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JP2001072792A - ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法

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Publication number
JP2001072792A
JP2001072792A JP25147399A JP25147399A JP2001072792A JP 2001072792 A JP2001072792 A JP 2001072792A JP 25147399 A JP25147399 A JP 25147399A JP 25147399 A JP25147399 A JP 25147399A JP 2001072792 A JP2001072792 A JP 2001072792A
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JP
Japan
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weight
polyolefin
molecular weight
microporous
membrane
Prior art date
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Pending
Application number
JP25147399A
Other languages
English (en)
Inventor
Kotaro Takita
耕太郎 滝田
Hidehiko Funaoka
英彦 船岡
Norimitsu Kaimai
教充 開米
Shigeaki Kobayashi
茂明 小林
Koichi Kono
公一 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
Priority to JP25147399A priority Critical patent/JP2001072792A/ja
Publication of JP2001072792A publication Critical patent/JP2001072792A/ja
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャットダウン温度が低く、メルトダウン温
度が高く、平均貫通孔径が小さく、高強度で熱収縮率の
低いポリオレフィン微多孔膜の提供。 【解決手段】 (A)重量平均分子量100万以上の超
高分子量ポリエチレン又は重量平均分子量100万以上
の超高分子量ポリエチレンと重量平均分子量1万以上1
00万未満の高密度ポリエチレンからなる組成物、
(B)低密度ポリエチレン及び(C)ポリプロピレンか
らなるポリオレフィン組成物からなり、平均貫通孔径
0.01〜0.05μm、バブルポイント≧10kg/
cm、熱収縮率≦5%であることを特徴とするポリオ
レフィン微多孔膜、及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン微
多孔膜に関するものであって、より詳しくは電池用セパ
レーター等に使用される、過充電、加熱保持試験時の熱
暴走を抑える機能を有するポリオレフィン微多孔膜に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン微多孔膜は、各種の分離
膜や、電池用セパーレーター、電解コンデンサー用セパ
レーター等に使用されている。特にリチウム電池におい
ては、有機溶媒に不溶で電解質や電極活物質に安定なセ
パレーターとして多用されつつある。ポリオレフィン微
多孔膜としては、超高分子量のポリオレフィンを用いた
高強度および高弾性の微多孔膜が用いられ、例えば、重
量平均分子量が7×10以上の超高分子量ポリオレフ
ィンを溶媒中で加熱溶解した溶液からゲル状シートを成
形し、前記ゲル状シート中の溶媒量を脱溶媒処理により
調整し、次いで加熱延伸した後、残留溶媒を除去するこ
とによる微多孔膜(特開昭60−242035号公報
他)、分子量分布が特定の値の超高分子量ポリオレフィ
ンを含有するポリオレフィン組成物の高濃度溶液からの
微多孔膜(特開平3−64334号公報)等が提案され
ている。
【0003】ところで、最近のリチウムイオン電池用セ
パレータとしては、高容量化、電池特性、安全性、生産
性を向上させることが求められてきている。すなわち、
高容量化、電池特性の向上としては微多孔膜の透気
度、電解液注液性、保液性を向上させ、容量増加、低温
レート特性やサイクル特性を良好にすること、安全性
の向上としては電極が短絡して電池内部の温度が上昇し
た時に、発火等の事故が生じるのを防止するために、リ
チウムの発火以前に溶融してその孔を目詰りさせ電流を
シャットダウンさせる機能、及びシャットダウン後に温
度がさらに上昇した時にセパレーター自身が溶融破断
(メルトダウン)して電池の発火、爆発を抑える機能を
有し、過充電や加熱保存試験時の熱暴走を抑えること等
が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記課題を満足するシャットダウン温度が低
く、メルトダウン温度が高く、平均貫通孔径が小さく、
高強度で熱収縮率の低いポリオレフィン微多孔膜を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、超高分子量ポリエチレン又はその組成物に
低密度ポリエチレン、ポリプロピレンを加えることによ
り、透過性能及び機械的強度に優れ、シャットダウン温
度が低く、メルトダウン温度が高く、かつ熱収縮率が低
い微多孔膜が得られることを見出し、本発明に想到し
た。すなわち、本発明は、(A)重量平均分子量100
万以上の超高分子量ポリエチレン又は重量平均分子量1
00万以上の超高分子量ポリエチレンと重量平均分子量
1万以上100万未満の高密度ポリエチレンからなる組
成物、(B)低密度ポリエチレン及び(C)ポリプロピ
レンからなり、平均貫通孔径0.01〜0.05μm、
バブルポイント≧10kg/cm、熱収縮率≦5%で
あることを特徴とするポリオレフィン微多孔膜であり、
(A)重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリエ
チレン又は重量平均分子量100万以上の超高分子量ポ
リエチレンと重量平均分子量1万以上100万未満の高
密度ポリエチレンからなる組成物、(B)低密度ポリエ
チレン及び(C)ポリプロピレンからなるポリオレフィ
ン組成物10〜50重量%と、溶媒50〜90重量%と
からなる溶液を調製し、前記溶液をダイより押出し、冷
却してゲル状組成物を形成し、その後延伸と残存溶媒の
除去を行うことを特徴とするポリオレフィン微多孔膜の
製造方法において、前記ゲル状組成物の延伸をポリオレ
フィン組成物の融点+10℃以下の温度で行い、残存溶
媒の除去を延伸後、延伸工程の間、若しくは延伸前のい
ずれかにおいて行うことを特徴とするポリオレフィン微
多孔膜の製造方法である。
【0006】本発明の好ましい態様を以下に示す。 (イ)前記ポリオレフィン微多孔膜が、超高分子量ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
ポリプロピレンからなる前記ポリオレフィン微多孔膜。 (ロ)前記超高分子量ポリエチレンが、重量平均分子量
100万〜500万である前記ポリオレフィン微多孔
膜。 (ハ)前記低密度ポリエチレンが、低圧法により得られ
る線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中圧法によ
り得られる低密度ポリエチレン(LDPE)の少なくと
も一方から選ばれた前記ポリオレフィン微多孔膜。 (ニ)前記LLDPE又はLDPEのメルトインデック
ス(190℃、2.16kg)が0.5〜50である前
記ポリオレフィン微多孔膜。 (ホ)前記ポリプロピレンの重量平均分子量が30万〜
100万である前記ポリオレフィン微多孔膜。 (ヘ)引張強度が800kg/cm以上である前記ポ
リオレフィン微多孔膜。 (ト)透気度が900sec/100cc以下である前
記ポリオレフィン微多孔膜。 (チ)突刺強度が400g/25μm以上である前記ポ
リオレフィン微多孔膜。 (リ)熱収縮率が5%以下である前記ポリオレフィン微
多孔膜。 (ヌ)空孔率が、30〜95%である前記ポリオレフィ
ン微多孔膜。 (ル)シャットダウン温度とメルトダウン温度との差が
50〜80℃である前記ポリオレフィン微多孔膜。 (ヲ)前記微多孔膜が非イオン界面活性剤により親水化
されたことを特徴とする前記親水化前記ポリオレフィン
微多孔膜。 (ワ)前記ポリオレフィン微多孔膜の製造方法におい
て、溶剤抽出工程を延伸後に行うことを特徴とするポリ
オレフィン微多孔膜の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のポリオレフィン微多孔膜
を、構成成分、物性、製造法について、以下に詳細に説
明する。 1.ポリオレフィン (A)超高分子量ポリエチレン成分 本発明のポリオレフィン微多孔膜で用いる(A)超高分
子量ポリエチレンとしては、重量平均分子量100万以
上、好ましくは重量平均分子量100万〜500万の超
高分子量ポリエチレン又は重量平均分子量100万以
上、好ましくは重量平均分子量100万〜500万の超
高分子量ポリエチレンと重量平均分子量1万以上100
万未満、好ましくは重量平均分子量1万以上50万未満
の高密度ポリエチレンとからなる組成物である。超高分
子量ポリエチレンの重量平均分子量が100万未満で
は、膜強度の低下が起こるので好ましくない。一方、上
限は特に限定的ではないが500万を超えるものは、微
多孔膜の製造時のゲル状成形物の形成において成形性に
劣る。重量平均分子量100万以上の超高分子量ポリエ
チレンは、組成物として用いた場合は、20重量%以
上、好ましくは30重量%以上含有されているのが好ま
しい。超高分子量ポリエチレンの含有率が20重量%未
満では、高強度の微多孔膜を得ることができない。高密
度ポリエチレンの重量平均分子量が1万未満であると、
得られる微多孔膜の破断が起こりやすく、目的の微多孔
膜が得られない。
【0008】なお、上記の超高分子量ポリエチレン又は
超高分子ポリエチレンと高密度ポリエチレン組成物の分
子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は300以
下が好ましく、特に5〜50であるのが好ましい。分子
量分布が300を超えると、低分子量成分による破断が
起こり膜全体の強度が低下するため好ましくない。ポリ
エチレン組成物を用いる場合は、重量平均分子量が10
0万以上の超高分子量ポリエチレンと、重量平均分子量
が1万以上100万未満のポリエチレンとを分子量分布
が上記範囲となるように、適量混合することによって得
ることができ、このポリエチレン組成物は、上記重量平
均分子量及び分子量分布を有していれば、多段重合によ
るものであっても、2種以上のポリエチレンよる組成物
であっても、いずれでもよい。超高分子量ポリエチレン
又は又は超高分子ポリエチレンと高密度ポリエチレン組
成物の配合割合は、ポリオレフィン組成物全体の20〜
90重量%が好ましく、特に20〜80重量%が好まし
い。20重量%未満であると高強度化が困難であり、9
0重量%を超えるとシャットダウン改善効果が発現しな
い。
【0009】(B)低密度ポリエチレン 本発明で用いる低密度ポリエチレンは、ポリオレフィン
微多孔膜をリチウム電池等のセパレーターとして用いた
場合に低温でのシャットダウン機能を付与できるポリマ
ーであり、低圧法による直鎖状の低密度ポリエチレン
(LLDPE)、高圧法による分岐状ポリエチレン(L
DPE)等が挙げられる。本発明において使用され得る
低密度ポリエチレンは、LDPEの場合、その密度は、
通常0.91〜0.93g/cm程度であり、またそ
のメルトインデックス(MI、190℃、2.16kg
荷重)は、0.5〜50g/10分であり、好ましく
は、0.5〜10g/10分である。LLDPEの場
合、その密度は、通常0.91〜0.93g/cm
度であり、またそのメルトインデックス(MI、190
℃、2.16kg荷重)は、0.5〜50g/10分で
あり、好ましくは、0.5〜10g/10分である。低
密度ポリエチレンの配合割合は、ポリオレフィン組成物
全体の5〜30重量%が好ましく、特に10〜20重量
%が好ましい。5重量%未満であるとシャットダウン改
善効果が発現しなく、30重量%を超えると膜強度が低
下する。
【0010】(C)ポリプロピレン 本発明で用いるポリプロピレンとしては、重量平均分子
量が30万〜100万のホモポリプロピレン又はエチレ
ン含有量が1.0重量%以下のエチレンプロピレンラン
ダムコポリマー、エチレンプロピレンブロックコポリマ
ー等を用いることができる。重量平均分子量が30万未
満では、得られるポリオレフィン微多孔膜の開孔が困難
になり、エチレン含有量が1.0重量%を超えるとポリ
オレフィンの結晶性が低くなり、ポリオレフィン微多孔
膜の開孔が困難になる。
【0011】ポリプロピレンを超高分子量ポリエチレン
またはそのポリエチレン組成物に加えることにより、ポ
リオレフィン微多孔膜をリチウム電池等のセパレーター
として用い、電極が短絡して電池内部の温度が上昇した
場合は、低温でのシャットダウン機能に加えてメルトダ
ウン温度が高くなり、安全性の高い電池が得られる。さ
らに、本発明で用いるポリプロピレンは、ポリオレフィ
ン微多孔膜を電池セパレーターとして用いると、微多孔
膜の表面に微視的凹凸を生じさせ、電解液の保持性の向
上が図られるという効果がある。本発明で用いるポリプ
ロピレンの量は、ポリオレフィン全体の5〜35重量
%、好ましくは、15〜30重量%である。5重量%未
満では、メルトダウン温度の上昇効果はみられず、35
重量%を超えるとポリオレフィン微多孔膜の強度が著し
く低下し、さらに多くなるとシート成形時にポリエチレ
ンとポリプロピレンが相分離してしまい、成形が困難に
なる。
【0012】(D)他の成分 さらに、上述したようなポリオレフィン又はポリオレフ
ィン組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、アンチブロッキング剤、顔料、染料、無機充填材
などの各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添
加することができる。
【0013】2.ポリオレフィン微多孔膜 本発明のポリオレフィン微多孔膜は、次の物性を有して
いる。 (1)平均貫通孔径 本発明のポリオレフィン微多孔膜の平均貫通孔径は、好
ましくは0.01〜0.05μmである。平均貫通孔径
が0.01μm未満では、透過性が低下しすぎるし、
0.05μmを超えると電池セパレータとして用いた場
合に、デンドライト成長による短絡が起こりやすくな
り、電圧降下等の不良を起こしやすくなる。
【0014】(2)空孔率 本発明のポリオレフィン微多孔膜の空孔率は、30〜9
5%が好ましく、より好ましくは40〜80%である。
空孔率が30%未満では、ポリオレフィン微多孔膜を電
池セパレータとして用いた場合には、イオン導電性が悪
く、特に低温での電池容量、サイクル特性といった電池
特性が悪くなる。一方、95%を超えると、膜の強度自
身が低くなりすぎとなり、それぞれ好ましくない。
【0015】(3)透気度 本発明のポリオレフィン微多孔膜の透気度は、900s
ec/100cc以下が好ましく、より好ましくは50
〜700sec/100ccである。透気度を900s
ec/100cc以下にすることにより、ポリオレフィ
ン微多孔膜を電池セパレータとして用いた場合には、イ
オン透過能力が向上するので、低温レート特性、高容量
を達成できる。
【0016】(4)突刺強度 本発明のポリオレフィン微多孔膜の突刺強度は、400
g/25μm以上が好ましく、より好ましくは450g
/25μm以上である。突刺強度が400g/25μm
未満では、ポリオレフィン微多孔膜を電池セパレータと
して用いた場合には、微少短絡による不良が起こりやす
い。
【0017】(5)引張強度 本発明のポリオレフィン微多孔膜の引張強度は、MD、
TD方向共に800kg/cm以上であることが好ま
しい。引張強度が800kg/cm以上であることに
より、ポリオレフィン微多孔膜を電池セパレータとして
用いた場合には、破膜の心配がなくなり好ましい。
【0018】(6)バブルポイント 本発明のポリオレフィン微多孔膜のバブルポイントは、
10kg/cm以上、好ましくは15kg/cm
上、最も好ましくは150kg/cm以上である。バ
ブルポイントが10kg/cm未満では、ポリオレフ
ィン微多孔膜を電池セパレータとして用いた場合には、
孔が大きくなりすぎてデンドライト成長によって電圧降
下や自己放電等の不良が発生するので好ましくない。
【0019】(7)熱収縮率 本発明のポリオレフィン微多孔膜の熱収縮率は、5%以
下、好ましくは4.5%以下である必要がある。熱収縮
率が5%を超えると、ポリオレフィン微多孔膜を電池セ
パレータとして用いた場合には、電池異常昇温時に電極
が露出してしまう現象が起こりやすく好ましくない。
【0020】(8)注液速度比 本発明のポリオレフィン微多孔膜の注液速度比は、超高
分子量ポリエチレン又はその組成物のみからなる微多孔
膜を基準として1と表した場合のポリオレフィン微多孔
膜への電解液の注入の速さを表す指標であり、値が小さ
いほど電解液を吸収し易く、0.7以下が好ましい。
【0021】(9)注液量 本発明のポリオレフィン微多孔膜の注液量は、超高分子
量ポリエチレン又はその組成物のみからなる微多孔膜を
基準として100と表した場合のポリオレフィン微多孔
膜への電解液の注液量を表す指標であり、値が大きいほ
ど電解液の保持能力が大きく、105以上が好ましい。
【0022】(10)シャットダウン温度及びメルトダ
ウン温度 本発明のポリオレフィン微多孔膜のシャットダウン温度
は、90〜140℃、好ましくは90〜130℃であ
る。シャットダウン温度が90℃未満では、熱安定性が
低く、140℃を超えると、セパレーターとして使用し
た場合に外部短絡などで大きな電流が流れたときに電池
の温度上昇が抑えられないので好ましくない。また、メ
ルトダウン温度は、160℃以上、好ましくは170℃
以上である。メルトダウン温度が160℃未満では、電
池熱暴走時に電極が直接接触するため好ましくない。さ
らに、シャットダウン温度とメルトダウン温度との差が
50〜80℃であることが好ましい。
【0023】本発明のポリオレフィン微多孔膜は、上記
の物性を有しているため、シャットダウン温度が低く、
メルトダウン温度が高いセパレーターとして安全性の高
い微多孔膜である。また、電解液注液性、強度に優れた
生産性の高いセパレーターとなる。この微多孔膜は、バ
ブルポイントの値が高いにもかかわらず、透過性が高い
点に特徴があり、電池用セパレータ、液体フィルター等
として好適に用いることができる。
【0024】3.ポリオレフィン微多孔膜の製造 本発明のポリオレフィン微多孔膜は、上記ポリオレフィ
ン組成物に有機液状体または固体を混合し、溶融混練後
押出成形し、抽出、延伸を施すことにより得られる。ま
た、樹脂成分および有機液状体または固体の混合物に無
機微粉体を添加しても何等差し支えない。本発明のポリ
オレフィン微多孔膜を得る好ましい方法としては、ポリ
オレフィン組成物にポリオレフィンの良溶媒を供給しポ
リオレフィン組成物の溶液を調製して、この溶液を押出
機のダイよりシート状に押し出した後、冷却してゲル状
組成物を形成して、このゲル状組成物を延伸と残存溶媒
の除去を行うことによりポリオレフィン微多孔膜を製造
する。
【0025】本発明において、原料となるポリオレフィ
ン組成物の溶液は、上述のポリオレフィン組成物を、溶
媒に加熱溶解することにより調製する。この溶媒として
は、ポリオレフィンを十分に溶解できるものであれば特
に限定されない。例えば、ノナン、デカン、ウンデカ
ン、ドデカン、流動パラフィンなどの脂肪族または環式
の炭化水素、あるいは沸点がこれらに対応する鉱油留分
などがあげられるが、溶媒含有量が安定なゲル状成形物
を得るためには流動パラフィンのような不揮発性の溶媒
が好ましい。加熱溶解は、ポリオレフィン組成物が完全
に溶解する温度で攪拌または押出機中で均一混合して溶
解する方法で行う。その温度は、押出機中で溶媒中で攪
拌しながら溶解する場合は使用する重合体及び溶媒によ
り異なるが、例えば140〜250℃の範囲が好まし
い。ポリオレフィン組成物の高濃度溶液から微多孔膜を
製造する場合は、押出機中で溶解するのが好ましい。
【0026】押出機中で溶解する場合は、まず押出機に
上述したポリオレフィン組成物を供給し、溶融する。溶
融温度は、使用するポリオレフィンの種類によって異な
るが、ポリオレフィンの融点+20〜100℃が好まし
い(ここで、融点とは、JISK7121に基づき、D
SCにより測定した値をいう。以下同じ)。例えば、ポ
リエチレンの場合は160〜230℃、特に170〜2
00℃であるのが好ましく、ポリプロピレンの場合は1
90〜270℃、特に190〜250℃であるのが好ま
しい。したがって、本発明に用いられるポリオレフィン
組成物はポリプロピレンが必須成分であるので、190
〜270℃、特に190〜250℃であるのが好まし
い。次に、この溶融状態のポリオレフィン組成物に対し
て、液状の溶媒を押出機の途中から供給する。
【0027】ポリオレフィン組成物と溶媒との配合割合
は、ポリオレフィン組成物と溶媒の合計を100重量%
として、ポリオレフィン組成物が10〜50重量%、好
ましくは10〜30重量%であり、溶媒が90〜50重
量%、好ましくは90〜70重量%である。ポリオレフ
ィン組成物が10重量%未満では(溶媒が90重量%を
超えると)、シート状に成形する際に、ダイス出口で、
スウエルやネックインが大きくシートの成形性、自己支
持性が困難となる。一方、ポリオレフィン組成物が50
重量%を超えると(溶媒が50重量%未満では)、厚み
方向の収縮が大きくなり、成形加工性も低下する。この
範囲において濃度を変えることにより、膜の透過性をコ
ントロールすることができる。なお、加熱溶解にあたっ
てはポリオレフィンの酸化を防止するために酸化防止剤
を添加するのが好ましい。
【0028】次に、このようにして溶融混練したポリオ
レフィン組成物の加熱溶液を直接に、あるいはさらに別
の押出機を介して、ダイス等から最終製品の膜厚が5〜
100μmになるように押し出して成形する。ダイス
は、通常長方形の口金形状をしたシートダイスが用いら
れるが、2重円筒状のインフレーションダイスなども用
いることができる。シートダイスを用いた場合のダイス
ギャップは通常0.1〜5mmであり、押し出し成形温
度は140〜250℃である。この際押し出し速度は、
通常20〜30cm/分ないし10m/分である。
【0029】このようにしてダイスから押し出された溶
液は、冷却することによりゲル状組成物に成形される。
冷却は少なくともゲル化温度以下までは50℃/分以上
の速度で行うのが好ましい。一般に冷却速度が遅いと、
得られるゲル状組成物の高次構造が粗くなり、それを形
成する疑似細胞単位も大きなものとなるが、冷却速度が
速いと、密な細胞単位となる。冷却速度が50℃/分未
満では、結晶化度が上昇し、延伸に適したゲル状組成物
となりにくい。冷却方法としては、冷風、冷却水、その
他の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロ
ールに接触させる方法などを用いることができる。な
お、ダイスから押し出された溶液は、冷却前あるいは冷
却中に好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5の引
き取り比で引取ってもよい。引き取り比が10以上にな
るとネックインが大きくなり、また延伸時に破断を起こ
しやすくなり好ましくない。
【0030】次に、このゲル状成形物を、延伸する。延
伸は、ゲル状成形物を加熱し、通常のテンター法、ロー
ル法、インフレーション法、圧延法もしくはこれらの方
法の組み合わせによって所定の倍率で行う。延伸は一軸
延伸でも二軸延伸でもよいが、二軸延伸が好ましい。ま
た、二軸延伸の場合は、縦横同時延伸または逐次延伸の
いずれでもよい。延伸温度はポリオレフィン組成物の融
点+10℃以下である。また延伸倍率は、原反の厚さに
よって異なるが、二軸延伸では面倍率で9倍以上が好ま
しく、より好ましくは16〜400倍である。面倍率が
9倍未満では延伸が不十分で高弾性、高強度の微多孔膜
が得られない。一方、面倍率が400倍を超えると、延
伸操作などで制約が生じる。
【0031】次に、延伸された成形物を溶剤で洗浄し残
留する溶媒を除去してポリオレフィン微多孔膜を得る
が、残存溶媒の除去は、上記延伸工程の前、上記延伸工
程の間、上記延伸工程の後のいずれであってもよいが、
延伸工程の後に行うのが好ましい。洗浄溶剤としては、
洗浄溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなど
の炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素などの塩素化炭
化水素、三フッ化エタンなどのフッ化炭化水素、ジエチ
ルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類などの易揮発
性のものを用いることができる。これらの溶剤はポリオ
レフィン組成物の溶解に用いた溶媒に応じて適宜選択
し、単独もしくは混合して用いる。洗浄方法は、溶剤に
浸漬し抽出する方法、溶剤をシャワーする方法、または
これらの組合せによる方法などにより行うことができ
る。
【0032】上述のような洗浄は、延伸成形物中の残留
溶媒が1重量%未満になるまで行う。その後洗浄溶剤を
乾燥するが、洗浄溶剤の乾燥方法は加熱乾燥、風乾など
の方法で行うことができる。乾燥した延伸成形物は、さ
らに熱固定することが望ましい。
【0033】熱固定は、必要に応じて、比較的高温で、
生じる収縮を少なくとも一方向で防止するような応力下
で行う。熱固定温度は、前記ポリオレフィン組成物の結
晶融点+30℃以下の範囲にセットする。例えば、超高
分子量ポリエチレンを含有する組成物では、100〜1
40℃で、より好ましくは110〜130℃である。結
晶融点+30℃を超えると、微多孔膜の強度が極端に低
下したり、微多孔膜の溶解が起こるので形状の保持が困
難となる。熱固定の時間は、特に制限がないが、0.1
秒以上100時間以下であることが好ましい。0.1秒
未満では、熱固定の効果がほとんどなく、透気度はあま
り向上しない。100時間を超えると生産性が低下する
だけでなく、樹脂の劣化も激しくなるので好ましくな
い。
【0034】4.ポリオレフィン微多孔膜の親水化処理 本発明のポリオレフィン微多孔膜は、必要に応じて、さ
らに界面活性剤処理によって親水化処理などの表面修飾
を施すことができる。ポリオレフィン微多孔膜の処理に
用いる界面活性剤としては、ポリエーテル型非イオン性
界面活性剤、スルホン型イオン性界面活性剤等を使用す
ることが、ポリオレフィン微多孔膜のESCR(環境ス
トレスクラック)での強度劣化等の点からポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリル
エーテル、脂肪酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エ
ステル等のポリエーテル型非イオン性界面活性剤が好ま
しい。特に、重量平均分子量が1500〜50000、
分子量分布Mw/Mnが10以下、融点が30℃以上の
ポリエーテル型非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0035】この界面活性剤は、溶媒に溶解させた溶液
として用いるのが好ましい。溶媒としては、界面活性剤
を溶解させるものであれば種類を問わないが、水、炭素
数1〜10のアルコールから少なくとも一つ以上選ばれ
た溶剤が好ましく、特にメチルアルコール、エチルアル
コ―ル、プロピルアルコール、水とメチルアルコールの
混合溶媒、水とエチルアルコールの混合溶媒が好まし
い。上記の界面活性剤溶液の溶媒に対する濃度は、0.
01〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5
重量%である。界面活性剤の濃度が0.01重量%未満
では、親液性が不足しており電池・キャパシターのセパ
レータとして用いた場合は電解液の液枯れが起き長期の
容量劣化が起き、水処理のフィルターとして用いる場合
は長期浸透性不足でハンドリングが困難となる。また、
5重量%を超えると、ポリオレフィン膜の微細孔を処理
剤が閉塞するため電池・キャパシターのセパレータとし
て用いた場合はイオンの移動を妨げ、水処理のフィルタ
ーとして用いる場合は透気性、液体移動性が妨げられる
ため好ましくない。
【0036】ポリオレフィン微多孔膜に、界面活性剤を
溶解させた溶液をロールコーター、スプレー、グラビア
コート、ディッピング、ドクターブレード等により処理
を行う。なお、親液化処理温度及び時間には、特に制約
はないが、5〜60℃、0.1〜300秒であることが
好ましい。該親液化処理によって、ポリオレフィン微多
孔膜の細孔内及び膜表面に0.2〜10重量%、好まし
くは0.5〜2.5重量%の界面活性剤が付着被覆され
る。上記で得られた界面活性剤溶液が付着したポリオレ
フィン微多孔膜から、溶媒を除去し、乾燥処理又は熱処
理して本発明の親液化微多孔膜を得る。乾燥処理は、熱
ロール乾燥法、熱風乾燥法、吸引乾燥法、ドライルーム
乾燥法またはその組合せの方法を用いることができる。
乾燥温度は、40〜130℃、乾燥時間は、0.5〜3
00秒間で行う方法が好ましい。
【0037】
【実施例】以下に本発明について実施例を挙げてさらに
詳細に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるも
のではない。なお、実施例における試験方法は次の通り
である。 (1)膜厚:断面を走査型電子顕微鏡により測定した。 (2)透気度:JIS P8117に準拠して測定し
た。 (3)平均貫通孔径:コールターポロメーター(コール
ター社製)により測定した。 (4)空孔率:重量法により測定した。 (5)突刺強度:25μm厚の微多孔膜を直径1mm
(0.5mmR)の針を2mm/secで突き刺し、破
断したときの荷重を測定した。 (6)引張強度:幅10mmの短冊状試験片の破断強度
をASTM D822に準拠して測定した。 (7)バブルポイント:ASTM E−128−61に
準拠してエタノール中にて測定した。なお、「なし」と
は、測定限界値を超え、150kg/cm以上を意味
する。 (8)熱収縮率:膜を105℃の雰囲気下に8時間放置
し、MD方向およびTD方向のそれぞれの長さの変化か
ら求めた。 (9)注液速度比:内径14mmφ×65mm長の筒状
容器に外径13mmφに巻き込んだセパレーターを挿
入、その容器に5mlの電解液を注入するのに要する時
間を測定し、比較例1の結果との比として求めた。な
お、電解液としては、プロピレンカーボネート(P
C):ジエチレンカーボネート(DEC)=1:1を用
い、電解液注液装置は、宝泉(株)製ラボ用電解液真空
注入機を使用した。 (10)注液量:注液速度比と同じ装置、方法で、30
秒間に注入できる電解液量を測定し、比較例1の値を1
00とした場合の比として表した。 (11)シャットダウン温度:所定温度に加熱すること
によって、透気度が10万sec/100cc以上とな
る温度として測定。 (12)メルトダウン温度:所定温度に加熱することに
よって、膜が溶けて破膜する温度として測定。
【0038】実施例1 重量平均分子量が200万の超高分子量ポリエチレン
(UHMWPE)50重量%、メルトインデックスが2
g/10分の低密度ポリエチレン(LDPE)20重量
及び重量平均分子量が53万のポリプロピレン30重量
%からなる組成物100重量部に酸化防止剤0.375
重量部を加えたポリオレフィン組成物(融点165℃)
を得た。このポリオレフィン組成物30重量部を二軸押
出機(58mmφ、L/D=42、強混練タイプ)に投
入した。またこの二軸押出機のサイドフィーダーから流
動パラフィン70重量部を供給し、200rpmで溶融
混練して、押出機中にてポリオレフィン溶液を調製し
た。続いて、この押出機の先端に設置されたTダイから
190℃で押し出し、冷却ロールで引取りながらゲル状
シートを成形した。続いてこのゲル状シートを、116
℃で5×5倍に同時2軸延伸を行い、延伸膜を得た。得
られた延伸膜を塩化メチレンで洗浄して残留する流動パ
ラフィンを抽出除去した後、乾燥および120℃で熱セ
ットを行いポリオレフィン微多孔膜を得た。このポリオ
レフィン微多孔膜の組成及び製造条件を表1に示し、物
性評価の結果を表2に示す。
【0039】実施例2 実施例1において、低密度ポリエチレン(LDPE)の
代わりにメルトインデックス1.5g/10分の直鎖状
低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いる以外は、実
施例1と同様にしてポリオレフィン微多孔膜を得た。こ
のポリオレフィン微多孔膜の組成及び製造条件を表1に
示し、物性評価の結果を表2に示す。なお、組成物の融
点は165℃であった。
【0040】実施例3 実施例1において、溶液中のポリエチレン組成物の濃度
を20重量%にする以外は、実施例1と同様にしてポリ
オレフィン微多孔膜を得た。このポリオレフィン微多孔
膜の組成及び製造条件を表1に示し、物性評価の結果を
表2に示す。
【0041】実施例4 実施例3において、低密度ポリエチレン(LDPE)の
代わりにメルトインデックス1.5g/10分の直鎖状
低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いる以外は、実
施例1と同様にしてポリオレフィン微多孔膜を得た。こ
のポリオレフィン微多孔膜の組成及び製造条件を表1に
示し、物性評価の結果を表2に示す。なお、組成物の融
点は165℃であった。
【0042】実施例5 重量平均分子量が200万の超高分子量ポリエチレン
(UHMWPE)20重量%、重量平均分子量が35万
の高密度ポリエチレン(HDPE)30重量%、メルト
インデックスが2g/10分の低密度ポリエチレン(L
DPE)20重量及び重量平均分子量が53万のポリプ
ロピレン30重量%からなる組成物100重量部に酸化
防止剤0.375重量部を加えたポリオレフィン組成物
(融点165℃)を得た。このポリオレフィン組成物3
0重量部を二軸押出機(58mmφ、L/D=42、強
混練タイプ)に投入した。またこの二軸押出機のサイド
フィーダーから流動パラフィン70重量部を供給し、2
00rpmで溶融混練して、押出機中にてポリオレフィ
ン溶液を調製した。続いて、この押出機の先端に設置さ
れたTダイから190℃で押し出し、冷却ロールで引取
りながらゲル状シートを成形した。続いてこのゲル状シ
ートを、116℃で5×5倍に同時2軸延伸を行い、延
伸膜を得た。得られた延伸膜を塩化メチレンで洗浄して
残留する流動パラフィンを抽出除去した後、乾燥および
120℃で熱セットを行いポリオレフィン微多孔膜を得
た。このポリオレフィン微多孔膜の組成及び製造条件を
表1に示し、物性評価の結果を表2に示す。
【0043】実施例6 実施例5において、低密度ポリエチレン(LDPE)の
代わりにメルトインデックス1.5g/10分の直鎖状
低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いる以外は、実
施例1と同様にしてポリオレフィン微多孔膜を得た。こ
のポリオレフィン微多孔膜の組成及び製造条件を表1に
示し、物性評価の結果を表2に示す。なお、組成物の融
点は165℃であった。
【0044】実施例7 実施例6で得たポリオレフィン微多孔膜をポリエチレン
オキサイドの1重量%のメタノール溶液で処理し、ポリ
オレフィン微多孔膜に5重量%のポリエチレンオキサイ
ド(PEO)を5重量%付着させた親水化ポリオレフィ
ン微多孔膜を得た。この親水化ポリオレフィン微多孔膜
の組成及び製造条件を表1に示し、物性評価の結果を表
2に示す。
【0045】実施例8 実施例1で得たポリオレフィン微多孔膜をポリエチレン
オキサイドの1重量%のメタノール溶液で処理し、ポリ
オレフィン微多孔膜に5重量%のポリエチレンオキサイ
ドを付着させた親水化ポリオレフィン微多孔膜を得た。
この親水化ポリオレフィン微多孔膜の組成及び製造条件
を表1に示し、物性評価の結果を表2に示す。
【0046】比較例1 重量平均分子量が200万の超高分子量ポリエチレン
(UHMWPE)20重量%、重量平均分子量が35万
高密度ポリエチレン(HDPE)80重量%からなる組
成物100重量部に酸化防止剤0.375重量部を加え
たポリオレフィン組成物(融点135℃)を得た。この
ポリオレフィン組成物30重量部を二軸押出機(58m
mφ、L/D=42、強混練タイプ)に投入した。また
この二軸押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン
70重量部を供給し、200rpmで溶融混練して、押
出機中にてポリオレフィン溶液を調製した。続いて、こ
の押出機の先端に設置されたTダイから190℃で押し
出し、冷却ロールで引取りながらゲル状シートを成形し
た。続いてこのゲル状シートを、115℃で5×5倍に
同時2軸延伸を行い、延伸膜を得た。得られた延伸膜を
塩化メチレンで洗浄して残留する流動パラフィンを抽出
除去した後、乾燥および122℃で熱セットを行いポリ
オレフィン微多孔膜を得た。このポリオレフィン微多孔
膜の組成及び製造条件を表1に示し、物性評価の結果を
表2に示す。
【0047】比較例2 実施例1において、高密度ポリエチレン及びポリプロピ
レンの使用量を表2に示す様に変更し、延伸温度を11
5℃にした以外は、実施例1と同様にして微多孔膜を得
た。このポリオレフィン微多孔膜の組成及び製造条件を
表1に示し、物性評価の結果を表2に示す。なお、組成
物の融点は165℃であった。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン微多孔膜は、高
強度、かつ小さい平均貫通孔径を有し、シャットダウン
温度が低く、メルトダウン温度が高いポリオレフィン微
多孔膜であるので、電池用セパレーターとして用いた場
合、電池特性、安全性、生産性を向上させることがで
き、特に過充電、加熱保持試験時の熱暴走を防止または
低減する機能を有する。また、高い膜強度を合わせ持つ
ため、電極充填密度を挙げても短絡することが少なく、
充放電時の圧縮による短絡も発生し難いため、リチウム
電池用セパレーターとして用いる場合は安全性の点でお
おいに信頼できる、さらにフィルターとしても好適に用
いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 茂明 神奈川県横浜市鶴見区馬場3−27−1− 342 (72)発明者 河野 公一 埼玉県朝霞市三原3−29−10−404 Fターム(参考) 4F074 AA17 AA18 AA20 AA24 AB01 AB03 AB05 CA02 CA03 CA04 CB34 CC02Y CC04X CC05X CC22X CC27Z CC28Z CC29Z CC32X CE33 CE34 CE43 CE84 DA03 DA22 DA49

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)重量平均分子量100万以上の超
    高分子量ポリエチレン又は重量平均分子量100万以上
    の超高分子量ポリエチレンと重量平均分子量1万以上1
    00万未満の高密度ポリエチレンからなる組成物、
    (B)低密度ポリエチレン及び(C)ポリプロピレンか
    らなり、平均貫通孔径0.01〜0.05μm、バブル
    ポイント≧10kg/cm、熱収縮率≦5%であるこ
    とを特徴とするポリオレフィン微多孔膜。
  2. 【請求項2】 シャットダウン温度が90〜140℃、
    メルトダウン温度が160℃以上である請求項1に記載
    のポリオレフィン微多孔膜。
  3. 【請求項3】 (A)重量平均分子量100万以上の超
    高分子量ポリエチレン又は重量平均分子量100万以上
    の超高分子量ポリエチレンと重量平均分子量1万以上1
    00万未満の高密度ポリエチレンからなる組成物、
    (B)低密度ポリエチレン及び(C)ポリプロピレンか
    らなるポリオレフィン組成物10〜50重量%と、溶媒
    50〜90重量%とからなる溶液を調製し、前記溶液を
    ダイより押出し、冷却してゲル状組成物を形成し、その
    後延伸と残存溶媒の除去を行うことを特徴とするポリオ
    レフィン微多孔膜の製造方法において、前記ゲル状組成
    物の延伸をポリオレフィン組成物の融点+10℃以下の
    温度で行い、残存溶媒の除去を延伸後、延伸工程の間、
    若しくは延伸前のいずれかにおいて行うことを特徴とす
    るポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のポリオレフィン
    微多孔膜を親水化したことを特徴とする親水化ポリオレ
    フィン微多孔膜。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は4に記載のポリオレフ
    ィン微多孔膜を用いた電池セパレーター。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は4記載のポリオレフィ
    ン微多孔膜を電池セパレータとして用いた電池。
  7. 【請求項7】 請求項1又は4に記載のポリオレフィン
    微多孔膜を用いたフィルター。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002284918A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Tonen Chem Corp ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法並びに用途
JP2010516842A (ja) * 2007-01-19 2010-05-20 東燃化学株式会社 ポリマー物質とその製造と用途
JP2011063025A (ja) * 2010-10-04 2011-03-31 Asahi Kasei E-Materials Corp ポリオレフィン製微多孔膜
US8104625B2 (en) 2004-05-20 2012-01-31 Asahi Kasei Chemicals Corporation Microporous membrane made of polyolefins
US8338017B2 (en) 2007-10-12 2012-12-25 Toray Battery Separator Film Co., Ltd. Microporous membrane and manufacturing method
JP2013126765A (ja) * 2013-02-04 2013-06-27 Asahi Kasei E-Materials Corp ポリオレフィン製微多孔膜

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