JP2001048969A - フィルム用ポリエステル組成物の製造方法及びこの組成物からなるフィルム - Google Patents
フィルム用ポリエステル組成物の製造方法及びこの組成物からなるフィルムInfo
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Abstract
度磁気記録媒体用フィルムの成形に有用なポリエステル
組成物の製造方法及び該組成物からなるフィルムを提供
する。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸を主とするジカルボ
ン酸成分と脂肪族グリコールを主とするグリコール成分
とを反応させ、かつこの反応系に不活性微粒子のエチレ
ングリコールスラリーを添加してポリエステル組成物を
製造する方法において、特定量のマグネシウム化合物、
カルシウム化合物、チタン化合物及びリン化合物を用
い、かつ前記スラリーとしてpHを8〜11に調整した
スラリーを用い、該スラリー中の不活性微粒子の表面ゼ
ータ電位が−10〜−50mVで、平均粒径が0.01
〜2.0μmであり、かつ該スラリーをエステル化反応
またはエステル交換反応終了後から重縮合反応前までに
添加することを特徴とするフィルム用ポリエステル組成
物の製造方法、並びに該組成物からなるフィルム。
Description
テル組成物の製造方法及びこの組成物からなるフィルム
に関する。さらに詳しくは極薄フィルム製造時の耐乾熱
劣化性、ポリマー中の凝集粒子抑制性及び析出異物抑制
性に優れ、ドロップアウトの極めて少ない高密度磁気記
録媒体用フィルムの製造に有用なポリエステル組成物の
製造方法及び該組成物からなる二軸延伸ポリエステルフ
ィルムに関する。
代表される二軸延伸ポリエステルフィルムはその優れた
物理的、化学的特性の故に磁気記録媒体用として広く用
いられている。
ビデオ用蒸着テープに代表される高密度磁気記録媒体の
ベースフィルムとして用いる場合、フィルム表面の平坦
性が特に要求される。この平坦性を達成するためには、
フィルム表面に粗大突起はもちろんのこと、比較的小さ
い突起さえも存在させないようにしなければならない。
テル製造時に添加する触媒、特にアンチモン化合物がポ
リエステル中で析出することにある。アンチモン化合物
は、重合速度が速い、得られるポリエステルの熱安定
性、末端カルボキシル基量、軟化点などの諸特性に優れ
る利点を有するが、前述のようにポリエステル中に析出
物を生じるという欠点を持つ。
記のアンチモン化合物のほかに、例えば特公昭47−1
5703号公報、特公昭47−16193号公報、特公
昭47−42756号公報などにゲルマニウム化合物
が、特開昭48−31293号公報、特開昭52−33
996号公報などにチタン化合物が開示されている。し
かるに、ゲルマニウム化合物はアンチモン化合物のよう
な析出物は生成しないが、重合反応中での副反応が大き
く、得られるポリエステルの軟化点が低く、フィルムの
機械的強度が低下する、という欠点を持つ。また、チタ
ン化合物は、重合速度が極めて速く、アンチモン化合物
のような析出物は生成しないものの、得られるポリエス
テルの熱安定性が悪くなる、という欠点を持つ。
の表面を平坦にすると、走行性、巻き取り性が悪くな
る。例えば、前記ビデオ用蒸着テープのベースフィルム
は、フィルム表面の超平坦化が要求されるため、フィル
ムの走行性、巻き取り性を確保することが困難となる。
イマー層の塗設等)が一般的に行なわれるが、このため
フィルム製膜時の熱固定温度を通常の温度(205〜2
20℃)より高め(230〜240℃)に設定する場合
がある。このとき、フィルム破断等のトラブルにより熱
固定装置(ステンター)内でのフィルム走行が停止する
と、高温下でフィルムが乾熱処理されることになり、驚
くほど短時間にポリマー劣化が進んで該フィルムが微細
な粉末状となり、ステンター内に付着し、その後の製膜
時に巻き込み異物となる(以後、この劣化現象を乾熱劣
化と記載する)ことが判った。これは触媒としてアンチ
モン化合物を使用すれば発生せず、チタン化合物、ゲル
マニウム化合物を使用した場合に発生し、特にチタン化
合物で顕著である。
方法として、熱可塑性樹脂中に微粒子を存在せしめて成
形品の表面に適度の凹凸を付与する方法が種々知られて
いる。その際の微粒子として例えば、シリカ、二酸化チ
タン、炭酸カルシウム、タルク、カオリナイトなどの無
機粒子や、架橋ポリスチレン等の架橋高分子粒子などの
有機微粒子が採用されている。中でもシリカは、価格、
粒度、ハンドリング等の点で好ましい無機粒子の一つで
ある。
は、目的のフィルム品質を得る為に、種々の性質の粒
子、例えば形状、ポリマー親和性、細孔容積等を考慮し
添加しなければならない。 特にフィルムの超平坦性及
び均一性が要求されるビデオ用蒸着テープに代表される
高密度磁気記録媒体のベースフィルムにおいては、フィ
ルムの超平坦性及び表面の均一性を達成する為に、特定
の不活性微粒子を均一に分散させ、同時に不活性微粒子
以外の粒子の析出を抑制し、表面を超平坦かつ均一に
し、滑り性、走行耐久性を併せ持たせる必要がある。
のため従来問題とならなかったフィルム表面の突起がド
ロップアウトの原因となるなどの問題が生じている。
情に鑑み鋭意検討した結果、不活性微粒子を含み、芳香
族ジカルボン酸を主たる酸成分とし脂肪族グリコールを
主たるグリコール成分とするフィルム用ポリエステル組
成物を製造する際に、触媒として特定の化合物を用い、
かつ該微粒子として特定の粒子表面ゼータ電位をもつ不
活性微粒子を用い、該微粒子のエチレングリコールスラ
リーのpHを特定の範囲に調整し、そして該エチレング
リコールスラリーを重縮合反応の直前に添加することに
より、フィルム表面の平坦性と均一性並びに滑り性に優
れた高密度磁気記録媒体用フィルムの製造に適したポリ
エステル組成物を得ることが出来ることを見出し、本発
明に到達したものである。
香族ジカルボン酸を主とするジカルボン酸またはそのエ
ステル形成性誘導体と脂肪族グリコールを主とするグリ
コールとを反応させ、かつこの反応系に不活性微粒子の
エチレングリコールスラリーを添加してポリエステル組
成物を製造する方法において、(A)マグネシウム化合
物、カルシウム化合物、チタン化合物及びリン化合物を
下記式(1)〜(4) 10≦(Mg+Ca)≦120 (1) 0.5≦Mg/Ca≦10.0 (2) 0.5≦(Mg+Ca)/P≦10.0 (3) 0.1<Ti≦10.0 (4) (上式中、Mg、Ca、Ti、Pは各々、マグネシウム
化合物、カルシウム化合物、チタン化合物及びリン化合
物、のポリエステルの全酸成分に対する割合(単位:ミ
リモル%)を示す。)を満足する量を用い、かつ(B)
前記スラリーとしてpHを8〜11に調整したスラリー
を用い、該スラリー中の不活性微粒子の表面ゼータ電位
が−10〜−50mVで、平均粒径が0.01〜2.0
μmであり、かつ該スラリーをエステル化反応またはエ
ステル交換反応終了後から重縮合反応前までに添加する
ことを特徴とするフィルム用ポリエステル組成物の製造
方法である。
からなるフィルムである。
カルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主
たるグリコール成分とするポリエステルである。ここ
で、主たるとは、各々70mol%以上、好ましくは8
0mol%以上であることを言う。かかるポリエステル
は実質的に線状であり、そしてフィルム形成性、特に溶
融成形によるフィルム形成性を有する。
タル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等が例示できる。
エステル交換法によってポリマーを製造する場合には、
これら芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体(例
えば、低級アルキルエステル、アリールエステル、酸無
水物等)を原料として用いる。
えば、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,7−ナ
フタレンジカルボン酸ジメチル等を好ましく挙げること
ができる。中でも工業的に容易に入手できる、テレフタ
ル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチ
ルは好ましいものの一つである。
チレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の如き炭
素数2〜10のポリメチレングリコールあるいは1,4
−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオールを
例示することができる。中でもエチレングリコールが好
ましい。
マーの特徴が損なわれない範囲で、少量の共重合成分が
共重合したコポリマーであることもできる。
主成分の脂肪族グリコール及び芳香族ジカルボン酸(ま
たはそのエステル形成性誘導体)とともに、第三成分と
して、他のグリコール及び/または他のカルボン酸(ま
たはそのエステル形成性誘導体)を使用することが出来
る。前記他のグリコールとしては、例えばジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ポリエーテルアルキレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールなどを挙げることができる。
この中で好ましくはジエチレングリコールである。ま
た、前記した他のカルボン酸としては、例えばテレフタ
ル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セパシン
酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,
7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジ
カルボン酸等のジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸等の3官能以上の多価カルボン酸を挙げること
ができる。さらに、これらのエステル形成性誘導体を使
用することができる。これらの中で、ポリエステルがポ
リアルキレン−2,6−ナフタレートコポリマーの場合
には、好ましいものとして、テレフタル酸、イソフタル
酸及びこれらのエステル形成性誘導体(例えば、テレフ
タル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル等)が例示でき
る。また、ポリエステルがポリアルキレンテレフタレー
トコポリマーの場合には、好ましいものとして、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸及びこれらの
エステル形成性誘導体(例えば、2,6−ナフタレン酸
ジメチル、イソフタル酸ジメチル等)が例示できる。
発明の効果を損なわない限り、例えばヒドロキシ安息香
酸の如き芳香族オキシ酸、ω−ヒドロキシカプロン酸の
如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸(またはその
エステル形成性誘導体)に由来する成分を含んでいても
かまわない。
いポリマーとして、ポリエチレンテレフタレート,ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート等があげられる。
は、表面平坦性、耐乾熱劣化性などの物性を損なわない
範囲で、光安定剤、酸化防止剤、遮光剤等の、添加剤を
必要に応じて含有させることができる。
ェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘
度が約0.4〜約0.9のものが好ましい。
主とするジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
と脂肪族グリコールを主とするグリコールとを反応させ
てポリエステルを製造する際に、マグネシウム化合物、
カルシウム化合物、チタン化合物及びリン化合物を下記
式(1)〜(4)を同時に満たす量用いる必要がある。 10≦(Mg+Ca)≦120 (1) 0.5≦Mg/Ca≦10.0 (2) 0.5≦(Mg+Ca)/P≦10.0 (3) 0.1<Ti≦10.0 (4) (上式中、Mg、Ca、Ti、Pは各々、マグネシウム
化合物、カルシウム化合物、チタン化合物及びリン化合
物、のポリエステルの全酸成分に対するミリモル%を示
す。)
とするジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と
脂肪族グリコールを主とするグリコールとを反応させて
ポリエステルを製造する反応は、当業者に良く知られて
いる反応であり、通常、ジカルボン酸とグリコールとを
常圧または加圧下で加熱反応させるエステル化反応、或
いはジカルボン酸のエステル形成性誘導体とグリコール
とを常圧または加圧下で加熱反応させるエステル交換反
応によってジカルボン酸のグリコールエステルまたはそ
のオリゴマーを得る第一反応段階と、該グリコールエス
テルまたはそのオリゴマーを減圧(真空)下で加熱反応
させる重縮合反応によって所望の重合度のポリマーを得
る第二反応段階とからなっている。前記第一反応段階で
は140〜160℃から220〜250℃に徐々に昇温
する温度条件を採用するのが好ましく、また前記第二反
応段階では第一反応生成物を280〜300℃に昇温す
る温度条件を採用するのが好ましい。
及びマグネシウム化合物としては、酸化物、塩化物、炭
酸塩、カルボン酸塩等が好ましく、特に酢酸塩すなわち
酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムが好ましい。
合物の添加時期は、ポリエステル製造工程のどの段階で
もかまわない。
合物は、例えばポリアルキレンナフタレートの溶融時の
比抵抗を低下させる効果を有するが、ポリマー製造段階
においてナフタレンジカルボン酸ジメチルと脂肪族グリ
コールのエステル交換反応を採用する場合にはエステル
交換反応触媒としても用いることができる。そのため
に、エステル交換反応触媒としても用いるときは、エス
テル交換反応開始前に添加することになる。
ルシウム化合物、マグネシウム化合物の添加時期は特に
限定されないが、反応生成物の固有粘度が0.2に到達
する迄に添加することが、これら化合物をポリマー中に
均一に分散させることが容易であるため、好ましい方法
として例示できる。なお、添加順序は両化合物を同時添
加または別々に時間をずらして添加してもかまわない。
エステル化反応は無触媒で行うことができる。
物の添加量は、全ジカルボン酸成分に対し、カルシウム
及びマグネシウムの合計量が、10〜120mmol
%、好ましくは20〜110mmol%、特に好ましく
は30〜100mmol%となる量である。そして、例
えばエステル交換法でポリマーを製造する場合、この量
の反応系に可溶なマグネシウム化合物及びカルシウム化
合物をエステル交換触媒として添加する。この量が12
0mmol%を超えると触媒残査による析出粒子の影響
でフィルムに成形したときに表面平坦性が悪化し好まし
くなく、他方10mmol%未満ではエステル交換法に
より製造する際にはエステル交換反応が不十分となるば
かりか、その後の重合反応も遅く好ましくない。
モル比は、0.5〜10.0、好ましくは0.5〜9.
0、特に好ましくは2.0〜8.0である。この比が
0.5未満では、触媒残査による析出粒子の影響でフィ
ルムに成形した場合に表面平坦性が悪化してしまう。他
方、10.0を超える場合には、フィルムとした際の諸
特性が悪化してしまい、好ましくない。
びマグネシウムの合計量のモル比は、0.5〜10.
0、好ましくは1.0〜7.0、特に好ましくは2.0
〜7.0である。このモル比が、10.0を超えると触
媒残査による析出粒子の影響でフィルムに形成した場合
に表面平坦性が悪化し好ましくなく、他方0.5未満で
はエステル交換反応触媒に対し過剰量のリン化合物があ
ることとなり、重縮合反応が遅くなってしまい、好まし
くない。
は、例えばリン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチ
ル、リン酸トリフェニル、酸性リン酸メチルエステル等
のリン酸エステル、亜リン酸、亜リン酸トリメチルの亜
リン酸エステル、メチルホスホン酸、フェニルホスホン
酸、ベンジルホスホン酸及びメチルホスホン酸メチルエ
ステル、フェニルホスホン酸エチルエステル、ベンジル
ホスホン酸フェニルエステル等のホスホン酸エステル、
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、ト
リ−n−ブチルホスフェート等が好ましく挙げられる。
なお、これらの化合物はグリコールに可溶なものが好ま
しい。更に、各々、これらの化合物は2種類以上を併用
することもできる。また、これらリン化合物は、本発明
の効果を妨げない範囲で、微量の他の金属元素が含まれ
ていてもよく、例えば、Zn、Co、Mn、K、Na等
の元素が含まれていてもよい。
る迄に添加すればよい。例えば、エステル化反応又はエ
ステル交換反応終了後に、または重縮合反応直前に添加
してもかまわない。添加に際しては一括または2回以上
に分割して添加してもよい。また、2種類以上のポリマ
ーを製膜時のルーダー等で溶融ブレンドすることで添加
することも可能であり、例えばリン化合物の添加量を多
くしたマスターポリマーを作成し、これとチタン化合物
及び不活性微粒子を含有したポリマーとをブレンドして
前記式(1)〜(4)の条件を満足するポリマー(組成
物)とすることも好ましい方法である。
ては、特に限定はないが、チタニウムテトラブトシキシ
ド、トリメリット酸チタン、テトラエトキシチタン、硫
酸チタン、塩化チタン等を好ましく例示することができ
る。その中でも、チタニウムテトラブトシキシドや、ト
リメリット酸チタンが特に好ましい。
は、エステル交換反応開始前に添加しても、エステル交
換反応中、エステル交換反応終了後、重縮合反応の直前
に添加してもかまわない。また、エステル化法では、エ
ステル化反応終了後に添加しても、重縮合反応の直前に
添加してもかまわない。
対するTi量として、0.1〜10.0mmol%、好
ましくは1.0〜5.0mmol%である。この量が1
0.0mmol%を超えると、チタン化合物に起因する
乾熱劣化が生じやすくなる。他方、0.1mmol%未
満では重合反応が遅いため好ましくない。
チレングリコールスラリーのpHを8〜11に調整した
際に、粒子表面のゼータ電位が−10〜−50mVであ
る必要がある。より好ましくは−15〜−45mVであ
る。粒子表面のゼータ電位が−10mVより大きい場合
には、不活性微粒子関反発力が弱い為、粒子分散性が悪
く好ましくない。他方、−50mVより小さい場合に
は、詳細な理由は不明であるが、100nm以上の大突
起の原因となる、大きな凝集粒子が増加する為好ましく
ない。
平均粒径が0.01〜2.0μmであることが必要であ
る。より好ましくは0.03〜1.0μmである。平均
粒径が0.01μm未満ではフィルムとしたときに、滑
性や耐摩耗性が不十分となってしまう。他方、平均粒径
が2.0μm超の場合には表面粗度が大きすぎ、フィル
ム平坦性を損ねてしまい、高密度記録用磁気フィルムに
必要とされる超平坦性が得られなくなってしまう。
みでも2種類以上用いてもかまわない。2種類以上用い
る場合には、異なる種類の不活性微粒子を用いても、異
なる粒径の粒子を用いても、あるいは種類も粒径も異な
る不活性粒子の組み合わせであってもかまわない。
ニア、アルミナ、ジルコニア、カオリナイト、タルクな
どの無機粒子、または架橋ポリスチレン、架橋アクリル
ポリマー、架橋ポリエステルなどの架橋高分子の有機粒
子などを挙げることができる。この中で、その表面にポ
リマー親和性がある水酸基を持つ不活性無機粒子、例え
ば、シリカ、チタニア、アルミナなどが好ましい。
が、フィルム表面をより平坦にかつ均一にする為には、
単分散の球状無機粒子であることが特に好ましい。
には、下記式(5)で定義される、体積球状係数φが
0.30〜π/6の範囲にあるものであることが好まし
い。 φ=V/d3 (5) (ここで、Vは粒子1個の平均体積(μm3)、dは投
影面における最大径の平均径(μm)である) Vは、平均粒径から容易に計算できる。また、dも、粒
子を走査型電子顕微鏡で観察、写真撮影し画像解析する
ことにより容易に求めることができる。
には、細孔容積が1.0ml/g以下であることが好ま
しい。細孔容積が1.0ml/gを超える場合には、粒
子が解砕しやすくなってしまい、製膜工程での解砕や、
製品とした際の走行耐久性などが悪化してしまうため、
好ましくない。
には、比表面積が100m2/g以下であることが好ま
しい。比表面積が100m2/gを超える場合には、粒
子間相互作用が増大してしまう為、粒子間凝集が起きや
すくなってしまい、粒子分散性が悪化してしまう。
及び比表面積が前述の条件を満たすシリカ粒子を用いる
場合特に効果的であり好ましい。
ルに対する添加量は0.01〜10.0重量%が好まし
く、さらに好ましくは0.01〜5.0重量%である。
この量が10.0重量%を超えると十分な分散性が得ら
れない。他方、0.01重量%未満であると、粒子添加
の効果が十分に発現しない。
不活性微粒子は、均一に分散しており、従って、該ポリ
エステエル組成物を延伸フィルムにした場合には、フィ
ルム中での粒子の解砕の少なく、均一な凹凸表面が得ら
れ、易滑性、耐摩耗性に優れたフィルムが得られる。
げない範囲でポリエステル中に可溶の他の金属成分が含
まれてもよく、例えばZn、Co等の各元素を含む化合
物を含有してもよい。
触媒に起因するポリマー不溶物の量が無いか極めて少な
く、しかもフィルム製膜性に優れる、特に高密度磁気記
録媒体用フィルムの成形用原料として有用である。
ら知られている、あるいは、当業界に蓄積されている方
法に準じて得ることができる。そして、このポリエステ
ルフィルムは、一軸延伸フィルムでも二軸延伸フィルム
でも、また延伸の際、1段で延伸してあっても多段で延
伸してあってもかまわない。好ましいのは、フィルム強
度が高い二軸延伸フィルムである。また、本発明のポリ
エステル組成物を使用した単層フィルムでも、該ポリエ
ステル組成物を使用した層を一方の外層として含む積層
フィルムでもかまわない。積層フィルムとする場合には
共押出し法により製造するのが好ましく、さらに塗布法
により更に積層してもかまわない。なお、積層フィルム
の製造に際し、本発明のポリマー以外の層には、所望に
より不活性粒子や添加剤、例えば、安定剤、着色剤、溶
融ポリマーの固有抵抗調整剤等を添加含有させることが
できる。
て、ポリエチレンテレフタレート組成物を用いた場合を
代表例として以下に例示する。
組成物を、(Tm)〜(Tm+70)℃(Tmはポリエ
チレンテレフタレートの融点:℃である)の温度範囲内
でシート状に溶融押出し、急冷固化して未延伸フィルム
(シート)を得る。次いで該未延伸フィルムを縦方向に
延伸した後、横方向に延伸する、いわゆる縦・横逐次二
軸延伸法あるいは、この順序を逆にして延伸する方法な
どにより延伸する。この延伸温度は(Tg−10)〜
(Tg+70)℃( Tgはポリエチレンテレフタレー
トの二次転移点:℃である)の範囲から、延伸倍率は少
なくとも一軸方向に2.5倍以上、さらには3倍以上
で、かつ面積倍率が8倍以上、さらには10〜30倍の
範囲から選ぶのが好ましい。
2.5〜25μm、好ましくは3.0〜12μm、さら
に好ましくは4.0〜12μmである。
ルムは表面平坦性に優れ、好ましくはフィルム表面上に
存在する、微分干渉法による長径10μm以上の大突起
の数が10個/cm2以下であり、磁気記録媒体用、特
に高密度磁気記録媒体用として有用である。高密度磁気
記録媒体としては、アナログ信号記録用Hi8、または
ディジタル信号記録用ディジタルビデオカセットレコー
ダーもしくはデータ8mmに用いるものが挙げられる。
かかる磁気記録媒体の製造方法は公知または従来から用
いられている方法を用いることができる。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例によって限定されるものではない。なお、実施例に
おける種々の物性および特性の測定方法、定義は以下の
通りである。また、「部」は「重量部」を意味する。
求める。
06μm以上) 株式会社島津製作所製、商品名「SACP−4L型セン
トリフュグル パーティクル サイズ アナライザー
(Centrifugal ParticleSize
Analyser)」を用い測定する。得られる遠心
沈降曲線を基に計算した各粒径の粒子とその存在量との
積算曲線から、50マスパーセントに相当する粒径「等
価球直径」を読み取り、この値を上記平均粒径とする
(単行本「粒度測定技術」日刊工業新聞社発行、197
5年、頁242〜247参照)。
0.06μm未満) 平均粒径0.06μm未満の粒子は、光散乱方を用いて
測定する。すなわち、ニコンプイントゥルメント株式会
社(Nicomp InstrumentsInc.)
製の商品名「NICOMP MODEL 270SUB
MICRONPARTICLE SIZER」により求
められる全粒子の50重量%の点にある粒子の「等価球
直径」をもって表示する。
面を、株式会社ニコン(NIKON CORP.)製の
光学顕微鏡、商品名「OPTIPHOT」を用いて、微
分干渉法により倍率200倍にて1cm×5cmの範囲
を観察し、長径が10μm以上の大きさの突起を単位1
cm2当たりの個数でカウントし、評価する。 <3段階判定> ◎ 大突起数が10個/cm2未満 ○ 大突起数が10〜20個/cm2 × 大突起数が20個/cm2超
し、エイコーエンジニアリング(株)製スバッターリン
グ装置(1B−2型イオンコーター装置)を用いてフィ
ルム表面に下記条件にてイオンエッチング処理を施す。
条件は、シリンダージャー内に試料を設置し、約5×1
0-2 Torrの真空状態まで真空度を上げ、電圧0.
90kV、電流5mAにて約5分間イオンエッチングを
実施する。更に同装置にてフィルム表面に金スパッター
を施し、走査型電子縮微鏡にて5000倍で、5μm×
10μmの範囲を観察し、粒子の凝集状態を観察し評価
する。 ○ 測定面積内全粒子中の10%未満が凝集粒子として存在 △ 測定面積内全粒子中の10〜15%が凝集粒子として存在 × 測定面積内全粒子中の15%超が凝集粒子として存在
燥機にフィルムをいれ3分間処理する。(処理条件は温
度=240℃、雰囲気=Air中)処理後、フィルムを
取り出し劣化を手触し評価する。 [3段階判定] ◎ フィルムが殆ど劣化しておらず、手で強く引っ張っても破れない △ フィルムは形状を保っているが、手で強く引っ張ると破れる × フィルムは微粉状となっており、著しく劣化している
媒温度25℃の際のpHを測定する。
整した測定液を、37℃において、大塚電子(株)製E
LS−800を用いて測定する。
0部とエチレングリコール70部とを、エステル交換反
応触媒として酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムを表1
に示す量用いて、150℃から240℃に徐々に昇温し
ながら反応させ、その後トリメチルホスフェートを表1
に示す量を添加し、実質的にエステル交換反応を終了さ
た後、トリメリット酸チタンを表1に示す量添加した。
更に平均粒径が0.06μmで、かつスラリーのpHを
10と調整したときのゼータ電位が−40mVである球
状シリカを含むエチレングリコールスラリーをエステル
交換反応終了直後に、ポリマー中の濃度が0.05wt
%となるように添加した。その後、混合物を重合反応器
に移し、290℃まで昇温し26.7Pa以下の高真空
下にて重縮合反応を行って固有粘度0.60のポリエチ
レンテレフタレート(組成物)を得た。
物)のペレットを170℃で3時間乾燥した後、押出し
機ホッパーに供給し、溶融温度290℃で1mmのスリ
ット状ダイを通して200μmに溶融押出しし、線状電
極を用いて表面仕上げ0.3s程度、表面温度20℃の
回転冷却ドラム上に密着させ固化した。次いで、得られ
た未延伸フィルムを75℃に予熱し、低速、高速のロー
ル間で15mm上方より900℃の表面温度のIRヒー
タ1本にて加熱して3.6倍に延伸し、続いてステンタ
ーに供給し、105℃にて横方向に3.9倍に延伸し
た。得られた二軸延伸フィルムを230℃の温度で5秒
間熱固定処理し、厚み14μmの熱固定二軸延伸ポリエ
ステルフィルムを得た。このフィルムの特性を表1〜3
に示す。
ン酸ジメチル100部とエチレングリコール60部と
を、エステル交換反応触媒として酢酸カルシウム、酢酸
マグネシウムを表1に示す量用いて、150℃から24
0℃に徐々に昇温しながら反応させ、その後トリメチル
ホスフェートを表1に示す量添加して実質的にエステル
交換反応を終了さた後、トリメリット酸チタンを表1に
示す量添加した。更に平均粒径が0.06μmで、かつ
スラリーのpHを10に調整したときのゼータ電位が−
40mVである球状シリカを含むエチレングリコールス
ラリーをエステル交換反応終了直後に、ポリマー中の濃
度が0.05wt%となるように添加した。その後、混
合物を重合反応器に移し、295℃まで昇温し26.7
Pa以下の高真空下にて重縮合反応を行って固有粘度
0.61のポリエチレンナフタレート(組成物)を得
た。
のペレットを170℃で3時間乾燥した後、押出し機ホ
ッパーに供給し、溶融温度290℃で1mmのスリット
状ダイを通して200μmに溶融押出しし、線状電極を
用いて表面仕上げ0.3秒、表面温度20℃の回転冷却
ドラム上に密着させ固化した。次いで、得られた未延伸
フィルムを75℃に予熱し、低速、高速のロール間で1
5mm上方より900℃の表面温度のIRヒータ1本に
て加熱して3.6倍に延伸し、続いてステンターに供給
し、105℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得られ
た二軸延伸フィルムを230℃の温度で5秒間熱固定処
理し、厚み14μmの熱固定二軸延伸フィルムを得た。
このフィルムの特性を表1〜3に示す。
は、実施例1の方法でポリエチレンテレフタレート(組
成物)のペレットを得た。 リン化合物含有マスターポリマーの製造 トリメリット酸チタンを三酸化アンチモン(ジメチルテ
レフタレートに対して15mmol%)へ変更及びトリ
メチルホスフェートの添加量を増量(ジメチルテレフタ
レートに対して400mmol%)し、かつ球状シリカ
を添加しない以外は実施例1の方法でポリエチレンテレ
フタレート(組成物)のペレットを得た。 フィルムの製造 前記とで得られたポリマーを、混合した後の不活性
粒子、リン化合物含有量が表1記載の量になるように溶
融混合してペレットを得た。該ペレットを用いて、実施
例1と同様に製膜を行い二軸延伸フィルムを得た。この
フィルムの特性を表1〜3に示す。
ラリーのpH及び粒子のゼータ電位、種類、平均粒径及
び添加量を表1、2、3に示す様に変更する以外は実施
例1と同様に行い、二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムを得た。このフィルムの特性を表1〜3に示
す。
リーのpH及び粒子のゼータ電位、種類、平均粒径及び
添加量を表1、2、3に示すように変更する以外は実施
例1と同様に行い、二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムを得た。このフィルムの特性を表1〜3に示
す。
グリコールスラリーをエステル交換反応前に添加する以
外は実施例1と同様に行い、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムを得た。このフィルムの特性を表1〜3に示
す。
シウム化合物、マグネシウム化合物、リン化合物及びチ
タン化合物を表1示すように変更する以外は実施例1と
同様に行い、ポリエチレンテレフタレートフィルムを得
た。このフィルムの特性を表1〜3に示す。
明の効果は優れたものであった。
気記録媒体、特に高密度磁気記録媒体用フィルムの成形
に有用なポリエステルを効率よく製造することができ
る。
Claims (11)
- 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸を主とするジカルボ
ン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族グリコー
ルを主とするグリコールとを反応させ、かつこの反応系
に不活性微粒子のエチレングリコールスラリーを添加し
てポリエステル組成物を製造する方法において、(A)
マグネシウム化合物、カルシウム化合物、チタン化合物
及びリン化合物を下記式(1)〜(4) 10≦(Mg+Ca)≦120 (1) 0.5≦Mg/Ca≦10.0 (2) 0.5≦(Mg+Ca)/P≦10.0 (3) 0.1<Ti≦10.0 (4) (上式中、Mg、Ca、Ti、Pはそれぞれ、マグネシ
ウム化合物、カルシウム化合物、チタン化合物及びリン
化合物、のポリエステルの全酸成分に対する割合(単
位:ミリモル%)を示す。)を満足する量を用い、かつ
(B)前記スラリーとしてpHを8〜11に調整したス
ラリーを用い、該スラリー中の不活性微粒子の表面ゼー
タ電位が−10〜−50mVで、平均粒径が0.01〜
2.0μmであり、かつ該スラリーをエステル化反応ま
たはエステル交換反応終了後から重縮合反応開始前まで
に添加することを特徴とするフィルム用ポリエステル組
成物の製造方法。 - 【請求項2】 不活性微粒子を含むエチレングリコール
スラリーのpHをアルカリ金属水酸化物を用いて調整す
る請求項1に記載のフィルム用ポリエステル組成物の製
造方法。 - 【請求項3】 不活性微粒子の添加量が、ポリエステル
に対し、0.01〜10.0重量%である、請求項1又
は2に記載のフィルム用ポリエステル組成物の製造方
法。 - 【請求項4】 不活性微粒子が、無機微粒子である請求
項1〜3のいずれかに記載のフィルム用ポリエステル組
成物の製造方法。 - 【請求項5】 不活性微粒子が、シリカ、チタニア及び
アルミナから選ばれる少なくとも一種の微粒子である請
求項1〜4のいずれかに記載のフィルム用ポリエステル
組成物の製造方法。 - 【請求項6】 不活性微粒子が、細孔容積が1.0ml
/g以下、比表面積が100m2/g以下、かつ単分散
の球状無機微粒子である請求項1〜5のいずれかに記載
のフィルム用ポリエステル組成物の製造方法。 - 【請求項7】 不活性微粒子が、単分散の球状シリカ微
粒子である請求項1〜6のいずれかに記載のフィルム用
ポリエステル組成物の製造方法。 - 【請求項8】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
ートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートである
請求項1〜7のいずれかに記載のフィルム用ポリエステ
ル組成物の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の方法に
より得られたポリエステル組成物からなり、フィルム表
面上に存在する、微分干渉法による長径10μm以上の
大突起の数が10個/cm2以下であることを特徴とす
る二軸延伸ポリエステルフィルム。 - 【請求項10】 フィルムが高密度磁気記録媒体のベー
スフィルムに用いられる請求項9に記載の二軸延伸ポリ
エステルフィルム。 - 【請求項11】 高密度磁気記録媒体がアナログ信号記
録用Hi8、またはディジタル信号記録用ディジタルビ
デオカセットレコーダーもしくはデータ8mmに用いる
ものである請求項10に記載の二軸延伸ポリエステルフ
ィルム。
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-
2000
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