JP2000330146A - 光増幅器及びそれを用いた光ファイバ通信システム - Google Patents
光増幅器及びそれを用いた光ファイバ通信システムInfo
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Abstract
信号光出力パワーが高いラマン増幅器を用いた光増幅器
を得る。 【解決手段】 半導体光増幅器とファイバラマン増幅器
とを具備し、信号光を前記半導体光増幅器に入射して増
幅し、当該半導体光増幅器の出力信号光をファイバラマ
ン増幅器に入射し、前記半導体光増幅器で増幅された信
号光をさらに増幅する光増幅器であって、前記半導体光
増幅器において、入力信号光を飽和出力パワー以下まで
増幅し、前記ファイバラマン増幅器において、前記半導
体光増幅器で増幅された信号光を飽和出力パワー以下ま
で増幅するものである。
Description
を用いた光ファイバ通信システムに関する。
波長多重の光ファイバ通信システムの基本構成を図9に
示した。信号光波長が1つである時分割多重の光ファイ
バ通信システムに関しては、光増幅器への入射信号光波
長が1波である点以外は、すべて同様のことが成り立
つ。図9及び図10は、伝送ファイバの信号光損失を光
増幅器の利得で補償する線形中継の場合を示しており、
図9は光増幅器が半導体レーザ増幅器(SLA)100
の場合、図10は光増幅器がファイバラマン増幅器(以
下、単にラマン増幅器(FRA)と呼ぶ)200の場合
である。入射信号光の波長数(チャネル数)をn、信号
光波長をλ1,λ2,…,λn、光増幅器への全入射信号
光パワーをPin、全出力信号光パワーをPout、光増幅
器の利得をGとする。
100は、半導体レーザ素子と電流駆動回路を有する。
一方、FRA200を用いた図10の場合、FRA20
0は、利得媒質としてのラマンファイバ201,202
と、前記ラマンファイバ201,202を励起する励起
光源203,204と、励起光と信号光を合波する合波
器205,206を有する。FRA200の利得が約1
0〜15dBを超える場合、一般に、多重レーリー散乱
に起因する強度雑音を回避するため、2個のラマンファ
イバ201,202と光アイソレータ207を用いた2
段増幅構成を採用する(参考文献1:H.Masuda et al.,
IEEE Electronics Letters,Vol.34,No.24,pp.2339-234
0,1998)。
バ201の前や、第2のラマンファイバ202の後に通
常設定する光アイソレータ等は、図10において省略し
てある。前記励起光源は、偏波多重及び励起波長多重し
た半導体レーザ(レーザダイオードとも呼ぶ)や、固体
レーザ、ファイバレーザなどである。
0、図10のFRA200の典型的な利得飽和特性、す
なわち利得Gの全信号光出力パワーPout依存性を図1
1に示す。SLA100の場合、Poutの飽和値(例え
ば、3dB利得低下パワー)は、約5dBmである。一
方、FRA200の場合、Poutの飽和値は、約15d
Bmである。光強度変調パルス符号変調方式を採用した
光ファイバシステムにおいて、Poutの値がそれらの飽
和値を超えると、波長多重方式の場合には、信号光チャ
ネル間の相互利得変調により、パルスごとの利得にばら
つきが生じてシステムの性能を劣化させる(参考文献
2:F.Forghieri et al.,Proc. Optical Amplifiers an
d their Applications,FA4,pp.117-119,1994)という問
題があった。
果により、パルスごとの利得にばらつきが生じてシステ
ム性能を劣化させる(参考文献3:石尾秀樹 監修、中
川 他著、「光増幅器とその応用」、オーム社、第4
章、1992)。そのため、一般的に、Poutの値はそ
れらの飽和値を超えないように設定する。
従来の構成では、前信号光出力パワーPoutが低い値に
制限されるため、信号光のチャネル数が小さく制限され
る。あるいは、1チャネル当たりの信号光出力パワーが
低く制限されるために、線形中継伝送距離が短く制限さ
れるという問題があった。
の構成では、Poutは高い値に設定できるが、ラマンフ
ァイバや励起光源などの高価な部品が多いので、光増幅
器の価格が高いという問題があった。すなわち、従来技
術は、安価、かつ、全信号光出力パワーPoutが高い光
増幅器を提供することが困難であるという問題があっ
た。
くは削減し、かつ、全信号光出力パワーの高いラマン増
幅器を用いた光増幅器を提供することにある。本発明の
他の目的は、前記改良した光増幅器を用いた光ファイバ
通信システムを提供することにある。本発明の前記なら
びにその他の目的及び新規な特徴は、本明細書の記述及
び添付図面によって明らかにする。
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。 (1)半導体光増幅器とファイバラマン増幅器とを具備
し、信号光を前記半導体光増幅器に入射して増幅し、当
該半導体光増幅器の出力信号光をファイバラマン増幅器
に入射し、前記半導体光増幅器で増幅された信号光をさ
らに増幅する光増幅器であって、前記半導体光増幅器に
おいて、入力信号光を飽和出力パワー以下まで増幅し、
前記ファイバラマン増幅器において、前記半導体光増幅
器で増幅された信号光を飽和出力パワー以下まで増幅す
るものである。
て、前記半導体光増幅器は半導体レーザ増幅器であり、
その利得ピーク波長を、前記ファイバラマン増幅器の利
得ピーク波長より短波長側に設定したものである。
(1)または(2)の光増幅器と、信号光を前記利得波
長帯の異なる光増幅器の利得帯域に応じて分波する分波
器と、該分波器で分波した信号波を合波する合波器を具
備し、前記分波器で分波された信号光を前記光増幅器に
よって利得波長帯毎に増幅し、前記合波器で合波する光
通信システムである。
多重の光ファイバ通信システムの基本構成を図1に示
す。図1に示すように、本発明の光増幅器300は、前
段の半導体レーザ増幅器(SLA)301と後段のラマ
ン増幅器(FRA)302から成る。伝送光ファイバ1
01,102の信号光損失を前記光増幅器の利得で補償
する線形中継の場合を示している。
及び光受信器の入射側に設置する前置光増幅器に関して
も同様のことが成り立つ。入射信号光の波長数(チャネ
ル数)をn、信号光波長をλ1,λ2,…,λn、前記光
増幅器への全入射信号光パワーをPin、全出力信号光パ
ワーをPout、前記光増幅器の利得をGとする。
Aと呼ぶ場合がある)301は、半導体レーザ素子と電
流駆動回路を有する。前記半導体レーザ素子は、利得波
長帯が例えば1.3〜1.7μmの光ファイバの低損失波
長の場合、活性層の組成がInGaAsPのものであ
り、利得波長帯は、InGaAsPの組成比を変えるこ
とで任意に設定できる。また、信号光利得は偏波無依存
化されている。
Aと呼ぶ場合がある)302は、利得媒質としてのラマ
ンファイバ302Aと、前記ラマンファイバ302Aを
励起する励起光源302Bと、励起光と信号光を合波す
る合波器302Cを有する。前記FRA302は、所望
の励起光源波長が得られれば、その励起光源波長に応じ
て任意の利得波長帯が得られる。
A302、及び光増幅器(トータル)300の典型的な
利得飽和特性、すなわち、利得の全信号光出力パワー依
存性を、図2に示す。ただし、SLA301、FRA3
02の未飽和利得が共に約10dB、したがって、光増
幅器(トータル)300の未飽和利得が約20dBの場
合について示している。
まず、SLA301によりその飽和出力パワー以下のパ
ワーレベルまで増幅され、次に、FRA302によりそ
の飽和出力パワー以下のパワーレベルまで増幅される。
したがって、前記光増幅器(トータル)300の飽和出
力は、FRA302のそれと同レベルである。
得が小さくてよいので、一段増幅構成を有しており、構
成部品数が少なく、安価である。SLA301は、一般
に、前記FRA302に比べてかなり安価であるから、
本発明の光増幅器300の価格は、従来技術のFRA2
00に比べてかなり安価である。すなわち、本発明の光
増幅器300は、安価かつ全出力信号光パワーが高いと
いう利点を得る。
301及びFRA302から成り、それぞれの利得波長
帯は、前述のように、任意の波長帯に設定できる。そこ
で、特に、SLA301及びFRA302の利得スペク
トルを、図3に示すように設定すれば、前記光増幅器
(トータル)300の顕著に拡大された利得スペクトル
平坦帯域幅が比較的容易に得られる(参考文献4:増田
他、国際出願 PCT/JP98/00666)。
は、通常、長波長側で大きく、SLA301の利得スペ
クトルは、通常、パラボラ形状を示す。そこで、FRA
302の利得ピーク波長をSLA301の利得ピーク波
長より数10nm長波長側に設定することにより、広い
利得帯域幅が得られる。以下、本発明について、図面を
用いて、本発明による実施形態(実施例)とともに詳細
に説明する。
よる実施形態(実施例)1の概略構成を示す模式図であ
る。図4に示すように、本実施形態1の光増幅器400
は、前段の半導体レーザ増幅器(SLA)401と後段
のラマン増幅器(FRA)402から成る。伝送光ファ
イバ101,102の信号光損失を前記光増幅器400
の利得で補償する線形中継の場合を示している。
る。伝送ファイバ101,102の長さ及び信号光損失
は、それぞれ50km及び約20dBである。前記半導
体レーザ増幅器401は、活性層の組成がInGaAs
Pのものであり、信号光利得は偏波無依存化されてい
る。一方、ラマン増幅器402は、ラマンファイバ40
2Aと励起光源402Bと合波器402Cを有する。
シリカファイバであり、長さ及びモードフィールド直径
はそれぞれ8km及び4.5μmである。前記励起光源
402Bは2個の半導体レーザからの励起光を偏波多重
したものであり、励起光波長及び励起光パワー(ラマン
ファイバ入射値)は、それぞれ1.21μm及び約40
0mWである。前記合波器402Cは、誘電体多層膜フ
ィルターを用いたものである。SLA401及びFRA
402の平坦利得帯域は、ともに約30nmである。し
たがって、前記光増幅器400の平坦波長域も約30n
mであり、信号光のチャネル波長間隔を約1nmとする
と、約30チャネルの信号光を設定できる。
2、及び光増幅器400の利得飽和特性を示している。
SLA401の未飽和利得は約10dB、飽和出力は約
5dBm、FRA402の未飽和利得は約10dB、飽
和出力は約15dBmである。したがって、前記光増幅
器400の未飽和利得は約20dB、飽和出力は約15
dBmであり、全信号光出力パワーを約15dBmに設
定できる。前記のように、安価なSLA401と簡易で
安価な構成のFRA402を用いて、高い全信号光出力
パワーが得られる。
波長を約1.29μmに、FRA402の利得ピーク波
長を約1.34μmに設定したときの利得スペクトルを
示している。前記FRA402の励起光源402Bの励
起光波長は約1.24μmとしている。このとき、前記
光増幅器400の平坦利得は約20dB、平坦利得帯域
幅は約80nmである。したがって、信号光のチャネル
波長間隔を約1nmとすると、約80チャネルの信号光
を設定できる。従来技術では、SLAまたはFRAを単
独で用いているので前記のように、それら光増幅器の平
坦利得帯域幅は約30nmである。したがって、本実施
形態1によれば、従来技術に比べて顕著に拡大された平
坦利得帯域幅が得られる。
ば、構成が簡易であり、かつ、全信号光出力パワーが高
い光増幅器が得られる。また、波長多重方式の場合は、
信号光チャネル間の相互利得変調の生じないシステムを
実現でき、時分割多重の場合には、パターン効果による
劣化が生じないシステムを実現できる。また、光増幅器
は、利得波長帯域可変な半導体レーザ増幅器及びラマン
増幅器から構成されているので、極めて広い波長域(例
えば1.3−1.7μm)で構成可能である。また、半導
体レーザ増幅器の利得ピーク波長をラマン増幅器の利得
ピーク波長より、数10nm短波長側に設定したとき、
平坦利得帯域幅が顕著に拡大された光増幅器が得られ
る。
形態(実施例)2の概略構成を示す模式図である。図7
に示すように、本実施形態2の光増幅器は、前記実施形
態1と類似の光増幅器を3台の光増幅器400A,40
0B,400Cと、分波器501及び合波器502を用
いた、3波長帯の並列接続構成である。光増幅器400
A,400B,400Cの利得波長帯中心波長は、それ
ぞれ1.3μm,1.4μm,1.5μmである。伝送フ
ァイバの長さは80km、信号光損失は1.3μm,1.
4μm,1.5μmでそれぞれ約30dB,25dB,
20dBである。半導体レーザ増幅器(SLA)401
の活性層組成InGaAsPの成分比を変えることによ
り、光増幅器400A,400B,400Cに対してそ
れぞれ異なる利得波長域を与えている。光増幅器400
A,400B,400Cのラマン増幅器402におい
て、励起光源402Bの励起光波長はそれぞれ約1.2
4μm,1.34μm,1.44μmであり、励起光パワ
ーはそれぞれ約400mW,350mW,300mWで
ある。図7の伝送ファイバ101及び102に隣接した
分波器501及び合波器502は、ともに長波長域(ま
たは短波長域)透過特性を有する誘電体多層膜フィルタ
ーを2段に接続したものである。
利得スペクトルを示している。図8(a)及び(b)
は、それぞれ増幅器利得及びネット利得(dB単位での
増幅器利得と伝送ファイバ損失の差)を示している。
1.3μm,1.4μm,1.5μmを中心にそれぞれ約
80nmの平坦利得帯域が得られる。
ば、光増幅器を並列接続することにより、任意の波長域
に、並列接続台数分だけ増倍された総合利得帯域幅が得
られる。さらに、本発明の光増幅器を並列接続すること
により、任意の波長域に、並列接続台数分だけ増倍され
た総合利得帯域幅が得られるという効果もある。
構成が簡易であり、かつ、全信号光出力パワーが高い光
増幅器が得られる。また、波長多重方式の場合は、信号
光チャネル間の相互利得変調の生じないシステムを実現
でき、時分割多重の場合には、パターン効果による劣化
が生じないシステムを実現できる。また、光増幅器は、
利得波長帯域可変な半導体レーザ増幅器及びラマン増幅
器から構成されているので、極めて広い波長域(例えば
1.3−1.7μm)で構成可能である。また、半導体レ
ーザ増幅器の利得ピーク波長をラマン増幅器の利得ピー
ク波長より、数10nm短波長側に設定したとき、平坦
利得帯域幅が顕著に拡大された光増幅器が得られる。ま
た、本発明の光増幅器を並列接続することにより、所定
の波長域に、並列接続台数分だけ増倍された総合利得帯
域幅が得られる。
る。
図である。
す図である。
を示す模式図である。
を示す図である。
ルを示す図である。
を示す模式図である。
示す図、及びネット利得スペクトルを示す図である。
構成を示す図である。
示す図である。
る。
光増幅器:SLA)、101,102…伝送ファイバ、
200,302,402…ラマン増幅器(FRA)、2
01,202,302A,402A…ラマンファイバ、
203,204,302B,402B…励起光源、20
5,206,302C,402C,502…合波器、2
07…光アイソレータ、300,400,400A,4
00B,400C…光増幅器、501…分波器。
Claims (3)
- 【請求項1】半導体光増幅器とファイバラマン増幅器と
を具備し、信号光を前記半導体光増幅器に入射して増幅
し、当該半導体光増幅器の出力信号光をファイバラマン
増幅器に入射し、前記半導体光増幅器で増幅された信号
光をさらに増幅する光増幅器であって、前記半導体光増
幅器において、入力信号光を飽和出力パワー以下まで増
幅し、前記ファイバラマン増幅器において、前記半導体
光増幅器で増幅された信号光を飽和出力パワー以下まで
増幅することを特徴とする光増幅器。 - 【請求項2】前記半導体光増幅器は半導体レーザ増幅器
であり、その利得ピーク波長を、前記ファイバラマン増
幅器の利得ピーク波長より短波長側に設定したことを特
徴とする請求項1に記載の光増幅器。 - 【請求項3】複数の利得波長帯の異なる請求項1または
2に記載の光増幅器と、信号光を前記利得波長帯の異な
る光増幅器の利得帯域に応じて分波する分波器と、該分
波器で分波した信号波を合波する合波器を具備し、前記
分波器で分波された信号光を前記光増幅器によって利得
波長帯毎に増幅し、前記合波器で合波することを特徴と
する光通信システム。
Priority Applications (1)
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JP13941699A JP3573329B2 (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 光増幅器及びそれを用いた光ファイバ通信システム |
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