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JP2001003883A - スクロール型流体機械 - Google Patents

スクロール型流体機械

Info

Publication number
JP2001003883A
JP2001003883A JP11174716A JP17471699A JP2001003883A JP 2001003883 A JP2001003883 A JP 2001003883A JP 11174716 A JP11174716 A JP 11174716A JP 17471699 A JP17471699 A JP 17471699A JP 2001003883 A JP2001003883 A JP 2001003883A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
oil
orbiting
sliding surface
key groove
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP11174716A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Sato
和弘 佐藤
Hiroaki Bito
宏明 尾藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP11174716A priority Critical patent/JP2001003883A/ja
Publication of JP2001003883A publication Critical patent/JP2001003883A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期停止後においても潤滑切れを起こすこと
がないスクロール型流体機械を提供する。 【解決手段】 ボディハウジングと、該ボディハウジン
グ内に互いに旋回可能に設けられた旋回スクロールと固
定スクロールとを有するスクロール型流体機械におい
て、前記旋回スクロールが摺接するスラスト軸受部Jの
摺動面Sに油溝15を設けると共に該摺動面Sの外周に
オルダムリングのキー溝17を設け、前記スラスト軸受
部Jの摺動面Sに、前記油溝15から前記キー溝17に
向かい、かつ旋回スクロールの回転方向であって油溝1
5の接線に沿い直線的に延びる他の油溝23を設けたこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スクロール型流
体機械に係るものであり、特に、オルダムリングの焼き
付きを防止できるスクロール型流体機械に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】周知のように従来から空調用・冷凍用圧
縮機として、高効率かつ低騒音で稼働できるスクロール
型流体機械が広く利用されるようになってきている。こ
の一例を図8によって説明すると、スクロール型流体機
械は、ボディハウジング1とスクロール型圧縮機構Cと
電動モータ2を備え、電動モータ2の回転軸3がスクロ
ール型圧縮機構Cの下部に連結されている。
【0003】スクロール型圧縮機構Cは、端板とその内
面に立設された渦巻状ラップからなる一対のスクロール
4,5が互いに噛み合わされたもので、そのうちの一方
のスクロール(旋回スクロール4)が回転軸3を介して
電動モータ2によって、フレーム6に固定された他方の
スクロール(固定スクロール5)に対し相対的に旋回運
動を行うようになっている。
【0004】前記電動モータ2の回転軸3の上端には軸
心から所定量偏心した位置に偏心ピン7が突出して設け
られている。偏心ピン7は旋回スクロール4の下部に軸
線を同じくして立設された円筒状のボス部内に挿入され
ており、回転軸3が回転すると偏心ピン7を介して、旋
回スクロール4が固定スクロール5の軸心回りを偏心
し、旋回スクロール4の自転を防止するオルダムリング
8の作用により旋回運動を行うようになっている。上記
旋回スクロール4の旋回運動により密閉空間である複数
の圧縮室9が外側の吸入ポートから中心の吐出ポート1
0にかけて移動する間に次第に容積を減少して圧縮仕事
を行う。
【0005】ここで、固定スクロール5の上部には仕切
壁となる吐出カバー11が気密状態を維持して固定さ
れ、頂部ハウジング12、ボディハウジング1を上下に
仕切るように設けられている。この吐出カバー11を境
としてボディハウジング1内の上方には高圧室となる吐
出チャンバ13が形成され、吐出チャンバ13は吐出管
14と接続され圧縮された冷媒ガスが吐出管14から吐
出される。
【0006】図9はフレーム6を示し、このフレーム6
は旋回スクロール4が摺接すると共に外周部に旋回スク
ロール4との間に介装されたオルダムリング8が装着さ
れるもので、環状の油溝15が中央部の旋回容積部16
の周囲に形成され、油溝15の外側にはオルダムリング
8のキー溝17が設けられている。尚、図8において1
8はモータロータ、19はモータステータ、20はドラ
イブブッシュ、21は給油孔、22は油戻し管を示す。
【0007】したがって、従来のスクロール型流体機械
においては、運転時にはボディハウジング1の下部に溜
められた潤滑油は図8に矢印で示すように回転軸3に設
けられた給油孔21を介して旋回スクロール4のボス部
下部に給油される。更に、潤滑油は偏心ピン7とドライ
ブブッシュ20の隙間を通って旋回スクロール4のボス
部が旋回運動を行う旋回容積部16に満たされ、その一
部により旋回スクロール4とフレーム6のスラスト軸受
部との間が給油され、オルダムリング8のキー溝17に
給油される。これら摺動部分を給油する潤滑油の余剰分
は旋回スクロール4のボス部が旋回運動する旋回容積部
16から油戻し管22を経て下部へと戻される。
【0008】ここで、旋回スクロール4とフレーム6の
スラスト軸受部との間を給油し、オルダムリング8のキ
ー溝17を給油した潤滑油はその後スクロール吸入口よ
り圧縮室9へと吸い込まれ、両スクロール4,5を潤滑
するが、この油量が多すぎると油循環量が増大し、ユニ
ットの効率低下の原因となる。このため、上記摺動部分
を給油した余剰の潤滑油の旋回容積部16からの戻し量
を油戻し管22の管径を調整することによりコントロー
ルすることで摺動部分の信頼性の確保と効率維持を両立
させている。この種の技術としては例えば特公平6−9
2795号公報に開示されたものがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した給油に関する
構成を採用していることで定常運転時においては摺動部
分を給油するのに必要充分な給油量が得られ、摺動部の
信頼性を高めることができる点で有利であるが、長期停
止後等の起動時に次のような問題が生じてしまう。すな
わち、長期停止時においては室内外ユニットの温度差に
より冷媒移動が発生し、スクロール型流体機械内に戻っ
た冷媒ガスが凝縮する際、摺動部分の潤滑油を洗い流し
てしまう。このような冷媒移動が数回発生すると上記摺
動部分はほとんど無潤滑状態となり、その無潤滑状態で
起動すると、特に潤滑油の回りが遅いオルダムリング8
がキー溝17と焼き付きを起こしやすい。したがって、
長期停止後においては起動時に潤滑切れの状況をチェッ
クする必要があり作業効率が悪いという問題がある。
【0010】前記油戻し管22の管径を調整することで
潤滑油の回り具合を変えることも可能ではあるが、こう
した長期停止後の起動時と定常時の両立を前記油戻し管
22の管径を調整することによるコントロールだけでは
対処しきれない。そこで、この発明は、長期停止後の起
動時においても潤滑切れを起こすことがないスクロール
型流体機械を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載した発明は、密閉ハウジングと、該
密閉ハウジング内に互いに旋回可能に設けられた旋回ス
クロールと固定スクロールとを有するスクロール型流体
機械において、前記旋回スクロールが摺接するスラスト
軸受部の摺動面に油溝を設けると共に該摺動面の外側に
オルダムリングのキー溝を設け、前記油溝から前記キー
溝に向かって連通路を設けたことを特徴とする。このよ
うに構成することで、油溝に潤滑油が供給されると、こ
の潤滑油は速やかに連通路を通ってオルダムリングのキ
ー溝に供給されるため、長期停止後の起動時においても
オルダムリングの速やかな潤滑が可能となる。
【0012】請求項2に記載した発明は、密閉ハウジン
グと、該密閉ハウジング内に互いに旋回可能に設けられ
た旋回スクロールと固定スクロールとを有するスクロー
ル型流体機械において、前記旋回スクロールが摺接する
スラスト軸受部の摺動面に環状の油溝を設けると共に該
摺動面の外側にオルダムリングのキー溝を設け、前記ス
ラスト軸受部の摺動面に、前記油溝から前記キー溝に向
かい、かつ旋回スクロールの回転方向であって油溝の接
線に沿い直線的に、あるいは曲線的に延びる他の油溝を
設けたことを特徴とする。このように構成することで、
油溝に潤滑油が供給されると、この潤滑油は旋回スクロ
ールの旋回運動に促されスラスト軸受部の摺動面の他の
油溝を通って速やかにオルダムリングのキー溝に供給さ
れるため、長期停止後の起動時においてもオルダムリン
グの速やかな潤滑が可能となる。
【0013】請求項3に記載した発明は、密閉ハウジン
グと、該密閉ハウジング内に互いに旋回可能に設けられ
た旋回スクロールと固定スクロールとを有するスクロー
ル型流体機械において、前記旋回スクロールが摺接する
スラスト軸受部の摺動面の中央部に旋回スクロールを駆
動するドライブブッシュを収容するための旋回容積部を
設けると共に前記摺動面の外側にオルダムリングのキー
溝を設け、前記スラスト軸受部の摺動面に、該旋回容積
部から前記キー溝に向かい、かつ旋回スクロールの回転
方向であって旋回容積部の外周の接線に沿い直線的に、
あるいは曲線的に延びる他の油溝を設けたことを特徴と
する。このように構成することで、旋回容積部に潤滑油
が供給されると、この潤滑油は旋回スクロールの旋回運
動に促され旋回容積部からスラスト軸受部の摺動面の他
の油溝を通って速やかにオルダムリングのキー溝に供給
されるため、長期停止後の起動時においてもオルダムリ
ングの速やかな潤滑が可能となる。
【0014】請求項4に記載した発明は、密閉ハウジン
グと、該密閉ハウジング内に互いに旋回可能に設けられ
た旋回スクロールと固定スクロールとを有するスクロー
ル型流体機械において、前記旋回スクロールが摺接する
スラスト軸受部の摺動面の中央部に、旋回スクロールの
ボス部を受容し該ボス部の旋回運動を許容する旋回容積
部を設けると共に前記摺動面の外側にオルダムリングの
キー溝を設け、前記旋回容積部から前記キー溝に貫通す
る油連通孔を設けたことを特徴とする。このように構成
することで、旋回容積部に潤滑油が供給されると、この
潤滑油は旋回スクロールのボス部の旋回運動に促され旋
回容積部から油連通孔を通って速やかにオルダムリング
に供給されるため、長期停止後の起動時においてもオル
ダムリングの速やかな潤滑が可能となる。
【0015】請求項5に記載した発明は、密閉ハウジン
グと、該密閉ハウジング内に互いに旋回可能に設けられ
た旋回スクロールと固定スクロールとを有するスクロー
ル型流体機械において、前記旋回スクロールの端板が摺
接するスラスト軸受部の摺動面の外側にオルダムリング
のキー溝を設け、前記旋回スクロールの端板の摺接面で
あってスラスト軸受部のキー溝の近傍に油溜り用の凹部
を設けたことを特徴とする。このように構成すること
で、旋回スクロールの端板の凹部に潤滑油が供給される
と、この潤滑油は旋回スクロールの旋回運動に促され凹
部から速やかにオルダムリングのキー溝に供給されるた
め、長期停止後の起動時においてもオルダムリングの速
やかな潤滑が可能となる。
【0016】請求項6に記載した発明は、密閉ハウジン
グと、該密閉ハウジング内に互いに旋回可能に設けられ
た旋回スクロールと固定スクロールとを有するスクロー
ル型流体機械において、前記旋回スクロールの端板が摺
接するスラスト軸受部の摺動面の中央部に、旋回スクロ
ールのボス部を受容し該ボス部の旋回運動を許容する旋
回容積部を設けると共に前記摺動面の外側にオルダムリ
ングのキー溝を設け、前記旋回スクロールの端板の摺接
面であってスラスト軸受部のキー溝の近傍に油溜り用の
凹部を設け、前記旋回スクロールの旋回運動に伴い前記
凹部が旋回容積部あるいは上記キー溝の少なくとも一方
に連通可能に構成されていることを特徴とする。このよ
うに構成することで、旋回スクロールの端板の凹部に潤
滑油が供給されると、この潤滑油は旋回スクロールの旋
回運動に促され凹部から速やかにスラスト軸受部のキー
溝に供給されるため、長期停止後の起動時においてもオ
ルダムリングの速やかな潤滑が可能となる。ここで、前
記凹部は旋回スクロールの旋回運動に伴い旋回容積部あ
るいは上記キー溝の配置部位の少なくとも一方に連通可
能に構成されているため、旋回容積部から潤滑油を速や
かに供給し、この潤滑油をオルダムリングに速やかに供
給できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1実施形態を
図8を援用し(他の実施形態についても同様)図1に基
づいて説明する。尚、以下の説明においては前記従来の
構成と同一部分に同一符号を付して説明する。図8にお
いてスクロール型流体機械はボディハウジング1(密閉
ハウジング)とスクロール型圧縮機構Cと電動モータ2
を備え、電動モータ2の回転軸3がスクロール型圧縮機
構Cの下部に連結され、スクロール型圧縮機構Cは、端
板とその内面に立設された渦巻状ラップからなる旋回ス
クロール4(図1に旋回方向を矢印で示す)と固定スク
ロール5とが互いに噛み合わされ相対的に旋回運動を行
うものである。
【0018】前記電動モータ2の回転軸3の上端には軸
心から所定量偏心した位置に偏心ピン7が突出して設け
られている。偏心ピン7は旋回スクロール4の下部に軸
線を同じくして立設された円筒状のボス部B内に挿入さ
れており、回転軸3が回転すると偏心ピン7を介して、
旋回スクロール4が固定スクロール5の軸心回りを偏心
し、旋回スクロール4の自転を防止するオルダムリング
8の作用により旋回運動を行う。上記旋回スクロール4
の旋回運動により密閉空間である複数の圧縮室9が外側
の吸入ポートから中心の吐出ポート10にかけて移動す
る間に次第に容積を減少して圧縮仕事を行う。
【0019】固定スクロール5の上部には仕切壁となる
吐出カバー11が気密状態を維持して固定され、頂部ハ
ウジング12、ボディハウジング1を上下に仕切るよう
に設けられている。この吐出カバー11を境としてボデ
ィハウジング1内の上方には高圧室となる吐出チャンバ
13が形成され、吐出チャンバ13は吐出管14と接続
され圧縮された冷媒ガスが吐出管14から吐出される。
尚、18はモータロータ、19はモータステータ、20
はドライブブッシュ、21は給油孔、22は油戻し管を
示す。
【0020】ここで、図1はフレーム6を示す。このフ
レーム6は旋回スクロール4の端板4aが摺動するスラ
スト軸受部Jの摺動面Sを備えると共にその外周に旋回
スクロール4との間に介装されるオルダムリング8が装
着されるものである。フレーム6の中央部には旋回スク
ロール4のボス部Bを受容する旋回容積部16が設けら
れ、この旋回容積部16の周囲に環状の油溝15が形成
されている。そして、この油溝15の外側にオルダムリ
ング8のキー溝17が直径方向に一対設けられている。
【0021】そして、前記フレームのスラスト軸受部J
の摺動面Sに、前記油溝15から前記各キー溝17に向
かい、かつ旋回スクロール4の回転方向であって油溝1
5の接線に沿い直線的に延びて両者を連通する他の油溝
23(連通路)が設けられている。尚、この油溝23は
油溝15の接線に沿うものに限らず旋回スクロール4の
回転方向であれば曲線状のものであっても良い。
【0022】上記フレーム6を備えた第1実施形態によ
れば、長期停止のためにオルダムリング8が無潤滑状態
となっていた場合でも、その後起動した際に、旋回スク
ロール4が摺接するフレーム6のスラスト軸受部Jの摺
動面Sの油溝15に潤滑油が給油されれば、この油溝1
5内の潤滑油が外側に送り出され油溝23を通ってキー
溝17に瞬時に供給される。つまり、油溝15内の潤滑
油は旋回スクロール4の旋回運動により、図1の矢印に
沿って外側に向かって押し出されため上記油溝23から
キー溝17に速やかに供給されるのである。このとき油
溝23が油溝15の接線方向に沿っていることにより油
溝15から押し出される潤滑油が少ない抵抗で供給され
るためより一層キー溝17への潤滑油の供給はスムーズ
なものとなる。
【0023】したがって、長期停止後に起動した場合
に、無潤滑状態となったオルダムリング8までの給油時
間を従来に比べて大幅に短縮できるため、従来問題とな
ったオルダムリング8とキー溝17の焼き付きを防止で
き、信頼性を向上することができる。また、上記油溝2
3により定常時給油量はわずかしか増加しないため、油
溝23の形状と油戻し管22の管径を調整する程度で、
起動時における給油時間の短縮と定常時における潤滑油
の循環量の抑制とを両立することができる。
【0024】次に、図2に基づいてこの発明の第2実施
形態を説明する。図2は第2実施形態の要部をなすフレ
ーム25を示している。このフレーム25は前記旋回ス
クロール4が摺接するスラスト軸受部Jの摺動面Sの中
央部に旋回スクロール4を駆動するドライブブッシュ2
0を旋回スクロール4のボス部Bとともに収容するため
の旋回容積部16を備えると共に前記摺動面Sの外周に
オルダムリング8のキー溝17を設けたものである。
尚、上記旋回容積部16の周囲には油溝15が設けられ
ている。そして、前記スラスト軸受部Jの摺動面Sに、
前記旋回容積部16から油溝15と交叉し前記各キー溝
17に向かい、かつ旋回スクロール4の回転方向であっ
て旋回容積部16の外周の接線に沿い直線的に延びる他
の油溝26(連通路)が設けられている。尚、この油溝
26は旋回容積部16の接線に沿うものに限らず旋回ス
クロール4の回転方向であれば曲線状のものであっても
良い。
【0025】上記フレーム25を備えた第2実施形態に
よれば、長期停止のためにオルダムリング8が無潤滑状
態となっていた場合でも、その後起動した際に上記旋回
容積部16に潤滑油が給油されれば、この旋回容積部1
6内の潤滑油が外側に押し出され油溝26を通って各キ
ー溝17に瞬時に供給される。また、この実施形態にお
いても、油溝26が旋回容積部16の外周の接線方向に
沿っていることにより旋回容積部16から送り出される
潤滑油が少ない抵抗で供給されるためより一層キー溝1
7への潤滑油の供給はスムーズなものとなる。
【0026】したがって、長期停止後に起動した場合
に、無潤滑状態となったオルダムリング8までの給油時
間を従来に比べて大幅に短縮できるため、従来問題とな
ったオルダムリング8とキー溝17の焼き付きを防止で
き、信頼性を向上することができる。また、上記油溝2
6により定常時給油量は増加するが、油溝26の形状と
油戻し管22の管径を調整することで、起動時における
給油時間の短縮と定常時における潤滑油の循環量の抑制
とを両立することができる。
【0027】次に、図3に基づいてこの発明の第3実施
形態を説明する。図3は第3実施形態の要部をなすフレ
ーム28を示している。このフレーム28は前記旋回ス
クロール4が摺接するスラスト軸受部Jの摺動面Sの中
央部に旋回スクロール4を駆動するドライブブッシュ2
0を旋回スクロール4のボス部Bとともに収容するため
の旋回容積部16を備えると共に前記摺動面Sの外周に
オルダムリング8のキー溝17を設けたものである。
尚、上記旋回容積部16の周囲には油溝15が設けられ
ている。そして、前記旋回容積部16から前記各キー溝
17に向かって油連通孔29がフレーム28を貫通して
設けられている。ここで油連通孔29は旋回容積部16
の接線方向に沿い、かつ旋回スクロール4の旋回方向に
向かって形成されている。尚、この油連通路29は旋回
容積部16の接線に沿うものに限らず旋回スクロール4
の回転方向であれば曲線状のものであっても良い。
【0028】上記フレーム28を備えた第3実施形態に
よれば、長期停止のためにオルダムリング8が無潤滑状
態となっていた場合でも、その後起動した際に上記旋回
容積部16に潤滑油が給油されれば、この旋回容積部1
6内の潤滑油は旋回スクロール4のボス部Bの旋回運動
により外側に送り出され油連通孔29を通ってキー溝1
7に瞬時に供給される。
【0029】したがって、長期停止後に起動した場合
に、無潤滑状態となったオルダムリング8までの給油時
間を従来に比べて大幅に短縮できるため、従来問題とな
ったオルダムリング8とキー溝17の焼き付きを防止で
き、信頼性を向上することができる。また、上記油連通
孔29により定常時給油量は増加するが、油連通孔29
の形状(孔径)と油戻し管22の管径を調整すること
で、起動時における給油時間の短縮と定常時における潤
滑油の循環量の抑制とを両立することができる。尚、こ
の第3実施形態においても、油連通孔29が旋回スクロ
ール4の旋回方向であって、かつ旋回容積部16の外周
の接線方向に設けられているため、旋回スクロール4の
ボス部Bの旋回動作による潤滑油の供給が抵抗なくスム
ーズに行われる。
【0030】次に、図4に基づいてこの発明の第4実施
形態を説明する。図4は第4実施形態の要部をなす旋回
スクロール31とフレーム6等を示している。フレーム
6のスラスト軸受部Jの摺動面Sの外周にオルダムリン
グ8のキー溝17が設けられ、前記摺動面Sに摺接する
旋回スクロール31の端板31aの摺接面であってスラ
スト軸受部Jの各キー溝17の近傍に油溜り用の凹部3
2が設けられている。上記旋回スクロール31を備えた
第4実施形態によれば、長期停止でオルダムリング8が
無潤滑状態となっていても、その後起動した際に旋回ス
クロール31の端板31aに形成された凹部32に潤滑
油が供給されれば、旋回スクロール31の旋回運動によ
り潤滑油は外側に送り出されるため、上記各キー溝17
に瞬時に給油を行うことができる。
【0031】したがって、長期停止後に起動した場合
に、無潤滑状態となったオルダムリング8までの給油時
間を従来に比較して短縮できるため従来問題であったオ
ルダムリング8とキー溝17の焼き付きを防止し、信頼
性を向上することができる。尚、この凹部32により定
常時の給油量が少し増加するが、凹部32の形状と油戻
し管22の管径を調整することで、起動時における給油
時間の短縮と定常時における潤滑油の循環量の抑制とを
両立することができる。
【0032】次に、図5、図6、図7に基づいてこの発
明の第5実施形態を説明する。図5は第5実施形態の要
部をなす旋回スクロール34とフレーム6を示してい
る。旋回スクロール34の端板34aが摺接するスラス
ト軸受部Jの摺動面Sの中央部に、旋回スクロール34
のボス部Bを受容し該ボス部Bの旋回運動を許容する旋
回容積部16が設けられている。また、前記摺動面Sの
外周にオルダムリング8のキー溝17を設け、前記旋回
スクロール34の端板34aの摺接面に油溜り用の凹部
35が設けられている。
【0033】この凹部35は旋回スクロール34の周壁
に開口し、かつキー溝17の配設方向に設けられてお
り、その径方向の長さが、旋回スクロール34の旋回運
動に伴い凹部35が旋回容積部16あるいはキー溝17
の少なくとも一方に連通可能に構成されている。すなわ
ち、旋回スクロール34が旋回運動を行う場合に旋回ス
クロール34のキー溝17の配設方向でのストロークに
より、一方のストロークエンドでは図6に示すように旋
回容積部16に連通し、他方のストロークエンドでは図
7に示すようにキー溝17に連通するに充分な長さに設
定されている。
【0034】上記旋回スクロール34を備えた第5実施
形態によれば、長期停止でオルダムリング8が無潤滑状
態となっても、その後起動した際に旋回スクロール34
の端板34aに形成された凹部35に潤滑油が供給され
れば、旋回スクロール34の旋回運動により、オルダム
リング8に瞬時に給油を行うことができる。つまり、図
6、図7の左右方向においては旋回運動をする旋回スク
ロール34は往復運動を行うが、この往復動において図
6に示す一方のストロークエンドでは旋回スクロール3
4の凹部35が旋回容積部16に連通するため、旋回容
積部16から潤滑油の供給を受け、図7に示す他方のス
トロークエンドでは旋回スクロール34の凹部35はキ
ー溝17に連通するため凹部35内に貯留した潤滑油
を、速やかにキー溝17に供給することができる。
【0035】したがって、長期停止後に起動した場合
に、無潤滑状態となったオルダムリング8までの給油時
間を従来に比較して短縮できるため従来問題であったオ
ルダムリング8とキー溝17の焼き付きを防止し、信頼
性を向上することができる。尚、この凹部32により定
常時の給油量が少し増加するが、凹部35の形状と油戻
し管22の管径を調整することで、起動時における給油
時間の短縮と定常時における潤滑油の循環量の抑制とを
両立することができる。尚、この発明は上記実施形態に
限られるものではなく、例えば油溝15を設ける代わり
に、あるいは油溝15とともに旋回スクロールに閉鎖状
の油溝を設けることもできる。
【0036】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載した発明によれば、長期停止後の起動時においても油
溝に潤滑油が供給されると、この潤滑油は速やかに連通
路を通ってオルダムリングのキー溝に供給されオルダム
リングの速やかな潤滑が可能となるため、オルダムリン
グのキー溝での焼き付きを防止することができる効果が
ある。
【0037】請求項2に記載した発明によれば、長期停
止後の起動時においても油溝に潤滑油が供給されると、
この潤滑油は旋回スクロールの旋回運動に促されスラス
ト軸受部の摺動面の他の油溝を通って速やかにオルダム
リングのキー溝に供給され、オルダムリングの速やかな
潤滑が可能となるため、オルダムリングのキー溝での焼
き付きを防止することができる効果がある。
【0038】請求項3に記載した発明によれば、長期停
止後の起動時においても旋回容積部に潤滑油が供給され
ると、この潤滑油は旋回スクロールの旋回運動に促され
スラスト軸受部の摺動面の他の油溝を通って速やかにオ
ルダムリングのキー溝に供給され、オルダムリングの速
やかな潤滑が可能となるため、オルダムリングのキー溝
での焼き付きを防止することができる効果がある。
【0039】請求項4に記載した発明によれば、長期停
止後の起動時においても旋回容積部に潤滑油が供給され
ると、この潤滑油は旋回スクロールのボス部の旋回運動
に促され旋回容積部から油連通孔を通って速やかにオル
ダムリングに供給され、オルダムリングの速やかな潤滑
が可能となるため、オルダムリングのキー溝での焼き付
きを防止することができる効果がある。
【0040】請求項5に記載した発明によれば、長期停
止後の起動時においても旋回スクロールの端板の凹部に
潤滑油が供給されると、この潤滑油は旋回スクロールの
旋回運動に促され凹部から速やかにオルダムリングのキ
ー溝に供給されオルダムリングの速やかな潤滑が可能と
なるため、オルダムリングのキー溝での焼き付きを防止
することができる効果がある。
【0041】請求項6に記載した発明によれば、長期停
止後の起動時においても、旋回スクロールの端板の凹部
に潤滑油が供給されると、この潤滑油は旋回スクロール
の旋回運動に促され凹部から速やかにスラスト軸受部の
キー溝に供給されオルダムリングの速やかな潤滑が可能
となるため、オルダムリングのキー溝での焼き付きを防
止することができる効果がある。また、前記凹部は旋回
スクロールの旋回運動に伴い旋回容積部あるいは上記キ
ー溝の少なくとも一方に連通可能に構成されているた
め、旋回容積部から凹部に潤滑油を速やかに供給し、こ
の潤滑油を凹部から上記キー溝に速やかに供給できるた
め、オルダムリングの焼き付き防止を確実なものとする
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施形態の要部平面図であ
る。
【図2】 この発明の第2実施形態の要部平面図であ
る。
【図3】 この発明の第3実施形態の要部平面図であ
る。
【図4】 この発明の第4施形態の要部断面図である。
【図5】 この発明の第5実施形態の要部断面図であ
る。
【図6】 この発明の第5実施形態の作動説明図であ
る。
【図7】 この発明の第5実施形態の作動説明図であ
る。
【図8】 従来技術及びこの発明の実施形態の全体断面
説明図である。
【図9】 従来技術のフレームの平面図である。
【符号の説明】
1 ボディハウジング(密閉ハウジング) 4,31,34 旋回スクロール 5 固定スクロール 8 オルダムリング 15 油溝 16 旋回容積部 17 キー溝 20 ドライブブッシュ 23,26 他の油溝(連通路) 29 油連通孔 31a,34a 端板 32,35 凹部 B ボス部 J スラスト軸受部 S 摺動面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H039 AA03 AA04 AA12 BB11 BB12 BB25 CC09 CC13 CC16 CC22 CC27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉ハウジングと、該密閉ハウジング内
    に互いに旋回可能に設けられた旋回スクロールと固定ス
    クロールとを有するスクロール型流体機械において、前
    記旋回スクロールが摺接するスラスト軸受部の摺動面に
    油溝を設けると共に該摺動面の外側にオルダムリングの
    キー溝を設け、前記油溝から前記キー溝に向かって連通
    路を設けたことを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. 【請求項2】 密閉ハウジングと、該密閉ハウジング内
    に互いに旋回可能に設けられた旋回スクロールと固定ス
    クロールとを有するスクロール型流体機械において、前
    記旋回スクロールが摺接するスラスト軸受部の摺動面に
    環状の油溝を設けると共に該摺動面の外側にオルダムリ
    ングのキー溝を設け、前記スラスト軸受部の摺動面に、
    前記油溝から前記キー溝に向かい、かつ旋回スクロール
    の回転方向であって油溝の接線に沿い直線的に、あるい
    は曲線的に延びる他の油溝を設けたことを特徴とするス
    クロール型流体機械。
  3. 【請求項3】 密閉ハウジングと、該密閉ハウジング内
    に互いに旋回可能に設けられた旋回スクロールと固定ス
    クロールとを有するスクロール型流体機械において、前
    記旋回スクロールが摺接するスラスト軸受部の摺動面の
    中央部に旋回スクロールを駆動するドライブブッシュを
    収容するための旋回容積部を設けると共に前記摺動面の
    外側にオルダムリングのキー溝を設け、前記スラスト軸
    受部の摺動面に、該旋回容積部から前記キー溝に向か
    い、かつ旋回スクロールの回転方向であって旋回容積部
    の外周の接線に沿い直線的に、あるいは曲線的に延びる
    他の油溝を設けたことを特徴とするスクロール型流体機
    械。
  4. 【請求項4】 密閉ハウジングと、該密閉ハウジング内
    に互いに旋回可能に設けられた旋回スクロールと固定ス
    クロールとを有するスクロール型流体機械において、前
    記旋回スクロールが摺接するスラスト軸受部の摺動面の
    中央部に、旋回スクロールのボス部を受容し該ボス部の
    旋回運動を許容する旋回容積部を設けると共に前記摺動
    面の外側にオルダムリングのキー溝を設け、前記旋回容
    積部から前記キー溝に貫通する油連通孔を設けたことを
    特徴とするスクロール型流体機械。
  5. 【請求項5】 密閉ハウジングと、該密閉ハウジング内
    に互いに旋回可能に設けられた旋回スクロールと固定ス
    クロールとを有するスクロール型流体機械において、前
    記旋回スクロールの端板が摺接するスラスト軸受部の摺
    動面の外側にオルダムリングのキー溝を設け、前記旋回
    スクロールの端板の摺接面であってスラスト軸受部のキ
    ー溝の近傍に油溜り用の凹部を設けたことを特徴とする
    スクロール型流体機械。
  6. 【請求項6】 密閉ハウジングと、該密閉ハウジング内
    に互いに旋回可能に設けられた旋回スクロールと固定ス
    クロールとを有するスクロール型流体機械において、前
    記旋回スクロールの端板が摺接するスラスト軸受部の摺
    動面の中央部に、旋回スクロールのボス部を受容し該ボ
    ス部の旋回運動を許容する旋回容積部を設けると共に前
    記摺動面の外側にオルダムリングのキー溝を設け、前記
    旋回スクロールの端板の摺接面であってスラスト軸受部
    のキー溝の近傍に油溜り用の凹部を設け、前記旋回スク
    ロールの旋回運動に伴い前記凹部が旋回容積部あるいは
    上記キー溝の少なくとも一方に連通可能に構成されてい
    ることを特徴とするスクロール型流体機械。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020088379A (ko) * 2001-05-18 2002-11-27 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 스크롤 압축기와 그 구동방법
KR100417423B1 (ko) * 2001-02-21 2004-02-05 엘지전자 주식회사 스크롤 압축기의 급유구조
JP2011169283A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Mitsubishi Heavy Ind Ltd スクロール圧縮機
US8241022B2 (en) * 2006-09-21 2012-08-14 Daikin Industries, Ltd. Rotation-preventing member and scroll compressor
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