JP2000212152A - N―置換グリシノニトリルの製造方法 - Google Patents
N―置換グリシノニトリルの製造方法Info
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- JP2000212152A JP2000212152A JP11017368A JP1736899A JP2000212152A JP 2000212152 A JP2000212152 A JP 2000212152A JP 11017368 A JP11017368 A JP 11017368A JP 1736899 A JP1736899 A JP 1736899A JP 2000212152 A JP2000212152 A JP 2000212152A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 N−置換アミンとグリコロニトリルとから、
経済的にかつ青酸や塩をほとんど生成させずにN−置換
グリシノニトリルを得る方法、及び高純度のN−置換グ
リシノニトリルを収率良く得る方法を提供する。 【解決手段】 N−置換アミン又はこの水溶液に、グリ
コロニトリルの水溶液を添加しながら反応させること、
及びこの反応で得られたN−置換グリシノニトリル水溶
液に、水と共沸する有機溶媒を加え共沸脱水することを
特徴とする。
経済的にかつ青酸や塩をほとんど生成させずにN−置換
グリシノニトリルを得る方法、及び高純度のN−置換グ
リシノニトリルを収率良く得る方法を提供する。 【解決手段】 N−置換アミン又はこの水溶液に、グリ
コロニトリルの水溶液を添加しながら反応させること、
及びこの反応で得られたN−置換グリシノニトリル水溶
液に、水と共沸する有機溶媒を加え共沸脱水することを
特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺虫剤や抗潰瘍薬
等の合成に中間体として使用できるN−置換グリシノニ
トリルの新規製法に関する。
等の合成に中間体として使用できるN−置換グリシノニ
トリルの新規製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、N−置換グリシノニトリルの
製造法としては、N−置換アミン、青酸およびホルムア
ルデヒドを用い公知のマンニッヒ反応により合成する方
法、またはこれとは別の反応であるN−置換アミンとグ
リコロニトリルとから合成する方法が知られている。
製造法としては、N−置換アミン、青酸およびホルムア
ルデヒドを用い公知のマンニッヒ反応により合成する方
法、またはこれとは別の反応であるN−置換アミンとグ
リコロニトリルとから合成する方法が知られている。
【0003】これら既知の方法において、例えば、ジメ
チルアミン、青酸およびホルムアルデヒドを原料とし、
N,N−ジメチルアミノアセトニトリルを製造する方法
では、青酸が無水形か、またはアルカリ金属塩として塩
酸とともに使用された場合に比較的収率が良く、また、
N,N−ジメチルアミノアセトニトリルは、クロロホル
ムやベンゼンにて抽出することにより、含水反応混合物
から回収できることが知られている(J. Amer. Chem. S
oc.,68,1607(1946) )。
チルアミン、青酸およびホルムアルデヒドを原料とし、
N,N−ジメチルアミノアセトニトリルを製造する方法
では、青酸が無水形か、またはアルカリ金属塩として塩
酸とともに使用された場合に比較的収率が良く、また、
N,N−ジメチルアミノアセトニトリルは、クロロホル
ムやベンゼンにて抽出することにより、含水反応混合物
から回収できることが知られている(J. Amer. Chem. S
oc.,68,1607(1946) )。
【0004】また、ドイツ国特許第 2503582号には、ジ
メチルアミン、青酸およびホルムアルデヒドから、反応
液中の青酸濃度を0.01〜0.1 重量%に維持しながらN,
N−ジメチルアミノアセトニトリルを製造する例が開示
されている。
メチルアミン、青酸およびホルムアルデヒドから、反応
液中の青酸濃度を0.01〜0.1 重量%に維持しながらN,
N−ジメチルアミノアセトニトリルを製造する例が開示
されている。
【0005】これら従来に知られるN−置換グリシノニ
トリル製法の欠点はまず、無水の青酸の使用にあり、厳
重な作業方法、作業環境および製造設備上の対応、厳格
な輸送、貯蔵および加工取締規則に従わねばならないと
いう点が挙げられる。また、青酸のアルカリ金属塩を使
用した場合は、塩の形成を伴い、その塩を含む大量の水
を抽出により分離しなければならないという問題点が挙
げられる。これらの理由から、既知のN−置換グリシノ
ニトリルの製法においては、特に、経済的に製造するこ
とが難しいといった問題があった。
トリル製法の欠点はまず、無水の青酸の使用にあり、厳
重な作業方法、作業環境および製造設備上の対応、厳格
な輸送、貯蔵および加工取締規則に従わねばならないと
いう点が挙げられる。また、青酸のアルカリ金属塩を使
用した場合は、塩の形成を伴い、その塩を含む大量の水
を抽出により分離しなければならないという問題点が挙
げられる。これらの理由から、既知のN−置換グリシノ
ニトリルの製法においては、特に、経済的に製造するこ
とが難しいといった問題があった。
【0006】また、ジメチルアミンとグリコロニトリル
を原料として用い、N,N−ジメチルアミノアセトニト
リルを製造する方法としては、エーテル等の有機溶媒を
用いた抽出操作により反応液中の生成水や原料中に含ま
れる多量の水を分離する方法(Justus Liebigs Annalen
der Chemie,279,44(1894))か、または、ジメチルアミン
塩酸塩水溶液とNaOHとの反応により発生するガス状のジ
メチルアミンをグリコロニトリルに吹き込み、N,N−
ジメチルアミノアセトニトリルを生成させた後、蒸留精
製を行う方法(J. Org. Chem.,23,613(1958))が公知であ
る。しかし、前者では、原料のフィード順序等につき規
定はなく、青酸の発生や青酸ポリマーの生成により、目
的物の収率が低下してしまうこと、また青酸を含む多量
の水は、それに含まれる青酸を分解処理した後で排水と
しなければならないため、経済的な方法ではない。ま
た、後者の蒸留精製では、N,N−ジメチルアミノアセ
トニトリルと反応で生成する水が共沸してしまうため、
高純度品を高収率で得ることはできない。しかも、無水
系で反応を行う上においては、ガス状のジメチルアミン
を使用するため耐圧型の強固で高価な設備が必要とな
り、経済的ではない。
を原料として用い、N,N−ジメチルアミノアセトニト
リルを製造する方法としては、エーテル等の有機溶媒を
用いた抽出操作により反応液中の生成水や原料中に含ま
れる多量の水を分離する方法(Justus Liebigs Annalen
der Chemie,279,44(1894))か、または、ジメチルアミン
塩酸塩水溶液とNaOHとの反応により発生するガス状のジ
メチルアミンをグリコロニトリルに吹き込み、N,N−
ジメチルアミノアセトニトリルを生成させた後、蒸留精
製を行う方法(J. Org. Chem.,23,613(1958))が公知であ
る。しかし、前者では、原料のフィード順序等につき規
定はなく、青酸の発生や青酸ポリマーの生成により、目
的物の収率が低下してしまうこと、また青酸を含む多量
の水は、それに含まれる青酸を分解処理した後で排水と
しなければならないため、経済的な方法ではない。ま
た、後者の蒸留精製では、N,N−ジメチルアミノアセ
トニトリルと反応で生成する水が共沸してしまうため、
高純度品を高収率で得ることはできない。しかも、無水
系で反応を行う上においては、ガス状のジメチルアミン
を使用するため耐圧型の強固で高価な設備が必要とな
り、経済的ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、N−置換グ
リシノニトリルを製造するにあたり、原料として、N−
置換アミンまたはその水溶液とグリコロニトリル水溶液
を用い、かつ、原料のフィード方法を限定することによ
り、青酸の発生や青酸ポリマーの生成を抑制し、N−置
換グリシノニトリル水溶液を高収率で得、さらに、反応
液中の水を共沸脱水法により効率良く除去し、最終的
に、蒸留精製により高収率かつ高純度でN−置換グリシ
ノニトリルを製造する方法を提供することを目的とす
る。
リシノニトリルを製造するにあたり、原料として、N−
置換アミンまたはその水溶液とグリコロニトリル水溶液
を用い、かつ、原料のフィード方法を限定することによ
り、青酸の発生や青酸ポリマーの生成を抑制し、N−置
換グリシノニトリル水溶液を高収率で得、さらに、反応
液中の水を共沸脱水法により効率良く除去し、最終的
に、蒸留精製により高収率かつ高純度でN−置換グリシ
ノニトリルを製造する方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、N−置換
アミンとグリコロニトリルから、N−置換グリシノニト
リルを、高収率かつ高純度で製造する方法について鋭意
検討した結果、原料として、N−置換アミンまたはその
水溶液とグリコロニトリル水溶液を用い、原料のフィー
ド方法、反応温度、およびモル比を定めて反応を行わせ
ることにより、N−置換グリシノニトリルを水溶液の形
態で高収率で得、その後、共沸脱水溶媒を利用して反応
液中の水を効率良く除去し、共沸脱水溶媒を蒸留により
除去後、N−置換グリシノニトリルを蒸留することによ
り、高収率かつ高純度でしかも経済的にN−置換グリシ
ノニトリルを製造することが可能であり、前記した問題
点が解決されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
アミンとグリコロニトリルから、N−置換グリシノニト
リルを、高収率かつ高純度で製造する方法について鋭意
検討した結果、原料として、N−置換アミンまたはその
水溶液とグリコロニトリル水溶液を用い、原料のフィー
ド方法、反応温度、およびモル比を定めて反応を行わせ
ることにより、N−置換グリシノニトリルを水溶液の形
態で高収率で得、その後、共沸脱水溶媒を利用して反応
液中の水を効率良く除去し、共沸脱水溶媒を蒸留により
除去後、N−置換グリシノニトリルを蒸留することによ
り、高収率かつ高純度でしかも経済的にN−置換グリシ
ノニトリルを製造することが可能であり、前記した問題
点が解決されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち、本発明は、(1) 下記式(1)
〔化3〕
〔化3〕
【化3】 (式中、R1 およびR2 は互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示
し、該アルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基もしく
はアルコキシ基で置換されていてもよい)で表されるN
−置換アミンまたはこの水溶液に、グリコロニトリル水
溶液を添加しながら反応させることを特徴とする下記式
(2)〔化4〕
もよく、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示
し、該アルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基もしく
はアルコキシ基で置換されていてもよい)で表されるN
−置換アミンまたはこの水溶液に、グリコロニトリル水
溶液を添加しながら反応させることを特徴とする下記式
(2)〔化4〕
【化4】 (式中、R1 およびR2 は、式(1)の場合と同一の定
義である)で表されるN−置換グリシノニトリルの製造
方法であり、また、(2) 反応温度を、原料であるN−置
換アミンまたはN−置換アミン水溶液の沸点以下として
行うことを特徴とする(1) に記載の製造方法であり、ま
た、(3) N−置換アミンをグリコロニトリルの等モル以
上使用することを特徴とする(1) に記載の製造方法であ
り、また、(4) 酸性化合物を含むグリコロニトリル水溶
液を使用することを特徴とする(1)に記載の製造方法で
あり、また、(5) 前記(1) 記載の方法により得られるN
−置換グリシノニトリル水溶液に、水と共沸する有機溶
媒を加え共沸脱水することを特徴とするN−置換グリシ
ノニトリル水溶液の脱水方法であり、また、(6) 共沸脱
水溶媒が、トルエンまたはベンゼンであることを特徴と
する(5) に記載の脱水方法であり、また、(7) 共沸脱水
を80℃以下で行うことを特徴とする(5) に記載の脱水方
法である。
義である)で表されるN−置換グリシノニトリルの製造
方法であり、また、(2) 反応温度を、原料であるN−置
換アミンまたはN−置換アミン水溶液の沸点以下として
行うことを特徴とする(1) に記載の製造方法であり、ま
た、(3) N−置換アミンをグリコロニトリルの等モル以
上使用することを特徴とする(1) に記載の製造方法であ
り、また、(4) 酸性化合物を含むグリコロニトリル水溶
液を使用することを特徴とする(1)に記載の製造方法で
あり、また、(5) 前記(1) 記載の方法により得られるN
−置換グリシノニトリル水溶液に、水と共沸する有機溶
媒を加え共沸脱水することを特徴とするN−置換グリシ
ノニトリル水溶液の脱水方法であり、また、(6) 共沸脱
水溶媒が、トルエンまたはベンゼンであることを特徴と
する(5) に記載の脱水方法であり、また、(7) 共沸脱水
を80℃以下で行うことを特徴とする(5) に記載の脱水方
法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、原料であるN−
置換アミンとしては、アンモニア、メチルアミン、ジメ
チルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、n−プロ
ピルアミン、ジ(n−プロピルアミン)、メチルエチル
アミン、メトキシエチルアミン、ジ(メトキシエチルア
ミン)、ピペリジン、およびモルホリン等が挙げられ、
N−置換アミン水溶液を使用する場合はその濃度につい
ては特に限定がなく、どのような濃度であっても構わな
い。
置換アミンとしては、アンモニア、メチルアミン、ジメ
チルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、n−プロ
ピルアミン、ジ(n−プロピルアミン)、メチルエチル
アミン、メトキシエチルアミン、ジ(メトキシエチルア
ミン)、ピペリジン、およびモルホリン等が挙げられ、
N−置換アミン水溶液を使用する場合はその濃度につい
ては特に限定がなく、どのような濃度であっても構わな
い。
【0011】本発明において、N−置換アミンとグリコ
ロニトリルとの反応は、N−置換アミンまたはその水溶
液に、グリコロニトリル水溶液を添加しながら反応させ
ることが必須である。この際逆に、グリコロニトリル水
溶液にN−置換アミンを添加しながら反応させるという
形態をとった場合は、グリコロニトリルが分解しやすく
なって、青酸発生や青酸ポリマー生成の原因となり、目
的物であるN−置換グリシノニトリルの収率が低下する
ことから好ましくない。
ロニトリルとの反応は、N−置換アミンまたはその水溶
液に、グリコロニトリル水溶液を添加しながら反応させ
ることが必須である。この際逆に、グリコロニトリル水
溶液にN−置換アミンを添加しながら反応させるという
形態をとった場合は、グリコロニトリルが分解しやすく
なって、青酸発生や青酸ポリマー生成の原因となり、目
的物であるN−置換グリシノニトリルの収率が低下する
ことから好ましくない。
【0012】グリコロニトリル水溶液をN−置換アミン
またはその水溶液に添加する際の反応液の温度は、通常
−10〜120 ℃の範囲であり、特に収率良くN−置換グリ
シノニトリルを得る上においては、反応時にN−置換ア
ミンが気化し難い条件としておくことが好ましい。すな
わち、グリコロニトリル水溶液を添加しつつ反応させる
際に、反応温度を、原料であるN−置換アミンまたはそ
の水溶液の沸点以下となるように調整することが好まし
い。
またはその水溶液に添加する際の反応液の温度は、通常
−10〜120 ℃の範囲であり、特に収率良くN−置換グリ
シノニトリルを得る上においては、反応時にN−置換ア
ミンが気化し難い条件としておくことが好ましい。すな
わち、グリコロニトリル水溶液を添加しつつ反応させる
際に、反応温度を、原料であるN−置換アミンまたはそ
の水溶液の沸点以下となるように調整することが好まし
い。
【0013】すなわち一例として、50重量%濃度のN,
N−ジメチルアミン水溶液を使用する場合を挙げてみれ
ば(この濃度50重量%の水溶液の常圧における沸点は43
℃である)、反応液の温度が43℃以下を維持するように
グリコロニトリルを添加することにより、N,N−ジメ
チルアミンが気化せず系外へ除去されることなく効率良
く反応させることができることとなり、高収率でN,N
−ジメチルアセトニトリルを得ることが可能となる。
N−ジメチルアミン水溶液を使用する場合を挙げてみれ
ば(この濃度50重量%の水溶液の常圧における沸点は43
℃である)、反応液の温度が43℃以下を維持するように
グリコロニトリルを添加することにより、N,N−ジメ
チルアミンが気化せず系外へ除去されることなく効率良
く反応させることができることとなり、高収率でN,N
−ジメチルアセトニトリルを得ることが可能となる。
【0014】原料であるN−置換アミンとグリコロニト
リルとの使用量は、グリコロニトリルの1モル当たり、
通常、N−置換アミンを 0.1〜5モルの範囲とすること
により反応を行わせることは可能であるが、青酸の発生
を抑制する上においては、グリコロニトリルの1モル当
たりN−置換アミンを1モル以上の使用とすることが好
ましく、更には 1.0〜1.1 倍モルの使用とすることが、
経済性等からもより好ましい。
リルとの使用量は、グリコロニトリルの1モル当たり、
通常、N−置換アミンを 0.1〜5モルの範囲とすること
により反応を行わせることは可能であるが、青酸の発生
を抑制する上においては、グリコロニトリルの1モル当
たりN−置換アミンを1モル以上の使用とすることが好
ましく、更には 1.0〜1.1 倍モルの使用とすることが、
経済性等からもより好ましい。
【0015】本発明において、原料であるグリコロニト
リル水溶液の濃度については特に制限がなく、任意の濃
度のものが使用できる。また、この場合のグリコロニト
リル水溶液としては、微量の金属水酸化物の存在下、ホ
ルマリン水溶液と青酸(例えば98重量%濃度の青酸)を
等モルずつで反応させた液に、さらに酸性化合物を添加
し、pHを約2程度として安定性を向上させたものを使
用することが好ましい。この際に添加する酸性化合物と
しては塩酸または硫酸等が挙げられる。
リル水溶液の濃度については特に制限がなく、任意の濃
度のものが使用できる。また、この場合のグリコロニト
リル水溶液としては、微量の金属水酸化物の存在下、ホ
ルマリン水溶液と青酸(例えば98重量%濃度の青酸)を
等モルずつで反応させた液に、さらに酸性化合物を添加
し、pHを約2程度として安定性を向上させたものを使
用することが好ましい。この際に添加する酸性化合物と
しては塩酸または硫酸等が挙げられる。
【0016】本発明において、N−置換アミンまたはこ
の水溶液に添加するグリコロニトリル水溶液の添加速度
は、前記した反応温度を維持するように添加しても良い
し、あるいは冷却器が備えられた反応器を用い、除熱し
ながら前記した反応温度を維持させ、グリコロニトリル
水溶液を添加する形態であっても良い。
の水溶液に添加するグリコロニトリル水溶液の添加速度
は、前記した反応温度を維持するように添加しても良い
し、あるいは冷却器が備えられた反応器を用い、除熱し
ながら前記した反応温度を維持させ、グリコロニトリル
水溶液を添加する形態であっても良い。
【0017】次に、上記反応で得られたN−置換グリシ
ノニトリル生成液を共沸脱水させるために有機溶媒を用
いる。この際に用いられる有機溶媒としては、水と共沸
し、水との共沸混合物の沸点が、水とN−置換グリシノ
ニトリルと使用する有機溶媒の共沸混合物の沸点より低
い化合物であり、例えばトルエン、ベンゼン、酢酸イソ
プロピル、酢酸エチル、酢酸メチル、イソプロピルエー
テル、シクロヘキサン、4−メチル−2−ペンタノン等
が挙げられる。これらのうちでも特にトルエンまたはベ
ンゼンが好ましい。使用する有機溶媒の量は任意である
が、N−置換グリシノニトリルの 0.1〜5重量倍の量を
用いるのが好ましい。
ノニトリル生成液を共沸脱水させるために有機溶媒を用
いる。この際に用いられる有機溶媒としては、水と共沸
し、水との共沸混合物の沸点が、水とN−置換グリシノ
ニトリルと使用する有機溶媒の共沸混合物の沸点より低
い化合物であり、例えばトルエン、ベンゼン、酢酸イソ
プロピル、酢酸エチル、酢酸メチル、イソプロピルエー
テル、シクロヘキサン、4−メチル−2−ペンタノン等
が挙げられる。これらのうちでも特にトルエンまたはベ
ンゼンが好ましい。使用する有機溶媒の量は任意である
が、N−置換グリシノニトリルの 0.1〜5重量倍の量を
用いるのが好ましい。
【0018】共沸脱水操作を行う際の反応釜内の温度は
任意に可能であるが、N−置換グリシノニトリルの安定
性が得られる80℃以下で行うことが好ましい。さらには
減圧下に釜内温度を80℃以下として共沸脱水を行うこと
がより好ましい。この場合、共沸脱水液中には、青酸は
ほとんど検出されない。
任意に可能であるが、N−置換グリシノニトリルの安定
性が得られる80℃以下で行うことが好ましい。さらには
減圧下に釜内温度を80℃以下として共沸脱水を行うこと
がより好ましい。この場合、共沸脱水液中には、青酸は
ほとんど検出されない。
【0019】本発明において、共沸脱水は、N−置換グ
リシノニトリルを高収率で得るために、水を選択的に除
去する必要があり、蒸留塔を使用することが好ましい。
また、水と共に系外へ留出した有機溶媒は、水と分離
後、再度釜内に戻してもよい。
リシノニトリルを高収率で得るために、水を選択的に除
去する必要があり、蒸留塔を使用することが好ましい。
また、水と共に系外へ留出した有機溶媒は、水と分離
後、再度釜内に戻してもよい。
【0020】脱水後の釜内から有機溶媒を蒸留により除
去する際は、常圧系でも減圧系でもよく、釜内温度は任
意であるが、安定性を考慮して 100℃以下とすることが
好ましい。また、蒸留塔を使用することが好ましい。
去する際は、常圧系でも減圧系でもよく、釜内温度は任
意であるが、安定性を考慮して 100℃以下とすることが
好ましい。また、蒸留塔を使用することが好ましい。
【0021】本発明において、N−置換グリシノニトリ
ルの蒸留を行う際は、常圧系でも減圧系でもよいが、釜
内温度は安定性を考慮し 100℃以下として行うことが好
ましい。
ルの蒸留を行う際は、常圧系でも減圧系でもよいが、釜
内温度は安定性を考慮し 100℃以下として行うことが好
ましい。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例を例示し、本発明
によるN−置換グリシノニトリルの製造方法を更に説明
する。以下において、%は特記している以外は重量基準
である。
によるN−置換グリシノニトリルの製造方法を更に説明
する。以下において、%は特記している以外は重量基準
である。
【0023】実施例1 51%ジメチルアミン水溶液 265.2g(3.00 モル) に、51
%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を、反
応液の温度が35℃を維持するようにして3時間で滴下し
た。滴下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。この結
果、グリコロニトリル基準でN,N−ジメチルアミノア
セトニトリル水溶液が99.8モル%の収率で得られた。次
にこの反応液にトルエン 120gを加え、理論段数8段の
蒸留塔を用い共沸脱水を4時間行い、水を系外に除去し
た。この際、釜内温度が80℃以下に維持できるように減
圧度を 400〜100mmHg に調節しながら行った。水と共に
留出したトルエンは水と分離後釜内に戻しつつ実施し
た。その後、トルエンを釜内温度80℃以下/100mmHg に
て系外に留去した。この脱トルエン液はN,N−ジメル
アミノアセトニトリル25.2gを含む。釜内に残った粗
N,N−ジメチルアミノアセトニトリルを釜内温度 100
℃以下にて減圧蒸留し、N,N−ジメチルアミノアセト
ニトリル 196.1g(収率77.3モル%/グリコロニトリ
ル、純度99.5%)を得た。蒸留塔には、N,N−ジメチ
ルアミノアセトニトリル26.5gが付着する。
%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を、反
応液の温度が35℃を維持するようにして3時間で滴下し
た。滴下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。この結
果、グリコロニトリル基準でN,N−ジメチルアミノア
セトニトリル水溶液が99.8モル%の収率で得られた。次
にこの反応液にトルエン 120gを加え、理論段数8段の
蒸留塔を用い共沸脱水を4時間行い、水を系外に除去し
た。この際、釜内温度が80℃以下に維持できるように減
圧度を 400〜100mmHg に調節しながら行った。水と共に
留出したトルエンは水と分離後釜内に戻しつつ実施し
た。その後、トルエンを釜内温度80℃以下/100mmHg に
て系外に留去した。この脱トルエン液はN,N−ジメル
アミノアセトニトリル25.2gを含む。釜内に残った粗
N,N−ジメチルアミノアセトニトリルを釜内温度 100
℃以下にて減圧蒸留し、N,N−ジメチルアミノアセト
ニトリル 196.1g(収率77.3モル%/グリコロニトリ
ル、純度99.5%)を得た。蒸留塔には、N,N−ジメチ
ルアミノアセトニトリル26.5gが付着する。
【0024】実施例2 実施例1で使用したN,N−ジメチルアミノアセトニト
リルが付着した蒸留塔を用い、51%ジメチルアミン水溶
液 270.5g(3.06 モル) に、51%グリコロニトリル水溶
液 335.6g(3.00 モル) を、反応液の温度が35℃を維持
するようにして3時間かけ滴下した。滴下終了後さらに
同温度で1時間攪拌した。この結果、グリコロニトリル
基準でN,N−ジメチルアミノアセトニトリル水溶液が
99.8モル%の収率で得られた。次にこの反応液に、実施
例1で得られた脱トルエン液(N,N−ジメチルアミノ
アセトニトリル25.2gを含有) 120gを加え、理論段数
8段の蒸留塔を用い共沸脱水を4時間行い、水を系外に
除去した。この際、釜内温度が80℃以下に維持できるよ
うに減圧度を 400〜100mmHg に調節しながら行った。水
と共に留出したトルエンは水と分離後釜内に戻しつつ実
施した。その後、トルエンを釜内温度80℃以下/100mmH
g にて系外に留去した。この脱トルエン液はN,N−ジ
メチルアミノアセトニトリルを25.2g含む。釜内に残っ
た粗N,N−ジメチルアミノアセトニトリルを釜内温度
100℃以下にて減圧蒸留し、N,N−ジメチルアミノア
セトニトリル 248.1g(収率97.8モル%/グリコロニト
リル、純度99.5%)を得た。蒸留塔には、N,N−ジメ
チルアミノアセトニトリル26.5gが付着する。反応から
蒸留までの一連の工程を通して青酸の発生量は、0.05モ
ル%/グリコロニトリル以下と、微量であった。
リルが付着した蒸留塔を用い、51%ジメチルアミン水溶
液 270.5g(3.06 モル) に、51%グリコロニトリル水溶
液 335.6g(3.00 モル) を、反応液の温度が35℃を維持
するようにして3時間かけ滴下した。滴下終了後さらに
同温度で1時間攪拌した。この結果、グリコロニトリル
基準でN,N−ジメチルアミノアセトニトリル水溶液が
99.8モル%の収率で得られた。次にこの反応液に、実施
例1で得られた脱トルエン液(N,N−ジメチルアミノ
アセトニトリル25.2gを含有) 120gを加え、理論段数
8段の蒸留塔を用い共沸脱水を4時間行い、水を系外に
除去した。この際、釜内温度が80℃以下に維持できるよ
うに減圧度を 400〜100mmHg に調節しながら行った。水
と共に留出したトルエンは水と分離後釜内に戻しつつ実
施した。その後、トルエンを釜内温度80℃以下/100mmH
g にて系外に留去した。この脱トルエン液はN,N−ジ
メチルアミノアセトニトリルを25.2g含む。釜内に残っ
た粗N,N−ジメチルアミノアセトニトリルを釜内温度
100℃以下にて減圧蒸留し、N,N−ジメチルアミノア
セトニトリル 248.1g(収率97.8モル%/グリコロニト
リル、純度99.5%)を得た。蒸留塔には、N,N−ジメ
チルアミノアセトニトリル26.5gが付着する。反応から
蒸留までの一連の工程を通して青酸の発生量は、0.05モ
ル%/グリコロニトリル以下と、微量であった。
【0025】実施例3 98%ジエチルアミン 223.9g(3.00 モル) に、51%グリ
コロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を反応液の温
度が45℃を維持するようにして4時間かけ滴下した。滴
下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。この結果、グ
リコロニトリル基準でN,N−ジエチルアミノアセトニ
トリル水溶液が99.8モル%の収率で得られた。次にこの
反応液にトルエン 120gを加え、理論段数8段の蒸留塔
を用い共沸脱水を5時間行い、水を系外に除去した。こ
の際、釜内温度が80℃以下に維持できるように減圧度を
400〜100mmHg に調節しながら行った。水と共に留出し
たトルエンは水と分離後釜内に戻した。その後、トルエ
ンを釜内温度80℃以下/100mmHgにて系外に留去した。
この脱トルエン液はN,N−ジエルアミノアセトニトリ
ル33.7gを含む。釜内に残った粗N,N−ジエチルアミ
ノアセトニトリルを釜内温度 100℃以下にて減圧蒸留
し、N,N−ジエチルアミノアセトニトリル260.4g
(収率77.0モル%/グリコロニトリル、純度99.5%)を
得た。蒸留塔には、N,N−ジエチルアミノアセトニト
リル35.3gが付着する。
コロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を反応液の温
度が45℃を維持するようにして4時間かけ滴下した。滴
下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。この結果、グ
リコロニトリル基準でN,N−ジエチルアミノアセトニ
トリル水溶液が99.8モル%の収率で得られた。次にこの
反応液にトルエン 120gを加え、理論段数8段の蒸留塔
を用い共沸脱水を5時間行い、水を系外に除去した。こ
の際、釜内温度が80℃以下に維持できるように減圧度を
400〜100mmHg に調節しながら行った。水と共に留出し
たトルエンは水と分離後釜内に戻した。その後、トルエ
ンを釜内温度80℃以下/100mmHgにて系外に留去した。
この脱トルエン液はN,N−ジエルアミノアセトニトリ
ル33.7gを含む。釜内に残った粗N,N−ジエチルアミ
ノアセトニトリルを釜内温度 100℃以下にて減圧蒸留
し、N,N−ジエチルアミノアセトニトリル260.4g
(収率77.0モル%/グリコロニトリル、純度99.5%)を
得た。蒸留塔には、N,N−ジエチルアミノアセトニト
リル35.3gが付着する。
【0026】実施例4 実施例3で使用したN,N−ジエチルアミノアセトニト
リルが付着した蒸留塔を用い、51%ジエチルアミン水溶
液 270.5g(3.06 モル) に、51%グリコロニトリル水溶
液 335.6g(3.00 モル) を、反応液の温度が45℃を維持
するようにして4時間かけ滴下した。滴下終了後さらに
同温度で1時間攪拌した。この結果、グリコロニトリル
基準でN,N−ジエチルアミノアセトニトリル水溶液が
収率99.8モル%で得られた。次にこの反応液に、実施例
3で得られた脱トルエン液(N,N−ジエチルアミノア
セトニトリル33.7gを含有) 120gを加え、理論段数8
段の蒸留塔を用い共沸脱水を5時間行い、水を系外に除
去した。この際、釜内温度が80℃以下に維持できるよ
うに減圧度を 400〜100mmHg に調節しながら行った。水
と共に留出したトルエンは水と分離後釜内に戻した。そ
の後、トルエンを釜内温度80℃以下/100mmHg にて系外
に留去した。この脱トルエン液はN,N−ジエチルアミ
ノアセトニトリルを33.7g含む。釜内に残った粗N,N
−ジエチルアミノアセトニトリルを釜内温度 100℃以下
にて減圧蒸留し、N,N−ジエチルアミノアセトニトリ
ル 328.1g(収率97.0モル%/グリコロニトリル、純度
99.5%)を得た。蒸留塔には、N,N−ジエチルアミノ
アセトニトリル35.3gが付着する。反応から蒸留までの
一連の工程を通して青酸の発生量は、0.05モル%/グリ
コロニトリル以下と、微量であった。
リルが付着した蒸留塔を用い、51%ジエチルアミン水溶
液 270.5g(3.06 モル) に、51%グリコロニトリル水溶
液 335.6g(3.00 モル) を、反応液の温度が45℃を維持
するようにして4時間かけ滴下した。滴下終了後さらに
同温度で1時間攪拌した。この結果、グリコロニトリル
基準でN,N−ジエチルアミノアセトニトリル水溶液が
収率99.8モル%で得られた。次にこの反応液に、実施例
3で得られた脱トルエン液(N,N−ジエチルアミノア
セトニトリル33.7gを含有) 120gを加え、理論段数8
段の蒸留塔を用い共沸脱水を5時間行い、水を系外に除
去した。この際、釜内温度が80℃以下に維持できるよ
うに減圧度を 400〜100mmHg に調節しながら行った。水
と共に留出したトルエンは水と分離後釜内に戻した。そ
の後、トルエンを釜内温度80℃以下/100mmHg にて系外
に留去した。この脱トルエン液はN,N−ジエチルアミ
ノアセトニトリルを33.7g含む。釜内に残った粗N,N
−ジエチルアミノアセトニトリルを釜内温度 100℃以下
にて減圧蒸留し、N,N−ジエチルアミノアセトニトリ
ル 328.1g(収率97.0モル%/グリコロニトリル、純度
99.5%)を得た。蒸留塔には、N,N−ジエチルアミノ
アセトニトリル35.3gが付着する。反応から蒸留までの
一連の工程を通して青酸の発生量は、0.05モル%/グリ
コロニトリル以下と、微量であった。
【0027】実施例5 51%ジメチルアミン水溶液 265.2g(3.00 モル) に、51
%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を、反
応液の温度が35℃を維持するようにして3時間かけ滴下
した。滴下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。この
結果、グリコロニトリル基準でN,N−ジメチルアミノ
アセトニトリル水溶液が99.8モル%の収率で得られた。
次に、この反応液にトルエン 120gを加え、理論段数8
段の蒸留塔を用い、常圧下共沸脱水を11時間行い、水を
系外に除去した。この際の釜内温度は、90〜112 ℃であ
った。水と共に留出したトルエンは水と分離後釜内に戻
した。その後、トルエンを釜内温度80℃/100mmHg にて
系外に留去した。この脱トルエン液はN,N−ジメルア
ミノアセトニトリル25.2gを含む。釜内に残った粗N,
N−ジメチルアミノアセトニトリルを釜内温度 100℃以
下にて減圧蒸留し、N,N−ジメチルアミノアセトニト
リル 178.6g(収率70.4モル%/グリコロニトリル、純
度99.5%)を得た。蒸留塔には、N,N−ジメチルアミ
ノアセトニトリル26.5gが付着する。
%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を、反
応液の温度が35℃を維持するようにして3時間かけ滴下
した。滴下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。この
結果、グリコロニトリル基準でN,N−ジメチルアミノ
アセトニトリル水溶液が99.8モル%の収率で得られた。
次に、この反応液にトルエン 120gを加え、理論段数8
段の蒸留塔を用い、常圧下共沸脱水を11時間行い、水を
系外に除去した。この際の釜内温度は、90〜112 ℃であ
った。水と共に留出したトルエンは水と分離後釜内に戻
した。その後、トルエンを釜内温度80℃/100mmHg にて
系外に留去した。この脱トルエン液はN,N−ジメルア
ミノアセトニトリル25.2gを含む。釜内に残った粗N,
N−ジメチルアミノアセトニトリルを釜内温度 100℃以
下にて減圧蒸留し、N,N−ジメチルアミノアセトニト
リル 178.6g(収率70.4モル%/グリコロニトリル、純
度99.5%)を得た。蒸留塔には、N,N−ジメチルアミ
ノアセトニトリル26.5gが付着する。
【0028】比較例1 51%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) に、
51%ジメチルアミン水溶液 265.2g(3.00 モル) を、反
応液の温度が35℃を維持するようにして3時間かけ滴下
した(すなわち、実施例1における反応物の添加形態を
逆にして行った)。滴下終了後さらに同温度で1時間攪
拌した。これによるN,N−ジメチルアミノアセトニト
リル水溶液の収率は、グリコロニトリル基準で79.8モル
%であった。
51%ジメチルアミン水溶液 265.2g(3.00 モル) を、反
応液の温度が35℃を維持するようにして3時間かけ滴下
した(すなわち、実施例1における反応物の添加形態を
逆にして行った)。滴下終了後さらに同温度で1時間攪
拌した。これによるN,N−ジメチルアミノアセトニト
リル水溶液の収率は、グリコロニトリル基準で79.8モル
%であった。
【0029】比較例2 51%ジメチルアミン水溶液 265.2g(3.00 モル) に、51
%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を、反
応液の温度が60℃を維持するようにして3時間かけ滴下
した。滴下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。これ
によるN,N−ジメチルアミノアセトニトリル水溶液の
収率は、グリコロニトリル基準で61.8モル%であり、ま
た青酸の発生量は、グリコロニトリルに対して 0.6モル
%となった。
%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を、反
応液の温度が60℃を維持するようにして3時間かけ滴下
した。滴下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。これ
によるN,N−ジメチルアミノアセトニトリル水溶液の
収率は、グリコロニトリル基準で61.8モル%であり、ま
た青酸の発生量は、グリコロニトリルに対して 0.6モル
%となった。
【0030】比較例3 51%ジメチルアミン水溶液 252.0g(2.85 モル) に、51
%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を、反
応液の温度が35℃を維持するようにして3時間かけ滴下
した。滴下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。これ
によるN,N−ジメチルアミノアセトニトリル水溶液の
収率は、グリコロニトリル基準で94.6モル%であり、ま
た青酸の発生量は、グリコロニトリルに対して 0.4モル
%となった。
%グリコロニトリル水溶液 335.6g(3.00 モル) を、反
応液の温度が35℃を維持するようにして3時間かけ滴下
した。滴下終了後さらに同温度で1時間攪拌した。これ
によるN,N−ジメチルアミノアセトニトリル水溶液の
収率は、グリコロニトリル基準で94.6モル%であり、ま
た青酸の発生量は、グリコロニトリルに対して 0.4モル
%となった。
【0031】比較例4 25%ジメチルアミン水溶液1320g(7.34 モル) に、37%
ホルマリン 660g(8.14 モル) を、25℃以下で滴下す
る。滴下終了後、これに96%NaCN 396g(7.75 モ
ル) を、反応液の温度が25℃以下を維持するようにして
添加し、添加終了後は25℃で1時間攪拌する。次いで濃
塩酸610cc(7.10モル) を添加後、15時間攪拌する。クロ
ロホルム又はベンゼンにて抽出し、有機層を硫酸マグネ
シウム等で乾燥する。濾過後、有機層を濃縮し有機溶媒
を除去する。釜内に残った粗N,N−ジメチルアミノア
セトニトリルを蒸留しN,N−ジメチルアミノアセトニ
トリル450gを得た。この操作によるN,N−ジメチル
アミノアセトニトリルの収率は、ジメチルアミン基準で
73モル%であった。
ホルマリン 660g(8.14 モル) を、25℃以下で滴下す
る。滴下終了後、これに96%NaCN 396g(7.75 モ
ル) を、反応液の温度が25℃以下を維持するようにして
添加し、添加終了後は25℃で1時間攪拌する。次いで濃
塩酸610cc(7.10モル) を添加後、15時間攪拌する。クロ
ロホルム又はベンゼンにて抽出し、有機層を硫酸マグネ
シウム等で乾燥する。濾過後、有機層を濃縮し有機溶媒
を除去する。釜内に残った粗N,N−ジメチルアミノア
セトニトリルを蒸留しN,N−ジメチルアミノアセトニ
トリル450gを得た。この操作によるN,N−ジメチル
アミノアセトニトリルの収率は、ジメチルアミン基準で
73モル%であった。
【0032】
【発明の効果】N−置換アミンまたはその水溶液に、グ
リコロニトリル水溶液を添加し、N−置換グリシノニト
リルを生成させ、水と共沸する有機溶媒を添加し共沸脱
水により水を除去した後、脱有機溶媒、蒸留によりN−
置換グリシノニトリルを得る本発明記載の方法は、従来
よりも経済的かつ安全性の高い方法であり、より高収率
にかつ高純度でN−置換グリシノニトリルを製造するこ
とを可能にした。
リコロニトリル水溶液を添加し、N−置換グリシノニト
リルを生成させ、水と共沸する有機溶媒を添加し共沸脱
水により水を除去した後、脱有機溶媒、蒸留によりN−
置換グリシノニトリルを得る本発明記載の方法は、従来
よりも経済的かつ安全性の高い方法であり、より高収率
にかつ高純度でN−置換グリシノニトリルを製造するこ
とを可能にした。
フロントページの続き (72)発明者 緒方 秀雄 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 尾留川 淳 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 (72)発明者 浅野 保 千葉県茂原市東郷1900番地 三井化学株式 会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC54 BA66 BB11 BB15 BB16 BB17 BC10 BC31 BC35 BD20 BU32 NB16 QN30
Claims (7)
- 【請求項1】 下記式(1)〔化1〕 【化1】 (式中、R1 およびR2 は互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示
し、該アルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基もしく
はアルコキシ基で置換されていてもよい)で表されるN
−置換アミンまたはこの水溶液に、グリコロニトリル水
溶液を添加しながら反応させることを特徴とする下記式
(2)〔化2〕 【化2】 (式中、R1 およびR2 は、式(1)の場合と同一の定
義である)で表されるN−置換グリシノニトリルの製造
方法。 - 【請求項2】 反応温度を、原料であるN−置換アミン
またはN−置換アミン水溶液の沸点以下として行うこと
を特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 N−置換アミンをグリコロニトリルの等
モル以上使用することを特徴とする請求項1記載の製造
方法。 - 【請求項4】 酸性化合物を含むグリコロニトリル水溶
液を使用することを特徴とする請求項1記載の製造方
法。 - 【請求項5】 請求項1記載の方法により得られるN−
置換グリシノニトリル水溶液に、水と共沸する有機溶媒
を加え共沸脱水することを特徴とするN−置換グリシノ
ニトリル水溶液の脱水方法。 - 【請求項6】 共沸脱水溶媒が、トルエンまたはベンゼ
ンであることを特徴とする請求項5記載の脱水方法。 - 【請求項7】 共沸脱水を80℃以下で行うことを特徴と
する請求項5記載の脱水方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11017368A JP2000212152A (ja) | 1999-01-26 | 1999-01-26 | N―置換グリシノニトリルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11017368A JP2000212152A (ja) | 1999-01-26 | 1999-01-26 | N―置換グリシノニトリルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000212152A true JP2000212152A (ja) | 2000-08-02 |
Family
ID=11942099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11017368A Withdrawn JP2000212152A (ja) | 1999-01-26 | 1999-01-26 | N―置換グリシノニトリルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000212152A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002338536A (ja) * | 2001-05-18 | 2002-11-27 | Koei Chem Co Ltd | アルキルアミノアセトニトリル及びn−アルキルエチレンジアミンの製造方法 |
US6641754B2 (en) | 2001-03-15 | 2003-11-04 | Betzdearborn Inc. | Method for controlling scale formation and deposition in aqueous systems |
-
1999
- 1999-01-26 JP JP11017368A patent/JP2000212152A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6641754B2 (en) | 2001-03-15 | 2003-11-04 | Betzdearborn Inc. | Method for controlling scale formation and deposition in aqueous systems |
JP2002338536A (ja) * | 2001-05-18 | 2002-11-27 | Koei Chem Co Ltd | アルキルアミノアセトニトリル及びn−アルキルエチレンジアミンの製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
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