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JP2000304116A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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Publication number
JP2000304116A
JP2000304116A JP11110960A JP11096099A JP2000304116A JP 2000304116 A JP2000304116 A JP 2000304116A JP 11110960 A JP11110960 A JP 11110960A JP 11096099 A JP11096099 A JP 11096099A JP 2000304116 A JP2000304116 A JP 2000304116A
Authority
JP
Japan
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bearing
power roller
trunnion
toroidal
continuously variable
Prior art date
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Pending
Application number
JP11110960A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Yamamoto
健 山本
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP11110960A priority Critical patent/JP2000304116A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワーローラとトラニオンの傾転軸方向のガ
タを小さく抑えて望みの変速比に制御することを容易に
すると共に、パワーローラを支持する軸受の支持剛性を
高めたトロイダル型無段変速機を提供すること。 【解決手段】 ピボットシャフト15aとトラニオン1
7aの間には、接触角がゼロではない第一軸受101を
配置し、ピボットシャフト15aとパワーローラ18c
との間には、接触角がゼロではない第二軸受102を配
置し、かつ、両軸受101,102が荷重ゼロで接触し
たときに、スラストニードル軸受100とパワーローラ
18cとの間に隙間t1を設定し、しかも、パワーロー
ラ軸受103とパワーローラ18cとの間に隙間t2を
設定する手段とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等に適用され
るトロイダル型無段変速機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】自動車用無段変速機は、その滑らかさ、
運転のしやすさ及び燃費向上の期待もあって近年研究開
発が進められている。既にVベルト式については実用化
に至っている。
【0003】その一方で、Vベルトに比べて大容量かつ
応答性のよいCVTが求められている。この可能性を達
成するものとして、油膜のせん断によって動力を伝達す
るトラクションドライブ式トロイダル型無段変速機(以
下、トロイダル型CVT)が知られている。
【0004】トロイダル型CVTは、その形状から、フ
ルトロイダル型とハーフトロイダル型に分類できる。両
型のうち、フルトロイダル型CVTでは、パワーローラ
にスラスト力がかからない。一方、ハーフトロイダル型
CVTでは、パワーローラにスラスト力がかかり、この
力を受けるためにベアリングを必要とする。このベアリ
ング性能が効率に大きな影響を及ぼす。しかしながら、
ハーフトロイダル型CVTは、ディスクとパワーローラ
との2つの接触点に引いた接線が交点を持ち、その交点
の軌跡が全変速範囲において回転軸の近傍にあることか
ら、スピン損失がフルトロイダル型CVTに比べて小さ
く、これらの得失を考えてハーフトロイダル型CVTが
選択され、実用化に向けて研究開発が進められている。
【0005】このハーフトロイダル型CVTの変速動作
は、パワーローラ支持部材(以下、トラニオンという)
にパワーローラ回転軸とディスク回転軸に垂直な方向に
僅かな変位を与えることによってサイドスリップ力を発
生し、傾転力を得る機構になっている。
【0006】このトラニオンにピボットシャフトを介し
てパワーローラを回転可能かつ揺動可能に支持する支持
構造としては、例えば、特開平3−89066号公報に
記載のものが知られている。
【0007】上記従来公報には、図8に示すように、ト
ラニオンとピボットシャフトとの間の第一軸受、及び、
ピボットシャフトとパワーローラとの間の第二軸受は、
いずれも接触角が0°(ラジアルニードル軸受)に設定
されたトロイダル型無段変速機が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
トロイダル型無段変速機のパワーローラ支持構造にあっ
ては、トラニオンとピボットシャフトとの間の第一軸
受、及び、ピボットシャフトとパワーローラとの間の第
二軸受は、いずれも接触角がゼロであるため、両軸受け
の内外輪間に設定されている半径方向の隙間により、パ
ワーローラとトラニオンは傾転軸方向にガタを持つこと
になり、パワーローラとプリセスカムとの位置関係が、
パワーローラに働く負荷の方向や大きさによって変化
し、望みの変速比に制御できないという問題がった。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、パワー
ローラとトラニオンの傾転軸方向のガタを小さく抑えて
望みの変速比に制御することを容易にすると共に、パワ
ーローラを支持する軸受の支持剛性を高めたトロイダル
型無段変速機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、エンジンからの回転駆動力を入力する入力ディスク
と、該入力ディスクに対向配置され、入力ディスクより
伝達される回転駆動力を出力する出力ディスクと、これ
ら入出力ディスクの対向面にそれぞれ形成されたトロイ
ダル形状の曲面に挟持されるパワーローラと、前記入出
ディスクのうち一方のディスクを他方のディスクに向け
て伝達トルクに応じた力で軸方向に押圧するローディン
グカムと、前記入出ディスクのうち他方のディスクを一
方のディスクに向けて軸方向に押圧する付勢手段と、前
記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、相
互に偏心した両端部のうち一方の端部にパワーローラを
回転自在に支持すると共に、他方の端部をトラニオンに
対し回転自在に支持し、他端周りにパワーローラを揺動
可能とするピボットシャフトと、前記ローディングカム
の押圧力に起因してパワーローラに作用するスラスト力
を受け止めるようにトラニオンの窪み内に配置されたス
ラストニードル軸受と、前記トラニオンの軸方向及び傾
転方向の位置を検知するプリセスカムと、を備えたトロ
イダル型無段変速機において、前記ピボットシャフトと
トラニオンの間、或いは、ピボットシャフトとパワーロ
ーラの間のうち少なくともどちらか一方に、接触角がゼ
ロではない軸受を配置し、かつ、前記軸受が荷重ゼロで
接触したときに、スラストニードル軸受とトラニオン間
またはスラストニードル軸受とパワーローラ間に隙間を
設定したことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
トロイダル型無段変速機において、前記ピボットシャフ
トとトラニオンの間に第一軸受を配置し、前記ピボット
シャフトとパワーローラの間に第二軸受を配置し、前記
第一軸受と第二軸受の少なくとも一方を円錐ころ軸受と
したことを特徴とする。
【0012】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
トロイダル型無段変速機において、前記ピボットシャフ
トとトラニオンの間に第一軸受を配置し、前記ピボット
シャフトとパワーローラの間に第二軸受を配置し、前記
第一軸受と第二軸受の少なくとも一方をすべり軸受とし
たことを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明では、請求項1ないし
請求項3記載のトロイダル型無段変速機において、前記
第一軸受の接触角を、トラニオンの背面方向に傾けたこ
とを特徴とする。
【0014】請求項5記載の発明では、請求項1ないし
請求項4記載のトロイダル型無段変速機において、前記
第二軸受の接触角を、パワーローラの軸正面方向に傾け
たことを特徴とする。
【0015】請求項6記載の発明では、請求項1ないし
請求項5記載のトロイダル型無段変速機において、前記
スラストニードル軸受とトラニオン間またはスラストニ
ードル軸受とパワーローラ間の隙間、及び、パワーロー
ラ軸受とパワーローラ間の隙間を、弾性ばねの発生する
軸方向荷重で無くなるように設定したことを特徴とす
る。
【0016】
【発明の作用および効果】請求項1記載の発明では、ピ
ボットシャフトとトラニオンの間、或いは、ピボットシ
ャフトとパワーローラの間のうち少なくともどちらか一
方に、接触角がゼロではない軸受が配置され、かつ、接
触角がゼロではない軸受が荷重ゼロで接触したときに、
スラストニードル軸受とトラニオン間またはスラストニ
ードル軸受とパワーローラ間に隙間が設定される。
【0017】そして、組み付け時にローディングナット
等を締め始めると付勢手段が軸方向荷重を発生し、この
荷重によりスラストニードル軸受とトラニオン間または
スラストニードル軸受とパワーローラ間の隙間を縮め
る。
【0018】よって、接触角がゼロでない軸受において
半径方向の隙間を無くすことができ、これによりパワー
ローラとトラニオンの傾転軸方向のガタが小さく抑えら
れる。このため、パワーローラに働く負荷の方向や大き
さによるパワーローラとプリセスカムとの位置関係の変
化も小さく抑えられ、望みの変速比に制御することが容
易となる。
【0019】さらに、接触角がゼロでない軸受に必ず荷
重が働くことになり、軸受に予圧を与えることができる
ため、パワーローラを支持する軸受の支持剛性が高めら
れる。ちなみに、軸受剛性は一定ではなく、軸受に予め
荷重を与えておけば、軸受剛性は高くなるというという
特性を持つ。
【0020】請求項2記載の発明では、ピボットシャフ
トとトラニオンの間に第一軸受が配置され、ピボットシ
ャフトとパワーローラの間に第二軸受が配置され、第一
軸受と第二軸受の少なくとも一方が円錐ころ軸受とされ
る。
【0021】このように、2つの軸受がいずれも接触角
がゼロではない軸受とされることで、一方の軸受のみを
接触角がゼロではない軸受とする場合に比べ、パワーロ
ーラとトラニオンの傾転軸方向のガタがさらに小さく抑
えられ、望みの変速比に制御することが容易となるし、
2つの軸受の支持剛性を共に高めることができる。
【0022】請求項3記載の発明では、ピボットシャフ
トとトラニオンの間に第一軸受が配置され、ピボットシ
ャフトとパワーローラの間に第二軸受が配置され、第一
軸受と第二軸受の少なくとも一方がすべり軸受とされ
る。
【0023】よって、基本的な作用効果は請求項2記載
の発明と同じであるが、円錐ころ軸受に比べ、すべり軸
受の方がコストを低くすることができる。
【0024】請求項4記載の発明では、第一軸受の接触
角が、トラニオンの背面方向に傾けて設定される。
【0025】よって、パワーローラに入力された軸方向
の荷重はピボットシャフトを介して第一軸受が受け、こ
の第一軸受の接触角による荷重の径方向分力にて半径方
向の隙間が無くなる。
【0026】請求項5記載の発明では、第二軸受の接触
角が、パワーローラの軸正面方向に傾けて設定される。
【0027】よって、パワーローラに入力された軸方向
の荷重を第二軸受が受け、この第二軸受の接触角による
径方向分力にて半径方向の隙間が無くなる。
【0028】請求項6記載の発明では、スラストニード
ル軸受とトラニオン間またはスラストニードル軸受とパ
ワーローラ間の隙間、及び、パワーローラ軸受とパワー
ローラ間の隙間が、弾性ばねの発生する軸方向荷重で無
くなるように設定される。
【0029】そして、組み付け時に弾性ばね荷重が働く
と、スラストニードル軸受とトラニオン間またはスラス
トニードル軸受とパワーローラ間の隙間が無くなると共
に、パワーローラ軸受とパワーローラ間の隙間も無くな
る。
【0030】よって、パワーローラ軸受にも軸方向荷重
が働き、パワーローラ軸受の支持剛性を高めることがで
きる。
【0031】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)実施の形態1は
請求項1,2,4,5,6に記載の発明に対応するトロ
イダル型無段変速機である。
【0032】[全体構成について]図2は実施の形態1
のトロイダル型無段変速機を示す全体構成図で、10は
トロイダル型無段変速機を示し、図外のエンジンからの
回転駆動力がトルクコンバータ12を介して入力され
る。トルクコンバータ12は、ポンプインペラ12a,
タービンランナ12b,ステータ12c,ロックアップ
クラッチ12d,アプライ側油室12e,及びリリース
側油室12f等からなり、その中心部をインプットシャ
フト14が貫通している。
【0033】前記インプットシャフト14は、前後進切
換機構36と連結され、該機構36は、遊星歯車機構4
2,前進用クラッチ44及び後進用ブレーキ46などを
備える。遊星歯車機構42は、ダブルピニオンの夫々と
噛合するリングギヤ42b,サンギヤ42cを有してな
る。
【0034】前記遊星歯車機構42のピニオンキャリヤ
はトルク伝達軸16に連結され、該トルク伝達軸16に
は、第一無段変速機構18及び第二無段変速機構20が
変速機ケース22内の下流側にタンデム配置される(デ
ュアルキャビティ型)。尚、符号64で示すベースに、
コントロールバルブ系のボディを配置する。
【0035】前記第一無段変速機構18は、対向面がト
ロイダル曲面に形成される一対の入力ディスク18a及
び出力ディスク18bと、これら入出力ディスク18
a,18bの対向面間に摩擦接触されると共にトルク伝
達軸16に関し対称配置される一対のパワーローラ18
c,18dと、これらパワーローラ18c,18dをそ
れぞれ傾転可能に支持する支持機構及び油圧アクチュエ
ータとしてのサーボピストン(図3)を備える。第二無
段変速機構20も同様、対向面がトロイダル曲面に形成
される一対の入力ディスク20a及び出力ディスク20
bと、一対のパワーローラ20c,20dと、その支持
機構及びサーボピストン(図3)を備える。
【0036】トルク伝達軸16上において無段変速機構
18,20は、出力ディスク18b,20bが対向する
ように互いに逆向きに配置され、第一無段変速機構18
の入力ディスク18aは、トルクコンバータ12を経た
入力トルクに応じた押圧力を発生するローディングカム
装置34によって図中軸方向右側に向かって押圧され
る。
【0037】前記ローディングカム装置34は、ローデ
ィングカム34aを有し、スライドベアリング38を介
し軸16に支持される。第二無段変速機構20の入力デ
ィスク20aは、皿ばね40(付勢手段)により図中軸
方向左側に向かって押圧付勢されている。
【0038】各入力ディスク18a,20aは、ボール
スプライン24,26を介して伝達軸16に回転可能か
つ軸方向に移動可能に支持される。
【0039】上記機構において、各パワーローラ20
c,20dは後述する作動により変速比に応じた傾転角
が得られるようにそれぞれ傾転され、入力ディスク18
a,20aの入力回転を無段階(連続的)に変速して出
力ディスク18b,20bに伝達する。
【0040】出力ディスク18a,18bは、トルク伝
達軸16上に相対回転可能に嵌合された出力ギヤ28と
スプライン結合され、伝達トルクは該出力ギヤ28を介
し、出力軸(カウンタシャフト)30に結合したギヤ3
0aに伝達され、これらギヤ28,30aはトルク伝達
機構32を構成する。また、出力軸30上に設けたギヤ
56とこれらにそれぞれ噛合するアイドラギヤ54とよ
りなる伝達機構48を設け、出力軸50はこれをプロペ
ラシャフト60に連結する。
【0041】[変速制御系の構成について]上記パワー
ローラ18c,18d,20c,20dを変速比に応じ
た傾転角が得られるようにそれぞれ傾転させる変速制御
系について、図3に示す概略図により説明する。
【0042】まず、各パワーローラ18c,18d,2
0c,20dは、相互に偏心した両端部を持つピボット
シャフト15a,15b,25a,25bの一端部に回
転自在に支持される。そして、ピボットシャフト15
a,15b,25a,25bの他端部は、トラニオン1
7a,17b,27a,27bの上端部に対し回転自在
に支持され、しかも、偏心軸構造にすることで他端周り
に揺動可能である。このトラニオン17a,17b,2
7a,27bの下端部には、トラニオン17a,17
b,27a,27bを軸方向に移動させてを傾転させる
油圧シリンダとしてのサーボピストン70a,70b,
72a,72bが設けられている。
【0043】前記サーボピストン70a,70b,72
a,72bを作動制御する油圧制御系として、ハイ側油
室に接続されるハイ側油路74と、ロー側油室に接続さ
れるロー側油路76と、ハイ側油路74を接続するポー
ト78aとロー側油路76を接続するポート78bを有
する変速制御弁78とが設けられている。
【0044】前記変速制御弁78のライン圧ポート78
cには、オイルポンプ80及びリリーフ弁82を有する
油圧源からのライン圧が供給される。
【0045】前記変速制御弁78の変速スプール78d
は、トラニオン17aの軸方向及び傾転方向を検知し、
変速制御弁78にフィードバックするレバー84及びプ
リセスカム86と連動する。
【0046】前記変速制御弁78の変速スリーブ78e
は、ステップモータ88により軸方向に変位するように
駆動される。
【0047】前記ステップモータ88を駆動制御する電
子制御系として、CVTコントローラ90が設けられ、
このCVTコントローラ90には、スロットル開度セン
サ92、エンジン回転センサ94、入力軸回転センサ9
6、出力軸回転センサ(車速センサ)98等からの入力
情報が取り込まれる。
【0048】[パワーローラ支持機構について]上記パ
ワーローラ18c,18d,20c,20dのうちパワ
ーローラ18cの支持機構を示す図1及び図4に基づい
て、その構成を説明する。
【0049】パワーローラ18cとトラニオン17aの
間には、パワーローラ18cの揺動を円滑に行うべくス
ラストニードル軸受100が配置されている。
【0050】ピボットシャフト15aとトラニオン17
aの間には、接触角がゼロでない第一軸受101が配置
され、ピボットシャフト15aとパワーローラ18cの
間には、接触角がゼロでない第二軸受102が配置さ
れ、パワーローラ18cとトラニオン17aとの間に
は、パワーローラ軸受103が配置されている。
【0051】前記第一軸受101と第二軸受102は、
いずれも円錐ころ軸受であり、第一軸受101の接触角
は、大径側がパワーローラ18c側となるように、トラ
ニオン17aの背面方向に傾けた設定とされ、前記第二
軸受102の接触角は、大径側がトラニオン17a側と
なるように、パワーローラ18cの軸正面方向に傾けた
設定とされている。なお、第一軸受101及び第二軸受
102の内輪は、いずれもピボットシャフト15aに一
体化されている。
【0052】そして、前記両軸受101,102が荷重
ゼロで接触したときに、図4に示すように、スラストニ
ードル軸受100とパワーローラ18cとの間に隙間t
1が設定され、かつ、パワーローラ軸受103とパワー
ローラ18cとの間に隙間t2が設定されている。
【0053】この隙間t1と隙間t2は、図1に示す組
み付け終了時点において、皿ばね40の発生する軸方向
荷重で無くなるように寸法が規定されている。
【0054】なお、プリセスカム86の無い他のパワー
ローラ18d,20c,20dについても、パワーロー
ラ間の支持剛性やフリクションが異なると制御上問題を
きたすという理由で、上記パワーローラ18cと同様の
構成とする。
【0055】次に、作用を説明する。
【0056】[変速比制御作用]トロイダル型CVT
は、パワーローラ18c,18d,20c,20dを傾
転させることによって変速比を変える。つまり、ステッ
プモータ88を回転させるとによって変速スリーブ78
eが変位すると、サーボピストン70a,70b,72
a,72bの一方のサーボピストン室に作動油が導か
れ、他方のサーボピストン室から作動油が排出され、パ
ワーローラ18c,18d,20c,20dの回転中心
がディスク18a,18b,20a,20bの回転中心
に対してオフセットする。このオフセットによってパワ
ーローラ18c,18d,20c,20dに傾転力が発
生し、傾転角が変化する。
【0057】この傾転運動およびオフセットは、プリセ
スカム86及びレバー84を介して変速スプール78d
に伝達され、ステップモータ88により変位する変速ス
リーブ78eとの釣り合い位置で静止する。
【0058】なお、ステップモータ88は、CVTコン
トローラ90からの目標変速比が得られる駆動指令によ
り変速スリーブ78eを変位させる。
【0059】[組み付け時]組み付け時にローディング
ナットを締め始めると、皿ばね40が荷重を発生し、デ
ィスク18a,18b,20a,20bを介してパワー
ローラ18cを軸方向に押し付けると、荷重が小さいう
ちは第一軸受101及び第二軸受102だけで荷重を支
持する(図4)。
【0060】そして、ローディングナットを締め込んで
荷重が増すと、第一軸受101及び第二軸受102のこ
ろとレースの接触部が次第に変形し、パワーローラ18
cとピボットシャフト15aが軸方向に移動する。
【0061】そして、皿ばね40の荷重がある一定値に
達すると、パワーローラ18cとパワーローラ軸受10
3の玉、及びパワーローラ軸受103とスラストニード
ル軸受100が接触し、さらに、ローディングナットを
所定の位置まで締め込むとすべての軸受100,10
1,102,103で荷重を受けている状態となる(図
5)。
【0062】なお、他のパワーローラ18d,20c,
20dについても同様の作用を示す。
【0063】[軸受の支持剛性について]ピボットシャ
フトを支持する軸受に接触角を持つ第一軸受101及び
第二軸受102を使用するのは、単にガタを無くすとい
うだけではなく、支持剛性を高めるという目的をも併せ
持つ。
【0064】すなわち、従来例では、ニードル軸受の角
部のみが接触するため支持剛性が低いが、本発明では、
第一軸受101及び第二軸受102に対する全面当たり
となり、かつ予圧を与えることが可能なため、支持剛性
を高めることができる。
【0065】この支持剛性が予圧により高まる理由につ
いて述べると、ピボットシャフトの接触角及び背面ベア
リングの隙間に対する支持剛性の関係は、接触点のヘル
ツ変形(Hertz変形)で決まっており、変形量は荷
重の2/3乗に比例する(図6)。すなわち、軸受の剛
性は一定ではなく、荷重が大きいほど高くなる。よっ
て、軸受に予め荷重を与えておけば、剛性を高くするこ
とができる(予圧という)。
【0066】本発明は、この特性を利用するものであ
り、外輪に働く荷重は、背面ベアリングの隙間が無くな
るまではピボットシャフトで受けるため、予圧を与える
ことができる(実際には、ローディングナットを締め付
け、皿ばね荷重で隙間が無くなるくらいに設定する)。
【0067】一方、従来例のように軸受に接触角がない
と、軸方向にいくら押してもレースとローラが接触しな
いので、予圧は与えられない。よって背面ベアリングに
隙間を設定することも不可能である。太いローラを圧入
すれば予圧可能であるが、組付けが困難となる。
【0068】(実施の形態2)実施の形態2は請求項
1,3,4,5,6に記載の発明に対応するトロイダル
型無段変速機である。
【0069】まず、構成を説明すると、この実施の形態
2では、図7に示すように、第一軸受を円錐ころ軸受で
はなくすべり軸受による第一軸受101'とした例であ
る。尚、他の構成は、実施の形態1と同様であるので説
明を省略する。
【0070】基本的な作用効果は、実施の形態1と同じ
であるが、円錐ころ軸受に比べ、すべり軸受の方がコス
トを低くすることができる。
【0071】(その他の実施の形態)実施の形態1,2
では、第一軸受及び第二軸受の両方共に接触角を持つ軸
受とする例を示したが、いずれか一方の軸受のみが接触
角を持つ軸受としても良く、この場合、効果的に変わり
なく、効果のレベルが多少下がるだけである。
【0072】実施の形態1,2では、接触角がゼロでは
ない第一軸受及び第二軸受として円錐ころ軸受とすべり
軸受の例を示したが、テーパローラ軸受やアンギュラコ
ンタクト軸受などの他のタイプの軸受を用いることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のトロイダル型無段変速機におけ
るパワーローラ支持機構を示す断面図である。
【図2】実施の形態1のトロイダル型無段変速機を示す
全体システム図である。
【図3】実施の形態1のトロイダル型無段変速機を示す
変速制御系システム図である。
【図4】実施の形態1のトロイダル型無段変速機におけ
るローディングナット締め込み時のパワーローラ支持機
構を示す断面図である。
【図5】実施の形態1のトロイダル型無段変速機におけ
るローディングナット締め付け後のパワーローラ支持機
構を示す断面図である。
【図6】転がり軸受の荷重に対する変形特性を示す図で
ある。
【図7】実施の形態2のトロイダル型無段変速機におけ
るパワーローラ支持機構を示す断面図である。
【図8】従来のトロイダル型無段変速機におけるパワー
ローラ支持機構を示す断面図である。
【符号の説明】
15a ピボットシャフト 17a トラニオン 18a,20a 入力ディスク 18b,20b 出力ディスク 18c パワーローラ 34a ローディングカム 40 皿ばね(付勢手段) 70a サーボピストン 78 変速制御弁 86 プリセスカム 100 スラストニードル軸受 101 第一軸受 102 第二軸受 103 パワーローラ軸受

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの回転駆動力を入力する入
    力ディスクと、 該入力ディスクに対向配置され、入力ディスクより伝達
    される回転駆動力を出力する出力ディスクと、 これら入出力ディスクの対向面にそれぞれ形成されたト
    ロイダル形状の曲面に挟持されるパワーローラと、 前記入出ディスクのうち一方のディスクを他方のディス
    クに向けて伝達トルクに応じた力で軸方向に押圧するロ
    ーディングカムと、 前記入出ディスクのうち他方のディスクを一方のディス
    クに向けて軸方向に押圧する付勢手段と、 前記パワーローラを回転自在に支持するトラニオンと、 相互に偏心した両端部のうち一方の端部にパワーローラ
    を回転自在に支持すると共に、他方の端部をトラニオン
    に対し回転自在に支持し、他端周りにパワーローラを揺
    動可能とするピボットシャフトと、 前記ローディングカムの押圧力に起因してパワーローラ
    に作用するスラスト力を受け止めるようにトラニオンの
    窪み内に配置されたスラストニードル軸受と、 前記トラニオンの軸方向及び傾転方向の位置を検知する
    プリセスカムと、 を備えたトロイダル型無段変速機において、 前記ピボットシャフトとトラニオンの間、或いは、ピボ
    ットシャフトとパワーローラの間のうち少なくともどち
    らか一方に、接触角がゼロではない軸受を配置し、か
    つ、前記軸受が荷重ゼロで接触したときに、スラストニ
    ードル軸受とトラニオン間またはスラストニードル軸受
    とパワーローラ間に隙間を設定したことを特徴とするト
    ロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトロイダル型無段変速機
    において、 前記ピボットシャフトとトラニオンの間に第一軸受を配
    置し、前記ピボットシャフトとパワーローラの間に第二
    軸受を配置し、 前記第一軸受と第二軸受の少なくとも一方を円錐ころ軸
    受としたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のトロイダル型無段変速機
    において、 前記ピボットシャフトとトラニオンの間に第一軸受を配
    置し、前記ピボットシャフトとパワーローラの間に第二
    軸受を配置し、 前記第一軸受と第二軸受の少なくとも一方をすべり軸受
    としたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3記載のトロイダ
    ル型無段変速機において、 前記第一軸受の接触角を、トラニオンの背面方向に傾け
    たことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4記載のトロイダ
    ル型無段変速機において、 前記第二軸受の接触角を、パワーローラの軸正面方向に
    傾けたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5記載のトロイダ
    ル型無段変速機において、 前記スラストニードル軸受とトラニオン間またはスラス
    トニードル軸受とパワーローラ間の隙間、及び、パワー
    ローラ軸受とパワーローラ間の隙間を、弾性ばねの発生
    する軸方向荷重で無くなるように設定したことを特徴と
    するトロイダル型無段変速機。
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