JP2001108787A - 中性子遮蔽体およびこれを用いたキャスク - Google Patents
中性子遮蔽体およびこれを用いたキャスクInfo
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Abstract
率の向上を実現するとともに、中性子遮蔽体形成後の長
期間にわたる高温環境下においても耐熱性と中性子遮蔽
能とを与える水素含有率とを保持すること。 【解決手段】 反応性希釈剤入り長鎖脂肪族グリシジル
エーテル系エポキシ樹脂を主剤とし、脂環式ポリアミ
ン、ポリアミド脂肪族ポリアミンおよびエポキシアダク
トの配合を該二液反応常温硬化型エポキシ樹脂の硬化剤
とした二液反応常温硬化型エポキシ樹脂、不純物である
ソーダ分が0.07重量%以下である高純度の水酸化ア
ルミニウム、および炭化硼素を配合して形成した中性子
遮蔽体をキャスク100のレジン106,112,11
4として用いる。
Description
よびこれを用いたキャスクに関し、特に未硬化状態にお
いて粘土を低くし、十分なポットライフ(可使時間)を
確保して作業性を向上させることができるとともに、優
れた耐熱性、中性子遮蔽能を保持することができる中性
子遮蔽体、およびこれを用いて、燃焼を終えた使用済み
核燃料集合体を収容、貯蔵するキャスクに関するもので
ある。
原子力施設、たとえば原子炉、核燃料再処理工場などが
各地に建設されているが、これら各種の原子力施設など
では、人体が受ける放射線の量を極力低減し、また放射
線による構造材や機器材料が損傷しないようにしなけれ
ばならない。すなわち、各種の原子力施設などの核燃料
あるいは使用済み核燃料から発生する中性子は、エネル
ギーが高く、強い透過力を有し、他の物質と衝突すると
γ線を発生し、人体に重大な障害を与え、また、原子力
施設などの各種材料を損傷させることから、この中性子
を安全確実に遮蔽することができる中性子遮蔽体の開発
が継続して行われている。
トが用いられていたが、このコンクリートは、遮蔽壁と
しては相当の厚みを必要とし、原子力船のように、重量
および容積に制限のある原子力施設では不適な中性子遮
蔽体であり、中性子遮蔽体の軽量化が望まれていた。
ぼ同じ質量の水素元素と衝突することによってエネルギ
ーが吸収され、効果的に減速されるので、水素密度の高
い、すなわち水素含有率の高い物質が高速中性子の遮蔽
に有効であり、水、パラフィン、ポリエチレンなどを中
性子遮蔽体として用いることができる。この水などの液
体は、コンクリートに比べて軽量であるが、液体である
ために取り扱いが限定され、さらには、この水などの液
体を収納する容器自体の材質の中性子遮蔽能が問題とな
る。
減速材としての効果が大きいパラフィン、ポリエチレン
などのポリオレフィン系熱可塑性樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリメタクリル酸などそ
れ自体、これらの混合物、または低速および熱中性子に
対して大きな吸収断面積を有することが知られている硼
素化合物をこれらに配合した硼素化合物含有パラフィ
ン、硼素化合物含有ポリエチレン、硼素化合物含有ポリ
メタクリル酸エステルなどによって形成される中性子遮
蔽体が提案されている。
量の水酸化アルミニウムと中性子遮蔽材として微量の炭
化硼素とを配合した中性子遮蔽体がある。このエポキシ
樹脂は、一般的に主剤および硬化剤とからなる二液反応
常温硬化型エポキシ樹脂が用いられ、主剤としては、エ
ポキシ当量が184〜194、分子量が380程度のビ
スフェノールA型主剤(水素含有量=7.1重量%)が
用いられ、硬化剤としては、脂肪族ポリアミン系、脂環
式ポリアミン、ポリアミドアミン、エポキサイドアダク
ト系単体またはこれらの混合物が用いられる。
剤および硬化剤とからなる二液反応常温硬化型エポキシ
樹脂を配合した中性子遮蔽体を形成する場合、エポキシ
樹脂主剤、硬化剤、水酸化アルミニウム、および炭化硼
素が十分に均質となる中性子遮蔽体とすべく、少量単位
で、かつ30分程度の長時間の混練・充填作業を行って
いた。この場合、混練された中性子遮蔽体は、硬化剤を
含むため、迅速に鋳込まないと固化してしまい、かつ粘
性が高いので作業効率が悪いという問題点があった。す
なわち、高い粘性であるがゆえに、鋳込み時におけるホ
ース内の流動性が悪く、単位時間当たりの鋳込み量が減
少することに加え、少量単位で混練を行うために、大型
の中性子遮蔽体を製造する場合、鋳込み中の中断回数が
増大し、全体の鋳込み時間に多大の時間と労力とがかか
ることなる。
シ樹脂を配合した中性子遮蔽体の可使時間は、混練時間
の経過とともに変化するものの、一般に混練時における
初期温度が30℃程度のとき2時間程度である。この2
時間には、混練・充填作業にかかる時間、たとえば上述
した30分の時間も含まれ、粘性の低下による混練・充
填作業時間の短縮も要望される。ここで、可使時間と
は、中性子遮蔽体が、混練による流動状態から鋳込みに
必要な最低限の流動性を残す状態までの時間をいう。
酸化アルミニウムは、水素含有率が高く、難燃性と中性
子遮蔽能とを与えるものであるが、高温環境下に長時間
さらされると、水素含有率が徐々に減少するという問題
点があった。
中性子遮蔽体形成時の低粘度化による作業効率の向上を
実現するとともに、中性子遮蔽体形成後の長期間にわた
る高温環境下においても耐熱性と中性子遮蔽能とを与え
る水素含有率とを保持することができる中性子遮蔽体お
よびこれを用いたキャスクを提供することを目的とす
る。
め、請求項1にかかる中性子遮蔽体は、不純物であるソ
ーダ分が0.1重量%以下である高純度の水酸化アルミ
ニウムを配合して形成したことを特徴とする。
は、精製時に不純物としてソーダ分が含まれる。このソ
ーダ分が高くなるにしたがって、高温時においても水酸
化アルミニウムに含まれる結晶水中の水分の一部を熱分
解して放出する傾向が大きくなることに着目し、水酸化
アルミニウムの不純物としてのソーダ分を0.1重量%
以下とすることによって、150℃近傍の高温状態に至
るまで、水分の一部を熱分解せずに水素含有量を保持す
ることができ、これによって、高温時においても水酸化
アルミニウムの水素含有率を減少させずに保持すること
ができる。
上述した発明において、前記ソーダ分は、0.07重量
%以下であることを特徴とする。
含まれるソーダ分が0.07重量%以下の場合、具体的
に中性子遮蔽体が長期間150〜160℃の状態であっ
ても、水酸化アルミニウムの水分が熱分解による減損量
が殆どなく、中性子遮蔽体は、水素含有率を保持するこ
とができる。
水酸化マグネシウムを配合して形成したことを特徴とす
る。
化アルミニウムの高温時に多量の水分放出が起こる熱分
解温度は、245〜320℃であるが、水酸化マグネシ
ウムの脱水分熱分解温度は、340〜390℃であるた
め、この水酸化マグネシウムを中性子遮蔽体を組成する
耐火材として一部あるいは全部に用いることにより、高
温環境下における中性子遮蔽体の耐熱性を高められる。
反応性希釈剤入り長鎖脂肪族グリシジルエーテル系エポ
キシ樹脂(DGEBA)を主剤とし、脂環式ポリアミ
ン、ポリアミドポリアミン、脂肪族ポリアミンおよびエ
ポキサイドアダクト等の硬化剤配合による二液反応常温
硬化型エポキシ樹脂を用いて形成したことを特徴とす
る。
脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ樹脂を主剤として
用いることによって、具体的に20〜25ポイズ程度に
低粘度とすることができ、作業性を向上させることがで
きるとともに、主剤の水素含有量を増加、具体的に7.
5〜8.5重量%まで増加することができる。この主剤
を用いた場合、硬化剤として柔軟な材料を選択すること
ができ、可使時間に影響を及ぼす硬化剤として、脂環式
ポリアミン、ポリアミドポリアミン、脂肪族ポリアミン
およびエポキサイドアダクト等、単体または二種以上組
み合わせた配合硬化剤を利用することによって、十分な
可使時間を確保できるとともに、硬化時における活性水
素の量を多くすることができ、特に脂環式ポリアミンに
よって耐熱性をさらに高めた2液反応常温硬化型エポキ
シ樹脂を実現することができる。この可使時間は、たと
えば、この2液反応常温硬化型エポキシ樹脂を含む中性
子遮蔽材を混練する際の温度が30℃近傍である場合に
は、具体的に3〜3.5時間程度の長い可使時間を確保
することができ、鋳込み可能時間が増大するとともに、
中性子遮蔽材の大量混練を可能とし、大きな中性子遮蔽
体の形成時における中断回数を減少させ、中性子遮蔽体
の形成にかかる時間と労力とを格段に軽減することがで
きる。
物であるソーダ分が0.1重量%以下である高純度の水
酸化アルミニウムを配合して形成した中性子遮蔽体を用
いたことを特徴とする。
は、精製時に不純物としてソーダ分が含まれる。このソ
ーダ分が低くなるにしたがって、高温時においても水酸
化アルミニウムに含まれる結晶水中の水分の一部を熱分
解して放出しない傾向があることに着目し、水酸化アル
ミニウムの不純物としてのソーダ分を0.1重量%以下
とすることによって、150℃程近傍の高温状態に至る
まで、水分等の熱重量減損が少なく水素含有量を保持す
ることができ、これによって、高温時においても水酸化
アルミニウムの水素含有率を減少させずに保持すること
ができる。
した発明において、前記ソーダ分は、0.07重量%以
下であることを特徴とする。
含まれるソーダ分が0.07重量%以下の場合、具体的
に中性子遮蔽体が長期間150〜160℃の状態であっ
ても、水酸化アルミニウムの結晶水中の水分の熱重量減
損がほとんどなく、中性子遮蔽体は、水素含有率を保持
することができる。
化マグネシウムを配合して形成した中性子遮蔽体を用い
たことを特徴とする。
化アルミニウムの脱水分熱分解温度は、245〜320
℃であるが、水酸化マグネシウムの脱水分熱分解温度
は、340〜390℃であるため、この水酸化マグネシ
ウムを、中性子遮蔽体を組成する耐火材として一部ある
いは全部に用いることにより、高温環境下における中性
子遮蔽体の耐熱性を高められる。
性希釈剤入り長鎖脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ
樹脂を主剤とし、脂環式ポリアミン、ポリアミドポリア
ミン、脂肪族ポリアミンおよびエポキサイドアダクト等
の硬化剤による二液反応常温硬化型エポキシ樹脂を用い
て形成した中性子遮蔽体を用いたことを特徴とする。
脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ樹脂を主剤として
用いることによって、具体的に20〜25ポイズ程度に
低粘度とすることができ、作業性を向上させることがで
きるとともに、主剤の水素含有量を増加、具体的に7.
5〜8.5重量%まで増加することができる。この主剤
を用いた場合、硬化剤として柔軟な材料を選択すること
ができ、かつ可使時間に影響を及ぼす硬化剤として、脂
環式ポリアミン、ポリアミドポリアミン、脂肪族ポリア
ミンおよびエポキサイドアダクト等の配合剤を用いる
と、十分な可使時間を確保できるとともに、硬化時にお
ける活性水素の量を多くすることができ、特に脂環式ポ
リアミンによって耐熱性をさらに高めた2液反応常温硬
化型エポキシ樹脂を実現することができる。この可使時
間は、たとえば、この2液反応常温硬化型エポキシ樹脂
を含む中性子遮蔽材を混練する際の温度が30℃近傍で
ある場合には、具体的に3〜3.5時間程度の長い可使
時間を確保することができ、鋳込み可能時間が増大する
とともに、中性子遮蔽材の大量混練を可能とし、大きな
中性子遮蔽体の形成時における中断回数を減少させ、中
性子遮蔽体の形成にかかる時間と労力とを格段に軽減す
ることができる。
発明にかかる中性子遮蔽体およびこれを用いたキャスク
の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施
の形態によりこの発明が限定されるものではない。
れる中性子遮蔽体について説明する。この実施の形態1
における中性子遮蔽体は、主剤および硬化剤とからなる
二液反応常温硬化型エポキシ樹脂と、水酸化アルミニウ
ムと、炭化硼素とを混合したものである。二液反応常温
硬化型エポキシ樹脂とは、文字どおり、主剤と硬化剤と
が混合されることによって常温で硬化するエポキシ樹脂
である。水酸化アルミニウムは、大量に配合され、水素
含有率が大きく、耐火材と中性子遮蔽材としての機能を
有する。また、炭化硼素は、微量に配合され、中性子の
減速および吸収材としての機能を有する。
しては、反応性希釈剤入り長鎖脂肪族グリシジルエーテ
ル系エポキシ樹脂を用いる。この反応性希釈剤入り長鎖
脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ樹脂は、ビスフェ
ノールA型のエポキシ当量(=184〜194)とほぼ
同じエポキシ当量を有するが、ビスフェノールA型の粘
度(=120ポイズ)に比べ粘度が20〜25ポイズ程
度であり、低粘度化を実現する。また、この反応性希釈
剤入り長鎖脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ樹脂の
水素含有率は7.6重量%であり、ビスフェノールA型
の水素含有率7.1重量%に比べて大きな値をもつ。
グリシジルエーテル系エポキシ樹脂を二液反応常温硬化
型エポキシ樹脂の主剤として用いることによって、その
低粘度化による常温近傍における作業効率を向上させる
ことができる。すなわち、混練にかかる時間を短縮する
ことによって可使時間を稼ぐことができ、大量混練を可
能とすることから、大型の中性子遮蔽体製造時における
中断時間が少なくなり、各回の鋳込み作業自体にかかる
時間も、その流動性から短縮され、全体的な作業効率を
大幅に向上させることができる。
リシジルエーテル系エポキシ樹脂は、水素含有率が高い
ため、耐熱性および中性子遮蔽能を一層増大させること
ができる。
主剤として、反応性希釈剤入り長鎖脂肪族グリシジルエ
ーテル系エポキシ樹脂を用いると、これに対応する二液
反応常温硬化型エポキシ樹脂の硬化剤としての選択幅は
広がり、耐熱性や硬化反応速度を考慮した材料を柔軟に
選択することができる。ここでは、脂環式ポリアミン、
ポリアミド脂肪族ポリアミン、およびエポキシアダクト
を配合した硬化剤を用いる。具体的な配合割合は、たと
えば脂環式ポリアミンを30重量%、ポリアミド脂肪族
ポリアミンを20重量%、エポキシアダクトを50重量
%としている。
の硬化剤との硬化反応速度を遅くすることができ、十分
な可使時間を確保することができる。たとえば、混練時
における初期温度を30℃一定に保つことによって、可
使時間を3〜3.5時間に向上させることができる。こ
の結果、上述した主剤の低粘度に加えて作業性が一層向
上することになる。また、選択された脂環式ポリアミン
は、耐熱性が高いため、水酸化アルミニウムの耐火性能
を向上させることにもなる。さらに、この選択された配
合の硬化剤の水素含有率は、12±0.5重量%を確保
することができるため、上述した主剤と相まって高い水
素含有率を十分に確保することができる。
化硼素は、中性子吸収能を有するものであればよく、低
速および熱中性子に対して大きな吸収断面積を有する窒
化硼素、無水硼酸、硼素鉄、正硼酸、あるいはメタ硼酸
などの無機硼素化合物を配合するようにしてもよいが、
炭化硼素が特に好ましい。
2について説明する。上述した実施の形態1の中性子遮
蔽体では、主剤および硬化剤とからなる二液反応常温硬
化型エポキシ樹脂と、水酸化アルミニウムと、炭化硼素
とによって構成されているが、この多量に配合される水
酸化アルミニウムは、高温環境下において水素含有率が
低下することが知られていた。水素含有率の低下は、中
性子遮蔽体としての耐熱性および中性子遮蔽能に影響を
及ぼす。この水酸化アルミニウムの水素含有率低下は、
高温環境下において水酸化アルミニウムの一部の水分が
熱分解していることによって生じるものである。
性子遮蔽体に配合したところ、水酸化アルミニウム精製
時に含まれるソーダ(Na2O)分を低くすることによ
って、熱分解による水酸化アルミニウムの一部の水分放
出が高温域まで抑えられる傾向があることを実験的に確
認することができた。
始を行う脱水分熱分解温度は、245〜320℃である
が、水酸化アルミニウム精製時に含まれるソーダ分を少
なくすることによって、この温度領域まで水素含有率を
保持できるものと考えられる。
サイトからの精製時において、十分に時間をかけて水酸
化アルミニウムを析出することによって可能である。一
般に市販の水酸化アルミニウムに含まれるソーダ分は、
0.2〜0.3重量%であり、この場合、水酸化アルミ
ニウムの脱水分熱分解温度は120℃以上であるが、ソ
ーダ分を0.1重量%とすることによって水酸化アルミ
ニウムの脱水分熱分解温度を150℃近傍以上まで保持
することができた。とくに、水酸化アルミニウムに含ま
れるソーダ分を0.07重量%以下とすることによっ
て、150〜160℃まで脱水による熱重量減損を抑え
ることができた。このソーダ分が0.07重量%以下の
水酸化アルミニウムの精製には、上述した析出時間をか
けるほかに、たとえば市販の水酸化アルミニウムを水洗
いすることによって容易に得ることができる。
遮蔽体に配合することによって、高温環境下においても
水素含有率を保持することができる。特に、0.07重
量%以下の低ソーダ分とすることによって、150〜1
60℃以上まで水素含有率を保持することができる。こ
の150〜160℃までの水素含有率の保持は、後述す
るキャスクに用いられる中性子遮蔽体として十分なもの
である。
酸化アルミニウムが配合される中性子遮蔽体を、実施の
形態1で説明した中性子遮蔽体に用いられることを前提
として説明したが、水酸化アルミニウムが配合される中
性子遮蔽体に共通して適用されるものである。
ついて説明する。上述した実施の形態1の中性子遮蔽体
では、主剤および硬化剤とからなる二液反応常温硬化型
エポキシ樹脂と、水酸化アルミニウムと、炭化硼素とに
よって構成されているが、一般に水酸化アルミニウムの
脱水分熱分解温度は、245〜320℃であり、この温
度以下の領域における水素含有率を保持したい場合があ
る。
温度は、340〜390℃であるため、この水酸化マグ
ネシウムを中性子遮蔽体を組成する耐火材として用いる
ことによって、一層、高温環境下における中性子遮蔽体
の耐熱性を高めることができる。
1で説明した中性子遮蔽体に配合される水酸化アルミニ
ウムに代えて水酸化マグネシウムを用いることを前提と
して説明したが、この水酸化マグネシウムの配合は、中
性子遮蔽体に共通して適用されるものである。
ルミニウムに代えて水酸化マグネシウムを適用するもの
として説明したが、水酸化アルミニウムの一部を水酸化
マグネシウムに代えるようにしてもよい。
ついて説明する。この実施の形態4では、上述した実施
の形態1〜3で説明した中性子遮蔽体をキャスクの中性
子遮蔽体として適用するものである。なお、キャスク
は、燃焼を終えた使用済み核燃料集合体を収容、貯蔵す
る容器である。核燃料サイクルの終期にあって燃焼を終
え使用できなくなった核燃料集合体を、使用済み核燃料
という。使用済み核燃料は、FPなど高放射能物質を含
むので熱的に冷却する必要があるから、原子力発電所の
冷却ピットで所定期間(3〜6ヶ月間)冷却される。そ
の後、遮蔽容器であるキャスクに収納され、トラックや
船舶等で再処理施設に搬送、貯蔵される。
2は、図1に示したキャスクの軸方向断面図である。図
3は、図1に示したキャスクの径方向断面図である。キ
ャスク100は、胴本体101のキャビティ102内面
をバスケット130の外周形状に合わせて機械加工した
ものである。キャビティ102内面の機械加工は、専用
の加工装置によってフライス等によって加工する。胴本
体101および底板104は、γ線遮蔽機能を有する炭
素鋼製の鍛造品である。なお、炭素鋼の代わりにステン
レス鋼を用いることもできる。胴本体101と底板10
4は、溶接によって結合する。また、耐圧容器としての
密閉性能を確保するため、一次蓋110と胴本体101
との間には金属ガスケットを設けておく。
素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を
有するレジン106、すなわち上述した中性子遮蔽体が
充填されている。また、胴本体101と外筒105との
間には、熱伝導を行う複数の銅製内部フィン107が溶
接されており、レジン106は、内部フィン107によ
って形成される空間に流動状態で図示しないパイプ等を
介して注入され、冷却固化される。なお、内部フィン1
07は、放熱を均一に行うため、熱量の多い部分に高い
密度で設けるようにするのが好ましい。また、レジン1
06と外筒105との間には、数mmの熱膨張しろ10
8が設けられる。熱膨張しろ108は、ホットメルト接
着剤等にヒーターを埋め込んだ消失型を外筒105内面
に配し、レジン106を注入固化した後、ヒーターを加
熱して溶融排出することによって形成する。
1によって構成される。一次蓋110は、γ線を遮蔽す
るステンレス鋼または炭素鋼からなる円盤形状である。
また、二次蓋111も、ステンレス鋼製または炭素鋼製
の円盤形状であるが、その上面には、中性子遮蔽体とし
てレジン112、すなわち上述した中性子遮蔽体が封入
されている。一次蓋110および二次蓋111は、ステ
ンレス鋼製または炭素鋼製のボルト113によって胴本
体101に取り付けられている。さらに、一次蓋110
および二次蓋111と胴本体101との間には、それぞ
れ金属ガスケットが設けられ、内部の密封性を保持して
いる。また、蓋部109の周囲には、レジン114を封
入した補助遮蔽体115が設けられている。
100を吊り下げるためのトラニオン117が設けられ
ている。なお、図1では、補助遮蔽体115を設けたも
のを示したが、キャスク100の搬送時には、補助遮蔽
体115を取り外して緩衝体118を取り付ける(図2
参照)。緩衝体118は、ステンレス鋼材によって作成
された外筒120内にレッドウッド材などの緩衝材11
9を組み込んだ構造である。バスケット130は、使用
済み核燃料集合体を収容するセル131を構成する69
本の角パイプ132からなる。角パイプ132には、A
lまたはAl合金粉末に中性子吸収性能をもつBまたは
B化合物の粉末を添加したアルミニウム複合材またはア
ルミニウム合金を用いる。また、中性子吸収材として
は、ボロンの他にカドミウムを用いることができる。
の大型装置であり、実施の形態1〜3で説明した中性子
遮蔽材をレジン106,112,114として用いるこ
とによって、格段の軽量化と、十分な中性子遮蔽能およ
び耐熱性を保持することができるとともに、内部フィン
107を有するような複雑な構成を有する箇所において
も、その流動性と可使時間の増大によってレジン10
6,112,114の鋳込み作業にかかる時間と労力と
を格段に低減することができる。
中性子遮蔽体(請求項1)およびこれを用いたキャスク
(請求項5)によれば、水酸化アルミニウムは、精製時
に不純物としてソーダ分が含まれる。このソーダ分が高
くなるにしたがって、高温時においても水酸化アルミニ
ウムに含まれる結晶水中の水分の一部を熱分解して放出
する傾向が大きくなることに着目し、水酸化アルミニウ
ムの不純物としてのソーダ分を0.1重量%以下とする
ことによって、150℃程近傍の高温状態に至るまで、
水分の一部を熱分解せずに水素含有量を保持することが
でき、これによって、高温時においても水酸化アルミニ
ウムの水素含有率を減少させずに保持することができ
る。この結果、中性子遮蔽体としての水酸化アルミニウ
ム本来の役割である難燃性と中性子遮蔽能とを長期間に
わたる高温状態においても維持することができる中性子
遮蔽体およびキャスクを実現できるという効果を奏す
る。
求項2)およびこれを用いたキャスク(請求項6)によ
れば、水酸化アルミニウムに含まれるソーダ分が0.0
7重量%以下の場合、具体的に中性子遮蔽体が長期間1
50〜160℃の状態であっても、水酸化アルミニウム
の水分が熱分解による減損量が殆どなく、中性子遮蔽体
は、水素含有率を保持することができるため、安定した
難燃性と中性子遮蔽能とを維持する中性子遮蔽体および
これをキャスクを実現できるという効果を奏する。
求項3)およびこれを用いたキャスク(請求項7)によ
れば、一般に用いられる水酸化アルミニウムの高温時に
多量の水分放出が起こる熱分解温度は、245〜320
℃であるが、水酸化マグネシウムの脱水分熱分解温度
は、340〜390℃であるため、この水酸化マグネシ
ウムを、中性子遮蔽体を組成する耐火材として一部ある
いは全部に用いることにより、高温環境下における中性
子遮蔽体の耐熱性を高められるので、一層高い温度環境
下にあっても耐熱性を保持することができる中性子遮蔽
体およびキャスクを実現できるいう効果を奏する。
求項4)およびこれを用いたキャスク(請求項8)によ
れば、反応性希釈剤入り長鎖脂肪族グリシジルエーテル
系エポキシ樹脂を主剤として用いることによって、具体
的に20〜25ポイズ程度に低粘度とすることができ、
作業性を向上させることができるとともに、主剤の水素
含有量を増加、具体的に7.5〜8.5重量%まで増加
することができる。この主剤を用いた場合、硬化剤とし
て柔軟な材料を選択することができ、可使時間に影響を
及ぼす硬化剤として、脂環式ポリアミン、ポリアミドポ
リアミン、脂肪族ポリアミンおよびエポキサイドアダク
ト等、単体または二種以上組み合わせた配合硬化剤を利
用することによって、十分な可使時間を確保できるとと
もに、硬化時における活性水素の量を多くすることがで
き、特に脂環式ポリアミンによって耐熱性をさらに高め
た2液反応常温硬化型エポキシ樹脂を実現することがで
きる。この可使時間は、たとえば、この2液反応常温硬
化型エポキシ樹脂を含む中性子遮蔽材を混練する際の温
度が30℃近傍である場合には、具体的に3〜3.5時
間程度の長い可使時間を確保することができ、鋳込み可
能時間が増大するとともに、中性子遮蔽材の大量混練を
可能とし、大きな中性子遮蔽体の形成時における中断回
数を減少させ、中性子遮蔽体の形成にかかる時間と労力
とを格段に軽減することができる。この結果、中性子遮
蔽体の耐熱性、中性子遮蔽能、および鋳込みにかかる作
業効率を高めることができる中性子遮蔽体およびキャス
クを実現できるという効果を奏する。
視図である。
図である。
図である。
10)
スク
よびこれを用いたキャスクに関し、特に未硬化状態にお
いて粘土を低くし、十分なポットライフ(可使時間)を
確保して作業性を向上させることができるとともに、優
れた耐熱性、中性子遮蔽能を保持することができる中性
子遮蔽体、およびこれを用いて、燃焼を終えた使用済み
核燃料集合体を収容、貯蔵するキャスクに関するもので
ある。
原子力施設、たとえば原子炉、核燃料再処理工場などが
各地に建設されているが、これら各種の原子力施設など
では、人体が受ける放射線の量を極力低減し、また放射
線による構造材や機器材料が損傷しないようにしなけれ
ばならない。すなわち、各種の原子力施設などの核燃料
あるいは使用済み核燃料から発生する中性子は、エネル
ギーが高く、強い透過力を有し、他の物質と衝突すると
γ線を発生し、人体に重大な障害を与え、また、原子力
施設などの各種材料を損傷させることから、この中性子
を安全確実に遮蔽することができる中性子遮蔽体の開発
が継続して行われている。
トが用いられていたが、このコンクリートは、遮蔽壁と
しては相当の厚みを必要とし、原子力船のように、重量
および容積に制限のある原子力施設では不適な中性子遮
蔽体であり、中性子遮蔽体の軽量化が望まれていた。
ぼ同じ質量の水素元素と衝突することによってエネルギ
ーが吸収され、効果的に減速されるので、水素密度の高
い、すなわち水素含有率の高い物質が高速中性子の遮蔽
に有効であり、水、パラフィン、ポリエチレンなどを中
性子遮蔽体として用いることができる。この水などの液
体は、コンクリートに比べて軽量であるが、液体である
ために取り扱いが限定され、さらには、この水などの液
体を収納する容器自体の材質の中性子遮蔽能が問題とな
る。
減速材としての効果が大きいパラフィン、ポリエチレン
などのポリオレフィン系熱可塑性樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリメタクリル酸などそ
れ自体、これらの混合物、または低速および熱中性子に
対して大きな吸収断面積を有することが知られている硼
素化合物をこれらに配合した硼素化合物含有パラフィ
ン、硼素化合物含有ポリエチレン、硼素化合物含有ポリ
メタクリル酸エステルなどによって形成される中性子遮
蔽体が提案されている。
量の水酸化アルミニウムと中性子遮蔽材として微量の炭
化硼素とを配合した中性子遮蔽体がある。このエポキシ
樹脂は、一般的に主剤および硬化剤とからなる二液反応
常温硬化型エポキシ樹脂が用いられ、主剤としては、エ
ポキシ当量が184〜194、分子量が380程度のビ
スフェノールA型主剤(水素含有量=7.1重量%)が
用いられ、硬化剤としては、脂肪族ポリアミン系、脂環
式ポリアミン、ポリアミドアミン、エポキサイドアダク
ト系単体またはこれらの混合物が用いられる。
剤および硬化剤とからなる二液反応常温硬化型エポキシ
樹脂を配合した中性子遮蔽体を形成する場合、エポキシ
樹脂主剤、硬化剤、水酸化アルミニウム、および炭化硼
素が十分に均質となる中性子遮蔽体とすべく、少量単位
で、かつ30分程度の長時間の混練・充填作業を行って
いた。この場合、混練された中性子遮蔽体は、硬化剤を
含むため、迅速に鋳込まないと固化してしまい、かつ粘
性が高いので作業効率が悪いという問題点があった。す
なわち、高い粘性であるがゆえに、鋳込み時におけるホ
ース内の流動性が悪く、単位時間当たりの鋳込み量が減
少することに加え、少量単位で混練を行うために、大型
の中性子遮蔽体を製造する場合、鋳込み中の中断回数が
増大し、全体の鋳込み時間に多大の時間と労力とがかか
ることなる。
シ樹脂を配合した中性子遮蔽体の可使時間は、混練時間
の経過とともに変化するものの、一般に混練時における
初期温度が30℃程度のとき2時間程度である。この2
時間には、混練・充填作業にかかる時間、たとえば上述
した30分の時間も含まれ、粘性の低下による混練・充
填作業時間の短縮も要望される。ここで、可使時間と
は、中性子遮蔽体が、混練による流動状態から鋳込みに
必要な最低限の流動性を残す状態までの時間をいう。
酸化アルミニウムは、水素含有率が高く、難燃性と中性
子遮蔽能とを与えるものであるが、高温環境下に長時間
さらされると、水素含有率が徐々に減少するという問題
点があった。
中性子遮蔽体形成時の低粘度化による作業効率の向上を
実現するとともに、中性子遮蔽体形成後の長期間にわた
る高温環境下においても耐熱性と中性子遮蔽能とを与え
る水素含有率とを保持することができる中性子遮蔽体お
よびこれを用いたキャスクを提供することを目的とす
る。
め、請求項1にかかる中性子遮蔽体は、長鎖脂肪族グリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂を添加したエポキシ樹脂
を主剤とし、これに脂環式ポリアミン、ポリアミド脂肪
族ポリアミンおよびエポキシアダクトを硬化剤とした二
液反応常温硬化型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする
ものである。
脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ樹脂を主剤として
用いることによって、具体的に20〜25ポイズ程度に
低粘度とすることができ、作業性を向上させることがで
きるとともに、主剤の水素含有量を増加、具体的に7.
5〜8.5重量%まで増加することができる。この主剤
を用いた場合、硬化剤として柔軟な材料を選択すること
ができ、可使時間に影響を及ぼす硬化剤として、脂環式
ポリアミン、ポリアミドポリアミン、脂肪族ポリアミン
およびエポキサイドアダクト等、単体または二種以上組
み合わせた配合硬化剤を利用することによって、十分な
可使時間を確保できるとともに、硬化時における活性水
素の量を多くすることができ、特に脂環式ポリアミンに
よって耐熱性をさらに高めた2液反応常温硬化型エポキ
シ樹脂を実現することができる。この可使時間は、たと
えば、この2液反応常温硬化型エポキシ樹脂を含む中性
子遮蔽材を混練する際の温度が30℃近傍である場合に
は、具体的に3〜3.5時間程度の長い可使時間を確保
することができ、鋳込み可能時間が増大するとともに、
中性子遮蔽材の大量混練を可能とし、大きな中性子遮蔽
体の形成時における中断回数を減少させ、中性子遮蔽体
の形成にかかる時間と労力とを格段に軽減することがで
きる。
長鎖脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ樹脂を添加し
たエポキシ樹脂を主剤とし、これに脂環式ポリアミン、
ポリアミド脂肪族ポリアミンおよびエポキシアダクトを
硬化剤とした二液反応常温硬化型エポキシ樹脂と、水酸
化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを用いた耐火
材と、炭化硼素その他の中性子吸収材とを配合したもの
である。
によってその耐熱性が高められ、耐火材として有効に作
用する。一方、一般に用いられる水酸化アルミニウムの
高温時に多量の水分放出が起こる熱分解温度は、245
〜320℃であるが、水酸化マグネシウムの脱水分熱分
解温度は、340〜390℃であるため、この水酸化マ
グネシウムを、中性子遮蔽体を組成する耐火材として一
部あるいは全部に用いることにより、高温環境下におけ
る中性子遮蔽体の耐熱性を高められる。
上記中性子遮蔽体において、前記中性子吸収材に、炭化
硼素を用いたものである。炭化硼素は、中性子の吸収に
好適である。また、請求項4にかかる中性子遮蔽体は、
上記中性子遮蔽体において、さらに、前記水酸化アルミ
ニウムに含まれるソーダ分を0.1重量%以下としたも
のである。
は、精製時に不純物としてソーダ分が含まれる。このソ
ーダ分が高くなるにしたがって、高温時においても水酸
化アルミニウムに含まれる結晶水中の水分の一部を熱分
解して放出する傾向が大きくなることに着目し、水酸化
アルミニウムの不純物としてのソーダ分を0.1重量%
以下とすることによって、150℃近傍の高温状態に至
るまで、水分の一部を熱分解せずに水素含有量を保持す
ることができ、これによって、高温時においても水酸化
アルミニウムの水素含有率を減少させずに保持すること
ができる。
上記中性子遮蔽体において、さらに、前記水酸化アルミ
ニウムに含まれるソーダ分を0.07重量%以下とした
ものである。
含まれるソーダ分が0.07重量%以下の場合、具体的
に中性子遮蔽体が長期間150〜160℃の状態であっ
ても、水酸化アルミニウムの水分が熱分解による減損量
が殆どなく、中性子遮蔽体は、水素含有率を保持するこ
とができる。
上記中性子遮蔽体を外周に有し且つγ線の遮蔽を行う胴
本体のキャビティ内を、中性子吸収能を有する複数の角
パイプをキャビティ内に挿入した状態で当該角パイプに
より構成される角断面形状のバスケットの外形に合わせ
た形状にし、前記キャビティ内に挿入したバスケットの
各セル内に使用済み核燃料集合体を収容して貯蔵するよ
うにしたものである。
脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ樹脂を主剤として
用いることによって、具体的に20〜25ポイズ程度に
低粘度とすることができ、作業性を向上させることがで
きるとともに、主剤の水素含有量を増加、具体的に7.
5〜8.5重量%まで増加することができる。この主剤
を用いた場合、硬化剤として柔軟な材料を選択すること
ができ、かつ可使時間に影響を及ぼす硬化剤として、脂
環式ポリアミン、ポリアミドポリアミン、脂肪族ポリア
ミンおよびエポキサイドアダクト等の配合剤を用いる
と、十分な可使時間を確保できるとともに、硬化時にお
ける活性水素の量を多くすることができ、特に脂環式ポ
リアミンによって耐熱性をさらに高めた2液反応常温硬
化型エポキシ樹脂を実現することができる。この可使時
間は、たとえば、この2液反応常温硬化型エポキシ樹脂
を含む中性子遮蔽材を混練する際の温度が30℃近傍で
ある場合には、具体的に3〜3.5時間程度の長い可使
時間を確保することができ、鋳込み可能時間が増大する
とともに、中性子遮蔽材の大量混練を可能とし、大きな
中性子遮蔽体の形成時における中断回数を減少させ、中
性子遮蔽体の形成にかかる時間と労力とを格段に軽減す
ることができる。
発明にかかる中性子遮蔽体およびこれを用いたキャスク
の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施
の形態によりこの発明が限定されるものではない。
れる中性子遮蔽体について説明する。この実施の形態1
における中性子遮蔽体は、主剤および硬化剤とからなる
二液反応常温硬化型エポキシ樹脂と、水酸化アルミニウ
ムと、炭化硼素とを混合したものである。二液反応常温
硬化型エポキシ樹脂とは、文字どおり、主剤と硬化剤と
が混合されることによって常温で硬化するエポキシ樹脂
である。水酸化アルミニウムは、大量に配合され、水素
含有率が大きく、耐火材と中性子遮蔽材としての機能を
有する。また、炭化硼素は、微量に配合され、中性子の
減速および吸収材としての機能を有する。
しては、反応性希釈剤入り長鎖脂肪族グリシジルエーテ
ル系エポキシ樹脂を用いる。この反応性希釈剤入り長鎖
脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ樹脂は、ビスフェ
ノールA型のエポキシ当量(=184〜194)とほぼ
同じエポキシ当量を有するが、ビスフェノールA型の粘
度(=120ポイズ)に比べ粘度が20〜25ポイズ程
度であり、低粘度化を実現する。また、この反応性希釈
剤入り長鎖脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ樹脂の
水素含有率は7.6重量%であり、ビスフェノールA型
の水素含有率7.1重量%に比べて大きな値をもつ。
グリシジルエーテル系エポキシ樹脂を二液反応常温硬化
型エポキシ樹脂の主剤として用いることによって、その
低粘度化による常温近傍における作業効率を向上させる
ことができる。すなわち、混練にかかる時間を短縮する
ことによって可使時間を稼ぐことができ、大量混練を可
能とすることから、大型の中性子遮蔽体製造時における
中断時間が少なくなり、各回の鋳込み作業自体にかかる
時間も、その流動性から短縮され、全体的な作業効率を
大幅に向上させることができる。
リシジルエーテル系エポキシ樹脂は、水素含有率が高い
ため、耐熱性および中性子遮蔽能を一層増大させること
ができる。
主剤として、反応性希釈剤入り長鎖脂肪族グリシジルエ
ーテル系エポキシ樹脂を用いると、これに対応する二液
反応常温硬化型エポキシ樹脂の硬化剤としての選択幅は
広がり、耐熱性や硬化反応速度を考慮した材料を柔軟に
選択することができる。ここでは、脂環式ポリアミン、
ポリアミド脂肪族ポリアミン、およびエポキシアダクト
を配合した硬化剤を用いる。具体的な配合割合は、たと
えば脂環式ポリアミンを30重量%、ポリアミド脂肪族
ポリアミンを20重量%、エポキシアダクトを50重量
%としている。
の硬化剤との硬化反応速度を遅くすることができ、十分
な可使時間を確保することができる。たとえば、混練時
における初期温度を30℃一定に保つことによって、可
使時間を3〜3.5時間に向上させることができる。こ
の結果、上述した主剤の低粘度に加えて作業性が一層向
上することになる。また、選択された脂環式ポリアミン
は、耐熱性が高いため、水酸化アルミニウムの耐火性能
を向上させることにもなる。さらに、この選択された配
合の硬化剤の水素含有率は、12±0.5重量%を確保
することができるため、上述した主剤と相まって高い水
素含有率を十分に確保することができる。
化硼素は、中性子吸収能を有するものであればよく、低
速および熱中性子に対して大きな吸収断面積を有する窒
化硼素、無水硼酸、硼素鉄、正硼酸、あるいはメタ硼酸
などの無機硼素化合物を配合するようにしてもよいが、
炭化硼素が特に好ましい。
2について説明する。上述した実施の形態1の中性子遮
蔽体では、主剤および硬化剤とからなる二液反応常温硬
化型エポキシ樹脂と、水酸化アルミニウムと、炭化硼素
とによって構成されているが、この多量に配合される水
酸化アルミニウムは、高温環境下において水素含有率が
低下することが知られていた。水素含有率の低下は、中
性子遮蔽体としての耐熱性および中性子遮蔽能に影響を
及ぼす。この水酸化アルミニウムの水素含有率低下は、
高温環境下において水酸化アルミニウムの一部の水分が
熱分解していることによって生じるものである。
性子遮蔽体に配合したところ、水酸化アルミニウム精製
時に含まれるソーダ(Na2O)分を低くすることによ
って、熱分解による水酸化アルミニウムの一部の水分放
出が高温域まで抑えられる傾向があることを実験的に確
認することができた。
始を行う脱水分熱分解温度は、245〜320℃である
が、水酸化アルミニウム精製時に含まれるソーダ分を少
なくすることによって、この温度領域まで水素含有率を
保持できるものと考えられる。
サイトからの精製時において、十分に時間をかけて水酸
化アルミニウムを析出することによって可能である。一
般に市販の水酸化アルミニウムに含まれるソーダ分は、
0.2〜0.3重量%であり、この場合、水酸化アルミ
ニウムの脱水分熱分解温度は120℃以上であるが、ソ
ーダ分を0.1重量%とすることによって水酸化アルミ
ニウムの脱水分熱分解温度を150℃近傍以上まで保持
することができた。とくに、水酸化アルミニウムに含ま
れるソーダ分を0.07重量%以下とすることによっ
て、150〜160℃まで脱水による熱重量減損を抑え
ることができた。このソーダ分が0.07重量%以下の
水酸化アルミニウムの精製には、上述した析出時間をか
けるほかに、たとえば市販の水酸化アルミニウムを水洗
いすることによって容易に得ることができる。
遮蔽体に配合することによって、高温環境下においても
水素含有率を保持することができる。特に、0.07重
量%以下の低ソーダ分とすることによって、150〜1
60℃以上まで水素含有率を保持することができる。こ
の150〜160℃までの水素含有率の保持は、後述す
るキャスクに用いられる中性子遮蔽体として十分なもの
である。
酸化アルミニウムが配合される中性子遮蔽体を、実施の
形態1で説明した中性子遮蔽体に用いられることを前提
として説明したが、水酸化アルミニウムが配合される中
性子遮蔽体に共通して適用されるものである。
ついて説明する。上述した実施の形態1の中性子遮蔽体
では、主剤および硬化剤とからなる二液反応常温硬化型
エポキシ樹脂と、水酸化アルミニウムと、炭化硼素とに
よって構成されているが、一般に水酸化アルミニウムの
脱水分熱分解温度は、245〜320℃であり、この温
度以下の領域における水素含有率を保持したい場合があ
る。
温度は、340〜390℃であるため、この水酸化マグ
ネシウムを中性子遮蔽体を組成する耐火材として用いる
ことによって、一層、高温環境下における中性子遮蔽体
の耐熱性を高めることができる。
1で説明した中性子遮蔽体に配合される水酸化アルミニ
ウムに代えて水酸化マグネシウムを用いることを前提と
して説明したが、この水酸化マグネシウムの配合は、中
性子遮蔽体に共通して適用されるものである。
ルミニウムに代えて水酸化マグネシウムを適用するもの
として説明したが、水酸化アルミニウムの一部を水酸化
マグネシウムに代えるようにしてもよい。
ついて説明する。この実施の形態4では、上述した実施
の形態1〜3で説明した中性子遮蔽体をキャスクの中性
子遮蔽体として適用するものである。なお、キャスク
は、燃焼を終えた使用済み核燃料集合体を収容、貯蔵す
る容器である。核燃料サイクルの終期にあって燃焼を終
え使用できなくなった核燃料集合体を、使用済み核燃料
という。使用済み核燃料は、FPなど高放射能物質を含
むので熱的に冷却する必要があるから、原子力発電所の
冷却ピットで所定期間(3〜6ヶ月間)冷却される。そ
の後、遮蔽容器であるキャスクに収納され、トラックや
船舶等で再処理施設に搬送、貯蔵される。
2は、図1に示したキャスクの軸方向断面図である。図
3は、図1に示したキャスクの径方向断面図である。キ
ャスク100は、胴本体101のキャビティ102内面
をバスケット130の外周形状に合わせて機械加工した
ものである。キャビティ102内面の機械加工は、専用
の加工装置によってフライス等によって加工する。胴本
体101および底板104は、γ線遮蔽機能を有する炭
素鋼製の鍛造品である。なお、炭素鋼の代わりにステン
レス鋼を用いることもできる。胴本体101と底板10
4は、溶接によって結合する。また、耐圧容器としての
密閉性能を確保するため、一次蓋110と胴本体101
との間には金属ガスケットを設けておく。
素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を
有するレジン106、すなわち上述した中性子遮蔽体が
充填されている。また、胴本体101と外筒105との
間には、熱伝導を行う複数の銅製内部フィン107が溶
接されており、レジン106は、内部フィン107によ
って形成される空間に流動状態で図示しないパイプ等を
介して注入され、冷却固化される。なお、内部フィン1
07は、放熱を均一に行うため、熱量の多い部分に高い
密度で設けるようにするのが好ましい。また、レジン1
06と外筒105との間には、数mmの熱膨張しろ10
8が設けられる。熱膨張しろ108は、ホットメルト接
着剤等にヒーターを埋め込んだ消失型を外筒105内面
に配し、レジン106を注入固化した後、ヒーターを加
熱して溶融排出することによって形成する。
1によって構成される。一次蓋110は、γ線を遮蔽す
るステンレス鋼または炭素鋼からなる円盤形状である。
また、二次蓋111も、ステンレス鋼製または炭素鋼製
の円盤形状であるが、その上面には、中性子遮蔽体とし
てレジン112、すなわち上述した中性子遮蔽体が封入
されている。一次蓋110および二次蓋111は、ステ
ンレス鋼製または炭素鋼製のボルト113によって胴本
体101に取り付けられている。さらに、一次蓋110
および二次蓋111と胴本体101との間には、それぞ
れ金属ガスケットが設けられ、内部の密封性を保持して
いる。また、蓋部109の周囲には、レジン114を封
入した補助遮蔽体115が設けられている。
100を吊り下げるためのトラニオン117が設けられ
ている。なお、図1では、補助遮蔽体115を設けたも
のを示したが、キャスク100の搬送時には、補助遮蔽
体115を取り外して緩衝体118を取り付ける(図2
参照)。緩衝体118は、ステンレス鋼材によって作成
された外筒120内にレッドウッド材などの緩衝材11
9を組み込んだ構造である。バスケット130は、使用
済み核燃料集合体を収容するセル131を構成する69
本の角パイプ132からなる。角パイプ132には、A
lまたはAl合金粉末に中性子吸収性能をもつBまたは
B化合物の粉末を添加したアルミニウム複合材またはア
ルミニウム合金を用いる。また、中性子吸収材として
は、ボロンの他にカドミウムを用いることができる。
の大型装置であり、実施の形態1〜3で説明した中性子
遮蔽材をレジン106,112,114として用いるこ
とによって、格段の軽量化と、十分な中性子遮蔽能およ
び耐熱性を保持することができるとともに、内部フィン
107を有するような複雑な構成を有する箇所において
も、その流動性と可使時間の増大によってレジン10
6,112,114の鋳込み作業にかかる時間と労力と
を格段に低減することができる。
中性子遮蔽体(請求項1)およびこれを用いたキャスク
(請求項6)によれば、反応性希釈剤入り長鎖脂肪族グ
リシジルエーテル系エポキシ樹脂を主剤として用いるこ
とによって、具体的に20〜25ポイズ程度に低粘度と
することができ、作業性を向上させることができるとと
もに、主剤の水素含有量を増加、具体的に7.5〜8.
5重量%まで増加することができる。この主剤を用いた
場合、硬化剤として柔軟な材料を選択することができ、
可使時間に影響を及ぼす硬化剤として、脂環式ポリアミ
ン、ポリアミドポリアミン、脂肪族ポリアミンおよびエ
ポキサイドアダクト等、単体または二種以上組み合わせ
た配合硬化剤を利用することによって、十分な可使時間
を確保できるとともに、硬化時における活性水素の量を
多くすることができ、特に脂環式ポリアミンによって耐
熱性をさらに高めた2液反応常温硬化型エポキシ樹脂を
実現することができる。この可使時間は、たとえば、こ
の2液反応常温硬化型エポキシ樹脂を含む中性子遮蔽材
を混練する際の温度が30℃近傍である場合には、具体
的に3〜3.5時間程度の長い可使時間を確保すること
ができ、鋳込み可能時間が増大するとともに、中性子遮
蔽材の大量混練を可能とし、大きな中性子遮蔽体の形成
時における中断回数を減少させ、中性子遮蔽体の形成に
かかる時間と労力とを格段に軽減することができる。こ
の結果、中性子遮蔽体の耐熱性、中性子遮蔽能、および
鋳込みにかかる作業効率を高めることができる中性子遮
蔽体およびキャスクを実現できるという効果を奏する。
求項2)では、水酸化アルミニウムを配合することによ
り高温環境下における中性子遮蔽体の耐熱性を高められ
る。また、一般に用いられる水酸化アルミニウムの高温
時に多量の水分放出が起こる熱分解温度は、245〜3
20℃であるが、水酸化マグネシウムの脱水分熱分解温
度は、340〜390℃であるため、この水酸化マグネ
シウムを、中性子遮蔽体を組成する耐火材として一部あ
るいは全部に用いることにより、高温環境下における中
性子遮蔽体の耐熱性を更に高められるので、一層高い温
度環境下にあっても耐熱性を保持することができる。
求項3)では、中性子宮主体として炭化硼素を用いるこ
とで、好ましい中性子吸収性能を得ることができる。ま
た、この発明にかかる中性子遮蔽体(請求項4)では、
水酸化アルミニウムは、精製時に不純物としてソーダ分
が含まれる。このソーダ分が高くなるにしたがって、高
温時においても水酸化アルミニウムに含まれる結晶水中
の水分の一部を熱分解して放出する傾向が大きくなるこ
とに着目し、水酸化アルミニウムの不純物としてのソー
ダ分を0.1重量%以下とすることによって、150℃
程近傍の高温状態に至るまで、水分の一部を熱分解せず
に水素含有量を保持することができ、これによって、高
温時においても水酸化アルミニウムの水素含有率を減少
させずに保持することができる。この結果、中性子遮蔽
体としての水酸化アルミニウム本来の役割である難燃性
と中性子遮蔽能とを長期間にわたる高温状態においても
維持することができる中性子遮蔽体を実現できるという
効果を奏する。
求項5)では、水酸化アルミニウムに含まれるソーダ分
が0.07重量%以下の場合、具体的に中性子遮蔽体が
長期間150〜160℃の状態であっても、水酸化アル
ミニウムの水分が熱分解による減損量が殆どなく、中性
子遮蔽体は、水素含有率を保持することができるため、
安定した難燃性と中性子遮蔽能とを維持する中性子遮蔽
体を実現できるという効果を奏する。
視図である。
図である。
図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 不純物であるソーダ分が0.1重量%以
下である高純度の水酸化アルミニウムを配合して形成し
たことを特徴とする中性子遮蔽体。 - 【請求項2】 前記ソーダ分は、0.07重量%以下で
あることを特徴とする請求項1に記載の中性子遮蔽体。 - 【請求項3】 水酸化マグネシウムを配合して形成した
ことを特徴とする中性子遮蔽体。 - 【請求項4】 反応性希釈剤入り長鎖脂肪族グリシジル
エーテル系エポキシ樹脂を主剤とし、脂環式ポリアミ
ン、ポリアミド脂肪族ポリアミンおよびエポキシアダク
トの配合を該二液反応常温硬化型エポキシ樹脂の硬化剤
とした二液反応常温硬化型エポキシ樹脂を用いて形成し
たことを特徴とする中性子遮蔽体。 - 【請求項5】 不純物であるソーダ分が0.1重量%以
下である高純度の水酸化アルミニウムを配合して形成し
た中性子遮蔽体を用いたことを特徴とするキャスク。 - 【請求項6】 前記ソーダ分は、0.07重量%以下で
あることを特徴とする請求項5に記載のキャスク。 - 【請求項7】 水酸化マグネシウムを配合して形成した
中性子遮蔽体を用いたことを特徴とするキャスク。 - 【請求項8】 反応性希釈剤入り長鎖脂肪族グリシジル
エーテル系エポキシ樹脂を主剤とし、脂環式ポリアミ
ン、ポリアミド脂肪族ポリアミンおよびエポキシアダク
トの配合を該二液反応常温硬化型エポキシ樹脂の硬化剤
とした二液反応常温硬化型エポキシ樹脂を用いて形成し
たことを特徴とする中性子遮蔽体を用いたことを特徴と
するキャスク。
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