JP2001057863A - γ−アミノ酪酸含量が高められた麦若葉粉末 - Google Patents
γ−アミノ酪酸含量が高められた麦若葉粉末Info
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Abstract
する麦若葉、麦若葉粉末、麦若葉搾汁粉末を提供するこ
と。 【解決手段】 麦若葉を嫌気処理及び/又は20℃〜5
0℃で熱処理する。さらに、乾燥してγ−アミノ酪酸含
量の高い麦若葉粉末、麦若葉搾汁粉末を得る。
Description
ミノ酪酸(以下、GABAということがある)含量を高
める方法に関する。
から、高血圧症の人々のためにGABAを多く含有する
食品が検討されている。例えば、従来から、お茶の製造
過程で、摘採した茶葉を嫌気条件に置き、茶葉中にGA
BAを多量に蓄積させたいわゆるギャバロン茶が知られ
ている。特開平8−173111号公報には、コーヒー
茶葉を無酸素状態で処理後110℃以上の高温で熱処
理、乾燥処理をする方法でGABA濃度の高いコーヒー
茶葉を得たことが記載されている。さらに、特開平9−
205989号公報には、茶葉に赤外線を照射してGA
BAの含量を向上させることが記載されている。
いで抽出するものであり、摂取できるGABAの量は少
ない。
繊維に富み、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コレス
テロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパ
ーオキサイドディスムターゼ(SOD)の活性化などの
効果を有する健康食品として注目を浴びているが、GA
BAも豊富に含有している。また、麦若葉の加工物はそ
のまま摂取されるため、GABAを多量に摂取するには
好適である。
である麦若葉自体のGABAの含量が高ければ、得られ
る麦若葉加工品のGABA含量も高くなる。そこで、麦
若葉自体のGABA含量を高めることが望まれている。
ABA含量を高めることを目的として、麦若葉の処理方
法について鋭意検討したところ、驚くべきことに麦若葉
を適切な温度で保温処理するか、嫌気処理するか、これ
らの処理を組み合わせて、麦若葉のGABA含量を高め
ることができることを見出し、本発明を完成させたもの
である。
4時間、嫌気処理及び/又は20℃〜50℃で保温処理
することにより得られる、γ−アミノ酪酸含量が高めら
れた麦若葉粉末(ただし、緑色を保持しているものを除
く)に関する。また、本発明は、γ−アミノ酪酸を、通
常の2倍以上含有する麦若葉粉末(ただし、緑色を保持
しているものを除く)に関する。
は、大麦、小麦、ライ麦などの麦類の若葉が挙げられ
る。特に好ましくは、大麦であり、分株開始期ないし出
穂開始前期に収穫した緑葉が最適である。
切って、そのまま処理するか、あるいは適切な長さ(例
えば10cm)に切断し、処理する。
酸素の気体で処理することを意味する。真空状態も含
む。気体としては、二酸化炭素ガス、窒素ガスが好まし
く用いられる。嫌気処理の温度は、約20〜50℃が好
ましく、約30〜45℃がより好ましく、40℃前後が
最も好ましい。
分から24時間が好ましく、1〜6時間がより好まし
い。嫌気処理及び/又は保温処理の温度は、約20〜5
0℃が好ましく、約30〜45℃がより好ましく、40
℃前後が最も好ましい。20℃に満たないか50℃を超
えるとGABAの含量が上がりにくい。
外線照射処理、インキュベーター処理等が挙げられる。
ていない麦若葉に比べてGABAの含量が2倍以上、好
ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以上、高められ
ている。
高めた麦若葉(以下、GABA富化処理麦若葉という)
は乾燥粉末又は搾汁乾燥粉末として利用できる。
いて,加工品の変色、変質等の原因となり得る酵素を不
活性化させるための加熱処理(方法は問わない。例え
ば、煮る、蒸す、熱風処理、電磁波処理等)、好ましく
は、さらに急冷処理を行ってもよい。
ぐために、必要に応じて、加工処理前の麦若葉にアルカ
リ性水溶液を付着させる。さらに搾汁粉末の場合は、搾
汁にアルカリ性水溶液を添加する等の手段によって搾汁
のpHを6〜9の範囲に調整することができる。
0%以下、好ましくは5%以下となるように乾燥し、さ
らに粉末化して得ることができる。
磁波乾燥、凍結乾燥など、あらゆる乾燥法を用いること
ができる。乾燥は、できるだけ低温で行うのが良く、加
熱して乾燥する場合でも、例えば50〜80℃、好まし
くは55〜65℃で行うのが良い。
シャー、ミル、ブレンダー、石臼などの機械で行うこと
ができる。
ABA富化処理を施していない麦若葉より得られた麦若
葉粉末より、2倍、好ましくは3倍、より好ましくは5
倍以上のGABAを含んでいる。
汁して得られる搾汁を粉末化して得ることができる。
の方法に従って、例えば、ミキサー、ジューサー等によ
り機械的に破砕し、さらに遠心分離、ろ過等によって行
われる。
又は凍結乾燥することによって粉末化する。
含まれるGABAの量は、GABA富化処理を施してい
ない麦若葉より得られた搾汁粉末より、2倍、好ましく
は3倍、より好ましくは5倍以上であり、800mg/
100g、好ましくは1000mg/100g、より好
ましくは1500mg/100g、さらにより好ましく
は2000mg/100g以上である。
キストリン、デンプン、マルトース等の賦形剤等を添加
した後、噴霧乾燥又は凍結乾燥することもできる。
粉末)は、必要に応じて、既知の方法により殺菌処理を
行うことができる。
は、そのまま飲食に供することができるが、賦形剤、増
量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添
加物、調味料等と混合し、用途に応じて粉末、顆粒、錠
剤等の形態に成形することもでき、さらに、各種の飲食
品に配合して飲食に供することができる。
葉粉末または麦若葉搾汁粉末は、GABAを高濃度で含
有するため、必要に応じて精製し、GABAの純品を得
ることも可能である。
ら若葉を採取し、水洗いして約10cmに細断した大麦
若葉約100gを用いた。
風にて表1に記載の温度で1時間保温処理した後、アミ
ノ酸自動分析器を用いて、以下の条件でγ−アミノ酪酸
(GABA)を測定した。 <アミノ酸自動分析計操作条件> 機 種:JLC−500/V(日本電子株式会社) カラム:LCR−6,4mm×90mm(日本電子株式会社) 移動相:クエン酸リチウム緩衝液(日本電子株式会社) P−21(pH 2.98, Li 0.105 mol/l) 0→16.9 min P−12(pH 3.28, Li 0.26 mol/l) 16.3→36.1 min P−13(pH 3.46, Li 0.80 mol/l) 36.1→56.0 min P−14(pH 2.83, Li 1.54 mol/l) 56.0→63.4 min P−15(pH 3.65, Li 1.54 mol/l) 63.4→80.0 min 反応液:ニンヒドリン・ヒドリダンチン試液(和光純薬工業株式会社) 温 度:カラム 35℃(0→16.3 min), 64℃(15.3→31.0 min) 44℃(31.0→44.4 min), 72℃(63.4→80.0min) 反応槽 135℃ 流 量:移動相 0.50 ml/min 反応液 0.30 ml/min 測定波長: 570 nm
合、見かけ上のGABA含量が高くなるため、処理後の
大麦若葉の含水率を測定し、処理前の大麦若葉の含水率
と同じになるように、処理した大麦若葉のGABA値を
補正した。結果を表1に示す。
大麦若葉中のGABA含量が増加していることがわか
る。
をインキュベーター内で温風にて表2に記載の時間、4
0℃で保温処理した後、GABAを測定した。
で大麦若葉中のGABA含量が増加していることがわか
る。
を、表3に記載の方法で、40℃で60分間保温処理し
た後、GABAを測定した。
を大麦若葉の表面温度が所定温度となる位置にセットし
て行った。
温度の温水に浸して行った。
く、大麦若葉中のGABA含量が増加していることがわ
かる。
を、表4に記載の条件で、嫌気処理を行った後、GAB
Aを測定した。
め、空気を抜いて窒素ガスを充填し、これをインキュベ
ーター内で所定温度にて保温して行った。
中のGABA含量が増加していることがわかる。さらに
40℃で嫌気処理することにより、GABA含量がより
増加していることがわかる。
ベーター内で40℃、1時間保温処理した大麦若葉を、
水分含量が5%以下となるように、60℃の乾燥機で乾
燥した。さらにブレンダーで破砕して大麦若葉粉末を得
た。
処理し、大麦若葉粉末を得た。
結果を表5に示す。
粉末ではGABA含量が増加していることがわかる。
ベーター内で40℃、1時間保温処理した大麦若葉を、
ミキサーで粉砕して搾汁し、ろ過して繊維分を除いた搾
汁を得た。この搾汁を噴霧乾燥し、搾汁粉末を得た。
処理し、大麦若葉搾汁粉末を得た。
した結果を表6に示す。
搾汁粉末ではGABA含量が増加していることがわか
る。
0℃で熱処理することにより、麦若葉中のγ−アミノ酪
酸含量が高められる。この麦若葉を乾燥し、粉砕するこ
とにより、あるいは、麦若葉を搾って搾汁を調製し、乾
燥することにより、γ−アミノ酪酸含量の高い麦若葉粉
末および麦若葉搾汁粉末が提供される。
Claims (2)
- 【請求項1】 麦若葉を、10分〜24時間、嫌気処理
及び/又は20℃〜50℃で保温処理することにより得
られる、γ−アミノ酪酸含量が高められた麦若葉粉末
(ただし、緑色を保持しているものを除く)。 - 【請求項2】 γ−アミノ酪酸を、通常の2倍以上含有
する麦若葉粉末(ただし、緑色を保持しているものを除
く)。
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