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JP2001168442A - 半導体レーザ素子の製造方法、配設基板および支持基板 - Google Patents

半導体レーザ素子の製造方法、配設基板および支持基板

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JP2001168442A
JP2001168442A JP34711999A JP34711999A JP2001168442A JP 2001168442 A JP2001168442 A JP 2001168442A JP 34711999 A JP34711999 A JP 34711999A JP 34711999 A JP34711999 A JP 34711999A JP 2001168442 A JP2001168442 A JP 2001168442A
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JP
Japan
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substrate
semiconductor laser
solder film
laser chip
laser device
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JP34711999A
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English (en)
Inventor
Masabumi Ozawa
正文 小沢
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Priority to US09/729,210 priority patent/US6479325B2/en
Priority to CN00135381A priority patent/CN1299170A/zh
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 製造に要する時間を短縮することができ、か
つ、加熱による性能劣化を防止することができる半導体
レーザ素子の製造方法、その配設基板および支持基板を
提供する。 【課題手段】 レーザチップ20、サブマウント30お
よびヒートシンク40を重ね合わせて接着することによ
り半導体レーザ素子を形成する。レーザチップ20は、
結晶基板21の同一面側にp側電極2aおよびn側電極
2bを形成してなるものであり、サブマウント30は、
支持体31の表裏面に表面半田膜3aおよび裏面半田膜
3bを形成してなるものである。レーザチップ20、サ
ブマウント30およびヒートシンク40を重ね合わせ、
熱および圧力を加えることにより、表面半田膜3aおよ
び裏面半田膜3bが溶融し、レーザチップ20、サブマ
ウント30およびヒートシンク40が一度に貼り合わさ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体の同一面側に
半導体層および電極膜が形成されたレーザチップを含む
半導体レーザ素子の製造方法、並びにその製造方法にお
いて用いられる配設基板および支持基板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、短波長光の光源として、例えばG
aNなどの窒化物半導体を用いた半導体レーザ素子を有
する半導体発光装置が開発されている。一般に、窒化物
半導体を用いた半導体レーザ素子では、サファイア(A
2 3 )などの基体上に、窒化物半導体からなるn型
層、活性層およびp型層が順に積層形成されている。半
導体レーザ素子の一対の電極膜のうち、p側電極は半導
体層の最上層であるp型層上に形成され、n側電極はp
型層および活性層のエッチングにより露出したn型層上
に形成される。ここでは、基体、半導体層、p側電極お
よびn側電極を合わせてレーザチップと呼ぶ。
【0003】一般に、レーザチップは、その半導体層が
発生した熱を効率的に放散できるよう、比較的熱伝導率
の大きい金属などからなる支持基板(ヒートシンクとも
呼ばれる。)によって支持されている。また、レーザチ
ップと支持基板との間には、絶縁材料からなる支持体に
リード電極部を形成してなる配設基板(サブマウントと
も呼ばれる。)が設けられている。従来の半導体レーザ
素子の製造方法では、まず、配設基板と支持基板とを半
田により接着し、次いでその配設基板とレーザチップと
を半田により接着するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の半導体レーザ素子の製造方法では、2回の接
着工程を経なければならないことから、半導体レーザ素
子の製造に要する時間が長くなるという問題がある。さ
らに、半田を溶融させるための熱処理を2回行わなけれ
ばならないことから、熱処理の繰り返しにより半導体レ
ーザ素子の性能劣化を引き起こすという問題もある。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、製造に要する時間を短縮することが
でき、かつ、加熱による性能劣化を抑制することができ
る半導体レーザ素子の製造方法、配設基板および支持基
板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体レー
ザ素子の製造方法は、レーザチップ、配設基板および支
持基板を一度に貼り合わせる工程を含むことを特徴とす
るものである。
【0007】また、本発明による半導体レーザ素子の配
設基板は、基体に半導体層を形成してなるレーザチップ
と貼り合わされて用いられる配設基板であって、支持体
と、この支持体の一対の面にそれぞれ形成された第1の
半田膜および第2の半田膜とを備えたことを特徴とする
ものである。
【0008】また、本発明による半導体レーザ素子の支
持基板は、半導体層を含むレーザチップを所定の配設基
板を介して支持する支持基板であって、基板本体の少な
くとも一面に半田膜を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0009】本発明による半導体レーザ素子の製造方法
では、レーザチップ、配設基板および支持基板が一度に
貼り合わされるため、貼り合わせ作業を2回繰り返す必
要が無い。
【0010】また、本発明による半導体レーザ素子の配
設基板では、この配設基板の一方の側にレーザチップを
重ね合わせ、他方の側に支持基板を重ね合わせることに
より、レーザチップと配設基板とが第1の半田膜により
接着され、同時に、配設基板と支持基板とが第2の半田
膜によ接着される。
【0011】さらに、本発明による半導体レーザ素子の
支持基板では、この支持基板の一方の側に配設基板を重
ね合わせることにより、配設基板と支持基板とが半田膜
により接着される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0013】[第1の実施の形態]図1は、第1の実施
の形態に係る半導体レーザ素子1が用いられた半導体発
光装置100の一例を表す図である。半導体発光装置1
00は、半導体レーザ素子1と、この半導体レーザ素子
1を覆う所定形状のパッケージ10とを備えて構成され
ている。パッケージ10は、円板形状の支持ディスク1
1と、この支持ディスク11に取り付けられる円筒形状
の蓋体12とを有している。蓋体12の長手方向一端面
は閉塞されているが、その一端面には半導体レーザ素子
1から射出されたレーザビームをパッケージ10外に取
り出すための窓12aが形成されている。蓋体12は、
例えば銅(Cu)または鉄(Fe)などの金属により構
成されており、窓12aは透明なガラスあるいは樹脂に
より構成されている。支持ディスク11は、銅または鉄
などの金属により構成されており、その表面(図1にお
ける前面)には、半導体レーザ素子1が形成されてい
る。ここで、半導体レーザ素子1は、本発明における
「半導体レーザ素子」に対応する。
【0014】図2は、半導体レーザ素子の構造を表す断
面図である。半導体レーザ素子1は、半導体層を含むレ
ーザチップ20と、このレーザチップ20が載置された
サブマウント30と、これらを支持するヒートシンク4
0とを備えて構成されている。ヒートシンク40は、レ
ーザチップ20の発する熱を放散するためのものであ
り、熱伝導率の大きい金属などにより形成されている。
サブマウント30は、レーザチップ20とヒートシンク
40との間に介在し、レーザチップ20の後述する電極
2a,2bに接続されるリード電極層32,33を有す
るものである。ここで、レーザチップ20は、本発明に
おける「レーザチップ」の一具体例に対応する。また、
サブマウント30は、本発明における「配設基板」の一
具体例に対応し、ヒートシンク40は、本発明における
「支持基板」の一具体例に対応する。なお、図2および
以下に説明する図3ないし図7では、レーザーチップ2
0、サブマウント30およびヒートシンク40は、それ
ぞれ厚さ方向の寸法を誇張して示すようにする。
【0015】図3は、図2に示した半導体レーザ素子1
のレーザチップ20の構造を表す断面図である。レーザ
チップ20は、サファイア(Al2 3 )からなる結晶
基板21を有している。なお、結晶基板21としては、
サファイアの他、スピネル(MgAl2 4 )、窒化ガ
リウム(GaN)、ケイ素(Si)あるいは炭化ケイ素
(SiC)を用いて形成しても良い。結晶基板21の表
面には、例えばケイ素などのn型不純物をドープされた
n型GaNからなるn型コンタクト層22が形成されて
いる。n型コンタクト層22の厚さは、例えば、約4μ
mである。n型コンタクト層22の表面には、ケイ素な
どのn型不純物をドープされたn型AlGaNからなる
n型クラッド層23が形成されている。n型クラッド層
23の厚さは、例えば、約1.2μmである。
【0016】n型クラッド層23の表面には、InGa
Nにより構成された活性層24が形成されている。活性
層24は、例えば光閉じ込め層を有して構成されるもの
で、いわゆる発光層として機能するものである。活性層
24の表面には、Mgなどのp型不純物をドープしたp
型AlGaNからなるp型クラッド層25が形成されて
いる。p型クラッド層25の厚さは、例えば約0.8μ
mである。p型クラッド層25の表面には、例えば、M
gなどのp型不純物をドープしたp型GaNからなるp
型コンタクト層26が形成されている。p型コンタクト
層26の厚さは、例えば約0.3μmである。p型クラ
ッド層25およびp型コンタクト層26の一部はエッチ
ングにより除去されており、p型クラッド層25および
p型コンタクト層26を挟み込むように、酸化ケイ素、
アルミナ(Al2 3 )などの絶縁膜からなる狭窄層2
7が設けられている。
【0017】p型コンタクト層26の表面には、p側電
極2aが形成されている。p側電極2aは、例えば、p
型コンタクト層26の側から順にニッケル(Ni)層お
よび金(Au)層を積層して加熱処理により合金化した
ものである。n型コンタクト層22、n型クラッド層2
3、活性層24、p型クラッド層25およびp型コンタ
クト層26は、エッチングにより部分的に除去されてお
り、n型コンタクト層22の一部が露出している。この
n型コンタクト22の露出表面にn側電極2bが形成さ
れている。n側電極2bは、例えば、n型コンタクト層
22の側から順にチタン(Ti)層、アルミニウム(A
l)層および金層を積層して加熱処理により合金化した
ものである。p側電極2aおよびn側電極2bは、いず
れも、図2において紙面に垂直な方向に帯状に長く形成
されている。また、p側電極2aがn側電極2bよりも
例えば約3.5μm突出している。
【0018】ここで、結晶基板21は、本発明における
「基体」の一具体例に対応する。また、n型コンタクト
層22からp型コンタクト層26および狭窄層27まで
の積層体が、本発明における「半導体層」の一具体例に
対応する。加えて、p側電極2aおよびn側電極2b
は、本発明における「一対の電極膜」の一具体例に対応
する。
【0019】レーザチップ20の紙面に垂直な方向にお
ける両端部には、一対の図示しない反射鏡膜が形成され
ている。この反射鏡膜は、例えば二酸化ケイ素膜と酸化
ジルコニウム(ZrO)膜とを交互に積層した構造を有
し、一方の反射鏡膜の反射率が他方の反射鏡の反射率よ
りも低くなるようになっている。活性層24において発
生した光は、一対の反射鏡膜の間を往復して増幅された
のち、一方の反射鏡膜からレーザビームとして射出され
るようになっている。
【0020】図4は、サブマウント30の構造を表す断
面図である。サブマウント30は、直方体形状を有する
板状部材である支持体31上に、リード電極層32,3
3および半田膜3a,3bを形成して構成されたもので
ある。支持体31は、絶縁性があり熱伝導率の大きい、
例えばダイヤモンド(C)、酸化ベリリウム(Be
O)、銅−タングステン合金(CuW)、窒化アルミニ
ウム(AlN)、立方晶窒化ホウ素(cBN)、ケイ素
(Si)あるいは炭化ケイ素(SiC)により構成され
ている。支持体31の寸法は、例えば、厚さが200μ
mであり、幅(図中左右方向の長さ)が0.6mm、奥
行(図中奥行方向の長さ)は1mmである。
【0021】支持体31の上面は平滑面となっており、
その平滑面上には、例えば厚さが10μmの一対のリー
ド電極層32,33が形成されている。リード電極層3
2,33は、金または金−錫合金(AuSn)などによ
り構成することができる。あるいは、リード電極層3
2,33は、サブマウント30側から順にチタン層、白
金層および金層を積層した構造としても良い。このリー
ド電極層32,33は、図1に示したように、支持ディ
スク11(図1)に設けられたピン17,18(図1)
にそれぞれワイヤWを介して電気的に接続されている。
あるいは、リード電極層32,33のどちらか一方を、
図示しないリード電極により、裏面半田膜3c(図5)
に電気的に接続するようにしても良い。左右のリード電
極層32,33の間には、約50μmの間隔が設けられ
ている。ここで、支持体31は、本発明における「支持
体」の一具体例に対応する。また、リード電極層32,
33は、本発明における「一対のリード電極部」の一具
体例に対応する。
【0022】サブマウント30のリード電極層32,3
3の表面には、表面半田膜3a,3bがそれぞれ形成さ
れている。表面半田膜3a,3bは、いずれも、錫(S
n),金−錫合金,錫−白金合金(SnPt),インジ
ューム−錫合金(InSn),インジューム(In)な
どの低融点金属により形成されている。図中左側の表面
半田膜3aの厚さは約3.5μmであり、図中右側の表
面半田膜3bの厚さは7μmである。すなわち、表面半
田膜3aの表面と表面半田膜3bの表面との間の段差は
3.5μmになる。ここで、表面半田膜3aおよび表面
半田膜3bは、本発明における「第1の半田膜」の一具
体例にそれぞれ対応する。
【0023】サブマウント30における支持体31の裏
面(すなわち、リード電極層32,33が形成された面
と反対側の面)には、裏面半田膜3cが形成されてい
る。裏面半田膜3cは、表面半田膜3a,3bと同様
に、錫などの低融点金属により形成されており、その厚
さは約4μmである。サブマウント30に裏面半田膜3
cを設けるようにしたのは、半田膜をヒートシンク40
(図5)のような構造物上に形成する場合に比べ、形成
が容易だからである。
【0024】図5は、ヒートシンク40の形状を表す断
面図である。ヒートシンク40は、熱伝導性の大きい金
属、例えば銅により構成された基板本体41の表面に、
メッキ法により金層42を形成して構成されている。図
5に示した例では、基板本体41はほぼ台形形状である
が、他の形状であっても良い。なお、ヒートシンク40
に金層42を設けるようにしたのは、錫などからなる裏
面半田膜3cと金層42とが合金を形成し易いためであ
る。また、金は安定な金属であり、その表面に不要な酸
化膜が形成されにくいためでもある。
【0025】[半導体レーザ素子の製造方法]次に、本
実施の形態に係る半導体レーザ素子の製造方法について
説明する。
【0026】まず、図3に示したレーザチップ20を形
成する。すなわち、例えばサファイアよりなる結晶基板
21の表面に、例えばMOCVD(Metal Organic Chem
icalVapor Deposition )法により、n型GaNよりな
るn側コンタクト層22、n型AlGaNよりなるn型
クラッド層23、GaInNよりなる活性層24、p型
AlGaNよりなるp型クラッド層25およびp型Ga
Nよりなるp側コンタクト層26を順次成長させる。
【0027】n側コンタクト層22からp側コンタクト
層26までの各層を成長させたのち、リソグラフィ法を
用いてp型コンタクト層26およびp型クラッド層25
を一部エッチング除去し、そこに、例えば絶縁材料から
なる狭窄層27を形成する。続いて、リソグラフィ法に
より、p側コンタクト層26、p型クラッド層25、活
性層24、およびn型クラッド層23を選択的に除去
し、n側コンタクト層22を露出させる。そののち、n
側コンタクト層22の露出部分上にn側電極2bを選択
的に形成する。n側電極2bを形成したのち、p側コン
タクト層26の上にp側電極2aを選択的に形成する。
【0028】p側電極2aおよびn側電極2bをそれぞ
れ形成したのち、結晶基板21をp側電極2aの長さ方
向(図3における紙面に直交する方向)に対して垂直に
所定の幅で分割する。そののち、分割した一対の側面
に、一対の反射鏡膜をそれぞれ形成する。各反射鏡膜を
それぞれ形成したのち、結晶基板21をp側電極2aの
長さ方向と平行に所定の幅で分割する。これにより、レ
ーザチップ20が形成される。
【0029】次いて、図4に示したサブマウント30を
形成する。すなわち、例えばダイヤモンド、酸化ベリリ
ウム、銅−タングステン合金、窒化アルミニウム、cB
N、ケイ素あるいは炭化ケイ素により構成された支持体
31の表面にリード電極層32,33をメッキ、スパッ
タ法あるいは蒸着法により形成する。続いて、リード電
極層32,33の表面に、低融点金属からなる表面半田
膜3a,3bを蒸着法などにより形成する。さらに、支
持体31の裏面に、低融点金属からなる裏面半田膜3c
を蒸着法などにより形成する。これにより、表面半田膜
3a,3bおよび裏面半田膜3cを備えたサブマウント
30が形成される。
【0030】次に、図5に示したヒートシンク40を形
成する。すなわち、金属からなる基板本体41の表面
に、例えばメッキにより金層42を形成する。なお、こ
のヒートシンク40は、支持ディスク11(図1)と一
体に形成されているか、予め支持ディスク11に取り付
けられているものとする。
【0031】続いて、図6に示したように、レーザチッ
プ20,サブマウント30およびヒートシンク40を貼
り合わせる。このとき、サブマウント30の表裏面には
表面半田膜3a,3bおよび裏面半田膜3cが形成され
ているため、レーザチップ20とサブマウント30との
間には表面半田膜3a,3bが介在し、サブマウント3
0とヒートシンク40との間には裏面半田膜3cが介在
することとなる。この状態で、レーザチップ20,サブ
マウント30およびヒートシンク40を重ね合わせ、加
熱および加圧を行う。加圧時に加える加重は例えば約5
gであり、レーザチップ20の単位面積当たりの圧力に
換算すると、約1.2×10-4Paとなる。加熱温度
は、表面半田膜3a,3bおよび裏面半田膜3cが溶融
するよう、例えば280℃程度とする。この加熱・加圧
処理は、半田膜3a,3bの酸化を防止するために、窒
素ガス(N2 )あるいは水素ガス(H2 )またはそれら
の混合ガスの雰囲気中において行うことが好ましい。
【0032】これにより、図2に示したように、レーザ
チップ20とサブマウント30とが表面半田膜3a,3
bにより接着され、同時に、サブマウント30とヒート
シンク40とが裏面半田膜3cにより接着される。ま
た、レーザチップ20のp側電極2aおよびn側電極2
bが、それぞれサブマウント30のリード電極層3aお
よびリード電極層3bに電気的に接続される。このよう
に、レーザチップ20,サブマウント30およびヒート
シンク40を一度に貼り合わせ、一体化することができ
る。続いて、サブマウント30のリード電極層32,3
3を図示しないワイヤなどを介して、支持ディスク11
(図1)に取り付けられたピン17,18(図1)に接
続する。これにより、図1に示した半導体発光装置10
0が製造される。
【0033】[実施の形態の効果]次に、本実施の形態
の効果について説明する。図6に示したように、レーザ
チップ20,サブマウント30およびヒートシンク40
を一度に貼り合わせるようにしたため、レーザチップ2
0とサブマウント30とを接着する工程と、サブマウン
ト30とヒートシンク40とを接着する工程を別々に行
う場合と比較して、製造に要する時間を短縮することが
できる。また、加熱処理が一度で済むため、加熱処理の
繰り返しに起因するレーザチップ20の性能劣化を抑え
ることもできる。
【0034】さらに、サブマウント30の表裏面に表面
半田膜3a,3bおよび裏面半田膜3cを設けるように
したため、レーザチップ20,サブマウント30および
ヒートシンク40を重ね合わせて加熱・加圧するだけで
これらを一体化することができ、製造工程が簡単にな
る。また、酸化し易い半田膜(表面半田膜3a,3bお
よび裏面半田膜3c)を全てサブマウント30に設ける
ようにしたため、酸化防止のための管理が必要な部品は
サブマウント30だけになり、従って、部品の保管など
が簡単になる。
【0035】本実施の形態では、レーザチップ20,サ
ブマウント30およびヒートシンク40を重ね合わせた
のち例えば5gの加圧力で加圧するようにしたが、この
加圧による効果について説明する。すなわち、本実施の
形態により製造した半導体レーザ素子1について熱抵抗
を測定したところ、測定値は12K/Wであった。これ
は、1Wの熱量投入に対して12Kの温度上昇を示すこ
とを意味する。一方、レーザチップ20,サブマウント
30およびヒートシンク40を加圧せずに貼り合わせて
半導体レーザ素子を形成し、その熱抵抗を測定したとこ
ろ、熱抵抗は28K/Wであった。この測定結果から、
レーザチップ20,サブマウント30およびヒートシン
ク30を加圧すると、加圧しない場合よりも熱抵抗を小
さくする(すなわち、一定の投入熱量に対する温度上昇
を小さくする)ことが分かった。このように、本実施の
形態による半導体レーザ素子の製造方法によれば、熱抵
抗を小さいくすることにより、半導体素子の寿命を長く
し、さらに、一定の性能を長期間に亘って維持すること
が可能になる。
【0036】なお、本実施の形態により製造した半導体
レーザ素子1と、加圧処理を行わずに製造した半導体レ
ーザ素子のそれぞれについて寿命を測定したところ、本
実施の形態により製造した半導体レーザ素子1は、加圧
処理を行わずに製造した半導体レーザ素子の2.5倍の
寿命を示すことが分かった。
【0037】[変形例]図7は、本実施の形態における
半導体レーザ素子の製造方法の変形例を表す図である。
この変形例では、サブマウント30Aの表裏面に半田膜
を形成する代わりに、サブマウント30Aの表面とヒー
トシンク40Aの表面にそれぞれ半田膜を形成するよう
にしている。以下、第1の実施の形態と同一の構成要素
には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0038】図7に示したように、サブマウント30A
の支持体31の表面(リード電極層32,33の上)に
は表面半田膜3a,3bが形成されているが、サブマウ
ント30Aの裏面には、第1の実施の形態のような裏面
半田膜3c(図4)は形成されていない。一方、ヒート
シンク40Aの金層42の表面には、錫などの低融点金
属からなるヒートシンク側半田膜4aが形成されてい
る。レーザチップ20は、第1の実施の形態と全く同様
に構成されている。ここで、ヒートシンク側半田膜4a
は、本発明における「第2の半田膜」の一具体例に対応
する。
【0039】このように構成されたレーザチップ20,
サブマウント30Aおよびヒートシンク40Aを重ね合
わせ、第1の実施の形態と同様に加熱・加圧すると、レ
ーザチップ20とサブマウント30Aとは表面半田膜3
aにより接着され、サブマウント30Aとヒートシンク
40Aとはヒートシンク側半田膜4aにより接着され
る。従って、この変形例によれば、第1の実施の形態と
同様に、レーザチップ20,サブマウント30Aおよび
ヒートシンク40Aを一度に貼り合わせることが可能に
なり、製造に要する時間を短縮することができる。ま
た、加熱の繰り返しが不要になるため、熱によるレーザ
チップ20の性能の劣化が抑制される。
【0040】以上、実施の形態および変形例を挙げて本
発明を説明したが、本発明は、これらの実施の形態およ
び変形例に限定されるものではなく、種々の変形が可能
である。例えば、第1の実施の形態では、表面半田膜3
a,3bおよび裏面半田膜3cを配設基板30の表裏面
に形成したが、表面半田膜3a,3bあるいは裏面半田
膜3cを箔形状に形成し、この箔を、レーザチップと配
設基板との間、および配設基板と支持基板との間にそれ
ぞれ挿入するようにしても良い。また、半導体発光素子
100の構造としては、図1に示したものの他に、種々
の構造が可能である。
【0041】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1ないし
請求項11記載の半導体レーザ素子の製造方法によれ
ば、レーザチップ、配設基板および支持基板を一度に貼
り合わせるようにしたので、配設基板と支持基板とを貼
り合わせてからレーザチップと配設基板とを貼り合わせ
る場合と比較して、製造工程を短縮することができると
いう効果を奏する。また、貼り合わせの際に加熱が伴う
場合であっても、繰り返し加熱を行う必要が無いため、
熱によるレーザチップの性能劣化が抑制される。
【0042】特に、請求項2記載の半導体レーザ素子の
製造方法によれば、レーザチップと配設基板との間に第
1の半田膜を介在させ、配設基板と支持基板との間に第
2の半田膜を介在させるようにしたので、簡単な方法
で、レーザチップ、配設基板および支持基板を一度に貼
り合わせることができる。
【0043】さらに、請求項12ないし請求項15のい
ずれか1に記載の半導体レーザ素子の配設基板によれ
ば、一対の面にそれぞれ第1の半田膜および第2の半田
膜を備えるようにしたので、この配設基板の一方の面側
にレーザチップを重ね合わせ、他方の面側に支持基板を
重ね合わせることにより、簡単に、半導体レーザ素子を
形成することができる。
【0044】さらに、請求項16または請求項17に記
載の半導体レーザ素子の支持基板によれば、少なくとも
一面に半田膜を備えるようにしたので、この支持基板上
に配設基板を重ね合わせると共に、配設基板にレーザチ
ップを(半田膜などを介して)重ね合わせ、必要に応じ
て熱・圧力を加えることにより、簡単に、半導体レーザ
素子を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の半導体レーザ素子が用い
られた半導体発光装置の構造を表す斜視図である。
【図2】図1に示した半導体発光装置における半導体レ
ーザ素子の構造を表す断面図である。
【図3】図1に示した半導体レーザ素子のレーザチップ
の構造を表す断面図である。
【図4】図2に示した半導体レーザ素子の配設基板の構
造を表す断面図である。
【図5】図2に示した半導体レーザ素子の支持基板の構
造を表す断面図である。
【図6】図2に示した半導体レーザ素子の製造方法にお
ける貼り合わせ工程を表す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態の変形例に係る半導体レー
ザ素子の製造方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1…半導体レーザ素子、2a…p側電極、2b…n側電
極、3a,3b…表面半田膜、3c…裏面半田膜、4a
…ヒートシンク側半田膜、20…レーザチップ、21…
結晶基板、22…n型コンタクト層、23…n型クラッ
ド層、24…活性層、25…p型クラッド層、26…p
型コンタクト層、30…配設基板、32,33…リード
電極層、40…支持基板、100…半導体発光装置。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体に半導体層を形成してなるレーザチ
    ップと、前記レーザチップを支持する支持基板と、これ
    らの間に設けられた配設基板とを備えた半導体レーザ素
    子の製造方法であって、 前記レーザチップ、前記配設基板および支持基板を一度
    に貼り合わせる工程を含むことを特徴とする半導体レー
    ザ素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記貼り合わせ工程において、 前記レーザチップと前記配設基板との間に第1の半田膜
    が存在するようにし、かつ、前記配設基板と前記支持基
    板との間に第2の半田膜が存在するようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記貼り合わせ工程は、 前記レーザチップ、前記配設基板および前記支持基板を
    重ね合わせて加熱し、前記第1の半田膜および前記第2
    の半田膜を溶融させる工程を含むことを特徴とする請求
    項2記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱工程において、前記レーザチッ
    プ、前記配設基板および前記支持基板を加圧するように
    したことを特徴とする請求項3記載の半導体レーザ素子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の半田膜および前記第2の半田
    膜を、前記配設基板の一対の面にそれぞれ形成するよう
    にしたことを特徴とする請求項2記載の半導体レーザ素
    子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の半田膜を前記配設基板の一面
    に形成し、前記第2の半田膜を前記支持基板の一面に形
    成するようにしたことを特徴とする請求項2記載の半導
    体レーザ素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の半田膜および前記第2の半田
    膜を、互いに同一の材質により構成するようにしたこと
    を特徴とする請求項2記載の半導体レーザ素子の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記貼り合わせ工程では、前記レーザチ
    ップにおいて前記半導体層の形成された側の面を、前記
    配設基板に貼り合わせるようにしたことを特徴とする請
    求項1記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記レーザチップにおいて、前記半導体
    層の形成された側の面に、一対の電極膜を設けるように
    したことを特徴とする請求項8記載の半導体レーザ素子
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記配設基板において、前記レーザチ
    ップが貼り合わせられる面に、前記一対の電極膜に接続
    される一対のリード電極部を設けるようにしたことを特
    徴とする請求項9記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記レーザチップにおいて、前記半導
    体層が窒化物半導体からなる層を含むようにしたことを
    特徴とする請求項1記載の半導体レーザ素子の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 半導体レーザ素子において、基体に半
    導体層を形成してなるレーザチップと貼り合わされて用
    いられる配設基板であって、 一対の面を有する支持体と、 この支持体の一対の面にそれぞれ形成された第1の半田
    膜および第2の半田膜とを備えたことを特徴とする半導
    体レーザ素子の配設基板。
  13. 【請求項13】 前記支持体は、絶縁材料により構成さ
    れていることを特徴とする請求項12記載の半導体レー
    ザ素子の配設基板。
  14. 【請求項14】 前記配設基板は、前記レーザチップに
    形成された一対の電極に接続されるリード電極部を備え
    たことを特徴とする請求項12記載の半導体レーザ素子
    の配設基板。
  15. 【請求項15】 前記第1の半田膜は、前記リード電極
    部の表面に形成されていることを特徴とする請求項14
    記載の半導体レーザ素子の配設基板。
  16. 【請求項16】 半導体レーザ素子において、半導体層
    を含むレーザチップを所定の配設基板を介して支持する
    支持基板であって、 基板本体の少なくとも一面に半田膜を備えたことを特徴
    とする半導体レーザ素子の支持基板。
  17. 【請求項17】 前記支持基板は金属により構成されて
    いることを特徴とする請求項16に記載の半導体レーザ
    素子の支持基板。
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