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JP2000325829A - 自走式破砕機のフィーダ制御装置 - Google Patents

自走式破砕機のフィーダ制御装置

Info

Publication number
JP2000325829A
JP2000325829A JP11143874A JP14387499A JP2000325829A JP 2000325829 A JP2000325829 A JP 2000325829A JP 11143874 A JP11143874 A JP 11143874A JP 14387499 A JP14387499 A JP 14387499A JP 2000325829 A JP2000325829 A JP 2000325829A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
feeder
speed
load
crushing
self
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11143874A
Other languages
English (en)
Inventor
Takatomi Yoshida
孝富 吉田
Katsuyoshi Nasu
且良 那須
Yoshimi Shiba
好美 柴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP11143874A priority Critical patent/JP2000325829A/ja
Publication of JP2000325829A publication Critical patent/JP2000325829A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】クラッシャの過負荷状態時においてもフィーダ
による選別機能を停止させることなく、クラッシャの過
負荷状態解消後に通常破砕作業への速やかな復帰を可能
とし、生産性を向上できるフィーダ制御装置を提供す
る。 【解決手段】ホッパ2から投入された破砕原料を破砕す
るジョークラッシャ3と、ホッパ2に投入された破砕原
料をその粒度に応じて選別する選別機能及び破砕原料を
ジョークラッシャ3へ搬送する搬送機能を備えたグリズ
リフィーダ4とを有する自走式破砕機1に設けられたフ
ィーダ制御装置において、圧力センサ79aで検出され
たジョークラッシャ3の負荷圧力が所定値以上となった
場合に、グリズリフィーダ4を微速で動作させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジョークラッシ
ャ、ロールクラッシャ、シュレッダ等破砕原料を破砕す
る破砕装置、及びこの破砕装置に破砕原料を導入するグ
リズリフィーダを備えた自走式破砕機に関し、更に詳し
くは、破砕装置の過負荷状態時においてもフィーダによ
る選別機能を停止させることなく、過負荷状態解消後に
通常破砕作業への速やかな復帰を可能とすることによ
り、生産性を向上できる自走式破砕機のフィーダ制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】破砕機は、例えばビル解体時に搬出され
るコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファル
ト塊などの建設現場で発生する大小さまざまな岩石・建
設廃材、あるいは産業廃棄物等を、運搬する前にその作
業現場で所定の大きさに破砕することにより、廃材の再
利用、工事の円滑化、コスト削減等を図るものである。
【0003】この破砕機のうち、例えば自走式破砕機
は、左・右の無限軌道履帯を備えた走行体と、その上部
に設けられ、ホッパから投入された破砕原料を破砕装置
へ導くフィーダ、及びフィーダから供給された破砕原料
を所定の大きさに破砕する破砕装置を備えた破砕機本体
と、破砕装置で破砕され小さくなった破砕物を破砕機の
後方に運搬するコンベアと、このコンベアの上方に設け
られコンベア上を運搬中の破砕物に含まれる磁性物を磁
気的に吸引除去する磁選機とを備えている。
【0004】上記構成の自走式破砕機において、破砕作
業時には、破砕機上部のホッパに投入された破砕原料
が、ホッパ下方のフィーダによって破砕装置へ導かれ、
この破砕装置で所定の大きさに破砕される。破砕された
破砕物は、前記破砕装置下部の空間から破砕装置下方の
コンベア上に落下し、このコンベアで運搬される。この
運搬の途中で、コンベア上方に配置された磁選機によっ
て例えばコンクリート塊に混入している鉄筋片等を吸着
して取り除き、大きさがほぼ揃えられて最終的に破砕機
の後部から搬出される。
【0005】上記の動作中に、破砕装置の破砕能力を上
回る圧縮強度の破砕原料が投入されると、破砕装置の負
荷が大きくなり過ぎてしまい、破砕装置の停止や破損を
招く可能性がある。そのため、破砕装置の破砕能力や破
砕状況に応じた適正な破砕原料の供給を行うことが重要
である。
【0006】以上のような観点から、従来より、フィー
ダの供給動作を自動制御する装置が提唱されており、公
知技術としては、例えば、特開平7−116541号公
報がある。この特開平7−116541号公報のフィー
ダ制御装置は、破砕装置を駆動する破砕用油圧モータの
回転数を回転センサで検出し、この油圧モータの負荷が
過大となり回転数が所定値以下に下がった場合には、フ
ィーダを駆動するフィーダ用油圧モータの駆動を停止
し、フィーダによる供給動作を停止させるものである。
【0007】ところで、上記のフィーダには、いくつか
の種類があり、用途や機能に応じて使い分けられる。上
記特開平7−116541号公報に記載のフィーダは、
いわゆるプレートフィーダと称されるものであり、ホッ
パから投入された破砕原料をホッパ下方に設けた略平板
形状の底板に載置し、この底板をフィーダ用油圧モータ
で発生した駆動力に基づきベース駆動機構によって略水
平方向に往復運動させることにより、後続の破砕原料の
投入によって先行の破砕原料を底板上で順次押し出し、
底板の前端から破砕原料を破砕装置へと順次供給するも
のである。このプレートフィーダは、破砕原料の供給量
を大きさ・圧縮強度に応じて高精度に調整したい場合に
好適である。
【0008】一方、ホッパから投入される破砕原料中に
粒度の細かい土砂や砂等が比較的多く含まれている場合
に好適なものとして、例えば特開平5−115809号
公報に記載のいわゆるグリズリフィーダと称されるもの
がある。このグリズリフィーダは、ホッパから投入され
た破砕原料をホッパ下方に設けた複数枚の鋸歯状プレー
トに載置し、この鋸歯状プレートをフィーダ用油圧モー
タで発生した駆動力によって上記プレートフィーダより
も高い振動数で加振することにより、破砕原料中に含ま
れる上記の細かい土砂・砂等を鋸歯状プレートの隙間で
選別して下方に落下させ排出しつつ破砕原料を順次破砕
装置側に移送し、選別が終了した後の破砕原料を最終的
に破砕装置に搬送供給するものである。すなわち、この
グリズリフィーダは、破砕原料を選別する選別機能と、
破砕原料を破砕装置に搬送する搬送機能との2つの機能
を併せ持っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平7−116
541号公報のフィーダ制御装置は、破砕原料による破
砕装置への負荷が過大となった場合に、フィーダの動作
を停止させるものである。
【0010】しかしながら、この従来技術を、上記グリ
ズリフィーダの制御に適用した場合には、以下のような
課題がある。
【0011】すなわち、前述のようにグリズリフィーダ
には搬送機能と選別機能との2つの機能が備えられてい
るが、フィーダの動作を停止させると、これら両方の機
能が失われてしまう。破砕装置への過負荷を防止するた
めであれば、本来、上記2つの機能のうち、搬送機能の
みを停止させれば足り、選別機能については停止させる
必要はないはずである。にもかかわらず、この場合、破
砕原料の過負荷状態が検出されたことに応じてそれら両
方の機能を停止させるため、過負荷状態が解消し破砕原
料の供給を再開するときに、改めて破砕原料の選別から
開始しなければならない。その分、破砕原料の破砕装置
への供給が遅れるため、通常破砕作業への速やかな復帰
が困難となり、生産性向上の妨げとなる。
【0012】そこで、本願発明者等は、グリズリフィー
ダの上記2つの機能のうち、搬送機能のみを停止させる
と共に選別機能を停止させないためには、グリズリフィ
ーダを停止寸前の微速で動作させる(すなわち上記鋸歯
状プレートを極めて小さな振動数で加振する)ことが有
効であることを見いだした。
【0013】本発明は上記の事柄に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、グリズリフィーダによる破砕装置
への破砕原料供給を制御する自走式破砕機のフィーダの
制御装置において、破砕装置の過負荷状態時においても
フィーダによる選別機能を停止させることなく、過負荷
状態解消後に通常破砕作業への速やかな復帰を可能とす
ることにより、生産性を向上できる構成を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、ホッパから投入された破砕原料を
破砕する破砕装置と、前記ホッパに投入された破砕原料
をその粒度に応じて選別する選別機能及び前記破砕原料
を前記破砕装置へ搬送する搬送機能を備えたグリズリフ
ィーダとを有する自走式破砕機に設けられ、前記破砕装
置の負荷を検出する負荷検出手段と、この負荷検出手段
の検出信号に応じて前記グリズリフィーダの動作速度を
制御する速度制御手段とを有する自走式破砕機のフィー
ダ制御装置において、前記速度制御手段は、前記負荷検
出手段で検出された前記破砕装置の負荷が所定値以上と
なった場合に、前記グリズリフィーダを微速で動作させ
る微速制御手段を備える。
【0015】ホッパに投入された破砕原料は、グリズリ
フィーダによってその粒度に応じて選別されつつ破砕装
置へと搬送される。すなわち、投入破砕原料中の所定粒
度より小さなものが、例えば油圧モータの駆動力で加振
される鋸歯状プレートの間隙から抽出されてふるい落と
される一方、鋸歯状プレート上に残った所定粒度以上の
ものが加振によって徐々に破砕装置側へと移送され、破
砕装置に供給されて所定の大きさに破砕される。このと
き、負荷検出手段が破砕装置の負荷を検出し、その検出
信号が所定値以上になった場合には、速度制御手段に設
けられた微速制御手段がグリズリフィーダを減速し、例
えば停止寸前の微速で動作させる。この微速動作状態で
は、グリズリフィーダの破砕原料の搬送機能はなくなる
ため、破砕装置への破砕原料の供給を停止できる。した
がって、破砕原料による破砕装置の負荷が過大となるの
を防止し、破砕装置の停止や破損を未然に防止できる。
【0016】一方この微速動作状態では、上記のように
グリズリフィーダの搬送機能はなくなっていることから
フィーダ上には搬送されない破砕原料が残存している状
態となるが、選別機能はまだ残っているため、破砕原料
中に含まれる例えば細かい土砂・砂等を選別し、排出す
ることができる。したがって、フィーダ上には、選別が
既に終了しあとは破砕装置への搬送・投入を待つばかり
となった破砕原料が貯留することとなる。これにより、
負荷検出手段の検出信号が再び所定値未満となり、速度
制御手段がグリズリフィーダに通常速度の供給動作を再
開させたとき、フィーダ上の破砕原料を素早く破砕装置
へ搬送・投入し破砕を直ちに再開することができる。
【0017】これに対して、破砕原料による破砕装置の
負荷過大に応じてグリズリフィーダを完全に停止させた
場合には、グリズリフィーダの通常供給動作を再開した
とき、フィーダ上に残存している破砕原料を選別しなが
ら破砕装置へ搬送しなければならないため、上記本発明
の場合に比べて、破砕装置への投入開始時期が遅くな
る。
【0018】以上のように、本発明においては、フィー
ダを完全に停止させた場合に比べ、グリズリフィーダ上
の破砕原料の選別が既に終了している分、速やかに通常
破砕作業へ復帰することができる。したがって、生産性
を向上できる。
【0019】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記グリズリフィーダは、前記ホッパから投入された破
砕原料を載置する鋸歯状プレートと、この鋸歯状プレー
トを加振するための駆動力を発生する油圧モータとを備
えており、前記微速制御手段は、前記負荷検出手段で検
出された前記破砕装置の負荷が所定値以上となった場合
に、前記油圧モータを微速で回転させる。
【0020】(3)上記(1)又は(2)において、ま
た好ましくは、前記微速制御手段は、前記微速として、
前記グリズリフィーダの前記搬送機能は失われるが前記
選別機能は失われないような動作速度となるように制御
する。
【0021】(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つ
において、また好ましくは、前記微速制御手段は、前記
負荷検出手段で検出された前記破砕装置の負荷が所定値
以上となった場合に、前記グリズリフィーダを微速で動
作させるか若しくは前記グリズリフィーダを停止させる
かを選択的に切換可能となっている。
【0022】上記(1)で説明したように、通常破砕作
業への速やかな復帰により生産性向上を図る場合にはグ
リズリフィーダの微速動作を行うのがよいが、作業事情
によっては、破砕装置の保護の万全を期すことを優先
し、グリズリフィーダを停止させたい場合もあり得る。
本発明においては、微速動作とするか停止させるかを選
択可能とすることにより、これらのニーズに幅広く対応
可能とすることができる。
【0023】(5)上記(1)〜(3)のいずれか1つ
において、また好ましくは、前記微速制御手段は、前記
負荷検出手段で検出された前記破砕装置の負荷が前記所
定値以上となったかどうかを判定する負荷判定手段と、
この負荷判定手段での判定が満たされた場合には、前記
グリズリフィーダを微速で動作させる信号を出力する微
速信号出力手段とを有する。
【0024】(6)上記(5)において、さらに好まし
くは、前記微速信号出力手段は、前記負荷判定手段の判
定が満たされた状態が所定の時間継続した場合に、前記
グリズリフィーダを微速で動作させる信号を出力する。
【0025】負荷判定手段の判定が満たされて直ちにグ
リズリフィーダを微速動作させ破砕原料の供給を停止す
ると、この停止直後に再び負荷が減少して過負荷状態が
解消されてフィーダ動作が通常速度に復帰し、これ以降
フィーダ微速動作と通常動作復帰とを繰り返す不安定な
制御状態(いわゆるハンチング)となる可能性がある。
本発明においては、過負荷状態が所定の時間継続してか
ら微速信号出力手段がフィーダの動作を微速とする信号
を出力することにより、過負荷状態がある程度継続した
場合のみ破砕原料の供給を停止する。これにより、制御
上の安定性を向上することができる。
【0026】(7)上記(6)において、さらに好まし
くは、前記微速信号出力手段は、前記負荷判定手段の判
定が満たされた状態が前記所定の時間を超えてさらに継
続した場合には、その継続した時間に応じ、前記微速よ
りもさらに小さな速度で前記グリズリフィーダを動作さ
せる信号を出力する。
【0027】これにより、さらにきめ細かな破砕原料供
給制御を行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自走式破砕機に適
用した場合の一実施の形態を図面を用いて説明する。図
1は、本発明の一実施の形態が適用される自走式破砕機
の全体構造を表す側面図であり、図2は、図1に示した
自走式破砕機の上面図であり、図3は、図1中III−III
断面で見た断面図である。
【0029】これら図1〜図3において、自走式破砕機
1は、近年の廃棄物再利用促進の背景に基づく小型化の
ニーズに対応し、例えば総重量が10トン程度になって
おり、10トン積みのトラック(好ましくはトレーラで
ない単車型のトラック)に積載し運搬可能で輸送性を向
上させたものとなっている。
【0030】この自走式破砕機1は、例えば油圧ショベ
ルのバケット等の作業具により破砕原料が投入され、そ
の破砕原料を受け入れるホッパ2、側断面形状が略V字
形をなしホッパ2に受け入れた破砕原料を所定の大きさ
に破砕する破砕装置、例えばジョークラッシャ3、及び
ホッパ2に受け入れた破砕原料をジョークラッシャ3へ
と搬送し導くフィーダ4を備えた破砕機本体7と、ジョ
ークラッシャ3で破砕され小さくなった破砕物を破砕機
1の後方側(図1及び図2中右側)に運搬し搬出するコ
ンベア5と、及びこのコンベア5の上方に設けられコン
ベア5上を運搬中の破砕物に含まれる磁性物を磁気的に
吸引除去する磁選機6と、前記の破砕機本体7の下方に
設けられ左・右の無限軌道履帯8a及びトラックフレー
ム9を備えた走行体8とを有する。
【0031】ホッパ2及びフィーダ4は、トラックフレ
ーム9の長手方向前方側(詳細にはトラックフレーム9
の破砕機取付け部9Aの長手方向前方側、すなわち図1
及び図2中左側)端部の上方に搭載されている。
【0032】ジョークラッシャ3は、ホッパ2及びフィ
ーダ4よりも後方側(図1及び図2中右側)に位置して
おり、図1及び図2に示すように、トラックフレーム9
の長手方向(図1及び図2中左右方向)中間部上に搭載
されている。このとき、クラッシャ用油圧モータ10で
発生した駆動力をベルト11を介してフライホイール1
2に伝達し、さらにフライホイール12に伝達された駆
動力を公知の変換機構で動歯3a(図2参照)の揺動運
動に変換し、この動歯3aを固定歯3b(同)に対して
前後に揺動させることにより、フィーダ4より供給され
た破砕原料を所定の大きさに破砕するようになってい
る。また、このジョークラッシャ3の上方及び側方はハ
ウジング13に覆われているが、ハウジング13の上側
部分には開閉可能なカバー14が設けられ、これを開く
ことにより図2に示すように上方(直上方及び側方側・
前後方向側上方を含む)からジョークラッシャ3内部を
視認できるようになっている。
【0033】フィーダ4は、図1及び図2に示すよう
に、トラックフレーム9の長手方向(図1及び図2中左
右方向)前方側(図1及び図2中左側)端部に支柱16
aを介して設けたフィーダフレーム16上に搭載されて
おり、その略直上にホッパ2が位置している。このフィ
ーダ4は、いわゆるグリズリフィーダと称されるもので
あり、フィーダ用油圧モータ15で発生した駆動力によ
って、ホッパ2からの破砕原料を載置する少なくとも1
枚(この例では2枚)の鋸歯状プレート4aを含む底板
部を加振する。これによってホッパ2に投入された破砕
原料を順次ジョークラッシャ3に搬送供給する(=搬送
機能)とともに、その搬送中において破砕原料に付着し
た細かい土砂等を鋸歯状プレート4aの鋸歯の隙間から
下方に落下させ、シュート4bを介しコンベア5上に導
くようになっている。すなわち、鋸歯状プレート4aの
鋸歯の隙間の大きさよりも小さな粒度の破砕原料をふる
い落とすことにより、上記隙間の大きさ以上の粒度の破
砕原料を選別するという選別機能も併せて備えている。
【0034】コンベア5は、コンベア用油圧モータ17
によってベルト5aを駆動し、これによってジョークラ
ッシャ3からベルト5a上に落下してきた破砕物を運搬
するようになっている。
【0035】磁選機6は、支持部材6bを介し、前述の
パワーユニット32に取り付けられており、前記のコン
ベアベルト5aの上方にこのコンベアベルト5aと略直
交するように配置された磁選機ベルト6aを、磁選機用
油圧モータ18によって磁力発生手段(図示せず)まわ
りに駆動することにより、磁力発生手段からの磁力をベ
ルト6a越しに作用させて磁性物をベルト6aに吸着さ
せた後、コンベアベルト5aと略直交する方向に運搬し
てそのコンベアベルト5aの側方に落下させるようにな
っている。
【0036】無限軌道履帯8aはそれぞれ、走行体8に
設けられた駆動輪19とアイドラ20との間に掛け渡さ
れており、駆動輪19側に設けられた左・右走行用油圧
モータ21,22(22は後述の図4参照)によって駆
動力が与えられることにより破砕機1を走行させるよう
になっている。
【0037】トラックフレーム9は、略長方形の枠体に
よって形成された上記破砕機取付け部9Aと、この破砕
機取付け部9Aの下方に設けられ、左・右下部に前記無
限軌道履帯8aを設けた脚部9Bとから構成されてい
る。そして、トラックフレーム破砕機取付け部9Aの長
手方向後方側(図1,図2中右側)端部の上部には、パ
ワーユニット32の基礎下部構造をなすパワーユニット
フレーム32aを搭載している(図1参照)。
【0038】パワーユニット32は、前述のようにトラ
ックフレーム破砕機取付け部9Aの長手方向後方側(図
1及び図2中右側)端部に設けられ、ジョークラッシャ
3よりさらに後方側(図1及び図2中右側)に位置して
いる。そして、前記のクラッシャ用油圧モータ10、フ
ィーダ用油圧モータ15、コンベア用油圧モータ17、
磁選機用油圧モータ18、左・右走行用油圧モータ2
1,22等の油圧アクチュエータへの圧油を吐出する油
圧ポンプ44,45(後述の図6参照)と、前記油圧ポ
ンプ44,45を駆動する原動機としてのエンジン43
(同)と、これら油圧ポンプ44,45から前記油圧ア
クチュエータへ供給される圧油の方向・流量を制御する
第1及び第2弁グループ57,59(同)を備えたコン
トロールバルブ装置(図示せず)と、給油口34aを備
えた前記エンジン43の燃料タンク34と、給油口35
を備えた作動油タンク35とを内蔵している。
【0039】このパワーユニット32において、エンジ
ンカバー36の下方にあるエンジン43を起動すると、
上記のように油圧ポンプ44,45が駆動される。その
一方、その駆動力によって、エンジン43の冷却風(後
述する)上流側に設けたファン(図示せず)が回転し、
外部の空気が吸気孔37からパワーユニット32内部空
間に導入され、冷却風となってラジエータ(図2にその
冷却水点検口38を示す)を冷却した後、ファンに流入
する。さらにファンから吹き出された冷却風は、エンジ
ン43、マフラ(図示せず)、油圧ポンプ44,45等
を冷却した後、排気孔39から大気放出される。またこ
のとき、エンジン43からの排気ガスは、エンジン43
の排気マニホールド(図示せず)からマフラに流入して
消音された後、マフラに接続された排気ガス管40から
大気中に放出される。なお41は、エンジン43への吸
入空気を清浄化するエアクリーナの吸入口である。
【0040】また、パワーユニット32の前方側(図2
中左側)には、操作者が搭乗する運転席42が併設され
ており、操作者がこの運転席42に立つ(図1参照)こ
とにより、破砕作業中においてフィーダ4による破砕原
料の供給状況やジョークラッシャ3による破砕状況を監
視することができるようになっている。なお、前記のト
ラックフレーム破砕機取付け部9Aには、前記運転席4
2への乗り降りのための足場となる補助ステップ9Aa
が取り付けられている。
【0041】ここで、上記ジョークラッシャ3、フィー
ダ4、コンベア5、磁選機6、及び走行体8は、この自
走式破砕機1に備えられる油圧駆動装置によって駆動さ
れる被駆動部材を構成している。
【0042】図4、図5、及び図6は、図1に示した自
走式破砕機1に備えられたその油圧駆動装置を表す油圧
回路図である。
【0043】これら図4〜図6において、油圧駆動装置
は、エンジン43と、このエンジン43によって駆動さ
れる可変容量型の第1油圧ポンプ44及び第2油圧ポン
プ45と、同様にエンジン43によって駆動される固定
容量型のパイロットポンプ46と、第1及び第2油圧ポ
ンプ44,45から吐出される圧油がそれぞれ供給され
る前記油圧モータ10,15,17,18,21,22
と、第1及び第2油圧ポンプ44,45からそれら油圧
モータ10,15,17,18,21,22に供給され
る圧油の流れ(方向及び流量、若しくは流量のみ)を制
御する5つのコントロールバルブ47,48,49,5
0,51と、前記の運転席42に設けられ(図1参
照)、左・右走行用コントロールバルブ48,49(後
述)をそれぞれ手動で切り換え操作するための左・右走
行用操作レバー52,53と、破砕機本体7のいずれか
(例えば前記の運転席42内)に設けられ、ジョークラ
ッシャ3、フィーダ4、コンベア5、及び磁選機6の始
動・停止を操作者が指示入力して操作するための操作盤
55とを有している。
【0044】6つの油圧モータ10,15,17,1
8,21,22は、前述のように、フィーダ4動作用の
駆動力を発生する上記フィーダ用油圧モータ15、ジョ
ークラッシャ3動作用の駆動力を発生する上記破砕用油
圧モータ10、コンベア5動作用の駆動力を発生する上
記コンベア用油圧モータ17、磁選機6動作用の駆動力
を発生する上記磁選機用油圧モータ18、及び左・右無
限軌道履帯8aへの駆動力を発生する上記左・右走行油
圧モータ21,22とから構成されている。
【0045】コントロールバルブ47〜51は、2位置
切換弁又は3位置切換弁であり、破砕用油圧モータ10
に接続された破砕用コントロールバルブ47と、左走行
油圧モータ21に接続された左走行用コントロールバル
ブ48と、右走行油圧モータ22に接続された右走行用
コントロールバルブ49と、フィーダ用油圧モータ15
に接続されたフィーダ用コントロールバルブ50と、コ
ンベア用油圧モータ17及び磁選機用油圧モータ18に
接続されたコンベア・磁選機用コントロールバルブ51
とから構成されている。
【0046】第1及び第2油圧ポンプ44,45のう
ち、第1油圧ポンプ44は、左走行用コントロールバル
ブ48及び破砕用コントロールバルブ47を介して左走
行用油圧モータ21及び破砕用油圧モータ10へ供給す
るための圧油を吐出するようになっている。これらコン
トロールバルブ47,48はいずれも、対応する油圧モ
ータ10,21への圧油の方向及び流量を制御可能な3
位置切換弁となっており、第1油圧ポンプ44の吐出管
路56に接続されたセンターライン57aを備え1つの
バルブユニットとして形成された第1弁グループ57に
おいて、上流側から、左走行用コントロールバルブ4
8、破砕用コントロールバルブ47の順序で配置されて
いる。なお、センターライン57aは、最下流側の破砕
用コントロールバルブ47の下流側で閉止されている。
【0047】左走行用コントロールバルブ48は、前述
のように操作レバー52を用いて操作される手動操作弁
である。例えば運転席42において操作レバー52を前
方(又は後方、以下、対応関係同じ)に操作すると、こ
の動きが、操作レバー52に接続されたワイヤーロープ
(図示せず)を介しコントロールバルブ48のスプール
(図示せず)に伝達され、コントロールバルブ48が図
5中下方の切換位置48A(又は図5中上方の切換位置
48B)に切り換えられる。これにより、センターライ
ン57aからの圧油は、切換位置48A(又は切換位置
48B)に備えられた絞り手段48Aa(又は絞り手段
48Ba)から、これに接続する管路62、この管路6
2に設けられた圧力制御弁63(詳細は後述)、切換位
置48Aに備えられたポート48Ab(又は切換位置4
8Bに備えられたポート48Bb)、及びこのポート4
8Ab(又はポート48Bb)に接続する前進用供給管
路64(又は後進用供給管路65)を経て、左走行用油
圧モータ21に供給され、このモータ21が順方向(又
は逆方向)に駆動される。操作レバー52を中立位置に
戻すと、コントロールバルブ48がばね48Ac,48
Bcの付勢力で図5に示す中立位置に復帰し、センター
ライン57aと前進用供給管路64及び後進用供給管路
65は遮断され、これによって左走行用油圧モータ21
は停止する。
【0048】破砕用コントロールバルブ47は、その駆
動部47a,47bに、パイロット管路72,73,7
4a,74bを介してパイロットポンプ46からのパイ
ロット圧がそれぞれ導かれる。このときその駆動部47
a,47bには、コントローラ75からの駆動信号Scr
で駆動されるソレノイド制御弁76a,76bがそれぞ
れ設けられている。これらソレノイド制御弁76a,7
6bはその駆動信号Scrの入力に応じて切り換えられ、
パイロット管路74a,74bからのパイロット圧を駆
動部47a,47bに導くようになっている。すなわ
ち、駆動信号Scrがジョークラッシャ3の正転(又は逆
転、以下、対応関係同じ)に対応する信号になると、ソ
レノイド制御弁76a(又はソレノイド制御弁76b)
が開き状態になると共にソレノイド制御弁76b(又は
ソレノイド制御弁76a)が閉じ状態に駆動され、パイ
ロットポンプ46からのパイロット圧を駆動部47a
(又は駆動部47b)に導き、これによって破砕用コン
トロールバルブ47が図5中下側の切換位置47A(又
は上側の切換位置47B)に切り換えられる。
【0049】これにより、センターライン57aからの
圧油は、切換位置47A(又は切換位置47B)に備え
られた絞り手段47Aa(又は絞り手段47Ba)か
ら、これに接続する管路77、この管路77に設けられ
た圧力制御弁78(詳細は後述)、切換位置47Aに備
えられたポート47Ab(又は切換位置47Bに備えら
れたポート47Bb)、及びこのポート47Ab(又は
ポート47Bb)に接続する正転用供給管路79(又は
後進用供給管路80)を経て、破砕用油圧モータ10に
供給され、このモータ10が順方向(又は逆方向)に駆
動される。なお、正転用供給管路79には、この正転時
の破砕用油圧モータ10の負荷圧力Pcrを検出する圧力
センサ79aが併設され、その検出信号はコントローラ
75に入力されている。
【0050】駆動信号Scrがジョークラッシャ3の停止
に対応する信号になると、ソレノイド制御弁76a,7
6bはともに閉じ状態に駆動され、コントロールバルブ
47がばね47Ac,47Bcの付勢力で図5に示す中
立位置に復帰し、破砕用油圧モータ10は停止する。
【0051】ここで、前述した管路62,77に設けた
圧力制御弁63,78に係わる機能について説明する。
【0052】左走行用コントロールバルブ48の切換位
置48Aの前記ポート48Ab(又は切換位置48Bの
ポート48Bb)、及び破砕用コントロールバルブ47
の切換位置47Aのポート47Ab(又は切換位置47
Bのポート47Bb)には、それぞれ、対応する左走行
用油圧モータ21、破砕用油圧モータ10の負荷圧力を
それぞれ検出するための負荷検出ポート48Ad(又は
負荷検出ポート48Bd)、負荷検出ポート47Ad
(又は負荷検出ポート47Bd)が連通されている。こ
のとき、負荷検出ポート48Ad(又は負荷検出ポート
48Bd)は負荷検出管路81に接続しており、負荷検
出ポート47Ad(又は負荷検出ポート47Bd)は負
荷検出管路83に接続している。
【0053】ここで、左走行用油圧モータ21の負荷圧
力が導かれる前記負荷検出管路81と、破砕用油圧モー
タ10の負荷圧力が導かれる前記負荷検出管路83と
は、シャトル弁86を介して最大負荷検出管路87に接
続され、シャトル弁86で選択された高圧側の負荷圧力
が最大負荷圧力として最大負荷検出管路87に導かれる
ようになっている。
【0054】そして、この最大負荷検出管路87に導か
れた最大負荷圧力は、最大負荷検出管路87に接続する
管路88,89及び管路91を介して、対応する前記圧
力制御弁63,78の一方側にそれぞれ伝達される。こ
のとき、圧力制御弁63,78の他方側には前記の管路
62,77内の圧力、すなわち絞り手段48Aa,47
Aa(又は48Ba,47Ba)の下流側圧力が導かれ
ている。
【0055】以上により、圧力制御弁63,78は、コ
ントロールバルブ48,47の絞り手段48Aa,47
Aa(又は48Ba,47Ba)の下流側圧力と、左走
行用油圧モータ21及び破砕用油圧モータ10のうちの
最大負荷圧力との差圧に応答して作動し、各油圧モータ
21,10の負荷圧力の変化にかかわらず、前記の差圧
を一定値に保持するようになっている。すなわち、絞り
手段48Aa,47Aa(又は48Ba,47Ba)の
下流側圧力を、前記の最大負荷圧力よりもばね63a,
78aによる設定圧分だけ高くするようになっている。
【0056】一方、第1油圧ポンプ44の吐出管路56
に接続したセンターライン57aから分岐した管路92
には、ばね93aを備えたアンロード弁93が設けられ
ている。このアンロード弁93の一方側には、最大負荷
検出管路87、前記の管路88、及びこの管路88に接
続した管路94を介し、最大負荷圧力が導かれており、
またアンロード弁93の他方側には、管路92内の圧力
(すなわち第1油圧ポンプ44の吐出圧)が導かれてい
る。これにより、アンロード弁93は、管路92及びセ
ンターライン57a内に導かれる第1油圧ポンプ44の
吐出圧を、前記の最大負荷圧力よりもばね93aによる
設定圧分だけ高くするようになっている。なお、管路9
2のアンロード弁93より下流側はタンクライン35a
を介してタンク35に接続されているが、その管路92
下流側と、最大負荷圧力が導かれる前記の管路94との
間にはリリーフ弁97が設けられ、前記の最大負荷検出
管路87及び管路88,89,91,94内の最大圧力
をばね97aの設定圧以下に制限し、回路保護を図るよ
うになっている。
【0057】以上説明した、圧力制御弁63,78によ
る絞り手段48Aa,47Aa(又は48Ba,47B
a)の下流側圧力と最大負荷圧力との間の制御、及びア
ンロード弁93による第1油圧ポンプ44吐出圧と最大
負荷圧力との間の制御により、結果として、第1油圧ポ
ンプ44の吐出圧と、絞り手段48Aa,47Aa(又
は48Ba,47Ba)の下流側圧力との差が、一定に
保持されることとなる。すなわち、絞り手段48Aa,
47Aa(又は48Ba,47Ba)の前後差圧を一定
とする圧力補償機能を果たすこととなる。これにより、
各油圧モータ21,10の負荷圧力の変化にかかわら
ず、コントロールバルブ48,47の開度に応じた流量
の圧油を対応する油圧モータに供給できるようになって
いる。
【0058】一方、第1及び第2油圧ポンプ44,45
のうち、第2油圧ポンプ45は、右走行用コントロール
バルブ49、コンベア・磁選機用コントロールバルブ5
1及びフィーダ用コントロールバルブ50を介し、右走
行用油圧モータ22と、コンベア用油圧モータ17及び
磁選機用油圧モータ18と、フィーダ用油圧モータ15
とへ供給するための圧油を吐出するようになっている。
これらコントロールバルブ49,51,50のうち右走
行用コントロールバルブ49は、対応する右走行用油圧
モータ22への圧油の方向及び流量を制御可能な3位置
切換弁となっており、コンベア・磁選機用コントロール
バルブ51及びフィーダ用コントロールバルブ50はい
ずれも、対応するコンベア用油圧モータ17及び磁選機
用油圧モータ18、フィーダ用油圧モータ15への圧油
の流量を制御可能な2位置切換弁となっている。そし
て、第2油圧ポンプ45の吐出管路58に接続されたセ
ンターライン59aを備え1つのバルブユニットとして
形成された第2弁グループ59において、上流側から、
右走行用コントロールバルブ49、コンベア・磁選機用
コントロールバルブ51、フィーダ用コントロールバル
ブ50の順序で配置されている。なお、センターライン
59aは、最下流側のフィーダ用コントロールバルブ5
0の下流側で閉止されている。
【0059】右走行用コントロールバルブ49は、上記
左走行用コントロールバルブ48同様、操作レバー53
を用いて操作される手動操作弁である。すなわち、操作
レバー53の操作がワイヤーロープを介してコントロー
ルバルブ49のスプールに伝達され、図4中下方の切換
位置49A(又は上方の49B)に切り換えられる。セ
ンターライン57aからの圧油は、切換位置49A(又
は切換位置49B)の絞り手段49Aa(又は絞り手段
49Ba)から、管路68、圧力制御弁69(詳細は後
述)、ポート49Ab(又はポート49Bb)、及び前
進用供給管路70(又は後進用供給管路71)を経て、
右走行用油圧モータ22に供給され順方向(又は逆方
向)に駆動される。操作レバー53を中立位置に戻すと
コントロールバルブ49がばね49Ac,49Bcの付
勢力で図4に示す中立位置に復帰し、右走行用油圧モー
タ22は停止する。
【0060】フィーダ用コントロールバルブ50は、そ
の駆動部50aに、前記のパイロット管路72,11
7、及びパイロット管路124を介してパイロットポン
プ46からのパイロット圧が導かれる。このときその駆
動部50aには、コントローラ75からの駆動信号Sf
で駆動されるソレノイド制御弁125が設けられてい
る。このソレノイド制御弁125はその駆動信号Sfの
入力に応じて切り換えられ、パイロット管路124から
のパイロット圧を駆動部50aに導くようになってい
る。すなわち、駆動信号Sfがフィーダ4を動作させる
ON信号になると、ソレノイド制御弁125が開き状態
に駆動され、パイロットポンプ46からのパイロット圧
を駆動部50aに導き、これによってフィーダ用コント
ロールバルブ50が図4中下側の連通位置50Aに切り
換えられる。これにより、センターライン59aからの
圧油は、切換位置50Aに備えられた絞り手段50Aa
から、これに接続する管路126、この管路126に設
けられた圧力制御弁127(詳細は後述)、切換位置5
0Aに備えられたポート50Ab、及びこのポート50
Abに接続する供給管路128を経て、フィーダ用油圧
モータ15に供給され、この油圧モータ15が駆動され
る。駆動信号Sfがフィーダ4の停止に対応するOFF
信号になると、ソレノイド制御弁125は閉じ状態に駆
動され、コントロールバルブ50がばね50bの付勢力
で図4に示す遮断位置に復帰し、フィーダ用油圧モータ
15は停止する。
【0061】コンベア・磁選機用コントロールバルブ5
1は、上記フィーダ用コントロールバルブ50同様、そ
の駆動部51aに前記パイロット管路124を介しパイ
ロット圧が導かれ、駆動部51aにはコントローラ75
からの駆動信号Scomで駆動されるソレノイド制御弁1
29が設けられる。ソレノイド制御弁129は、駆動信
号Scomがコンベア5及び磁選機6を動作させるON信
号になると、開き状態に駆動され、パイロットポンプ4
6からのパイロット圧を駆動部51aに導き、これによ
ってコンベア・磁選機用コントロールバルブ51が図4
中下側の連通位置51Aに切り換えられる。これによ
り、センターライン59aからの圧油が、切換位置51
Aの絞り手段51Aaから、管路130、圧力制御弁1
31(詳細は後述)、切換位置51Aのポート51A
b、及びこのポート51Abに接続するコンベア用供給
管路132を介しコンベア用油圧モータ17に供給さ
れ、さらに磁選機用供給管路133を介し磁選機用油圧
モータ18に供給され、それら油圧モータ17,18が
ともに駆動される。なお、コンベア用供給管路132に
は、このときのコンベア用油圧モータ17の負荷圧力P
coを検出する圧力センサ132aが併設され、その検出
信号はコントローラ75に入力されている駆動信号Sco
mがコンベア5及び磁選機6の停止に対応するOFF信
号になると、ソレノイド制御弁129は閉じ状態に駆動
され、コントロールバルブ51がばね51bの付勢力で
図4に示す遮断位置に復帰し、コンベア用油圧モータ1
7及び磁選機用油圧モータ18は停止する。
【0062】なお、前記管路68,126,130に設
けた前記圧力制御弁69,127,131に係わる機能
は、前述した第1弁グループ57の圧力制御弁63,6
9,78とほぼ同様である。すなわち、右走行用コント
ロールバルブ49の切換位置49A(又は49B、以
下、対応関係同じ)の前記ポート49Ab(又は49B
b)、フィーダ用コントロールバルブ50の連通位置5
0Aの前記ポート50Ab、及びコンベア・磁選機用コ
ントロールバルブ51の連通位置51Aの前記ポート5
1Abには、それぞれ、対応する右走行用油圧モータ2
2、フィーダ用油圧モータ15、コンベア用油圧モータ
17及び磁選機用油圧モータ18の負荷圧力をそれぞれ
検出するための負荷検出ポート49Ad(又は49B
d)、負荷検出ポート50Ac、負荷検出ポート51A
cが連通されている。このとき、負荷検出ポート49A
d(又は49Bd)は、負荷検出管路82に接続してお
り、負荷検出ポート50Acは負荷検出管路134に接
続しており、負荷検出ポート51Acは負荷検出管路1
35に接続している。
【0063】ここで、右走行用モータ22の負荷圧力が
導かれる前記負荷検出管路82と、コンベア用油圧モー
タ17及び磁選機用油圧モータ18の負荷圧力が導かれ
る前記負荷検出管路135とは、さらにシャトル弁84
を介して負荷検出管路85に接続され、シャトル弁84
を介して選択された高圧側の負荷圧力はこの負荷検出管
路85に導かれるようになっている。そして、この負荷
検出管路85と、フィーダ用油圧モータ15の負荷圧力
が導かれる前記負荷検出管路134とは、さらにシャト
ル弁136を介して最大負荷検出管路137に接続さ
れ、シャトル弁136を介して選択された高圧側の最大
負荷圧力はこの最大負荷検出管路137に導かれるよう
になっている。
【0064】そして、この最大負荷検出管路137に導
かれた最大負荷圧力は、最大負荷検出管路137に接続
する管路138,140及び管路90を介して、対応す
る前記圧力制御弁127,131,69の一方側にそれ
ぞれ伝達される。このとき、圧力制御弁127,13
1,69の他方側には前記の管路126,130,68
内の圧力、すなわち絞り手段50Aa,51Aa,49
Aa(又は49Ab)の下流側圧力が導かれている。
【0065】以上により、圧力制御弁127,131,
69は、コントロールバルブ50,51,49の絞り手
段50Aa,51Aa,49Aa(又は49Ab)の下
流側圧力と、フィーダ用油圧モータ15、コンベア用油
圧モータ17及び磁選機用油圧モータ18、右走行用油
圧モータ22のうちの最大負荷圧力との差圧に応答して
作動し、各油圧モータ15,17,18,22の負荷圧
力の変化にかかわらず、前記の差圧を一定値に保持する
ようになっている。すなわち、絞り手段50Aa,51
Aa,49Aa(又は49Ba)の下流側圧力を、前記
の最大負荷圧力よりもばね127a,131a,69a
による設定圧分だけ高くするようになっている。
【0066】一方、第2油圧ポンプ45の吐出管路58
に接続したセンターライン59aから分岐した管路14
1には、ばね142aを備えたアンロード弁142が設
けられている。このアンロード弁142の一方側には、
最大負荷検出管路137、前記の管路139、及びこの
管路139に接続した管路143を介し、最大負荷圧力
が導かれており、またアンロード弁142の他方側に
は、管路141内の圧力(すなわち第2油圧ポンプ45
の吐出圧)が導かれている。これにより、アンロード弁
142は、管路141及びセンターライン59a内に導
かれる第2油圧ポンプ45の吐出圧を、前記の最大負荷
圧力よりもばね142aによる設定圧分だけ高くするよ
うになっている。なお、管路141のアンロード弁14
2より下流側はタンクライン35bを介してタンク35
に接続されているが、その管路141下流側と、最大負
荷圧力が導かれる前記の管路139との間にはリリーフ
弁144が設けられ、前記の最大負荷検出管路137及
び管路138,139,140,90,143内の最大
圧力をばね144aの設定圧以下に制限し、回路保護を
図るようになっている。
【0067】以上説明した、圧力制御弁127,13
1,69による絞り手段50Aa,51Aa,49Aa
(又は49Ba)の下流側圧力と最大負荷圧力との間の
制御、及びアンロード弁142による第2油圧ポンプ4
5吐出圧と最大負荷圧力との間の制御により、結果とし
て、第2油圧ポンプ45の吐出圧と、絞り手段50A
a,51Aa,49Aa(又は49Ba)の下流側圧力
との差が、一定に保持されることとなる。すなわち、絞
り手段50Aa,51Aa,49Aa(又は49Ba)
の前後差圧を一定とする圧力補償機能を果たすこととな
る。これにより、フィーダ用油圧モータ15、コンベア
用油圧モータ17、磁選機用油圧モータ18、右走行用
モータ22の負荷圧力の変化にかかわらず、コントロー
ルバルブ50,51,49の開度に応じた流量を対応す
る油圧モータに供給できるようになっている。
【0068】また、第1及び第2油圧ポンプ44,45
の吐出管路56,58から分岐した管路160,161
には、第1リリーフ弁162及び第2リリーフ弁163
がそれぞれ設けられており、パイロットポンプ46から
のパイロット圧が導かれるパイロット管路72から分岐
した管路164にも、リリーフ弁165が設けられてい
る。
【0069】また、操作盤55には、ジョークラッシャ
3を起動・停止させるためのクラッシャ起動・停止スイ
ッチ55aと、ジョークラッシャ3の動作方向を正転又
は逆転方向のいずれかに選択するためのクラッシャ正転
・逆転選択ダイヤル55bと、フィーダ4を起動・停止
させるためのフィーダ起動・停止スイッチ55cと、通
常状態におけるフィーダ4の動作スピードを調節するた
めのフィーダスピードダイヤル55d1と、微速状態
(後述する)におけるフィーダ4の動作スピードを調節
するための微速スピード調節ダイヤル55d2と、コン
ベア5及び磁選機6を起動・停止させるためのコンベア
・磁選機起動・停止スイッチ55eと、ジョークラッシ
ャ3、フィーダ4、コンベア5、及び磁選機6のすべて
の機器を停止する非常停止ボタン55fと、作業開始時
に電源電流を通電するための起動スイッチ55gと、走
行を行う走行モードと破砕作業を行う破砕モードのいず
れかを選択するためのモード選択ダイヤル55hとを備
えている。なお、そのほかに、オプションで設置する機
器を起動・停止させるための予備スイッチ55i等を設
ける場合もある。
【0070】操作者が上記操作盤55の各種スイッチ、
ボタン、及びダイヤルの操作を行うと、その操作信号が
電気配線(図示せず)を介して、前記のコントローラ7
5に入力される。コントローラ75は、操作盤55から
の操作信号に基づき、図6において前述したソレノイド
弁76a,76b、ソレノイド弁125、ソレノイド弁
129への駆動信号Scr,Sf,Scomを生成し、対応す
るコントロールバルブ47,50,51にそれらを出力
するようになっている。
【0071】本発明のフィーダ制御装置の一実施の形態
を含む、上記のコントローラ75の詳細機能及びその周
辺機能を表す電気回路ブロック図を図7に示す。図7に
おいて、コントローラ75は、上記操作盤55の上記ク
ラッシャ起動・停止スイッチ55a及びクラッシャ正転
・逆転選択ダイヤル55b、フィーダ起動・停止スイッ
チ55c、コンベア・磁選機起動・停止スイッチ55e
にそれぞれ接続されるフリップフロップ回路171a,
171b,171c,171dと、これらフリップフロ
ップ回路171a〜dにそれぞれ接続された出力回路1
72a,172b,172c,172dと、これら出力
回路172a〜dにベースがそれぞれ接続されるととも
に、コンベア・磁選機用コントロールバルブ51のソレ
ノイド弁129、破砕用コントロールバルブ47のソレ
ノイド弁76a,76b、フィーダ用コントロールバル
ブ50のソレノイド弁125にコレクタがそれぞれ接続
された出力トランジスタ173a,173b,173
c,173dと、フィーダ4に係わるフリップフロップ
回路171dと前記出力回路172dとの間に接続され
たアナログスイッチ174と、このアナログスイッチ1
74に出力側が接続された矩形波発生回路175と、上
記操作盤55の上記フィーダスピードダイヤル55d1
及び微速スピード調節ダイヤル55d2を介し、それら
ダイヤルの操作量に応じた信号を前記の矩形波発生回路
175にそれぞれ出力するための通常出力回路176a
及び微速出力回路176bと、それら通常出力回路17
6a及び微速出力回路176bの入力側にそれぞれ接続
され、クラッシャ用油圧モータ10の負荷に応じてそれ
ら通常出力回路176a及び微速出力回路176bのう
ちいずれから出力信号を出力するかを比較選択するため
の比較回路177a,177bと、それら比較回路17
7a,177bと前記の通常出力回路176a及び微速
出力回路176bとの間にそれぞれ接続されたタイマ1
78a,178bと、クラッシャ用油圧モータ10及び
コンベア用油圧モータ17の過負荷状態(後述する)の
ときに警告用のパトライト179を点灯させるための出
力信号をそれぞれ出力する過負荷警告出力回路180
a,180bと、それら過負荷警告出力回路180a,
180bの入力側にそれぞれ接続され、クラッシャ用油
圧モータ10及びコンベア用油圧モータ17が過負荷状
態であるかどうかを判定するための比較回路181a,
181bと、それら比較回路181a,181bと前記
の過負荷警告出力回路180a,180bの間にそれぞ
れ接続されたタイマ182a,182bとを備えてい
る。
【0072】上記構成において、例えば、操作者が破砕
作業を行うことを意図して、操作盤のモード選択ダイヤ
ル55hで「破砕モード」を選択すると、これに連動し
てモード選択スイッチ55hoがON状態(導通状態)
になり、この状態で破砕機本体7のいずれか(例えば運
転席42内)にある制御盤183のキースイッチ183
aをONにすると、バッテリ184からの電源電流が、
回路185、キースイッチ183a、ヒューズ183
b、回路186、回路187、走行インターロック回路
188の駆動部188a、回路189、及びモード選択
スイッチ55hoの経路で流れる。このとき、前記の走
行インターロック回路188の駆動部188aの通電に
よりスイッチ部188bが図7中破線で示す位置に切り
替わる。
【0073】この状態で、例えば、操作者がジョークラ
ッシャ3の正転起動を意図し、操作盤55の起動スイッ
チ55gを押し、さらにクラッシャ正転・逆転選択ダイ
ヤル55bを「正転」側に選択しつつクラッシャ起動・
停止スイッチ55aを「起動」側へ押すと、これに連携
する連携スイッチ55ao,55boが図7中上方位置に
切り替わる。これによって、正転方向のフリップフロッ
プ回路171bがON操作されるため、対応する出力回
路172bが作動し、出力トランジスタ173bがON
となる。
【0074】これにより、回路186からの前記の電流
が、回路190、起動スイッチ55g、及び回路19
3、前記の破砕用コントロールバルブ47のソレノイド
弁76aを介し、出力トランジスタ173bのコレクタ
側、さらにエミッタ側の経路で流れる。この電流が流れ
ることが、すなわちコントローラ75からソレノイド弁
76aへの駆動信号ScrがONになりかつソレノイド弁
76bへの駆動信号ScrがOFFになることに相当し、
破砕用コントロールバルブ47が図5中下側の切換位置
47Aに切り換えられ、第1油圧ポンプ44からの圧油
が破砕用油圧モータ10に供給されて駆動され、ジョー
クラッシャ3が正転方向に起動する。
【0075】また、ジョークラッシャ3の逆転起動の場
合も上記同様であり、クラッシャ正転・逆転選択ダイヤ
ル55bを「逆転」側に選択しつつクラッシャ起動・停
止スイッチ55aを「起動」側へ押すと、連携スイッチ
55ao,55boが図7中下方位置に切り替わり、逆転
方向のフリップフロップ回路171cのON操作によっ
て出力回路172cが作動し、出力トランジスタ173
cがONとなる。これによって、回路186からの前記
の電流が回路193からソレノイド弁76bを介し出力
トランジスタ173cへ流れ、これがソレノイド弁76
aへの駆動信号ScrのOFF及びソレノイド弁76bへ
の駆動信号ScrのONに相当する。そして、破砕用コン
トロールバルブ47が図5中上側の切換位置47Bに切
り換えられ、ジョークラッシャ3が逆転方向に起動す
る。
【0076】なお、上記の起動スイッチ55gの押し操
作により、回路186からの前記の電流が、回路19
0、起動スイッチ55g、非常停止スイッチ55f、自
己保持回路191の駆動部191a、及び回路192の
経路で流れ、自己保持回路191の通電によりスイッチ
部191bが図7中破線で示す位置に切り替わる。これ
により、この後、起動スイッチ55gから手を離してば
ね55gaの付勢力で起動スイッチ55gがOFF状態
(遮断状態)になっても、回路186からの電流が、自
己保持回路スイッチ部191b、回路194、走行イン
ターロック回路スイッチ部188bを介して回路193
へと導かれるので、上記のソレノイド弁76a(又は7
6b)への通電は継続される。
【0077】その後、操作者がジョークラッシャ3の停
止を意図して正転クラッシャ起動・停止スイッチ55を
「停止」側へ押すと、これに連携する連携スイッチ55
ao,55boがばね55a1,55b1の付勢力で図7中
に示す中間位置に復帰する。これによって、フリップフ
ロップ回路171b、171cがいずれもOFFとなる
ため、出力回路172b,172cの作動が停止し、出
力トランジスタ173b,173cがいずれもOFFと
なる。これにより、上記のようにソレノイド弁76a又
はソレノイド弁76bへの通電が停止し(このことがコ
ントローラ75からソレノイド弁76a,76bへの駆
動信号ScrがいずれもOFFになることに相当する)、
破砕用コントロールバルブ47が図5に示す中立位置に
復帰し、破砕用油圧モータ10が停止し、ジョークラッ
シャ3が停止する。
【0078】また例えば、操作者がコンベア5及び磁選
機6の起動を意図し、コンベア・磁選機起動・停止スイ
ッチ55eを「起動」側へ押すと、これに連携する連携
スイッチ55eoが図7中上方のON位置に切り替わ
り、フリップフロップ回路171aがON操作され、出
力回路172aが作動し、出力トランジスタ173aが
ONとなる。これにより、前記の回路193からの電流
が、上記同様、前記のコンベア・磁選機用コントロール
バルブ51のソレノイド弁129を介し、出力トランジ
スタ173aへ流れる。このことが、すなわちコントロ
ーラ75からソレノイド弁129への駆動信号Scomが
ONになることに相当し、コンベア・磁選機用コントロ
ールバルブ51が図4中下側の連通位置51Aに切り換
えられ、第2油圧ポンプ45からの圧油がコンベア用油
圧モータ17に供給された後さらに磁選機用油圧モータ
18に供給され、コンベア5及び磁選機6が起動する。
【0079】その後、操作者がコンベア・磁選機起動・
停止スイッチ55eを「停止」側へ押すと、連携スイッ
チ55eoがOFF位置になり、フリップフロップ回路
171aがOFF、出力回路172aが作動停止となっ
て、出力トランジスタ173aがOFFとなる。これに
よってソレノイド弁129への通電が停止(ソレノイド
弁129への駆動信号ScomがOFF)し、コンベア・
磁選機用コントロールバルブ51が図4中に示す遮断位
置51Bに復帰し、コンベア用油圧モータ17及び磁選
機用油圧モータ18が停止し、コンベア5及び磁選機6
が停止する。
【0080】なお、特に詳細な説明を省略するが、コン
トローラ75自体の電源は、上記のソレノイド弁76
a,76b,125,129への電源とは別の経路で供
給されている。
【0081】ここで、本実施の形態の要部である、コン
トローラ75によるフィーダ4の駆動制御について、以
下順次説明する。この駆動制御は、主として破砕用油圧
モータ10の負荷圧力に応じ、フィーダ用油圧モータ1
5の動作速度を制御するものである。
【0082】(1)破砕用油圧モータ10が過負荷状態
でない場合 ジョークラッシャ3の正転駆動時に破砕用油圧モータ1
0の負荷圧力Pcrを検出する圧力センサ79aの検出信
号が、前記比較回路177aのマイナス側、前記比較回
路177bのプラス側にそれぞれ入力される一方、それ
ら比較回路177aのプラス側及び比較回路177bの
マイナス側には、過負荷かどうかを判別するためにあら
かじめ微速切換圧力設定部195に設定記憶された所定
の切換圧力Pcm1がそれぞれ入力されている。このと
き、比較回路177a,177bは、入力値の合計が正
で出力ON、負で出力OFFになるようになっている。
【0083】破砕用油圧モータ10が過負荷状態でない
場合には、負荷圧力Pcrが切換圧力Pcm1より小さくな
り、比較回路177aが出力ONとなる一方、比較回路
177bが出力OFFとなる。これによりタイマ178
a,178bのうち、タイマ178aが作動する。そし
て、この状態がタイマ178aに予め設定記憶された時
間以上継続すると、通常出力回路176aがONにな
り、操作盤55のフィーダスピードダイヤル55d1の
操作量に応じた電圧V1(図8(a)参照)が矩形波発
生回路175のプラス側に入力される。このとき、矩形
波発生回路175のマイナス側には三角波生成回路19
7からの生成電圧(図8(b)参照、但し図8(a)の
電圧を破線で併せて示す)が入力されており、この結
果、矩形波発生回路175からは、そのプラス側の電圧
V1とマイナス側の三角波を比較した結果に基づく矩形
波(ON状態のレベルとOFF状態のレベルとが矩形状
に交互に連続する信号、図8(c)参照)がアナログス
イッチ174に出力される。
【0084】ここで、例えば、操作者がフィーダ4の起
動を意図し、操作盤55のフィーダ起動・停止スイッチ
55cを「起動」側へ押すと、これに連携する連携スイ
ッチ55coが図7中上方のON位置に切り替わり、フ
リップフロップ回路171dがON操作され、アナログ
スイッチ174がONになる。これにより、矩形波発生
回路175からの前記の矩形波に応じて出力回路172
dが作動し、出力トランジスタ173dがONとなる。
これにより、前記の回路193からの電流が、上記同
様、フィーダ用コントロールバルブ50のソレノイド弁
125を介し、出力トランジスタ173dへ流れる(こ
のことが、コントローラ75からソレノイド弁125へ
の駆動信号SfがONになることに相当する)。このよ
うなソレノイド弁125への通電により、フィーダ用コ
ントロールバルブ50のスプール(図示せず)がその操
作量に応じて図4中下側の連通位置50Aに切り換えら
れる。これにより、第2油圧ポンプ45からの圧油がフ
ィーダ用油圧モータ15に供給される。
【0085】但しこのとき、矩形波発生回路175から
の矩形波の前記ON状態(前記の図8(c)参照)のと
きのみ上記ソレノイド弁125への電流が流れるため、
微視的に見ると略一定レベルの電圧が断続的にソレノイ
ド弁125へ加わっており、ソレノイド弁125の開度
はこの電圧変化に応じて極めて短い周期で開閉を繰り返
しているが、これを時間平均して巨視的に見ると、ある
開度でソレノイド弁125が開き状態となっていること
に相当する。また、図8(a)に示した電圧V1はフィ
ーダスピードダイヤル55d1の操作量に応じて増減す
るものとなるため、前記の巨視的に見た略一定レベルの
電圧値もこのダイヤル55d1の操作量に応じたものと
なり、この結果、ダイヤル55d1の操作によって前記
の巨視的に見たソレノイド弁125の相当開度の大きさ
を調整することができる。以上により、フィーダスピー
ドダイヤル55d1の操作量に応じた速度でフィーダ用
油圧モータ15が駆動されるので、その操作量に応じた
振動数でフィーダ4が動作する。
【0086】なお、その後操作者がフィーダ起動・停止
スイッチ55cを「停止」側へ押すと、連携スイッチ5
5coが図7中下方のOFF位置になり、フリップフロ
ップ回路171dがOFFとなるためアナログスイッチ
174がOFFとなり、出力回路172dが作動停止と
なって、出力トランジスタ173dがOFFとなる。こ
れによってソレノイド弁125への通電が停止(ソレノ
イド弁125への駆動信号SfがOFF)し、フィーダ
用コントロールバルブ50が図4中に示す遮断位置50
Bに復帰し、フィーダ用油圧モータ15が停止し、フィ
ーダ4が停止する。
【0087】(2)破砕用油圧モータ10が過負荷状態
となった場合 一方、破砕用油圧モータ10が過負荷状態となった場合
は、負荷圧力Pcrが切換圧力Pcm1より大きくなるた
め、比較回路177aが出力OFFとなる一方、比較回
路177bが出力ONとなる(なお、Pcr=Pcm1の場
合には、図示しない手段によって、比較回路177aが
出力ON、比較回路177bが出力OFFとなるように
設定されている)。
【0088】これにより、タイマ178bが作動し、こ
の状態が予め設定記憶された時間以上継続すると、微速
出力回路176bがONになり、操作盤55の微速スピ
ード調節ダイヤル55d2の操作量に応じた電圧が矩形
波発生回路175のプラス側に入力される。以降の動作
は、上記(1)の場合と同様であり、フィーダ用コント
ロールバルブ50のスプール(図示せず)が図4中下側
の連通位置50Aに切り換えられ、第2油圧ポンプ45
からの圧油がフィーダ用油圧モータ15に供給され、フ
ィーダ4が駆動する。
【0089】このとき、微速出力回路176bからの出
力電圧値V2は、通常出力回路176aからの出力電圧
値V1よりも大きくなっており(図8(d)参照)、一
方で矩形波発生回路175のマイナス側には前述の場合
と同様の三角波生成回路197からの生成電圧(図8
(e)参照、但し図8(d)の電圧を破線で併せて示
す)が入力される。その結果、矩形波発生回路175か
らは、これらを比較したものに基づく矩形波(図8
(f)参照)がアナログスイッチ174に出力される
が、前述した電圧V2とV1との差により、この矩形波の
ON状態にある時間t2(図8(f)参照)は、前述し
た過負荷状態にない場合におけるON状態にある時間t
1(図8(c)参照)よりも短くなる。
【0090】これにおり、前述した微視的に見た場合の
ソレノイド弁125に断続的に加わる略一定の電圧レベ
ルは、前述した過負荷状態にない場合と変わらないもの
の、上記t2とt1との差によってソレノイド弁125が
開き状態にある時間が短くなる。そのため、時間平均し
て巨視的に見た場合のソレノイド弁125の開度が、前
述した過負荷状態にない場合に比べて著しく小さくな
る。
【0091】これにより、極めて遅い微速でフィーダ用
油圧モータ15が駆動され、これに応じてフィーダ4は
極めて小さな振動数で動作する。このとき、通常出力回
路176aからの出力が通常の破砕作業時に対応するフ
ィーダ用油圧モータ15の動作速度となるように設定さ
れているのに対し、微速出力回路176bからの出力
は、フィーダ用油圧モータ15が微速動作(例えば、前
記搬送機能は失われるが前記選別機能は失われないよう
な停止寸前の動作速度)となるように設定されている。
なお、微速スピード調節ダイヤル55d2は、前記した
電圧V2の値を微調整することにより、このような微速
動作の中でさらに操作者の意図で多少の微調整を行える
ように設けたものであり、フィーダ4の動作振動数を、
この微速スピード調節ダイヤル55d2の操作量によっ
て微調整することができる。
【0092】なお、この微速動作状態からフィーダ4を
停止させたい場合には、上記したように、操作者がフィ
ーダ起動・停止スイッチ55cを「停止」側へ押せばよ
い。これによってソレノイド弁125への通電が停止
し、フィーダ用油圧モータ15が停止し、フィーダ4が
停止する。
【0093】(3)破砕用油圧モータ10が異常負荷状
態となった場合 また、コントローラ75には、破砕用油圧モータ10
が、上記過負荷状態よりさらに大きな異常負荷状態にな
った場合に警報を発しさせる機能もある。すなわち、ジ
ョークラッシャ3の正転駆動時に破砕用油圧モータ10
の負荷圧力Pcrを検出する圧力センサ79aの検出信号
が、前記比較回路181aのプラス側に入力される一
方、マイナス側には、異常負荷かどうかを判別するため
にあらかじめ異常負荷圧力設定部198に設定記憶され
た所定の設定圧力Pcm2が入力されている。比較回路1
81aは、上記比較回路177a,177bと同様、入
力値の合計が正で出力ON、負で出力OFFになるよう
になっており、破砕用油圧モータ10が異常負荷状態に
なると、負荷圧力Pcrが設定圧力Pcm2より大きくな
り、比較回路181aが出力ONとなる。これにより、
タイマ182aが作動し、この状態が予め設定記憶され
た時間以上継続すると、異常負荷警告出力回路180a
がONになり、回路199を介してパトライト179を
点灯させる(なおその電源は回路193から供給され
る)一方、回路201を介し、フィーダ4に係わる上記
フリップフロップ回路171dのみならず、ジョークラ
ッシャ3、コンベア5及び磁選機6に係わるフリップフ
ロップ回路171a,171b,171cをもリセット
し、出力OFFの状態(初期状態)にする。これによ
り、フィーダ用油圧モータ15も含め、破砕用油圧モー
タ10、コンベア用油圧モータ17、及び磁選機用油圧
モータ18のすべての機器が停止する。
【0094】(4)コンベア用油圧モータ17が異常負
荷状態となった場合 さらに、コントローラ75には、コンベア用油圧モータ
17が異常負荷状態になった場合に警報を発しさせる機
能もある。すなわち、コンベア用油圧モータ17が異常
負荷状態になると、上記(3)同様、コンベア用油圧モ
ータ17の負荷圧力Pcoを検出する圧力センサ132a
の検出信号が異常負荷圧力設定部202の設定圧力Pcm
3より大きくなり、比較回路181bが出力ONとな
る。これによってタイマ182bが作動する状態が予め
設定記憶された時間以上継続すると、異常負荷警告出力
回路180bがONになり、回路203を介してパトラ
イト179を点灯させる。そしてその一方、回路204
を介し、すべてのフリップフロップ回路171a,17
1b,171c,171dをリセットして出力OFFの
状態(初期状態)し、すべての機器を停止させる。な
お、制御盤183のキースイッチ183aをONにする
前(すなわちOFF状態)では、すべてのフリップフロ
ップ回路171a,171b,171c,171dはリ
セットされて出力OFFの状態(初期状態)となってい
る。
【0095】なお、特に異常負荷でなくても、何らかの
事情で意図的にすべての機器を停止させたい場合には、
操作者が、操作盤55の非常停止ボタン55fを押せば
よい。すなわち、この時点で、バッテリ184から、キ
ースイッチ183a、ヒューズ183b、回路186、
自己保持回路スイッチ部(破線位置)191、回路19
4、走行インターロック回路スイッチ部(破線位置)1
88b、回路193、非常停止ボタン55f、自己保持
回路駆動部191a、回路192の経路で通電されてい
るが、非常停止ボタン55fを押して遮断状態とするこ
とにより、自己保持回路駆動部191aの通電が止まり
スイッチ部191bが実線位置に復帰して遮断される。
これにより、回路193への通電も遮断される(すなわ
ちソレノイド弁76a,76b,125,129の電源
側が遮断される)ので、出力回路172a〜dの出力状
態に関係なく、ジョークラッシャ3、フィーダ4、コン
ベア5、及び磁選機6がすべて停止する。
【0096】また、操作者が走行を行うことを意図する
場合は、操作盤55のモード選択ダイヤル55hで「走
行モード」を選択する。すると、これに連動してモード
選択スイッチ55hoがOFF状態(遮断状態)になる
ため、走行インターロック回路188のスイッチ部18
8bが図示破線位置の導通状態にはならない(実線位置
のままとなる)。これにより、バッテリ184からの電
源電流は、各ソレノイド弁76a,76b,125,1
29に継続的に供給されることはない(厳密には、起動
スイッチ55gを押すとその押している間だけ回路18
6、回路190、起動スイッチ55g、回路193を介
して電流が供給されるが、起動スイッチ55gを離すと
その電流も遮断される)。これにより、走行操作を行う
ときには、破砕用コントロールバルブ47、フィーダ用
コントロールバルブ50、及びコンベア・磁選機用コン
トロールバルブ51のいずれもが中立位置からの切り換
えが不能となり、破砕作業ができないようになってい
る。
【0097】以上説明した構成において、ジョークラッ
シャ3が破砕装置を構成し、フィーダ用油圧モータ15
が鋸歯状プレート4aを加振するための駆動力を発生す
る油圧モータを構成する。
【0098】また、圧力センサ79aと、上記コントロ
ーラ75のフィーダ制御に係わる機能、すなわち、フリ
ップフロップ回路171d、出力回路172d、出力ト
ランジスタ173d、アナログスイッチ174、矩形波
発生回路175、三角波生成回路197、ダイオード1
96a,196b、微速出力回路176b、通常出力回
路176a、タイマ178a,178b、比較回路17
7a,177b、及び微速切換圧力設定部195とが、
本発明の一実施の形態によるフィーダ制御装置を構成す
る。
【0099】それらのうち、圧力センサ79aが、破砕
装置の負荷を検出する負荷検出手段を構成し、微速切換
圧力設定部195、比較回路177a,177b、タイ
マ178a,178b、通常出力回路176a、及び微
速出力回路176bが、負荷検出手段の検出信号に応じ
てグリズリフィーダの動作速度を制御する速度制御手段
を構成する。またそのうち、比較回路177a,177
b、タイマ178b、及び微速出力回路176bが、負
荷検出手段で検出された破砕装置の負荷が所定値以上と
なった場合に、グリズリフィーダを微速で動作させる微
速制御手段を構成する。さらにそのうち、比較回路17
7a,177bが、負荷検出手段で検出された破砕装置
の負荷が所定値以上となったかどうかを判定する負荷判
定手段を構成し、タイマ178b及び微速出力回路17
6bが、負荷判定手段での判定が満たされた場合には、
グリズリフィーダを微速で動作させる信号を出力する微
速信号出力手段を構成する。
【0100】次に、上記構成の本発明の一実施の形態の
自走式破砕機の動作及び効果を以下に説明する。
【0101】上記構成の自走式破砕機1において、例え
ば破砕作業を行う箇所まで自走式破砕機1を自走させる
時には、操作者は、破砕機1の運転席42に搭乗し、走
行用操作レバー52,53を前方に操作する。これによ
り、左・右走行用コントロールバルブ48,49が図
4、図5中下方の切換位置48A,49Aに切り換えら
れ、第1及び第2油圧ポンプ44,45からセンターラ
イン57a,59aを介し導かれた圧油が前進用供給管
路64,70を経て、左・右走行用油圧モータ21,2
2に供給され、これらモータ21,22が順方向に駆動
され、両側の無限軌道履帯8aが順方向に駆動されて走
行体8が前方へ走行する。なおこのとき、操作盤55の
モード選択ダイヤル55hで「走行モード」を選択する
ことで、破砕用コントロールバルブ47、フィーダ用コ
ントロールバルブ50、及びコンベア・磁選機用コント
ロールバルブ51のいずれもが中立位置からの切り換え
が不能となるため、破砕作業に係わる各機器の誤動作が
防止される。
【0102】また、破砕作業時には、操作者は、操作盤
のモード選択ダイヤル55hで「破砕モード」を選択し
かつ制御盤183のキースイッチ183aをONにした
後、クラッシャ正転・逆転選択ダイヤル55bで「正
転」を選択しつつ、フィーダ起動・停止スイッチ55
c、クラッシャ起動・停止スイッチ55a、及びコンベ
ア・磁選機起動・停止スイッチ55eを順次「起動」側
へ押す。すると、前述のように、破砕用コントロールバ
ルブ47のソレノイド弁76aへ通電されて破砕用コン
トロールバルブ47が図5中下側の切換位置47Aに切
り換えられ、またフィーダ用コントロールバルブ50の
ソレノイド弁125へ通電されてフィーダ用コントロー
ルバルブ50が図4中下側の連通位置50Aに切り換え
られ、さらにコンベア・磁選機用コントロールバルブ5
1のソレノイド弁129へ通電されてコンベア・磁選機
用コントロールバルブ51が連通位置51Aに切り換え
られる。
【0103】これにより、第1油圧ポンプ44からの圧
油が破砕用油圧モータ10に供給されてジョークラッシ
ャ3が正転方向に起動される一方、第2油圧ポンプ45
からの圧油がフィーダ用油圧モータ15とコンベア用油
圧モータ17及び磁選機用油圧モータ18とに供給さ
れ、フィーダ4、コンベア5、及び磁選機6が起動され
る。なおこのときのフィーダ4の動作速度(フィーダ用
油圧モータ15の回転速度)は、フィーダスピードダイ
ヤル55d1によって調整することができる。
【0104】そして、例えば油圧ショベルのバケットで
ホッパ2に破砕原料を投入すると、その投入された破砕
原料が、フィーダ4によってその粒度に応じて選別され
つつジョークラッシャ3へと搬送される。すなわち、投
入破砕原料中の所定粒度より小さなものが、フィーダ用
油圧モータ15の駆動力で加振される鋸歯状プレート4
aの間隙から抽出されて下方へふるい落とされつつ、鋸
歯状プレート4a上に残った所定粒度以上のものが加振
によって徐々にジョークラッシャ3側(図2中右側)へ
と移送され、ジョークラッシャ3に供給されて所定の大
きさに破砕される。破砕された破砕物は、ジョークラッ
シャ3下部の空間からコンベア5上に落下して運搬さ
れ、その運搬途中で磁選機6によって破砕物に混入した
磁性物(例えばコンクリートの建設廃材に混入している
鉄筋片等)が取り除かれ、大きさがほぼ揃えられて、最
終的に破砕機1の後部(図1中右端部)から搬出され
る。
【0105】このとき、圧力センサ79aで破砕用油圧
モータ10の負荷を検出しており、これが過負荷状態と
なってその検出信号Pcrが微速切換圧力設定部195の
設定圧力Pcm1以上になり、この状態が継続すると、そ
れまで矩形波発生回路175のプラス側に入力されてい
た通常出力回路176aからの出力電圧V1に代わり、
それより大きな微速出力回路176bからの出力電圧V
2が矩形波発生回路175のプラス側に入力されるよう
になる。その結果、前述のように、フィーダ4はその動
作速度を減速され、例えば停止寸前の微速で動作するよ
うになる。
【0106】ここで、この微速動作状態では、フィーダ
4の破砕原料の搬送機能はなくなるため、ジョークラッ
シャ3への破砕原料の供給を停止できる。したがって、
破砕原料によるジョークラッシャ3の負荷が過大となる
のを防止し、ジョークラッシャの停止や破損を未然に防
止できる。
【0107】一方この微速動作状態では、フィーダ4の
搬送機能はなくなっていることからフィーダ4上の鋸歯
状プレート4a上には搬送されない破砕原料が残存して
いる状態となるが、選別機能はまだ残っているため、破
砕原料中に含まれる例えば細かい土砂・砂等を選別し、
排出することができる。したがって、鋸歯状プレート4
a上には、選別が既に終了しあとはジョークラッシャ3
への搬送・投入を待つばかりとなった破砕原料が貯留す
ることとなる。これにより、圧力センサ79の検出信号
Pcrが再び微速切換圧力設定部195の設定圧力Pcm1
未満となって矩形波発生回路175のプラス側に通常出
力回路176aからの出力電圧V1が入力され、フィー
ダ4が通常動作速度に復帰したとき、鋸歯状プレート4
a上の破砕原料を素早くジョークラッシャ3へ搬送・投
入し破砕を直ちに再開することができる。
【0108】これに対して、例えば、破砕原料によるジ
ョークラッシャ3の負荷過大に応じてフィーダ4を完全
に停止させた場合には、フィーダ4の通常供給動作を再
開したとき、フィーダ4の鋸歯状プレート4a上に残存
している破砕原料を選別しながらジョークラッシャ3へ
搬送しなければならないため、上記本実施の形態の場合
に比べて、ジョークラッシャ3への投入開始時期が遅く
なる。
【0109】以上のように、本実施の形態においては、
フィーダ4を完全に停止させた場合に比べ、フィーダ4
の鋸歯状プレート4a上の破砕原料の選別が既に終了し
ている分、速やかに通常破砕作業へ復帰することができ
る。したがって、生産性を向上できる。
【0110】また、本実施の形態においては、前述した
ように、Pcr≧Pcm1となって直ちに微速制御を行うの
ではなく、タイマ178bに予め設定された所定時間の
間過負荷状態が継続した後に、減速制御に移行する。こ
れには以下のような意義がある。
【0111】すなわち、Pcr≧Pcm1が満たされて直ち
にフィーダ4を微速動作させ破砕原料の供給を停止する
と、この停止直後に再び負荷が減少しPcr<Pcm1とな
ってフィーダ4の動作が通常速度に復帰し、これ以降フ
ィーダ微速動作と通常動作復帰とを繰り返す不安定な制
御状態(いわゆるハンチング)となる可能性がある。本
実施の形態においては、過負荷状態(Pcr≧Pcm1であ
る状態)が所定の時間継続してからフィーダ4を微速す
ることにより、過負荷状態がある程度継続した場合のみ
破砕原料の供給を停止するので、制御上の安定性を向上
することができる。なお、通常出力回路176aの入力
側のタイマ178aも同様の目的で設置してあることは
言うまでもない。
【0112】なお、上記本発明の一実施の形態において
は、破砕用油圧モータ10の負荷圧力を検出することで
破砕装置の負荷を検出したが、これに限られない。すな
わち、前述した特開平7−116541号公報のように
回転数センサ等によって破砕用油圧モータ10の回転数
を直接検出する等でもよいことは言うまでもない。
【0113】また、上記本発明の一実施の形態において
は、破砕原料によるジョークラッシャ3の過負荷状態の
ときに、フィーダ4を完全に停止させることなく微速状
態とし、これによって生産性向上効果を得たが、作業事
情によっては、ジョークラッシャ3の保護の万全を期す
ことを優先し、ジョークラッシャ3の過負荷状態時にフ
ィーダ4を停止させたい場合もあり得る。このような場
合に対応するために、微速動作とするか停止させるかを
操作者が選択可能な選択手段を別途(例えば操作盤55
に)設け、この選択手段で微速動作制御が選択された場
合にのみ上記の制御を行い、選択手段で停止制御が選択
された場合には、フィーダ4を停止するようにしてもよ
い。停止させるには、アナログスイッチ174を外的な
手段で強制的にOFFとしたり、ソレノイド弁125の
電源側のみを遮断する等、種々の方法が考えられる。こ
の場合、上記両方のニーズに幅広く対応可能とすること
ができる。
【0114】さらに、上記本発明の一実施の形態におい
ては、上記のようにタイマ178bを設けて制御安定性
を確保したが、これに限られず、上記本発明の基本的効
果である速やかな通常破砕作業への復帰による生産性向
上効果を得る限りにおいては、タイマ178b等は必ず
しも必要なく、比較回路177bからの出力を直接微速
出力回路176bへ入力してもよい。
【0115】また、上記本発明の一実施の形態において
は、微速状態における微速の速度を1段階としたが、こ
れに限られず、第1の微速、さらに小さい第2の微速と
いうように多段階的に変化させてもよい。そのような変
形例を図9及び図10により説明する。
【0116】図9は、この変形例におけるコントローラ
75の詳細機能及びその周辺機能を表す電気回路ブロッ
ク図であり、上記本発明の一実施の形態における図7に
対応するものである。この図7において、図8と異なる
のは、微速出力回路を、フィーダ4を第1の微速で動作
させるための微速1出力回路176bAと、第1の微速
で動作させるための微速2出力回路176bBとに分け
るとともに、それら出力回路176bA,176bBの
入力側に、それらを時間条件に応じて使い分けるための
切替回路205を設け、さらにその基準となる微速切替
時間設定回路207を設けたものである。
【0117】破砕用油圧モータ10が過負荷でない状態
から過負荷状態になり、負荷圧力Pcrが切換圧力Pcm1
以上となった場合、比較回路177bが出力ONとな
る。これにより、タイマ178bが作動する。この状態
が予め設定記憶された第1の時間以上継続すると、タイ
マ178bからON信号が出力される。切替回路205
は、前記第1の時間が経過した後、予め微速切替時間設
定回路207に設定記憶された第2の時間が経過するま
では、第1の微速出力回路176bAをONにする。こ
れにより、微速スピード調節ダイヤル55d2の操作量
に応じた電圧が矩形波発生回路175のプラス側に入力
される。
【0118】一方、第2の時間が経過すると、切替回路
205は、第1の微速出力回路176bAをOFFにし
て第2の微速出力回路176bBをONにする。このと
き、第1の微速回路176bAからの出力は、例えば図
8(d)に示したV2となっており、第2の微速出力回
路176bBからの出力は、その図8(d)中に一点鎖
線で示したV2′のように、第1の微速回路176bA
よりも出力電圧がわずかに高くなっている。これによ
り、図10に示すように、フィーダ4は、破砕用油圧モ
ータ10が過負荷状態になって第1の時間が経過した後
にまず第1の微速で動作し、さらに第2の時間が経過し
た後にさらに低速側の第2の微速で動作する。
【0119】なお、この場合には、タイマ178b、第
1微速出力回路176bA、第2微速出力回路176b
B、切替回路205、及び微速切替時間設定回路207
が微速信号出力手段を構成する。
【0120】このような本変形例においては、さらにき
め細かな破砕原料供給制御を行えるという効果がある。
なお、上記のように2段階とは限らず、さらに低速側の
第3の微速、さらに低速側の第4の微速というように、
3段階以上に微速制御を区分してもよいことは言うまで
もない。
【0121】なお、本発明は、以上のように小型の自走
式破砕機にその適用対象が限定されるものではなく、い
わゆる中型や大型の自走式破砕機に適用してもよい。こ
の場合も同様の効果を得る。
【0122】また、以上においては、原動機として、エ
ンジン43を備えた自走式破砕機に適用した場合を例に
とって説明したが、これに限られず、例えば原動機とし
て電動モータ等を備えた自走式破砕機に適用してもよ
い。さらに、破砕装置として動歯3aと固定歯3bとで
破砕を行うジョークラッシャ3を備えた自走式破砕機1
を例にとって説明したが、これに限られず、他の破砕装
置、例えば、ロール状の回転体に破砕用の刃を取 り付
けたものを一対としてそれら一対を互いに逆方向へ回転
させ、それら回転体の間に被破砕物を挟み込んで破砕を
行う回転式破砕装置(いわゆるロールクラッシャを含む
6軸破砕機等)や、平行に配置された軸にカッタを備
え、互いに逆回転させることにより被破砕物をせん断す
る破砕装置(いわゆるシュレッダを含む2軸せん断機
等)を備えた破砕機にも適用可能である。これらの場合
には、フィーダ4を省略しても良い。これらの場合にも
同様の効果を得る。
【0123】さらに、以上においては、破砕装置による
破砕作業に関連する作業を行う補助機械として、フィー
ダ4、コンベア5、及び磁選機6を備えた自走式破砕機
に適用した場合を例にとって説明したが、これに限られ
ない。すなわち、フィーダ4、コンベア5、及び磁選機
6のうち、フィーダ以外のいくつかを適宜省略した自走
式破砕機、例えば、作業事情に応じ磁選機6が省略され
ているものに対し適用しても良い。逆に、フィーダ4、
コンベア5、及び磁選機6に加え、さらに追加の補助機
械、例えば、コンベア5の路程を長くするためにコンベ
ア5の下流側(又は上流側)に位置する補助コンベア
(2次コンベア)や、破砕物の粒度に応じさらなる選別
を行うためにジョークラッシャ3の下流側に位置する振
動スクリーンを設けた自走式破砕機に適用しても良い。
なお、補助機械を追加する場合、これに対応するコント
ロールバルブを弁グループ57に設け、第2油圧ポンプ
45からの圧油を供給されるようにすることは言うまで
もない。これらの場合も、同様の効果を得る。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、負荷検出手段で検出さ
れた破砕装置の負荷が所定値以上となった場合に、微速
制御手段でグリズリフィーダを微速で動作させるので、
破砕装置の過負荷状態時においてもフィーダによる選別
機能を停止させることなく、過負荷状態解消後に通常破
砕作業への速やかな復帰を可能とし、これによって、生
産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態が適用される自走式破砕
機の全体構造を表す側面図である。
【図2】図1に示した自走式破砕機の上面図である。
【図3】図1中III−III断面で見た断面図である。
【図4】図1に示した自走式破砕機に備えられたその油
圧駆動装置を表す油圧回路図である。
【図5】図1に示した自走式破砕機に備えられたその油
圧駆動装置を表す油圧回路図である。
【図6】図1に示した自走式破砕機に備えられたその油
圧駆動装置を表す油圧回路図である。
【図7】本発明のフィーダ制御装置の一実施の形態を含
む、コントローラの詳細機能及びその周辺機能を表す電
気回路ブロック図である。
【図8】図7中に示した矩形波発生回路入力・出力され
る各種電圧信号を示す図である。
【図9】本発明のフィーダ制御装置の一実施の形態の変
形例におけるコントローラの詳細機能及びその周辺機能
を表す電気回路ブロック図である。
【図10】図9に示した変形例におけるフィーダの動作
速度の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 ホッパ 3 ジョークラッシャ(破砕装置) 4 フィーダ(グリズリフィーダ) 4a 鋸歯状プレート 5 コンベア 6 磁選機 7 破砕機本体 8 走行体 8a 無限軌道履帯 9 トラックフレーム 10 破砕用油圧モータ 15 フィーダ用油圧モータ(油圧モータ) 17 コンベア用油圧モータ 18 磁選機用油圧モータ 21 左走行用油圧モータ 22 右走行用油圧モータ 79a 圧力センサ(負荷検出手段) 176a 通常出力回路(速度制御手段) 176b 微速出力回路(微速信号出力手段、微
速制御手段、速度制御手段) 177a,b 比較回路(負荷判定手段、微速制御手
段、速度制御手段) 178a タイマ(速度制御手段) 178b タイマ(微速信号出力手段、微速制御
手段、速度制御手段) 195 微速切換圧力設定部(速度制御手段)
フロントページの続き (72)発明者 柴 好美 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 4D021 AA01 AB06 CA07 CB15 DA01 DA13 DA15 DC03 EA10 EB01 4D067 DD04 DD06 FF01 FF14 FF15 GA02 GA06 GA20 GB03 GB05 GB10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホッパから投入された破砕原料を破砕する
    破砕装置と、前記ホッパに投入された破砕原料をその粒
    度に応じて選別する選別機能及び前記破砕原料を前記破
    砕装置へ搬送する搬送機能を備えたグリズリフィーダと
    を有する自走式破砕機に設けられ、前記破砕装置の負荷
    を検出する負荷検出手段と、この負荷検出手段の検出信
    号に応じて前記グリズリフィーダの動作速度を制御する
    速度制御手段とを有する自走式破砕機のフィーダ制御装
    置において、 前記速度制御手段は、前記負荷検出手段で検出された前
    記破砕装置の負荷が所定値以上となった場合に、前記グ
    リズリフィーダを微速で動作させる微速制御手段を備え
    ることを特徴とする自走式破砕機のフィーダ制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の自走式破砕機のフィーダ制
    御装置において、前記グリズリフィーダは、前記ホッパ
    から投入された破砕原料を載置する鋸歯状プレートと、
    この鋸歯状プレートを加振するための駆動力を発生する
    油圧モータとを備えており、前記微速制御手段は、前記
    負荷検出手段で検出された前記破砕装置の負荷が所定値
    以上となった場合に、前記油圧モータを微速で回転させ
    ることを特徴とする自走式破砕機のフィーダ制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の自走式破砕機のフィ
    ーダ制御装置において、前記微速制御手段は、前記微速
    として、前記グリズリフィーダの前記搬送機能は失われ
    るが前記選別機能は失われないような動作速度となるよ
    うに制御することを特徴とする自走式破砕機のフィーダ
    制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項記載の自走式
    破砕機のフィーダ制御装置において、前記微速制御手段
    は、前記負荷検出手段で検出された前記破砕装置の負荷
    が所定値以上となった場合に、前記グリズリフィーダを
    微速で動作させるか若しくは前記グリズリフィーダを停
    止させるかを選択的に切換可能となっていることを特徴
    とする自走式破砕機のフィーダ制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれか1項記載の自走式
    破砕機のフィーダ制御装置において、前記微速制御手段
    は、前記負荷検出手段で検出された前記破砕装置の負荷
    が前記所定値以上となったかどうかを判定する負荷判定
    手段と、この負荷判定手段での判定が満たされた場合に
    は、前記グリズリフィーダを微速で動作させる信号を出
    力する微速信号出力手段とを有することを特徴とする自
    走式破砕機のフィーダ制御装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の自走式破砕機のフィーダ制
    御装置において、前記微速信号出力手段は、前記負荷判
    定手段の判定が満たされた状態が所定の時間継続した場
    合に、前記グリズリフィーダを微速で動作させる信号を
    出力することを特徴とする自走式破砕機のフィーダ制御
    装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の破砕機のフィーダ制御装置
    において、前記微速信号出力手段は、前記負荷判定手段
    の判定が満たされた状態が前記所定の時間を超えてさら
    に継続した場合には、その継続した時間に応じ、前記微
    速よりもさらに小さな速度で前記グリズリフィーダを動
    作させる信号を出力することを特徴とする自走式破砕機
    のフィーダ制御装置。
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