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JP2001165134A - 被固定部材の固定構造 - Google Patents

被固定部材の固定構造

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Publication number
JP2001165134A
JP2001165134A JP35365999A JP35365999A JP2001165134A JP 2001165134 A JP2001165134 A JP 2001165134A JP 35365999 A JP35365999 A JP 35365999A JP 35365999 A JP35365999 A JP 35365999A JP 2001165134 A JP2001165134 A JP 2001165134A
Authority
JP
Japan
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clip
fixed
hole
head
pillar
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Pending
Application number
JP35365999A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Suzuki
裕明 鈴木
Kentaro Iwanaga
健太郎 岩永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inoac Corp
Original Assignee
Inoue MTP KK
Inoac Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inoue MTP KK, Inoac Corp filed Critical Inoue MTP KK
Priority to JP35365999A priority Critical patent/JP2001165134A/ja
Publication of JP2001165134A publication Critical patent/JP2001165134A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Snaps, Bayonet Connections, Set Pins, And Snap Rings (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Air Bags (AREA)
  • Connection Of Plates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被固定部材を固定対象物から容易に外し得
て、急激な力が加わると該部材の外れを阻止する固定構
造を提供する。 【解決手段】 固定対象物10の通孔34に固定され、
被挿入部40を備えるクリップ36と、被挿入部にー端
部が挿入され他端部が被固定部材に取付けられる挿入ピ
ン38からなり、挿入ピンは拡大頭部44を有する。被
挿入部は、頭部挿入によりクリップが拡開して通過さ
せ、反挿入方向の動きに対し通孔がクリップの拡開を規
制して頭部の通過を阻止する第1段部46と、更なる挿
入により頭部を通過させ、頭部の反挿入方向への移動を
阻止する第2段部48を備える。クリップは、嵌入方向
の移動を規制する係止部50と、第1段部46に対し背
中合わせにクリップ外面に設けられて固定対象物を係止
部と挟持し、第2段部を通過した頭部によりクリップを
縮閉させ通孔離脱させる第3段部52を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トリム等の被固
定部材をピラー等の固定対象物に固定する構造に関し、
更に詳細には、被固定部材を固定対象物に固定した後
に、メンテナンス等の必要があるときは容易に被固定部
材を外すことができ、またエアバッグ作動時の如く被固
定部材にこれを外そうとする急激な力が加わった場合
は、被固定部材が外れるのを確実に阻止し得る固定構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の衝突事故等に際し乗員の安全を確
保する1つの手段として、エアバッグ装置が広く採用さ
れている。このエアバッグ装置は、ハンドルの中央や助
手席側のインストルメントパネルに収納されるのが一般
的であるが、例えば図6に示す如く、後方座席のクォー
ターピラー10に設ける形式のものも存在する。このと
きは前記ピラー10に内装用のトリム(ピラーガーニッ
シュ)14を被着して、該ピラー10に配設したエアバ
ッグ12を隠すようになっている。このエアバッグ装置
は、ガス容器15からの高圧ガスによりエアバッグ12
を瞬時に膨らませ、前記ピラー10とトリム14との間
から該バッグ12を膨出させることで、衝突時の乗員の
安全を確保するものである。
【0003】このため前記トリム14は、エアバッグ1
2の膨張時の力により内側から押されて前記ピラー10
との間に開口を形成し、該バッグ12の車内への膨出を
許容し得ることが要求される。但し、前記ピラー10に
対するトリム14の取付けが緩過ぎると、エアバッグ1
2の急激な膨張によりトリム14がピラー10から吹き
飛ばされ、却って乗員に怪我を負わせてしまいかねない
ので、それを回避する配慮も併せて要請される。このよ
うな要請を満足し得る固定構造として、例えばボルトで
トリムとピラーを締結し、ボルト頭部の露出部位を化粧
キャップで隠す技術も実施されているが、内装の意匠性
を考慮すると好ましいとは云えない。
【0004】
【発明が解決すべき課題】この点に関し出願人は、前記
トリムに取付けたインサートボルトにクリップ機能を持
たせ、図7の如き手順で該トリムを前記ピラーへ取付け
固定する構造を特願平11−183757号として提案
した。すなわち図7で前記トリム14の適所にクリップ
16が取付けられてトリム内方へ垂直に延出し、そのク
リップ本体20の先端は円錐頭部18に形成されると共
に、該クリップ本体20と円錐頭部18との間に環状段
部22が周設されている。またクリップ本体20にはイ
ンサートボルト24が貫通され、円錐頭部18の先端で
所要径のワッシャ26をナット28で共締めしてある。
【0005】また前記ピラー10におけるトリム14の
取付け部位には、クリップ16によるトリム14の取付
けがなされるダルマ状通孔30が穿設されている。この
通孔30は、前記ワッシャ26の挿入・抜去を許容する
内径の大径孔部30aと、前記円錐頭部18の挿入・抜
去は許容するが、該ワッシャ26の挿入・抜去は阻止す
る内径の小径孔部30bと、これら大径孔部30aおよ
び小径孔部30bの間を共通的に連通して、前記円錐頭
部18での移動を許容する幅寸法の通路30cとから構
成される。すなわちダルマ状通孔30に関して、大径孔
部30aの内径をL1、通路30cの幅寸法をL2、小径
孔部30bの内径をL3とし、前記クリップ16に関し
てワッシャ26の直径をW1、円錐頭部18の最大直径
をW2とすれば、L1>W1>L3で、かつL3>W2>L2
の関係に設定してある。
【0006】そしてトリム14をピラー10に取付ける
には、図7にクランク状の矢印で示す如く、ステップ
で前記クリップ16を垂下させて、先端のワッシャ26
をピラー10における大径孔部30aに通過させた後、
ステップで該クリップ16の円錐頭部18を通路30
cに沿って水平に移動させ、小径孔部30bまで到来し
たところで該クリップ16を垂下させる。これにより前
記ワッシャ26は小径孔部30bを通過し、クリップ1
6に周設した環状段部22がこれに係合することで前記
ピラー10に対するトリム14の取付けがなされる。
【0007】このトリム固定構造によれば、エアバッグ
の急激な膨張によりトリム14にピラー10から離脱さ
せる力が作用しても、小径孔部30bの内径L3よりワ
ッシャ26の直径W1が大きい(W1>L3)ために、この
ワッシャ26の部分で抜け止めがなされる。すなわちエ
アバッグ作動時に、トリム14がピラー10から外れて
しまう不都合は好適に解決される。しかし修理や点検等
の際には、前記トリム14をピラー10から外す必要が
あり、このときは先と逆に→→の手順で取外し作
業を行なうことになるが、殊にの横方向へスライドさ
せるステップにおける作業性が極めて煩雑であることが
判明した。その一例として、ルーフサイドインナーのよ
うに大型の部品を、図7の固定構造により取付ける場合
が挙げられる。
【0008】
【発明の目的】本発明は、前述した課題を好適に解決す
るために提案されたものであって、前記トリムの如き被
固定部材を前記ピラーの如き固定対象物に固定した後
に、必要に応じて被固定部材を容易に外すことができ、
またエアバッグ作動時の如く被固定部材を外す方向に急
激な力が加わった場合は、被固定部材が外れるのを確実
に阻止し得る固定構造を提供することを目的とする。
【0009】
【発明を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本発明に係る被固定部材の固定構
造は、固定対象物の通孔に着脱自在に嵌入固定されると
共に、軸方向に延在して反挿入方向に開口する被挿入部
を備えたクリップと、この被挿入部にー端部が進退自在
に挿入されると共に、他端部は被固定部材に取付けられ
る挿入ピンとからなり、前記挿入ピンは、被挿入部へ挿
入される側の開放端部に拡大頭部を有し、前記クリップ
における被挿入部は、前記拡大頭部の強制挿入により該
クリップを拡開させて該頭部の通過を許容し、前記挿入
ピンの反挿入方向の動きに対し前記通孔が該クリップの
拡開を規制して該頭部の通過を阻止する第1段部と、こ
の第1段部より奥行き方向に位置し、前記拡大頭部の更
なる強制挿入により該頭部の通過を許容すると共に、該
頭部の反挿入方向への移動を阻止する第2段部とを備
え、前記クリップは、前記通孔へ嵌入された該クリップ
の嵌入方向への移動を規制する係止部と、前記第1段部
に対し背中合わせになるよう該クリップの外面に設けら
れて前記固定対象物を該係止部との間で挟持すると共
に、前記第2段部を通過した前記拡大頭部により該クリ
ップを縮閉させて前記通孔から離脱させる第3段部とを
備えるよう構成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る被固定部材の
固定構造について、好適な実施例を挙げて、添付図面を
参照しながら以下説明する。なお図6および図7に既出
の部材と同一または同等の部材については、同じ符号で
指示するものとする。また図示の実施例では、固定対象
物を車両のピラーとし、これに固定される被固定部材を
化粧材としてのトリムとしたが、本発明の応用分野はこ
れに限定されるものでないことは勿論である。
【0011】図1は、好適実施例に係る固定構造を分解
状態で示す斜視図であり、図2は、この固定構造の縦断
面図である。図示の固定構造は、車両におけるピラー1
0の通孔34に嵌入固定されるべきクリップ36と、内
装材としてのトリム14に取付けられて前記クリップ3
6へ進退自在に挿入されるべき挿入ピン38とから基本
的に構成される。すなわち図1に示すように、ピラー1
0の表面適所には矩形状をなす通孔34が開設され、こ
の通孔34へ後述する形状のクリップ36が着脱自在に
嵌入固定されるようになっている。またトリム14の裏
面適所には、図示の如く平板状をなす挿入ピン38が既
知の手段で固定され、該トリム14に対し垂直に延在し
ている。そして挿入ピン38の一端部は、前記クリップ
36に設けた被挿入部40(後述)へ進退自在に挿入され
る。なおクリップ36および挿入ピン38の材質として
は、全体として若干の撓曲性を有する合成樹脂材料また
は硬質系の合成ゴム材料が好適に採用されるが、それ以
外に金属単体であったり、樹脂系材料に金属を挿入した
り、逆に金属に樹脂系材料を挿入したりするようにして
もよい。
【0012】前記挿入ピン38は、図1に示す如く全体
として平板状をなし、その開放端部はピン本体42から
両側へ延出する拡大頭部44として形成され、この部分
が後述する如くクリップ36における被挿入部40へ挿
入される。この拡大頭部44の先端側はラウンドが付し
た湾曲面44aとして形成されると共に、該頭部44の
ピン本体42に連なる側は平坦面44bとなっている。
そして拡大頭部44の厚み寸法を如何に設定するかは、
後述するクリップ36における第1段部46の対向間隔
および第2段部48の対向間隔の各寸法と密接な関係を
有する。なお挿入ピン38の全体形状を平板状としたの
は、これとペアになるクリップ36を偏平状にしたから
で、仮にクリップ36を円筒状にした場合は、挿入ピン
38の全体形状は丸棒状とされる。
【0013】前記クリップ36には、図2に示す如く、
軸方向に延在して前記挿入ピン38の挿入方向と反対側
に開口する所要深さの被挿入部40を備えている。この
被挿入部40の内壁面には、対向し合う一対の第1段部
46,46と、これより奥行き方向に位置して対向し合
う一対の第2段部48,48とが形成されている。この
第1段部46,46は、前記被挿入部40へ挿入された
挿入ピン38の拡大頭部44が当接した際に、図2の如
くクリップ36を外方へ強制的に拡開させて該頭部44
の通過を許容する機能を果すものである。また図5(1)
に関して後述する如く、この第1段部46,46は挿入
ピン38を挿入方向と反対側へ移動させようとすると、
前記ピラー10の通孔34がクリップ36の拡開を規制
して、該挿入ピン38の拡大頭部44の通過を阻止する
機能も果すようになっている。
【0014】第1段部46を更に詳述すると、図2から
判明するように、この第1段部46の開口側に指向する
部位は、強制的に挿入される前記拡大頭部44に当接し
て前記クリップ36を僅かに拡開させる第1傾斜面46
aとなっている。また第1段部46の奥行き側に指向す
る部位は、前記ピラー10の通孔34との協働作用下に
前記クリップ36の抜け止めを行なう第2傾斜面46b
となっている。
【0015】次に前記一対の第2段部48,48は、図
2に示すように、第1段部46,46よりも奥行き方向
に位置するよう形成してある。そして夫々の第2段部4
8は、図4の(1)および(2)に関して後述する如く、挿入
ピン38の拡大頭部44を更に強制的に挿入することで
該頭部44の通過を許容し、かつ該頭部44が挿入方向
とは反対側へ移動しようとする動きを阻止する機能を果
すようになっている。すなわち第2段部48の第1段部
46に近接する側は、前記拡大頭部44の湾曲面44a
に付されているラウンドに合わせた湾曲面48aとなっ
ている。この場合に第2段部48における前記部位48
aは、前記挿入ピン38の拡大頭部44が強制的に挿入
されるにつれて、クリップ36を外方へ拡開方向へ変形
させるものであれば、例えばテーパ面等に形成するよう
にしてもよい。なお、クリップ36における第2段部4
8の奥行き側に指向する面は、拡大頭部44の平坦面4
4bに係合可能な平坦面48bとなっている。
【0016】更に前記クリップ36は、図3(3)に示す
如く、前記通孔34へ嵌入した際に該クリップ36の嵌
入方向への移動を規制する係止部50を有している。こ
の係止部50は、図示例ではフランジ状になっている
が、クリップ本体に対し水平方向に延出する所要数の係
止爪の形状としてもよい。また前記クリップ36の外面
には、前記ピラー10を前記係止部50との間で挟持す
ると共に、前記第2段部48を通過した拡大頭部44に
より該クリップ36を縮閉させ、これにより前記通孔3
4からクリップ36を離脱させる第3段部52を有して
いる。この第3段部52は、前記第1段部46に対して
背中合わせとなる関係でクリップ36の外面に設けられ
る。
【0017】この第3段部52の構成を更に詳述する
と、図3(2)に示すように、第3段部52がクリップ3
6の開放端側に指向する面には、前記クリップ36を前
記通孔34へ嵌入する際に該通孔34の内周縁に当接
し、該クリップ36を縮閉させることで該通孔34への
嵌入固定を行なわせる第1傾斜面52aを有している。
また第3段部52が前記係止部50に指向する面には、
図4(3)に示すように、前記第2段部48を通過した後
に拡大頭部44を挿入方向と反対側へ強制移動させるこ
とで、前記通孔34との協働作用下にクリップ36を縮
閉させ、これにより該通孔34から該クリップ36を離
脱させる第2傾斜面52bを備えている。
【0018】ところで前述した各部材は、一定の寸法関
係にあることが重要であるので、これについて次に説明
する。先ず各部材の寸法を、以下の通り規定する。 (1) 挿入ピン38について 拡大頭部44の横幅PW (2) クリップ36について 被挿入部40の開口幅IW1 第1段部46,46の頂部間隔IW2 第2段部48,48の頂部間隔IW3 厚みOW1 第3段部52,52の頂部間隔OW2 (3) ピラー10について 通孔34の開口幅HW この場合に各部材間の寸法関係は、以下の通りとなって
いる。 IW1>PW>(IW2,IW3) OW2>HW>OW1
【0019】次に、このような構成に係る被固定部材の
固定構造の使用例につき説明する。先ずクリップ36の
被挿入部40へ、挿入ピン38を拡大頭部44の側から
挿入する。このとき被挿入部40の開口幅IW1は、前
記の如く拡大頭部44の横幅PWより大きいので抵抗な
く挿入される。しかし拡大頭部44が第1段部46,4
6へ到来すると、その頂部間隔IW2は該頭部44の横
幅PWより小さいので抵抗がここで生ずる。しかし挿入
ピン38を更に挿入方向へ強制すると、この拡大頭部4
4により第1段部46,46の頂部間隔は拡開して、該
頭部44の通過を許容する。更にその奥行きには、拡大
頭部44の横幅PWより同じく小さい頂部間隔IW3
有する第2段部48,48が存在するが、挿入ピン38
はここで挿入を停止する。これにより図3(1)に示すよ
うに、挿入ピン38の拡大頭部44は、クリップ36の
第1段部46,46および第2段部48,48との間に介
在している。しかも拡大頭部44の横幅PWは第1段部
46,46の頂部間隔IW2より大きいので、挿入ピン3
8は第1段部46と第2段部48との間を多少の遊びを
もって移動し得るだけで、前記クリップ36に対しては
抜け止めがなされている。
【0020】(トリムをピラーに固定する手順について)
前記の如くクリップ36に内挿された挿入ピン38の基
部には、トリム14が取付けられている。このトリム1
4をピラー10に固定するには、前記クリップ36を該
ピラー10の通孔34へ嵌入することで行なわれる。す
なわち図3(1)に示すように、クリップ36の先端側を
ピラー10の通孔34へ挿入する。通孔34の開口幅H
Wはクリップ36の厚みOW1より大きいから、該クリ
ップ36は最初抵抗なく挿入される。しかしクリップ3
6における第3段部52,52の頂部間隔OW2は通孔3
4の開口幅HWより大きいので、ここで抵抗を生ずるこ
とになる。そこでクリップ36を更に強制的に前進させ
ると、通孔34の内周縁に当接している第3段部52の
第1傾斜面52aが楔効果を発揮し、図3(2)に示す如
く該クリップ36を縮閉させるに至る。これによりクリ
ップ36の第3段部52,52は、図3(3)に示すように
通孔34を通過した後、前記フランジ状の係止部50と
の協働作用下に前記ピラー10を挟持するに至る。すな
わち前記トリム14は、ピラー10にクリップ36を介
して確実に固定される。
【0021】(トリムをピラーから外す手順について)次
に保守点検等のメンテナンスのために、トリム14をピ
ラー10から外す必要が生じた場合は、図4に示す手順
で行なわれる。図4(1)のトリム14(図示せず)がピラ
ー10に固定された状態において、挿入ピン38を該ト
リム14の上から強く押圧する。挿入ピン38における
拡大頭部44の横幅PWは、第2段部48,48の頂部
間隔IW3より大きく設定されているが、該挿入ピン3
8を強制的に押圧することで、頭部先端の湾曲面44a
は各第2段部48の湾曲面48aに強く当接するに至
る。このため第2段部48,48の湾曲面48a,48a
は最終的に奥行き側へ変形して拡大頭部44の通過を許
容し、従って該頭部44は第2段部48の平坦面48b
と被挿入部40の底部との間の空間へ到来する。
【0022】次いでトリム14を手前側(外す方向)へ強
く引張ると、挿入ピン38も一緒に手前側へ引張られ
る。しかし前述した如く、拡大頭部44のピン本体42
に連なる側は平坦面44bとなっているから、この平坦
面44bは第2段部48,48の平坦面48b,48bに
係合し、これによりクリップ36を図4(3)の矢印方向
(反挿入方向)へ引張ることになる。クリップ36におけ
る第3段部52,52の第2傾斜面52b,52bは、前
記通孔34の内周縁に当接しているから、該クリップ3
6の反挿入方向への移動に伴ない第2傾斜面52b,5
2bは楔効果を発揮し、該通孔34との協働作用下に該
クリップ36を縮閉させる。このクリップ36の縮閉に
より、第3段部52,52の頂部間隔OW2が前記通孔3
4の開口幅HWより小さくなった時点で、該クリップ3
6は該通孔34から抜け出て離脱するに至る(図4(4)参
照)。すなわち前記トリム14に取付けられた挿入ピン
38を前記ピラー10の通孔34から抜出することで、
該ピラー10からのトリム14の容易な取外しが達成さ
れる。
【0023】(エアバッグ作動時について)車両の衝突事
故等により、図6に関して述べたエアバッグ12が急激
に膨張した場合は、実施例に係る固定構造は図5に示す
如く動作する。図5(1)は、エアバッグ作動前の状態を
示している。しかるに衝突時の衝撃を感知してエアバッ
グ12が急激に膨張すると、これによりトリム14は内
側から外方へ向けて大きな力が作用することになる。こ
のトリム14をピラー10から外そうとする力により、
該トリム14に基部において取付けられた挿入ピン38
にも、図5(2)に矢印で示す反挿入方向の大きな力が加
わり、反挿入方向へ僅かに移動した後に拡大頭部44が
第1段部46,46に係合するに至る。
【0024】しかるに第1段部46,46の係合面は第
1傾斜面46a,46aとして形成してある(前述)か
ら、前記クリップ36を僅かに左右方向へ拡開させる。
これにより第1段部46,46は前記通孔34に強制的
に当接させられるが、その当接面は第2傾斜面46b,
46bとして形成してある(前述)ため、該通孔34との
協働作用下にクリップ36は確実に抜け止めが行なわれ
る。すなわちクリップ36が外方へ拡開されるために、
第1段部46,46が通孔34に対しストッパとして機
能し、従ってトリム14がピラーから外れることはな
い。しかもエアバッグ作動時に、挿入ピン38は第1段
部46,46の側へ僅かながら移動するので、トリム1
4とピラー10との間に若干の隙間を生じ、その間から
エアバッグ12が膨出するのを許容する。
【0025】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る被固
定部材の固定構造によれば、以下の有益な効果が奏され
る。 (1) トリムの如き被固定部材をピラーの如き固定対象物
に固定した後に、メンテナンス等のために被固定部材を
取り外す必要が生じた場合、簡単な操作でこの被固定部
材を容易に外すことができる。 (2) エアバッグ作動時の如く、被固定部材を外す方向に
急激な力が加わった場合は、被固定部材が外れるのを確
実に阻止することで安全を確保し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る固定構造を分解状
態で示す斜視図である。
【図2】図1に示す固定構造のA−A線縦断面図であっ
て、挿入ピンがクリップに挿入された状態を示してい
る。
【図3】実施例に係る固定構造の使用の実際を示す縦断
面図であって、(1)〜(3)は、挿入ピンを内挿したクリッ
プをピラーの通孔へ嵌入する手順を示している。
【図4】実施例に係る固定構造の使用の実際を示す縦断
面図であって、(1)〜(4)は、挿入ピンを内挿したクリッ
プをピラーの通孔から取外す手順を示している。
【図5】実施例に係る固定構造の使用の実際を示す縦断
面図であって、(1)〜(2)は、エアバッグの作動により挿
入ピンが外方へ瞬時に引張られても、クリップがピラー
の通孔に阻止されて抜け止めがなされた状態を示してい
る。
【図6】車両の後方座席のクォーターピラーに、エアバ
ッグを配設するようにした例を示す概略説明図である。
【図7】トリムに取付けたインサートボルトをピラーに
穿設した通孔へ挿入して、該トリムをピラーに対して固
定する構造の概略斜視図である。
【符号の説明】
10 固定対象物(ピラー) 14 被固定部材(トリム) 34 通孔 36 クリップ 38 挿入ピン 40 被挿入部 44 拡大頭部 46 第1段部 46a 第1傾斜面 46b 第2傾斜面 48 第2段部 50 係止部 52 第3段部 52a 第1傾斜面 52b 第2傾斜面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16B 21/06 F16B 21/06 Z (72)発明者 岩永 健太郎 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション安城事業 所内 Fターム(参考) 3D023 BA01 BA07 BB09 BB14 BB22 BC01 BD08 BE03 BE24 BE36 BE38 3D054 AA02 AA03 AA04 AA06 AA18 AA20 BB21 BB30 EE20 FF17 FF20 3J001 AA01 BB02 CA01 DC04 DD03 DE06 3J036 AA05 BB02 FA04 3J037 AA02 BB04 DA03 DB06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定対象物(10)の通孔(34)に着脱自在に
    嵌入固定されると共に、軸方向に延在して反挿入方向に
    開口する被挿入部(40)を備えたクリップ(36)と、この被
    挿入部(40)にー端部が進退自在に挿入されると共に、他
    端部は被固定部材(14)に取付けられる挿入ピン(38)とか
    らなり、 前記挿入ピン(38)は、前記被挿入部(40)へ挿入される側
    の開放端部に拡大頭部(44)を有し、 前記クリップ(36)における被挿入部(40)は、前記拡大頭
    部(44)の強制挿入により該クリップ(36)を拡開させて該
    頭部(44)の通過を許容し、前記挿入ピン(38)の反挿入方
    向の動きに対し前記通孔(34)が該クリップ(36)の拡開を
    規制して該頭部(44)の通過を阻止する第1段部(46)と、
    この第1段部(46)より奥行き方向に位置し、前記拡大頭
    部(44)の更なる強制挿入により該頭部(44)の通過を許容
    すると共に、該頭部(44)の反挿入方向への移動を阻止す
    る第2段部(48)とを備え、 前記クリップ(36)は、前記通孔(34)へ嵌入された該クリ
    ップ(36)の嵌入方向への移動を規制する係止部(50)と、
    前記第1段部(46)に対し背中合わせになるよう該クリッ
    プ(36)の外面に設けられて前記固定対象物(10)を該係止
    部(50)との間で挟持すると共に、前記第2段部(48)を通
    過した前記拡大頭部(44)により該クリップ(36)を縮閉さ
    せて前記通孔(34)から離脱させる第3段部(52)とを備え
    るよう構成したことを特徴とする被固定部材の固定構
    造。
  2. 【請求項2】 前記第1段部(46)は、前記拡大頭部(44)
    の強制挿入時に該頭部(44)に当接して、前記クリップ(3
    6)を僅かに拡開させる第1傾斜面(46a)と、前記挿入ピ
    ン(38)の反挿入方向の動きに伴ない該頭部(44)に係合し
    て、前記通孔(34)との協働作用下に該クリップ(36)の抜
    け止めを行なう第2傾斜面(46b)とを有する請求項1記
    載の被固定部材の固定構造。
  3. 【請求項3】 前記第3段部(52)は、前記クリップ(36)
    を前記通孔(34)へ嵌入する際に該通孔(34)の内周縁に当
    接して、該クリップ(36)を縮閉させて該通孔(34)へ嵌入
    固定させる第1傾斜面(52a)と、前記第2段部(48)を通
    過した後に拡大頭部(44)を反挿入方向へ強制移動させる
    ことで、前記通孔(34)との協働作用下に該クリップ(36)
    を縮閉させて該通孔(34)から離脱させる第2傾斜面(52
    b)とを有する請求項1記載の被固定部材の固定構造。
  4. 【請求項4】 前記被固定部材はトリム(14)であり、前
    記固定対象物は車両のピラー(10)であって、前記トリム
    (14)は該ピラー(10)に配設されるエアバッグ(12)を掩蔽
    被覆する化粧材である請求項1〜3の何れかに記載の被
    固定部材の固定構造。
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