JP2001104372A

JP2001104372A - 使い捨ておむつ

Info

Publication number: JP2001104372A
Application number: JP29137499A
Authority: JP
Inventors: Kenji Ando; 賢治安藤; Toru Hayase; 徹早瀬; Atsushi Murai; 淳村井; Jun Sasaki; 純佐々木; Megumi Kondo; めぐみ近藤; Shinobu Takei; 忍武井
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1999-10-13
Filing date: 1999-10-13
Publication date: 2001-04-17

Abstract

(57)【要約】【課題】横漏れ防止効果に優れた使い捨ておむつを提
供すること。【解決手段】液透過性のトップシート４、液不透過性
のバックシート５及びこれら両シート間に介在された液
保持性の吸収体６を有し、固定縁部及び自由縁部７ａを
有する一対のバリアカフス７が吸収体６の左右両側縁に
沿ってそれぞれ配された使い捨ておむつ１において、バ
リアカフス７が、メルトブロー不織布の層を有するシー
トからなり、吸収体６の下面の左右両側部を覆い且つバ
リアカフス７の内側にポケット部が形成されるように配
されている使い捨ておむつ１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、横漏れ防止効果に
優れた使い捨ておむつに関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】使い捨
ておむつの使用時に横漏れを防止する目的で、おむつの
トップシート側の両側部にバリアカフスをそれぞれ配す
ることが知られている。バリアカフスの素材としては、
疎水性繊維からなるスパンボンド不織布等が一般的に用
いられている。

【０００３】しかし、バリアカフスの素材としてスパン
ボンド不織布を用いた場合、その坪量が比較的大きいと
きには耐水圧が高く、バリアカフスを通して液が外側に
滲み出ることは起こりにくいが、坪量が小さい場合には
耐水圧が低くなり、バリアカフスを通して液が外側に滲
み出て横漏れが起こってしまい、バリアカフス本来の機
能が十分に発揮されないことがある。特に、バックシー
トが吸収体と同形の場合には、横漏れのみならず、吸収
体の外側領域（使用時における外面）からの液漏れも起
こり易くなる。バリアカフスの素材としてフィルムを使
用した場合、耐水圧を上げることはできるが、自由端に
ゴムを接着固定すると、バリアカフスが硬くなり、風合
いが非常に悪くなってしまう。またバリアカフスの素材
としてフィルムと不織布とのラミネートを使用すると、
剛性が上がるため、風合いが悪くなると共に材料コスト
が高くなってしまう。

【０００４】従って、本発明は、横漏れ防止効果に優れ
た使い捨ておむつを提供することを目的とする。また、
本発明は、吸収体の外側領域、特におむつの下部からの
液漏れ防止効果に優れた使い捨ておむつを提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、液透過性のト
ップシート、液不透過性のバックシート及びこれら両シ
ート間に介在された液保持性の吸収体を有し、固定縁部
及び自由縁部を有する一対のバリアカフスが前記吸収体
の左右両側縁に沿ってそれぞれ配された使い捨ておむつ
において、前記バリアカフスが、メルトブロー不織布の
層を有するシートからなり、前記吸収体の下面の左右両
側部を覆い且つ該バリアカフスの内側にポケット部が形
成されるように配されている使い捨ておむつを提供する
ことにより前記目的を達成したものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。図１には、
本発明の一実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつの
斜視図が示されている。また図２は、図１に示すパンツ
型使い捨ておむつの腹側部及び背側部それぞれの両側縁
部の接合を解いた展開緊張状態の平面図であり、図３は
図２において緊張状態を解いた状態でのIII −III 線断
面図である。

【０００７】図１〜図３に示すパンツ型使い捨ておむつ
（以下、単におむつともいう）１には、股下部Ｃを介し
て腹側部Ｓ及び背側部Ｂが形成されている。そして、腹
側部Ｓ及び背側部Ｂそれぞれの両側縁部を接合固定する
ことで、ウエスト開口部１２及び一対のレッグ開口部１
３が形成され、パンツ型おむつとなされる。

【０００８】図２及び図３に示すように、おむつ１は、
外層シート２及び該外層シート２上に配された吸収性本
体３を備えている。外層シート２は、おむつ１の外面を
なす第１の外層シート２ａ及び吸収性本体３に対向する
第２の外層シート２ｂとから構成されている。第１の外
層シート２ａ及び第２の外層シート２ｂは、何れも不織
布等の透湿性材料から構成されている。また、第１の外
層シート２ａ及び第２の外層シート２ｂは、所定の塗布
パターンで塗布されたホットメルト粘着剤等の接着剤に
よって接合されている。外層シート２は、おむつの外形
を構成しており、長手方向中央部が括れた砂時計型の形
状をしている。外層シート２における腹側部Ｓ及び背側
部Ｂそれぞれの端縁部の位置には、第１の外層シート２
ａと第２の外層シート２ｂとの間に、複数本の弾性部材
８が伸長状態で張設されており、腹側部Ｓ及び背側部Ｂ
それぞれの両側縁部を接合した場合に形成されるウエス
ト開口部１２に沿ってウエストギャザーが形成される。

【０００９】吸収性本体３は、縦長の矩形状をしてお
り、液透過性のトップシート４、液不透過性のバックシ
ート５及び液保持性の吸収体６を有している。トップシ
ート４及びバックシート５の左右両側縁部は、ホットメ
ルト粘着剤１４によって互いに接合固定されており、そ
の間に吸収体６が配されている。吸収体６も外層シート
２と同様に長手方向中央部が括れた砂時計型の形状をし
ている。バックシート５は、吸収体６の下面全域を被覆
しており、更に吸収体６の周縁から外方にやや延出して
いる。即ち、バックシート５は、吸収体６の形状よりも
やや大きな形状となっている。トップシート４及びバッ
クシート５は何れも公知の材料から構成されている。

【００１０】吸収体６としては、解繊パルプを主材と
し、高吸収性ポリマーを併用したものが好ましい。ま
た、これらに熱可塑性樹脂を併用し、熱処理を加えたも
のも用いられる。近年では、パルプを含まない吸収体が
用いられてきている。斯かるパルプレスの吸収体を用い
ることで、おむつ全体としての通気性を高めることがで
き有効である。

【００１１】吸収性本体３の幅は、外層シート２におけ
る最狭部の幅と略同様になされている。従って、外層シ
ート２は、吸収性本体３の左右両側縁部から外方に延出
しており、サイドフラップ９、９を形成している。上述
の通り、外層シート２を構成する第１の外層シート２ａ
及び第２の外層シート２ｂは、何れも透湿性材料から構
成されているから、サイドフラップ９は透湿性を有して
いる。従って、おむつ１の着用中、サイドフラップ９を
通じて着装内の水蒸気が外部に放出され、着装内が低湿
度に保たれる。

【００１２】吸収体６の左右両側縁には、該側縁に沿っ
て一対のバリアカフス７，７がそれぞれ配されている。
バリアカフス７は所定幅の矩形状シートを、その長手方
向略中心線に沿って折り曲げて形成されている。そし
て、上記矩形状シートの左右両側部を固定縁部となして
バックシート５と第２の外層シート２ｂとの間に介在さ
せ、ホットメルト粘着剤１４によりバックシート５と外
層シート２ｂとを接合固定し、且つ折り曲げ部を自由端
部７ａとなすことにより、バリアカフス７が形成されて
いる。図２に示すように、バリアカフス７は、吸収体６
の側面及び下面の左右両側部を、吸収体の長手方向の全
域に亘って覆い且つ該バリアカフス７の内側にポケット
部１０が形成されるように配されている。

【００１３】バリアカフス７における自由端部７ａから
所定幅だけ内方に亘る矩形状の領域には、複数の弾性部
材１１が所定の間隔を置いて且つ折り曲げられた上記シ
ートに挟持されるように伸張状態で配されている。各弾
性部材１１は、自由縁部７ａに沿って配されている。弾
性部材１１の配列が３本以上の場合には、自由縁部７ａ
の端縁部に応力が集中するように弾性部材１１を配列さ
せることが好ましい。また、バリアカフス７は、内向
き、即ちおむつ１の長手方向中心線の方向（トップシー
ト４の方向）向けて伏倒されて、バリアカフス７におけ
る上記矩形状の領域の前後端がトップシート４に接合固
定されている。これにより、バリアカフス７は着用者の
肌側へ起立し上述したポケット部１０がバリアカフス７
の内側に形成され、おむつ１の着用状態においては、バ
リアカフス７が着用者の脚周りに当接密着する。尚、ポ
ケット部１６を形成することは、バリアカフスの伏倒固
定を内側に限定するものではない。

【００１４】バリアカフス７を構成する前記シートは、
メルトブロー不織布の層を有し、このメルトブロー不織
布の層の両面にスパンボンド不織布の層がそれぞれ積層
されて構成されている。メルトブロー不織布は低坪量で
も耐水圧が高いことから、バリアカフスを通して液が外
側に滲み出ることが防止され、横漏れが効果的に防止さ
れる。メルトブロー不織布の層の両面にスパンボンド不
織布の層をそれぞれ積層させることで、前記シートの機
械的強度が確保される。また、本実施形態のおむつ１
は、バックシート５が吸収体６の下面を覆い且つ吸収体
６の周縁から外方にやや延出しているだけなので、おむ
つ１の下部からの液漏れも起こり易いが、耐水圧の高い
メルトブロー不織布の層を有するバリアカフス７が吸収
体６下面の左右両側部をも覆っているので、そのような
下部からの液漏れも効果的に防止される。しかも本実施
形態においては、上記シートを折り曲げて二重にしてバ
リアカフス７を構成しているので、液の滲み出しが一層
効果的に防止される。また、バリアカフス７がメルトブ
ロー不織布の層を二層具備することで、バックシート５
を小さくすることができる。尚、メルトブロー不織布の
層を二層以上にすると、防漏効果は一層向上するが、加
工工程が増えたり、風合いが硬くなることがある。

【００１５】メルトブロー不織布としては、その坪量が
０．５〜５０ｇ／ｍ²、特に１〜１０ｇ／ｍ²であるも
のを用いることが、液の滲み出し防止に十分な耐水圧の
確保と、材料コストと、生産性とのバランスの点から好
ましい。また、メルトブロー不織布の耐水圧〔測定方
法；ＪＩＳＬ１０９２（低水圧法）〕は、１０ｍｍ以
上、特に３０〜２００ｍｍであることが同様の理由から
好ましい。

【００１６】十分な耐水圧を発現させるために、メルト
ブロー不織布を構成する繊維の繊維径は、０．０１〜５
０μｍ、特に１〜１０μｍであることが好ましい。

【００１７】メルトブロー不織布に積層される不織布と
しては、前述の通り、高強度の出せるスパンボンド不織
布を用いる。メルトブロー不織布をＭ、スパンボンド不
織布をＳとしたとき、前記シートは、ＳＭ、ＳＭＳ、Ｓ
ＭＭＳ、ＳＭＭＳＳなどの積層構成をとることができ
る。特にＳＭＳについていえば、メルトブロー不織布の
層の両面にそれぞれ積層される各スパンボンド不織布Ｓ
の坪量は、１〜５０ｇ／ｍ²、特に１〜１０ｇ／ｍ²で
あることが好ましい。両スパンボンド不織布は同一のも
のでもよく、或いは異なるものでもよい。

【００１８】バリアカフス７を構成する前記シート全体
としての耐水圧は、１０ｍｍ以上、特に３０〜３００ｍ
ｍであることが好ましい。また、上記シート全体の坪量
は、３〜１００ｇ／ｍ²、特に５〜３０ｇ／ｍ²である
ことが、コスト、性能、熱シール性やホットメルト接着
性などの加工性、風合い、地合いの点から好ましい。

【００１９】バリアカフス７としての十分な機械的強度
を確保するために、前記シート全体の引張強度は、機械
方向（ＭＤ）において１〜３００Ｎ／５０ｍｍ、特に１
０〜２００Ｎ／５０ｍｍであることが好ましく、横方向
（ＣＤ）において０．５〜１００Ｎ／５０ｍｍ、特に１
〜５０Ｎ／５０ｍｍであることが更に好ましい。

【００２０】本発明は上記実施形態に制限されず、例え
ば上記実施形態においてはバリアカフス７が、吸収体６
の下面の左右両側部を、吸収体６の長手方向全域に亘っ
て覆っていたが、これに代えて吸収体６の下面の左右両
側部の一部、例えば吸収体の側縁近傍の下面のみを覆う
ようにバリアカフス７を配してもよい。

【００２１】また、上記実施形態においては、バックシ
ート５が吸収体６の形状よりもやや大きい形状であった
が、これに代えてバックシート５を、吸収体６の形状と
略同形にしたり、或いは吸収体６の形状よりもやや小さ
い形状としてもよい。バックシート５の面積は、例えば
吸収体６の面積の０．５〜２倍が好ましい。

【００２２】また、上記実施形態においては、バリアカ
フス７を構成する上記シートは３層構造であったが、こ
れに代えて該シートとして、メルトブロー不織布の層と
スパンボンド不織布の層とが積層されたものを用いても
よい。この場合には、メルトブロー不織布の層が、最も
内方に位置するように上記シートからバリアカフス７を
構成することが、漏れの効果的な防止の点、及び毛羽立
ちし易いメルトブロー不織布の毛羽立ちを防止できる点
から好ましい。更に、より多層構造（４〜５層）とする
ことで、ムラなく、地合のよいやわらかいシートを得る
ことができる。

【００２３】また、上記シートをメルトブロー不織布単
層から構成してもよく、或いはメルトブロー不織布に他
の不織布が積層されたものから構成してもよい。

【００２４】また、股下部Ｃの周縁に沿って、第１の外
層シート２ａと第２の外層シート２ｂとの間に弾性部材
を接合固定して、レッグ用のギャザーを二重に形成する
ことで、横漏れを一層防止するようにしてもよい。

【００２５】また、腹側部Ｓ及び背側部Ｂにおけるウエ
スト開口部１２とレッグ開口部１３との間において、第
１の外層シート２ａと第２の外層シート２ｂとの間にお
むつの幅方向に亘って１又は２以上の弾性部材を伸張状
態で張設してもよい。

【００２６】また、前記実施形態では、第１及び第２の
外層シート２ａ，２ｂの股下幅と吸収性本体３の幅とは
略同一であったが、それに限られることなく、第１及び
第２の外層シート２ａ，２ｂの股下幅は吸収性本体３の
幅よりも広くても狭くてもよい。

【００２７】また、前記実施形態はパンツ型の使い捨て
おむつに係るものであるが、本発明は展開型の使い捨て
おむつにも同様に適用できる。

【００２８】

【発明の効果】本発明によれば、横漏れ及びおむつの下
部からの液漏れ防止効果に優れ、通気性が高くかぶれに
くい使い捨ておむつが提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態としてのパンツ型使い捨て
おむつを示す斜視図である。

【図２】図１に示すパンツ型使い捨ておむつの腹側部及
び背側部それぞれの両側縁部の接合を解いた展開緊張状
態を示す平面図である。

【図３】図２において緊張状態を解いた状態でのIII −
III 線断面図である。

【符号の説明】

１パンツ型使い捨ておむつ２外層シート３吸収性本体４トップシート５バックシート６吸収体７バリアカフス９サイドフラップ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者村井淳栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内 (72)発明者佐々木純栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内 (72)発明者近藤めぐみ栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内 (72)発明者武井忍栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内Ｆターム(参考） 3B029 BC02 BC07 BD09 BD10 BD12 BD13 BD14 BD15 DA00 4C098 AA09 CC10 CC12 CE05 CE06 DD01 DD10

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】液透過性のトップシート、液不透過性の
バックシート及びこれら両シート間に介在された液保持
性の吸収体を有し、固定縁部及び自由縁部を有する一対
のバリアカフスが前記吸収体の左右両側縁に沿ってそれ
ぞれ配された使い捨ておむつにおいて、前記バリアカフスが、メルトブロー不織布の層を有する
シートからなり、前記吸収体の下面の左右両側部を覆い
且つ該バリアカフスの内側にポケット部が形成されるよ
うに配されている使い捨ておむつ。
【請求項２】前記バックシートの形状が、前記吸収体
の形状と略同形であるか又は該吸収体よりもやや大きい
か若しくは小さい形状であり、前記吸収体の左右両側縁から外方にそれぞれ延出する透
湿性のサイドフラップを有する請求項１記載の使い捨て
おむつ。
【請求項３】股下部を介して位置する腹側部及び背側
部それぞれの両側縁部が接合され、ウエスト開口部及び
一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型の形態を有す
る請求項１又は２記載の使い捨ておむつ。
【請求項４】前記シートが所定の折り曲げ線に沿って
折り曲げられて、折り曲げ部を前記自由縁部となし、該
自由端部から所定幅だけ内方に亘る領域に、複数の弾性
部材が所定の間隔を置いて且つ折り曲げられた上記シー
トに挟持されるように、前記自由縁部に沿って配されて
いる請求項１〜３の何れかに記載の使い捨ておむつ。
【請求項５】前記メルトブロー不織布の層の両面にス
パンボンド不織布の層がそれぞれ積層されて前記シート
が構成されている請求項１〜４の何れかに記載の使い捨
ておむつ。