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JP2000323298A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

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JP2000323298A
JP2000323298A JP2000060448A JP2000060448A JP2000323298A JP 2000323298 A JP2000323298 A JP 2000323298A JP 2000060448 A JP2000060448 A JP 2000060448A JP 2000060448 A JP2000060448 A JP 2000060448A JP 2000323298 A JP2000323298 A JP 2000323298A
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coupling antenna
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inductive coupling
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昭 土居
Takeshi Yoshioka
健 吉岡
Manabu Edamura
学 枝村
Hideyuki Kazumi
秀之 数見
Saburo Kanai
三郎 金井
Tsutomu Tetsuka
勉 手束
Masatsugu Arai
雅嗣 荒井
Kenji Maeda
賢治 前田
Tsunehiko Tsubone
恒彦 坪根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】誘導結合アンテナを用いたプラズマ処理におい
て、試料の処理中に真空容器の内壁面への反応生成物の
付着を抑制することを目的とする。 【解決手段】誘導結合アンテナ1と静電容量結合アンテ
ナ8の間からインピーダンスの大きさを可変可能な負荷
17を介してアースに接地し、負荷17のインピーダン
スの大きさを調整することで、静電容量結合放電で生成
されるプラズマの割合を調整し、真空容器内壁への反応
生成物の付着を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンテナに高周波
電力を供給して電界を発生させ、その電界により発生さ
せたプラズマを用いて試料をプラズマ処理するのに好適
なプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コイル状のアンテナに高周波電流を流
し、その誘導でプラズマを生成するプラズマ処理装置で
は、プラズマが生成される真空容器の内壁面において、
コイル状のアンテナからの電界が強い箇所では高密度の
プラズマが生成され、反応生成物が付着し難いが、電界
が弱い箇所ではプラズマ密度も低く反応生成物が付着し
易く、ゴミの発生を引起こすことがある。このような問
題を解決する方法としては、例えば、日本の特開平8−
316210号公報に記載されているような、真空チャ
ンバを形成する誘電体壁の外側に高周波電流を流すこと
のできる高周波アンテナを設け、この高周波アンテナと
誘電体部材との間にプラズマと静電的に結合させ、誘電
体部材の内表面上に一様な電界を形成させる電極を設
け、高周波アンテナと電極とを並列に接続し、プロセス
中は電極に供給する電力を小さくし、プロセスとプロセ
スの間では電極に供給する電力を大きくしてクリーニン
グプロセスを実施する方法が知られている。
【0003】また、USP5,811,022号明細書に
記載のように、高周波電力が印加される誘導コイルと反
応室との間に分割ファラデーシールドを設け、分割ファ
ラデーシールドを選択して、プラズマ電位の変化のレベ
ルを制御するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記前者の従来技術
は、ウエハを処理するプロセスと、真空チャンバ内をク
リーニングするクリーニングプロセスとを分けて処理す
る方法としており、スループットに関して充分に配慮さ
れていなかった。また、プラズマ処理中に、真空チャン
バの内壁に反応生成物が付着するのを防止するように、
静電容量的に結合された電極(静電容量結合アンテナ)
に流れる電流を大きくした場合、高周波アンテナ(誘導
性)と電極(容量性)とが並列に接続された回路では、
静電容量結合の放電を生じさせるために静電容量的に結
合させた電極が電気回路的にコンデンサーとして働き、
誘導結合の放電を生じさせるための高周波アンテナがコ
イルとして働くため、並列共振(合成インピーダンスの
大きさが無限大となる現象)を起こし、高周波のマッチ
ングが取れなくなる場合がある。このため、並列共振を
生じる領域付近の条件によるプラズマ処理は実施するこ
とができず、プラズマ処理条件の適用範囲が狭くなる。
【0005】また、プラズマ処理中に、真空容器の内壁
に反応生成物が付着するのを防止するために、静電容量
的に結合された電極(静電容量結合アンテナ)に流れる
電流を大きくすると、静電容量放電によるプラズマが強
く発生するため、プラズマの分布が変わってしまい、ウ
エハを均一に処理するための条件が狂ってしまうという
問題がある。
【0006】上記後者の従来技術は、誘導コイルとファ
ラデーシールドとの間が容量的に結合される、すなわ
ち、ファラデーシールドを静電容量的に結合された電極
と考えると、電極に電圧を印加するための回路が浮遊容
量を利用しているため、真空容器の大気開放後における
誘導コイル及び電極等の再設置時の精度等によって、電
極に印加される電圧が左右されてしまう。また、電極に
印加される電圧を大きくしようとすれば、浮遊容量の大
きさを大きくする必要があり、この場合には、誘導コイ
ルの面積を大きくしたり、電極との距離を近くする必要
がある。しかしながら、面積を大きくすることは高電圧
部が大きくなることであり、また距離を近くすると異常
放電が生じる恐れもあり、装置の健全性,信頼性の低下
につながる。したがって、浮遊容量を利用するものにお
いては、電極に印加される電圧をあまり大きくすること
ができない。
【0007】一方、有磁場プラズマタイプのプラズマ処
理装置では、電磁石等が発生する磁場を変化させること
でプラズマの分布を制御でき、試料の均一処理や反応生
成物の付着が少ない条件のプラズマ分布に容易に調整可
能である。しかし、無磁場の誘導放電プラズマタイプの
プラズマ処理装置では、プラズマ分布を調整する手段が
限られ、例えば、真空容器の形状を変えたり、誘導結合
アンテナの位置を調節して分布を制御していた。しか
し、ガス圧等のプロセス条件を変えると、プラズマの分
布は変化してしまい、一台のプラズマ処理装置ではごく
限られた条件でしか、プロセス処理ができなかった。
【0008】本発明の第一の目的は、誘導結合アンテナ
を用いたプラズマ処理において、容易にプラズマ分布を
制御することのできるプラズマ処理装置及びプラズマ処
理方法を提供することにある。
【0009】本発明の第二の目的は、誘導結合アンテナ
を用いたプラズマ処理において、試料の処理中に真空容
器の内壁面への反応生成物の付着を抑制することのでき
るプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記本発明の第一の目的
は、プラズマが形成される領域を囲む面に対し誘導結合
アンテナを配置し、少なくとも誘導結合アンテナが配置
されていない部分の面に対し静電容量結合アンテナを配
置して、誘導結合アンテナと静電容量結合アンテナを電
気的に直列に接続し、静電容量結合アンテナと静電容量
結合アンテナに流れる高周波電流の割合を調整する調整
手段を設けた装置とし、電気的に直列に接続された誘導
結合アンテナと静電容量結合アンテナに流れる高周波電
流の割合を調整し、誘導結合アンテナ及び静電容量結合
アンテナによる電界を用いて容器内にプラズマを生成
し、該プラズマを用いて試料を処理する方法とすること
により、達成される。
【0011】上記本発明の第二の目的は、プラズマが形
成される領域を囲む面に対し誘導結合アンテナを配置
し、誘導結合アンテナが配置されていない部分の面に対
し静電容量結合アンテナを配置して、誘導結合アンテナ
と静電容量結合アンテナを電気的に直列に接続した装置
とし、電気的に直列に接続された誘導結合アンテナと静
電容量結合アンテナによって容器内に電界を形成し、誘
導結合アンテナからの電界が弱い部分に静電容量結合の
電界を形成し、これらの電界を用いて容器内にプラズマ
を生成し、該プラズマを用いて試料を処理する方法とす
ることにより、達成される。
【0012】本発明によれば、電気的に直列に接続され
た誘導結合アンテナと静電容量結合アンテナに流れる高
周波電流の割合を調整し、誘導結合アンテナ及び静電容
量結合アンテナにより発生させる電界の強さを調整でき
るので、容器内に処理に最適なプラズマを生成すること
ができ、誘導結合アンテナを用いたプラズマ処理におい
て、試料の処理中に真空容器の内壁面への反応生成物の
付着を抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一の実施例を図
1ないし図3により説明する。図1に、本発明のプラズ
マ処理装置の縦断面図を示す。真空容器2は、この場
合、内部にプラズマ生成部を形成する絶縁材料(例え
ば、石英,セラミック等の非導電性材料)で成る放電部
2aと、被処理物である試料、例えば、ウエハ13を配
置するための電極が設置された処理部2bとから成る。
処理部2bはアースに設置されており、電極5は絶縁材
を介して処理部2bに取付けられている。放電部2aの
外側にはコイル状の誘導結合アンテナ1が配置されてい
る。また、放電部2aの天井の大気側には、プラズマ6
と静電容量的に結合する円盤状の静電容量結合アンテナ
8が設けられている。誘導結合アンテナ1と静電容量結
合アンテナ8は、整合器(マッチングボックス)3を介
して第一の高周波電源10に直列に接続されている。ま
た、静電容量結合アンテナ8と並列に、インピーダンス
の大きさが可変可能な負荷17の回路がアースに接地し
てある。真空容器2内にはガス供給装置4から処理ガス
が供給され、真空容器2内は排気装置7によって所定の
圧力に減圧排気される。電極5には、第二の高周波電源
12が接続されている。
【0014】上記のように構成された装置では、ガス供
給装置4によって真空容器2内に処理ガスを供給し、該
処理ガスを誘導結合アンテナ1と静電容量結合アンテナ
8により発生する電界の作用によって、プラズマ化す
る。プラズマ化されたガスは、後に、排気装置7によっ
て排気される。第一の高周波電源10により発生した、
例えば、13.56MHz,27.12MHz,40.
68MHz等のHF帯や、更に周波数が高いVHF帯等
の高周波電力を誘導結合アンテナ1と静電容量結合アン
テナ8に供給することにより、プラズマ生成用の電界を
得ているが、電力の反射を押さえるためにマッチングボ
ックス3を用いて、アンテナのインピーダンスを第一の
高周波電源10の出力インピーダンスに一致させてい
る。マッチングボックス3は、この場合、一般的な逆L
型と呼ばれる、静電容量を可変可能なバリコンを2個用
いたものを使用している。また、処理されるウエハ13
は、電極5上に配置され、プラズマ6中に存在するイオ
ンをウエハ13上に引き込むために、電極5に第二の高
周波電源12によりバイアス電圧を印加する。
【0015】図2は、図1のプラズマ処理装置の放電回
路を示す外観斜視図である。放電回路としては、第一の
高周波電源10から出た高周波電流は、マッチングボッ
クス3を通り、誘導結合アンテナ1を流れて静電容量結
合アンテナ8に流れる。静電容量結合アンテナに流れた
電流は、プラズマを介してアースに流れる。また、静電
容量結合アンテナ8に並列に、インピーダンスの大きさ
を可変可能な負荷17の回路を設けアースに接続する。
負荷17は、この場合、バリコンと固定インダクターを
直列に接続したものとしているが、直列共振させること
で、インピーダンスをゼロにすることができる。
【0016】図3は、図2に示した放電回路の等価回路
を示す。誘導結合アンテナ1を負荷9、静電容量結合ア
ンテナ8を負荷11として等価的に示している。
【0017】負荷17のインピーダンスの大きさがゼロ
のときには、負荷11に加わる電圧もゼロとなることか
ら、静電容量結合アンテナ8に流れる電流もゼロとな
り、静電容量結合放電が起こらない状態となる。すなわ
ち、誘導結合放電のみでプラズマが生成される状態とな
る。負荷17のインピーダンスの大きさを大きくしてい
くと、負荷11に流れる電流が増加し、静電容量結合放
電で生成されるプラズマの割合が次第に強くなる。
【0018】なお、マッチングボックス3のマッチング
が取れる範囲で、負荷11の大きさを変えていかねばな
らないが、マッチングが取れるための条件として以下の
ことを考慮する必要がある。
【0019】その条件の一つとして、負荷9のリアクタ
ンスをYL、負荷11のリアクタンスをYC、負荷17
のリアクタンスをYVとしたときに、YLは誘導的であ
るのでYL>0、YCは静電容量的なのでYC<0であ
る。しかしながら、YCとYVは並列に接続されている
ことから、YV>0の領域においてYC=−YVとなる
とき、並列共振を起こし合成インピーダンスが急激に大
きくなって、マッチングが取れなくなる。このため、こ
のような領域ではプラズマ生成ができなくなる場合があ
る。よって、YV<0となるような領域で、負荷11を
変化させる。これによって、問題なくマッチングを取る
ことができる。
【0020】また、もう一つの条件として、負荷11と
負荷17を並列につないだときの合成インピーダンスの
リアクタンスをYGとすると、YV<0、YC<0とな
る条件では、YG<0となる。しかしながら、YG>Y
Lのときには、マッチングボックス3でのマッチングを
とるべき放電回路全体の負荷のリアクタンスが負とな
り、図に示した逆L型のマッチングボックスでは、マッ
チングが取れない場合がある。その場合には、負荷9に
直列にインダクタを挿入することで、マッチングが取れ
るようになる。また、π型と呼ばれるマッチングボック
スを用いることで、対応することができるが、この場合
はマッチングボックスの構造が複雑になる。
【0021】このように、負荷17のインピーダンスを
変えることによって、誘導結合アンテナ1と静電容量結
合アンテナ8とに流れる高周波電流の割合を変えること
ができ、それぞれのアンテナによって発生する電界の強
さが変わる。これによって、それぞれのアンテナで生成
するプラズマの密度を変えることができる。言い換える
と、それぞれのアンテナの位置に対応して、それぞれの
プラズマの密度を変えることができるので、放電部2a
内でのプラズマの分布を制御することができる。
【0022】すなわち、誘導結合アンテナ1でプラズマ
を生成した場合はプラズマは領域15aで強く発生する
ため外側に強くプラズマが生成し、静電容量結合アンテ
ナ8でプラズマを生成した場合はプラズマは領域15b
で強く発生するために中央部が強いプラズマが発生す
る。よって静電容量結合アンテナ8に流れる電流を調節
することにより、中央部のプラズマの強さが調節でき、
これによって、プラズマの分布を適正に制御しウエハを
均一に処理することができる。
【0023】また、静電容量結合放電によって生成した
プラズマは、誘導結合放電によるプラズマより電子温度
が高い傾向があるので、静電容量結合アンテナ8に流れ
る電流を調整することにより、静電容量結合放電と誘導
結合放電の割合を調節できるので、プラズマの電子温度
制御及び処理ガスの解離制御等も可能となる。これによ
り、試料の処理、例えば、メタルエッチング,ゲートエ
ッチング,絶縁物エッチング,磁気ヘッドのエッチング
加工等それぞれのプロセスに合わせた最適の条件を適用
させることができる。
【0024】また、誘導結合アンテナ1によって作られ
る電界は、誘導結合アンテナ近傍の領域15aに強く発
生する。そのため、誘導結合アンテナ1でプラズマを生
成した場合、真空容器2の放電部2a側面では反応生成
物の付着は少ないが、放電部2aの天井には反応生成物
の付着が多く発生する。その付着を防止するため、放電
部2aの天井の大気側にプラズマ6と静電容量的に結合
する円盤状の静電容量結合アンテナ8を設け、天井付近
の領域15bに電界を強く発生させる。これにより、真
空容器2の天井部分、すなわち、放電部2aの天井部分
において、反応生成物の付着を抑制または防止すること
ができる。
【0025】以上、本第一の実施例によれば、放電部を
囲って誘導結合アンテナを配置し、誘導結合アンテナが
配置されていない放電部の面に対し静電容量結合アンテ
ナを配置して、誘導結合アンテナと静電容量結合アンテ
ナを電気的に直列に接続し、高周波電力を供給すること
により、誘導結合アンテナによって強い電界を形成でき
ない箇所にも、静電容量結合アンテナによって強い電界
を形成できるので、放電部全体で高密度のプラズマを生
成できるので、ウエハのプラズマ処理中においても、真
空容器内壁面への反応生成物の付着を抑制することがで
きるという効果がある。
【0026】また、誘導結合アンテナと静電容量結合ア
ンテナとに流れる電流の割合を調整、例えば、静電容量
結合アンテナに流れる電流を調節することにより、中央
部のプラズマの強さが調節でき、これによって、プラズ
マの分布を適正に制御しウエハを均一に処理することが
できる。
【0027】さらに、誘導結合アンテナと静電容量結合
アンテナとに流れる電流の割合を調整、例えば、静電容
量結合アンテナに流れる電流を調節することにより、静
電容量結合放電と誘導結合放電の割合を調節できるの
で、プラズマの電子温度制御及び処理ガスの解離制御等
も可能となる。
【0028】なお、本一実施例では、誘導結合アンテナ
と静電容量結合アンテナとに流れる電流の割合を調節す
る方法として、静電容量結合アンテナに流れる電流を調
節する、すなわち、負荷17を用いて静電容量結合アン
テナ8に流れる電流を調節することについて述べたが、
負荷17を誘導結合アンテナ1に並列に接続しても同様
の制御が可能である。この場合の等価回路を図4に示
す。負荷17のインピーダンスがゼロのときには誘導結
合アンテナ1の負荷9に流れる高周波電流はゼロにな
り、負荷17のインピーダンスを大きくするに連れて、
負荷9に流れる電流は大きくなる。このようにこの回路
では誘導結合アンテナ1に流れる電流を調整可能とな
る。
【0029】次に、本発明の第二の実施例を図5ないし
図8によって説明する。図5に、本発明のプラズマ処理
装置の縦断面図を示し、図6に放電回路の斜視図を示
す。本図において、前記第一の実施例で示した図1およ
び図2と同符号は同一部材を示し、説明を省略する。本
図が図1および図2と異なる点は、誘導結合アンテナ1
aと誘導結合アンテナ1bの二系統を上下に設置し、並
列に接続し、誘導結合アンテナ1aに直列にバリコン1
6を接続している点である。
【0030】このように構成された装置では、二系統の
誘導結合アンテナ1a,1bに流れる高周波電流の大き
さを制御することで、プラズマ分布を制御することがで
きる。以下、プラズマ分布の制御方法について述べる。
【0031】二系統の誘導結合アンテナ1aと誘導結合
アンテナ1bが作る誘導電界が強い領域を領域25aと
領域25bとする。また静電容量結合アンテナ8が作る
電界が強い領域を領域25cとする。これら電界が強い
領域でプラズマの生成が行われる。真空容器2の放電部
2aは、図示上において、上方に向かい径を小さくする
ことで、領域25aと領域25bの径の大きさが異な
る。この場合は、領域25aの径が小さく、領域25b
の径が大きくなっている。これに伴なって誘導結合アン
テナ1aが作るプラズマは中央の密度が高いプラズマと
なり、誘導結合アンテナ1bが作るプラズマは外周の密
度が高いプラズマとなる。したがって、誘導結合アンテ
ナ1aと誘導結合アンテナ1bとに流れる電流の割合を
調整することによって、プラズマの分布を制御すること
ができる。
【0032】次に、誘導結合アンテナ1aと誘導結合ア
ンテナ1bとに流れる高周波電流の割合を調整する方法
について説明する。図7に図6の放電回路の等価回路を
示す。誘導結合アンテナ1aを負荷9a、誘導結合アン
テナ1bを負荷9bとして表している。負荷9aとバリ
コン16を合成したインピーダンスの大きさをZa、負
荷9bのインピーダンスの大きさをZbとすると、負荷
9aと負荷9bに流れる高周波電流の大きさは、1/Z
aと1/Zbに比例する。誘導結合アンテナは正のリア
クタンスをもつが、負のリアクタンスをもつバリコンで
Zaを正の値からゼロまで変化させることで、電流を制
御することができる。
【0033】ここで、Zbのリアクタンスは正であるの
で、Zaのリアクタンスが負となる条件の場合、マッチ
ングが取れない場合があるので、Zaのリアクタンスは
正となる条件で用いるのが望ましい。よって、図7の回
路は、負荷9aに流れる電流を増加させるのに適した回
路であるといえる。
【0034】上述の装置および方法を用いウエハを処理
する場合、静電容量結合アンテナ8に流れる高周波電流
を強くし、誘導結合プラズマ1aと誘導結合アンテナ1
bに流れる電流の割合を一定にした場合、領域25cに
おいて生成するプラズマが多くなり、誘導結合プラズマ
1aと誘導結合アンテナ1bに流れる電流は相対的に減
少するので、領域25aと領域25bで生成するプラズ
マは少なくなる。そのためプラズマの中央の密度が高く
なり、ウエハ13上の処理速度分布も中央が早くなって
しまう。
【0035】そこで、誘導結合アンテナ1aに流れる電
流を小さく、誘導結合アンテナ1bに流れる電流を大き
くすることで、径の大きい領域25bで生成するプラズ
マを多くし、径の小さい領域25aで生成するプラズマ
を少なくすることで、プラズマの分布を制御し、ウエハ
13上の処理速度を均一にすることができる。
【0036】以上、本第二の実施例によれば、前記第一
の実施例と同様の効果があるとともに、二系統の大きさ
の異なる誘導結合アンテナを設け、それぞれの誘導結合
アンテナへの高周波電力の印加量を制御することで、異
なる大きさの誘導結合放電を得ることができるので、放
電部内でのプラズマの分布をさらに細かく制御すること
ができるという効果がある。
【0037】また、二系統の誘導結合アンテナ1a,1
bと静電容量結合アンテナ8のそれぞれに流れる高周波
電流を制御できるので、各アンテナが発生する強い電界
を領域25a、領域25b、領域25cに自由に発生さ
せることができ、最適なプラズマ状態にできるので、ウ
エハ処理中の反応生成物の容器内への付着をさらに細か
い範囲で抑制できるという効果がある。
【0038】なお、本第二の実施例において、負荷9a
に流れる電流を減少させるためには、図7の回路におけ
るバリコン16を、負荷9aに直列に接続するのではな
く、負荷9bに直列に接続すれば良い。
【0039】また、負荷9aに流れる電流を減少させる
ための他の回路として、図8の放電回路の等価回路に示
すように、バリコン16と直列にインダクター19を設
置しても良い。ここで、バリコン16とインダクター1
9の合成インピーダンスのリアクタンスが正となる条件
においては、負荷9aと負荷9bのリアクタンスは正で
あるので、並列共振がおこらず安定してマッチングを取
ることができる。
【0040】次に、本発明の第三の実施例を図9および
図10により説明する。図9に、本発明のプラズマ処理
装置の縦断面図を示し、図10に放電回路の斜視図を示
す。本図において、前記第二の実施例で示した図5およ
び図6と同符号は同一部材を示し、説明を省略する。本
図が図5および図6と異なる点は、静電容量結合アンテ
ナ8aを真空容器2の放電部2a全体を覆うように設け
て点である。
【0041】本第三の実施例では、二系統の誘導結合ア
ンテナ1aと誘導結合アンテナ1bが作る誘導電界が、
強い領域を領域25aと領域25bとする。また静電容
量結合アンテナ8が作る電界が強い領域を領域25dと
する。この電界が強い領域でプラズマの生成が行なわれ
るが、静電容量結合アンテナ8aは真空容器2全体を覆
うように設置されていることから、領域25dは真空容
器2の放電部2a内壁に隣接する部分全体となり、静電
容量放電によって、放電部2aの内壁全体に反応生成物
が付着するのを防止またはクリーニングができる。ま
た、誘導結合アンテナ1a,1bと放電部2aの間に静
電容量結合アンテナを設けることで、誘導結合アンテナ
とプラズマとの静電容量的な電界が放電部内に伝わるの
を防ぎ、放電部内壁がプラズマによって削られるのを防
止するファラデーシールドの役割を果たしている。
【0042】図10は、図9に示す装置の放電回路の斜
視図である。静電容量結合アンテナ8aには、誘導結合
アンテナ1a,1bが発生する電界が真空容器2a内部
に到達するように、誘導結合アンテナ1a,1bと直交
するようにスリット14を設けている。スリット14は
誘導結合アンテナ1a,1bが作る電界を妨げなけれ
ば、直交する必要はなく、ある程度の傾きを持っていて
もよい。
【0043】本第三の実施例によれば、前述の第一およ
び第二の実施例と同様の効果を得ることができるととも
に、静電容量結合アンテナが8aが放電部2a全体を覆
って設けてあるので、放電部2a内面全体において、反
応生成物の付着を防止または抑制できるという効果があ
る。
【0044】次に、本第三の実施例に記述した概念を用
いてプラズマを生成したときの実験データを示す。図1
1は、実験に用いた放電回路を示す。この放電回路で
は、マッチングボックス3内に1.2μHのインダクタ
を設置することで、マッチングをとりやすくしている。
また、静電容量結合アンテナ8aに流れる電流を抑制す
るために静電容量結合アンテナの手前に200pFのコンデ
ンサーを設置した。また、誘導結合アンテナ1aは2タ
ーン、誘導結合アンテナ1bは1ターンとしている。2
系統の誘導結合アンテナに流れる電流と、静電容量結合
アンテナ8aに流れる電流は、バリコン16a、16b
と固定インダクタを組み合わした負荷によって行われ
る。
【0045】図12は、バリコン16aの静電容量の値
を変化させた場合の誘導結合アンテナ1aと誘導結合ア
ンテナ1bに流れる電流比(アンテナ1aに流れる電流
/アンテナ1bに流れる電流)を示す。このように、バ
リコン16aを変化させることで、アンテナ1aと1b
に流れる電流の比を調節できることがわかる。ここで、
アンテナ1a,1bに流れる電流を調整するために、こ
の場合、アンテナ1bの後ろにバリコン16aと0.9
μHのインダクタを直列に設けて有る。これにより、バ
リコン16aの静電容量を可変し、バリコン16aと
0.9μHのインダクタとアンテナ1bによるインピー
ダンスが零のとき、高周波電流はアンテナ1bにのみ流
れ、電流比は零となる。また、インピーダンスが零より
大きいときは、アンテナ1a,1bに流れる高周波電流
は同位相となり、プラスの電流比となる。逆に、インピ
ーダンスが零より小さいときは、アンテナ1a,1bに
流れる高周波電流は逆位相となり、マイナスの電流比と
なる。
【0046】図13は電流比を変化させた場合の電極上
でのプラズマのイオン飽和電流密度の均一性を示してい
る。均一性はプラズマの中央部が高い場合をプラス、外
周部が高い場合をマイナスとして示している。このよう
に、電流比を調整することで、プラズマのイオン飽和電
流密度、すなわち、分布を外周部から中央部まで広い範
囲で調整できる。本実験装置ではプラズマのイオン飽和
電流密度の均一性を50%も調整できた。
【0047】図14は、バリコン16bの静電容量の値
を変化させた場合の静電容量結合アンテナ8aに発生す
る電圧の振幅(peak-to-peak)を示したものである。こ
のように、誘導結合アンテナと静電容量結合アンテナと
を直列に接続した放電回路を用いることにより、従来の
浮遊容量を利用するものものに比べ、この場合、静電容
量結合アンテナ8aに電圧がほとんど発生しない状態か
ら、最大約1000Vまでの間で電圧を大きく調整可能
であった。
【0048】なお、本第三の実施例では2系統の誘導結
合アンテナを設置しているが、更にプラズマ分布を高精
度に制御するために、誘導結合アンテナを3系統、或い
は4系統以上に増やしても良い。
【0049】次に、本発明の第四の実施例を図15およ
び図16により説明する。図15に、本発明のプラズマ
処理装置の斜視図を示す。本図において、前記第三の実
施例で示した図10と同符号は同一部材を示し、説明を
省略する。本図が図10と異なる点は、放電回路におけ
る誘電結合アンテナの接続方法が異なっている点であ
る。すなわち、誘導結合アンテナは、誘導結合アンテナ
1aと誘導結合アンテナ1bの二系統を直列に接続した
回路に、更に静電容量結合アンテナ8aを直列につなげ
たものである。また静電容量結合アンテナ8aに流れる
電流を調節するために、インピーダンスの大きさを調節
可能な負荷17aを静電容量結合アンテナ8aに並列に
なるように接続してある。更に、誘導結合アンテナ1a
と誘導結合アンテナ1bに流れる電流を調整するため
に、負荷17b、負荷17cを同様に並列に接続してあ
る。
【0050】図16は、図15に示す装置の放電回路の
等価回路を示したものである。誘導結合アンテナ1aを
負荷9a、誘導結合アンテナ1bを負荷9b、静電容量
結合アンテナ8aを負荷11として表している。本実施
例において、誘導結合放電の強さは負荷17aの大きさ
によって調節される。負荷17のインピーダンスの大き
さを大きくすると、負荷11に流れる電流が増加し、静
電容量結合放電で生成されるプラズマの割合が強くな
る。また負荷17b又は負荷17cのインピーダンスを
大きくして行くと、誘導結合アンテナ1a又は誘導結合
アンテナ1bにおける誘導結合放電が強くなる。よっ
て、負荷17a,17b,17cのインピーダンスの大
きさを調整することで、前述の第一ないし第三の実施例
と同様の効果が得ることができる。
【0051】なお、本第四の実施例では、誘導結合アン
テナ1a、誘導結合アンテナ1b及び静電容量結合アン
テナ8aのすべてに負荷17a,17b,17cを並列
に入れて、それぞれに流れる電流を調整しているが、そ
のうち一つの負荷がない場合でも同様の制御が可能であ
り、同様の効果を得ることができる。
【0052】また、マッチングの取れる条件として、静
電容量結合アンテナ8aのインピーダンスのリアクタン
スが負であることから、並列共振を避けるために負荷1
7aのリアクタンスは負となる条件で用いることが望ま
しい。また、誘導結合アンテナ1a,1bの負荷のリア
クタンスが正であるので、並列共振を避けるために負荷
17bと負荷17cのリアクタンスは正となる条件を用
いることが望ましい。
【0053】さらに、マッチングボックス3がマッチン
グを取るべき放電回路全体の負荷のリアクタンスが負と
なり、図に示した逆L型のマッチングボックスではマッ
チングが取れなくなる場合には、マッチングボックス3
と放電回路の間にインダクタを直列に挿入することでマ
ッチングを取ることができる。
【0054】次に、本発明の第五の実施例を図17およ
び図18により説明する。図17に、本発明のプラズマ
処理装置の斜視図を示す。本図において、前記第四の実
施例で示した図15と同符号は同一部材を示し、説明を
省略する。本図が図15と異なる点は、放電回路におけ
る誘電結合アンテナの接続方法が異なっている点であ
る。すなわち、誘導結合アンテナは、誘導結合アンテナ
1aと誘導結合アンテナ1bの二系統を直列に接続した
回路に静電容量結合アンテナ8aを直列につなげたもの
であり、静電容量結合アンテナ8aに流れる電流を調節
するために、インピーダンスの大きさを調節可能な負荷
17aを静電容量結合アンテナ8aに並列になるように
設置し、更に、誘導結合アンテナ1aと誘導結合アンテ
ナ1bの間からインピーダンスの大きさを調整可能な負
荷17bを介してアースに接続した回路を分岐させてあ
る。
【0055】図18は、図17の装置の放電回路の等価
回路を示したものである。誘導結合アンテナ1aを負荷
9a、誘導結合アンテナ1bを負荷9b、静電容量結合
アンテナ8を負荷11として表している。本実施例にお
いて、誘導結合放電の強さは負荷17aの大きさによっ
て調節される。負荷17のインピーダンスの大きさを大
きくしていくと、負荷11に流れる電流が増加し、静電
容量結合放電で生成されるプラズマの割合が強くなる。
また負荷17bは、負荷9bと負荷11が直列につなが
った回路に並列につながることから、負荷17bのイン
ピーダンスを調節することで、誘導結合アンテナ1bよ
る誘導結合放電と静電容量結合アンテナ8aによる静電
容量結合放電を調整することができる。
【0056】また、マッチングの取れる条件として、静
電容量結合アンテナのインピーダンスのリアクタンスが
負であることから、並列共振を避けるために負荷17a
のリアクタンスは負となる条件で用いることが望まし
い。また、負荷17bと並列につながっている回路との
並列共振を避けるため、負荷9bと負荷11と負荷17
aを合成したインピーダンスのリアクタンスが正のとき
には、負荷17bのリアクタンスも正、合成インピーダ
ンスのリアクタンスが負のときには、負荷17bのリア
クタンスも負となるようにすることが望ましい。さら
に、マッチングボックス3がマッチングをとるべき放電
回路全体の負荷のリアクタンスが負となり、図に示した
逆L型のマッチングボックスではマッチングが取れなく
なる場合がでてくる。その時には、負荷9aに直列にイ
ンダクタを挿入することで、マッチングを取ることがで
きる。
【0057】以上、本第五の実施例によれば、前述の第
1ないし第3の実施例と同様の効果を得ることができ
る。
【0058】次に、本発明の第六の実施例を、図19に
より説明する。図19は本発明のプラズマ処理装置を示
す縦断面図である。本実施例の基本的な考え方は第一、
第二、および第三の実施例と同じであるが、真空容器2
0の放電部20aの形状と誘導結合アンテナ21と静電
容量結合アンテナ28の形状が異なっている。本実施例
では、放電部20aは筒状で、その全体を包むように、
筒状の静電容量結合アンテナ28が設置され、放電部2
0aの天井に2系統のコイル状の誘導結合アンテナ21
aと誘導結合アンテナ21bが巻かれている。
【0059】本実施例では、二系統の誘導結合アンテナ
21aと誘導結合アンテナ21bが作る誘導電界が強い
領域を領域25eと領域25fとする。また静電容量結
合アンテナ28が作る電界が強い領域を領域25gとす
る。これら電界が強い領域でプラズマの生成が行なわれ
るが、静電容量結合アンテナ28は放電部20a全体を
覆うように設置していることから、領域25gは放電部
20a内壁に隣接する部分全体となり、静電容量放電に
よって、放電部20aの内壁全体の反応生成物が付着す
るのを防止またはクリーニングできる。
【0060】また、放電部20aの天井に巻かれた誘導
結合アンテナ21aの径は小さいく、誘導結合アンテナ
21bの径は大きいので、それに伴なって誘導結合アン
テナ21aが作るプラズマは中央の密度が高いプラズマ
となり、誘導結合アンテナ21bが作るプラズマは外周
の密度が高いプラズマとなる。よって、前述した第二な
いし第五のいずれかの放電回路を用いることで、同様の
効果を得ることができる。
【0061】以上のように、本発明によれば、誘導結合
アンテナおよび静電容量結合アンテナへの高周波電流の
電流量を調節する、すなわち、放電回路に設けた負荷1
7やバリコン16のインピーダンスを調整することによ
り、静電容量結合放電と誘導結合放電の割合を調節でき
るので、プラズマ処理中に真空容器内壁への反応生成物
の付着を抑制することができる。また、プラズマの分布
を制御することができるので、均一なプラズマ処理を行
うことができる。さらに、プラズマ電子温度の制御も行
なえるので、エッチング等のプラズマを用いたプロセス
仕様の多様性に対処できる。
【0062】なお、本発明は、上述した第一ないし第六
の実施例に示された装置に限らず、これらの組合わせに
よって放電回路を構成しても良い。また、真空容器も放
電部と処理部に分ける必要もなく、放電部の形状も実施
例で示した形状に限られるものではない。例えば、図2
0ないし図23に示すような形状の真空容器にしても良
い。また、図22に示すように誘導結合アンテナの外側
に静電容量結合アンテナを配置しても良い。さらに、図
23のように静電容量結合アンテナを真空容器の外面に
貼り付けても良いし、または静電容量結合アンテナを真
空容器の内部に埋め込んで構成しても良い。
【0063】ここで、20c,20d,20eは真空容
器であり、少なくともアンテナに対応する部分は非同電
材料で構成される。21は誘導結合アンテナであり、2
8a,28b,28c,28dは静電容量結合アンテナ
である。
【0064】また、本発明はプラズマを用いる装置およ
び処理に適用でき、エッチング,CVD,スパッタ等処
理および処理装置に適用でき、処理する試料としては半
導体ウエハのみならず、液晶用基板の処理,磁気ヘッド
の加工等、プラズマを用いて処理されるものには全て適
用することができる。
【0065】さらに、このような本発明は次のような半
導体製造プロセスに適用することができる。図24は本
発明を用いた半導体プロセスの工程の一例を示す図であ
る。本プロセスでの対象となる装置構成は前述した各実
施例の何れかの構成を用いる。
【0066】半導体プロセスでは、エッチングする材料
に合わせて処理ガスの種類、真空容器内のガス圧、ガス
流量、アンテナに印加する高周波電力等を調整し、エッ
チングや成膜処理におけるウエハの均一処理が行えるよ
うにプロセスレシピを決める。例えば、アルミニウムを
エッチングする場合には、処理ガスとして塩素ガスや三
塩化ホウ素ガス等を用い、石英をエッチングする場合に
は、処理ガスとしてC48ガスを用いる。
【0067】ガスの種類やガス圧等が変わればプラズマ
の分布も変化するので、従来技術の装置を用いる場合に
は、上記2種類の材料をエッチングする場合、異なる装
置を用いてエッチング処理を行う必要があった。
【0068】しかし、本発明の装置を用いれば、図24
に示すように連続したプロセス処理の途中に、複数の誘
導結合アンテナに流れる高周波電流を調節してプラズマ
分布調整するための工程31a、31b、31cを加え
るとともに、異なるプロセス30a、30b、30cを
それぞれの行程31a、31b、31cの後に持ってく
ることによって、同一の装置で各プロセスにおけるプラ
ズマ分布を均一に調整してウエハを均一に処理すること
ができる。
【0069】これによって、各プロセス毎にウエハを装
置間で移動したりする手間が省けスループットの向上を
図ることができる。また、一台の装置で複数のプロセス
処理ができるので装置の台数を節約できる。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、電気的に直列に接続さ
れた誘導結合アンテナと静電容量結合アンテナに流れる
高周波電流の割合を調整し、誘導結合アンテナ及び静電
容量結合アンテナにより発生させる電界の強さを調整で
きるので、容器内に処理に最適なプラズマを生成するこ
とができ、誘導結合アンテナを用いたプラズマ処理にお
いて、試料の処理中に真空容器の内壁面への反応生成物
の付着を抑制することのできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例であるプラズマ処理装置
を示す縦断面図である。
【図2】図1の装置の放電回路を示す斜視図である。
【図3】図2の放電回路の等価回路を示す図である。
【図4】図3の等価回路の他の実施例を示す図である。
【図5】本発明の第二の実施例であるプラズマ処理装置
を示す縦断面図である。
【図6】図5の装置の放電回路を示す斜視図である。
【図7】図6の放電回路の等価回路を示す図である。
【図8】図6の等価回路の他の実施例を示す図である。
【図9】本発明の第三の実施例であるプラズマ処理装置
を示す縦断面図である。
【図10】図9の装置の放電回路を示す斜視図である。
【図11】本発明の第三の実施例の概念を用いた実験装
置の放電回路を示す斜視図である。
【図12】図11の装置による実験データを示す図であ
る。
【図13】図11の装置による実験データを示す図であ
る。
【図14】図11の装置による実験データを示す図であ
る。
【図15】本発明の第四の実施例であるプラズマ処理装
置を示す斜視図である。
【図16】図15の装置の放電回路の等価回路を示す図
である。
【図17】本発明の第五の実施例であるフプラズマ処理
装置を示す斜視図である。
【図18】図17の装置の放電回路の等価回路を示す図
である。
【図19】本発明の第六の実施例であるプラズマ処理装
置を示す縦断面図である。
【図20】本発明のさらに他の実施例であるプラズマ処
理装置を示す縦断面図である。
【図21】本発明のさらに他の実施例であるプラズマ処
理装置を示す縦断面図である。
【図22】本発明のさらに他の実施例であるプラズマ処
理装置を示す縦断面図である。
【図23】本発明のさらに他の実施例であるプラズマ処
理装置を示す縦断面図である。
【図24】本発明の処理を適用した半導体処理プロセス
工程の一例を示す図である。
【符号の説明】 1…誘導結合アンテナ、2…真空容器、2a…放電部、
2b…処理部、3…整合器(マッチングボックス)、4
…ガス供給装置、5…電極、6…プラズマ、7…排気装
置、8…静電容量結合アンテナ、9…負荷、10…第一
の高周波電源、11…負荷、12…第二の高周波電源、
13…ウエハ、15a…領域、15b…領域、17…負
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 枝村 学 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 数見 秀之 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 金井 三郎 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸事業所内 (72)発明者 手束 勉 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 荒井 雅嗣 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 前田 賢治 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 坪根 恒彦 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸事業所内 Fターム(参考) 5F004 AA15 AA16 BA20 BB11 BB18 DA04 DA11 DB00 DB03 DB08 DB09 DB29 5F045 AA08 BB08 BB15 DP04 DQ10 EB02 EB06 EH11

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマが形成される領域を囲む面に対し
    誘導結合アンテナを配置し、前記誘導結合アンテナが配
    置されていない部分の面に対し静電容量結合アンテナを
    配置して、前記誘導結合アンテナと前記静電容量結合ア
    ンテナを電気的に直列に接続したことを特徴とするプラ
    ズマ処理装置。
  2. 【請求項2】プラズマが形成される領域を囲む面に対し
    誘導結合アンテナを配置し、少なくとも前記誘導結合ア
    ンテナが配置されていない部分の面に対し静電容量結合
    アンテナを配置して、高周波電源,前記誘導結合アンテ
    ナ,前記静電容量結合アンテナの順に電気的に直列に接
    続したことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】プラズマが形成される領域を囲む面が少な
    くとも2面あり、一方の面に対し誘導結合アンテナを配
    置し、他方の面に対し静電容量結合アンテナを配置し
    て、前記誘導結合アンテナと前記静電容量結合アンテナ
    を電気的に直列に接続し、前記誘導結合アンテナおよび
    静電容量結合アンテナに高周波電力を供給する高周波電
    源を接続したことを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】プラズマが形成される領域を囲む面が少な
    くとも2面あり、一方の面に対し誘導結合アンテナを配
    置し、前記一方の面を含む少なくとも2面に対し静電容
    量結合アンテナを配置して、前記誘導結合アンテナと前
    記静電容量結合アンテナを電気的に直列に接続し、前記
    誘導結合アンテナおよび静電容量結合アンテナに高周波
    電力を供給する高周波電源を接続したことを特徴とする
    プラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載のプラズマ処理装置におい
    て、前記誘導結合アンテナが配置された同一面に対し配
    置される静電容量結合アンテナは、前記誘導結合アンテ
    ナと該面との間に配置され、前記誘導結合アンテナの電
    界が透過する開口を有するプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】請求項4記載のプラズマ処理装置におい
    て、前記誘導結合アンテナが配置された同一面に対し配
    置される静電容量結合アンテナは、前記誘導結合アンテ
    ナの外側に配置されるプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】一部若しくは全体が内部にプラズマ生成部
    を形成する空間を有し、該プラズマ生成部を取り囲む部
    分が非導電性材料で成る真空容器と、 前記真空容器内に処理ガスを供給するガス供給装置と、 前記真空容器内を減圧排気する排気装置と、 前記非導電性材料で成る真空容器の部分の外側に設けら
    れ、電気的に直列接続され、前記プラズマ生成部に電界
    を発生するコイル状の誘導結合アンテナ及び板状の静電
    容量結合アンテナと、 前記直列に接続された誘導結合アンテナと静電容量結合
    アンテナに高周波電界を供給する第一の高周波電源と、 前記両アンテナのインピーダンスと前記第一の高周波電
    源の出力インピーダンスとの整合をとる整合器と、 前記真空容器内に設けられ被処理物を配置する電極と、 前記電極に高周波電界を印加する第二の高周波電源とを
    具備したことを特徴とするプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載のプラズマ処理装置におい
    て、前記静電容量結合アンテナに対して実抵抗が小さく
    リアクタンスが可変な負荷回路を並列に挿入し、前記静
    電容量結合アンテナに流れる高周波電流を調整する回路
    を設けたプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載のプラズマ処理装置におい
    て、前記負荷回路としてバリコンと固定インダクターを
    直列に接続したプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】請求項7記載のプラズマ処理装置におい
    て、前記誘導結合アンテナを2系統以上の誘導結合アン
    テナとし、各誘導結合アンテナ流れる高周波電流の大き
    さを調整する回路を設けたプラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載のプラズマ処理装置にお
    いて、前記2系統以上の誘導結合アンテナを並列に接続
    し、1系統以上に、実抵抗が小さくリアクタンスが可変
    な負荷回路を直列に設置したプラズマ処理装置。
  12. 【請求項12】請求項10記載のプラズマ処理装置にお
    いて、前記2系統以上の誘導結合アンテナを並列に接続
    し、1系統以上に、実抵抗が小さくリアクタンスが可変
    な負荷回路を並列に設置したプラズマ処理装置。
  13. 【請求項13】請求項10記載のプラズマ処理装置にお
    いて、前記2系統以上の誘導結合アンテナを直列に接続
    し、該誘導結合アンテナの接続部から、実抵抗が小さく
    リアクタンスが可変な負荷回路をアースに接続したプラ
    ズマ処理処理装置。
  14. 【請求項14】プラズマが形成される領域を囲む面に対
    し誘導結合アンテナを配置し、少なくとも前記誘導結合
    アンテナが配置されていない部分の面に対し静電容量結
    合アンテナを配置して、前記誘導結合アンテナと前記静
    電容量結合アンテナを電気的に直列に接続し、前記静電
    容量結合アンテナと前記静電容量結合アンテナに流れる
    高周波電流の割合を調整する調整手段を設けたことを特
    徴とするプラズマ処理装置。
  15. 【請求項15】請求項14記載のプラズマ処理装置にお
    いて、前記調整手段は前記誘導結合アンテナと前記静電
    容量結合アンテナのいずれか又は両方に流れる高周波電
    流の大きさを調整するプラズマ処理装置。
  16. 【請求項16】プラズマが形成される領域を囲む面に対
    し誘導結合アンテナを配置し、少なくとも前記誘導結合
    アンテナが配置されていない部分の面に対し静電容量結
    合アンテナを配置して、前記誘導結合アンテナと前記静
    電容量結合アンテナを電気的に直列に接続し、前記静電
    容量結合アンテナに流れる高周波電流を調整する回路を
    設けたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  17. 【請求項17】請求項16記載のプラズマ処理装置にお
    いて、前記回路は前記静電容量結合アンテナに対して並
    列にリアクタンスを可変可能な負荷回路を接続して成る
    プラズマ処理装置。
  18. 【請求項18】プラズマが形成される領域を囲む面に対
    し誘導結合アンテナを配置し、少なくとも前記誘導結合
    アンテナが配置されていない部分の面に対し静電容量結
    合アンテナを配置して、前記誘導結合アンテナと前記静
    電容量結合アンテナを電気的に直列に接続し、前記誘導
    結合アンテナに流れる高周波電流を調整する回路を設け
    たことを特徴とするプラズマ処理装置。
  19. 【請求項19】請求項18記載のプラズマ処理装置にお
    いて、前記回路は前記容量結合アンテナに対して並列に
    リアクタンスを可変可能な負荷回路を接続して成るプラ
    ズマ処理装置。
  20. 【請求項20】電気的に直列に接続された誘導結合アン
    テナと静電容量結合アンテナに流れる高周波電流の割合
    を調整し、前記誘導結合アンテナ及び静電容量結合アン
    テナによる電界を用いて容器内にプラズマを生成し、該
    プラズマを用いて試料を処理することを特徴とするプラ
    ズマ処理方法。
  21. 【請求項21】容器の外周部に巻装された誘導結合アン
    テナと前記容器の外側で前記誘導結合アンテナより内側
    に配置された静電容量結合アンテナとを電気的に直列に
    接続し、前記誘導結合アンテナ及び静電容量結合アンテ
    ナが形成する電界を用いて前記容器内にプラズマを生成
    する際に、前記静電容量結合アンテナに流れる電流の大
    きさを調節して、前記容器の中央部に生成されるプラズ
    マの強さを調節し、試料を処理することを特徴とするプ
    ラズマ処理方法。
  22. 【請求項22】電気的に直列配置した誘導結合アンテナ
    と静電容量結合アンテナの間に一方が接続され、他方が
    アースに接地されたインピーダンスの大きさを可変可能
    な負荷によって、前記負荷のインピーダンスの大きさを
    調整し、真空容器内に生成される静電容量結合放電によ
    るプラズマの割合を調整することを特徴とするプラズマ
    処理方法。
  23. 【請求項23】容器の外周部に巻装された誘導結合アン
    テナと前記容器の外側で前記誘導結合アンテナより内側
    に配置された静電容量結合アンテナとを電気的に直列に
    接続し、前記誘導結合アンテナ及び静電容量結合アンテ
    ナが形成する電界を用いて前記容器内にプラズマを生成
    する際に、前記誘導結合アンテナに流れる電流の大きさ
    を調節して、前記容器の外周部に生成されるプラズマの
    強さを調節し、試料を処理することを特徴とするプラズ
    マ処理方法。
  24. 【請求項24】容器の外周部に巻装された誘導結合アン
    テナと前記容器の外側で前記誘導結合アンテナより内側
    に配置された静電容量結合アンテナとを電気的に直列に
    接続し、前記誘導結合アンテナ及び静電容量結合アンテ
    ナが形成する電界を用いて前記容器内にプラズマを生成
    する際に、前記静電容量結合アンテナおよび前記誘導結
    合アンテナに流れる電流の大きさを調節して、前記容器
    の外周部および中央部に生成されるプラズマの強さを調
    節し、試料を処理することを特徴とするプラズマ処理方
    法。
  25. 【請求項25】プラズマ生成部に電界を発生するコイル
    状の誘導結合アンテナと板状の静電容量結合アンテナと
    を電気的に直列に接続して高周波電力を供給し、前記両
    アンテナへの高周波電力印加回路のインピーダンスのマ
    ッチングをとり、真空容器内の前記プラズマ生成部にプ
    ラズマを発生させ、前記真空容器内に配置された試料に
    対してプラズマ中のイオンを入射させるバイアス電圧を
    印加し、前記試料をプラズマ処理することを特徴とする
    プラズマ処理方法。
  26. 【請求項26】請求項25記載のプラズマ処理方法にお
    いて、前記誘導結合アンテナを複数の系で構成し、前記
    静電容量結合アンテナに流れる高周波電流を変化させる
    とともに、前記各誘導結合アンテナに流れる高周波電流
    を、プラズマ分布の変化を生じることなく、変化させる
    プラズマ処理方法。
  27. 【請求項27】請求項25記載のプラズマ処理方法にお
    いて、プロセスレシピの異なる処理を連続して処理する
    際に、各誘導結合アンテナに流れる高周波電流を調節す
    る工程と、該工程により設定された処理プロセスを実行
    する工程とを交互に繰り返し、試料の処理を行うプラズ
    マ処理方法。
  28. 【請求項28】電気的に直列に接続された誘導結合アン
    テナと静電容量結合アンテナによって容器内に電界を形
    成し、前記誘導結合アンテナからの電界が弱い部分に前
    記静電容量結合の電界を形成し、これらの電界を用いて
    前記容器内にプラズマを生成し、該プラズマを用いて試
    料を処理することを特徴とするプラズマ処理方法。
  29. 【請求項29】静電容量結合アンテナと電気的に直列に
    接続された誘導結合アンテナが形成する電界の内、容器
    内壁面に反応生成物が付着する弱い電界の部分に、静電
    容量結合アンテナによる強い電界を形成し、前記容器内
    壁面への反応生成物の付着を抑制することを特徴とする
    プラズマ処理方法。
  30. 【請求項30】電気的に直列に接続された誘導結合アン
    テナと静電容量結合アンテナに流れる高周波電流の割合
    を調整し、前記誘導結合アンテナ及び静電容量結合アン
    テナによる電界を用いて容器内にプラズマを生成し、該
    プラズマを用いて容器内をクリーニングすることを特徴
    とするプラズマクリーニング方法。
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