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JP2001123172A - 液晶組成物及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶組成物及び液晶表示素子

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JP2001123172A
JP2001123172A JP30682199A JP30682199A JP2001123172A JP 2001123172 A JP2001123172 A JP 2001123172A JP 30682199 A JP30682199 A JP 30682199A JP 30682199 A JP30682199 A JP 30682199A JP 2001123172 A JP2001123172 A JP 2001123172A
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liquid crystal
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mass
compound
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JP30682199A
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Shinji Ogawa
真治 小川
Hiroyuki Onishi
博之 大西
Masashi Osawa
政志 大澤
Kiyobumi Takeuchi
清文 竹内
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 レスポンス等の液晶諸特性を低下させること
なく、電流値を抑制した信頼性の高い液晶組成物を提供
すること、また、この液晶組成物を使用したコントラス
トの高い液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 第一成分:一般式(I) (式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基を表
す。)及び第二成分:一般式(II)及び(III)からなる群 具体的には例えば 等を含有し、N相上限温度75℃以上、Δn0.07〜0.24の
液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気光学的液晶表示
材料として有用なネマチック液晶組成物及び、これを用
いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(LCD)は、電卓のディスプ
レイとして登場して以来、コンピューターの開発と歩み
を同じくして、TN-LCD(捻れネマチック液晶表示装置)か
ら、STN-LCDへと表示容量の拡大に対応してきた。STN-L
CDは、シェファー(Scheffer)等[SID '85 Digest, 120
頁(1985年)]、あるいは衣川等[SID '86 Digest, 122
頁(1986年)]によって、開発され、ワードプロセッサ、
パーソナルコンピュータなどの高情報処理用の表示に広
く普及しはじめている。最近、STN-LCDでの応答特性を
改善する目的でアクティブアドレッシング駆動方式が提
案されている。(Proc.12th International Display Res
earch Conference p.503 1992年)また、携帯用端末表示
(Personal Digital Assistance)ではより広い温度域で
良好な表示特性が要求されている。この様な液晶材料と
して粘性が低く、駆動電圧が低くなおかつ広い温度範囲
に対して一定値を保持することや、あるいは種々の時分
割に対応した周波数範囲で駆動電圧が変動しないことが
要求されている。しかし、表示素子に組み込んだときの
応答速度やコントラストなどはまだ十分とは言えず、現
在も新しい液晶化合物あるいは液晶組成物の提案がなさ
れている。
【0003】上述のようにTN-LCDやSTN-LCDの重要な特
性改善課題の一つにコントラストの向上がある。LCDの
急速な用途拡大に伴い、室内で使用されるだけでなく、
コンピューターの携帯端末ディスプレイ、車載用計器、
屋外使用計測機のディスプレイのように、温度条件の過
酷な屋外で使用されることが増加してきた。LCDが置か
れる環境の温度変化による表示コントラストの低下が問
題になってきている。また、屋外での使用では高い信頼
性も求められるようになってきた。
【0004】周囲の温度変化によるLCD表示品位の低下
の原因は、様々な要因が上げられるが、ネマティック液
晶の弾性定数・誘電率などの温度変化と添加したカイラ
ル物質の固有ピッチの温度変化に起因する閾値電圧Vth
の温度変化を押さえるため、カイラル物質の固有ピッチ
の温度変化を制御することにより、閾値電圧の温度依存
性を改善する提案(特開昭55-38869)はすでに知られてお
り、母体液晶とカイラル物質の組み合わせにより、その
効果が変化する事や、カイラル量を増やすことにより、
レスポンス等の表示特性に悪影響を及ぼすことが問題に
なっていた。
【0005】しかし、液晶中に含まれるイオン性物質の
易動度の温度変化により電流値が増加するため、液晶に
かかる実効値電圧がイオンにより消費され、コントラス
ト及び信頼性を低下させることに起因する改善策は知ら
れていない。特に、その骨格中にエステル結合を有する
化合物を多数含む液晶組成物で顕著であり、エステル結
合を有する化合物を減らした液晶組成物が求められてい
た。
【0006】また、携帯端末ディスプレイ等に用いられ
る場合、その消費電力を抑えるために駆動電圧を下げる
ことが行われているが。この様な用途に用いられるとき
の液晶組成物には低閾値電圧が求められる。しかし、駆
動電圧を下げる材料(誘電率異方性の大きい)を組み合わ
せるとレスポンスに悪影響を及ぼし、この影響を避ける
ためには表示素子のセル厚を薄くする必要がある。セル
厚を薄くするとリタデーションを一定にするためには屈
折率の異方性の大きい材料を組み合わせる必要が生じ
る。すなわち、屈折率の異方性はビシクロヘキサン骨格
<フェニルシクロヘキサン骨格<ビフェニル骨格の順であ
り、この順序がより好ましい液晶組成物の構成化合物と
なる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、レスポンス、閾値電圧等の液晶諸特性を低
下させることなく、電流値を抑制した信頼性の高い液晶
組成物を提供すること、また、この液晶組成物を使用し
たコントラストの高い液晶表示素子を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、種々の液晶化合物を用いた液晶組成物を
検討した結果以下の液晶組成物を見いだした。
【0009】発明1 第一成分として一般式(I)
【0010】
【化9】
【0011】(式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基
を表す。)から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を
含有し、第二成分として一般式(II)、(III)
【化10】 (式中、R2、R3、R4はそれぞれ独立的にフッ素置換され
ていても良い炭素原子数1〜16のアルキル基またはアル
コキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原
子数3〜16のアルケニルオキシ基、または炭素原子数1〜
10のアルコキシル基で置換された炭素原子数1〜12のア
ルキル基を表し、環A、環B、環C、環D及び環Eはそれぞ
れ独立的にフッ素原子により置換されていてもよい1,4-
フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基、3-メチル-
1,4-フェニレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基、フェナ
ントレン-2,7-ジイル基、フルオレン-2,7-ジイル基、ト
ランス-1,4-シクロヘキシレン基、1,2,3,4-テトラヒド
ロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,
6-ジイル基、トランス-1,3ジオキサン-2,5-ジイル基、
ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピ
ラジン-2,5-ジイル基またはピリダジン-2,5-ジイル基を
表し、l、mはそれぞれ独立的に0、1もしくは2を表し、Z
1、Z2、Z3、Z4はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-
(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-または-C≡C-を表し、X2はシア
ノ基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ
基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、水
素原子、3,3,3-トリフルオロエトキシ基、R'または-OR'
を表し、R'は炭素原子数1〜12の直鎖状アルキル基また
は、2〜12の直鎖状アルケニル基を表し、X1、X3は水素
原子、フッ素原子または塩素原子を表す。ただし、R4
アルキル基、X2がシアノ基、環Dが1,4-フェニレン基、m
=0、Z4が単結合の場合、X1、X3が同時にフッ素原子では
ない。)から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を含
有し、なおかつネマチック相上限温度が75℃以上であ
り、屈折率の異方性(Δn)が0.07〜0.24の範囲であるこ
とを特徴とする液晶組成物。
【0012】発明2 一般式(I)の化合物の含有率が5〜4
0質量%の範囲で、さらに一般式(II)もしくは一般式(II
I)の化合物の中から選んだ1種もしくは2種以上を含有
し、選んだ化合物の含有率がそれぞれ5〜95質量%の範囲
であることを特徴とする発明1記載の液晶組成物。
【0013】発明3 一般式(II)の化合物として、環Aお
よび環Bがトランス-1,4-シクロヘキシレン基であり、
Z1、Z2が単結合の一般式(II-a)
【0014】
【化11】
【0015】(式中、R5、R6はR2、R3と同じ意味を表
し、環Fは1,4-フェニレン基またはトランス-1,4-シクロ
ヘキシレン基を表し、nは0もしくは1を表す。)から選ば
れる1種もしくは2種以上の化合物を含有することを特徴
とする発明1又は2記載の液晶組成物。
【0016】発明4 一般式(I)の含有率が5〜40質量%の
範囲で、なおかつ第二成分として一般式(II-a)の化合物
を1種もしくは2種以上を含有しその含有率が5〜95質量%
の範囲であることを特徴とする発明3記載の液晶組成
物。
【0017】発明5 一般式(III)の化合物として、環D
がトランス-1,4-シクロヘキシレン基であり、Z3、Z4
単結合であり、m=1の一般式(III-a)
【0018】
【化12】
【0019】(式中、R7は炭素原子数1〜8のアルキル基
または、2〜8のアルケニル基を表し、環Gは1,4-フェニ
レン基またはトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表
し、X5はシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメトキシ
基、ジフルオロメトキシ基を表し、X4、X6はそれぞれ独
立的に水素原子またはフッ素原子を表す。)から選ばれ
る1種もしくは2種以上の化合物を含有することを特徴と
する発明1、2、3又は4記載の液晶組成物。
【0020】発明6 一般式(I)の含有率が5〜40質量%の
範囲で、なおかつ一般式(III-a)の化合物を1種もしくは
2種以上を含有し、その含有率が5〜95質量%の範囲であ
ることを特徴とする発明5記載の液晶組成物。
【0021】発明7 一般式(I)の化合物を1種もしくは2
種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%の範囲で、な
おかつ一般式(II-b)
【0022】
【化13】
【0023】(式中、R8、R9はそれぞれ独立的炭素原子
数1〜8のアルキル基または炭素原子数2〜8のアルケニル
基を表す。)から選ばれる1種もしくは2種以上の化合物
を含有し、その含有率が5〜40質量%の範囲で、さらに一
般式(II-c)
【0024】
【化14】
【0025】(式中、R10、R11はそれぞれ独立的に炭素
原子数1〜8のアルキル基または炭素原子数2〜8のアルケ
ニル基を表す。)から選ばれる1種もしくは2種以上の化
合物を含有しその含有率が5〜60質量%の範囲であること
を特徴とする発明1〜6記載の液晶組成物。
【0026】発明8 発明1記載の一般式(I)の化合物を1
種もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%
の範囲で、なおかつ一般式(III-a)の化合物を1種もしく
は2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%の範囲
で、なおかつ一般式(II-b)もしくは一般式(II-c)の化合
物を1種もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜60
質量%の範囲であることを特徴とする発明1〜7記載の液
晶組成物。
【0027】発明9 発明1記載の一般式(I)の化合物を1
種もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%
の範囲で、なおかつ一般式(III-a)の化合物を1種もしく
は2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%の範囲
で、なおかつ一般式(II-b)及び一般式(II-c)の化合物を
1種もしくは2種以上を含有し、その含有率がそれぞれ5
〜40質量%の範囲であることを特徴とする発明1〜8記載
の液晶組成物。
【0028】発明10 発明1〜9記載の一般式(III)もし
くは(III-a)として一般式(III-b)
【0029】
【化15】
【0030】(式中、R12は炭素原子数1〜16のアルキル
基または炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)から
選ばれる1種もしくは2種以上の化合物を含有しその含有
率が5〜40質量%の範囲であることを特徴とする発明1〜9
記載の液晶組成物。
【0031】発明11 発明1〜9記載の一般式(III)もし
くは(III-a)として一般式(III-c)
【0032】
【化16】
【0033】(式中、R12は炭素原子数1〜16のアルキル
基または炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)から
選ばれる1種もしくは2種以上の化合物を含有しその含有
率が5〜40質量%の範囲であることを特徴とする発明1〜9
記載の液晶組成物。
【0034】発明12 発明1〜11のいずれかに記載の液
晶組成物を用いた液晶表示素子。
【0035】発明13 発明1〜11のいずれかに記載の液
晶組成物を用いた、ねじれ角が220°〜270°であること
を特徴とする超捩れネマチック(STN)液晶表示素子。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一例について説明
する。発明1において、第一成分として一般式(I)から選
ばれる化合物を1種もしくは2種以上を含有するが、1種
もしくは2種が好ましい。また、式中R1は炭素原子数2〜
16のアルケニル基もしくは炭素原子数3〜16のアルケニ
ルオキシ基を表すが、炭素原子数2〜16のアルケニル基
が好ましく、炭素原子数2〜8のアルケニル基がより好ま
しく、以下式(a)〜(e)の構造がさらに好ましく、
【0037】
【化17】
【0038】(構造式は右端で環に連結しているものと
する。)その中でも(e)が特に好ましい。さらに、第二成
分として一般式(II)、(III)から選ばれる化合物を1種も
しくは2種以上を含有するが、3種以上が好ましく、3種
〜20種がさらに好ましく、5種〜15種が特に好ましく、
その中に一般式(II)の化合物を少なくとも2種以上含む
ことがより好ましい。この液晶組成物はネマチック相上
限温度が75℃以上であることを特徴とするが、80℃以上
が好ましく、85℃以上が特に好ましい。また、Δnは0.0
7〜0.24の範囲であることを特徴とするが、0.08〜0.22
が好ましい。R2、R3、R4はそれぞれ独立的にフッ素置換
されていても良い炭素原子数1〜16のアルキル基または
アルコキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭
素原子数3〜16のアルケニルオキシ基、または炭素原子
数1〜10のアルコキシル基で置換された炭素原子数1〜12
のアルキル基を表すが、炭素原子数1〜16のアルキル
基、炭素原子数2〜16のアルケニル基が好ましく、炭素
原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数2〜8のアルケニル
基がより好ましく、1〜5のアルキル基もしくはアルケニ
ル基として式(a)〜(e)が特に好ましい。環A、環B、環
C、環D及び環Eはそれぞれ独立的にフッ素原子により置
換されていてもよい1,4-フェニレン基、2-メチル-1,4-
フェニレン基、3-メチル-1,4-フェニレン基、ナフタレ
ン-2,6-ジイル基、フェナントレン-2,7-ジイル基、フル
オレン-2,7-ジイル基、トランス-1,4-シクロヘキシレン
基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、
デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、トランス-1,3ジ
オキサン-2,5-ジイル基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリ
ミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル基またはピ
リダジン-2,5-ジイル基を表すが、1,4-フェニレン基、
トランス-1,4-シクロヘキシレン基が好ましく、環A、環
B、環D、環Eにおいてはトランス-1,4-シクロヘキシレン
基がより好ましく、環Cにおいては1,4-フェニレン基よ
り好ましい。l、mはそれぞれ独立的に0、1もしくは2を
表すが、0もしくは1が好ましい。Z1、Z2、Z3、Z4はそれ
ぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O
-または-C≡C-表すが、Z1、Z2においては単結合もしく
は-CH2CH2-が好ましく、単結合がより好ましい。Z3、Z4
においては単結合もしくは-C≡C-が好ましく、単結合が
より好ましい。X2はシアノ基、フッ素原子、塩素原子、
トリフルオロメトキシ基、トリフルオロメチル基、ジフ
ルオロメトキシ基、水素原子、3,3,3-トリフルオロエト
キシ基、R'または-OR'を表し、R'は炭素原子数1〜12の
直鎖状アルキル基または、2〜12の直鎖状アルケニル基
を表すが、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメトキ
シ基、ジフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子、
トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基がより
好ましく、フッ素原子が特に好ましい。X1、X3は水素原
子、フッ素原子または塩素原子を表すが、水素原子、フ
ッ素原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
【0039】発明2において、一般式(I)の含有率は5〜4
0質量%であるが、5〜25質量%が好ましく、5〜20質量%が
特に好ましく、一般式(II)もしくは一般式(III)の含有
率は5〜95質量%であるが、15〜85質量%が好ましく、25
〜85質量%が特に好ましい。
【0040】発明4において、一般式(I)の化合物を1種
もしくは2種以上を含有しその含有率が5〜40質量%の範
囲で、なおかつ一般式(II-a)の化合物を1種もしくは2種
以上を含有しその含有率が5〜95質量%の範囲であるが、
一般式(I)の化合物を1種もしくは2種含有しその含有率
が5〜25質量%が好ましく、5〜20質量%が特に好ましく、
一般式(II-a)の化合物を2種以上含有しその含有率が5〜
95質量%であることが好ましく、15〜85質量%が好まし
く、25〜85質量%が特に好ましい。
【0041】発明6において、一般式(I)の化合物を1種
もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%の
範囲で、なおかつ第二成分として一般式(III-a)の化合
物を1種もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜95
質量%の範囲であるが、一般式(I)の化合物を1種もしく
は2種含有しその含有率が5〜25質量%が好ましく、5〜15
質量%が特に好ましく、一般式(III-a)の化合物を2種以
上含有しその含有率が5〜95質量%であることが好まし
く、15〜85質量%が好ましく、25〜85質量%が特に好まし
い。
【0042】発明7において、一般式(I)の化合物を1種
もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%の
範囲で、なおかつ一般式(II-b)から選ばれる1種もしく
は2種以上の化合物を含有し、その含有率が5〜40質量%
の範囲であるが5〜25質量%が好ましい、さらに一般式(I
I-c)から選ばれる1種もしくは2種以上の化合物を含有し
その含有率が5〜60質量%の範囲であるが、5〜50質量%が
好ましく5〜40質量%であることがより好ましい。式中
R8、R9、R10、R11はそれぞれ独立的に炭素原子数1〜8の
アルキル基または炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す
が、1〜5のアルキル基もしくはアルケニル基として式
(a)〜(e)が特に好ましい。
【0043】発明8において、発明1記載の一般式(I)の
化合物を1種もしくは2種以上を含有し、その含有率が5
〜40質量%の範囲で、なおかつ一般式(III-a)の化合物を
1種もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%
の範囲で、なおかつ一般式(II-b)もしくは一般式(II-c)
の化合物を1種もしくは2種以上を含有し、その含有率が
5〜60質量%の範囲であるが、一般式(I)の化合物を1種も
しくは2種含有しその含有率が5〜20質量%の範囲である
ことが好ましく、一般式(III-a)の含有率が5〜35質量%
の範囲であることが好ましく、5〜25質量%の範囲である
ことがより好ましく、一般式(II-b)もしくは一般式(II-
c)の含有率が5〜55質量%の範囲であることが好ましく、
5〜45質量%の範囲であることがより好ましい。
【0044】発明9において、発明1記載の一般式(I)の
化合物を1種もしくは2種以上を含有し、その含有率が5
〜40質量%の範囲で、なおかつ一般式(III-a)の化合物を
1種もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%
の範囲で、なおかつ一般式(II-b)及び一般式(II-c)の化
合物を1種もしくは2種以上を含有し、その含有率がそれ
ぞれ5〜40質量%の範囲であるが、一般式(I)の化合物を1
種もしくは2種含有しその含有率が5〜20質量%の範囲で
あることが好ましく、一般式(II-b)及び一般式(II-c)の
化合物をそれぞれ1種以上含有しその含有率が5〜20質量
%の範囲であり、一般式(III-a)の化合物を2種以上含有
しその含有率が5〜25質量%の範囲であることが好まし
い。
【0045】発明10において、発明1記載の一般式(III)
もしくは一般式(III-a)として、一般式(III-b)から選ば
れる1種もしくは2種以上の化合物を含有しその含有率が
5〜40質量%の範囲であるが、一般式(III-b)の化合物を1
〜10種含有しその含有率が5〜35質量%の範囲であること
が好ましく、1〜5種を含有しその含有率が5〜30質量%の
範囲であることがより好ましい。式中R12は炭素原子数1
〜8のアルキル基または炭素原子数2〜8のアルケニル基
を表すが、1〜5のアルキル基もしくはアルケニル基とし
て式(a)〜(e)が特に好ましい。
【0046】発明11において、発明1記載の一般式(III)
もしくは一般式(III-a)として、一般式(III-c)から選ば
れる1種もしくは2種以上の化合物を含有しその含有率が
5〜40質量%の範囲であるが、一般式(III-c)の化合物を1
〜10種含有しその含有率が5〜35質量%の範囲であること
が好ましく、1〜5種を含有しその含有率が5〜30質量%の
範囲であることがより好ましい。式中R12は炭素原子数1
〜8のアルキル基または炭素原子数2〜8のアルケニル基
を表すが、1〜5のアルキル基もしくはアルケニル基とし
て式(a)〜(e)が特に好ましい。
【0047】上記ネマチック液晶組成物はTN-LCDやSTN-
LCDに有用であるがSTN-LCDに特に有用である。また、透
過型あるいは反射型の液晶表示素子に用いることができ
る。本発明の液晶組成物は、上記一般式(I)〜(III-c)で
表される化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメク
チック液晶、コレステリック液晶などを含有していても
よい。
【0048】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また、以下の実施例及び比較例の組成物における
「%」は『質量%』を意味する。
【0049】実施例中、測定した特性は以下の通りであ
る。 TN-I :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃) T N :固体相又はスメクチック相−ネマチック相転移温度(℃) Vth :セル厚6μmのTN-LCDを構成した時のしきい値電圧(V) Δε :誘電異方性 Δn :複屈折率 η :20℃での粘度(mPa・s) Ir :240°ツイストのSTN-LCDに液晶組成物を真空注入し、80℃、 100時間加熱後の電流値(μA/cm2) CR :240°ツイストのSTN-LCDに液晶組成物を真空注入し、1/200 デューティ、1/16バイアスの駆動波形で駆動したときのコン トラスト。
【0050】STN-LCD表示素子の作成は以下のように行
った。ネマチック液晶組成物にカイラル物質「S-811」
(メルク社製)を添加して混合液晶を調製し、対向する平
面透明電極上に「サンエバー610」(日産化学社製)の有
機膜をラビングして配向膜を形成したツイスト角240度
のSTN-LCD表示用セルに注入した。なお、カイラル物質
はカイラル物質の添加による混合液晶の固有らせんピッ
チPと表示用セルのセル厚dが、Δn・d=0.85、d/P=0.50
となるように添加した。
【0051】化合物記載に下記の略号を使用する。 末端のn(数字) CnH2n+1- C トランス-1,4-シクロヘキシレン基 C/ 1,4-シクロヘキセンジイル基 P 1,4フェニレン基 Pm ピリミジン-2,5-ジイル基 E -COO- e -OCO- A -CH2CH2- t -C≡C- CN -C≡N On -OCnH2n+1 F -F f 末端基のオルト位に結合したF原子 ndm- CnH2n+1-C=C-(CH2)m-1- -O(dm)n -O(CH2)m-2-C=C-CnH2n+1 (実施例1、比較例1) ネマチック液晶組成物No.1
【0052】
【化18】
【0053】を調製し、この組成物の諸特性を測定した
結果を比較例1と共に表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1に示すように、実施例1の液晶組成物
は、比較例1の組成物に比べ電流値を大幅に抑制してい
るうえにコントラストも改善している。ここで作製した
STN-LCDを用いて、優れた表示特性を示す液晶表示装置
を作成することができた。 (実施例2、比較例2)ネマチック液晶組成物No.2を調製し
(実施例2)諸特性を測定した、また比較の組成物として
本発明外の組成物組成物の組成及び特性データ(比較例
2)と共に表2に示した。
【0056】
【表2】
【0057】表2に示すように、実施例2の液晶組成物も
また、比較例2の組成物に比べ電流値を大幅に抑制し、
コントラストも改善している。ここで作製したSTN-LCD
を用いて、優れた表示特性を示す液晶表示装置を作成す
ることができた。
【0058】
【発明の効果】本発明の液晶材料の組み合わせによっ
て、電流値が抑制された誘電率異方性の高い液晶組成物
が得られた。また、この組成物を液晶表示素子として用
いた場合、コントラスト及び信頼性が高く優れたもので
あった。この液晶ディスプレイはSTNおよびTN-LCDとし
て非常に実用的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高津 晴義 東京都東大和市仲原3−6−27 Fターム(参考) 4H027 BA01 BB03 BB04 BD05 BD08 BD09 BD20 BD24 BE04 BE05 CB01 CC04 CD04 CM04 CN01 CT02 CT04 CW02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一成分として一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。)か
    ら選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を含有し、第二
    成分として一般式(II)、(III) 【化2】 (式中、R2、R3、R4はそれぞれ独立的にフッ素置換され
    ていても良い炭素原子数1〜16のアルキル基またはアル
    コキシル基、炭素原子数2〜16のアルケニル基、炭素原
    子数3〜16のアルケニルオキシ基、または炭素原子数1〜
    10のアルコキシル基で置換された炭素原子数1〜12のア
    ルキル基を表し、環A、環B、環C、環D及び環Eはそれぞ
    れ独立的にフッ素原子により置換されていてもよい1,4-
    フェニレン基、2-メチル-1,4-フェニレン基、3-メチル-
    1,4-フェニレン基、ナフタレン-2,6-ジイル基、フェナ
    ントレン-2,7-ジイル基、フルオレン-2,7-ジイル基、ト
    ランス-1,4-シクロヘキシレン基、1,2,3,4-テトラヒド
    ロナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,
    6-ジイル基、トランス-1,3ジオキサン-2,5-ジイル基、
    ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピ
    ラジン-2,5-ジイル基またはピリダジン-2,5-ジイル基を
    表し、l、mはそれぞれ独立的に0、1もしくは2を表し、Z
    1、Z2、Z3、Z4はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-
    (CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-または-C≡C-を表し、X2はシア
    ノ基、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメトキシ
    基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメトキシ基、水
    素原子、3,3,3-トリフルオロエトキシ基、R'または-OR'
    を表し、R'は炭素原子数1〜12の直鎖状アルキル基また
    は、2〜12の直鎖状アルケニル基を表し、X1、X3は水素
    原子、フッ素原子または塩素原子を表す。ただし、R4
    アルキル基、X2がシアノ基、環Dが1,4-フェニレン基、m
    =0、Z4が単結合の場合、X1、X3が同時にフッ素原子では
    ない。)から選ばれる化合物を1種もしくは2種以上を含
    有し、なおかつネマチック相上限温度が75℃以上であ
    り、屈折率の異方性(Δn)が0.07〜0.24の範囲であるこ
    とを特徴とする液晶組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)の化合物の含有率が5〜40質量
    %の範囲で、さらに一般式(II)もしくは一般式(III)の化
    合物の中から選んだ1種もしくは2種以上を含有し、選ん
    だ化合物の含有率がそれぞれ5〜95質量%の範囲であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の液晶組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(II)の化合物として、環Aおよび
    環Bがトランス-1,4-シクロヘキシレン基であり、Z1、Z2
    が単結合の一般式(II-a) 【化3】 (式中、R5、R6はR2、R3と同じ意味を表し、環Fは1,4-フ
    ェニレン基またはトランス-1,4-シクロヘキシレン基を
    表し、nは0もしくは1を表す。)から選ばれる1種もしく
    は2種以上の化合物を含有することを特徴とする請求項1
    又は2記載の液晶組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(I)の含有率が5〜40質量%の範囲
    で、なおかつ第二成分として一般式(II-a)の化合物を1
    種もしくは2種以上を含有しその含有率が5〜95質量%の
    範囲であることを特徴とする請求項3記載の液晶組成
    物。
  5. 【請求項5】 一般式(III)の化合物として、環Dがトラ
    ンス-1,4-シクロヘキシレン基であり、Z3、Z4が単結合
    であり、m=1の一般式(III-a) 【化4】 (式中、R7は炭素原子数1〜8のアルキル基または、2〜8
    のアルケニル基を表し、環Gは1,4-フェニレン基または
    トランス-1,4-シクロヘキシレン基を表し、X5はシアノ
    基、フッ素原子、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロ
    メトキシ基を表し、X4、X6はそれぞれ独立的に水素原子
    またはフッ素原子を表す。)から選ばれる1種もしくは2
    種以上の化合物を含有することを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載の液晶組成物。
  6. 【請求項6】 一般式(I)の含有率が5〜40質量%の範囲
    で、なおかつ一般式(III-a)の化合物を1種もしくは2種
    以上を含有し、その含有率が5〜95質量%の範囲であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の液晶組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(I)の化合物を1種もしくは2種以
    上を含有し、その含有率が5〜40質量%の範囲で、なおか
    つ一般式(II-b) 【化5】 (式中、R8、R9はそれぞれ独立的炭素原子数1〜8のアル
    キル基または炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。)
    から選ばれる1種もしくは2種以上の化合物を含有し、そ
    の含有率が5〜40質量%の範囲で、さらに一般式(II-c) 【化6】 (式中、R10、R11はそれぞれ独立的に炭素原子数1〜8の
    アルキル基または炭素原子数2〜8のアルケニル基を表
    す。)から選ばれる1種もしくは2種以上の化合物を含有
    しその含有率が5〜60質量%の範囲であることを特徴とす
    る請求項1〜6記載の液晶組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の一般式(I)の化合物を1種
    もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%の
    範囲で、なおかつ一般式(III-a)の化合物を1種もしくは
    2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%の範囲で、
    なおかつ一般式(II-b)もしくは一般式(II-c)の化合物を
    1種もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜60質量%
    の範囲であることを特徴とする請求項1〜7記載の液晶組
    成物。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の一般式(I)の化合物を1種
    もしくは2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%の
    範囲で、なおかつ一般式(III-a)の化合物を1種もしくは
    2種以上を含有し、その含有率が5〜40質量%の範囲で、
    なおかつ一般式(II-b)及び一般式(II-c)の化合物を1種
    もしくは2種以上を含有し、その含有率がそれぞれ5〜40
    質量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜8記載の
    液晶組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9記載の一般式(III)もしく
    は(III-a)として一般式(III-b) 【化7】 (式中、R12は炭素原子数1〜16のアルキル基または炭素
    原子数2〜8のアルケニル基を表す。)から選ばれる1種も
    しくは2種以上の化合物を含有し、その含有率が5〜40質
    量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜9記載の液
    晶組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9記載の一般式(III)もしく
    は(III-a)として一般式(III-c) 【化8】 (式中、R12は炭素原子数1〜16のアルキル基または炭素
    原子数2〜8のアルケニル基を表す。)から選ばれる1種も
    しくは2種以上の化合物を含有しその含有率が5〜40質量
    %の範囲であることを特徴とする請求項1〜9記載の液晶
    組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の液晶
    組成物を用いた液晶表示素子。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれかに記載の液晶
    組成物を用いた、ねじれ角が220°〜270°であることを
    特徴とする超捩れネマチック(STN)液晶表示素子。
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