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JP2001188102A - 反射防止フィルム - Google Patents

反射防止フィルム

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JP2001188102A
JP2001188102A JP37167199A JP37167199A JP2001188102A JP 2001188102 A JP2001188102 A JP 2001188102A JP 37167199 A JP37167199 A JP 37167199A JP 37167199 A JP37167199 A JP 37167199A JP 2001188102 A JP2001188102 A JP 2001188102A
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JP
Japan
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layer
antireflection
antireflection film
film
antifouling
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Pending
Application number
JP37167199A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Ohata
浩一 大畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反射防止フィルムの表面に、指紋、皮脂、汗、
化粧品などの汚れが付着することを防止し、また、付着
しても容易に拭き取れるようにする優れた防汚性の防汚
層を高い耐久性で形成できることようにすることと、ま
た、擦過による反射防止層の表面に傷が付きにくく、反
射防止層の剥離のない反射防止フィルムを提供すること
を目的とする。 【解決手段】透明フィルム基材上の少なくとも片面に、
反射防止層を有する反射防止フィルムにおいて、最上層
に防汚層を形成し、防汚層の水と、油(n−ヘキサデカ
ン等)の転落角が30°以下、好ましくは20°以下、
且つ、静摩擦係数と、動摩擦係数が0.3以下、好まし
くは0.1以下であることを特徴とする反射防止フィル
ムを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ(液
晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクショ
ンディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプ
レイ等)の表示画面表面に適用される反射防止フィルム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多くのディスプレイは、室内外を問わず
外光などが入射するような環境下で使用される。この外
光などの入射光は、ディスプレイ表面等において正反射
され、反射像が表示光と混合し表示品質を低下させ、表
示画像を見にくくしている。
【0003】特に、最近のオフィスのOA化に伴い、コ
ンピューターを使用する頻度が増し、ディスプレイと相
対していることが長時間化した。これにより反射像等に
よる表示品質の低下は、目の疲労など健康障害等を引き
起こす要因とも考えられている。
【0004】更には、近年ではアウトドアライフの普及
に伴い、各種ディスプレイを室外で使用する機会が益々
増える傾向にあり、表示品質をより向上して表示画像を
明確に認識できるような要求が出てきている。
【0005】これらの要求を満たす為の例として、透明
基材の表面に、金属酸化物などから成る高屈折率層と低
屈折率層を積層した、或いは無機や有機フッ素化合物な
どの低屈折率層を単層で形成した可視光の広範囲にわた
り反射防止効果を有する反射防止フィルムをディスプレ
イ表面に張り合わせる等して利用することが知られてい
る。
【0006】これとは別に、透明プラスチックフィルム
基材の表面に透明な微粒子を含むコーティング層を形成
し、凹凸状の表面により外光を乱反射させるなどして
も、同様の効果を得られることが知られている。
【0007】一方、上記反射防止フィルムには、人が使
用することによって、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚
れが付着する場合が多い。一般に、反射防止層の表面エ
ネルギーは約60J/m2 と大きいために、そのような
汚れが付着しやすく、かつ、微細な凹凸があるため除去
することが容易ではない。また、そのような汚れが付着
した部分だけ高反射となり、汚れが目立つため問題があ
った。
【0008】そこで、これら汚れの問題を解決する手段
として、汚れが付着しにくく、付着しても拭き取りやす
い性能を持つ防汚層を反射防止フィルムの表面に設ける
工夫が考案されている。
【0009】例えば、特開昭64−86101号公報に
は、基材の表面に、主として二酸化珪素からなる反射防
止膜を設け、更にその表面に有機珪素置換基を含む化合
物で処理した耐汚染性、耐擦傷性の反射防止膜物品が提
案されている。特開平4−338901号公報には、同
様に基材表面に末端シラノール有機ポリシロキサンを皮
膜した耐汚染性、耐擦傷性のCRTフィルターが提案さ
れている。
【0010】また、特公平6−29332号公報には、
プラスチック表面にポリフルオルアルキル基を含むモノ
及びジシラン化合物およびハロゲン、アルキルまたはア
ルコキシのシラン化合物とからなる反射防止膜を有する
低反射率および防汚性のプラスチックが提案されてい
る。
【0011】更に、特開平7−16940号公報には、
パーフルオロアルキル(メタ)アクリレートとアルコキ
シシラン基を有する単量体との共重合体を二酸化珪素を
主とする光学薄膜上に形成した光学物品が提案されてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
防汚層の形成技術においては、防汚性が不十分であり、
特に、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚れが拭き取りに
くく、また、使用とともに防汚性能が大きく低下する。
このため、防汚性と耐久性に優れた反射防止フィルムが
望まれている。
【0013】一方、反射防止フィルムは、擦過により、
反射防止層の表面に傷が付きやすく、そのため、表示装
置に貼り合わせ場合、擦過による傷のため表示装置を認
識しにくくする他、外観を著しく劣化させる。また、傷
をきっかけとして反射防止層の剥離を招くなどの問題が
生じる。
【0014】本発明は、以上のような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、反射防止フィルムの表面
に、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚れが付着すること
を防止し、また、付着しても容易に拭き取れるようにす
る優れた防汚性の防汚層を高い耐久性で形成できること
ようにすることと、また、擦過による反射防止層の表面
に傷が付きにくく、反射防止層の剥離のない反射防止フ
ィルムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
請求項1の発明は、透明フィルム基材上の少なくとも片
面に、反射防止層を有する反射防止フィルムにおいて、
最上層に防汚層を形成し、防汚層の水と、油の転落角が
30°以下、好ましくは20°以下、且つ、静摩擦係数
と、動摩擦係数が0.3以下、好ましくは0.1以下で
あることを特徴とする反射防止フィルムである。
【0016】請求項2の発明は、上記の防汚層が、パー
フルオロポリエーテル基含有シランカップリング剤から
なることを特徴とする請求項1記載の反射防止フィルム
である。
【0017】請求項3の発明は、上記の防汚層がRf
(OC36n ―O―(CF2 m ―(CH2l
O―(CH2s ―Si(OR)3 (但し、Rf は炭素
数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル
基、nは1〜50の整数、mは0〜3の整数、lは0〜
3の整数、sは0〜6の整数、但し、6≧m+l>0、
Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)であること
を特徴とする請求項1または2記載の反射防止フィルム
である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられる透明フィルム基材とは、通常
の光学部材用材料として用いられるものである。
【0019】透明フィルム基材には、種々の有機高分子
からなる透明フィルム基材をあげることができる。通
常、光学部材として使用される透明フィルム基材は、透
明性、屈折率、分散などの光学特性、さらには耐衝撃
性、耐熱性、耐久性などの諸物性の点から、ポリオレフ
ィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエス
テル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート等)、ポリアミド系(ナイロン−6、ナイロ
ン−66等(ナイロンは登録商標))、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、
エチレンビニルアルコール、アクリル、セルロース系
(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セ
ロファン等)等、或いはこれらの有機高分子の共重合体
などからなっているが、本発明の透明フィルム基材とし
てもこれらの基材をあげることができる。
【0020】これらの透明フィルム基材を構成する有機
高分子に、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線
吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等
を含有させたものも使用することができる。
【0021】また、透明フィルム基材は、単層、或いは
複数の有機高分子を積層したものでも良い。また、その
厚みは、特に限定されるものではないが、0.01〜5
mmが好ましい。
【0022】また、反射防止層となる無機化合物層を形
成する無機化合物としては、金属酸化物〔酸化珪素(二
酸化珪素、一酸化珪素等)、酸化アルミニウム、酸化マ
グネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウ
ム、酸化トリウム、酸化アンチモン、酸化インジウム、
酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化
亜鉛、ITO(Indium Tin Oxide)
等〕、金属ハロゲン化物〔フッ化マグネシウム、フッ化
カルシウム、フッ化ナトリウム、フッ化ランタン、フッ
化セリウム、フッ化リチウム、フッ化トリウム等〕等を
あげることができる。
【0023】これら無機化合物からなる無機化合物層
は、単層または多層の薄膜等が挙げられ、これらはウェ
ットコーティング法(ディップコーティング法、スピン
コーティング法、フローコーティング法、スプレーコー
ティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティ
ング法等)、PVD(Physical VaporD
eposition)法(真空蒸着法、反応性蒸着法、
イオンビームアシスト法、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法等)、CVD(Chemical Va
por Deposition)法等の公知の方法によ
り形成される。
【0024】また、透明フィルム基材と反射防止層との
間に、ハードコート層を設けても良い。このハードコー
ト層を設けることにより、基材表面の硬度が向上すると
共に、基材表面が平滑になり、透明フィルム基材と反射
防止層との密着が向上するために、鉛筆等の荷重のかか
る引っ掻きによる傷を防止し、また、透明フィルム基材
屈曲による反射防止層のクラック発生を抑制することが
でき、反射防止フィルムの機械的強度が改善できる。
【0025】ハードコート層は透明性と適度な硬度と機
械的強度があれば、特に限定されるものではない。電離
放射線や紫外線の照射による硬化樹脂や熱硬化性の樹脂
が使用でき、特に、紫外線照射硬化型アクリル系樹脂、
有機ケイ素系樹脂、熱硬化型ポリシロキサン樹脂が好ま
しい。
【0026】これらの樹脂は透明フィルム基材と屈折率
が同等もしくは近似していることがより好ましい。膜厚
は3μm以上あれば十分な強度となるが、透明性、塗工
精度、取り扱いから5〜7μmの範囲が好ましい。
【0027】前記ハードコート層に平均粒子径0.01
〜3mmの無機或いは有機物微粒子を混合分散させる。
または表面形状を凹凸させることで一般的にアンチグレ
アと呼ばれる光拡散性処理を施すことが出来る。これら
の微粒子は透明であれば特に限定されるものではない
が、低屈折率材料が好ましく、酸化ケイ素、フッ化マグ
ネシウムが安定性、耐熱性等で好ましい。これらのハー
ドコート層は均一に塗布されるものであれば、塗布方法
はいかなる方法でも構わない。
【0028】本発明の透明フィルム基材上に反射防止層
を有する反射防止フィルムは、その最上層に防汚層を形
成する。その防汚層の水と、油(n−ヘキサデカン等)
の転落角が30°以下、好ましくは20°以下、且つ、
静摩擦係数と、動摩擦係数が0.3以下、好ましくは
0.1以下であるために、防汚層表面の滑り性が高く、
汚染物質との付着力が小さくなる。
【0029】従って、指紋、皮脂、汗、化粧品などの汚
れを付着することを防止し、また、付着しても容易に拭
き取れるようになり、擦過による反射防止層の表面に傷
が付くことを防止し、また、傷をきっかけとした反射防
止層の剥離を防ぐことが出来る。
【0030】一方、防汚層の水と、油(n−ヘキサデカ
ン等)の転落角が30°以上、且つ、静摩擦係数と、動
摩擦係数が0.3以上の場合は、防汚層表面の滑り性が
低く、汚染物質との付着力が高くなる。従って、指紋、
皮脂、汗、化粧品などの汚れが付着しやすく、また、拭
き取りにくくなり、擦過による反射防止層の表面に傷が
付きやすくなり、また、傷をきっかけとした反射防止層
の剥離が生じる。
【0031】その防汚層は、パーフルオロポリエーテル
基含有シランカップリング剤からなっており、特に、パ
ーフルオロポリエーテル基含有シランカップリング剤で
あるRf ―(OC36n ―O―(CF2m ―(C
2l ―O―(CH2s―Si(OR)3 が好まし
い。
【0032】この一般式において、Rf は炭素数1〜1
6の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基であ
り、特に、CF3 ―、C25 ―、C37 ―が好まし
い。また、nは1〜50の整数、mは0〜3の整数、l
は0〜3の整数、sは0〜6の整数、但し、6≧m+l
>0、Rは炭素数1〜10のアルキル基、特に、―CH
3 、―C25 が好ましい。
【0033】これらの防汚層は、ウェットコーティング
法(ディップコーティング法、スピンコーティング法、
フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロー
ルコーティング法、グラビアコーティング法等)、PV
D(Physical Vapor Depositi
on)法、CVD(Chemical VaporDe
position)法等の公知の方法により形成され
る。特に、ウェットコーティング法、PVD法が好まし
い。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明は実施例に限定されるものではない。 〈実施例1〉 〔(1) 反射防止膜付きTACフィルムの作製〕TA
Cフィルム(厚さ:80μm)上に、多官能性アクリル
樹脂をマイクログラビア法を用いて塗布し、120Wの
メタハライドランプを20cmの距離から10sec.
照射することにより、ハードコート層を形成させた。そ
の後、ハードコート層付きTACフィルム上にプラズマ
アシスト蒸着法により、TiO2 ,SiO2 ,TiO
2 ,SiO2 の順序に成膜し、反射防止層を作製した。
【0035】各層の屈折率n、形状膜厚d、及び光学膜
厚ndは、TACフィルム(n=1.49)、ハードコ
ート層(n=1.51,d=約5μm)、TiO2 (n
=2.30,nd=60nm)、SiO2 (n=1.4
6,nd=40nm)、TiO2 (n=2.30,nd
=110nm)、SiO2 (n=1.46,nd=14
0nm)とした。光学膜厚は、光学式膜厚モニターによ
り監視し、目的光量値に達した時に成膜を止め、所定の
光学膜厚を得た。
【0036】〔(2) 防汚層の作製〕パーフルオロポ
リエーテル基含有シランカップリング剤であるC37
―(OC3624―O―(CF22 ―C24 ―O
―CH2 Si(OCH33 をモリブデンボート上に乗
せ、真空蒸着法(抵抗加熱法)により、前記反射防止膜
付TACフィルム上に成膜し、防汚層を作製した。真空
蒸着機内を5×10-5Torr以下に真空排気した後、
ボートを400℃に加熱し、蒸発させた。
【0037】〈比較例1〉CF3 (CF27 (CH
22 Si(NH)3/2 〔KP801M:信越化学工業
(株)製〕を用いて、実施例1と同様にして反射防止膜
付きTACフィルム上に防汚層を作製した。上記の実施
例、比較例において、各種物性評価方法と結果(表1)
を以下に示す。
【0038】〈物性評価方法〉 (a)接触角測定 接触角計〔CA−X型:協和界面科学(株)製〕を用い
て、乾燥状態(20℃−65%RH)で1.8μlの液
滴を針先に作り、これを基材(固体)の表面に接触させ
て液滴を作った。接触角とは、固体と液体が接する点に
おける液体表面に対する接線と固体表面がなす角で、液
体を含む方の角度で定義した。測定液体には、蒸留水と
n−ヘキサデカンを使用した。
【0039】(b)転落角測定 転落角計〔CA−X型:協和界面科学(株)製〕を用い
て、乾燥状態(20℃−65%RH)で63μlの液滴
を針先に作り、これを水平な基材(固体)表面上に接触
させて液滴を作った。
【0040】次にこの固体試料を徐々に傾けていくと、
液滴は徐々に変形し、傾斜角度がある角度に達したと
き、液滴は下方へ滑り出す。このときの傾斜角度(転落
角)、前進角、後退角を測定した。測定液体には、蒸留
水とn−ヘキサデカンを使用した。
【0041】(c)油性インキペンの付着性・拭き取り
回数 基材表面に油性インキペン(マジックインキ(登録商
標):細書き用no.500)を用いて、長さ1cmの
直線を書き、その付き易さあるいは目立ち易さを目視判
定を行った。判定基準を以下に示す。 ○:油性インキペンが球状にはじいている。 ×:油性インキペンがはじかず、書ける。
【0042】(d)油性インキペンの拭き取り性 基材表面に付着した油性ペンをセルロース製不織布〔ベ
ンコットM−3:旭化成(株)製〕で拭き取り、その取
れ易さを目視判定を行った。判定基準を以下に示す。ま
た、拭き取れるまでの回数を測定した。 ○:油性インキペンを完全に拭き取ることが出来る。 △:油性インキペンの拭き取り跡が残る。 ×:油性インキペンを拭き取ることが出来ない。
【0043】(e)指紋の付着性 基材表面に指を数秒押しつけて、指紋を付着させ、その
付き易さあるいは目立ち易さを目視判定を行った。判定
基準を以下に示す。 ○:指紋の付着が少なく、付いた指紋が目立たない。 ×:指紋の付着が認識できる。
【0044】(f)指紋の拭き取り性 基材表面に付着した指紋をセルロース製不織布〔ベンコ
ットM−3:旭化成(株)製〕で拭き取り、その取れ易
さを目視判定を行った。判定基準を以下に示す。また、
拭き取れるまでの回数を測定した。 ○:指紋を完全に拭き取ることが出来る。 △:指紋の拭き取り跡が残る。 ×:指紋の拭き取り跡が拡がり、拭き取ることが出来な
い。
【0045】(g)耐擦傷性 基材表面をスチールウール〔#0000〕で荷重250
g/cm2 で往復10回擦った後に、傷の有無を目視判
定を行った。判定基準を以下に示す。 ○:傷無し。 △:若干傷がついている。 ×:著しく傷がついている。
【0046】(h)摩擦係数測定 自動摩擦・摩耗解析装置〔DFPM−SS型:協和界面
科学(株)製〕を用いて、JIS K 7125(プラ
スチックフィルム及びシートの摩擦係数試験方法)に基
づいて、各試料の摩擦係数〔静摩擦係数(μs )、動摩
擦係数(μk )〕を測定した。測定条件は、以下のよう
にした。 (1)サファイアによる点接触 (2)荷重:200g (3)ストローク:50.0mm (4)測定速度:1.7mm/s.
【0047】
【表1】
【0048】表1の結果より、実施例1のパーフルオロ
ポリエーテル基含有シランカップリング剤を用いた防汚
層は、高い防汚性(マジックインキ耐性、指紋耐性)を
示した。
【0049】また、防汚性(マジックインキ耐性、指紋
耐性)、耐擦傷性、転落角、静(動)摩擦係数は、相関
関係があり、接触角とは相関関係がない。接触角が高い
ことは、一見、高い防汚性を示すかに見えるが、必ず、
そうとは限らない。
【0050】接触角は表面の粗さや状態に影響され変化
するためである。防汚性とは、液滴(汚染物質)に何ら
かの力が加わった時、すぐに転がり(滑り)出す、いわ
ゆる液体(汚染物質)との付着力がいかに小さいかとい
うことである。液体(汚染物質)と固体(基材)の界面
に働く付着力は、接触角とは別なものである。
【0051】
【発明の効果】本発明の透明フィルム基材上の少なくと
も片面に、反射防止層を有する反射防止フィルムは、そ
の最上層に防汚層を形成している為、防汚層の水と、油
(n−ヘキサデカン等)の転落角が30°以下、好まし
くは20°以下であり、且つ、静摩擦係数と、動摩擦係
数が0.3以下、好ましくは0.1以下であるために、
反射防止性能を損なわせることがなく、指紋、皮脂、
汗、化粧品などの汚れが付着しにくく、付着しても拭き
取りやすい性能を持ち、その効果の耐久性に優れ、ま
た、擦過による反射防止層の表面に傷が付きにくく、反
射防止層の剥離のない反射防止フィルムが得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明フィルム基材上の少なくとも片面に、
    反射防止層を有する反射防止フィルムにおいて、最上層
    に防汚層を形成し、防汚層の水と、油の転落角が30°
    以下、好ましくは20°以下、且つ、静摩擦係数と、動
    摩擦係数が0.3以下、好ましくは0.1以下であるこ
    とを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 【請求項2】上記の防汚層が、パーフルオロポリエーテ
    ル基含有シランカップリング剤からなることを特徴とす
    る請求項1記載の反射防止フィルム。
  3. 【請求項3】上記の防汚層が、Rf ―(OC36n
    ―O―(CF2m ―(CH2l―O―(CH2s
    ―Si(OR)3 (但し、Rf は炭素数1〜16の直鎖
    状または分岐状パーフルオロアルキル基、nは1〜50
    の整数、mは0〜3の整数、lは0〜3の整数、sは0
    〜6の整数、但し、6≧m+l>0、Rは炭素数1〜1
    0のアルキル基を示す。)であることを特徴とする請求
    項1または2記載の反射防止フィルム。
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