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JP2000500208A - 噴射開始時点調節のための噴射調節ピストンを備えた燃料噴射ポンプ - Google Patents

噴射開始時点調節のための噴射調節ピストンを備えた燃料噴射ポンプ

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JP2000500208A
JP2000500208A JP10508354A JP50835498A JP2000500208A JP 2000500208 A JP2000500208 A JP 2000500208A JP 10508354 A JP10508354 A JP 10508354A JP 50835498 A JP50835498 A JP 50835498A JP 2000500208 A JP2000500208 A JP 2000500208A
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Abstract

(57)【要約】 噴射開始時点調節のための噴射調節ピストン(10)を備えた燃料噴射ポンプが提案されており、この燃料噴射ポンプにおいては、噴射調節ピストン(10)が、分配調節ポンプとして構成された燃料噴射ポンプのカム駆動装置の部分において偏心的に枢着していることによって、運転中に傾倒モーメントにさらされる。しかもn噴射調節ピストン(10)は、半径方向で行われる圧力媒体流入(55)によって、噴射調節ピストン(10)の、枢着部にほぼ向き合う側でさらに、傾倒モーメント力を越える一方側の載設力と共に変形方向で噴射調節ピストンに作用する力にさらされる。第2の圧力フィールド(57)を供給することによって、噴射調節ピストン(10)が、この噴射調節ピストンに作用する前記力を補償し、ひいては著しく減少された半径方向負荷にさらされる。

Description

【発明の詳細な説明】 噴射開始時点調節のための噴射調節 ピストンを備えた燃料噴射ポンプ 従来の技術 本発明は、請求項1の上位概念に記載した燃料噴射ポンプに関する。ドイツ連 邦共和国特許第3532719号明細書によれば、ポンプ内室内に噴射開始時点 調節を行うための制御圧が生じ、この制御圧が中央の領域を介して噴射調節ピス トン及び制御スライダに供給される噴射ポンプが公知である。この場合、噴射調 節ピストンとカム駆動装置との接続部は、噴射調節ピストンの軸の領域の中央に 滑りシューが支承されており、この滑りシューに、カップリング部分が、滑りシ ューの回転運動に対して直角に係合することができる。制御スライダは、滑りシ ューに接続された、噴射調節ピストンの領域内において、噴射調節ピストンの孔 内で噴射調節ピストンの一方の端面側を負荷する、戻し力として働くばねの側に 位置している。この孔内で制御スライダによって制限された圧力室は、噴射調節 ピストン内に位置していて、制御ばねは噴射調節ピストンに対して平行に負荷す る戻しばねをケーシング固定して支持している。このような噴射調節ピストンの 構成は、この噴射調節ピストンに作用する力によって対 称的(symmetrisch)に負荷されているので、大きい傾倒モーメントが噴射調節 ピストンに働くことはない。 噴射調節装置に高い要求をかせる場合には、制御スライダを負荷する圧力室を 、噴射調節ピストンの外側に設ける必要があるが、これは、噴射調節ピストンの 軸方向に大きい所要スペースを必要とすることになる。これを補正するために、 噴射調節ピストンをより短くして、制御スライダは、噴射調節ピストンの領域内 に設ける必要がある。制御スライダは同時に、噴射調節ピストンとカム駆動装置 とのカップリングとして役立つ。このような構造に基づいて、もはや同軸的では なく、噴射調節ピストンに偏心的に作用する戻し力は、カム駆動装置から、噴射 調節ピストンに傾倒モーメントを生ぜしめる。この傾倒モーメントは、シリンダ 内での噴射調節ピストンのガイド部を負荷する。このような構造によれば、付加 的に、制御圧媒体の別の供給部を必要とする。この供給部は、噴射調節ピストン の中央領域内に設けなければならず、付加的に、噴射調節ピストンにおける圧力 フィールドを形成する。この圧力フィールドは、噴射調節ピストンを再び半径方 向で負荷し、部分的に、傾倒モーメントに起因する、噴射調節ピストンとシリン ダとの間の半径方向力を増大する。 発明の利点 請求項1の特徴部を有する本発明による燃料噴射ポ ンプによれば、カム駆動装置による戻し力によって一方側で負荷され、この一方 側の負荷によって生ぜしめられる力を増強する付加的な圧力媒体供給部を有して いる噴射調節ピストンにおいては、このような噴射調節ピストン及びそのガイド 部の一方側の負荷を、噴射調節ピストンとシリンダとの間に鉛直方向で一方側に 作用する力が減少されるような形式で、補償する可能性が提供される。 請求項4に記載した有利な構成では、カップリング部分が、噴射調節ピストン の凹部内に圧力室を形成している。この圧力室内には第2の圧力フィールドが生 ぜしめられ、この第2の圧力フィールドは、圧力媒体源によって負荷される切欠 によって生ぜしめられる第1の圧力フィールドに抗して作用する。圧力フィール ドは、噴射調節ピストンの反対側に位置する側で、燃料噴射ポンプのケーシング 内に支承された、カム駆動装置のカップリング部分によって受けとめられる。 本発明の別の有利な構成は、請求項6に従って、噴射調節ピストンの外周面と シリンダの壁部との間に付加的な切欠が設けられており、この切欠の領域内に第 2の圧力フィールドが形成されている。この第2の圧力フィールドは、第1の圧 力フィールド及びカム駆動装置によって生ぜしめられる傾倒モーメントに作用し て、この傾倒モーメントを補償するようになっている。このような構成によれば 、前記構成に対して付加的な 構造コストを必要とするが、最初に記載した構成において必要とされた、圧力室 のシールには問題がない。 有利には、切欠及び付加的な切欠は、それぞれ長手方向スリットとして構成さ れていて、噴射調節ピストンの外周面の共通のリング領域内に位置している。 本発明のその他の有利な構成は、請求項11に記載されているように、カップ リング部分の両側で噴射調節ピストンをガイドするシリンダに、それぞれ第1の 圧力フィールド及びモーメント(このモーメントに噴射調節ピストンがさらされ る)を補償するための第2の圧力フィールドが生ぜしめられる箇所を設けるとい う点にある。この場合、有利には、請求項12に記載されているように、噴射調 節ピストンが、燃料噴射ポンプのケーシング内に挿入された、耐摩耗性の材料よ り成るシリンダスリーブ内にガイドされている。これによって、噴射調節ピスト ンとシリンダスリーブとの間で最適な滑動特性が得られ、また故障に対する確実 性が得られる。この場合、さらに、有利にはまた安価な製造コストで、噴射調節 ピストンの外周面とシリンダの壁部との間で、切欠にほぼ向かい合う箇所の間の 接続は、これらの箇所に通じる、シリンダスリーブとケーシングとの間の接続通 路が溝として形成されていることによって実現される。シリンダ内で噴射調節ピ ストンによって形成された作業室のシールを改良するために、この作業室は、シ リンダ若しくはシリンダス リーブの内周面に弾性的に当接する金属製のシールリングを有している。これに よって、噴射調節ピストンの、それほど大きい力にさらされることがない領域内 でも、作業室のシールが保証される。 図面 本発明の4つの実施例が図面に示されていて、以下に詳しく説明されている。 第1図には、カップリング部分と噴射調節ピストンとによって閉鎖された、補償 を行う第2の圧力フィールドを準備するための圧力室を備えた本発明の第1実施 例が示されていて、第2図は、補償を行う圧力ばねを使用した、本発明の第2実 施例の、第1図のII−II線に沿った縦断面図、第3図は、燃料噴射ポンプの噴射 調節ピストンの縦断面図による本発明の第3実施例、第4図は、第3図のIV−IV 線に沿った第3図の実施例の断面図、第5図は、第1の変化実施例による接続通 路を備えた噴射調節ピストンの縦断面図による、本発明の第4実施例、第6図は 、第5図によるシリンダスリーブと噴射調節ピストンとがまだ組み付けられてい ないシリンダにおける、接続通路の第2変化実施例を備えた、第5図に対する変 化実施例を示す。 実施例の説明 分配型の燃料噴射ポンプは、分配器としてもまたプランジャとしても使用され る、軸方向で駆動されるプランジャを備えたポンプとして設けられるか、又は分 配器内に配置されたフィード通路に半径方向でフィードする半径方向ピストンを 設けることができる。いずれの場合も、プランジャは、燃料噴射ポンプの駆動軸 によって駆動せしめられるカム駆動装置によって操作される。このようないわゆ るラジアルプランジャの一部は、第1図に断面図で示されている。このようなポ ンプにおいては、例えば4つの、図示されていないプランジャが設けられており 、これらのプランジャは、同じ角度間隔で互いに共通に、分配器の軸に向かって 半径方向に延びる、分配器の半径方向孔内で気密に摺動可能に支承されている。 これらのプランジャは一方の端面側で、共通のポンプ作業室を閉鎖しており、こ のポンプ作業室は、公知の形式でプランジャの半径方向外方ストロークにおいて 燃料で満たされ、プランジャの半径方向内方ストロークにおいて圧力ラインを介 して、分配器の外周面に形成された分配器開口に接続される。この場合、分配器 の外周から延びる複数の噴射ラインを制御する。これらの噴射ラインのうちのそ れぞれ1つに、プランジャの内方運動時に噴射圧にもたらされる燃料が供給され る。分配器は、駆動軸によって次のように回転駆動せしめられる。つまり、一方 では分配器開口がその制御機能を行い、他方ではプランジャが周方向で1つのカ ム軌道に沿って運動せしめられるように、回転駆動せしめられる。このような構 造は、一般に公知であることを前提としているので、 ここでは図示していない。図面にはカム軌道2の一部が示されており、このカム 軌道2は、カムリング3の内側に配置されていて、このカム軌道2に沿ってプラ ンジャが追従する。カムリング3は、プランジャのカム駆動装置の、ほぼ停止し ている部分を成している。これに対して、プランジャを移動させる装置(駆動軸 に連結されている、例えばローラシャフトをガイドするリング又は分配器であっ てよい)は、カム駆動装置の可動な部分を成している。カムリングは、その外周 部が、燃料噴射ポンプのケーシング6内の円筒形の切欠5内に支承されていて、 燃料噴射ポンプの駆動軸に対して垂直な平面内で回転せしめられる。カムリング が回転調節されることによって、分配器の駆動運動に関連して、プランジャのそ れぞれのフィードストローク開始時点が変えられる。カムリング3は回転のため に、半径方向外方に突き出る一体的なピン7の形状のカップリング部分を有して おり、このピン7は噴射調節ピストン10の凹部9内に突入している。 噴射調節ピストンは、シリンダ11内で気密に摺動可能であって、その一方の 端面側12がシリンダ11の閉鎖した端部と共に作業室14を形成していて、他 方の端面側が、同様に閉鎖されたシリンダ11内でばね室15を形成している。 このばね室15内に戻しばね16が配置されており、この戻しばね16は、一方 ではシリンダを閉鎖する閉鎖部分17で支えられてい て、他方では、噴射調節ピストン10の端面側19で支えられており、これによ って噴射調節ピストンの一方の端面側12を、この端面側12に向き合ってシリ ンダ11を閉鎖する壁部20に当接させるか、又はこの壁部20に配置されたス トッパに当接させる。 噴射調節ピストン10内にはさらに、軸方向の袋孔の形状のシリンダ孔22が 設けられており、このシリンダ孔22は端面側19から延びている。このシリン ダ孔22内に挿入された制御スライダ24は、一方の端面25が袋孔の閉鎖した 端部と共に、圧力負荷軽減(放圧)を行う端部室を閉鎖し、この端部室内には圧 縮コイルばね27が緊張されている。この圧縮コイルばね27は、制御スライダ 24の端面25を負荷し、制御スライダ24の他方の端部をプッシュロッド28 に当接保持する。プッシュロッド28はばね受け29を有しており、このばね受 け29で制御ばね30が支えられていて、この制御ばね29は、他方では閉鎖部 分17で支えられている。プッシュロッドは、閉鎖部分17の孔31内でガイド されていて、シリンダ32内に突入しており、シリンダ32は閉鎖部分17内に 配置されている。ここで、プッシュロッドはピストン33に移行している。この ピストン33は、シリンダ内で気密にガイドされていて、ばね室側でプッシュロ ッドと協働して作業室34を形成しており、この作業室34には、孔35を介し て圧力媒体が供給される。 この圧力媒体は、制御圧に保たれており、この制御圧は、ほぼ回転数に依存して いるが、内燃機関のその他のパラメータ例えば負荷にも依存している。圧力は、 制御圧源(詳しく図示せず)内で公知の形式で準備される。作業室34内の圧力 が上昇すると、プッシュロッドはピストン33と一緒に制御ばね30のばね力に 抗して摺動せしめられる。この摺動運動に、圧力ばね27によって支持されて制 御スライダ24が追従する。 戻しばね16に対して同軸的で平行にばね室15内に配置された制御ばね30 は、漏れ量又は減少制御量としてばね室15から放圧室に供給される燃料によっ て貫流される。ばね室15は、シリンダ32内でピストン33に形成された室3 8にも、プッシュロッド28内の軸方向孔36を介して接続しており、この軸方 向孔36は、半径方向孔37を介してばね室15内にプッシュロッドのおける出 口を有している。 制御スライダ24は、密接して隣合って位置している3つの環状つばを有して おり、これらの環状つばのうちの1つの環状つば39は、ばね室側に位置してい てばね室側の制御縁部40を有している。この制御縁部40を介して、軸方向の 袋孔22から作業室14に通じる図示していない負荷軽減室(放圧室)41が、 制御スライダ24と噴射調節ピストン10との所定の相対調節において、ばね室 15に向かって開放せしめられる。この放圧室41は第2図に示されている。 作業室14の側に向かって、第1の環状つば39に第2の環状つば43続いて おり、この第2の環状つば43は、制御スライダをガイドするために使用される と同時に、圧力軽減(放圧)衝撃を減少させるために使用される。この環状つば 43には、さらに第3の環状つば45が続いており、この第3の環状つば45は 、作業室14の側に向かって制御縁部46を有しており、この制御縁部46を介 して、軸方向の袋孔から延びる充填通路48(逆止弁49を介して作業室14内 に開口している)が制御される。この制御縁部が、充填通路48の出口50と、 作業室14側に向かって制御縁部に接続する環状溝51との間の接続を形成する と、これによって、この環状溝から燃料が制御圧(同時に操作圧でもある)下で 、充填通路を介して作業室14にガイドされる。環状溝は常に流入通路53を介 して、噴射調節ピストンの外周面に設けられた切欠54に接続されている。噴射 調節ピストンの母線に沿って、長手方向溝として構成された切欠54が、圧力媒 体流入口55に常に接続されており、この圧力媒体流入口55は、有利な形式で 、作業室34にも供給する制御圧源から延びている。シリンダ11内の圧力媒体 流入口55の開口部に対する、前記長手方向溝の対応配置は、噴射調節ピストン 10とカムリングのピン7との連結によって保証される。第2図には、この長手 方向溝54の位置が示されている。この長手方向溝54は、第 1図では概略的に破線で示されているだけである。 この噴射調節ピストン10を有する噴射開始時点調節装置は、制御圧が高めら れるとピストン33が制御ばね30に抗して右方向に摺動せしめられ、従って制 御スライダ24も右方向に移動する。第1図に示した位置から始まって、制御縁 部46を備えた制御スライダは、充填通路48と環状溝51若しくは圧力媒体入 口55との間の接続部を開放する。すると、付加的な圧力媒体が、逆止弁49を 介して作業室14内に流入し、これによって、噴射調節ピストン10が戻しばね 16のばね力に抗して、充填通路48の開口(出口)50が制御縁部46によっ て再び閉鎖されるまで、右方向に摺動せしめられる。その間に位置する領域内で 、噴射調節ピストン10は、作業室14と圧力媒体流入口55との間若しくはば ね室15とと放圧室との間の接続が形成されることなしに、再びさらに右方向に 摺動せしめられる。開口15は、むしろ、第2の環状つばに達した時にさらにシ ールされ、次いで作業室34内の圧力低下に基づいて制御スライダが左方向に移 動せしめられると、図示していない放圧通路が開放せしめられる。ばね室15と 、軸方向の袋孔の終端室とは、導管56を介して互いに接続されているので、制 御スライダは両側で液圧式に圧力補償せしめられる。 噴射調節ピストンの外周面に設けられた凹部9は、横断面がそれぞれ円形であ るので、ピン7はこの凹部 内で圧力室57を形成している。この圧力室は、短い孔58を介して常に環状溝 51に接続していて、制御圧にさらされている。 ピン7が凹部内に侵入する侵入口の領域で、ケーシング6は、燃料噴射ポンプ の内室4をシリンダ11に接続する切欠60を有している。この切欠60は、ピ ン7は噴射調節ピストン10の調節運動に障害なしに追従することができるよう な切欠である。この領域内で、噴射調節ピストン10の外周面は、燃料ポンプの 低い内室圧にされされる。この内室圧は、噴射調節ピストンを著しく大きく半径 方向で負荷しない程度の、負荷軽減圧の大きさである。 噴射調節ピストンが、このピストンに力が強く働く場合に、噴射ポンプのケー シング6が例えばアルミニウムダイキャストより成っていることを考慮して、で きるだけ摩耗しないようにガイドされるようにするために、シリンダとしてシリ ンダスリーブ61が設けられており、このシリンダスリーブ61は、高張力の鋼 より成っていて、ケーシングの対応する円筒形の孔内に挿入若しくは押し込まれ ている。噴射調節ピストン自体は同様に高品質(hochwertig)の鋼より成っていて 、この高品質の鋼は、このために、耐摩耗性を高めるために相応の表面熱処理を 有することができる。さらに、特に作業室14の側で噴射調節ピストンを密接ガ イドするために、噴射調節ピストン10の外周面に環状溝 63が形成されており、この環状溝63内に、金属製のピストンリング64が入 れられていて、このピストンリングは高度のシールを保証する。 噴射調節ピストン10及びピストン33は、プッシュロッド28及びばね16 ,30と共に、所定の構造スペースを必要とする。この場合に、噴射調節ピスト ン10の外側に位置する、プッシュロッド28とピストン33とから成る調整ピ ストンは、噴射調節部材の別の構成と比較して付加的なスペースを必要とする。 この理由により、噴射調節ピストンは、ばね室15の側ではより短く保持されて おり、これによって噴射調節部材の所定の構成寸法を維持することができる。従 って、制御スライダは、スペース節約の理由により特に、カムリング3がピン7 を介して噴射調節ピストン10に連結されている領域にも亙って延びている。こ れは、ピン7が噴射調節ピストンに偏心的に係合することを条件とし、作業室1 4内の圧力とカムリングによって伝達される戻し力とによって生ぜしめられる、 軸方向に働く長手方向力の負荷を受けて、噴射調節ピストン10に作用するピン 7の作用点と噴射調節ピストン10の軸との間にてこ腕が形成され、このてこ腕 は、前記力と協働して、噴射調節ピストンに傾倒モーメントを加える。この傾倒 モーメントに対して、載設力による保持モーメントを対抗させる必要がある。し かも、噴射調節ピストンは、図面で下に位置するか若 しくは第2図に関連してほぼ下に位置する圧力フィールドによって負荷されてい る。これは、図面では点状に示されている載設力FA及びFBを高める。第1の 圧力フィールドとして長手方向溝54から延びる圧力フィールドは、第2図では 圧力フィールド66として概略的に示されている。傾倒モーメントに起因する載 設力と協働して、噴射調節ピストン10とシリンダ11との間のカムリングの側 にかかる面圧は高くなる。この高くなった力は、材料接続(Materialpaarung)の 粗さ及び材料特性と結びついて、構成部の故障を招く原因となる。 圧力室57内に制御圧が導入されることによって、第1の圧力フィールド及び 傾倒力に一部が抗して作用する第2の圧力フィールドが得られる。このような形 式で、噴射調節ピストンの半径方向負荷は、噴射調節ピストンの構造を大きく変 えることなしに、著しく減少することができる。ピン7が圧力室57を比較的密 に閉鎖するように配慮するだけでよい。この場合、ピンはその端面側が、カムリ ング3の支承部と協働して支持面として働く噴射調節ピストン10の長手方向運 動に基づいて、ピン7と凹部9との間の接続は、噴射調節ピストン10に対する 、ピンの小さい旋回運動も行うことができるように構成されている。ピンは、有 利には、噴射調節ピストン10との結合箇所が球状に構成されている。ここでも 摩耗を低く維持するために、 互いに接触し合う部分は焼き入れされている。特に噴射調節ピストン10も、摩 耗の理由により、はだ焼き(einsatzhaerten)されている。 切欠57の領域内に生ぜしめられた圧力フィールドの代わりに、第2の圧力フ ィールドを対抗力によって生ぜしめてもよい。この対抗力は、第2図に示されて いるように、ピン7と切欠57との間に緊定された圧縮コイルばね76によって 生ぜしめられる。 第1図に対する変化実施例としての、第3図に示した実施例によれば、圧力室 57内に生ぜしめられる第2の圧力フィールドは、噴射調節ピストンの外周面に 形成された、付加的な長手方向溝67の形状で生ぜしめられる。ピストン及びそ の駆動部は、第3図に示されているように、第1図に示した実施例とほぼ同様に 構成されている。従って、それに関しては、第1図に関する説明を参照すればよ い。第3図に示した断面図は、第4図のIII−III線に沿った断面図でもある。第 4図によれば、付加的な長手方向溝67は、長手方向溝54に対してほぼ直径方 向で向き合っている。環状溝51と前記付加的な長手方向溝67との間の接続は 、接続導管68を介して行われる。この場合、付加的な長手方向溝67に形成さ れた第2の圧力フィールドは、長手方向溝54で形成された圧力フィールドと同 じである。これによって、この圧力フィールドから形成された力は上昇するので 、噴射調節ピストン10の半径 方向負荷は著しく低下せしめられる。 この圧力フィールドが、所望の圧力補償を正確に調節するために、明確に設計 されていれば、有利である。このために、凹部9とは反対側に形成された長手方 向溝67及び54に対して小さい間隔を保ってしかも平行に、それぞれ1つの付 加的な溝71,72が設けられており、これらの溝71,72は、長手方向溝6 7,54よりも長く構成されていて、一端部がこれらの長手方向溝67,54を 越えてばね室15内に開口している。これによって、圧力フィールドはそれぞれ 、付加的な溝の側で、ばね室に向かって負荷軽減されていて、ひいては周方向で 制限される。 第5図には、さらに、不都合な半径方向力から噴射調節ピストン10を負荷軽 減するための第3実施例が示されている。この実施例も、第1の圧力フィールド とは反対側に向けられた第2の圧力フィールドの準備位置に基づいているが、こ の場合、第2の圧力フィールドは、噴射調節ピストン10において生じるできる だけすべてのモーメントを検出するために、2つの圧力フィールドに分割されて いる。ここでも、噴射調節ピストンは、第1図及び第3図に示した実施例におけ るのと同様の形式で構成された制御スライダを備えているので、それに関する説 明は省略する。第1図に示した実施例のものとは異なり、シリンダスリーブ61 と燃料噴射ポンプの隣接するケーシング6との間には、 第1の接続通路69と第2の接続通路70とが設けられており、これらの接続通 路は、圧力媒体流入口55から出発して、まずシリンダスリーブ61の母線に対 して平行に延びていて、次いでそれぞれ半円溝72若しくは73に移行している 。これらの半円溝は、シリンダスリーブ61の外周部の、圧力媒体流入口55の 入口に対して直径方向で向き合ってシリンダ11に位置している箇所に通じてい る。ここで、シリンダスリーブはそれぞれ1つの第1の貫通部75と第2の貫通 部74とを有しており、これらの貫通部を介して接続通路69若しくは70は、 シリンダ11と噴射調節ピストンの外周面との間の領域内で、シリンダ11の内 部に通じる接続部を有している。この領域内に第2の圧力フィールドが形成され る。この圧力フィールドは、図面ではFDAとして記されている。この圧力フィー ルドFDAは、ピン7の母線に対して左右対称に延びていて、これによって噴射調 節ピストン10において一様に力を補償するように作用する。この圧力フィール ドFDAは、圧力媒体流入口55の領域内での第1の圧力フィールドの負荷によっ て生ぜしめられる載設力FA及びFBに抗して作用する。しかも、圧力フィール ドFDAは、傾倒モーメントによって調節ピストンに加えられる傾倒力の少なくと も1つの分力にも抗して働く。長手方向溝54にほぼ向き合って位置する第2の 圧力フィールドによって、大きな費用をかける ことなしに、非常に良好な力の補償、良好な潤滑及びひいては、噴射調節ピスト ン10の耐用年数及び負荷を著しく高めることができる。 第6図には、接続通路の通路構造の変化実施例が示されている。この接続通路 は、第1の接続通路69′及び第2の接続通路70′としてつる巻線状に、圧力 媒体流入口55から延びている。接続通路を溝として構成すれば有利である。こ の溝は、入口及び貫通部75,74を除いて、押し込まれたシリンダスリーブに よって閉鎖されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス クルダー ドイツ連邦共和国 シュタインハイム カ ール−ジークリスト−シュトラーセ 7 (72)発明者 アンドレアス シュテア ドイツ連邦共和国 72622 ニュルティン ゲン カール−フリートリヒ−ルンプ−シ ュトラーセ(番地なし) (72)発明者 ヴァルター フクス ドイツ連邦共和国 70469 シュツツトガ ルト ベルタシュトラーセ 51 (72)発明者 ベルント ベルクヘーネル ドイツ連邦共和国 75428 イリンゲン コペルニクスシュトラーセ 2/2 (72)発明者 ディーター ライツ ドイツ連邦共和国 64367 ミュールター ル ハイデヴェーク 3 (72)発明者 ヴォルフガング フェールマン ドイツ連邦共和国 70563 シュツツトガ ルト イム シュタイネンガルテン 25

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.噴射開始時点調節のための噴射調節ピストン(10)を備えた燃料噴射ポ ンプであって、噴射調節ピストン(10)が、カップリング部分(7)を介して 、1つのカム支持体部分と、カム支持体部分のカムに追従する少なくとも1つの プランジャ駆動装置とから成る、燃料噴射ポンプのカム駆動装置の調節可能な部 分(3)に連結されており、また前記噴射調節ピストン(10)が、シリンダ( 11)内で作業室(14)を制限していて、該作業室(14)が、制御可能な圧 力媒体によって負荷され、この圧力媒体によって、噴射調節ピストン(10)が 戻し力(16)に抗して調節可能となっており、 噴射調節ピストン(10)の軸線に対して同軸的な、噴射調節ピストン(10 )のシリンダ孔(22)内に配置された、噴射調節ピストン(10)の軸方向で 摺動可能な制御スライダ(24)が設けられており、該制御スライダ(24)が 、制御圧によって制御ばね(30)のばね力に抗して調節可能であって、シリン ダ孔(22)内で制御縁(40,41)によって、作業室(14)と、圧力媒体 源からの圧力媒体の流入部(48,50,53,55)との間の接続、又は圧力 媒体から放圧室(41)への流出部との間の接続を制御し、この際に、カップリ ング部分(7)がカム駆動装 置から噴射調節ピストンに突入する箇所で、シリンダ(11)は、その中央の領 域がポンプ内室(4)に接続されていて、このポンプ内室(4)内にカム駆動装 置が配置されている形式のものにおいて、 噴射調節ピストン(10)がその外周面に一方側で凹部(9)を有していて、 該凹部(9)内にカップリング部分(7)が係合し、噴射調節ピストン(10) の外周面とシリンダ(11)の壁部との間に少なくとも1つの切欠(54)が設 けられており、該切欠(54)に、圧力媒体源から延びてシリンダ内に開口する ライン(55)が常に接続されており、第1の圧力フィールド(66)が、噴射 調節ピストン(10)の外周面とシリンダ(11)の壁部との間に形成され、切 欠のほぼ直径方向で向き合って位置する、シリンダの箇所で少なくとも1つの第 2の圧力フィールドが形成され、この第2の圧力フィールドは、第1の圧力フィ ールド(66)及び、カム駆動装置によって形成される力によって生ぜしめられ る、噴射調節ピストンにおける傾倒力に抗して働くことを特徴とする、噴射開始 時点調節のための噴射調節ピストンを備えた燃料噴射ポンプ。 2.少なくとも1つの第2の圧力フィールドが、凹部とカップリング部分との 間に緊定された圧力フィールドによって生ぜしめられる、請求項1記載の燃料噴 射ポンプ。 3.少なくとも1つの第2の圧力フィールドが、箇所(57,67,75,7 4)が接続通路を介して切欠(54)に接続されていることによって、生ぜしめ られる、請求項1記載の燃料噴射ポンプ。 4.カップリング部分(7)が、凹部(9)内で圧力室(57)を形成してお り、該圧力室(57)が、ほぼ切欠(54)に向き合う箇所として常に切欠(5 4)に接続されていて、該圧力室(57)内で少なくとも1つの第2の圧力フィ ールドが生ぜしめられる(第1図)、請求項3記載の燃料噴射ポンプ。 5.切欠(54)と圧力室(57)とが、それぞれ1つの圧力通路(53,5 8)によって常に、制御スライダ(24)に設けられた環状溝(51)に接続さ れている(第1図)、請求項4記載の燃料噴射ポンプ。 6.噴射調節ピストン(10)の外周面とシリンダの壁部との間に付加的な切 欠(67)が設けられており、該切欠(67)の領域内に、ほぼ切欠(54)に 向き合う箇所としての第2の圧力フィールドが形成されている(第2図)、請求 項3記載の燃料噴射ポンプ。 7.切欠(54)と付加的な切欠(67)とが、それぞれ1つの圧力通路(5 3,68)によって常に、制御スライダ(24)に設けられた環状溝(51)に 接続されている、請求項6記載の燃料噴射ポンプ。 8.切欠が長手方向溝(54)として構成されている、請求項3から7までの いずれか1項記載の燃料噴 射ポンプ。 9.付加的な切欠が長手方向溝(67)として構成されている、請求項6記載 の燃料噴射ポンプ。 10.切欠及び付加的な切欠に対して、それぞれ1つの、各切欠に対して平行な 溝(71,72)が設けられており、これらの溝(71,72)が、切欠(54 ,67)をその長手方向で越えて延びていて、一方の端部が負荷軽減室(15) 内に開口している、請求項8又は9記載の燃料噴射ポンプ。 11.切欠(54)から2つの接続通路(69,70)が、噴射調節ピストン( 10)外周面とシリンダ(11)の壁部との間の領域内のそれぞれ1つの出口( 73,74)に通じており、これらの接続通路(69,70)が、カップリング 部分(7)の両側に配置されていて、切欠にほぼ向き合う箇所として、共通の半 径方向平面内に切欠(54)とほぼ一緒に位置している(第5図)、請求項3記 載の燃料噴射ポンプ。 12.噴射調節ピストン(10)が、凹部(9)の領域内の、耐摩耗性の材料よ り成る開放するシリンダスリーブ(61)内でガイドされ、該シリンダスリーブ (61)が、耐摩耗性の程度がより小さい材料より成る、燃料噴射ポンプのケー シング(6)内に挿入されている、請求項1から11請求項記載の燃料噴射ポン プ。 13.噴射調節ピストン(10)が、凹部(9)の領 域内で開放する、耐摩耗性の材料より成るシリンダスリーブ(61)内でガイド されており、該シリンダスリーブ(61)が、耐摩耗性の程度がより小さい材料 より成る、燃料噴射ポンプのケーシング(6)内に挿入されていて、接続通路( 69,70,71,72)が、シリンダスリーブ(61)によって閉鎖され、ケ ーシングの壁部内に形成された溝として構成されており、これらの溝の端部で、 シリンダスリーブ(61)が、接続通路の出口を形成するそれぞれ1つの貫通開 口(75,74)を有している、請求項11記載の燃料噴射ポンプ。 14.接続通路(69,70)が、切欠(54)からこの切欠の出口(75,7 4)につる巻線状に延びている、請求項11又は13記載の燃料噴射ポンプ。 15.噴射調節ピストン(10)が環状溝(63)を有しており、該環状溝(6 3)内に、シリンダスリーブ(61)の内周面に弾性的に取り付けられた金属製 のシールリング(64)が挿入されている、請求項12又は13記載の燃料噴射 ポンプ。 16.噴射調節ピストン(10)内に第1の通路(48)及び第2の通路(56 )が設けられており、これらの通路が、それぞれ作業室(14)をシリンダ孔( 22)に接続し、この場合、前記通路の開口部が、制御ピストン(24)の2つ の制御縁(40,46)のうちの1つによって制御され、噴射調節ピストン(1 0)が、噴射著節ピストンの外側に位置する、制御圧によって調節可能調節ピス トン(33,28)によって操作される、請求項1から15までのいずれか1項 記載の燃料噴射ポンプ。 17.制御スライダ(24)が、噴射調節ピストン(10)の外側及び、この噴 射調節ピストンに対して同軸的に配置された、制御ばねが働く調節ピストンによ って操作され、噴射調節ピストン(10)内の凹部(9)が、噴射調節ピストン (10)の長手方向の一部内に位置していて、この長手方向の一部には制御スラ イダも配置されている、請求項1から16までのいずれか1項記載の燃料噴射ポ ンプ。
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