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JP2000212152A - N―置換グリシノニトリルの製造方法 - Google Patents

N―置換グリシノニトリルの製造方法

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Publication number
JP2000212152A
JP2000212152A JP11017368A JP1736899A JP2000212152A JP 2000212152 A JP2000212152 A JP 2000212152A JP 11017368 A JP11017368 A JP 11017368A JP 1736899 A JP1736899 A JP 1736899A JP 2000212152 A JP2000212152 A JP 2000212152A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
substituted
glycolonitrile
mol
reaction
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP11017368A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuyoshi Enomoto
堅 榎本
Mitsuaki Senda
光昭 千田
Shinichiro Ichikawa
真一郎 市川
Hideo Ogata
秀雄 緒方
Atsushi Orukawa
淳 尾留川
Tamotsu Asano
保 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP11017368A priority Critical patent/JP2000212152A/ja
Publication of JP2000212152A publication Critical patent/JP2000212152A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 N−置換アミンとグリコロニトリルとから、
経済的にかつ青酸や塩をほとんど生成させずにN−置換
グリシノニトリルを得る方法、及び高純度のN−置換グ
リシノニトリルを収率良く得る方法を提供する。 【解決手段】 N−置換アミン又はこの水溶液に、グリ
コロニトリルの水溶液を添加しながら反応させること、
及びこの反応で得られたN−置換グリシノニトリル水溶
液に、水と共沸する有機溶媒を加え共沸脱水することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺虫剤や抗潰瘍薬
等の合成に中間体として使用できるN−置換グリシノニ
トリルの新規製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、N−置換グリシノニトリルの
製造法としては、N−置換アミン、青酸およびホルムア
ルデヒドを用い公知のマンニッヒ反応により合成する方
法、またはこれとは別の反応であるN−置換アミンとグ
リコロニトリルとから合成する方法が知られている。
【0003】これら既知の方法において、例えば、ジメ
チルアミン、青酸およびホルムアルデヒドを原料とし、
N,N−ジメチルアミノアセトニトリルを製造する方法
では、青酸が無水形か、またはアルカリ金属塩として塩
酸とともに使用された場合に比較的収率が良く、また、
N,N−ジメチルアミノアセトニトリルは、クロロホル
ムやベンゼンにて抽出することにより、含水反応混合物
から回収できることが知られている(J. Amer. Chem. S
oc.,68,1607(1946) )。
【0004】また、ドイツ国特許第 2503582号には、ジ
メチルアミン、青酸およびホルムアルデヒドから、反応
液中の青酸濃度を0.01〜0.1 重量%に維持しながらN,
N−ジメチルアミノアセトニトリルを製造する例が開示
されている。
【0005】これら従来に知られるN−置換グリシノニ
トリル製法の欠点はまず、無水の青酸の使用にあり、厳
重な作業方法、作業環境および製造設備上の対応、厳格
な輸送、貯蔵および加工取締規則に従わねばならないと
いう点が挙げられる。また、青酸のアルカリ金属塩を使
用した場合は、塩の形成を伴い、その塩を含む大量の水
を抽出により分離しなければならないという問題点が挙
げられる。これらの理由から、既知のN−置換グリシノ
ニトリルの製法においては、特に、経済的に製造するこ
とが難しいといった問題があった。
【0006】また、ジメチルアミンとグリコロニトリル
を原料として用い、N,N−ジメチルアミノアセトニト
リルを製造する方法としては、エーテル等の有機溶媒を
用いた抽出操作により反応液中の生成水や原料中に含ま
れる多量の水を分離する方法(Justus Liebigs Annalen
der Chemie,279,44(1894))か、または、ジメチルアミン
塩酸塩水溶液とNaOHとの反応により発生するガス状のジ
メチルアミンをグリコロニトリルに吹き込み、N,N−
ジメチルアミノアセトニトリルを生成させた後、蒸留精
製を行う方法(J. Org. Chem.,23,613(1958))が公知であ
る。しかし、前者では、原料のフィード順序等につき規
定はなく、青酸の発生や青酸ポリマーの生成により、目
的物の収率が低下してしまうこと、また青酸を含む多量
の水は、それに含まれる青酸を分解処理した後で排水と
しなければならないため、経済的な方法ではない。ま
た、後者の蒸留精製では、N,N−ジメチルアミノアセ
トニトリルと反応で生成する水が共沸してしまうため、
高純度品を高収率で得ることはできない。しかも、無水
系で反応を行う上においては、ガス状のジメチルアミン
を使用するため耐圧型の強固で高価な設備が必要とな
り、経済的ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、N−置換グ
リシノニトリルを製造するにあたり、原料として、N−
置換アミンまたはその水溶液とグリコロニトリル水溶液
を用い、かつ、原料のフィード方法を限定することによ
り、青酸の発生や青酸ポリマーの生成を抑制し、N−置
換グリシノニトリル水溶液を高収率で得、さらに、反応
液中の水を共沸脱水法により効率良く除去し、最終的
に、蒸留精製により高収率かつ高純度でN−置換グリシ
ノニトリルを製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、N−置換
アミンとグリコロニトリルから、N−置換グリシノニト
リルを、高収率かつ高純度で製造する方法について鋭意
検討した結果、原料として、N−置換アミンまたはその
水溶液とグリコロニトリル水溶液を用い、原料のフィー
ド方法、反応温度、およびモル比を定めて反応を行わせ
ることにより、N−置換グリシノニトリルを水溶液の形
態で高収率で得、その後、共沸脱水溶媒を利用して反応
液中の水を効率良く除去し、共沸脱水溶媒を蒸留により
除去後、N−置換グリシノニトリルを蒸留することによ
り、高収率かつ高純度でしかも経済的にN−置換グリシ
ノニトリルを製造することが可能であり、前記した問題
点が解決されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち、本発明は、(1) 下記式(1)
〔化3〕
【化3】 (式中、R1 およびR2 は互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示
し、該アルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基もしく
はアルコキシ基で置換されていてもよい)で表されるN
−置換アミンまたはこの水溶液に、グリコロニトリル水
溶液を添加しながら反応させることを特徴とする下記式
(2)〔化4〕
【化4】 (式中、R1 およびR2 は、式(1)の場合と同一の定
義である)で表されるN−置換グリシノニトリルの製造
方法であり、また、(2) 反応温度を、原料であるN−置
換アミンまたはN−置換アミン水溶液の沸点以下として
行うことを特徴とする(1) に記載の製造方法であり、ま
た、(3) N−置換アミンをグリコロニトリルの等モル以
上使用することを特徴とする(1) に記載の製造方法であ
り、また、(4) 酸性化合物を含むグリコロニトリル水溶
液を使用することを特徴とする(1)に記載の製造方法で
あり、また、(5) 前記(1) 記載の方法により得られるN
−置換グリシノニトリル水溶液に、水と共沸する有機溶
媒を加え共沸脱水することを特徴とするN−置換グリシ
ノニトリル水溶液の脱水方法であり、また、(6) 共沸脱
水溶媒が、トルエンまたはベンゼンであることを特徴と
する(5) に記載の脱水方法であり、また、(7) 共沸脱水
を80℃以下で行うことを特徴とする(5) に記載の脱水方
法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、原料であるN−
置換アミンとしては、アンモニア、メチルアミン、ジメ
チルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、n−プロ
ピルアミン、ジ(n−プロピルアミン)、メチルエチル
アミン、メトキシエチルアミン、ジ(メトキシエチルア
ミン)、ピペリジン、およびモルホリン等が挙げられ、
N−置換アミン水溶液を使用する場合はその濃度につい
ては特に限定がなく、どのような濃度であっても構わな
い。
【0011】本発明において、N−置換アミンとグリコ
ロニトリルとの反応は、N−置換アミンまたはその水溶
液に、グリコロニトリル水溶液を添加しながら反応させ
ることが必須である。この際逆に、グリコロニトリル水
溶液にN−置換アミンを添加しながら反応させるという
形態をとった場合は、グリコロニトリルが分解しやすく
なって、青酸発生や青酸ポリマー生成の原因となり、目
的物であるN−置換グリシノニトリルの収率が低下する
ことから好ましくない。
【0012】グリコロニトリル水溶液をN−置換アミン
またはその水溶液に添加する際の反応液の温度は、通常
−10〜120 ℃の範囲であり、特に収率良くN−置換グリ
シノニトリルを得る上においては、反応時にN−置換ア
ミンが気化し難い条件としておくことが好ましい。すな
わち、グリコロニトリル水溶液を添加しつつ反応させる
際に、反応温度を、原料であるN−置換アミンまたはそ
の水溶液の沸点以下となるように調整することが好まし
い。
【0013】すなわち一例として、50重量%濃度のN,
N−ジメチルアミン水溶液を使用する場合を挙げてみれ
ば(この濃度50重量%の水溶液の常圧における沸点は43
℃である)、反応液の温度が43℃以下を維持するように
グリコロニトリルを添加することにより、N,N−ジメ
チルアミンが気化せず系外へ除去されることなく効率良
く反応させることができることとなり、高収率でN,N
−ジメチルアセトニトリルを得ることが可能となる。
【0014】原料であるN−置換アミンとグリコロニト
リルとの使用量は、グリコロニトリルの1モル当たり、
通常、N−置換アミンを 0.1〜5モルの範囲とすること
により反応を行わせることは可能であるが、青酸の発生
を抑制する上においては、グリコロニトリルの1モル当
たりN−置換アミンを1モル以上の使用とすることが好
ましく、更には 1.0〜1.1 倍モルの使用とすることが、
経済性等からもより好ましい。
【0015】本発明において、原料であるグリコロニト
リル水溶液の濃度については特に制限がなく、任意の濃
度のものが使用できる。また、この場合のグリコロニト
リル水溶液としては、微量の金属水酸化物の存在下、ホ
ルマリン水溶液と青酸(例えば98重量%濃度の青酸)を
等モルずつで反応させた液に、さらに酸性化合物を添加
し、pHを約2程度として安定性を向上させたものを使
用することが好ましい。この際に添加する酸性化合物と
しては塩酸または硫酸等が挙げられる。
【0016】本発明において、N−置換アミンまたはこ
の水溶液に添加するグリコロニトリル水溶液の添加速度
は、前記した反応温度を維持するように添加しても良い
し、あるいは冷却器が備えられた反応器を用い、除熱し
ながら前記した反応温度を維持させ、グリコロニトリル
水溶液を添加する形態であっても良い。
【0017】次に、上記反応で得られたN−置換グリシ
ノニトリル生成液を共沸脱水させるために有機溶媒を用
いる。この際に用いられる有機溶媒としては、水と共沸
し、水との共沸混合物の沸点が、水とN−置換グリシノ
ニトリルと使用する有機溶媒の共沸混合物の沸点より低
い化合物であり、例えばトルエン、ベンゼン、酢酸イソ
プロピル、酢酸エチル、酢酸メチル、イソプロピルエー
テル、シクロヘキサン、4−メチル−2−ペンタノン等
が挙げられる。これらのうちでも特にトルエンまたはベ
ンゼンが好ましい。使用する有機溶媒の量は任意である
が、N−置換グリシノニトリルの 0.1〜5重量倍の量を
用いるのが好ましい。
【0018】共沸脱水操作を行う際の反応釜内の温度は
任意に可能であるが、N−置換グリシノニトリルの安定
性が得られる80℃以下で行うことが好ましい。さらには
減圧下に釜内温度を80℃以下として共沸脱水を行うこと
がより好ましい。この場合、共沸脱水液中には、青酸は
ほとんど検出されない。
【0019】本発明において、共沸脱水は、N−置換グ
リシノニトリルを高収率で得るために、水を選択的に除
去する必要があり、蒸留塔を使用することが好ましい。
また、水と共に系外へ留出した有機溶媒は、水と分離
後、再度釜内に戻してもよい。
【0020】脱水後の釜内から有機溶媒を蒸留により除
去する際は、常圧系でも減圧系でもよく、釜内温度は任
意であるが、安定性を考慮して 100℃以下とすることが
好ましい。また、蒸留塔を使用することが好ましい。
【0021】本発明において、N−置換グリシノニトリ
ルの蒸留を行う際は、常圧系でも減圧系でもよいが、釜
内温度は安定性を考慮し 100℃以下として行うことが好
ましい。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例を例示し、本発明
によるN−置換グリシノニトリルの製造方法を更に説明
する。以下において、%は特記している以外は重量基準
である。
【0023】実施例1 51%ジメチルアミン水溶液 265.2g(3.00 モル) に、51
%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を、反
応液の温度が35℃を維持するようにして3時間で滴下し
た。滴下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。この結
果、グリコロニトリル基準でN,N−ジメチルアミノア
セトニトリル水溶液が99.8モル%の収率で得られた。次
にこの反応液にトルエン 120gを加え、理論段数8段の
蒸留塔を用い共沸脱水を4時間行い、水を系外に除去し
た。この際、釜内温度が80℃以下に維持できるように減
圧度を 400〜100mmHg に調節しながら行った。水と共に
留出したトルエンは水と分離後釜内に戻しつつ実施し
た。その後、トルエンを釜内温度80℃以下/100mmHg に
て系外に留去した。この脱トルエン液はN,N−ジメル
アミノアセトニトリル25.2gを含む。釜内に残った粗
N,N−ジメチルアミノアセトニトリルを釜内温度 100
℃以下にて減圧蒸留し、N,N−ジメチルアミノアセト
ニトリル 196.1g(収率77.3モル%/グリコロニトリ
ル、純度99.5%)を得た。蒸留塔には、N,N−ジメチ
ルアミノアセトニトリル26.5gが付着する。
【0024】実施例2 実施例1で使用したN,N−ジメチルアミノアセトニト
リルが付着した蒸留塔を用い、51%ジメチルアミン水溶
液 270.5g(3.06 モル) に、51%グリコロニトリル水溶
液 335.6g(3.00 モル) を、反応液の温度が35℃を維持
するようにして3時間かけ滴下した。滴下終了後さらに
同温度で1時間攪拌した。この結果、グリコロニトリル
基準でN,N−ジメチルアミノアセトニトリル水溶液が
99.8モル%の収率で得られた。次にこの反応液に、実施
例1で得られた脱トルエン液(N,N−ジメチルアミノ
アセトニトリル25.2gを含有) 120gを加え、理論段数
8段の蒸留塔を用い共沸脱水を4時間行い、水を系外に
除去した。この際、釜内温度が80℃以下に維持できるよ
うに減圧度を 400〜100mmHg に調節しながら行った。水
と共に留出したトルエンは水と分離後釜内に戻しつつ実
施した。その後、トルエンを釜内温度80℃以下/100mmH
g にて系外に留去した。この脱トルエン液はN,N−ジ
メチルアミノアセトニトリルを25.2g含む。釜内に残っ
た粗N,N−ジメチルアミノアセトニトリルを釜内温度
100℃以下にて減圧蒸留し、N,N−ジメチルアミノア
セトニトリル 248.1g(収率97.8モル%/グリコロニト
リル、純度99.5%)を得た。蒸留塔には、N,N−ジメ
チルアミノアセトニトリル26.5gが付着する。反応から
蒸留までの一連の工程を通して青酸の発生量は、0.05モ
ル%/グリコロニトリル以下と、微量であった。
【0025】実施例3 98%ジエチルアミン 223.9g(3.00 モル) に、51%グリ
コロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を反応液の温
度が45℃を維持するようにして4時間かけ滴下した。滴
下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。この結果、グ
リコロニトリル基準でN,N−ジエチルアミノアセトニ
トリル水溶液が99.8モル%の収率で得られた。次にこの
反応液にトルエン 120gを加え、理論段数8段の蒸留塔
を用い共沸脱水を5時間行い、水を系外に除去した。こ
の際、釜内温度が80℃以下に維持できるように減圧度を
400〜100mmHg に調節しながら行った。水と共に留出し
たトルエンは水と分離後釜内に戻した。その後、トルエ
ンを釜内温度80℃以下/100mmHgにて系外に留去した。
この脱トルエン液はN,N−ジエルアミノアセトニトリ
ル33.7gを含む。釜内に残った粗N,N−ジエチルアミ
ノアセトニトリルを釜内温度 100℃以下にて減圧蒸留
し、N,N−ジエチルアミノアセトニトリル260.4g
(収率77.0モル%/グリコロニトリル、純度99.5%)を
得た。蒸留塔には、N,N−ジエチルアミノアセトニト
リル35.3gが付着する。
【0026】実施例4 実施例3で使用したN,N−ジエチルアミノアセトニト
リルが付着した蒸留塔を用い、51%ジエチルアミン水溶
液 270.5g(3.06 モル) に、51%グリコロニトリル水溶
液 335.6g(3.00 モル) を、反応液の温度が45℃を維持
するようにして4時間かけ滴下した。滴下終了後さらに
同温度で1時間攪拌した。この結果、グリコロニトリル
基準でN,N−ジエチルアミノアセトニトリル水溶液が
収率99.8モル%で得られた。次にこの反応液に、実施例
3で得られた脱トルエン液(N,N−ジエチルアミノア
セトニトリル33.7gを含有) 120gを加え、理論段数8
段の蒸留塔を用い共沸脱水を5時間行い、水を系外に除
去した。この際、釜内温度が80℃以下に維持できるよ
うに減圧度を 400〜100mmHg に調節しながら行った。水
と共に留出したトルエンは水と分離後釜内に戻した。そ
の後、トルエンを釜内温度80℃以下/100mmHg にて系外
に留去した。この脱トルエン液はN,N−ジエチルアミ
ノアセトニトリルを33.7g含む。釜内に残った粗N,N
−ジエチルアミノアセトニトリルを釜内温度 100℃以下
にて減圧蒸留し、N,N−ジエチルアミノアセトニトリ
ル 328.1g(収率97.0モル%/グリコロニトリル、純度
99.5%)を得た。蒸留塔には、N,N−ジエチルアミノ
アセトニトリル35.3gが付着する。反応から蒸留までの
一連の工程を通して青酸の発生量は、0.05モル%/グリ
コロニトリル以下と、微量であった。
【0027】実施例5 51%ジメチルアミン水溶液 265.2g(3.00 モル) に、51
%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を、反
応液の温度が35℃を維持するようにして3時間かけ滴下
した。滴下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。この
結果、グリコロニトリル基準でN,N−ジメチルアミノ
アセトニトリル水溶液が99.8モル%の収率で得られた。
次に、この反応液にトルエン 120gを加え、理論段数8
段の蒸留塔を用い、常圧下共沸脱水を11時間行い、水を
系外に除去した。この際の釜内温度は、90〜112 ℃であ
った。水と共に留出したトルエンは水と分離後釜内に戻
した。その後、トルエンを釜内温度80℃/100mmHg にて
系外に留去した。この脱トルエン液はN,N−ジメルア
ミノアセトニトリル25.2gを含む。釜内に残った粗N,
N−ジメチルアミノアセトニトリルを釜内温度 100℃以
下にて減圧蒸留し、N,N−ジメチルアミノアセトニト
リル 178.6g(収率70.4モル%/グリコロニトリル、純
度99.5%)を得た。蒸留塔には、N,N−ジメチルアミ
ノアセトニトリル26.5gが付着する。
【0028】比較例1 51%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) に、
51%ジメチルアミン水溶液 265.2g(3.00 モル) を、反
応液の温度が35℃を維持するようにして3時間かけ滴下
した(すなわち、実施例1における反応物の添加形態を
逆にして行った)。滴下終了後さらに同温度で1時間攪
拌した。これによるN,N−ジメチルアミノアセトニト
リル水溶液の収率は、グリコロニトリル基準で79.8モル
%であった。
【0029】比較例2 51%ジメチルアミン水溶液 265.2g(3.00 モル) に、51
%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を、反
応液の温度が60℃を維持するようにして3時間かけ滴下
した。滴下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。これ
によるN,N−ジメチルアミノアセトニトリル水溶液の
収率は、グリコロニトリル基準で61.8モル%であり、ま
た青酸の発生量は、グリコロニトリルに対して 0.6モル
%となった。
【0030】比較例3 51%ジメチルアミン水溶液 252.0g(2.85 モル) に、51
%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を、反
応液の温度が35℃を維持するようにして3時間かけ滴下
した。滴下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。これ
によるN,N−ジメチルアミノアセトニトリル水溶液の
収率は、グリコロニトリル基準で94.6モル%であり、ま
た青酸の発生量は、グリコロニトリルに対して 0.4モル
%となった。
【0031】比較例4 25%ジメチルアミン水溶液1320g(7.34 モル) に、37%
ホルマリン 660g(8.14 モル) を、25℃以下で滴下す
る。滴下終了後、これに96%NaCN 396g(7.75 モ
ル) を、反応液の温度が25℃以下を維持するようにして
添加し、添加終了後は25℃で1時間攪拌する。次いで濃
塩酸610cc(7.10モル) を添加後、15時間攪拌する。クロ
ロホルム又はベンゼンにて抽出し、有機層を硫酸マグネ
シウム等で乾燥する。濾過後、有機層を濃縮し有機溶媒
を除去する。釜内に残った粗N,N−ジメチルアミノア
セトニトリルを蒸留しN,N−ジメチルアミノアセトニ
トリル450gを得た。この操作によるN,N−ジメチル
アミノアセトニトリルの収率は、ジメチルアミン基準で
73モル%であった。
【0032】
【発明の効果】N−置換アミンまたはその水溶液に、グ
リコロニトリル水溶液を添加し、N−置換グリシノニト
リルを生成させ、水と共沸する有機溶媒を添加し共沸脱
水により水を除去した後、脱有機溶媒、蒸留によりN−
置換グリシノニトリルを得る本発明記載の方法は、従来
よりも経済的かつ安全性の高い方法であり、より高収率
にかつ高純度でN−置換グリシノニトリルを製造するこ
とを可能にした。
フロントページの続き (72)発明者 緒方 秀雄 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 尾留川 淳 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 浅野 保 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC54 BA66 BB11 BB15 BB16 BB17 BC10 BC31 BC35 BD20 BU32 NB16 QN30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)〔化1〕 【化1】 (式中、R1 およびR2 は互いに同一でも異なっていて
    もよく、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示
    し、該アルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基もしく
    はアルコキシ基で置換されていてもよい)で表されるN
    −置換アミンまたはこの水溶液に、グリコロニトリル水
    溶液を添加しながら反応させることを特徴とする下記式
    (2)〔化2〕 【化2】 (式中、R1 およびR2 は、式(1)の場合と同一の定
    義である)で表されるN−置換グリシノニトリルの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 反応温度を、原料であるN−置換アミン
    またはN−置換アミン水溶液の沸点以下として行うこと
    を特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 N−置換アミンをグリコロニトリルの等
    モル以上使用することを特徴とする請求項1記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 酸性化合物を含むグリコロニトリル水溶
    液を使用することを特徴とする請求項1記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の方法により得られるN−
    置換グリシノニトリル水溶液に、水と共沸する有機溶媒
    を加え共沸脱水することを特徴とするN−置換グリシノ
    ニトリル水溶液の脱水方法。
  6. 【請求項6】 共沸脱水溶媒が、トルエンまたはベンゼ
    ンであることを特徴とする請求項5記載の脱水方法。
  7. 【請求項7】 共沸脱水を80℃以下で行うことを特徴と
    する請求項5記載の脱水方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002338536A (ja) * 2001-05-18 2002-11-27 Koei Chem Co Ltd アルキルアミノアセトニトリル及びn−アルキルエチレンジアミンの製造方法
US6641754B2 (en) 2001-03-15 2003-11-04 Betzdearborn Inc. Method for controlling scale formation and deposition in aqueous systems

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