を所定速度で回転させながら、その回転体を
回転可能に支持している支持体に生じる加速度の大きさ
と、その回転体の基準線が所定方位を向いたタイミング
に対する加速度波形の位相を測定する第1測定工程と、
加速度の大きさに対して修正量を予め記憶している修正
量マップから、測定された加速度の大きさを検索キーと
して修正量を読み出す工程と、位相に対して修正方位を
予め記憶している修正方位マップから、測定された位相
を検索キーとして修正方位を読み出す工程と、読み出さ
れた修正量と修正方位に基づいて回転体を加工する第1
加工工程と、第1加工された回転体を所定速度で回転さ
せながら、加速度の大きさと位相を再測定する第2測定
工程と、加工前後に測定された加速度の大きさと位相と
第1加工工程での修正量に基づいて前記修正量マップ内
の修正量を更新する工程と、加工前後に測定された加速
度の大きさと位相と第1加工工程での修正方位に基づい
て前記修正方位マップ内の修正方位を更新する工程と、
更新された修正量マップから、第2測定工程で測定され
た加速度の大きさを検索キーとして修正量を読み出す工
程と、更新された修正方位マップから、第2測定工程で
測定された位相を検索キーとして修正方位を読み出す工
程と、更新されたマップから読み出された修正量と修正
方位に基づいて回転体を再加工する第2加工工程とを有
する。
【0015】この方法の技術内容を図4に例示される場
合を例にして説明する。まず、第1測定工程で、図4
(A)に例示される加速度の大きさA0と位相B0が測
定される。この結果、回転体が基準線に対してどの方位
にどれだけアンバランスになっているかが測定される。
【0016】次に、修正量マップから、測定されたアン
バランス量を解消するために必要な修正量が読み出され
る。このとき、前述したように、測定されたアンバラン
ス量から数学的に算出される修正量でなく、修正加工さ
れることによって回転体が受ける影響をも取り入れて、
修正加工後にアンバランス量が結果として解消する修正
量が読み出される。同様に、修正方位マップから修正方
位が読み出される。このときも、測定された位相から数
学的に算出される方位でなく、修正加工されることによ
って回転体が受ける影響をも取り入れて、修正加工後に
アンバランス状態が結果として解消する修正方位が読み
出される。図4(B)の場合、測定された加速度の大き
さA0をキーとしてライン5に例示される修正量マップ
が参照されてA1の修正量が読み出され、図4の(C)
では、測定された位相B0をキーとしてライン6に例示
される修正方位マップが参照されてB1の修正方位が読
み出された場合を例示している。
【0017】次に、読み出された修正方位B1で読み出
された修正量A1だけ修正加工される。
【0018】修正加工後に、再度、加速度の大きさと位
相が測定される。図4の場合、図4(E)に例示される
ように、修正加工された回転体によって、A3の大きさ
の加速度が測定され、B3の位相が測定された場合を示
している。
【0019】図4の(D)と(E)は、回転体の回転中
心を原点Oにとり、回転体に設けられた基準線OXを基
準にして、アンバランス量を長さであらわし、アンバラ
ンスの方位を角度であらわしたベクトル図を示す。
(D)の点P0は、第1回測定工程での測定結果を示
し、測定された加速度の大きさをアンバランス量の単位
に換算したものがA0であり、測定された位相を基準線
OXに対する角度に換算したものがB0であることを示
している。
【0020】回転体が剛体であれば、回転体の方位B0
でA0の量だけ修正すれば、回転体のアンバランスは解
消する。しかるに、回転体が剛体でなければ、回転体の
方位B0でA0の量だけ修正すると、修正加工した影響
が回転体に現れて、アンバランスは解消しない。そこ
で、実際にアンバランス状態が解消した結果に基づいて
マップが用意されている。図4(B)のライン5が測定
された加速度の大きさに対してアンバランス状態を解消
するに要した修正量の関係を示している。同様に、図4
(C)のライン6が測定された位相のアンバランスを解
消するのに要した修正方位の関係を示している。
【0021】このことを図4の(D)を用いて説明する
と、最初に点P0にあったアンバランス状態が修正方位
B1で修正量A1だけ修正加工されると、修正加工の結
果として回転体の剛性等が変化し、この変化に起因して
アンバランス状態が点P1から回転中心Oに移動するた
めに、アンバランス状態が解消されることを示してい
る。
【0022】修正加工の結果現れるアンバランス状態の
移動が、点P1から回転中心Oに起こる場合、マップ方
式は極めて優れている。実際にマップを作成した直後
は、正しい修正量と修正方位を指示する。
【0023】しかるに、時間の経過とともに、修正加工
によって生じるアンバランス状態の移動が変化してくる
ことがわかってきた。図4(E)は、回転体の剛性の変
化等に起因するアンバランス状態の変化がP1→Oであ
ったものがP1→P2に変化したことをを示している。
こう変化してしまったために、マップで指示される修正
量と修正方位で修正しても、図4(D)の変化が起こら
ず、図4(E)の変化が起きて、加工後もアンバランス
が解消しないことを示している。
【0024】この発明では、最初の加工後に再度、加速
度の大きさと位相を測定する。図4(E)は、再測定の
結果、加速度の大きさがA3で位相がB3のアンバラン
ス状態が測定されたことを例示している。この再測定の
結果、修正加工に伴って生じるアンバランス状態の変化
が、マップ作成当時はP1→Oであったものが、P1→
P2に変化したことがわかる。すなわち、マップの記憶
内容がもはや妥当でなく、更新を要することがわかる。
【0025】この発明ではそこでマップを更新する。更
新の計算方法には各種態様があるが、以下にその一例を
紹介する。図4(E)から理解できるように、点P0と
点P2を結ぶベクトルの長さA2が、修正量A1によっ
て実現されたアンバランスの変化量であることがわか
る。即ち、図4(B)のグラフにおいて、測定されたア
ンバランス量ないし加速度の大きさがA2であるとき
に、修正量A1だけ加工すれば、修正加工の結果アンバ
ランス状態がP1からP2に変化する影響が相乗して発
生するために、A2のアンバランス量が解消することか
ら、用いるべき修正量マップはライン5でなく、ライン
7に基づいたものでなければならないことがわかる。
【0026】同様に、B1の修正方位を修正することで
生じたアンバランス状態の移動方向がB2であったこと
から、測定された位相がB2であるときにB1の方位を
修正すべきことがわかる。用いるべき修正方位マップは
図4(C)のライン6でなく、ライン8に基づいたもの
でなければならないことがわかる。
【0027】そこで、この発明では、2度目の測定の後
で、修正量マップをライン5に基づくものからライン7
に基づくものに更新し、修正方位マップをライン6に基
づくものからライン8に基づくものに更新する。
【0028】そして、2度目に測定されたアンバランス
状態を解消するためには、更新されたマップを用いて修
正量と修正方位を読出し、読み出された修正方位を読み
出された修正量だけ修正加工する。以上によって、2回
目の加工時には、残ったアンバランス状態とそれを解消
するのに必要な修正量と修正方位の関係が正しく更新さ
れた状態で修正加工され、2度目の修正加工でアンバラ
ンス状態が確実に修正される。
【0029】上記の方法の場合、第1加工工程におい
て、読み出された修正量を所定量増大して回転体を加工
することが好ましい。このようにすると、1度目の修正
方位に対して2度目の修正方位がほぼ180度変化する
ことになり、2度目の修正加工時に回転体に加工代が残
っていないという事態の発生を防ぐことができる。
【0030】本発明の第2の修正方法は、図5に大略が
示されているように、回転体を所定速度で回転させなが
ら、その回転体を回転可能に支持している支持体に生じ
る加速度の大きさと、その回転体の基準線が所定方位を
向いたタイミングに対する加速度波形の位相を測定する
第1測定工程と、加速度の大きさに対して修正量を予め
記憶している修正量マップから、測定された加速度の大
きさを検索キーとして修正量を読み出す工程と、位相に
対して修正方位を予め記憶している修正方位マップか
ら、測定された位相を検索キーとして修正方位を読み出
す工程と、読み出された修正量と修正方位に基づいて回
転体を加工する加工工程と加工された回転体を所定速度
で回転させながら、加速度の大きさと位相を再測定する
第2測定工程とを有する回転体のアンバランス修正方法
において、過去に実施した複数個の回転体の加工前後に
測定された加速度の大きさと位相とそのときの修正量に
基づいて前記修正量マップ内の修正量を更新する工程
と、過去に実施した複数個の回転体の加工前後に測定さ
れた加速度の大きさと位相とそのときの修正方位に基づ
いて前記修正方位マップ内の修正方位を更新する工程と
を付加したことを特徴とする。
【0031】この方法では、図4の(B)(C)で示し
たライン5から7への更新、ライン6から8への更新
が、過去に実施した複数のワークの修正結果に基づいて
実施されており、第1回目の修正加工において正しい関
係が利用され、1回の修正加工でアンバランス状態が解
消する確率が増大する。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明をターボチャージャ
アッシ19のアンバランス修正方法に適用した実施の形
態を説明してする。最初に回転体であるターボチャージ
ャアッシ19と修正部12について説明する。図6は、
ターボチャージャアッシ19をボディ22とマウント2
4を介して振動架台26に取付け、制御装置32を用い
てアンバランス状態を測定して修正量と修正方位を解明
する処理を行なっている状態を略的に示している。
【0033】ターボチャージャアッシ19は、一端にタ
ービンホイール18が形成されたシャフト14にインペ
ラ16がインペラナット12によって固定されることで
形成されている。インペラ16は、ターボチャージャア
ッシ19の外側(図6の右側)に位置するインペラナッ
ト12とシャフト14に設けられた段差によってシャフ
ト14に固定されている。インペラナット12、シャフ
ト14、インペラ16、タービンホイール18は同軸に
配置されている。ターボチャージャアッシ19はベアリ
ング20によってボディ22に回転自在に支持されてい
る。ボディ22にはハウジング22aが設けられてい
る。ハウジング22aには吸気口22b、排気口22c
が設けられている。圧縮空気が吸気口22bから吸気さ
れて排気口22aから排気されることで、ターボチャー
ジャアッシ19は高速で回転する。ターボチャージャア
ッシ19が回転体となっている。
【0034】インペラ16の面16aの回転方向の1箇
所には、後述する位相検出用レーザ29を反射する反射
テープが取り付けられている。その取り付けられる位置
は、投受光素子28から投光された位相検出用レーザ2
9を反射させてその投受光素子28に受光させることが
できる位置である。回転軸と反射テープを結ぶ線が回転
体19の基準線である。
【0035】ターボチャージャアッシ19がボディ22
に回転自在に支持されたターボチャージャ10は、マウ
ント24を介して振動架台26に固定される。振動架台
26には加速度ピックアップ30が設置されている。
【0036】前記加速度ピックアップ30は制御装置3
2に接続されている。制御装置32は、表示部34、入
力・指示部36、マップ更新部38、マップ記憶部40
から構成されている。入力・指示部36には投受光素子
28、加速度ピックアップ30、修正加工装置42が接
続されており、位相検出レーザ29の投受光による投受
光素子28からの信号と、加速度ピックアップ30から
の回転体の回転時における加速度信号が入力される。入
力・指示部36に備えられたコンピュータは投受光素子
28からの信号と加速度ピックアップ30からの加速度
信号により、図4(A)に例示した加速度の大きさと位
相を測定する。図6の入力・指示部36は測定された加
速度の大きさと位相に対応する修正量と修正方位をマッ
プ記憶部40から読み出す。また入力・指示部36は読
み出された修正量と修正方位をマップ更新部38と修正
加工装置42に出力する。マップ更新部38は後記のよ
うにしてマップ記憶部40に記憶されていた修正量と修
正方位を更新する。マップ記憶部40は更新された修正
量マップと修正方位マップを新たに記憶する。表示部3
4は前述した加速度の大きさと位相、読み出された修正
量と修正方位、さらに、操作者が選定するデータを表示
する。また、アンバランス修正の合否判定も表示する。
【0037】次に、実際の作動の様子を説明する。吸気
口22bから圧縮エアが矢印44の方向でハウジング2
2a内に吸気される。その圧縮エアがタービンホイール
18に吹き付けられ、タービンホイール18はシャフト
14を回転軸として回転する。タービンホイール18を
回転させた圧縮エアは矢印46の方向でハウジング22
aから排気される。吸気口22bからの吸気量が一定に
保たれることで、測定中のターボチャージャアッシ19
の回転数が一定に保たれる。
【0038】シャフト14が回転すると、そのシャフト
14に固定されたインペラナット12とインペラ16が
回転する。前述したようにインペラ16の面16aに
は、位相検出用レーザ29を反射する反射テープが取り
付けられている。インペラ16が回転して位相検出用レ
ーザ29が反射テープに反射される度に投受光素子28
がその反射された位相検出用レーザ29を受光して、受
光オン・オフ信号又は受光強度信号を入力・指示部36
に出力する。このとき同時に入力・指示部36には、加
速度ピックアップ30により回転体19が回転すること
で回転体19を回転自在に支持している振動架台26に
生じる振動によってもたらされる加速度信号が入力され
る。入力・指示部36に備えられたコンピュータは、投
受光素子28からの受光信号と加速度ピックアップ30
からの加速度信号により、加速度の大きさと位相を測定
する。この工程が第1測定工程であり、図7におけるス
テップS2である。受光信号の検出時(これは回転体1
9の基準線が所定方位を向いた瞬間であり、図4(A)
に示した基準線の所定方位タイミングに相当する)と加
速度波形の最大時の時間差に回転軸の角速度を乗した値
が位相である。したがって、加速度の大きさが最大にな
る回転体の方位と前述した基準線との間にどれだけの角
度、つまりどれだけの方位のずれが存在しているのかが
判る。このステップS2で測定された加速度の大きさを
A0、位相をB0とする。
【0039】回転体19の中心である回転軸(シャフト
14の中心に相当)を原点Oにとり、インペラ16に設
けられた基準線(回転軸と反射テープを結ぶ線に相当す
る)OXを基準にして、アンバランス量を長さであらわ
し、アンバランスの方位を角度であらわしたベクトル図
である図13(C)において、第1測定工程の測定結果
が点P0で示される。
【0040】図7のステップS4で、ステップS2で測
定された加速度の大きさA0が規格値以内か否かを比較
する。規格値以内の場合は、図6中の表示部34でその
旨が表示されて次工程(ステップS26)に進む。この
場合、修正加工処理がスキップされる。規格値外の場合
は図7のステップS6、S8に進む。
【0041】ステップS6では図6のマップ記憶部40
に記憶されている修正量マップから、測定されたアンバ
ランス量を解消するために必要な修正量が読み出され
る。このとき、測定されたアンバランス量から数学的に
算出される修正量でなく、修正加工されることによって
回転体が受ける影響をも取り入れて、修正加工後にアン
バランスを解消する修正量が読み出される。同様に、図
7のステップS8では修正方位マップから修正方位が読
み出される。このときも、測定された位相から数学的に
算出される方位でなく、修正加工されることによって回
転体が受ける影響をも取り入れて、修正加工後にアンバ
ランスを解消する修正方位が読み出される。
【0042】本実施の形態の場合、図13(A)におい
て、測定された加速度の大きさA0をキーとして修正量
マップのライン5(修正加工されることによって回転体
が受ける影響が取り入れられている)が参照されてA1
の修正量が読み出される。同様に図13(B)におい
て、測定された位相B0をキーとして修正方位マップの
ライン6(修正加工されることによって回転体が受ける
影響が取り入れられている)が参照されてB1の修正方
位が読み出される。つまり、図13(D)中、点P0で
示されるアンバランス状態が解消することが過去の実験
によって確認されている値が読み出される。過去の実験
結果は、後述する第1加工工程において修正方位B1で
修正量A1だけ修正加工されると、その修正加工の結
果、本来的な修正の効果に加えて、加工によって回転体
の剛性等が変化してその変化がアンバランス状態を点P
1から回転中心Oに移動させることを教えているという
ことができる。。
【0043】第1加工工程である図7のステップS10
では、読み出された修正方位B1で読み出された修正量
A1だけインペラナット12が修正加工される。この修
正加工は、図6に示される修正加工装置42によって修
正される。修正加工後のインペラナット12の外観を図
8に示す。図中Aが修正加工によって除去された部分で
ある。
【0044】修正加工後に第2測定工程である図7のス
テップS12で、再度、加速度の大きさと位相が測定さ
れる。以下では、第2測定工程S12で、図13(C)
に示すように点P2(加速度の大きさA3、位相B3)
のアンバランス状態となった場合を説明する。この場
合、修正加工の結果、アンバランス状態が点P1から回
転中心Oに移動せず、点P1から点P2に移動してい
る。これは前述したように時間の経過とともに、修正加
工によって生じるアンバランス状態の移動は変化するか
らである。
【0045】次に、図7のステップS14が実行され、
点P2に対応する加速度の大きさA3が規格値以内か否
かを比較する。規格値以内の場合は、図6中表示部34
でその旨が表示されて次工程(ステップS26)に進
む。規格値外の場合は図7中ステップS16、S18に
進む。
【0046】前述したように時間の経過とともに、修正
加工によって生じるアンバランス状態の移動は変化す
る。この場合、点0になるべきものが点P2(加速度の
大きさA3、位相B3)になったことを示している。そ
の点P2が規格値外になった場合にはマップの更新が明
らかに必要である。そこで本発明ではステップS16、
S18でマップを更新する。
【0047】ステップS16では、図13(A)の、ア
ンバランス量A0を修正するには修正量A1が必要であ
るとするライン5の修正量マップから、修正量A1だけ
修正したらA2だけアンバランス量が変化したことに対
応するライン7の修正量マップに更新する。同様にステ
ップS18では、図13(B)での、方位B0のアンバ
ランスを修正するには修正方位B1を修正することが必
要であるとするライン6に基づく修正方位マップから、
修正方位B1で修正したら方位B2方向のアンバランス
の変化が生じたことを示すライン8に基づく修正方位マ
ップに更新する。
【0048】次に、図7のステップS20で、図13
(A)のライン7で示される、更新された修正量マップ
から、2回目に測定された加速度の大きさA3をキーと
して修正量A4が読み出される。同様に、図7のステッ
プS22で、図13(B)のライン8で示される、更新
された修正方位マップから、2回目に測定された位相B
3をキーとして修正方位B4が読み出される。
【0049】このときアンバランス量を長さで示し、ア
ンバランスの方位を角度であらわしたベクトル図である
図13(C)において、三角形Pと三角形P
Oは相似形であって、第1回加工でおきた現象が
再現されれば、第2回の加工後に、アンバランスポイン
トが点Oに移動するはずの修正量A4と修正方位B4が
読み出される。第2加工工程である図7のステップS2
4では、前記ステップS22で読み出された修正方位B
4で、前記ステップS20で読み出された修正量A4だ
けインペラナット12が再度修正加工される。このステ
ップS24では、アンバランス状態とそれを解消するの
に必要な修正量と修正方位の関係が該ワークに対応して
正しく更新された状態で修正加工されている。したがっ
て、2度目の修正加工でアンバランス状態が確実に修正
される。
【0050】従来は加速度の大きさが規格値以内になる
までに何回修正加工すればよいのか不明であったため、
サイクルタイムのばらつきが大きかった。しかし本実施
の形態の方法を用いることにより、確実に2回以内で修
正加工が完了するので、サイクルタイムのばらつきを減
少させることができる。また、図9に示すように、イン
ペラナット12の修正加工回数には限界(通常は4回)
があり、それ以上の回数の修正加工は物理的に不可能で
ある。従来はその限界回数の修正加工を行なってもなお
加速度の大きさが規格値外のワークがあり、これらは不
良品とされていた。しかし本形態の方法を用いることに
より、確実に2回以内で修正加工が完了するので、修正
箇所を減らすことができる。その結果、不良品となる製
品数を大幅に減少させることができる。
【0051】修正量マップ、修正方位マップに従って2
回目の修正加工を行なうとき、1回目と2回目の修正方
位が近い場合(図10)も考えられる。この場合、イン
ペラナット12に加工代がないため第2加工工程を行な
えず、製品不良となってしまうことがある。それを避け
るために、本実施の形態では、図7のステップS10の
第1加工工程において、ステップS6で読み出された修
正量を所定量増大してインペラナット12の修正加工を
行なうことが好ましい。その結果、1回目の修正方位に
対して2回目の修正方位がほぼ確実にほぼ180度変化
する(図11)ことになり、2度目の修正加工時にイン
ペラナット12に加工代が残っていないという事態の発
生を防ぐことができる。
【0052】次に第2の実施態様に係わる修正方法を説
明する。その大略を図12に示す。第2の修正方法で
は、第1の修正方法と同様に、図12のステップS2の
第1測定工程で加速度の大きさと位相の測定を行ない、
ステップS4で加速度の大きさが規格値以内か否かを比
較する。規格値以内の場合は、図6中表示部34でその
旨が表示されて次工程(図12中ステップS26)に進
む。規格値外の場合はステップS6、S8に進む。
【0053】ステップS6では修正量マップから、測定
されたアンバランスを解消するために必要な修正量が読
み出される。このとき必要な修正量が図6のマップ記憶
部40に記憶されている修正量マップから読み出され
る。第2の修正方法で用いられる修正量マップは、直近
の過去に複数回実施されたインペラナット12の加工前
後に測定された加速度の大きさと位相とそのときの修正
量に基づいて更新されたものであり、この更新処理が図
7のステップS32に示されている。
【0054】過去の経緯に照らしてマップを更新する方
法には各種の平均化手法が採用でき、例えば、加工前後
の加速度の大きさと位相とそのときの修正量から、図1
3(C)に示した方法で更新された図13(A)のライ
ンの傾きのデータを過去100個分について単純平均し
て次の101個目の傾きとする手法、あるいは、古いデ
ータ程小さく重み付け、新しいデータほど重く重み付け
て重み付け平均を取る方法、あるいは、データを計時的
に分析してその変化傾向を将来に向けて延長することで
101個目のグラフ7を予想する方法などを採用するこ
とができる。
【0055】同様に図12のステップS34では、過去
の修正実績に基づいて、修正方位と実際に生じるアンバ
ランスの変化方向が更新され、次の回転体の修正に備え
られる。
【0056】前述したことから明らかに、修正量マップ
と修正方位マップが、ステップS32とS34におい
て、直近の過去の実績によって更新されているために、
図12のステップS6、S8で読み出される修正量と修
正方位は、次の加工においてアンバランスを修正するの
に必要な正しい値に更新された値となっている。このた
めに、この方法によると、1回の修正加工でアンバラン
ス状態を解消できる。
【0057】第1の方法では、1回目の加工実績によっ
て図13(A)のライン5からライン7へ更新するのに
対し、第2の方法では、過去の加工実績に基づいて、新
たな回転体19を1回目に加工する以前の段階で図13
(A)のライン5からライン7への更新が実施されてい
るので、更新されたライン7が参照され、測定された加
速度の大きさA0をキーとしてA5の修正量が読み出さ
れる。この修正量A5で1回目の修正加工が実施されれ
ば、1回の加工だけでアンバランスが解消する。
【0058】同様に、第1の方法では、1回目の加工実
績によって図13(B)のライン6からライン8へ更新
するのに対し、第2の方法では、過去の加工実績に基づ
いて、新たな回転体19を1回目に加工する以前の段階
で図13(B)のライン6からライン8への更新が実施
されているので、更新されたライン8が参照され、測定
された位相B0をキーとしてB5の修正方位が読み出さ
れる。この修正方位B5で1回目の修正加工が実施され
れば、1回の加工だけでアンバランスが解消する。
【0059】アンバランス量を長さで示し、アンバラン
スの方位を角度であらわしたベクトル図である図13
(C)(D)において、三角形Pと三角形P
Oが相似形となる修正量A5と修正方位B5が、
1回目の加工時に読み出されることから、1回の加工で
アンバランスが解消されるのである。
【0060】加工工程である図12のステップS10で
は、読み出された修正方位B5で読み出された修正量A
5だけインペラナット12が修正加工される。アンバラ
ンス状態とそれを解消するのに必要な修正量と修正方位
の関係が、該ワークに対応して正しく更新された状態で
修正加工される。
【0061】出荷する製品が規格値内にあることを検証
するために、第2の方法による場合でも、加工後に再測
定することが好ましいが、1回の加工で規格値内に収ま
っている可能性が高く、場合によって省略することがで
きる。しかしながら、この第2の方法では、むしろ、そ
れ以後に修正処理をする回転体のために、修正量マップ
と修正方位マップを更新するために、加工後のアンバラ
ンス状態が再測定される。
【0062】第2の修正方法では、ステップS12で測
定された加速度の大きさと位相のデータはマップ更新部
38に取りこまれる。このとき、この一連の工程におけ
る前記ステップS2で測定された加速度の大きさと位相
及びステップS6での修正量と修正方位のデータは共に
一グループ化されてマップ更新部38に取りこまれ、マ
ップ更新部38ではこれらのデータから更新された修正
量と修正方位を算出し、算出した修正量と修正方位をマ
ップ記憶部40に送る。この結果、マップ記憶部40に
記憶されていた更新前の修正量マップと修正方位マップ
が更新される。
【0063】そして、ステップS12後は、前述したよ
うに修正量マップ、修正方位マップが更新・記録される
と共に、次工程(ステップS26)に進む。
【0064】この第2の修正方法では、前述してきたよ
うに、過去に実施したワークに基づいたデータを利用し
て、より現状のワークの傾向に近い修正指示を行なうこ
とができるので、第1回の修正加工に際して正しい関係
が利用され、1回の修正加工でアンバランスが解消する
確率が増大する。
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】加速度の大きさとそれから数学的に算出される
修正量と修正実績から得られた修正量の関係を示してい
る。
【図2】位相とそれから数学的に算出される修正方位と
修正実績から得られた修正方位の関係を示している。
【図3】第1の発明の手順を示すフローチャートであ
る。
【図4】(A)は、加速度の大きさと位相を説明するグ
ラフである。(B)は、更新前後の修正量指示マップで
ある。(C)は、更新前後の修正方位指示マップであ
る。(D)は、第1加工前のベクトル図である。(E)
は、第1加工前後のベクトル図である。
【図5】第2の発明の手順を示すフローチャートであ
る。
【図6】回転体と測定装置を示す図である。
【図7】実施の形態で実行される工程を示すフローチャ
ートである。
【図8】1回目修正加工後のインペラナットの外観を示
す。
【図9】修正加工回数が限界になったインペラナットの
外観を示す。
【図10】1回目と2回目の修正方位が近い値が読み出
された場合に加工代が取れないことを示す。
【図11】1回目の修正方位に対して2回目の修正方位
がほぼ180度変化したインペラナットを示す。
【図12】第2の実施の形態で実行される工程を示すフ
ローチャートである。
【図13】(A)は、第1、2の修正方法による更新前
後の修正量指示マップである。(B)は、第1、2の修
正方法による更新前後の修正方位指示マップである。
(C)は、第1の修正方法による第1、2加工前後のベ
クトル図である。(D)は、第2の修正方法による加工
前後のベクトル図である。
【符号の説明】
19 ・・ターボチャージャアッシ 12 ・・インペラナット 14 ・・シャフト 16 ・・インペラ 28 ・・投受光素子 29 ・・位相検出用レーザ 30 ・・加速度ピックアップ 32 ・・制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 延明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 2G021 AK10 AM07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体を所定速度で回転させながら、そ
    の回転体を回転可能に支持している支持体に生じる加速
    度の大きさと、その回転体の基準線が所定方位を向いた
    タイミングに対する加速度波形の位相を測定する第1測
    定工程と、 加速度の大きさに対して修正量を予め記憶している修正
    量マップから、測定された加速度の大きさを検索キーと
    して修正量を読み出す工程と、 位相に対して修正方位を予め記憶している修正方位マッ
    プから、測定された位相を検索キーとして修正方位を読
    み出す工程と、 読み出された修正量と修正方位に基づいて回転体を加工
    する第1加工工程と、 第1加工された回転体を所定速度で回転させながら、加
    速度の大きさと位相を再測定する第2測定工程と、 加工前後に測定された加速度の大きさと位相と第1加工
    工程での修正量に基づいて前記修正量マップ内の修正量
    を更新する工程と、 加工前後に測定された加速度の大きさと位相と第1加工
    工程での修正方位に基づいて前記修正方位マップ内の修
    正方位を更新する工程と、 更新された修正量マップから、第2測定工程で測定され
    た加速度の大きさを検索キーとして修正量を読み出す工
    程と、 更新された修正方位マップから、第2測定工程で測定さ
    れた位相を検索キーとして修正方位を読み出す工程と、 更新されたマップから読み出された修正量と修正方位に
    基づいて回転体を再加工する第2加工工程とを有する回
    転体のアンバランス修正方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアンバランス修正方法
    であり、第1加工工程において、読み出された修正量を
    所定量増大して回転体を加工することを特徴とする回転
    体のアンバランス修正方法。
  3. 【請求項3】 回転体を所定速度で回転させながら、そ
    の回転体を回転可能に支持している支持体に生じる加速
    度の大きさと、その回転体の基準線が所定方位を向いた
    タイミングに対する加速度波形の位相を測定する第1測
    定工程と、 加速度の大きさに対して修正量を予め記憶している修正
    量マップから、測定された加速度の大きさを検索キーと
    して修正量を読み出す工程と、 位相に対して修正方位を予め記憶している修正方位マッ
    プから、測定された位相を検索キーとして修正方位を読
    み出す工程と、 読み出された修正量と修正方位に基づいて回転体を加工
    する加工工程と、 加工された回転体を所定速度で回転させながら、加速度
    の大きさと位相を再測定する第2測定工程とを有する回
    転体のアンバランス修正方法において、 過去に実施した複数個の回転体の加工前後に測定された
    加速度の大きさと位相とそのときの修正量に基づいて前
    記修正量マップ内の修正量を更新する工程と、 過去に実施した複数個の回転体の加工前後に測定された
    加速度の大きさと位相とそのときの修正方位に基づいて
    前記修正方位マップ内の修正方位を更新する工程とを付
    加したことを特徴とする回転体のアンバランス修正方
    法。
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