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JP2000333043A - 情報処理装置およびその方法 - Google Patents

情報処理装置およびその方法

Info

Publication number
JP2000333043A
JP2000333043A JP13922599A JP13922599A JP2000333043A JP 2000333043 A JP2000333043 A JP 2000333043A JP 13922599 A JP13922599 A JP 13922599A JP 13922599 A JP13922599 A JP 13922599A JP 2000333043 A JP2000333043 A JP 2000333043A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
mheg
information
scene
file
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13922599A
Other languages
English (en)
Inventor
Naohisa Kitazato
直久 北里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP13922599A priority Critical patent/JP2000333043A/ja
Publication of JP2000333043A publication Critical patent/JP2000333043A/ja
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  • Studio Circuits (AREA)
  • Television Systems (AREA)
  • Studio Devices (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンテンツの送出時間を考慮したコンテンツ
制作を効率よく行い、サービスの運用も安全とする。 【解決手段】 ユーザーインターフェイス部354にお
いて、必要な部品のファイルを読み込み、復号した後、
配置した部品を表示する。シーン編集が完了すると、M
HEGスクリプトが生成され、シーン内の部品に対応す
るメディアデータをスクリプトと一体化してシーン単位
のモジュールファイルが形成される。インターフェイス
部354において送出スケジュールを設定し、コンテン
ツ関連情報を入力し、送出優先度を入力することによっ
て、附帯情報ファイルが生成される。ファイル圧縮結合
部359において、シーン単位のモジュールファイル群
と附帯情報ファイルがまとめて圧縮結合され、コンテン
ツファイル360が形成される。コンテンツファイル3
60を送出装置に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、いわゆるオーサ
リングツールなどといわれ、例えば、MHEGコンテン
ツなど、映像情報とともに放送される放送用コンテンツ
を作成するための情報処理装置およびその方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル衛星放送の普及が進ん
でいる。ディジタル衛星放送は、例えば既存のアナログ
放送と比較してノイズやフェージングに強く、高品質の
信号を伝送することが可能である。また、周波数利用効
率が向上され、多チャンネル化も図ることが可能にな
る。具体的には、ディジタル衛星放送であれば1つの衛
星で数百チャンネルを確保することも可能である。この
ようなディジタル衛星放送では、スポーツ、映画、音
楽、ニュースなどの専門チャンネルが多数用意されてお
り、これらの専門チャンネルでは、それぞれの専門のコ
ンテンツに応じたプログラムが放送されている。
【0003】このようなディジタル衛星放送システムを
利用して、ユーザが楽曲等の音声データをダウンロード
できるようにしたり、いわゆるテレビショッピングとし
て、例えばユーザが放送画面を見ながら何らかの商品に
ついての購買契約を結べるようにしたりすることが提案
されている。すなわち、ディジタル衛星放送システムと
して、通常の放送内容と並行したデータサービス放送を
行うものである。
【0004】一例として、楽曲データのダウンロードで
あれば、放送側においては、放送番組(映像情報)と同
期させるようにして、楽曲データを多重化して放送する
ようにする。また、この楽曲データのダウンロードに際
しては、GUI(Graphical User Interface)画面(すな
わち、ダウンロード用の操作画面である)を表示させる
ことでインタラクティブな操作をユーザに行わせるよう
にされる。このGUI画面出力のためのデータも多重化
して放送するようにされる。
【0005】受信装置を所有しているユーザ側では、所
望のチャンネルを選局している状態で、受信装置に対す
る所定の操作によって楽曲データをダウンロードするた
めのGUI画面を表示出力させるようにする。そして、
この表示された操作画面に対してユーザが操作を行うこ
とで、例えば受信装置に接続したディジタルオーディオ
機器に対してデータを供給し、これが録音されるように
するものである。
【0006】楽曲データをダウンロードするためのGU
I画面としては、例えばGUI画面を形成するパーツ的
な画像データ、テキストデータなどの情報に加え、更に
は所定操作に応じた音声出力のための音声データなどの
単位データ(ファイル)をそれぞれオブジェクトとして
扱い、このオブジェクトの出力態様を所定方式によるス
クリプトの記述によって制御することによって、操作画
面についての所要の表示形態および音声等の出力態様を
実現するように構成することが考えられる。つまり、い
わゆるマルチメディアコンテンツを放送することによっ
て上述のようなGUI画面を実現するものである。
【0007】ここでは、GUI画面のように、記述情報
によって規定されることで、或る目的に従った機能を実
現する表示画面(ここでは音声等の出力も含む)のこと
を「シーン」というものとする。また、「オブジェク
ト」とは、記述情報に基づいてその出力態様が規定され
る画像、音声、テキスト等の単位情報をいうものとされ
る。また、伝送時においては、記述情報自体のデータフ
ァイルも「オブジェクト」の1つとして扱われるものと
する。
【0008】例えば、このようなGUI画面の放送用コ
ンテンツを記述するための規格としては、MHEG(Mul
timedia Hypermedia Information Coding Experts Grou
p)方式を採用することが考えられる。MHEGの規格に
あっては、例えば1つのMHEGコンテンツ(MHEG
アプリケーションファイル)は、1以上のシーンにより
形成され、これらの例えば放送映像との同期出力やシー
ン間のトランジションが規定されるようにスクリプトの
記述が行われている。また、1シーンとしては1以上の
オブジェクトが所定の表示形態によって表示されるよう
に、スクリプトの記述により制御されている。つまり、
MHEGコンテンツは、シーン、オブジェクから成る階
層構造を有しているものとみることができる。
【0009】放送側においては、MHEGコンテンツを
放送内容に応じて作成することになる。このようなMH
EGコンテンツの作成は、例えばパーソナルコンピュー
タ装置上で、いわゆるスクリプト作成ツールやオーサリ
ングツールとしてのアプリケーションソフトウェア(以
降、まとめてMHEGオーサリングツールという)を起
動させることで行うようにされる。
【0010】上述したMHEGオーサリングツールにあ
っては、例えばシーン単位での編集を行う場合、シーン
に対して表示すべきオブジェクトを選択して、これらの
オブジェクトがシーンとして所望の表示形態によって表
示されるようにシナリオ(スクリプト)の記述を編集者
が行うようになされる。或いは、オーサリングツールと
してのGUI画面に対する操作を行ってシーンを作成し
た結果、最終的にはこの編集結果がスクリプトとして記
述される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】MHEGオーサリング
ツールの機能としては、編集者が行うであろうと想定さ
れる作業に対応して、できるだけ編集者にとって使い勝
手の良いものとされることが好ましい。従来、MHEG
オーサリングツールとしては、CD−ROMなどのスト
レージメディアおよびインターネット等の通信メディア
に用いられるものがほとんどであり、上述のようなディ
ジタル放送というメディアの特質に対応したものは存在
していなかった。
【0012】また、制作者はMHEGコンテンツを制作
するのみでなく、どのデータをどの時刻に送出するかに
ついても制作意図に関係するので、送出装置の入力を自
分で行うか、若しくは送出装置の入力担当者に正しく伝
える必要があり、作業の効率とオンエアの安全性に関し
て問題があった。
【0013】従って、この発明の目的は、送出時間につ
いて考慮しながらMHEGコンテンツを制作することが
可能な情報処理装置およびその方法を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明は、デジタル放送のデータ放送
用コンテンツを作成するための情報処理装置において、
作成されたコンテンツデータに付随する附帯情報を入力
する入力手段と、入力された附帯情報をコンテンツデー
タと共に記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された附
帯情報とコンテンツデータを読み出して外部の送出装置
に出力する出力手段とを備えるものである。
【0015】上述した構成によれば、データ送出装置の
作業者はコンテンツの内容を知る必要はなく、またコン
テンツの送出時間などの附帯情報を知る必要はない。こ
れらの情報は全てオーサリング装置で、制作意図を理解
している制作者により設定されているので、制作者の意
図が反映でき、また、サービスの運用方法としても安全
となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態につ
いて説明する。この一実施形態は、ディジタル衛星放送
を利用して番組を放送すると共に、受信装置側ではこの
番組に関連した楽曲データ(音声データ)等の情報をダ
ウンロードできるようにしたシステムに対応できるもの
である。つまり、ディジタル衛星放送等の放送メディア
を利用した番組(映像情報)に同期可能な形態で付随さ
せるダウンロード操作画面などのためのGUIデータを
放送(インタラクティブ放送)を行うシステムである。
この放送システムにおいて、放送側が使用する、GUI
データとしてのコンテンツを作成するためのオーサリン
グシステムがこの発明の情報処理装置に該当する。ま
た、オーサリングシステムとしては、MHEGコンテン
ツ(MHEGアプリケーション)を作成するためのシス
テムであるものとする。以下、次の順序で説明する。
【0017】1.ディジタル衛星放送システム 1−1.全体構成 1−2.GUI画面に対する操作 1−3.地上局 1−4.送信フォーマット 1−5.IRD 2.オーサリングシステム 2−1.MHEGコンテンツの構造 2−2.MHEGオーサリングシステムの構成 2−3.MHEGオーサリングシステムの情報量の監視
機能 1.ディジタル衛星放送システムの構成 1−1.全体構成 先ず、一実施形態のMHEGオーサリングシステムの説
明を行うのに先立ち、このMHEGオーサリングシステ
ムにより作成されたMHEGコンテンツが使用されるデ
ィジタル衛星放送システムについて説明しておく。
【0018】図1は、一実施形態のディジタル衛星放送
システムの全体構成を示すものである。この図に示すよ
うに、ディジタル衛星放送の地上局1には、テレビ番組
素材サーバ6からのテレビ番組放送のための素材と、楽
曲素材サーバ7からの楽曲データの素材と、音声付加情
報サーバ8からの音声付加情報と、GUIデータサーバ
からのGUIデータとが送られる。テレビ番組素材サー
バ6は、通常の放送番組の素材を提供するサーバであ
る。このテレビ番組素材サーバから送られてくる音楽放
送の素材は、動画および音声とされる。例えば、音楽放
送番組であれば、テレビ番組素材サーバ6の動画および
音声の素材を利用して、例えば新曲のプロモーション用
の動画および音声が放送される。
【0019】楽曲素材サーバ7は、オーディオチャンネ
ルを使用して、オーディオ番組を提供するサーバであ
る。このオーディオ番組の素材が音声のみとなる。この
楽曲素材サーバ7は、複数のオーディオチャンネルのオ
ーディオ番組の素材を地上局1に伝送する。各オーディ
オチャンネルの番組放送ではそれぞれ同一の楽曲が所定
の単位時間繰り返して放送される。各オーディオチャン
ネルは、それぞれ独立しており、その利用方法としては
各種考えられる。例えば、1つのオーディオチャンネル
では最新の日本のポップスの数曲を或る一定時間繰り返
し放送し、他のオーディオチャンネルでは最新の外国の
ポップスの数曲を或る一定時間繰り返し放送するという
ようにされる。
【0020】音声付加情報サーバ8は、楽曲素材サーバ
7から出力される楽曲の時間情報等を提供するサーバで
ある。GUIデータサーバ9は、ユーザが操作に用いる
GUI画面を形成するための「GUIデータ(放送用コ
ンテンツのデータ)」を提供する。例えば後述するよう
な楽曲のダウンロードに関するGUI画面であれば、配
信される楽曲のリストページや各楽曲の情報ページを形
成するための画像データ、テキストデータ、アルバムジ
ャケットの静止画を形成するためのデータなどを提供す
る。更には、受信設備3側にていわゆるEPG(Electri
cal Program Guide)といわれる番組表表示を行うのに利
用されるEPGデータもここから提供される。
【0021】「GUIデータ」としては、例えばMHE
G(Multimedia Hypermedia Information Coding Expert
s Group)方式が採用される。MHEGとは、マルチメデ
ィア情報、手順、操作などのそれぞれと、その組み合わ
せをオブジェクトとして捉え、それらのオブジェクトを
符号化したうえで、タイトル(例えばGUI画面)とし
て制作するためのシナリオ記述の国際標準とされる。ま
た、一実施形態では、MHEG−5を採用するものとす
る。
【0022】地上局1は、テレビ番組素材サーバ6、楽
曲素材サーバ7、音声付加情報サーバ8、およびGUI
データサーバ9から伝送された情報を多重化して送信す
る。テレビ番組素材サーバ6から伝送されたビデオデー
タはMPEG(Moving Picture Experts Group)2方式に
より圧縮符号化され、オーディオデータはMPEG2オ
ーディオ方式により圧縮符号化される。また、楽曲素材
サーバ7から伝送されたオーディオデータは、オーディ
オチャンネルごとに対応して、例えばMPEG2オーデ
ィオ方式と、ATRAC(Adoptive Tranform Acoustic
Coding) 方式と何れか一方の方式により圧縮符号化され
る。また、これらのデータは多重化の際、キー情報サー
バ10からのキー情報を利用して暗号化される。地上局
1の内部構成例については後述する。
【0023】地上局1からの信号は衛星2を介して各家
庭の受信設備3で受信される。衛星2には複数のトラン
スポンダが搭載されている。1つのトランスポンダは例
えば30Mbpsの伝送能力を有している。各家庭の受
信設備3としては、パラボラアンテナ11とIRD(Int
egrated Receiver Decorder)12と、ストレージデバイ
ス13と、モニタ装置14とが用意される。また、IR
D12に対して操作を行うためのリモートコントローラ
64が示されている。
【0024】パラボラアンテナ11で衛星2を介して放
送されてきた信号が受信される。この受信信号がパラボ
ラアンテナ11に取り付けられたLNB(Low Noize Blo
ck Down Converter)15で所定の周波数に変換され、I
RD12に供給される。
【0025】IRD12における概略的な動作として
は、受信信号から所定のチャンネルの信号を選局し、そ
の選局された信号から番組としてのビデオデータおよび
オーディオデータの復調を行ってビデオ信号、オーディ
オ信号として出力する。また、IRD12では、番組と
してのデータと共に多重化されて送信されてくる、GU
Iデータに基づいてGUI画面としての出力も行う。こ
のようなIRD12の出力は、例えばモニタ装置14に
対して供給される。これにより、モニタ装置14では、
IRD12により受信選局した番組の画像表示および音
声出力が行われ、また、後述するようなユーザの操作に
従ってGUI画面を表示させることが可能となる。
【0026】ストレージデバイス13は、IRD12に
よりダウンロードされたオーディオデータ(楽曲デー
タ)を保存するためのものである。このストレージデバ
イス13の種類としては特に限定されるものではなく、
MD(Mini Disc) レコーダ/プレーヤ、DATレコーダ
/プレーヤ、DVDレコーダ/プレーヤ等を用いること
ができる。また、ストレージデバイス13としてパーソ
ナルコンピュータ装置を用い、ハードディスクのほか、
CD−R、フラッシュメモリ(メモリカード)等をはじ
めとする記録が可能なメディアにオーディオデータを保
存するようにすることも可能とされる。
【0027】また、受信設備3としては、図2に示すよ
うに、データ伝送規格としてIEEE1394に対応し
たデータインターフェイスを備えたMDレコーダ/プレ
ーヤ13Aを、図1に示すストレージデバイス13とし
て使用することができるようにされている。この図に示
すIEEE1394対応のMDレコーダ/プレーヤ13
Aは、IEEE1394バス16によりIRD12と接
続される。これによって、一実施形態では、IRD12
にて受信された、楽曲としてのオーディオデータ(ダウ
ンロードデータ)を、ATRAC方式により圧縮処理が
施されたままの状態で直接取り込んで記録することがで
きる。また、MDレコーダ/プレーヤ13AとIRD1
2とをIEEE1394バス16により接続した場合に
は、オーディオデータの他、そのアルバムのジャケット
データ(静止画データ)および歌詞などのテキストデー
タを記録することも可能とされている。
【0028】IRD12は、例えば電話回線4を介して
課金サーバ5と通信可能とされている。IRD12に
は、後述するようにして各種情報が記憶されるICカー
ドが挿入される。例えば楽曲のオーディオデータのダウ
ンロードが行われたとすると、これに関する履歴情報が
ICカードに記憶される。このICカードの情報は、電
話回線4を介して所定の機会、タイミングで課金サーバ
5に送られる。課金サーバ5は、この送られてきた履歴
情報に従って金額を設定して課金を行い、ユーザに請求
する。
【0029】上述したように、地上局1は、テレビ番組
素材サーバ6からの音楽番組放送の素材となるビデオデ
ータおよびオーディオデータと、楽曲素材サーバ7から
のオーディオチャンネルの素材となるオーディオデータ
と、音声付加情報サーバ8からの音声データと、GUI
データサーバ9からのGUIデータとを多重化して送信
している。
【0030】そして、各家庭の受信設備3でこの放送を
受信すると、例えばモニタ装置14により、選局したチ
ャンネルの番組を視聴することができる。また、番組の
データと共に送信されるGUIデータを利用したGUI
画面として、第1にはEPG(Electrical Program Gui
de;電子番組ガイド)画面を表示させ、番組の検索等を
行うことができる。また、第2には、例えば通常の番組
放送以外の特定のサービス用のGUI画面を利用して所
要の操作を行うことで、一実施形態では、放送システム
において提供されている通常番組の視聴以外のサービス
を享受することができる。例えば、オーディオ(楽曲)
データのダウンロードサービス用のGUI画面を表示さ
せて、このGUI画面を利用して操作を行えば、ユーザ
が希望した楽曲のオーディオデータをダウンロードして
ストレージデバイス13に記録して保存することが可能
になる。
【0031】なお、一実施形態では、上述したようなG
UI画面に対する操作を伴う、通常の番組放送以外の特
定のサービスを提供するデータサービス放送について
は、インタラクティブ性を有することもあり、「インタ
ラクティブ放送」と言うこともできる。
【0032】1−2.GUI画面に対する操作 上述しているインタラクティブ放送の利用例、つまり、
GUI画面に対する操作例について、図3および図4を
参照して概略的に説明しておく。ここでは、楽曲データ
(オーディオデータ)のダウンロードを行う場合につい
て述べる。
【0033】先ず、図3によりIRD12に対してユー
ザが操作を行うためのリモートコントローラ64の操作
キーについて、主要なものについて説明しておく。図3
には、リモートコントローラ64において各種キーが配
列された操作パネル面が示されている。これら各種キー
のうち、電源キー101、数字キー102、画面表示切
換キー103、インタラクティブ切換キー104、EP
Gキーパネル部105、チャンネルキー106について
説明する。
【0034】電源キー101は、IRD12の電源のオ
ン/オフを行うためのキーである。数字キー102は、
数字指定によりチャンネル切り換えを行ったり、例えば
GUI画面において数値入力操作が必要な場合に操作さ
れるキーである。画面表示切換キー103は、例えば通
常の放送画面とEPG画面との切り換えを行うキーであ
る。例えば、画面表示切換キー103によりEPG画面
を呼び出した状態の下で、EPGキーパネル部105に
配置されたキーを操作すれば、電子番組ガイドの表示画
面を利用した番組検索が行えることになる。また、EP
Gキーパネル部105内の矢印キー105aは、後述す
るサービス用のGUI画面におけるカーソル移動などに
も使用することができる。インタラクティブ切換キー1
04は、通常の放送画面と、その放送番組に付随したサ
ービスのためのGUI画面との切り換えを行うために設
けられる。チャンネルキー106は、IRD12におけ
る選局チャンネルをそのチャンネル番号の昇順、降順に
従って順次切り換えるために設けられるキーである。
【0035】リモートコントローラ64は、例えばモニ
タ装置14に対する各種操作も可能に構成されており、
これに対応した各種キーも設けられているものである
が、ここでは、モニタ装置14に対応するキー等につい
ての説明は省略する。
【0036】次に、図4を参照してGUI画面に対する
操作の具体例について説明する。受信設備3により放送
を受信して所望のチャンネルを選局すると、モニタ装置
14の表示画面には、図4Aに示すように、テレビ番組
素材サーバ6から提供された番組素材に基づく動画像が
表示される。つまり、通常の番組内容例えば音楽番組が
表示される。この音楽番組には、楽曲のオーディオデー
タのダウンロードサービス(インタラクティブ放送)が
付随している。この音楽番組が表示されている状態の下
で、例えばユーザがリモートコントローラ64のインタ
ラクティブ切換キー104を操作したとすると、表示画
面は図4Bに示すような、オーディオデータのダウンロ
ードのためのGUI画面に切り替わる。
【0037】このGUI画面においては、先ず、画面の
左上部のテレビ番組表示エリア21Aに対して、図4A
にて表示されていたテレビ番組素材サーバ6からのビデ
オデータによる画像が縮小化されて表示される。また、
画面の右上部には、オーディオチャンネルで放送されて
いる各チャンネルの楽曲のリスト21Bが表示される。
また、画面の左下にはテキスト表示エリア21Cとジャ
ケット表示エリア21Dが表示される。さらに、画面の
右側には歌詞表示ボタン22、プロフィール表示ボタン
23、情報表示ボタン24、予約録音ボタン25、予約
済一覧表示ボタン26、録音履歴表示ボタン27、およ
びダウンロードボタン28が表示される。
【0038】ユーザは、このリスト21Bに表示されて
いる楽曲名を見ながら、興味のある楽曲を探していく。
そして、興味のある楽曲を見つけたらリモートコントロ
ーラ64の矢印キー105a(EPGキーパネル部10
5内)を操作して、その楽曲が表示されている位置にカ
ーソルを合わせた後、エンター操作を行う(例えば矢印
キー105aのセンター位置を押圧操作する)。これに
よって、カーソルを合わせた楽曲を試聴することができ
る。すなわち、各オーディオチャンネルでは、所定の単
位時間中、同一の楽曲が繰り返し放送されているので、
テレビ番組表示エリア21Aの画面はそのままで、IR
D12により上述の操作により選択された楽曲のオーデ
ィオチャンネルに切り換えて音声出力することで、その
楽曲を聞くことができる。この時、ジャケット表示エリ
ア21Dにはその楽曲のMDジャケットの静止画像が表
示される。
【0039】また、例えば歌詞表示ボタン22にカーソ
ルを合わせ、エンター操作を行う(以下、ボタン表示に
カーソルを合わせ、エンター操作を行うことを「ボタン
を押す」という)と、テキスト表示エリア21Cに楽曲
の歌詞がオーディオデータと同期したタイミングで表示
される。同様に、プロフィール表示ボタン23あるいは
情報表示ボタン24を押すと、楽曲に対応するアーティ
ストのプロフィールあるいはコンサート情報などがテキ
スト表示エリア21Cに表示される。このように、ユー
ザは、現在どのような楽曲が配信されているのかを知る
ことができ、更に各楽曲についての詳細な情報を知るこ
とができる。
【0040】ユーザは試聴した楽曲を購入したい場合に
は、ダウンロードボタン28を押す。ダウンロードボタ
ン28が押されると、選択された楽曲のオーディオデー
タがダウンロードされ、ストレージデバイス13に記憶
される。楽曲のオーディオデータと共に、その歌詞デー
タ、アーティストのプロフィール情報、ジャケットの静
止画データ等をダウンロードすることもできる。そし
て、このように楽曲のオーディオデータがダウンロード
される毎に、その履歴情報がIRD12内のICカード
に記憶される。ICカードに記憶された情報は、例えば
1カ月に一度ずつ課金サーバ5により取り込みが行わ
れ、ユーザに対してデータサービスの使用履歴に応じた
課金が行われる。これによって、ダウンロードされる楽
曲の著作権を保護することができることにもなる。
【0041】ユーザが予めダウンロードの予約を行いた
い場合には、予約録音ボタン25を押す。このボタンを
押すと、GUI画面の表示が切り換わり、予約が可能な
楽曲のリストが画面全体に表示される。例えばこのリス
トは1時間単位、1週間単位、チャンル単位等で検索し
た楽曲を表示することが可能である。ユーザがこのリス
トの中からダウンロードの予約を行いたい楽曲を選択す
ると、その情報がIRD12内に登録される。そして、
すでにダウンロードの予約を行った楽曲を碓認したい場
合には、予約済一覧表示ボタン26を押すことにより、
画面全体に表示させることができる。このようにして予
約された楽曲は、予約時刻になるとIRD12によりダ
ウンロードされ、ストレージデバイス13に記憶され
る。ユーザがダウンロードを行った楽曲について確認し
たい場合には、録音履歴ボタン27を押すことにより、
既にダウンロードを行った楽曲のリストを画面全体に表
示させることができる。
【0042】この発明が適用されたシステムの受信設備
3では、モニタ装置14のGUI画面上に楽曲のリスト
が表示される。このGUI画面上の表示にしたがって楽
曲を選択するとその楽曲を試聴することができ、その楽
曲の歌詞やアーティストのプロフィール等を知ることが
できる。さらに、楽曲のダウンロードとその予約、ダウ
ンロードの履歴や予約済楽曲リストの表示等を行うこと
ができる。
【0043】詳しいことは後述するが、図4Bに示すよ
うなGUI画面の表示と、GUI画面に対するユーザの
操作に応答したGUI画面上での表示変更、および音声
出力は、前述したMHEG方式に基づいたシナリオ記述
により、オブジェクトの関係を規定することにより実現
される。オブジェクトとは、図4Bに示された各ボタン
に対応するパーツとしての画像データや各表示エリアに
表示される素材データとなる。そして、本明細書におい
ては、このGUI画面のような、シナリオ(スクリプ
ト)記述によってオブジェクト間の関係が規定されるこ
とで、或る目的に従った情報の出力態様(画像表示や音
声出力等)が実現される環境を「シーン」というものと
する。また、1シーンを形成するオブジェクトとして
は、シナリオ記述のファイル自体も含まれるものとす
る。
【0044】上述したように、この発明が適用されたデ
ィジタル衛星放送システムでは放送番組が配信されると
共に、複数のオーディオチャンネルを使用して楽曲のオ
ーディオデータが配信される。そして、配信されている
楽曲のリスト等を使用して所望の楽曲を探し、そのオー
ディオデータをストレージデバイス13に簡単に保存す
ることができる。
【0045】なお、ディジタル衛星放送システムにおけ
る番組提供以外のサービスとしては、楽曲データのダウ
ンロードの他にも各種考えられる。例えば、いわゆるテ
レビショッピングといわれる商品紹介番組を放送した上
で、GUI画面としては購買契約が結べるようなものを
用意することも考えられる。
【0046】1−3.地上局 これまで、ディジタル衛星放送システムの概要について
説明したが、以下、このシステムについてより詳細に説
明する。そこで、先ず、地上局1の構成について図5を
参照して説明する。
【0047】以下の説明にあたっては、次のことを前提
とする。すなわち、地上局1から衛星2を介しての受信
設備3への送信を行うのにあたり、DSM−CC( ディ
ジタル蓄積メディア・コマンド・アンド・コントロー
ル;Digital Strage Media-Command and Control) プロ
トコルを採用する。DSM−CC(MPEG−part
6)方式は、既に知られているように、例えば、何らか
のネットワークを介して、ディジタル蓄積メディア(D
SM)に蓄積されたMPEG符号化ビットストリームを
取り出し(Retrieve)たり、或いはDSMに対してストリ
ームを蓄積(Store) するためのコマンドや制御方式を規
定したものである。一実施形態においては、このDSM
−CC方式がディジタル衛星放送システムにおける伝送
規格として採用されている。DSM−CC方式によりデ
ータ放送サービス(例えばGUI画面など)のコンテン
ツ(オブジェクトの集合)を伝送するためには、コンテ
ンツの記述形式を定義しておく必要がある。この記述形
式の定義として先に述べたMHEGが採用されるもので
ある。
【0048】図5に示す地上局1の構成において、テレ
ビ番組素材登録システム31は、テレビ番組素材サーバ
6から得られた素材データをAVサーバ35に登録す
る。この素材データはテレビ番組送出システム39に送
られ、ここでビデオデータが例えばMPEG2方式で圧
縮され、オーディオデータは、例えばMPEG2オーデ
ィオ方式によりパケット化される。テレビ番組送出シス
テム39の出力はマルチプレクサ45に送られる。
【0049】また、楽曲素材登録システム32では、楽
曲素材サーバ7からの素材データ、つまりオーディオデ
ータを、MPEG2オーディオエンコーダ36A、およ
びATRACエンコーダ36Bに供給する。MPEG2
オーディオエンコーダ36A、ATRACエンコーダ3
6Bでは、それぞれ供給されたオーディオデータについ
てエンコード処理(圧縮符号化)を行った後、MPEG
オーディオサーバ40AおよびATRACオーディオサ
ーバ40Bに登録する。
【0050】MPEGオーディオサーバ40Aに登録さ
れたMPEGオーディオデータは、MPEGオーディオ
送出システム43Aに伝送されてここでパケット化され
た後、マルチプレクサ45に伝送される。ATRACオ
ーディオサーバ40Bに登録されたATRACデータ
は、ATRACオーディオ送出システム43Bに4倍速
ATRACデータとして送られ、ここでパケット化され
てマルチプレクサ45に送出される。
【0051】また、音声付加情報登録システム33で
は、音声付加情報サーバ8からの素材データである音声
付加情報を音声付加情報データベース37に登録する。
この音声付加情報データベース37に登録された音声付
加情報は、音声付加情報送出システム41に伝送され、
同様にして、ここでパケット化されてマルチプレクサ4
5に伝送される。
【0052】また、GUI用素材登録システム34で
は、GUIデータサーバ9からの素材データであるGU
Iデータを、GUI素材データベース38に登録する。
GUI素材データベース38に登録されたGUI素材デ
ータは、GUIオーサリングシステム42に伝送され、
ここで、GUI画面、すなわち、図4にて述べた「シー
ン」としての出力が可能なデータ形式となるように処理
が施される。GUIオーサリングシステム42に伝送さ
れてくるデータとしては、例えば、楽曲のダウンロード
のためのGUI画面であれば、アルバムジャケットの静
止画像データ、歌詞などのテキストデータ、更には、操
作に応じて出力されるべき音声データなどである。
【0053】これらのデータはいわゆるモノメディアと
いわれるが、GUIオーサリングシステム42では、M
HEGオーサリングツールを用いて、これらのモノメデ
ィアデータを符号化して、これをオブジェクトとして扱
うようにする。例えば図4Bにて説明したようなシーン
(GUI画面)の表示態様と操作に応じた画像音声の出
力態様が得られるように、オブジェクトの関係を規定し
たシナリオ記述ファイル(スクリプト)と共にMHEG
−5のコンテンツを作成する。
【0054】また、図4Bに示したようなGUI画面で
は、テレビ番組素材サーバ6の素材データを基とする画
像・音声データ(MPEGビデオデータ、MPEGオー
ディオデータ)と、楽曲素材サーバ7の楽曲素材データ
を基とするMPEGオーディオデータ等も、GUI画面
に表示され、操作に応じた出力態様が与えられる。従っ
て、シナリオ記述ファイルとしては、GUIオーサリン
グシステム42では、テレビ番組素材サーバ6の素材デ
ータを基とする画像・音声データ、楽曲素材サーバ7の
楽曲素材データを基とするMPEGオーディオデータ、
更には、音声付加情報サーバ8を基とする音声付加情報
も必要に応じてオブジェクトとして扱われて、MHEG
のスクリプトによる規定が行われる。
【0055】GUIオーサリングシステム42から伝送
されるMHEGコンテンツのデータとしては、スクリプ
トファイル、およびオブジェクトとしての各種静止画デ
ータファイルやテキストデータファイル(更には音声デ
ータファイル)などである。静止画データは、例えばJ
PEG(Joint Photograph Experts Group)方式で圧縮さ
れた640×480ピクセルのデータとされ、テキスト
データは例えば800文字以内のファイルとされる。
【0056】GUIオーサリングシステム42にて得ら
れたMHEGコンテンツのデータはDSM−CCエンコ
ーダ44に伝送される。DSM−CCエンコーダ44で
は、MPEG2フォーマットに従ったビデオ、オーディ
オデータのデータストリームに多重できる形式のトラン
スポートストリーム(以下TS(Transport Stream)とも
略す)に変換して、パケット化されてマルチプレクサ4
5に出力される。
【0057】マルチプレクサ45においては、テレビ番
組送出システム39からのビデオパケットおよびオーデ
ィオパケットと、MPEGオーディオ送出システム43
Aからのオーディオパケットと、ATRACオーディオ
送出システム43Bからの4倍速オーディオパケット
と、音声付加情報送出システム41からの音声付加情報
パケットと、GUIオーサリングシステム42からのG
UIデータパケットとが時間軸多重化されると共に、キ
ー情報サーバ10(図1)から出力されたキー情報に基
づいて暗号化される。マルチプレクサ45の出力は電波
送出システム46に伝送され、ここで例えば誤り訂正符
号の付加、変調、および周波数変換などの処理を施され
た後、アンテナから衛星2に向けて送信される。
【0058】1−4.送信フォーマット 次に、DSM−CC方式に基づいて規定された一実施形
態の送信フォーマットについて説明する。図6は、地上
局1から衛星2に送信出力される際のデータの一例を示
している。前述したように、この図に示す各データは実
際には時間軸多重化されているものである。また、この
図では、図6に示すように、時刻t1から時刻t2の間
が1つのイベントとされ、時刻t2から次のイベントと
される。イベントとは、例えば音楽番組のチャンネルで
あれば、複数楽曲のラインナップの組を変更する単位で
あり、時間的には30分或いは1時間程度となる。図6
に示すように、時刻t1から時刻t2のイベントでは、
通常の動画の番組放送で、所定の内容A1を有する番組
が放送されている。また、時刻t2から始めるイベント
では、内容A2としての番組が放送されている。この通
常の番組で放送されているのは動画と音声である。
【0059】MPEGオーディオチャンネル(1)〜
(10)は、例えば、チャンネルCH1からCH10の
10チャンネル分用意される。このとき、各オーディオ
チャンネルCH1,CH2,CH3・・・・CH10で
は、1つのイベントが放送されている間は同一楽曲が繰
り返し送信される。つまり、時刻t1〜t2のイベント
の期間においては、オーディオチャンネルCH1では楽
曲B1が繰り返し送信され、オーディオチャンネルCH
2では楽曲C1が繰り返し送信され、以下同様に、オー
ディオチャンネルCH10では楽曲K1が繰り返し送信
されることになる。これは、その下に示されている4倍
速ATRACオーディオチャンネル(1)〜(10)に
ついても共通である。
【0060】つまり、図6において、MPEGオーディ
オチャンネルと4倍速ATRACオーディオチャンネル
のチャンネル番号である( )内の数字が同じものは同
じ楽曲となる。また、音声付加情報のチャンネル番号で
ある( )内の数字は、同じチャンネル番号を有するオ
ーディオデータに付加されている音声付加情報である。
更に、GUIデータとして伝送される静止画データやテ
キストデータも各チャンネルごとに形成されるものであ
る。これらのデータは、図7A〜図7Dに示すようにM
PEG2のトランスポートパケット内で時分割多重され
て送信され、図7E〜図7Hに示すようにしてIRD1
2内では各データパケットのヘッダ情報を用いて再構築
される。
【0061】また、図6および図7に示した送信データ
のうち、少なくとも、データサービス(TV放送(また
はオーディオ放送)に同期したMHEGコンテンツの放
送、またはインタラクティブ放送)に利用されるGUI
データは、DSM−CC方式に則って論理的には次のよ
うにして形成されるものである。ここでは、DSM−C
Cエンコーダ44から出力されるトランスポートストリ
ームのデータに限定して説明する。
【0062】図8Aに示すように、DSM−CC方式に
よって伝送される一実施形態のデータ放送サービスは、
Service Gatewayという名称のルートデ
ィレクトリの中に全て含まれる。ServiceGat
ewayに含まれるオブジェクトとしては、ディレクト
リ(Directory),ファイル(File),ス
トリーム(Stream),ストリームイベント(St
ream Event)などの種類が存在する。
【0063】これらのうち、ファイルは静止画像、音
声、テキスト、更にはMHEGにより記述されたスクリ
プトなどの個々のデータファイルとされる。ストリーム
は例えば、他のデータサービスやAVストリーム(TV
番組素材としてのMPEGビデオデータ、オーディオデ
ータ、楽曲素材としてのMPEGオーディオデータ、A
TRACオーディオデータ等)にリンクする情報が含ま
れる。また、ストリームイベントは、同じくリンクの情
報と時刻情報が含まれる。ディレクトリは相互に関連す
るデータをまとめるフォルダである。そして、DSM−
CC方式では、図8Bに示すようにして、これらの単位
情報とService Gatewayをそれぞれオブ
ジェクトという単位と捉え、それぞれをBIOPメッセ
ージという形式に変換する。
【0064】なお、この発明に関わる説明では、ファイ
ル,ストリーム,ストリームイベントの3つのオブジェ
クトの区別は本質的なものではないので、以下の説明で
はこれらをファイルとしてのオブジェクトに代表させて
説明する。
【0065】そして、DSM−CC方式では、図8Cに
示すモジュールといわれるデータ単位を生成する。この
モジュールは、図8Bに示したBIOPメッセージ化さ
れたオブジェクトを1つ以上含むようにされたうえで、
BIOPヘッダが付加されて形成される可変長のデータ
単位であり、後述する受信側における受信データのバッ
ファリング単位となる。また、DSM−CC方式では、
1モジュールを複数のオブジェクトにより形成する場合
の、オブジェクト間の関係については特に規定、制限は
されていない。極端なことをいえば、全く関係の無いシ
ーン間における2以上のオブジェクトにより1モジュー
ルを形成したとしても、DSM−CC方式のもとでの規
定に何ら違反するものではない。
【0066】このモジュールは、MPEG2フォーマッ
トにより規定されるセクションといわれる形式で伝送す
るために、図8Dに示すように、「ブロック」といわれ
る原則固定長のデータ単位に分割される。但し、モジュ
ールにおける最後のブロックについては規定の固定長で
ある必要はないものとされている。このように、ブロッ
ク分割を行うのはMPEG2フォーマットにおいて、1
セクションが4KBを越えてはならないという規定があ
ることに起因する。この場合には、ブロックとしてのデ
ータ単位と、セクションとは同義なものとなる。このよ
うにしてモジュールを分割して得たブロックは、図8E
に示すようにしてヘッダが付加されてDDB(Download
Data Block) というメッセージの形式に変換される。
【0067】また、DDBへの変換と並行して、DSI
(Download Server Initiate)およびDII(Download In
dication Information) という制御メッセージが生成さ
れる。DSIおよびDIIは、受信側(IRD12)で
受信データからモジュールを取得する際に必要となる情
報であり、DSIは、主として、次に説明するカルーセ
ル(モジュール)の識別子、カルーセル全体に関連する
情報(カルーセルが1回転する時間、カルーセル回転の
タイムアウト値)等の情報を有する。また、データサー
ビスのルートディレクトリ(Service Gate
way)の所在を知るための情報も有する(オブジェク
トカルーセル方式の場合)。DIIは、カルーセルに含
まれるモジュールごとに対応する情報であり、モジュー
ルごとのサイズ、バージョン、そのモジュールのタイム
アウト値などの情報を有する。
【0068】そして、図8Fに示すように、DDB、D
SI、DIIの3種類のメッセージをセクションのデー
タ単位に対応させて周期的に、かつ、繰り返し送出する
ようにされる。これにより、受信機側では、目的のGU
I画面(シーン)を得るのに必要なオブジェクトが含ま
れているモジュールをいつでも受信できるようにされ
る。本明細書では、このような伝送方式を回転木馬に例
えて「カルーセル方式」といい、図8Fに示すようにし
て模式的に表されるデータ伝送形態をカルーセルという
ものとする。
【0069】1カルーセルに含まれるモジュールとして
は複数とされて構わない。例えば、1カルーセルにより
1つのデータサービスに必要な複数のモジュールを伝送
するようにしても良い。また、「カルーセル方式」とし
ては、「データカルーセル方式」のレベルと「オブジェ
クトカルーセル方式」のレベルとに分けられる。特にオ
ブジェクトカルーセル方式では、ファイル、ディレクト
リ、ストリーム、サービスゲートウェイなどの属性を持
つオブジェクトをデータとしてカルーセルを用いて転送
する方式で、ディレクトリ構造を扱えることがデータカ
ルーセル方式と大きく異なる。一実施形態では、オブジ
ェクトカルーセル方式を採用するものとされる。
【0070】図9に、MHEG方式に則ったデータサー
ビスとしてのファイル(MHEGapplicatio
nfile)のディレクトリ構造例を示す。上述のよう
にオブジェクトカルーセル方式は、このディレクトリ構
造を扱えることに特徴を有する。通常、Service
Domainの入り口となる(MHEGapplic
ationfile)は、必ず、Service Ga
tewayの直下にある、app0/startupと
いうファイルとなる。基本的には、Service D
omain(Service Gateway)の下に
application directory(app
0,app1・・・appN)があり、その下にsta
rtupといわれるアプリケーション・ファイルと、a
pplicationを構成する各sceneのdir
ectory(scene0,scene1・・・)が
あるようにされる。更にscene director
yの下には、MHEG scene fileとsce
neを構成する各content fileがおかれる
こととしている。
【0071】上述したように、カルーセルにより送信さ
れるGUIデータを含む放送用のデータ、つまり、図5
のマルチプレクサ45から出力されるデータとしては、
トランスポートストリームの形態により出力される。こ
のトランスポートストリームは、例えば図10に示す構
造を有する。図10Aには、トランスポートストリーム
が示されている。このトランスポートストリームとはM
PEGシステムで定義されているビット列であり、図の
ように188バイトの固定長パケット(トランスポート
パケット)の連結により形成される。各トランスポート
パケットは、図10Bに示すように、ヘッダと特定の個
別パケットに付加情報を含めるためのアダプテーション
フィールドとパケットの内容(ビデオ/オーディオデー
タ等)を表すペイロード(データ領域)とからなる。
【0072】ヘッダは、例えば実際には4バイトとさ
れ、図10Cに示すように、先頭には必ず同期バイトが
あるようにされ、これより後ろの所定位置にそのパケッ
トの識別情報であるPID(Packet_ID)、ス
クランブルの有無を示すスクランブル制御情報、後続す
るアダプテーションフィールドやペイロードの有無等を
示すアダプテーションフィールド制御情報が格納されて
いる。
【0073】これらの制御情報に基づいて、受信装置側
ではパケット単位でデスクランブルを行い、また、デマ
ルチプレクサによりビデオ/オーディオ/データ等の必
要パケットの分離・抽出を行うことができる。また、ビ
デオ/オーディオの同期再生の基準となる時刻情報を再
生することもここで行うことができる。
【0074】これまでの説明から分かるように、1つの
トランスポートストリームには複数チャンネル分の映像
/音声/データのパケットが多重されているが、それ以
外にPSI(Program Specific Information)といわれる
選局を司るための信号や、限定受信(個人の契約状況に
より有料チャンネルの受信可不可を決定する受信機能)
に必要な情報(EMM/ECM)、EPGなどのサービ
スを実現するためのSI(Service Information) が同時
に多重されている。
【0075】PSIは、図11に示すようにして、4つ
のテーブルで構成されている。それぞれのテーブルは、
セクション形式というMPEG Systemに準拠し
た形式で表されている。図11Aには、NIT(Network
Informataion Table)およびCAT(Conditional Acces
s Table)のテーブルが示されている。NITは、全キャ
リアに同一内容が多重されている。キャリアごとの伝送
諸元(偏波面、キャリア周波数、畳み込みレート等)
と、そこに多重されているチャンネルのリストが記述さ
れている。NITのPIDとしては、PID=0x0010と
されている。0xは、16進数を示すための表記である。
CATもまた、全キャリアに同一内容が多重される。限
定受信方式の識別と契約情報等の個別情報であるEMM
(Entitlement Management Message)パケットのPIDが
記述されている。PID=0x0001とされる。
【0076】図11Bには、キャリアごとに固有の内容
を有する情報として、PATが示される。PATには、
そのキャリア内のチャンネル情報と、各チャンネルの内
容を表すPMTのPIDが記述されている。PID=0x
0000とされる。
【0077】キャリアにおけるチャンネルごとの情報と
して、図11Cに示すPMT(Program Map Table) のテ
ーブルを有する。PMTは、チャンネル別の内容が多重
されている。例えば、図11Dに示すような、各チャン
ネルを構成するコンポーネント(ビデオ/オーディオ
等)と、デスクランブルに必要なECM(Encryption Co
ntrol Message)パケットのPIDが記述されているPM
TのPIDは、PATにより指定される。
【0078】SIは、図示を省略するが、PSIと同様
にセクション形式のテーブルとされ、ここにEPGに関
する情報が記述される。IRD側では、このテーブルか
ら必要とされる情報を抽出して画面上に表示するように
されている。このSIの代表的なテーブルとしては、S
DT(Service Description Table) とEIT(Event Inf
ormation Table) が挙げられる。SDTは、チャンネル
情報を表すもので、チャンネル番号、チャンネル名、チ
ャンネル内容等が記述される。PID=0x0011とされ
る。EITは、番組情報を表すもので、番組名、番組開
始時刻、番組のあらすじ、ジャンル等が記述されてい
る。PID=0x0012とされる。
【0079】1−5.IRD 受信設備3に備えられるIRD12の一例について図1
2を参照して説明する。図12に示すIRD12におい
て、入力端子T1には、パラボラアンテナ11のLNB
15により所定の周波数に変換された受信信号を入力し
てチューナ/フロントエンド部51に供給する。チュー
ナ/フロントエンド部51では、CPU(Central Proce
ssing Unit) 80からの伝送諸元等を設定した設定信号
に基づいて、この設定信号により決定されるキャリア
(受信周波数)を受信して、例えばビタビ復調処理や誤
り訂正処理等を施すことで、トランスポートストリーム
を得るようにされる。
【0080】チューナ/フロントエンド部51にて得ら
れたトランスポートストリームは、デスクランブラ52
に対して供給される。また、チューナ/フロントエンド
部51では、トランスポートストリームからPSIのパ
ケットを取得し、その選局情報を更新すると共に、トラ
ンスポートストリームにおける各チャンネルのコンポー
ネントPIDを得て、例えばCPU80に伝送する。C
PU80では、取得したPIDを受信信号処理に利用す
ることになる。デスクランブラ52では、ICカード6
5に記憶されているデスクランブルキーデータをCPU
80を介して受け取ると共に、CPU80によりPID
が設定される。そして、このデスクランブルキーデータ
とPIDとに基づいてデスクランブル処理を実行し、ト
ランスポート部53に対して伝送する。
【0081】トランスポート部53は、デマルチプレク
サ70と、例えばDRAM等により構成されるキュー
(Queue)71とからなる。キュー71は、モジュール単
位に対応した複数のメモリ領域が列となるようにして形
成されているものとされ、例えば32列のメモリ領域が
備えられる。つまり、最大で32モジュールの情報を同
時に格納することができる。
【0082】デマルチプレクサ70の概略的動作として
は、CPU80のデマルチプレクサドライバ82により
設定されたフィルタ条件に従って、デスクランブラ52
から供給されたトランスポートストリームから必要なト
ランスポートパケットを分離し、必要があればキュー7
1を作業領域として利用して、先に図7E〜図7Hによ
り示したような形式のデータを得て、それぞれ必要な機
能回路部に対して供給する。
【0083】デマルチプレクサ70にて分離されたMP
EGビデオデータは、MPEG2ビデオデコーダ55に
対して入力され、MPEGオーディオデータは、MPE
Gオーディオデコーダ54に対して入力される。これら
デマルチプレクサ70により分離されたMPEGビデオ
/オーディオデータの個別パケットは、PES(Packeti
zed Elementary Stream)と呼ばれる形式でそれぞれのデ
コーダに入力される。
【0084】トランスポートストリームにおけるMHE
Gコンテンツのデータについては、デマルチプレクサ7
0によりトランスポートストリームからトランスポート
パケット単位で分離抽出されながらキュー71の所要の
メモリ領域に書き込まれていくことで、モジュール単位
にまとめられるようにして形成される。そして、このモ
ジュール単位にまとめられたMHEGコンテンツのデー
タは、CPU80の制御によってデータバスを介して、
メインメモリ90内のDSM−CCバッファ91に書き
込まれて保持される。
【0085】トランスポートストリームにおける4倍速
ATRACデータ(圧縮オーディオデータ)も、例えば
トランスポートパケット単位で必要なデータがデマルチ
プレクサ70により分離抽出されてIEEE1394イ
ンターフェイス60に対して出力される。IEEE13
94インターフェイス60を介した場合には、オーディ
オディオデータの他、ビデオデータおよび各種コマンド
信号等を送出することも可能とされる。
【0086】PESとしての形式によるMPEGビデオ
データが入力されたMPEG2ビデオデコーダ55で
は、メモリ55Aを作業領域として利用しながらMPE
G2フォーマットに従って復号化処理を施す。復号化さ
れたビデオデータは、表示処理部58に供給される。
【0087】表示処理部58には、MPEG2ビデオデ
コーダ55から入力されたビデオデータと、後述するよ
うにしてメインメモリ90のMHEGバッファ92にて
得られるデータサービス用のGUI画面等のビデオデー
タが入力される。表示処理部58では、このようにして
入力されたビデオデータについて所要の信号処理を施し
て、所定のテレビジョン方式によるアナログオーディオ
信号に変換してアナログビデオ出力端子T2に対して出
力する。これにより、アナログビデオ出力端子T2とモ
ニタ装置14のビデオ入力端子とを接続することで、例
えば先に図4に示したような表示が行われる。
【0088】PESによるMPEGオーディオデータが
入力されるMPEG2オーディオデコーダ54は、メモ
リ54Aを作業領域として利用しながらMPEG2フォ
ーマットに従って復号化処理を施す。復号化されたオー
ディオデータは、D/Aコンバータ56および光ディジ
タル出力インターフェイス59に対して供給される。
【0089】D/Aコンバータ56は、入力されたオー
ディオデータについてアナログ音声信号に変換してスイ
ッチ回路57に出力する。スイッチ回路57は、アナロ
グオーディオ出力端子T3またはT4の何れか一方に対
してアナログ音声信号を出力するように信号経路の切換
を行う。アナログオーディオ出力端子T3は、モニタ装
置14の音声入力端子と接続されるために設けられてい
る。アナログオーディオ出力端子T4はダウンロードし
た楽曲をアナログ信号により出力するための端子とされ
る。光ディジタル出力インターフェイス59では、入力
されたディジタルオーディオデータを光ディジタル信号
に変換して出力する。光ディジタル出力インターフェイ
ス59は、例えばIEC958に準拠する。
【0090】メインメモリ90は、CPU80が各種制
御処理を行う際の作業領域として利用されるものであ
る。そして、このメインメモリ90において、前述した
DSM−CCバッファ91と、MHEGバッファ92と
しての領域が割り当てられる。MHEGバッファ92
は、MHEG方式によるスクリプトの記述に従って生成
された画像データ(例えばGUI画面の画像データ)を
生成するための作業領域とされ、ここで生成された画像
データはバスラインを介して表示処理部58に供給され
る。
【0091】CPU80は、IRD12における全体制
御を実行する。このなかには、デマルチプレクサ70に
おけるデータ分離抽出についての制御も含まれる。ま
た、獲得したMHEGコンテンツのデータについてデコ
ード処理を施すことで、スクリプトの記述内容に従って
GUI画面(シーン)を構成して出力するための処理も
実行する。
【0092】このため、CPU80としては、主たる制
御処理を実行する制御処理部81に加え、例えば少なく
とも、デマルチプレクサドライバ82、DSM−CCデ
コーダブロック83、およびMHEGデコーダブロック
84が備えられる。一実施形態では、このうち、少なく
ともDSM−CCデコーダブロック83およびMHEG
デコーダブロック84については、ソフトウェアにより
構成される。デマルチプレクサドライバ82は、入力さ
れたトランスポートストリームのPIDに基づいてデマ
ルチプレクサ70におけるフィルタ条件を設定する。D
SM−CCデコーダブロック83は、DSM−Mana
gerとしての機能を有するものであり、DSM−CC
バッファ91に格納されているモジュール単位のデータ
について、MHEGコンテンツのデータに再構築する。
また、MHEGデコーダブロック84からのアクセスに
従って所要のDSM−CCデコード等に関連する処理を
実行する。
【0093】MHEGデコーダブロック84は、DSM
−CCデコーダブロック83により得られたMHEGコ
ンテンツのデータ、つまり、DSM−CCバッファ91
のMHEGコンテンツのデータにアクセスして、シーン
出力のためのデコード処理を行う。つまり、そのMHE
Gコンテンツのスクリプトファイルにより規定されてい
るオブジェクト間の関係を実現していくことで、シーン
を形成するものである。この際、シーンとしてGUI画
面を形成するのにあたっては、MHEGバッファ92を
利用して、ここで、スクリプトファイルの内容に従って
GUI画面の画像データを生成するようにされる。
【0094】DSM−CCデコーダブロック83および
MHEGデコーダブロック84間のインターフェイスに
は、U−U API(DSM−CC U−U API(A
pplication Portability Interface) )が採用される。
U−U APIは、例えばクライアント(MHEGデコ
ーダブロック84)側がDSM Managerオブジ
ェクト(DSMの機能を実現するサーバオブジェクト;
DSM−CCデコーダブロック83)にアクセスするた
めのインターフェイスであり、カルーセルに含まれるS
erviceGateway,Directory,F
ile,Stream,Stream Eventなど
の属性を有するオブジェクトをファイルシステムのよう
にして構造的にアクセスすることができるようにしたA
PIとされる。このAPIを通じてカルーセルに含まれ
るオブジェクトへのアクセスを行うことで、カルーセル
を使用するプログラム(クライアント)がカルーセル受
信動作を関知することなく、バス名を使用してオブジェ
クトにアクセスすることが可能になる。また、このU−
U APIは、下層のデータ転送方式に関わらず利用す
ることができるように規定されたインターフェイスの集
合であることから、このAPIを利用するプログラム
は、U−U APIを提供するどのようなデータ転送方
式においても利用できるという利点を有する。
【0095】ここで、CPU80の制御によりトランス
ポートストリームから1シーンを形成するのに必要な目
的のオブジェクトを抽出するための動作例について説明
する。
【0096】DSM−CCでは、トランスポートストリ
ーム中のオブジェクトの所在を示すのにIOR(Interop
erable Object Reference)が使用される。IORには、
オブジェクトを見つけ出すためのカルーセルに対応する
識別子、オブジェクトの含まれるモジュールの識別子
(以下module_idと表記)、1つのモジュール
中でオブジェクトを特定する識別子(以下object
_keyと表記)のほかに、オブジェクトの含まれるモ
ジュールの情報を持つDIIを識別するためのタグ(a
ssociation_tag)情報を含んでいる。ま
た、モジュール情報を持つDIIには、1つ以上のモジ
ュールそれぞれについてのmodule_id、モジュ
ールの大きさ、バージョンといった情報と、そのモジュ
ールを識別するためのタグ(association_
tag)情報を含んでいる。
【0097】トランスポートストリームから抜き出され
たIORがCPU80において識別された場合に、その
IORで示されたオブジェクトを受信、分離して得るプ
ロセスは、次のようになる。
【0098】(Pr1) CPU80のデマルチプレク
サドライバ82では、IORのassociation
_tagと同じ値を持つエレメンタリーストリーム(以
下ESと表記)を、カルーセルにおけるPMTのESル
ープから探し出してPIDを得る。このPIDを持つE
SにDIIが含まれている。
【0099】(Pr2) このPIDとtable_i
d_extensionとをフィルタ条件としてデマル
チプレクサ70に対して設定する。これにより、デマル
チプレクサ70では、DIIを分離してCPU80に対
して出力する。
【0100】(Pr3) DIIの中で、先のIORに
含まれていたmodule_idに相当するモジュール
のassociation_tagを得る。
【0101】(Pr4) association_t
agと同じ値を有するESを、PMTのESループ(カ
ルーセル)から探し出し、PIDを得る。このPIDを
有するESに目的とするモジュールが含まれる。
【0102】(Pr5) PIDとmodule_id
とをフィルタ条件として設定して、デマルチプレクサ7
0によるフィルタリングを行う。このフィルタ条件に適
合して分離抽出されたトランスポートパケットがキュー
71の所要のメモリ領域(列)に格納されていくこと
で、最終的には、目的のモジュールが形成される。
【0103】(Pr6) 先のIORに含まれていたo
bject_keyに相当するオブジェクトをこのモジ
ュールから抜き出す。これが目的とするオブジェクトに
なる。このモジュールから抜き出されたオブジェクト
は、例えば、DSM−CCバッファ91の所定の領域に
書き込みが行われる。
【0104】上述の動作を繰り返し、目的とするオブジ
ェクトを集めてDSM−CCバッファ91に格納してい
くことで、必要とされるシーンを形成するMHEGコン
テンツが得られることになる。
【0105】マンマシンインターフェイス61では、リ
モートコントローラ64から送信されてきたコマンド信
号を受信してCPU80に対して伝送する。CPU80
では、受信したコマンド信号に応じた機器の動作が得ら
れるように、所要の制御処理を実行する。ICカードス
ロット62にはICカード65が挿入される。そして、
この挿入されたICカード65に対してCPU80によ
って情報の書き込みおよび読み出しが行われる。モデム
63は、電話回線4を介して課金サーバ5と接続されて
おり、CPU80の制御によってIRD12と課金サー
バ5との通信が行われるように制御される。
【0106】上述した構成によるIRD12におけるビ
デオ/オーディオソースの信号の流れを、図4により説
明した表示形態に照らし合わせながら補足的に説明す
る。図4Aに示すようにして、通常の番組を出力する場
合には、入力されたトランスポートストリームから必要
な番組のMPEGビデオデータとMPEGオーディオデ
ータとが抽出されて、それぞれ復号化処理が施される。
そして、このビデオデータとMPEGオーディオデータ
が、それぞれアナログビデオ出力端子T2と、アナログ
オーディオ出力端子T3に出力されることで、モニタ装
置14では、放送番組の画像表示と音声出力が行われ
る。
【0107】図4Bに示したGUI画面を出力する場合
には、入力されたトランスポートストリームから、この
GUI画面(シーン)に必要なMHEGコンテンツのデ
ータをトランスポート部53により分離抽出してDSM
−CCバッファ91に取り込む。そして、このデータを
利用して、前述したようにDSM−CCデコーダブロッ
ク83およびMHEGデコーダブロック84が機能する
ことで、MHEGバッファ92にてシーン(GUI画
面)の画像データが作成される。そして、この画像デー
タが表示処理部58を介してアナログビデオ出力端子T
2に供給されることで、モニタ装置14にはGUI画面
の表示が行われる。
【0108】図4Bに示したGUI画面上で楽曲のリス
ト21Bにより楽曲が選択され、その楽曲のオーディオ
データを試聴する場合には、この楽曲のMPEGオーデ
ィオデータがデマルチプレクサ70により得られる。そ
して、このMPEGオーディオデータが、MPEGオー
ディオデコーダ54、D/Aコンバータ、スイッチ回路
57、アナログオーディオ出力端子T3を介してアナロ
グ音声信号とされてモニタ装置14に対して出力され
る。
【0109】図4Bに示したGUI画面上でダウンロー
ドボタン28が押されてオーディオデータをダウンロー
ドする場合には、ダウンロードすべき楽曲のオーディオ
データがデマルチプレクサ70により抽出されてアナロ
グオーディオ出力端子T4、光ディジタル出力インター
フェイス59、またはIEEE1394インターフェイ
ス60に出力される。
【0110】特にIEEE1394インターフェイス6
0に対して、図2に示したIEEE1394対応のMD
レコーダ/プレーヤ13Aが接続されている場合には、
デマルチプレクサ70ではダウンロード楽曲の4倍速A
TRACデータが抽出され、IEEE1394インター
フェイス60を介してMDレコーダ/プレーヤ13Aに
装填されているディスクに対して記録が行われる。ま
た、この際には、例えばJPEG方式で圧縮されたアル
バムジャケットの静止画データ、歌詞やアーティストの
プロフィールなどのテキストデータもデマルチプレクサ
70においてトランスポートストリームから抽出され、
IEEE1394インターフェイス60を介してMDレ
コーダ/プレーヤ13Aに転送される。MDレコーダ/
プレーヤ13Aでは、装填されているディスクの所定の
領域に対して、これら静止画データ、テキストデータを
記録することができるようになっている。
【0111】2.オーサリングシステム 2−1.MHEGコンテンツの構造 続いて、一実施形態のMHEGオーサリングシステムに
ついて説明する。以下説明するMHEGオーサリングシ
ステムは、先に説明した図5であれば、GUIオーサリ
ングシステム42に対応することになる。但し、実際に
は、パーソナルコンピュータ装置により、GUI素材デ
ータ(オブジェクトとしての画像、テキストファイル
等)を作成、または取り込むなどしてオーサリングを行
うようにされることから、機能的には、GUIオーサリ
ングシステム42に加え、GUI用素材登録システム3
4やGUI素材データベース38も含まれるものと考え
ることができる。
【0112】MHEGオーサリングシステムの説明に先
立ち、MHEGオーサリングシステムで作成される、M
HEGコンテンツ(MHEGアプリケーション)の構造
概念を、図13および図14により説明する。図13に
は、MHEGシーン1〜MHEGシーン3の3つのシー
ンが示されている。これらの各シーンは、例えば1画面
分の画像領域に対して、オブジェクトをペーストするよ
うにして組み合わせることで形成されるものである。
【0113】オブジェクトとは、先にも述べたように、
画像情報(例えばJPEGやGIFなどの静止画像ファ
イル)やテキスト情報、および操作ボタンなどのパーツ
画像ファイル(更には音声データファイルを含む場合も
ある)等をいうものである。これらのシーンは、例えば
TV放送に同期した切り換えが行われるようにされた
り、また、操作ボタンの操作によって、他のシーンの切
り換えが行われるようにされる。このようなシーンの遷
移を「トランジション」ともいうことにする。そして、
例えばこれら3つのMHEGシーン1〜MHEGシーン
3が、例えばトランジションが可能であるなどの1まと
まりの関係に在るとして、これらの関係は、MHEGア
プリケーション(MHEGコンテンツ)の単位としてま
とめられることになる。
【0114】そして、シーンのまとまりであるMHEG
コンテンツとして、例えばこれが一実施形態のようにデ
ィジタル衛星放送システムに使用されるなどして放送番
組と関連する場合には、1つの放送番組に対応して付随
するとされる1以上のMHEGコンテンツ間の関係を規
定することにより、プロジェクトといわれる単位が形成
される。 この図では、プロジェクトとしては、MHE
Gコンテンツ1,MHEGコンテンツ2,MHEGコン
テンツ3の3つから成る場合が示されている。そして、
MHEGコンテンツ1は、MHEGシーン1,2,3の
3つのシーンを備え、残るMHEGコンテンツ2,MH
EGコンテンツ3は、それぞれ、MHEGシーン4,5
を備えているものとされる。
【0115】例えば、実際には、この図14に示すMH
EGコンテンツがディジタル衛星放送の放送番組に同期
して受信側で表示される場合には、MHEGコンテンツ
1,MHEGコンテンツ2,MHEGコンテンツ3がユ
ーザが行ったインタラクティブ操作や放送番組の放送時
間経過に従って、トランジションするものとされ、ま
た、MHEGコンテンツ1が出力されている場合には、
ユーザが行ったインタラクティブ操作や放送番組の放送
時間経過に従って、MHEGシーン1〜3の各シーン間
でトランジションが行われるものとされる。
【0116】なお、以下においては、説明の便宜上、プ
ロジェクトとしてまとめられる複数のMHEGコンテン
ツ(MHEGアプリケーション)について、特に単一の
MHEGコンテンツ(MHEGアプリケーション)と区
別する必要の無い場合には、プロジェクトについても単
にMHEGコンテンツ(MHEGアプリケーション)と
いうものとする。
【0117】シーンを形成するのには、図13に示した
ように、オブジェクトを使用するのであるが、MHEG
の規格にあっては、シェアオブジェクト(shared objec
t) が使用可能であるものと規定されている。
【0118】シェアオブジェクトとは、1つのMHEG
コンテンツを形成する複数のシーン間で共有して使用す
ることのできるオブジェクトのことをいう。例えば、図
15に示すように1MHEGコンテンツ内にMHEGシ
ーン1,2の2つのシーンがあるとして、オブジェクト
としては、オブジェクト1〜3およびオブジェクト4〜
6の6つのオブジェクトに加えて、シェアオブジェクト
1〜3の3つシェアオブジェクトが用意されているもの
とする。オブジェクト1〜3はMHEGシーン1のみを
作成するのに使用され、オブジェクト4〜6は、MHE
Gシーン2のみを作成するのに使用されるオブジェクト
である。
【0119】これに対して、シェアオブジェクト1〜3
は、MHEGシーン1およびMHEGシーン2に対して
共通に使用可能であるものとして設定されたオブジェク
トである。従って、図15に示す場合には、MHEGシ
ーン1はオブジェクト1〜3およびシェアオブジェクト
1〜3の6つのオブジェクトを使用して作成することが
でき、MHEGシーン2は、オブジェクト4〜6および
シェアオブジェクト1〜3の6つのオブジェクトを使用
して作成することができることになる。
【0120】2−2.MHEGオーサリングシステムの
構成 一実施形態のMHEGオーサリングツールの構成につい
て説明する。MHEGオーサリングシステムのとしての
処理構成の概念を概要的に説明すると、次のようにな
る。
【0121】MHEGオーサリングツールにおける処理
としては、大きくは、MHEGオーサリングツール内で
の独自の内部形式に従った処理によりMHEGアプリケ
ーションファイル(MHEGコンテンツ)を作成する編
集処理と、このMHEGオーサリングツール内での内部
形式に従った編集処理によって作成されたMHEGコン
テンツを、実際のMHEGの規格に準拠した形式である
MHEG−ISといわれる形式に変換して出力する変換
処理とに分けられる。MHEG−ISとは、MHEGの
規格に従った内容のMHEGコンテンツのことをいうも
のであり、ここでは、データ放送用コンテンツの送信出
力時の形式に対応する。
【0122】すなわち、MHEGオーサリングツールが
MHEGオーサリングツール内では内部形式に従って編
集処理を実行するように構成されているので、実際のM
HEGの規格には無いシェアシーンなどを定義して、こ
れらを使用した編集処理を実現することができる。逆に
言えば、MHEGの規格に対応して作業者がスクリプト
を記述するといった高度な作業を行わなくとも、例え
ば、GUI的な操作形態を実現して、より簡易な操作に
よっても高度な編集を行うことができる。但し、MHE
Gオーサリングツールの内部形式に従ったMHEGコン
テンツの編集内容(すなわち、定義文などの記述内容)
は、MHEGオーサリングツール内のみで有効であるた
め、これを、受信側でデコードして表示できるようにす
るためには、内部形式に従った記述内容を、MHEGの
規格に従った記述内容に変換する必要がある。このため
に、内部形式によって作成された記述内容を、MHEG
−ISの形式に変換して出力するように構成されるもの
である。
【0123】図16は、MHEGオーサリングシステム
42としての実際の構成例を示すものである。MHEG
オーサリングシステム42は、例えば、パーソナルコン
ピュータ201と、このパーソナルコンピュータ201
上にて起動されるMHEGオーサリングソフトウェア2
10によって構成される。
【0124】MHEGオーサリングシステム42を構成
するパーソナルコンピュータ201としては、図に示す
ように、当該パーソナルコンピュータ201を物理的に
構成するハードウェア202が備えられる。ハードウェ
ア202として、CPU(Central Processing Unit) 2
02a、RAM(メモリ)202b、ROM202c、
インターフェイス202dが設けられている。
【0125】CPU202aは、各種制御および処理動
作を実行し、RAM(メモリ)202bには、起動され
たアプリケーションプログラムや、CPU202aが実
行した処理によって発生した情報や演算結果などが保持
される。また、ROM202cは、当該パーソナルコン
ピュータ201が動作するための所要の情報が格納され
る。インターフェイス202dは、後述する外部接続機
器や外部操作子とハードウェア202との間の情報の授
受のために設けられる。ハードウェア202としては、
他にも各種デバイスが設けられて構わないものである。
このハードウェア202上において、オペレーションシ
ステム203としてのプログラムが動作することで、M
HEGオーサリングソフトウェアが動作可能な環境を構
築している。
【0126】また、パーソナルコンピュータ201に対
しては、外部接続機器または外部操作子として、ディス
プレイ231、マウス232、キーボード233、スピ
ーカ234、記録デバイス235、ビデオ機器236が
備えられている。ディスプレイ231には、パーソナル
コンピュータ201が出力する画像が表示される。特
に、後述するMHEGオーサリングソフトウェア210
としてのGUI画面(操作画面)も表示される。マウス
232およびキーボード233は、編集者が行った操作
情報をパーソナルコンピュータ201に対して入力する
ための操作子として設けられる。スピーカ234は、パ
ーソナルコンピュータ201から出力される音声信号を
外部に音声として出力するために設けられる。
【0127】記録デバイス235は、パーソナルコンピ
ュータ201が必要とする情報として、例えばオペレー
ションシステムや、MHEGオーサリングソフトウェア
210を含む所定のアプリケーションソフトウェア等が
記憶される。また、一実施形態では、MHEGコンテン
ツ自体および、各MHEGコンテンツを形成するオブジ
ェクト等としての画像ファイル、音声ファイル、および
テキストファイル等も保存されることになる。MHEG
オーサリングソフトウェア210は、オブジェクトとし
てのファイルを作成して、記録デバイス235に対して
保存したり、この保存されたオブジェクトのファイルを
使用して編集処理を行うようになされる。
【0128】この記録デバイス235の種類としては、
特に限定しないが、例えばハードディスクドライブをは
じめ、比較的大容量のデータを保存可能なストレージデ
バイスを用いることが好ましい。
【0129】ビデオ機器236は、例えばVTRであ
り、ビデオテープやビデオディスクなどに対応して記録
再生が可能な構成を有する。例えばMHEGコンテンツ
としては、画像音声による放送番組に同期させてシーン
チェンジなどを行う場合がある。このような放送番組に
同期したMHEGコンテンツの編集を行う場合に、画像
音声による放送番組を再生するのにビデオ機器236を
用いることができる。
【0130】次に、MHEGオーサリングソフトウェア
210について説明する。先にも述べたように、MHE
Gオーサリングソフトウェア210は、パーソナルコン
ピュータ201上で動作するアプリケーションソフトウ
ェアであり、例えば、そのプログラムは記録デバイス2
35に記憶されている。記録デバイス235から読み出
されて起動された状態では、MHEGオーサリングソフ
トウェア210としてのプログラムは、図に示すような
機能ブロックとして表すことができる。この図に示す各
機能ブロック間の関係は示されていないが、実際には各
機能ブロック間で相互に情報の授受を行うような形態を
採るものとされ、これによりMHEGオーサリングソフ
トウェア210としての所要の機能を実行可能なように
構成されている。
【0131】図に示すMHEGオーサリングソフトウェ
ア210において、オブジェクト作成部211は、オブ
ジェクトとしてのファイルを作成するためのプログラム
から成る機能ブロックとされる。例えば編集者は、この
オブジェクト作成部211としてのプログラム上(ディ
スプレイ231に表示されるGUI画面上)で、キーボ
ード、マウスなどを使用して、オブジェクトとしてのフ
ァイルを作成することができる。例えば、オブジェクト
が画像であれば、オブジェクト作成部211の機能によ
って、オブジェクトとしての画像ファイルを描画して作
成することが可能とされる。また、オブジェクトとして
は、画像ファイルの他に、テキストファイル(および音
声ファイル)も含まれるものとして規定されている。オ
ブジェクト作成部211においては、これらのテキスト
ファイル(および音声ファイル)もオブジェクトファイ
ルとして作成可能とされる。このオブジェクト作成部2
11により作成されたオブジェクトファイルは、記録デ
バイス235に記録して保存することができる。
【0132】シェアシーン作成部212は、オブジェク
ト作成部211により作成されたオブジェクトファイル
を利用して、シェアシーンを作成するためのプログラム
により構築される。詳しい説明は省略するが、MHEG
オーサリングツールでは、内部形式的な編集処理にあっ
ては、「シェアシーン」が規定されている。このシェア
シーンとは、先に図15により説明したシェアオブジェ
クトについての編集が簡易なものとなることを配慮して
規定された概念で、1以上の任意のオブジェクトを使用
して作成される仮想のシーンである。シェアシーンは、
用意されたMHEGシーンに対して重ねるようにして使
用(表示)されるレイヤー的な編集素材として扱われ、
かつ、1つのMHEGコンテンツを形成するMHEGシ
ーンに対して共通に使用可能とされる。
【0133】編集結果がMHEGスクリプト(MHEG
−IS)として記述される場合には、或るMHEGシー
ンに対して使用したシェアシーンに含まれるオブジェク
トがそのMHEGシーンに対して使用されるシェアオブ
ジェクトとして管理されるものである。この場合にも、
編集者は、シェアシーン作成部212としてのプログラ
ム上でキーボード、マウスなどを使用して、これまでに
作成された1以上の任意のオブジェクトファイルを選択
して使用することで、例えばMHEGオーサリングソフ
トウェア上で規定された上限数以内で、1以上の任意の
数のシェアシーンを編集することができる。
【0134】MHEGシーン作成部213は、MHEG
シーンについての編集を行う際に用いられるプログラム
としての機能ブロックである。ここでも、MHEGシー
ン作成部213のプログラム上で、オブジェクト作成部
211により作成されたオブジェクトファイルのうちか
ら使用すべきものを選択し、例えばこれらオブジェクト
についての各種設定等を行うことでMHEGシーンの階
層についての編集を行うことが可能とされる。MHEG
シーン作成部213にて得られるシーンの編集結果は、
例えばそのシーンに使用される、画像やテキストなどの
可視のオブジェクトと、これら可視のオブジェクトの出
力態様を制御する各種制御情報としてのオブジェクトか
ら成るシーン管理情報から成る。
【0135】シェアシーン処理部216としてのプログ
ラム上では、編集者が、そのGUI画面上で行った操作
に応じて各MHEGシーンとシェアシーンとの関係を編
集するための処理を行う。つまり、MHEGシーンに対
して使用するシェアシーンの設定や、各MHEGシーン
に対して使用するものとされた複数のシェアシーン間の
重ね順の指定等のための編集を実現するためのプログラ
ムとされる。例えば、ここでの編集結果は、シェアシー
ンを設定するための定義文(シェアシーン定義文)とし
て作成される。
【0136】MHEGアプリケーション作成部214
は、MHEGアプリケーションの階層での編集を行うた
めのプログラムとされる。例えば、1MHEGアプリケ
ーション内における、時間経過やインタラクティブな操
作に応じたシーン間の推移等についての編集も、このM
HEGアプリケーション作成部214としてのプログラ
ムが司る。MHEGアプリケーション作成部214にて
得られるシーンの編集結果は、例えばそのMHEGアプ
リケーションに使用されるシーンと、これらシーン間の
出力態様を制御する各種制御情報から成るMHEGアプ
リケーション管理情報から成る。
【0137】MHEGオーサリングソフトウェアでは、
1つのディジタル放送番組に対応して付随する1以上の
MHEGアプリケーションを、「プロジェクト」とい
う。プロジェクト作成部215は、このプロジェクトと
してのMHEGアプリケーションの出力態様を編集する
ためのプログラムである。例えばMHEGアプリケーシ
ョン作成部214によって編集された複数のMHEGコ
ンテンツが、放送番組の放送時間に同期してシーン出力
の切り換えを行うものである場合には、この同期のため
の編集がここで行われるものである。このような編集結
果は、プロジェクト管理情報である。
【0138】また、時間制御部221は、プロジェクト
作成部215、MHEGアプリケーション作成部21
4,MHEGシーン作成部213等のプログラムと共同
して動作することで、プロジェクト、MHEGアプリケ
ーション、またはMHEGシーンの各階層での、放送番
組の進行時間軸に対応した各種制御についての編集を行
うために使用されるプログラムとされる。
【0139】また、インタラクティブ制御部222は、
プロジェクト作成部215、MHEGアプリケーション
作成部214,MHEGシーン作成部213等のプログ
ラムと共同して動作することで、プロジェクト、MHE
Gアプリケーション、またはMHEGシーンの各階層で
の、インタラクティブな操作に対応した各種制御につい
ての編集をおこなうために使用されるプログラムとされ
る。
【0140】また、プロジェクト管理部220、MHE
Gアプリケーション管理部219、およびMHEGシー
ン管理部218は、それぞれ、プロジェクト作成部21
2にて作成されたプロジェクトファイル(プロジェクト
管理情報を含む)、MHEGアプリケーション作成部2
14にて作成されたMHEGアプリケーションファイル
(MHEGアプリケーション管理情報)、およびMHE
Gシーン作成部213にて作成されたMHEGシーンフ
ァイル(MHEGシーン管理情報)についてのディレク
トリ管理および保存処理を実行する際に使用されるプロ
グラムとされる。実際には、プロジェクト管理情報、ま
た、MHEGアプリケーション管理情報、MHEGシー
ン管理情報等の各管理情報は、或る1つのプロジェクト
または1つのMHEGアプリケーションごとに対応し
て、内部形式によるスクリプトとしての「オーサリング
管理情報」として統合的に管理される。
【0141】MHEGアプリケーション作成部214に
て作成されたMHEGコンテンツ(MHEGアプリケー
ションファイル)としての情報、およびプロジェクト作
成部215にて作成されたプロジェクトファイルとして
の情報(すなわち、オーサリング管理情報)は、MHE
Gオーサリングソフトウェアとしての独自の内部形式に
より扱われている。この内部形式により作成されたMH
EGアプリケーション(プロジェクト)ファイルは、内
部形式ファイル出力制御部217の処理によって、内部
形式ファイルのまま外部に出力することができる。
【0142】例えば、内部形式ファイル出力制御部21
7から出力した、MHEGアプリケーションの内部形式
ファイルは、記録デバイス235に記録して保存してお
くことができる。このようにしておくことで、以下、こ
の保存された内部形式ファイルをパーソナルコンピュー
タ201に読み込んで、MHEGオーサリングソフトウ
ェア210上で編集内容を変更することが可能になる。
【0143】MHEGスクリプト出力制御部226は、
内部形式によるMHEGアプリケーションファイル(ま
たはプロジェクトファイル)のデータを受け取り、実際
のMHEGの規格に従ったスクリプト(制御情報)の記
述に変換して外部に出力する。つまり、正規のMHEG
アプリケーションファイル(MHEG−IS)として出
力する。例えば、このMHEGスクリプト出力制御部2
11を介した出力が図5のDSM−CCエンコーダ44
に対して出力される。このMHEGスクリプト出力制御
部226において得られた、MHEG−ISとしてのM
HEGアプリケーションファイルは、記録デバイス21
6に記録して保存しておくこともでき、実際には、この
記録デバイス216に保存されたMHEG−ISとして
のMHEGアプリケーションファイルを、所要の機会
に、地上局1のDSM−CCエンコーダ44に提供す
る。
【0144】TN処理部227は、MHEGスクリプト
を記述するためのソースコードであるTN(Textual Not
ation)についての処理を実行する。このTN処理部22
7としてのプログラムによって、例えば内部形式による
「オーサリング管理情報」としての記述ファイル、また
は、MHEG−ISの形式により出力されるべきスクリ
プトファイルをTNに変換して出力することが可能とな
る。また、例えばTNとしての記述によるMHEGアプ
リケーションの編集を行う際にも、このTN処理部22
7としてのプログラムが使用される。
【0145】MHEGの規格においては、TNとしての
形式のファイルに対して、MHEGスクリプト出力制御
部211によって出力されるMHEG−ISとしての形
式は、「ASN.1 DER(Abstract Syntax Notati
on No.1 Distinguished Encoding Rule:ISO/IEC8824,88
25)」に規定される。いわば、TNがソース言語である
のに対して、ASN.1 DER(以下単に「DER」
と記述する)がMHEG−ISの形式に従ってコンパイ
ルされたバイナリデータとされる。換言すれば、MHE
Gオーサリングソフトウェア210においては、TNと
しての形式により記述されたスクリプトファイルは、M
HEG−ISとして送信、またはパッケージ化(例えば
CD−ROMなどにMHEGコンテンツがパッケージさ
れることをいう)される場合には、DERに変換されて
出力される。
【0146】また、中間言語処理部228は、MHEG
オーサリングソフトウェアのために独自に用意されたプ
ログラム言語を処理するためのプログラムとされる。中
間言語は、TNよりも簡易な形式の言語とされ、例えば
スクリプトによってMHEGアプリケーション(および
プロジェクト)についての編集をテキストレベルで行う
場合に、編集者がTNよりも手軽に扱えることを配慮し
て用意されたものである。詳しい説明は省略するが、例
えば編集者は、MHEGオーサリングソフトウェア上
で、この中間言語の記述によるMHEGアプリケーショ
ンの編集を行うことが可能とされている。
【0147】MHEGビューワ240は、作成されたM
HEGアプリケーションを表示出力するためのビューワ
とされ、映像表示制御部223、MHEG再生部22
4、MHEG同期再生部225より成る。このMHEG
ビューワ240は、例えば基本的にはIRDに備えられ
るMHEG情報をデコードして再生出力するための機能
と同様の機能を備えて成るものとされる。
【0148】映像表示制御部223は、例えばサーバ
(ここでは記録デバイス235が相当する)から供給さ
れる放送番組としての情報を読み込んで、例えばこの場
合であればディスプレイ231に対して表示させるため
の表示制御プログラムである。また、MHEG再生部2
24は、サーバ(ここでは記録デバイス235が相当す
る)から供給されるDER(MHEG−IS)の形式に
よるMHEGコンテンツの情報を読み込んでデコードを
行い、例えばこの場合であればディスプレイ231に対
して再生出力するためのプログラムとされる。MHEG
同期再生部225としてのプログラムは、例えば映像表
示制御部223により番組画像を表示出力させている状
態の下で、MHEG再生部224により再生出力される
MHEGアプリケーションについて、この番組画像に同
期させて表示出力させるための制御用プログラムとされ
る。
【0149】なお、MHEGビューワ240は、オーサ
リングソフトウェア210に含まれるものとして示して
いるが、MHEGビューワ240と、MHEGビューワ
240以外のプログラムから成るオーサリングソフトウ
ェア210とは、それぞれ独立したアプリケーションソ
フトプログラムとされていても良い。
【0150】附帯情報生成部250は、後述するよう
に、制作者の入力に応じて、制作されたMHEGコンテ
ンツに付随する附帯情報を生成するプログラムである。
【0151】2−3.送出時間を考慮したコンテンツ制
作機能 図17は、マルチメディア型データ放送の一例として、
ある番組内でテレビジョン映像と同期してMHEGデー
タによるシナリオが実行される例を示す。図17に示す
例では、10時からの2時間番組において最初の30分
と最後の1時間は通常の映像、音声のみのテレビジョン
放送で、テレビジョン番組の画面311および317が
表示される。その間の30分の映像に関連してMHEG
データによるシナリオが実行される。
【0152】10時30分から10分間は、シーン1の
画面312が表示される。テレビジョン画面の下部に文
字による情報表示が行われ、aのボタンを操作すること
によりtextの内容が変わるようになっている。10
時40分に映像と同期してシーン1の画面312からシ
ーン2の画面313へ表示が切り替わる。
【0153】画面313では、テレビジョン画面が縮小
され、残りのエリアに複数のボタンb、c、dと文字情
報が提示される。このシーン2は、例えば、音楽配信サ
ービスのメニュー画面として機能する。b、c、dの各
CDアルバムに対応するボタンを操作することにより、
対応するCDアルバムのシーン(シーン3の画面31
4、シーン4の画面315、シーン5の画面315)に
表示が切り替わる。これらのシーン3〜5では、各CD
アルバムの写真とアーティスト情報が表示されている。
各シーンでe、f、gのボタンを操作するとシーン2の
画面313の表示に戻る。11時になるとシーン2〜5
のどれが表示されていてもMHEGデータの表示が終了
し、通常のテレビジョン画面317に切り替わる。
【0154】図17に示すようなシナリオは、MHEG
においては、各シーンに配置された静止画、文字等の部
品に関する位置情報、その他の状態を示す情報と、リモ
コン操作その他のきっかけによるシーンの遷移や、シー
ン上の部品の状態の変化などの動作を記述したスクリプ
トと呼ばれる一種のプログラムに記述される。スクリプ
トと静止画、文字などの部品データは一体化して基本的
にはシーン単位のファイル群としてマルチメディアデー
タが構成される。
【0155】上述のようなテレビジョン番組に同期した
シナリオを作成するには、シーン1〜シーン5のマルチ
メディアデータを作成するだけでなく、送出装置におけ
るデータの送出スケジュールを設定する必要がある。2
時間の内、マルチメディアデータが表示されるのは30
分だけなので、残りの1時間30分はデータを送出する
よりも、限られた衛星の伝送帯域(伝送レート)を有効
に活用して、映像のレートを増やして画質を良くするの
が望ましいと考えられる。よって、データを実際に送出
するのは、図17において、318で示すように、10
時30分から11時までとする。
【0156】10時40分にシーン1(画面312)か
らシーン2(画面313)へ切り替わるのに、1秒程度
以内の映像との同期が必要と仮定した場合、10時30
分から11時までシーン1〜シーン5の全てを送出して
おき、スクリプト内に、特定のイベントと呼ばれるタイ
ミング情報を受信したらシーン1からシーン2に遷移す
るという記述を入れておく。その上で、10時40分直
前に特定のイベントを示すデータパケットを送出するこ
とで、受信機では、シーン1からシーン2に遷移するこ
ととなる。このイベントデータを1パケットだけ送信す
ると、10時50分にこの番組を見始めた視聴者はシー
ン1の画面312の表示のままになってしまうので、例
えば1秒間隔で11時まで同じパケットを送信し続ける
必要がある。319がイベントデータの送出スケジュー
ルを示す。
【0157】以下、図18、19を参照して、MHEG
コンテンツの制作、送信側における処理プロセスと伝送
方法、さらには受信機側の処理プロセスを説明する。図
18において、321が作成されたシーン単位のMHE
Gデータを示す。S1〜S5の各シーンに対応した様々
な情報量のデータとなっている。これを伝送する時に考
慮しなければならないのは、受信機に一度に取り込める
データ量である。これは後述する受信機内のバッファメ
モリの容量に対応しており、一度に取り込む単位は前述
のモジュールが単位となるが、これによって最大情報量
が規定される。
【0158】基本的には後述の受信機内の動作の都合
上、モジュールはシーンに対応することが望ましい。し
かしながら、1シーンに1モジュールの最大情報量以上
の情報を含ませたい場合もありうる。この場合、シーン
単位データ321をモジュール単位データ322に変換
する時点で、モジュールの最大情報量を超過したシーン
についてはデータを分割する。分割は、一部の静止画、
文字などの部品データを別モジュールとするようになさ
れる。この分割処理により伝送するモジュール単位のデ
ータが生成される。モジュール単位のデータは、受信機
で必要なモジュールを取り出せるようにヘッダを付加し
た後、データカルーセル323と呼ばれる繰り返し送出
のしくみにより衛星伝送路324に送り出される。
【0159】受信機325側では、図19に示すように
衛星伝送路324からのデータは、パケットフィルタ3
26において、指定されたモジュールのみ通過して、バ
ッファメモリ327に格納される。この場合、繰り返し
送出されているモジュールを1回のみ通す。バッファメ
モリ327にモジュールデータが記憶されると、直ぐに
MHEGエンジン328に通知され、MHEGエンジン
328がモジュールデータを吸い上げてデータを処理す
る。スクリプトが含まれている場合はスクリプトを実行
し、テレビジョンモニタ329に指定された表示を行
う。
【0160】また、MHEGエンジン328がスクリプ
トの実行過程で新たに表示すべき部品や、新たに遷移す
べきシーンについては、バッファメモリ中にそのデータ
が存在するか否かを判断し、存在しないと判断されたと
きには、パケットフィルタ326に対して必要なモジュ
ールを指定し、新たなモジュールの取り込みを指示して
待機状態に入る。この場合、パケットフィルタ326
は、衛星伝送路から指定されたモジュールを1回のみ通
して327のバッファメモリ327に、直前に受信した
モジュールのデータに上書きする形で書き込み、さらに
MHEGエンジン328にモジュールの到着を通知す
る。MHEGエンジン328が新たなモジュールを取り
込んで動作を再開する。上述の動作の繰り返しにより受
信機においてシナリオが実行される。
【0161】ここで留意すべきは、視聴者の操作感であ
る。まず例えばMHEGデータを含むチャンネルを選択
した後、最初のシーンが表示されるまでの時間は、最初
のシーンに対応するモジュールをバッファメモリ327
に格納するまでの時間が最低かかる。モジュールは、デ
ータカルーセルにより繰り返し送出されているので、タ
イミングによっては、この時間が最大モジュールの繰り
返し周期の時間となる。次のシーンの推移を指示する操
作を行った後、画面が切り替わるまで、やはり新たなモ
ジュールを取得する時間が必要となるので、やはり最
大、モジュールの繰り返し周期の時間はかかることにな
る。
【0162】さらに、1シーンが複数のモジュールに分
割されている場合には、まずスクリプトを含むモジュー
ル取得してシーンを表示するが、この時点では別モジュ
ールとなった部品は表示されず、さらに最大、モジュー
ルの繰り返し周期の時間を経てようやくそれが表示され
ることになる。但し、バッファメモリ327に余裕があ
る場合には、MHEGエンジン328の指示を待たず
に、予め次に必要になりそうなモジュールを取得し、取
得したモジュールをバッファメモリ327の空きエリア
に入れておくことも可能である。その場合、MHEGエ
ンジン328がモジュールを要求した時点で既にそれが
バッファメモリ327に入っていれば、上述の時間はか
からないで済む。
【0163】イベントデータについては、図18におい
て324で示すイベントパケットという形で、前述の例
ではシーン1からシーン2への遷移を起こしたいタイミ
ングに合わせてその直前にまず最初のパケットを送信す
る。
【0164】受信側では、スクリプトにイベントデータ
による動作のきっかけが存在する場合は、それを認識し
ており、あらかじめパケットフィルタ327では、イベ
ントデータが来たらイベント処理部330へイベントデ
ータを転送するようにされている。イベント処理部33
0では、イベントの種類が複数ある場合もあるので、イ
ベントが来たら、そのイベントの番号と共にMHEGエ
ンジン329に通知する。MHEGエンジン329で
は、スクリプトに記述されている番号のイベントの到着
が確認されたら、記述されている通りの動作により、前
述の例では、シーン1からシーン2へ遷移する動作を実
行する。
【0165】ところで、前述の図17の例では、テレビ
ジョン映像との同期のタイミングが制作意図に関係す
る。よって、マルチメディアデータの送出スケジュール
318や、イベントデータの送出スケジュール319を
制作者がシナリオを作成するオーサリング装置の中で設
定できることが望ましい。
【0166】図20は、この一実施形態におけるオーサ
リング装置のユーザーインターフェイス、つまり操作画
面の例を示す。341が画面全体とすると、画面341
の上部に各種機能選択のためのメニュー画面342が表
示されている。シーン選択画面343には、対象となる
コンテンツのシーン構成が表示されている。この画面3
43においてシーンの構成を設定し、作業対象となるシ
ーンを指定すると、対応するシーン編集画面344が表
示される。
【0167】345は、シーンに配置する各種部品を選
択するためのメディア選択画面であり、ここで意図する
部品のファイルを指定して確認する。その後、いわゆる
ドラッグ&ドロップ等の操作によりシーン編集画面34
4に選択した部品を配置する。さらに、346で示すオ
ブジェクト属性・動作設定画面では、状態・動作の規定
対象となるオブジェクト、つまり各部品やシーン等を、
シーン編集画面344で指定することによりその状態、
動作を表示し、また入力する。これらの操作の積み重ね
によりシーンの作りこみ作業が進行することになる。
【0168】図17に示すようなテレビジョン映像との
同期を考慮するために、347が示すスコア画面を表示
する。スコア画面347において、オンエアの対象とな
る番組の時間軸上でシーンをどのように表示すべきか
を、スケジューリングできるようにされている。
【0169】図21は、スコア画面347の一例を示
す。このスコア画面347の編集例は、図17のコンテ
ンツの時間情報を入力したものである。各シーン単位に
番組の時間軸中で表示すべき時間をマウスドラッグ等の
インターフェイスで入力する。これにより、後述するコ
ンテンツ附帯情報として関連する時間情報が記述され
る。コンテンツ送出時間情報としては、全シーンの表示
時間をマージした時間帯とし、番組開始時刻から相対時
間で、送出開始時刻と、送出時間を割り出す。シーン間
の遷移は、自動的にイベント番号が振られ、スクリプト
上にもその番号のイベントを受信したらシーン1から遷
移するように自動的に記述され、同時にイベント番号と
イベントの時刻のテーブルを得る。このイベント時刻は
イベントデータ送出時刻となり、終了時刻としてはコン
テンツ送出終了時刻が自動的に設定され、最終的にはイ
ベント番号、イベント送出開始時刻、イベント送出終了
時刻の情報を得る。これらが、コンテンツ附帯情報とし
て登録される。
【0170】メニュー画面342のメニュー中のメニュ
ーを選択することにより、図22に示すコンテンツ情報
設定画面が表示される。この画面では、コンテンツ名、
チャンネル番号、番組名、コンテンツ検索用キーワード
などのコンテンツ情報を入力する。これらの情報は、送
出装置内のデータベースに検索用の情報を与える。これ
らもコンテンツ附帯情報として登録される。
【0171】さらに、メニュー画面342のメニュー中
のメニューを選択することにより、図23に示すモジュ
ール情報設定画面が表示される。この画面では、送出デ
ータ単位であるモジュールとシーンの関係を確認できる
他、モジュール毎の送出優先度を入力できる。送出優先
度は、データカルーセル323中で送出頻度を示すもの
で、値が1の場合にはカルーセル1周で1回送出され、
値が2の場合には、1周で2回送出される。前述したよ
うにモジュールの送出頻度は、受信機におけるシーン取
得表示にかかる時間に関わるので、統計的に視聴者がア
クセスする確率の高いモジュール(シーン)は送出優先
度を上げると、全体的に視聴者が感じる快適さが向上す
る。この送出優先度も制作意図に関係するので、オーサ
リング装置で設定するのが望ましい。モジュール番号と
その送出優先度のリストもコンテンツ附帯情報に登録さ
れる。
【0172】図24にこの発明に関係するオーサリング
装置351の処理ブロック構成を示す。図24において
は、上述の図16からこの発明に関連する部分だけを抜
き出して示している。352が入力となるシーンに配置
すべき部品のファイル(メディアファイル)を示す。3
54がユーザーインターフェイス部を示す。ユーザーイ
ンターフェイス部354における表示と操作については
前述した通りである。
【0173】ユーザーインターフェイス部354におい
て編集を行う場合、部品を選択することによりメディア
ファイル352から必要な部品のファイルを読み込み、
メディアデコーダ353により復号した後、ユーザーイ
ンターフェイス部354に配置した部品を表示する。ユ
ーザーインターフェイス部354においてシーン編集が
完了すると、所定の操作によりMHEGスクリプト生成
部355においてMHEGスクリプトが生成され、さら
に、モジュールファイル生成部357においてシーン内
の部品に対応するメディアデータをスクリプトと一体化
してシーン単位のモジュールファイルとする。
【0174】一方、ユーザーインターフェイス部354
において、スコア画面347(図21参照)で送出スケ
ジュールを設定し、さらに、コンテンツ情報設定画面
(図22参照)でコンテンツ関連情報を入力し、モジュ
ール情報設定画面(図23参照)で送出優先度を入力す
る。それによって、358で示す附帯情報生成部におい
て、附帯情報リストファイルが生成される。また、35
9で示すファイル圧縮結合部において、シーン単位のモ
ジュールファイル群と附帯情報リストファイルがまとめ
て圧縮結合され、360で示すコンテンツファイルがオ
ーサリング装置の出力として得られる。
【0175】図25は、附帯情報ファイルの構成例を示
す。附帯情報の記述の規則について説明する。附帯情報
は、SJSで記述するものとする。基本的に各項目毎に
項目名と項目内容を記述する。項目名と項目内容の間に
はTAB(0X09) を挿入する。各項目は、基本的に図25で
示す順に並んでいることとする。例外としてno of even
t に続く3項目。no of moduleに続く2項目はループ
として、no ofに指定される回数繰り返される。
【0176】項目の区切りは、改行とする。image.mhi
は全てASCII で記述する。ファイルの最後は、CR+LF と
する。複数設定可能な項目は、同じ項目名で繰り返し複
数項目を記述できる。最大項目数は、1024とする。
複数設定可能の項目で、一つの項目も存在しない場合
は、「項目名」のみを記述する。桁数は、半角(バイ
ト)を単位とする。(7)event tag,(8)event start
time,(9)event end timeは必ずno of event 数分
並べて記述する。event tag は数値の前に0を付けな
い。(11)module id(12)module priority level はmo
duleの数分存在する。
【0177】図26は、上述した規則に従って記述した
附帯情報の一例を示す。図26においては省略している
が、左の項目名と右の項目内容との間にTAB が挿入され
ている。
【0178】次に附帯情報を含むコンテンツファイルを
受けたデータ送出装置でのデータ処理について説明す
る。図27にデータ送出装置の処理ブロックを示す。制
作者から360で示すコンテンツファイルを受けて、3
61で示すデータ送出装置では、ユーザーインターフェ
イス部364の画面から対象となるコンテンツファイル
360を指定する。指定されたコンテンツファイル36
0は、コンテンツ登録部362において、その圧縮した
ファイル群を解凍して、附帯情報を取り出して、マルチ
メディアデータと関係づけてデータベース363に自動
的に登録する。またチャンネル番号、番組名等は、予め
データベース363に登録されていれば、これらと自動
的に関係付けられる。
【0179】番組の編成作業を行う時点で、データ送出
装置の作業者は、ユーザーインターフェイス部364の
番組編成画面において、データベース363に登録され
た番組を時間軸に割り付けるスケジューリング作業を行
う。この時点で番組と関連つけられたコンテンツの附帯
情報を参照することにより、マルチメディアデータ、お
よびイベントデータの送出開始時刻と終了時刻が確定す
る。これらの送出スケジュールは、スケージュール管理
部365で管理される。すなわち、予め送出開始時刻よ
り一定時間前に対応するコンテンツのマルチメディアデ
ータがデータカルーセル処理部366へ転送され、モジ
ュール単位にヘッダがつけられ、附帯情報の送出優先度
を参照して、カルーセルに配置される。
【0180】一方、コンテンツ附帯情報に含まれていた
イベントデータも一定時間前にイベントデータ生成部3
67へ送られ、イベントパケットの形式に変換される。
さらに送出時刻になると、スケージュール管理部365
からの指令により、データカルーセル処理部366,イ
ベントデータ生成部367から順次パケット変換出力部
368を通って、データストリーム369として出力さ
れる。
【0181】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、デ
ータ送出装置の作業者はコンテンツの内容を知る必要は
なく、また、コンテンツの送出時間などの附帯情報を知
る必要はない。これらの情報は全て情報処理装置で、制
作意図を理解している制作者により設定されているの
で、制作者の意図が反映され、また、サービスの運用方
法としても安全となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のディジタル衛星放送受
信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】一実施形態における受信設備の構築例を示すブ
ロック図である。
【図3】IRDのためのリモートコントローラの外観を
示す正面図である。
【図4】放送画面とGUI画面との切り換えを示す略線
図である。
【図5】地上局の構成例を示すブロック図である。
【図6】地上局から送信されるデータを示すチャート図
である。
【図7】送信データの時分割多重化構造を示す略線図で
ある。
【図8】DSM−CCによる送信フォーマットを示す略
線図である。
【図9】データサービスのディレクトリ構造の一例を示
す略線図である。
【図10】トランスポートストリームのデータ構造図で
ある。
【図11】PSIのテーブル構造を示す略線図である。
【図12】IRDの構成を示すブロック図である。
【図13】MHEGコンテンツの構造を示す略線図であ
る。
【図14】MHEGコンテンツの構造を示す略線図であ
る。
【図15】MHEGコンテンツにおけるシェアオブジェ
クトの概念を示す略線図である。
【図16】一実施形態のMHEGオーサリングシステム
の構成を示す略線図である。
【図17】MHEGアプリケーションにおけるシーンの
トランジションについての略線図である。
【図18】MHEGコンテンツの制作および送信処理に
ついての略線図である。
【図19】MHEGコンテンツの受信機側の表示処理に
ついての略線図である。
【図20】オーサリング装置のユーザーインターフェイ
ス画面の表示例を示す略線図である。
【図21】送出時間を設定する画面例を示す略線図であ
る。
【図22】MHEGコンテンツ附帯情報を設定する画面
例を示す略線図である。
【図23】MHEGコンテンツの送出優先度を設定する
画面例を示す略線図である。
【図24】MHEGオーサリングシステムの要部を示す
略線図である。
【図25】附帯情報ファイルの構成例を示す略線図であ
る。
【図26】附帯情報ファイルの具体例を示す略線図であ
る。
【図27】データ送出装置の構成を示す略線図である。
【符号の説明】
1・・・地上局、2・・・衛星、3・・・受信設備、6
・・・テレビ番組素材サーバ、9・・・GUIデータサ
ーバ、31・・・テレビ番組素材登録システム、39・
・・テレビ番組送出システム、42・・・GUI(MH
EG)オーサリングシステム、51 チューナ/フロン
トエンド部、90・・・メインメモリ、201・・・パ
ーソナルコンピュータ、202・・・ハードウェア、2
10・・・MHEGオーサリングソフトウェア、213
・・・MHEGシーン作成部、250・・・附帯情報生
成部、323・・・データカルーセル、324・・・イ
ベントパケット、325・・・衛星伝送路、327・・
・パケットフィルタ、328・・・バッファメモリ、3
29・・・MHEGエンジン、330・・・イベント処
理部、331・・・テレビジョンモニタ、343・・・
シーン選択画面、344・・・シーン編集画面、345
・・・メディア選択画面、347・・・スコア画面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル放送のデータ放送用コンテンツ
    を作成するための情報処理装置において、 作成されたコンテンツデータに付随する附帯情報を入力
    する入力手段と、 入力された附帯情報を上記コンテンツデータと共に記憶
    する記憶手段と、 上記記憶手段に記憶された附帯情報とコンテンツデータ
    を読み出して外部の送出装置に出力する出力手段とを備
    えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記附帯情報は、上記コンテンツデータのファイルと共
    に、ファイル形式で上記送出装置に出力されることを特
    徴とする装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記附帯情報は、上記コンテンツデータを送出する時間
    情報を含むことを特徴とする装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記附帯情報は、上記コンテンツデータを送出する優先
    度情報を含むことを特徴とする装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記入力手段は、コンテンツ作成画面中の上記附帯情報
    の入力画面として構成されることを特徴とする装置。
  6. 【請求項6】 ディジタル放送のデータ放送用コンテン
    ツを作成するための情報処理方法において、 作成されたコンテンツデータに付随する附帯情報を入力
    し、 入力された附帯情報を上記コンテンツデータと共に記憶
    し、 記憶された附帯情報とコンテンツデータを読み出して外
    部の送出装置に出力することを特徴とする情報処理方
    法。
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