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JP2001072508A - 植物病害防除剤組成物 - Google Patents

植物病害防除剤組成物

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Publication number
JP2001072508A
JP2001072508A JP24939699A JP24939699A JP2001072508A JP 2001072508 A JP2001072508 A JP 2001072508A JP 24939699 A JP24939699 A JP 24939699A JP 24939699 A JP24939699 A JP 24939699A JP 2001072508 A JP2001072508 A JP 2001072508A
Authority
JP
Japan
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group
carbon atoms
compound
component
based compound
Prior art date
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Pending
Application number
JP24939699A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Yanase
勇次 柳瀬
Yukihiro Yoshikawa
幸宏 吉川
Hideo Kawashima
秀雄 川島
Junro Kishi
淳郎 貴志
Tomohisa Akese
智久 明瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP24939699A priority Critical patent/JP2001072508A/ja
Publication of JP2001072508A publication Critical patent/JP2001072508A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 灰色かび病に対して相乗的に増強された作用
を有する植物病害防除剤組成物を提供する。 【解決手段】 成分Iの置換ベンゼン誘導体の一つと成
分IIのジカルボキシイミド系化合物、ベンズイミダゾ
ール系化合物、カーバメート系化合物、アニリノピリミ
ジン系化合物、アクリレート系化合物、フルアジナム、
イミノクタジン・アルベシル酸塩、ポリオキシン、フル
ジオキソニルのうちの一つとの少なくとも二種の有効成
分を含有し、灰色かび病に対して相乗的に増強された作
用を有する植物病害防除剤組成物。 【効果】 本発明の組成物を使用することにより、慣用
の方法に比べて予期しない少量の有効成分量で、効果的
に病害の防除ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも2種の
有効成分を含有し、灰色かび病の感染に対して相乗的に
増強された効果を有する植物病害防除剤組成物である。
更に詳しくは、有効成分の一方が植物病害防除作用を示
す置換ベンゼン誘導体であり、他方がジカルボキシイミ
ド系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、カーバメー
ト系化合物、アニリノピリミジン系化合物、アクリレー
ト系化合物、フルアジナム、イミノクタジン・アルベシ
ル酸塩、ポリオキシン、フルジオキソニルから選ばれる
化合物のうちの少なくとも一つを含有する殺菌剤組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年開発された選択的作用を示す殺菌剤
は、それまで使用されてきた非選択的な殺菌剤と異なり
低薬量で安定した効果を示すが、繰り返し使用した場合
に薬剤耐性が出現し、効力の低下を来す恐れがある。そ
の対策として、予防的剤との混合、作用機作の異なる薬
剤との混合、あるいは薬剤自身の使用回数の制限も行わ
れているとともに、新たな薬剤の開発が期待されてい
る。
【0003】従来より植物病害を防除する目的で、数多
くの薬剤が実用に供されている。すなわち、特開平6−
199803号公報には、種々の置換ベンゼン誘導体が
殺菌効果を有することが知られている。また、特開平1
0−251240号公報および特開平10−31057
7号公報には、本発明の成分Iの構造を有する置換ベン
ゼン誘導体が種々の病害に対して殺菌効果を有すること
が知られている。
【0004】一方、成分IIはジカルボキシイミド系化
合物、ベンズイミダゾール系化合物、カーバメート系化
合物、アニリノピリミジン系化合物、アクリレート系化
合物、フルアジナム、イミノクタジン・アルベシル酸
塩、ポリオキシン、フルジオキソニルから選ばれる公知
の化合物であり、以下に一般名[“商品名(英名)”、
頁]で示し、頁とは、[ザ ペスチサイド マニュアル
(The Pesticide Manual)、第1
1版、The British Crop Prote
ction Council、1997年]の記載頁を
示す。
【0005】A.ジカルボキシイミド系化合物 1.プロシミドン[“スミレックス(Sumile
x)”、第1003〜1004頁] 2.ビンクロゾリン[“ロニラン(Ronila
n)”、第1267〜1269頁] 3.イプロジオン[“ロブラール”(Rovral)、
第724〜726頁]
【0006】B.ベンズイミダゾール系化合物 4.チオファネート メチル[“トップジン M(To
psin M)”、第1201〜1203頁] 5.ベノミル[“ベンレート(Benlate)”、第
100〜102頁] 6.カルベンダジム[“バビスチン(Bavisti
n)”、第182〜184頁] 7.チアベンダゾール[“メルテクト(Mertec
t)”、第1183〜1185頁]
【0007】C.カーバメート系化合物 8.ジエトフェンカルブ[“スミコ(Sumic
o)”、第386〜387頁]
【0008】D.アニリノピリミジン系化合物 1.ピリメタニル[“スカーラ(Scala)”、第1
068〜1069頁] 2.メパニピリム[“フルピカ(Frupica)”、
第784〜785頁] 3.シプロジニル[“ユニックス”(Unix)、第3
19〜321頁]
【0009】E.アクリレート系化合物 1.クレソキシム・メチル[“ストロビー”、第743
ー744頁] 2.アゾキシストロビルリン[“ヘリテージ(Heri
tage)”、第70ー72頁] 3.特開昭63−23852号公報 4.SSF−126(コード番号)[第1114ー11
15頁]
【0010】F.その他 5.フルアジナム[“フロンサイド”、第558〜55
9頁] 6.イミノクタジン アルベシル酸塩[“ベルクート
(Bellkute)”、第709〜712頁] 7.ポリオキシン[“ポリオキシン AL(Polyo
xin AL)”、第991〜994頁] 8.フルジオキソニル[“セイビアー(Saphir
e)”、第566〜568頁]
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成分Iの置
換ベンゼン誘導体の一つと成分IIのジカルボキシイミ
ド系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、カーバメー
ト系化合物、アニリノピリミジン系化合物、アクリレー
ト系化合物、フルアジナム、イミノクタジン・アルベシ
ル酸塩、ポリオキシン、フルジオキソニルのうちの一つ
との少なくとも二種の有効成分を含有し、灰色かび病に
対して相乗的に増強された作用を有する植物病害防除剤
組成物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するため種々検討した結果、驚くべきことに、成分
IIのジカルボキシイミド系化合物、ベンズイミダゾー
ル系化合物、カーバメート系化合物、アニリノピリミジ
ン系化合物、アクリレート系化合物、フルアジナム、イ
ミノクタジン・アルベシル酸塩、ポリオキシン、フルジ
オキソニルのうちのすくなくとも一つの成分と成分Iの
置換ベンゼン誘導体の一つとを混合した組成物が、広範
囲の植物病害、特に灰色かび病の病害の感染に対して増
強された相乗効果を示し、従って前記課題の解決にかな
うものであることを見出し、本発明を完成した。
【0013】即ち、本発明は、少なくとも2種の有効成
分を含有し、灰色かび病の感染に対して相乗効果を有す
る植物病害防除組成物であり、成分Iは一般式(1)
(化3)
【0014】
【化3】 [式中、Rは炭素数3〜12の直鎖または分岐のアルキ
ル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐のハロゲノアル
キル基、炭素数3〜10の直鎖または分岐のアルケニル
基、炭素数3〜10の直鎖または分岐のハロゲノアルケ
ニル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換していてもよ
い炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4の
アルキル基で置換していてもよい炭素数3〜10のハロ
ゲノ置換シクロアルキル基、または1〜3個の置換基に
より置換されていてもよいフェニル基であり、該フェニ
ル基の置換基は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニ
ル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜4
のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロゲノアルコキシ
基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のア
ルキルスルホキシ基、炭素数1〜4のアルキルスルホニ
ル基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数2〜4のアシル
基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基、アミノ
基、または炭素数1〜3のアルキル基で置換されたアミ
ノ基であり、Rと−NHCOArは互いに隣り合ってお
り、Arは以下の(A1)から(A8)(化4)
【0015】
【化4】 (式中、R1はトリフルオロメチル基、ジフルオロメチ
ル基、メチル基、エチル基、塩素原子、臭素原子または
ヨウ素原子であり、R2は水素原子、メチル基、トリフ
ルオロメチル基またはアミノ基であり、nは0〜2の整
数である)で表される基である]で表される置換ベンゼ
ン誘導体であり、成分IIはジカルボキシイミド系化合
物、ベンズイミダゾール系化合物、カーバメート系化合
物、アニリノピリミジン系化合物、アクリレート系化合
物、フルアジナム、イミノクタジン・アルベシル酸塩、
ポリオキシン、フルジオキソニルのうちの少なくとも一
つの化合物である組成物に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の成分Iで表される化合物
のうち、好ましいものは、Arが(A1)で、R1がC
3またはMe基でありR2がMe基;Arが(A2)
で、R1がCF3またはCHF2;Arが(A3)で、R1
がMe基でありR2は水素原子またはMe基;Arが
(A4)で、R1がMe基でありnが0〜1である化合
物、Rが炭素数4〜8の直鎖または分岐のアルキル基、
または炭素数1〜4のアルキル基で置換していてもよい
炭素数4〜8のシクロアルキル基で表される化合物であ
る。
【0017】本発明の成分Iとして特に好ましい化合物
は、Arが(A1)で、R1がCF3またはMe基であり
R2がMe基;Arが(A2)であり、R1がCF3また
はCHF2であり、Rが炭素数4〜8の直鎖または分岐
のアルキル基、または炭素数1〜4のアルキル基で置換
していてもよい炭素数4〜8のシクロアルキル基である
化合物である。
【0018】以下に、成分Iで表される化合物の具体例
の幾つかを示す。 化合物番号1:N−{2−(1,3−ジメチルブチル)
アニリノ}−2−メチル−4−トリフルオロメチルチア
ゾール−5−カルボン酸アミド[Rが1,3−ジメチル
ブチル基であり、ArがA1(R1=CF3 、R2=M
e)の場合] 化合物番号2:N−{2−(1,3−ジメチルブチル)
アニリノ}−1−メチル−3−トリフルオロメチルピラ
ゾール−4−−カルボン酸アミド[Rが1,3−ジメチ
ルブチル基であり、ArがA2(R1 =CF3)の場
合] 化合物番号3:N−{2−(1,3−ジメチルブチル)
アニリノ}−2−メチルフラン−3−カルボン酸アミド
[Rが1,3−ジメチルブチル基であり、ArがA3
(R1=Me、R2=H)の場合] 化合物番号4: N−{2−(1,3−ジメチルブチ
ル)アニリノ}−3−メチルチオフェン−2−カルボン
酸アミド[Rが1,3−ジメチルブチル基であり、Ar
がA4(R1=Me、n=0)の場合]
【0019】本発明の組成物は、下記の種類の植物病害
に対して有効である:イネのいもち病(Pyricularia ory
zae)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、ごま葉枯病(Cochl
iobolus miyabeanus)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuro
i);ムギ類のうどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.hord
ei; f.sp.tritici)、さび病(Puccinia striiformis; P.
graminis; P.recondita; P.hordei)、斑葉病(Pyrenoph
ora graminea)、網斑病(Pyrenophora teres)、赤かび病
(Gibberella zeae)、雪腐病(Typhula sp.; Micronectri
ella nivalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici; U.nud
a)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、眼紋病(Pseudo
cercosporella herpotrichoides)、株腐病(Rhizoctonia
cerealis)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、葉枯病
(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodoru
m);インゲン、キュウリ、トマト、イチゴ、ブドウ、ジ
ャガイモ、ダイズ、キャベツ、ナス、レタス等の灰色か
び病(Botrytis cinerea);ブドウのべと病(Plasmopora
viticola)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、うどん
こ病(Uncinula necator)、黒とう病(Elsinoe ampelin
a)、晩腐病(Glomerella cingulata);リンゴのうどんこ
病(Podosphaera leucotricha)、黒星病(Venturia inaeq
ualis)、斑点落葉病(Alternaria mali)、赤星病(Gymnos
porangium yamadae)、モニリア病(Sclerotinia mali)、
腐らん病(Valsa mali);ナシの黒斑病(Alternaria kiku
chiana)、黒星病(Venturia nashicola)、赤星病(Gymnos
porangium haraeanum)、輪紋病(Physalospora piricol
a);モモの灰星病(Sclerotinia cinerea)、黒星病(Clad
osporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsi
s sp.);カキの炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病(Ce
rcospora kaki; Mycosphaerella nawae)、うどんこ病(P
hyllactinia kakikora);キュウリのべと病(Pseudopero
nospora cubensis)、ウリ類のうどんこ病(Sphaerotheca
fuliginea)、炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、つ
る枯病(Mycosphaerella melonis);トマトの輪紋病(Alt
ernaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvam)、疫
病(Phytophthora infestans);ナスのうどんこ病(Erysi
phe cichoracorum)、すすかび病(Mycovellosiella natt
rassii); アブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria japoni
ca)、白斑病(Cercosporella brassicae);ネギのさび病
(Puccinia allii)、黒斑病(Alternaria porri); ダイ
ズの紫斑病(Cercospora kikukuchii)、黒とう病(Elsino
e glycinnes)、黒点病(Diaporthe phaseololum);イン
ゲンの炭そ病(Colletotrichum lindemuthianum);ラッ
カセイの黒渋病(Mycosphaerellapersonatum)、褐斑病(C
ercospora arachidicola);エンドウのうどんこ病(Erys
iphe pisi)、べと病(Peronospora pisi);ジャガイモの
夏疫病(Alternaria solani)、黒あざ病(Rhizoctonia so
lani)、疫病(Phytophthora infestans);ソラマメのべ
と病(Peronospora viciae)、疫病(Phytophthora nicoti
anae);チャの網もち病(Exobasidium reticulatum)、白
星病(Elsinoe leucospila)、炭そ病(Colletotrichum t
heae-sinensis);タバコの赤星病(Alternaria longipe
s)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、 炭そ病(Co
lletotrichum tabacum)、疫病(Phytophthora parasitic
a);テンサイの褐斑病(Cercospora beticola); バラの
黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca
pannosa)、疫病(Phytophthora megasperma); キクの
褐斑病(Septoria chrysanthemi-indici)、白さび病(Puc
cinia horiana);イチゴのうどんこ病(Sphaerotheca hu
muli)、疫病(Phytophthora nicotianae);インゲン、キ
ュウリ、トマト、イチゴ、ブドウ、ジャガイモ、ダイ
ズ、キャベツ、ナス、レタス等の菌核病(Sclerotinia s
clerotiorum);カンキツの黒点病(Diaporthe citri);
ニンジンの黒葉枯病(Alternaria dauci)等。なかでも、
灰色かび病に対して相乗的に増強された効果を有する。
このような増強作用は、個々の有効成分の作用の合計か
らは予期されることではなかった。
【0020】本発明の組成物において、成分Iの置換ベ
ンゼン誘導体と成分IIの混合割合は特に限定されない
が、ジカルボキシイミド系化合物、ベンズイミダゾール
系化合物、カーバメート系化合物、フルアジナム、イミ
ノクタジン・アルベシル酸塩、ポリオキシンの場合、通
常、成分Iの化合物1重量部に対して成分IIの化合物
は0.05〜100重量部、好ましくは0.05〜50
重量部、より好ましくは0.1〜20重量部の範囲内で
ある。また、フルジオキソニル、アニリノピリミジン系
化合物、アクリレート系化合物の場合、通常、成分Iの
化合物1重量部に対して成分IIの化合物は0.01〜
50重量部、好ましくは0.5〜50重量部、より好ま
しくは0.5〜30重量部の範囲内である。
【0021】本発明の組成物は、2種の有効成分を含む
混合物を直接施用しても良いし、個々の有効成分を別々
に同時施用するか、または相前後して施用しても良い。
更に、有効成分を含む混合物は、2種の有効成分を含む
濃厚組成物を水で希釈しても良いし、また、個々の有効
成分を含む2種の濃厚液から使用時に混合物を調製し、
これを水で希釈しても良い(タンクミックス法)。本発
明組成物を植物病害防除剤として使用する場合は、処理
する植物に対して原体をそのまま使用してもよいが、一
般には不活性な液体担体、固体担体、界面活性剤と混合
し、通常用いられる製剤形態である粉剤、水和剤、フロ
アブル剤、乳剤、粒剤およびその他の一般に慣用される
形態の製剤として使用される。更に製剤上必要ならば補
助剤を添加することもできる。
【0022】ここでいう担体とは、処理すべき部位への
有効成分の到達を助け、また有効成分化合物の貯蔵、輸
送、取扱いを容易にするために配合される合成または天
然の無機または有機物質を意味する。担体としては、通
常農園芸用薬剤に使用されるものであるならば固体また
は液体のいずれでも使用でき、特定のものに限定される
ものではない。
【0023】例えば、固体担体としては、モンモリロナ
イト、カオリナイト等の粘土類;珪藻土、白土、タル
ク、バ−ミュキュライト、石膏、炭酸カルシウム、シリ
カゲル、硫安等の無機物質;大豆粉、鋸屑、小麦粉等の
植物性有機物質および尿素等が挙げられる。物性を改良
するために、高分散ケイ酸または高分散吸収性ポリマー
を添加することも可能である。液体担体としては、トル
エン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素類;ケロシ
ン、鉱油などのパラフィン系炭化水素類;アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;
ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテルな
どのエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコールなどのアルコール類;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン
性溶媒および水等が挙げられる。
【0024】更に、製剤の剤型、適用場面等を考慮して
目的に応じてそれぞれ単独に、または組み合わせて次の
様な補助剤を添加することができる。補助剤としては、
通常使用される界面活性剤、結合剤(例えば、リグニン
スルホン酸、アルギン酸、ポリビニルアルコール、アラ
ビアゴム、CMCナトリウム等)、安定剤(例えば、酸
化防止用としてフェノール系化合物、チオール系化合物
または高級脂肪酸エステル等を用いたり、pH調整剤と
して燐酸塩を用いたり、時に光安定剤も用いる)等を必
要に応じて単独または組み合わせて使用できる。更に場
合によっては防菌防黴のために工業用殺菌剤、防菌防黴
剤などを添加することもできる。
【0025】補助剤について更に詳しく述べる。補助剤
としては乳化、分散、拡展、湿潤、結合、安定化等の目
的ではリグニンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレ
ンアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン
酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシア
ルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアル
キルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル
アミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリオ
キシアルキレンアルキルアミド、ポリオキシアルキレン
アルキルチオエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エ
ステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロッ
クポリマー等の非イオン性界面活性剤;ステアリン酸カ
ルシウム、ワックス等の滑剤;イソプロピルヒドロジエ
ンホスフェート等の安定剤;ホスファチジルエタノール
アミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセ
ロール、リゾレシチン等のセファリンまたはレシチン系
の天然または合成リン脂質;その他メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、カゼイン、アラビアゴム
等が挙げられる。しかし、これらの成分は以上のものに
限定されるものではない。
【0026】本発明の組成物における有効成分組成物の
含有量は、製剤形態によっても異なるが、通常粉剤では
0.1〜30重量%、水和剤では0.1〜80重量%、
粒剤では0.5〜20重量%、乳剤では2〜50重量
%、フロアブル製剤では1〜50重量%、ドライフロア
ブル製剤では1〜80重量%であり、好ましくは、粉剤
では0.5〜10重量%、水和剤では5〜60重量%、
乳剤では5〜20重量%、フロアブル製剤では5〜50
重量%およびドライフロアブル製剤では5〜50重量%
である。補助剤の含有量は0〜80重量%であり、担体
の含有量は100重量%から有効成分化合物のおよび補
助剤の含有量を差し引いた量である。
【0027】本発明組成物の施用方法としては種子処
理、茎葉散布、土壌潅注等が挙げられるが、通常当業者
が利用するどの様な施用方法にても十分な効力を発揮す
る。施用量および施用濃度は対象作物、対象病害、病害
の発生程度、化合物の剤型、施用方法および各種環境条
件等によって変動するが、散布する場合には有効成分量
としてヘクタール当たり50〜1,000gが適当であ
り、望ましくはヘクタール当り100〜500gであ
る。また水和剤、フロアブル剤または乳剤を水で希釈し
て散布する場合、その希釈倍率は200〜20,000
倍が適当であり、望ましくは500〜5,000倍であ
る。また、種子消毒の場合、殺菌剤混合物の使用量は、
種子1kg当たり0.001から50g、好ましくは
0.01から10gである。本発明の組成物は他の殺菌
剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤および植物成
長調節剤等の農薬、土壌改良剤または肥効物質との混合
使用は勿論のこと、これらとの混合製剤も可能である。
【0028】次に、製剤例および試験例にて本発明を更
に詳しく説明する。尚、製剤例中の部は重量部を表す。
【0029】
【実施例】製剤例 1(水和剤) 化合物番号1:10部、プロシミドン:10部、リグニ
ンスルホン酸ナトリウム:10部、アルキルナフタレン
スルホン酸ナトリウム:5部、ホワイトカーボン:10
部および珪藻土:55部を均一に粉砕混合して水和剤を
得た。
【0030】製剤例 2(水和剤) 化合物番号2:10部、チオファネートメチル:20
部、リグニンスルホン酸ナトリウム:10部、アルキル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム:20部および珪藻土:
40部を粉砕混合して、水和剤を得た。
【0031】製剤例 3(フロアブル剤) 化合物番号2:10部、メパニピリム:10部、プロピ
レングリコール:3部、リグニンスルホン酸ナトリウ
ム:2部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム
塩:1部、および水:74部をサンドグラインダーで湿
式粉砕しフロアブル剤を得た。
【0032】製剤例 4(フロアブル剤) 化合物番号2:10部、イミノクタジン・アルベシル酸
塩:10部、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエ
ート:3部、カルボキシメチルセルロ−ス:3部および
水:64部をサンドグラインダーで湿式粉砕しフロアブ
ル剤を得た。
【0033】試験例1 インゲン灰色かび病防除試験
(1) 温室内で直径7.5cmのプラスチックポットに子葉の
展開まで2本ずつ生育させたインゲン(品種:つるなし
トップクロップ)に、製剤例1に準じて調製した水和剤
を所定濃度に希釈して、4ポット当たり50mlずつ散
布した。薬液が乾いた後PDA培地上で培養した灰色か
び菌(MBC耐性、RS菌)から調製した分生胞子懸濁
液(1×105個/ml)を子葉上に噴霧接種し、20
〜23℃、湿度95%以上の温室に7日間保った。接種
7日後、インゲン1葉当たりに灰色かび病の病斑が占め
る面積を次の指標に従って調査した。結果を第1表(表
1)に示す。
【0034】 各処理区および無処理区の平均値を発病度とした。 防除価(%)=(1−処理区の発病度/無処理区の発病
度)×100
【0035】
【表1】
【0036】試験例2 インゲン灰色かび病防除試験
(2) 温室内で直径7.5cmのプラスチックポットに子葉の
展開まで2本ずつ生育させたインゲン(品種:つるなし
トップクロップ)に、製剤例1に準じて調製した水和剤
を所定濃度に希釈して、4ポット当たり50mlずつ散
布した。薬液が乾いた後PDA培地上で培養した灰色か
び菌(MBC耐性・ジカルボキシイミド系薬剤耐性、R
R菌)から調製した分生胞子懸濁液(1×105個/m
l)を子葉上に噴霧接種し、20〜23℃、湿度95%
以上の温室に7日間保った。接種7日後、インゲン1葉
当たりに灰色かび病の病斑が占める面積を次の指標に従
って調査した。結果を第2表(表2)に示す。
【0037】 各処理区および無処理区の平均値を発病度とした。 防除価(%)=(1−処理区の発病度/無処理区の発病
度)×100
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明は少なくとも2種の有効成分を含
む植物病害防除剤組成物であり、広範囲の植物病害、特
に灰色かび病に対して相乗的に増強された効果を示すこ
とから、植物病害防除剤組成物として有用である。本発
明の組成物を使用することにより、慣用の方法に比べて
予期しない少量の有効成分量で、効果的に病害の防除が
できる。また、本発明の組成物は灰色かび病に対する相
乗効果のほか、うどんこ病、赤さび病等に対する効果も
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 43/36 A01N 43/36 A 43/40 101 43/40 101C 101J 43/52 43/52 43/54 43/54 D 43/56 43/56 B 43/60 43/60 43/78 43/78 B 47/40 47/40 A 47/44 47/44 63/02 63/02 G (72)発明者 貴志 淳郎 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 明瀬 智久 千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式 会社内 Fターム(参考) 4H011 AA01 BA06 BB06 BB08 BB09 BB10 BB11 BB13 BB21 BC07 BC18 BC20 DA02 DA15 DC01 DC05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種の有効成分を含有し、灰
    色かび病の感染に対して相乗効果を有する植物病害防除
    剤組成物であり、成分Iは一般式(1)(化1) 【化1】 [式中、Rは炭素数3〜12の直鎖または分岐のアルキ
    ル基、炭素数3〜12の直鎖または分岐のハロゲノアル
    キル基、炭素数3〜10の直鎖または分岐のアルケニル
    基、炭素数3〜10の直鎖または分岐のハロゲノアルケ
    ニル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換していてもよ
    い炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4の
    アルキル基で置換していてもよい炭素数3〜10のハロ
    ゲノ置換シクロアルキル基、または1〜3個の置換基に
    より置換されていてもよいフェニル基であり、該フェニ
    ル基の置換基は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
    炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニ
    ル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜4
    のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロゲノアルコキシ
    基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のア
    ルキルスルホキシ基、炭素数1〜4のアルキルスルホニ
    ル基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数2〜4のアシル
    基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基、アミノ
    基、または炭素数1〜3のアルキル基で置換されたアミ
    ノ基であり、Rと−NHCOArは互いに隣り合ってお
    り、Arは以下の(A1)から(A8)(化2) 【化2】 (式中、R1はトリフルオロメチル基、ジフルオロメチ
    ル基、メチル基、エチル基、塩素原子、臭素原子または
    ヨウ素原子であり、R2は水素原子、メチル基、トリフ
    ルオロメチル基またはアミノ基であり、nは0〜2の整
    数である)で表される基である]で表される置換ベンゼ
    ン誘導体であり、成分IIはジカルボキシイミド系化合
    物、ベンズイミダゾール系化合物、カーバメート系化合
    物、アニリノピリミジン系化合物、アクリレート系化合
    物、フルアジナム、イミノクタジン・アルベシル酸塩、
    ポリオキシン、フルジオキソニルのうちの少なくとも一
    つの化合物である組成物。
  2. 【請求項2】 成分Iにおいて、Rは炭素数5〜8の直
    鎖または分岐のアルキル基、または炭素数1〜4のアル
    キル基で置換していてもよい炭素数5〜8のシクロアル
    キル基である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 成分IIがジカルボキシイミド系化合物
    である請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 ジカルボキシイミド系化合物がプロシミ
    ドンである請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 成分IIがアニリノピリミジン系化合物
    である請求項1又は2記載の組成物。
  6. 【請求項6】 アニリノピリミジン系化合物がメパニピ
    リムである請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 成分IIがイミノクタジン・アルベシル
    酸塩である請求項1又は2記載の組成物。
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