JP2001080481A - 車輪滑走防止方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
防止方法及びこの方法を実施する装置を提供すること。 【解決手段】 鉄道車両の減速時、車輪とレール間にお
いて発生する騒音、振動の少なくともいずれか一方を加
速度センサー4や騒音マイク5で検知し、この検知した
騒音又は振動のうち特定周波数帯域のものをバンドパス
フィルター6で抽出する。バンドパスフィルター6によ
り特定周波数帯域の騒音又は振動を抽出した時、バンド
パスフィルター6からの信号に基づいて判定回路7は制
御装置3にON信号を出力し、ブレーキ圧力を低下させ
る。 【効果】 車輪が滑走する直前に車輪が滑走する兆候を
検知できるので、より効果的に車輪の滑走を未然に防止
することができる。従って、車両のブレーキ力の有効利
用が可能になる。
Description
て、車輪が固着したり滑走する直前に、レール上を転動
する車輪により発生する車輪や車軸の固有の振動や騒音
を測定することにより、車輪が滑走する兆候を検知し、
滑走を防止する車輪滑走防止方法及びこの防止方法を実
施する装置に関するものである。
り、車輪とレール間には摩擦力すなわち粘着力が発生す
るが、車輪とレールとの境界条件又はブレーキ力の変化
により、この粘着力が飽和する場合がある。また、車輪
の固着や滑走により車輪踏面上にフラット傷が発生した
場合、新たな振動や騒音の原因になる。
えば特開昭61−199401号に記載されているよう
に、輪軸に回転数検知センサーを取り付け、車輪の回転
数の変化を検知するものである。そして、車輪滑走時に
は、その回転数が基準値を下回った時点でブレーキ力を
緩めることによって、車輪とレール間に作用する粘着力
を回復させ、車輪が滑走に至るのを防止するものであ
る。
うな従来の滑走防止方法は、車輪とレール間に作用する
進行方向に対する抵抗力(接線力)と垂直方向荷重(輪
重)との比である粘着係数が、ある一定値で飽和するこ
とにより引き起こされる車輪滑走を、粘着力飽和後に発
生する車輪回転数又はその変化率によって検知するもの
であるために、滑走が発生した直後にのみ制御すること
が可能であり、滑走が発生する直前に制御することは不
可能であった。
数を制御の基準としているので、レールと車輪間の状態
によって大きく影響を受けるという問題もある。さら
に、車輪の滑走は車輪とレール間の滑り率((車両速度
−車輪速度)/車両速度)が0.2%程度から発生する
ので、車輪の滑走を回転数の変化量から検知し、制御す
るためには高精度な回転数検知センサーを必要とする。
あった問題点に鑑みてなされたものであり、車輪の回転
数を使用することのない車輪滑走防止方法及びこの方法
を実施する装置を提供することを目的としている。
ために、本発明では、鉄道車両の減速時、車輪とレール
間において発生する騒音、振動の少なくともいずれか一
方を検知器によって検知し、この検知器により検知した
騒音又は振動のうち特定周波数帯域のものをフィルター
で抽出し、このフィルターにより特定周波数帯域の騒音
又は振動が抽出された時、フィルターからの信号に基づ
いて判定回路は制御装置にON信号を出力し、ブレーキ
圧力を低下させることとしている。
の状態を捉えることができ、より早期に滑走及びそれに
伴って発生する粘着力低下、さらには車輪踏面上に発生
するフラット傷を未然に防止することが可能になる。
を重ねることにより、車輪とレール間に作用する接線
力、すなわち粘着力が飽和して車輪とレール間の粘着力
が低下する滑走直前には、通常の走行状態ではグリップ
している車輪とレールの境界面に、スティックスリップ
現象(固着状態と滑り状態を短時間に繰り返す状態)が
起こり、この際に励起される特定周波数帯域の輪軸の固
有振動に起因する車輪や車軸の振動や騒音を検知するこ
とにより、滑走直前状態を捉えることができることを見
出した。
回転数)と、車軸捩り応力、車輪近傍の騒音の関係を、
実際の車両によって得たデータを示したものであるが、
図3の下段に示したように、ブレーキ作用によって車軸
回転数が減少し固着に至った場合、図3の上段に示した
ように、車軸回転数が減少する直前から車軸の捩り応力
が大きく発散していることが判る。そしてこの時の発散
振動数は、車軸の固有振動数である約90Hzに一致し
ていた。
傍の騒音も、車軸回転数の減少に先立って増大してお
り、車輪が固着する直前に車輪の固有振動騒音、約50
00Hzの騒音が観測されている。
であり、本発明の車輪滑走防止方法は、鉄道車両の減速
時、車輪とレール間において発生する騒音、振動の少な
くともいずれか一方を検知し、この検知した騒音、振動
が特定周波数帯域のものであれば、ブレーキ圧力を低下
させるものである。
る、鉄道車両におけるブレーキ時に車輪とレール間にお
いて発生する騒音や振動の変化は、図3の下段に示した
車軸速度の変化地点Aよりも早く、図3の中段に示した
車輪騒音の固有騒音発生開始地点Bや、図3の上段に示
した車軸捩り応力の発散開始地点Cにおいて発生するの
で、より早く滑走の兆候を検知することができる。従っ
て、滑走直前の状態を検知した瞬間にブレーキ圧力を低
下させれば、従来の回転数検知センサーを用いた方法と
比較して、より早期に滑走及びそれに伴って発生する粘
着力低下、さらには車輪踏面上のフラット傷の発生を未
然に防止することが可能になる。
振動や騒音は、車輪とレールのすべての境界条件すなわ
ち乾燥、湿潤(降雨)、塗油の何れの条件においても発
生し、また、これらの振動や騒音は輪軸の固有振動又は
固有騒音であるため、予め設定した特定周波数帯域のみ
を抽出することにより、その現象を捉えることが可能で
ある。
する装置としては、車輪とレール間において発生する騒
音、振動の少なくともいずれか一方を検知する検知器
と、この検知器により検知した騒音又は振動のうち特定
周波数帯域のものを抽出するフィルターと、このフィル
ターにより特定周波数帯域の騒音又は振動が抽出された
時、フィルターからの信号に基づいてON信号を出力す
る判定回路と、この判定回路からのON信号に基づいて
ブレーキ圧力を低下させる制御装置を備えていることが
必要である。これが本発明の車輪滑走防止装置である。
とレール間において発生する騒音を検知する検知器とし
ては例えば騒音マイクを、また、車輪とレール間におい
て発生する振動を検知する検知器としては例えば加速度
センサーを採用する。
て、検知器により検知した騒音又は振動のうち特定周波
数帯域のものを抽出するフィルターとしては、輪軸の固
有振動数や発生騒音の周波数帯域が既知であることか
ら、これらの周波数帯域に適合したバンドパスフィルタ
ーを採用することにより、ノイズの影響を排除すること
ができる。
図2示す実施例に基づいて説明し、この本発明の車輪滑
走防止装置を用いた本発明の車輪滑走防止方法に及ぶ。
図1は本発明の車輪滑走防止装置の第1実施例を示す概
略構成図、図2は本発明の車輪滑走防止装置の第2実施
例を示す概略構成図である。
軸1にブレーキ力を作用させるブレーキ装置、3はこの
ブレーキ装置2のブレーキ力を制御する制御装置であ
り、この制御装置3は例えば前後の台車ごとに設置され
ている。
た振動センサー、例えば加速度センサーであり、例えば
輪軸1にブレーキ力を作用させた際に車軸に発生する捩
り振動を検知する。この捩り振動は車軸の形状によって
異なるものの、本発明者らの実験によれば、滑走直前に
おける車軸の捩り振動数は90〜100Hzの周波数帯
域にあった。
けても、また、どちらか一方端部に取付けても良い。ま
た、この加速度センサー4を端部以外に取付けることに
より、車軸の捩り振動に限らず、車軸の曲げ振動や、車
輪の曲げ振動、車輪の捩り振動を検知することも可能に
なる。これらの振動は輪軸1の形状(車輪、車軸、組
立)によって決定され、車輪とレールとの境界条件には
依存しないからである。
音マイクであり、車輪とレール間において発生する騒音
を検知する。車輪とレール間において発生する騒音は、
車輪の形状や走行条件によって異なるが、本発明者らの
実験では、通常の走行条件では、800〜1500Hz
の周波数帯域の騒音が車輪とレール間において発生して
いる。
よっても異なるものの、4500〜5000Hzの周波
数帯域の騒音が車輪とレール間において発生している。
この周波数は車輪形状に特有の固有振動数である。
知した車軸の捩り振動や、騒音マイク5によって検知し
た車輪とレール間で発生する騒音のうち、前記した固有
の周波数帯域の振動や騒音を抽出するバンドパスフィル
ターであり、夫々の加速度センサー4や騒音マイク5毎
に設けられている。
フィルター6により抽出された信号に基づいて制御装置
3にON信号を出力する。そして制御装置3はこの判定
回路7からのON信号に基づいてブレーキ装置2にブレ
ーキ圧力を低下させるべく信号を出力する。
な構成であり、このような車輪滑走防止装置を用いて車
輪の滑走を防止するには、以下のように行う。すなわ
ち、鉄道車両の減速時、図1に示した構成の車輪滑走防
止装置では、車輪とレール間において発生する各車軸の
捩り振動を加速度センサー4によって検知する。また、
図2に示した構成の車輪滑走防止装置では、車輪とレー
ル間において発生する騒音を騒音マイク5によって検知
する。
装置では、加速度センサー4により検知した各車軸の捩
り振動をバンドパスフィルター6に入力する。また、図
2に示した構成の車輪滑走防止装置では、騒音マイク5
により検知した騒音をバンドパスフィルター6に入力す
る。
振動又は騒音のうち特定周波数帯域のもの、例えば車軸
の捩り振動では90〜100Hzの周波数帯域の振動
を、また騒音では4500〜5000Hzの周波数帯域
のものを抽出する。判定回路7ではこの特定周波数帯域
の騒音又は振動がバンドパスフィルター6で抽出された
時、制御装置3にON信号を出力し、ブレーキ圧力を低
下させて車輪とレール間に作用する粘着力を回復させ、
車輪が滑走に至るのを防止するのである。
御するものを示したが、各車軸毎にブレーキ力を制御し
ても良い。また、振動と騒音の両方を検知するものであ
っても良い。
車輪が滑走する直前に車輪が滑走する兆候を検知できる
ので、より効果的に車輪の滑走を未然に防止することが
できる。従って、車両のブレーキ力を有効に利用するこ
とが可能になり、また、車輪の踏面上に発生するフラッ
ト傷及びこのフラット傷によって発生する車輪とレール
系から発生する騒音が防止でき、さらに、車輪の寿命延
長、レールの寿命延伸も可能になる。
概略構成図である。
概略構成図である。
と、車軸捩り応力、車輪近傍の騒音の関係を、実際の車
両によって得たデータを示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 鉄道車両の減速時、車輪とレール間にお
いて発生する騒音、振動の少なくともいずれか一方を検
知し、この検知した騒音、振動が特定周波数帯域のもの
であれば、ブレーキ圧力を低下させることを特徴とする
車輪滑走防止方法。 - 【請求項2】 車輪とレール間において発生する騒音、
振動の少なくともいずれか一方を検知する検知器と、こ
の検知器により検知した騒音又は振動のうち特定周波数
帯域のものを抽出するフィルターと、このフィルターに
より特定周波数帯域の騒音又は振動が抽出された時、フ
ィルターからの信号に基づいてON信号を出力する判定
回路と、この判定回路からのON信号に基づいてブレー
キ圧力を低下させる制御装置を備えたことを特徴とする
車輪滑走防止装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25992699A JP4278795B2 (ja) | 1999-09-14 | 1999-09-14 | 車輪滑走防止方法及び装置 |
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-
1999
- 1999-09-14 JP JP25992699A patent/JP4278795B2/ja not_active Expired - Fee Related
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