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JP2000296362A - 塗装物および塗装方法 - Google Patents

塗装物および塗装方法

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Publication number
JP2000296362A
JP2000296362A JP2000034851A JP2000034851A JP2000296362A JP 2000296362 A JP2000296362 A JP 2000296362A JP 2000034851 A JP2000034851 A JP 2000034851A JP 2000034851 A JP2000034851 A JP 2000034851A JP 2000296362 A JP2000296362 A JP 2000296362A
Authority
JP
Japan
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coating
resin
layer
parts
bead
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000034851A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Umemura
晋 梅村
Takao Nomura
孝夫 野村
Yasushi Miyamoto
康司 宮本
Kazuyuki Kuwano
一幸 桑野
Hiromitsu Nakayama
浩光 中山
Keiji Tanaka
敬次 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP2000034851A priority Critical patent/JP2000296362A/ja
Publication of JP2000296362A publication Critical patent/JP2000296362A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Vehicle Cleaning, Maintenance, Repair, Refitting, And Outriggers (AREA)
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  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ABSや変性PP等の樹脂製自動車部材上の塗
料に於いて、ラッカー等では、ソフト感、高級感、意匠
性に乏しく、また防眩性を付与すると汚れが付着しやす
くなるという課題があった。また、スラッシュ成形等で
高級感を出すためには工程が煩雑になり、高コストとい
う課題があった。 【解決手段】樹脂製自動車部材基板の上に下塗り塗料、
次いでその一部または全面にビーズ状ポリウレタン塗料
を塗布し、その後0〜110℃にて定着することで、製
造コストを上げず、且つ汚れ付着性を悪化させることな
く、ソフト感、防眩性、耐スリキズ性等を付与し、しか
も今までにない、質感、意匠性を表現できる塗装物およ
びその塗装方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車部材の塗装物
および塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ABS製や変性PP(ポリプロピ
レン)製の樹脂からなる内装部材やバンパー材の上に、
装飾が施されたポリ塩化ビニルシートでラミネートした
PP系フォームパッド材を張り付けたものが知られてい
る。しかしこのような部材は表層に一旦傷が付くと下層
のPPフォームの強度が低いため傷が広がり、ついには
表層の塩化ビニルシートが剥がれてしまうという問題点
があった。また、ABSや変性PP上に直接塗料を塗る
試みが行われている。しかしながら、ラッカー等の一般
的な塗料では、膜厚が薄くなりソフト感が得られない
し、液体であり均一色の塗装となるため意匠性に劣り、
また防眩性を付与すると汚れが付着しやすくなるという
欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するものであって、汚れ付着性を悪化させることな
く、ABSや変性PPの表面にソフト感を付与する塗装
物;防眩性を付与する塗装物;耐擦り傷性を付与する塗
装物;今までにない、質感、意匠性を付与する塗装物;
並びにそれらの塗装方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果本発明に至った。すなわ
ち本発明は、自動車部材基板層と、その上に形成された
下塗り塗料(A)の層と、(A)の層の少なくとも一部
に下塗り塗料もしくは下塗り塗料を通して見える基板と
異なる色のビーズ状樹脂塗料(B)の層を有する自動車
部材塗装物、並びに自動車部材に下塗り塗料(A)を塗
装し、次いで該塗装表面の少なくとも一部に下塗り塗料
もしくは下塗り塗料を通して見える基板と異なる色のビ
ーズ状樹脂塗料(B)を塗装し、その後0〜110℃に
て固着させる前記の自動車部材塗装物の塗装方法であ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の自動車部材塗装物は図1
に示したように自動車部材基板(1)の上に下塗り塗料
(A)の層(2)を有し、さらにその層の少なくとも一
部に下塗り塗料もしくは下塗り塗料を通して見える基板
と異なる色のビーズ状樹脂塗料(B)の層(3)を有す
る構造を持つ。また、図2に示したように、必要であれ
ば、前記の層(3)の上にコーティング剤(C)の層
(4)を有する構造を持つ。
【0006】(A)において、その組成は、自動車部材
および上塗りのビーズ状樹脂塗料(B)の層の両者に密
着力のある材料であれば特に限定はされないが、好まし
くは自動車部材との密着性が良好な材料(a1)と
(B)との密着性が良好な材料(a2)との組み合わせ
からなる組成である。ここで自動車部材とは、自動車用
に汎用される成型品用の樹脂を指し、熱可塑性樹脂およ
び熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはP
E(ポリエチレン、重量平均分子量Mw2,000〜
1,000,000)、PP(ポリプロピレン、Mw
1,000〜1,000,000)、ポリスチレン(M
w10,000〜400,000)、ABS〔Mw4
0,000以上、アクリロニトリル/ブタジエン/スチ
レン重量比(10〜30)/(5〜50)/(30〜7
0)〕などが挙げられ、熱硬化性樹脂としては尿素樹
脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。密着性が良好
とは碁盤目セロテープ剥離試験(JISK5400)で
100升中90升以上好ましくは100升中100升が
残存することを言う。
【0007】自動車部材が最も代表的なPPであるとし
て、(a1)を例示すれば、PP、PE、エチレン−プ
ロピレン非共役ジエン三元共重合物(EPDM)、エチ
レン−プロピレン共重合物(EPR)等の非極性高分子
樹脂およびその変性物{塩素化変性(塩素化率5〜30
重量%)、無水マレイン酸変性(共重合比率1〜10重
量%)など}が挙げられる。好ましいのは密着力の高い
PPの変性物であり、特に好ましいのは無水マレイン酸
変性塩素化PP(無水マレイン酸変性5重量%、塩素化
率20重量%)である。(a2)を例示すれば、ポリイ
ソシアネート、ポリウレタンが挙げられる。(B)との
密着性の観点からポリウレタンが好ましい。
【0008】(a2)のポリイソシアネートとしては、
従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用
できる。このようなポリイソシアネートには、2官能〜
3官能またはそれ以上のものが挙げられ、該ポリイソシ
アネートには炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同
様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜
18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数6〜15の脂
環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族
ポリイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネート
の変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネ
ート基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミ
ン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性
物など)およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。
【0009】上記芳香族ポリイソシアネートの具体例と
しては、例えば1,3−および/または1,4−フェニ
レンジイソシアネート、2,4−および/または2,6
−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、
2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナ
トビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソ
シアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−
ジイソシアナトジフェニルメタン、 粗製MDI[粗製
ジアミノジフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族
アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物;
ジアミノジフェニルメタンと少量の(例えば5〜20重
量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲ
ン化物:ポリアリールポリイソシアネート(PAP
I)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,
4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、
m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシ
アネートが挙げられる。
【0010】上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例と
しては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,
6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4
−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプ
ロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレー
ト、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2
−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサ
ノエートが挙げられる。
【0011】上記脂環式ポリイソシアネートの具体例と
しては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPD
I)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシア
ネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネ
ート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添
TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−お
よび/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートが
挙げられる。
【0012】上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体
例としては、例えばm−および/またはp−キシリレン
ジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テ
トラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)
が挙げられる。
【0013】また、上記ポリイソシアネートの変性物と
しては、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイ
ミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性
MDI)、ウレタン変性TDI、ビューレット変性HD
I、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変
性IPDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこ
れらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン
変性TDI(イソシアネート基含有プレポリマー)との
併用]が含まれる。
【0014】これらのうちで好ましいものは水酸基など
との反応性の良好な芳香族ポリイソシアネート、特にM
DI、および耐光性の良好な脂肪族および脂環式ポリイ
ソシアネート、特に、HDI、IPDIである。
【0015】(a2)のポリウレタンとしては、分子末
端および/または側鎖に水酸基を有するポリオールと過
剰の多官能イソシアネートまたは過少の多官能イソシア
ネートを用いて公知の方法で製造されるNCO末端また
は水酸基末端のポリウレタンが挙げられる。ポリオール
としては高分子ポリオールおよび低分子ポリオールが挙
げられる。高分子ポリオールとしては、アクリルポリオ
ール、ポリブタジエンポリオール、ポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルポリオールなどが挙げられる。高分
子ポリオールのうち、アクリルポリオールとしては、水
酸基を有するビニルモノマー(たとえば、ヒドロキシエ
チルメタクリレート)と他のビニルモノマー(たとえ
ば、メチルメタクリレート、スチレン、ブチルアクリレ
ート)を共重合したもので、官能基数2〜3、水酸基価
10〜150のものが挙げられる。ポリブタジエンポリ
オールとしては、末端に水酸基を含有するブタジエンと
他のビニルモノマー(たとえば、メチルメタクリレー
ト、スチレン、アクリロニトリル)の共重合体で、官能
基数2〜3、水酸基価0.5〜1のものが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、縮合系ポリエステル
ポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリ
カーボネートジオールなどが挙げられる。縮合系ポリエ
ステルポリオールとしては、ジカルボン酸(たとえば、
アジピン酸)とジオール(たとえば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコー
ル、ネオペンチルグリコール)との脱水縮合反応で得ら
れるもので、官能基数2〜3、水酸基価20〜500の
ものが挙げられる。ラクトン系ポリエステルポリオール
としては、ε−カプロラクタムの開環重合で得られる付
加重合型のポリエステルで、官能基数2〜3、水酸基価
15〜600のものが挙げられる。ポリカーボネートジ
オールとしては、ジオール(たとえば、1,6−ヘキサ
ングリコール)とエチレンカーボネートの付加重合で得
られるポリエステルで、官能基数2、水酸基価50〜2
50のものが挙げられる。ポリエーテルポリオールとし
ては、開始剤〔たとえば、水、低分子ポリオール(ジオ
ール、トリオールなど)〕にアルキレンオキシド(たと
えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、TH
F)を付加重合させて得られるもので、官能基数2〜
3、水酸基価10〜600のものが挙げられる。低分子
ポリオールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール
[エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3
−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1、
6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、
ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,
4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4
−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、2,2−ビス
(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンな
ど];炭素数3〜20の3価アルコール(グリセリン、
トリメチロールプロパンなど)が挙げられる。高分子ポ
リオールの内、アクリルポリオールの製法としては、例
えば水酸基をもつビニルモノマー(例えばヒドロキシエ
チルメタクリレート)と他のビニルモノマー(例えば、
メチルメタクリレート、スチレン、ブチルアクリレー
ト)を共重合する方法が挙げられる。ポリエステルポリ
オールの製法としては、例えば、ジオール(例えばエチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール)とジカルボ
ン酸(例えばアジピン酸、イソフタル酸)との反応にお
いて、ジオール/ジカルボン酸のモル比を1.0超とし
て両末端を水酸基にする方法、または高分子量ポリエス
テルにジオールを加えて加熱し解重合させる方法が挙げ
られる。ポリエーテルポリオールの製法としては、例え
ば、水または低分子ポリオール(例えばエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン)を開始剤と
してアルキレンオキシド(炭素数2〜4)の開環重合を
行う方法が挙げられる。多官能イソシアネートとしては
(a2)のポリイソシアネートの項で例示したものが挙
げられる。上記ポリウレタンの内、好ましいものは耐溶
剤溶解性および耐水性の観点からポリエステルポリオー
ルとジイソシアネートの反応物であり、更に好ましいも
のは塗膜の耐摩耗性の観点から1,4−ブタンジオール
/アジペート系ポリエステルポリオールとMDIの反応
物である。
【0016】(a2)のポリウレタンは必要によりウレ
ア結合を有していてもよく、(a2)のポリウレタンの
項で例示した方法で得られたNCO末端のポリウレタン
とアミンを用いて公知の方法で製造されるものが挙げら
れる。アミンとしてはポリアミンおよびアミノアルコー
ルが挙げられる。
【0017】ポリアミンとしては、 (1)脂肪族ポリアミン(炭素数2〜18) アルキレン(炭素数2〜6)ジアミン〔エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど〕;
ポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン〔ジエチレ
ントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキ
サメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テ
トラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンな
ど〕;これらのアルキル(炭素数1〜4)またはヒドロ
キシアルキル(炭素数2〜4)置換体〔ジアルキル(炭
素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサ
メチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、メ
チルイミノビスプロピルアミンなど〕;脂環または複素
環含有脂肪族ポリアミン(炭素数4〜20)〔3,9−
ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕;芳香環含
有脂肪族アミン(炭素数8〜15)〔キシリレンジアミ
ン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど〕 (2)脂環式ポリアミン(炭素数4〜15) 1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミ
ン、メンタンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘ
キサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など (3)複素環式ポリアミン(炭素数4〜15) ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジ
アミノエチルピペラジンなど
【0018】(4)芳香族ポリアミン類(炭素数6〜2
0) 非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−および
1,4−フェニレンジアミン、2,4’−および4,
4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニル
メタンジアミン[ポリフェニルポリメチレンポリアミ
ン]、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオ
ジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホ
ン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルア
ミン、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリアミ
ン、ナフチレンジアミンなど〕;核置換アルキル基(炭
素数1〜4、たとえばメチル基、エチル基、n−および
i−プロピル基、ブチル基)を有する芳香族ポリアミン
〔2,4−および2,6−トリレンジアミン、クルード
トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,
4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタ
ン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジ
ン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−
2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4
−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジア
ミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベ
ンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベ
ンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼ
ン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエ
チル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイ
ソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−
3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メ
チル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、
2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,
6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−
ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6
−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,
5,5´−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,
5’−テトライソプロピルベンジジン、3,3’,5,
5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメ
タン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−
ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テト
ライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3’,5,5’−テトラブチル−4,4’−ジ
アミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メ
チル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,5−
ジイソプロピル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジ
フェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジア
ミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’
−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テ
トラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,
3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジア
ミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチ
ル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジア
ミノジフェニルスルホン、およびこれらの異性体の種々
の割合の混合物など〕;核置換電子吸引基(たとえばC
l、Br、I、Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシ
などのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ポ
リアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−ク
ロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−
フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリ
ン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5
−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ
−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−
アミノアニリン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメ
チル−5,5’−ジブロモジフェニルメタン、3,3’
−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジ
ン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシ
ド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパ
ン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホ
ン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカ
ン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4
−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニ
ル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニ
ル)ジスルフイド、4,4’−メチレンビス(2−ヨー
ドアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−ブロモア
ニリン)、4,4’−メチレンビス(2−フルオロアニ
リン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリンな
ど〕;2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン[上記芳
香族ポリアミンの−NH2 の一部または全部が−NH−
R’(R’はアルキル基たとえばメチル、エチルなどの
低級アルキル基)で置き換ったもの]〔4,4’−ジ
(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−
メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕
【0019】(5)ポリアミドポリアミン[ジカルボン
酸(ダイマー酸など)と過剰の(カルボキシル基1当量
当り2当量以上の)ポリアミン〔上記アルキレン(炭素
数2〜6)ジアミン、ポリアルキレン(炭素数2〜6)
ポリアミンなど〕との縮合により得られる低分子量ポリ
アミドポリアミン] (6)ポリエーテルポリアミン[ポリエーテルポリオー
ル(ポリアルキレン(炭素数2〜3)グリコールなど)
のシアノエチル化物の水素化物] (7)シアノエチル化ポリアミン[アクリロニトリルと
ポリアミン〔上記アルキレン(炭素数2〜6)ジアミ
ン、ポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミンなど〕
との付加反応により得られるシアノエチル化ポリアミ
ン、たとえばビスシアノエチルジエチレントリアミンな
ど] (8)その他のポリアミン ヒドラジン化合物〔ヒドラジン、モノアルキル(炭素数
1〜12)ヒドラジンなど〕、ジヒドラジッド化合物
(コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジッ
ド、イソフタル酸ジヒドラジッド、テレフタル酸ジヒド
ラジッドなど)、グアニジン化合物(ブチルグアニジ
ン、1−シアノグアニジンなど)、ジシアンジアミド、
並びに上記ポリアミンの2種以上の混合物が挙げられ
る。これらのポリアミンのうちで好ましいのは、塗膜の
経時着色の観点から脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミ
ンであり、更に好ましいものは得られたポリウレタンの
溶剤溶解性の観点からイソホロンジアミンである。
【0020】アミノアルコールとしては、アルカノール
アミン(炭素数2〜12)、たとえばモノ−およびジ−
アルカノールアミン(モノエタノールアミン、モノイソ
プロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、ジプロパノールアミンなど)、およびこれ
らのジメチル硫酸あるいはベンジルクロリドなどの4級
化剤による窒素原子4級化物が挙げられる。これらのう
ちで好ましいのは得られたポリウレタンウレアの経時安
定性の観点からジアルカノールアミンであり、更に好ま
しいものは得られたウレア結合含有ポリウレタンの溶剤
溶解性の観点でモノエタノールアミンである。
【0021】イソシアネート末端の上記ポリウレタンと
上記アミンを用いてポリウレタンを製造する際、分子量
調整の目的で2級モノアミン(炭素数2〜20、たとえ
ば、ジメチルアミン、ジブチルアミン)を添加してもよ
い。該ポリウレタンのイソシアネート基当量とアミンの
アミノ基および水酸基の合計当量の比率は通常(1:
0.3)〜(1:1.1)であり、好ましくは、(1:
0.5)〜(1:1.0)である。
【0022】上記(a2)の内、好ましいものは(B)
によって異なる。すなわち、(B)との密着力を出すた
めには組成的に類似のものが好ましく、また溶解度パラ
メータの近いもの(溶解度パラメータの差が0〜1.
5)が好ましい。ここでいう溶解度パラメータとは、凝
集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表され、それ
らの値は「Polymer Engineering
and Science,Vol.14,No.2,p
147〜154(1974)」記載の方法により計算さ
れる値である。
【0023】(a1)の数平均分子量は自動車部材との
密着性および強度の観点から、好ましくは800〜5
0,000であり、さらに好ましくは2,000〜2
0,000である。
【0024】(a2)の数平均分子量は塗装作業性と
(a1)との相溶性の観点から、好ましくは100〜5
0,000であり、さらに好ましくは2,000〜2
0,000である。
【0025】(a1)と(a2)の比率は固形分当たり
の重量比で、自動車部材と(B)の層の密着性の観点か
ら、好ましくは(1:9)〜(9:1)であり、さらに
好ましくは(5:5)〜(8:2)である。
【0026】(A)と(B)は(a2)と(B)との溶
解度パラメータを近くすることで密着力は良好となる
が、それぞれが0〜110℃の条件下に於いて互いに反
応性の基を有すると密着力は更に良好となる。その組み
合わせは通常の2液熱硬化型塗料に用いられる架橋剤官
能基(例えば水酸基、イソシアネート基)と樹脂官能基
(例えば水酸基、イソシアネート基)をそのまま用いる
ことが出来る。また、(A)の内、官能基を持つものは
(a1)のみでも(a2)のみでもよく、(a1)、
(a2)両方でもよい。(A)の官能基/(B)の官能
基の好ましい組み合わせを例示すれば、カルボキシル基
/エポキシ基、イソシアネート基/水酸基、イソシアネ
ート基/アミノ基、水酸基/エポキシ基およびこれらの
逆の組み合わせのもの等が挙げられる。この中でさらに
好ましいものはイソシアネート基/水酸基、イソシアネ
ート基/アミノ基およびこれらの逆の組み合わせのもの
である。これらの組み合わせでは(A)と(B)の間の
反応性が高いため、極めて高い密着性が得られる。
【0027】(a1)中の反応性基1個当たりの数平均
分子量は(A)の層の強度と(A)の層と(B)の層の
密着性の観点から好ましくは1,000〜9,000、
さらに好ましくは1,500〜4,000である。
【0028】(a2)中の反応性基1個当たりの数平均
分子量は(A)の層の強度と(A)の層と(B)の層の
密着性の観点から好ましくは100〜5,000、さら
に好ましくは200〜4,000である。
【0029】(A)には、(a1)および(a2)の合
計重量に対して希釈溶剤を0〜90%(重量%、以下同
様)、好ましくは30〜80%、さらに好ましくは50
〜70%含有させることができ、希釈溶剤としては通常
の溶剤系塗料と同等のものが使用でき、例示すれば、芳
香族炭化水素(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、
テトラリンなど);脂肪族または脂環式炭化水素系溶剤
(n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、
シクロヘキサンなど);ハロゲン系溶剤(塩化メチル、
臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四
塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレンな
ど);エステル系またはエステルエーテル系溶剤(酢酸
エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチ
ルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート
など);エーテル系溶剤(ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルな
ど);ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シク
ロヘキサノンなど);アルコール系溶剤(メタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−
エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコールな
ど);アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミドなど);スルホキシド系溶剤(ジメチルス
ルホキシドなど);複素環式化合物系溶剤(N−メチル
ピロリドンなど);並びにこれらの2種以上の混合溶剤
が挙げられる。好ましいものは塗装後の乾燥速度と溶解
性の観点からトルエンおよびトルエン/メチルエチルケ
トン(重量比で2/1)である。
【0030】(A)には、(a1)および(a2)の合
計重量に対して反応促進剤を0〜3%、好ましくは0〜
1%、さらに好ましくは0〜0.5%含有させることが
でき、使用できる反応促進剤としては特に限定されない
が、(A)/(B)がイソシアネート基/水酸基もしく
はアミノ基またはこれらの逆の組み合わせの場合は、錫
系触媒(オクチル酸スズ、ジブチルチンジラウレート、
スタナスオクトエートなど)、鉛系触媒(ナフテン酸鉛
など)、3級アミン(トリエチレンジアミン、1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0.]ウンデカ−7−エン、
トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジブチル
ドデシルアミンなど)が挙げられる。これらのうち好ま
しいものは、反応促進効果の観点から錫系触媒、特にジ
ブチルチンジラウレートである。(A)/(B)がエポ
キシ基/カルボキシル基もしくは水酸基またはこれらの
逆の組み合わせの場合の反応を促進するものとしてはア
ルカリ土類金属系触媒(酸化マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム、酸化カルシウム等)、3級アミン(上記例示
したもの)、リン系触媒(トリフェニルホスフィン
等)、オニウム塩(ベンジルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ジブチルジメチルホスホニウムクロライドな
ど)が挙げられる。これらのうち好ましいものは反応促
進効果の観点からリン系触媒、特にトリフェニルホスフ
ィンである。
【0031】(A)には、(a1)および(a2)の合
計重量に対して着色料を0〜10%、好ましくは0〜7
%、さらに好ましくは0〜5%含有させることができ、
使用できる着色料としては特に限定されず、例えば無機
顔料、有機顔料、染料が挙げられる。無機顔料として
は、例えば、白色顔料(酸化チタン、リトポン、鉛白、
亜鉛華など);コバルト化合物(オーレオリン、コバル
トグリーン、セルリアンブルー、コバルトブルー、コバ
ルトバイオレットなど);鉄化合物(酸化鉄、紺青な
ど);クロム化合物(酸化クロム、クロム酸鉛、クロム
酸バリウムなど);硫化物(硫化カドミウム、カドミウ
ムイエロー、ウルトラマリンなど)が挙げられる。有機
顔料としてはアゾレーキ系、モノアゾ系、ジスアゾ系、
キレートアゾ系等のアゾ顔料、ベンジイミダゾロン系、
フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、
イソインドリノン系、チオインジゴ系、ペリレン系、キ
ノフタロン系、アンスラキノン系等の多環式顔料が挙げ
られる。染料としてはアゾ系、アントラキノン系、イン
ジゴイド系、硫化系、トリフェニルメタン系、ピラゾロ
ン系、スチルベン系、ジフェニルメタン系、キサンテン
系、アリザリン系、アクリジン系、キノンイミン系、チ
アゾール系、メチン系、ニトロ系、ニトロソ系、アニリ
ン系などが挙げられる。
【0032】(A)には、(a1)および(a2)の合
計重量に対して顔料分散剤を0〜10%、好ましくは
0.1〜7%、さらに好ましくは0.5〜5%含有させ
ることができ、使用できる顔料分散剤としては特に限定
されないが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性
剤、非イオン界面活性剤などの界面活性剤(例えば米国
特許第4331447号明細書に記載のもの)が挙げら
れる。該顔料分散剤は樹脂に結合していてもよい。これ
ら顔料分散剤のうち、溶剤との相溶性の観点で非イオン
界面活性剤が好ましく、顔料分散性の観点でラウリルア
ミンのエチレンオキシド付加物(10〜30モル)が、
更に好ましい。
【0033】(A)には、(a1)および(a2)の合
計重量に対して補強剤を0〜3%、好ましくは0〜1
%、さらに好ましくは0〜0.5%含有させることがで
き、使用できる補強剤としては特に限定されないが、無
機系(ガラス繊維、炭素繊維など)、有機系(テレフタ
ル酸/p−フェニレンジアミンのポリアミドなど)が挙
げられる。
【0034】(A)には、(a1)および(a2)の合
計重量に対して艶消し剤を0〜30%、好ましくは0〜
15%、さらに好ましくは0〜10%含有させることが
でき、使用できる艶消し剤としては特に限定されない
が、例えば、無機系(タルク、シラスパウダーなど)、
有機系(プロテインパウダーなど)が挙げられる。
【0035】本発明における(B)としては(A)また
は(A)中の(a2)と密着性が良好なものであれば特
に制限はない。(B)は下塗り塗料もしくは下塗り塗料
を通して見える基板と異なる色を有し、1種以上のビー
ズ状樹脂(b)からなる。ここでいう異なる色とは色差
計(例えばミノルタ製SPECTROPHOTOMET
ER CM−3600d)による測定により得られるL
***表色系において、色差ΔE*abが0.6以上の
ものを指し、好ましくは1〜90、さらに好ましくは2
〜80である。(B)の色を下塗り塗料もしくは下塗り
塗料を通して見える基板と異なる色とすることにより、
見る角度によって複数色性の色を得ることができ、今ま
でにない優れた意匠性を得るという効果を奏する。
【0036】(b)としては特に限定はなく、市販の有
機および/または無機ビーズが使用できる。例えばスチ
レン系(花王社製PB−200Hなど)、フェノール系
(鐘紡社製ベルパールR−900など)、シリコーン系
(東レ社製トレフィルE−850など)、ポリエチレン
系(住友精化社製フロービーズLE−1080など)、
アクリル系(積水化成品工業社製テクポリマーMBな
ど)、ポリウレタン系(大日本インキ化学工業社製バー
ノックCFB300Bなど)、ナイロン系(東レ社製S
P−500など)、メラミン系(ホーネンコーポレーシ
ョン社製ホーネンミクロスフィアMB−903等)など
の有機ビーズ、ガラス、シラスなどの無機ビーズが挙げ
られる。これらの内、好ましいものは塗膜のソフト感お
よび耐擦り傷性が良好な点でポリウレタン系有機ビーズ
である。
【0037】(b)の製造方法としては特に限定されな
い、上記樹脂の溶剤溶液を水中に懸濁して溶剤を加熱下
に留去する方法、同溶剤溶液をスプレードライする方法
などが挙げられるが、特に好ましい樹脂であるポリウレ
タン系のビーズ(b1)について詳細に説明すれば、例
えばウレタン結合を導入するには、ポリオールとポリイ
ソシアネートを水酸基/イソシアネート基比(1/1.
2)〜(1/5)で非水溶性溶媒中で反応せしめ、プレ
ポリマー溶液を得、さらに反応停止剤(たとえば、炭素
数4〜24のジアルキルアミン、炭素数4〜24のジア
ルカノールアミン)を溶媒中で反応させてウレア結合を
生成させ、該溶液を分散剤を含有する水中に分散させた
後減圧下に溶媒を留去し、脱水、乾燥させる方法、分散
剤を含有する水中に分散されたイソシアネート基末端ウ
レタンプレポリマー(b2)とケチミン化合物(b3)
を反応させ、脱水、乾燥させる方法等が挙げられる。好
ましくは、粒子形状が球状となり塗膜の平滑性に優れ
る、上記ケチミン化合物を使用する方法である。
【0038】該分散剤は特に限定されず、低分子分散剤
および高分子分散剤が挙げられる。低分子分散剤として
は上記(A)の顔料分散剤として例示した米国特許第4
331447号明細書に記載の界面活性剤が挙げられ
る。高分子分散剤としては非水溶性分散剤および水溶性
分散剤が挙げられる。非水溶性分散剤としては、分子中
に(b2)と親和性を有する部分と親水性を有する部分
とから構成されており、親和性を有する部分と親水性を
有する部分とがエステル結合またはウレタン結合(好ま
しくはウレタン結合)で結合しているものが挙げられ、
好ましい具体例としてはポリカプロラクトンジオール
(数平均分子量1,000〜4,000)/IPDI/
ポリエチレングリコール(数平均分子量1,000〜
3,000)のプロピレンオキサイド(以下POと略)
とエチレンオキサイド(以下EOと略)(POとポリエ
チレングリコールを除いたEOの割合は、重量比で20
/80)ランダム共付加物(数平均分子量2,000〜
6,000)[1/1/1モル]反応物、ポリエチレン
アジペートジオール(数平均分子量1,000〜3,0
00)/IPDI/ポリエチレングリコール(数平均分
子量1,000〜3,000)[1/1/1モル]反応
物などが挙げられる。水溶性分散剤としてはセルロース
系水溶性樹脂(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース等)、ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸塩(アルカリ金属塩等)、ポリエチレン
グリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミ
ドが挙げられ、これらの内、ポリビニルアルコールが好
ましい。
【0039】(b2)としては、上記(a2)のポリウ
レタンの項で例示したNCO末端のポリウレタンが同様
に挙げられる。
【0040】(b3)はポリアミンとケトン化合物を加
熱脱水などの公知の方法で反応させたものであり、該ポ
リアミンとしては炭素数4〜15の脂環式ジアミン
[4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘ
キシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジ
アミンなど];炭素数2〜12の脂肪族ジアミン[1,
2−エチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミンな
ど];芳香環含有ジアミン[キシリレンジアミン、α,
α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジアミンな
ど]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。該ケ
トン化合物としては炭素数3〜9の脂肪族または脂環式
ケトン化合物(アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン等)が挙げられ
る。これらの内、好ましい組み合わせはイソホロンジア
ミン/アセトン、1,6−ヘキシレンジアミン/メチル
エチルケトンである。
【0041】(b1)の合成の際には、分子量を調整す
る目的で、必要により反応停止剤を併用することが出来
る。該反応停止剤としては1価のアルコール(炭素数1
〜6、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、セ
ロソルブ)およびモノアミン[炭素数4〜12のアルキ
ルアミン(ジエチルアミン、モノ−n−ブチルアミン、
ジ−n−ブチルアミン等)、炭素数4〜12のアルカノ
ールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ンなど)など]およびこれらの2種以上の併用が挙げら
れる。これらの内、好ましいものはアルカノールアミン
であり、特に好ましいものはジエタノールアミンであ
る。ジエタノールアミンを反応停止剤として使用するこ
とで(b1)の分子末端が水酸基となり、(A)で詳述
したように(A)と(B)とが反応性を持つことで極め
て高い密着性を有することが出来る。
【0042】(b1)の合成において、イソシアネート
基と、イソシアネート基と反応する水酸基、アミノ基等
の官能基との当量比は、塗膜の外観安定性と耐水性の観
点から、通常(1:0.8)〜(1:2)、好ましくは
(1:0.9)〜(1:1.8)である。官能基の割合
は、塗膜の外観と耐候性の観点から、水酸基/アミノ基
(当量比)が通常0.2〜10、好ましくは0.7〜3
である。
【0043】(b1)の構成樹脂の数平均分子量は粉体
保存安定性と塗膜外観の観点から、好ましくは1,00
0〜40,000であり、さらに好ましくは3,000
〜20,000である。
【0044】(b1)には樹脂に対して硬化剤を0〜6
0%、好ましくは1〜40%、さらに好ましくは3〜2
5%含有させることができ、使用できる硬化剤として
は、例えばイソシアネート化合物および/またはそのブ
ロック化物[上記(a2)に挙げられたもの、およびこ
れらの変性体、たとえばイソシアヌレート、ビュレッ
ト、カルボジイミドなどの変性体、オキシム、ラクタ
ム、塩基性チッソ含有化合物などのブロック化ポリイソ
シアネートなど]が挙げられる。
【0045】(b1)には樹脂に対して顔料分散剤を0
〜30%、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましく
は0.5〜10%含有させることができ、使用できる顔
料分散剤としては特に限定されず、(A)の項で例示し
たものが同様に挙げられる。
【0046】(b1)には樹脂に対して反応促進剤を0
〜3%、好ましくは0.05〜1%、さらに好ましくは
0.1〜0.5%含有させることができ、使用できる反
応促進剤としては特に限定されず、(A)の項で例示し
たものが同様に挙げられる。
【0047】(b1)には樹脂に対して着色料を0〜6
0%、好ましくは0.5〜40%、さらに好ましくは1
〜25%含有させることができ、使用できる着色料とし
ては特に限定されず、(A)の項で例示したものが同様
に挙げられる。
【0048】(b1)には樹脂に対して補強剤を0〜3
%、好ましくは0〜1%、さらに好ましくは0〜0.5
%含有させることができ、使用できる補強剤としては特
に限定されず、(A)の項で例示したものが同様に挙げ
られる。
【0049】(b1)には樹脂に対して艶消し剤を0〜
30%、好ましくは0〜15%、さらに好ましくは0〜
10%含有させることができ、使用できる艶消し剤とし
ては特に限定されず、(A)の項で例示したものが同様
に挙げられる。
【0050】また、上記各種添加剤を添加する方法とし
ては、(b)を作成する際に高分子量化前に添加してお
く方法、高分子量化させた後溶融下に添加する方法、
(b)を一旦溶剤に溶解し、均一状態下に添加剤を混合
した後溶剤を留去する方法、(b)を作成した後、添加
して含浸させる方法などが挙げられるが、好ましいのは
(b)作成後に成分の脱落等の少ない、高分子量化前に
添加しておく方法である。
【0051】ビーズ状樹脂(b)の粒子形状は不定形で
あっても球状であっても良いが、塗膜の平滑性、均一性
の点で球状の方が好ましい。ここで球状というのは粒子
の体積平均で70%以上が、粒子の最短径/最長径の比
率が0.7〜1.0の範囲にあるものを指す。この範囲
であれば、塗膜外観が極めて良好となる。粒子を球形に
する方法としては特に限定されず、公知の方法が使用可
能である。例えば、得られた樹脂と顔料等の添加剤との
混合物を一旦粉砕し、個々の粉砕粒子が合着しない程度
に温調し、流動させて球形化する方法、得られた樹脂を
溶融状態で低温雰囲気化にスプレーして球状固化させる
方法、得られた樹脂の有機溶剤溶液を水中に分散し、溶
剤を減圧下留去する方法、分散重合により球形樹脂を得
る方法などが挙げられる。
【0052】本発明における(b)のビーズの数平均粒
子径は意匠性の観点から好ましくは10〜500μmで
あり、さらに好ましくは30〜350μmである。ま
た、ビーズの2次粒子含量は好ましくは10%以下であ
り、さらに好ましくは5%以下である。ここで言う2次
粒子とは、製造中得られた球状の1次粒子が互いに合着
し、不定形の凝集体になったものを示す。尚、ここでい
う数平均粒子径はコールターカウンター(COULTE
R ELECTRONICS INC社製COULTE
R COUNTER MODEL TAII)による測
定で得られたものを指す。
【0053】(B)を構成する(b)の内、少なくとも
1種の熱軟化点は意匠性と防眩性の観点から好ましくは
120〜200℃であり、さらに好ましくは140〜1
80℃である。但し、(B)が2種以上の(b)から構
成される場合、上記よりも低い熱軟化点の樹脂を併用混
合して用いることができ、この場合は熱軟化点の低い
(120℃未満)樹脂と高い(120℃以上)樹脂が海
島状態を構成し、色の深み感、奥行き感がさらに強調さ
れ、意匠性の優れた塗膜を得ることができる。混合割合
(重量比)は意匠性の観点から、好ましくは高熱軟化点
樹脂/低熱軟化点樹脂=(60〜100)/(40〜
0)である。
【0054】(B)は(b)の他に、希釈溶剤、着色
料、顔料分散剤、硬化剤、反応促進剤、補強剤、艶消し
剤を含有させることができる。それぞれについては特に
制限はなく、種類、好ましい添加量については(A)お
よび(b)の項で例示したものと同様である。また、必
要であればバインダー樹脂を添加することもできる。バ
インダー樹脂としては通常のコーティング剤に使用され
るものであれば特に制限はなく、例えばアクリル樹脂
(メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/スチレ
ン3成分ランダム共重合体など)、ウレタン系脂(ポリ
カプロラクトンポリオール/MDI重付加物など)が挙
げられる。この場合、本発明の効果の一つである塗装体
表面のソフト感の観点からウレタン樹脂が好ましい。
【0055】本発明の塗装物は(A)の層の上に(B)
の層を塗装するものであるが、必要により(B)の層の
上にさらにコーティング剤(C)の層を有していてもよ
い。(C)を塗装することで塗膜の強度、安定性を高め
ることが出来る上に、意匠性に於いても奥行き感、深み
感などの特殊な効果を与えることが出来る。
【0056】本発明における(C)としては特に制限は
なく、市販の塗料(例えばニトロセルロース系、ウレタ
ン系、アクリル系)を使用することができる。好ましく
は得られた塗膜表面の耐摩耗性のよい1液または2液ウ
レタン系塗料であり、更に好ましくは比較的低温で硬化
が容易な2液型ウレタン塗料である。また、(C)は必
要により希釈溶剤(例えば樹脂分濃度15〜40重量
%)、硬化剤、着色料、顔料分散剤、反応促進剤、補強
剤、艶消し剤などを添加することが出来る。それぞれに
ついては特に限定はなく、種類、好ましい添加量につい
ては(A)および(B)の項で例示したものと同様であ
る。但し、(C)は意匠性の観点からクリアであるもの
が好ましい。
【0057】本発明における(A)および(C)の塗装
方法は特に制限はないが、一般的な液体塗料の塗装方
法、たとえば刷毛塗り、スプレー、静電スプレー法が挙
げられる。好ましくは均一塗装可能な静電スプレー法で
ある。
【0058】本発明における(B)の塗装方法は特に制
限はないが、一般的な粉体状の塗料の塗装方法と同様、
たとえば流動浸漬法、コロナ帯電法、摩擦帯電法などの
静電塗装法の他、(A)が粘着質の場合は単純なエアス
プレーでもかまわない。目的の意匠により最適な塗装方
法は異なるが、均一な面を表現したいのであれば静電塗
装法、立体効果を表現する場合や、狭い範囲のみ塗装す
る場合は傾斜などが付けやすいエアスプレー法が好まし
い。
【0059】本発明の塗装方法は基材に(A)を塗装し
たのち、(B)を塗装し、さらに必要に応じて(C)を
コーティングし、固着させる方法であるが、固着温度は
自動車部材の外観と固着効率の観点から0〜110℃で
行うのが好ましく、さらに好ましくは60〜90℃であ
る。
【0060】本発明における(A)を塗装する際の膜厚
には特に制限はないが、外観と密着性の観点から好まし
くは1〜100μm、さらに好ましくは2〜50μmで
ある。
【0061】本発明における(B)を塗装する際の膜厚
には特に制限はないが、立体的な意匠性の観点から好ま
しくは10〜1000μm、さらに好ましくは15〜2
00μmである。
【0062】本発明における(C)を塗装する際の膜厚
には特に制限はないが、立体的な意匠の観点から好まし
くは6〜200μm、さらに好ましくは15〜70μm
である。
【0063】本発明の塗装が行われる自動車部材として
はインパネ、メータークラスタ、コンソール、ステアリ
ングホイール、ドアトリム、アームレスト、アシストグ
リップ、バンパー、バンパーモール、サイドモール、ド
アプロテクタ、リアガーニッシュ、ホイールキャップな
どが挙げられる。
【0064】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが本
発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量
部を示す。
【0065】樹脂(a1)の作成例 数平均分子量10,000のポリプロピレン300部、
無水マレイン酸30部、キシレン700部を還流管付き
フラスコに仕込み、窒素置換後150℃に昇温する。均
一に溶解後ジクミルパーオキサイド16.5部を3時間
かけて添加し、さらに4時間反応を続けた後、180℃
減圧下にキシレン、未反応の無水マレイン酸を留去した
後、冷却し、無水マレイン酸付加プロピレン重合体を得
た。次に、本重合体200部、四塩化炭素800部を還
流管付きの装置に仕込み65〜70℃に加熱して均一に
溶解後、35部/時間の速度で塩素ガスを4時間導入し
た。160℃減圧下に残存塩素、四塩化炭素を留去し、
無色透明の樹脂(a1−1)を得た。
【0066】樹脂(a2)の作成例1 反応器にエチレングリコール200部、アジピン酸44
0部を投入し、230℃に加熱し生成する水を留去しな
がら3時間反応を進めた。その後0.2部のジブチルチ
ンオキサイドを添加し、酸価が0.5以下になるまで反
応を続けた。100℃まで冷却した後、1,000部の
トルエンを添加し、さらに40℃まで冷却した。ここ
に、90部のイソホロンジイソシアネート(IPDI)
を添加し、トルエン還流下に120℃で5時間反応を行
った後、室温まで冷却しトルエンにて固形分25%に調
整し無色透明の樹脂(a2−1)を得た。
【0067】樹脂(a2)の作成例2 反応器にエチレングリコール200部、アジピン酸44
0部を投入し、230℃に加熱し生成する水を留去しな
がら3時間反応を進めた。その後0.2部のジブチルチ
ンオキサイドを添加し、酸価が0.5以下になるまで反
応を続けた。100℃まで冷却した後、1,000部の
トルエンを添加し、さらに40℃まで冷却した。ここ
に、30部のIPDIを添加し、トルエン還流下に12
0℃で5時間反応を行った後、室温まで冷却しトルエン
にて固形分25%に調整し無色透明の樹脂(a2−2)
を得た。
【0068】樹脂(a2)の作成例3 樹脂a2−1の100部に対し、赤色顔料〔SANYO
COLOR WORKS社製Pigment Red
GF−608(アゾ顔料)〕2部をペイントコンデシ
ョナーにて20分間攪拌均一化し、赤色透明の樹脂(a
2−3)を得た。
【0069】ウレタンプレポリマー(b2)の作成例 反応器にヒドロキシル価が56のネオペンチルアジペー
ト(「サンエスター5620」、三洋化成工業製)65
4部、IPDI146部を投入し、110℃で10時間
反応を行った。冷却の後、酢酸エチル80部を投入し、
均一になるまで40℃にて混合し、イソシアネート基末
端ウレタンプレポリマー(b2−1)を得た。
【0070】ケチミン化合物(b3)の作成例 反応器にイソホロンジアミン50部、メチルエチルケト
ン50部を50℃で5時間反応を行った後、5部のジエ
タノールアミンを加えて均一化を行い、ケチミン化合物
(b3−1)を得た。
【0071】ビーズ状樹脂塗料(B)の作成例1 反応器にネオペンチルグリコール200部、エチレング
リコール93部、テレフタル酸355部を投入し、23
0℃に加熱し生成する水を留去しながら3時間反応を進
めた。その後0.2部のジブチルチンオキサイドを添加
し、酸価が0.5以下になるまで反応を続けた。100
℃まで冷却した後、1,000部のトルエンを添加し、
さらに40℃まで冷却した。ここに、60部のIPDI
を添加し、トルエン還流下に120℃で5時間反応を行
った後、室温まで冷却し、27部のジエタノールアミン
を添加し60℃で5時間反応を行った後、トルエンを減
圧下に留去し、両末端に水酸基を持ちウレタンおよびウ
レア結合を有するポリエステル系樹脂を得た。得られた
樹脂400部、酢酸エチル442部を混合し、あらかじ
め作成したポリビニルアルコール0.5%水溶液200
0部に滴下しながら分散した。その後40℃にて酢酸エ
チルを留去し、得られた球状樹脂を濾紙濾過にて水中よ
り取り出し、40℃の循風乾燥機にて乾燥した。本球状
体を音波式分級機により分級し、数平均粒子径100〜
300μm、熱軟化点155℃の無色透明のポリウレタ
ン系ビーズ状塗料(B−1)を得た。
【0072】ビーズ状樹脂塗料(B)の作成例2 反応器にエチレングリコール200部、アジピン酸44
0部を投入し、230℃に加熱し生成する水を留去しな
がら3時間反応を進めた。その後0.2部のジブチルチ
ンオキサイドを添加し、酸価が0.5以下になるまで反
応を続けた。100℃まで冷却した後、1,000部の
トルエンを添加し、さらに40℃まで冷却した。ここ
に、142部のIPDIを添加し、トルエン還流下に1
20℃で5時間反応を行った後、室温まで冷却し、45
部のジエタノールアミンを添加し60℃で5時間反応を
行った後、トルエンを減圧下に留去し、両末端に水酸基
を持ちウレタンおよびウレア結合を有するポリエステル
系樹脂を得た。得られた樹脂400部、ベンジジンイエ
ロー12部、酢酸エチル442部を混合し、あらかじめ
作成したポリビニルアルコール0.5%水溶液2000
部に滴下しながら分散した。その後40℃にて酢酸エチ
ルを留去し、得られた樹脂を濾紙濾過にて水中より取り
出し、40℃の順風乾燥機にて乾燥した。本球状体を音
波式分級機により分級し、数平均粒子径100〜300
μm、熱軟化点165℃の黄色透明のポリウレタン系ビ
ーズ状塗料(B−2)を得た。
【0073】ビーズ状樹脂塗料(B)の作成例3 反応器にポリカプロラクトンジオール(数平均分子量
2,000)248部およびポリエーテルジオール(数
平均分子量4,000、EO含量90重量%、PO含量
10重量%ランダム共重合体)496部、IPDI5
5.3部、ジブチルチンジラウレート0.06部を仕込
み、80℃にて5時間反応を行い、分散剤を得た。別の
反応器にウレタンプレポリマーb2、280部、ケチミ
ン化合物b3、30部を混合し、予め水で1%に希釈し
た上記分散剤の水溶液250部を加え、ウルトラディス
パーザー[ヤマト科学(株)製]を使用して9000r
pmで1分間混合した。その後、撹拌棒にて撹拌しなが
ら50℃で6時間反応を行い、分散体を得た。次いでこ
の分散体を濾別、50℃で1時間乾燥を行った。本乾燥
品100部に対しここにベンジジンイエローとジイソデ
シルフタレートの混合物(重量比2:15)17部を添
加し、ヘンシェルミキサー[三井鉱山(株)製]にて2
5℃、300rpm、10分間混合し、数平均粒子径1
00〜300μm熱軟化点160℃の黄色透明のポリウ
レタン系ビーズ状塗料(B−3)を得た。
【0074】コーティング剤(C)の作成例1 ポリウレタン(三洋化成工業社製コートロンTCM−3
10)160部、トルエン226部、メチルイソブチル
ケトン75部、ジブチルチンジラウレート0.06部を
混合し、均一化した後、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HDI)トリマー(武田バーディッシュ社製デュラ
ネートTPA−100)2.2部を添加し混合し、固形
分濃度35%の無色透明のコーティング剤(C−1)を
得た。
【0075】コーティング剤(C)の作成例2 ポリウレタン(三洋化成工業社製コートロンTCM−3
10)160部、トルエン281部、メチルイソブチル
ケトン93部、タルク(白石工業社製5000PJ)4
0部、ジブチルチンジラウレート0.06部を混合し、
均一化した後、HDIトリマー(武田バーディッシュ社
製商品名デュラネートTPA−100)2.2部を添加
し混合し、固形分濃度35%の無色半透明のコーティン
グ剤(C−2)を得た。
【0076】コーティング剤(C)の作成例3 ポリウレタン(三洋化成工業社製コートロンTCM−3
10)160部、トルエン226部、メチルイソブチル
ケトン75部、赤色顔料(SANYO COLOR W
ORKS社製Pigment Red GF−608)
0.1部、ジブチルチンジラウレート0.06部を混合
し、均一化した後、HDIトリマー(武田バーディッシ
ュ社製商品名デュラネートTPA−100)2.2部を
添加し混合し、固形分濃度35%の僅かに赤みのある透
明なコーティング剤(C−3)を得た。
【0077】実施例1〜7、比較例1〜3 上記作成した樹脂(a1−1)と(a2−1)〜(a2
−3)を重量比70:30で配合し、黒色ポリプロピレ
ン板上に乾燥膜厚5μmになるようにキャストした。室
温にて5分間放置した後、表1の(B)をエアスプレー
にて吹き付けた。さらに、(C)をエアスプレーガンを
用いて吹き付け、80℃で20分間保持して定着させ、
実施例1〜7、比較例1〜3を得た。表2に塗膜評価結
果を示す。
【0078】評価方法 1)密着性の評価 塗装されたポリプロピレン板に2mm×2mmの升目が
100個出来るように基板に達するようカッターを用い
て傷を付ける。その表面にセロハンテープを貼り付け
て、急激に剥がした後に残存する升目の個数を調べた。
残存する升目の個数が多いほど密着性が良好なことを示
す。 2)意匠性の評価 試験板を十分に明るい部屋にて観測し、塗面の外観を目
視判定した。 ○:塗膜の色彩が鮮やかで、奥行き感があり、高級感が
ある。 △:塗膜の色彩に奥行き感がなく、安っぽい。 ×:塗膜の色彩にムラがある。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【発明の効果】本発明の塗装方法は、従来塗装困難であ
ったオレフィン系樹脂基材の上に塗装することができ、
汚れ付着性を悪化させることなく、ABSや変性PPの
表面にソフト感を付与する自動車部材塗装物;防眩性を
付与する自動車部材塗装物;耐擦り傷性を付与する自動
車部材塗装物;今までにない、質感、意匠性を付与する
自動車部材塗装物を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動車部材基板層、下塗り塗料(A)の層お
よび下塗り塗料もしくは下塗り塗料を通して見える基板
の色と異なるビーズ状樹脂塗料(B)の層を有する、本
発明の自動車部材塗装物の一例を示す断面図である。
【図2】 自動車部材基板層、下塗り塗料(A)の層、
下塗り塗料もしくは下塗り塗料を通して見える基板の色
と異なるビーズ状樹脂塗料(B)の層およびコーティン
グ剤(C)の層を有する、本発明の自動車部材塗装物の
一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 自動車部材基板層 2 下塗り塗料(A)の層 3 ビーズ状樹脂塗料(B)の層 4 コーティング剤(C)の層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09D 175/04 C09D 175/04 (72)発明者 野村 孝夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 宮本 康司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 桑野 一幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中山 浩光 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内 (72)発明者 田中 敬次 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車部材基板層と、その上に形成された
    下塗り塗料(A)の層と、(A)の層の少なくとも一部
    に下塗り塗料もしくは下塗り塗料を通して見える基板と
    異なる色のビーズ状樹脂塗料(B)の層を有する自動車
    部材塗装物。
  2. 【請求項2】(A)が自動車部材との密着性が良好な材
    料(a1)と、(B)との密着性が良好な材料(a2)
    からなる請求項1記載の塗装物。
  3. 【請求項3】(B)が1種以上のビーズ状樹脂(b)か
    らなり、熱軟化点120〜200℃のビーズ状樹脂を必
    須とする請求項1または2記載の塗装物。
  4. 【請求項4】(b)のビーズの数平均粒子径が10〜5
    00μmである請求項1〜3いずれか記載の塗装物。
  5. 【請求項5】(b)がビーズ状ポリウレタン(b1)で
    ある請求項1〜4いずれか記載の塗装物。
  6. 【請求項6】(b1)が分散剤を含有する水中に分散さ
    れたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(b
    2)とケチミン化合物(b3)から形成されたビーズ状
    ポリウレタンである請求項5記載の塗装物。
  7. 【請求項7】(A)および(B)が、0〜110℃の条
    件下に於いて互いに反応性を持つ反応性官能基を有する
    請求項1〜6いずれか記載の塗装物。
  8. 【請求項8】(A)の反応性官能基がイソシアネート基
    であり、(B)の反応性官能基が水酸基および/または
    アミノ基である請求項7記載の塗装物。
  9. 【請求項9】(B)の層の上にさらにコーティング剤
    (C)の層を有する請求項1〜8いずれか記載の塗装
    物。
  10. 【請求項10】自動車部材がインパネ、メータークラス
    タ、コンソール、ステアリングホイール、ドアトリム、
    アームレスト、アシストグリップ、バンパー、バンパー
    モール、サイドモール、ドアプロテクタ、リアガーニッ
    シュおよびホイールキャップから選ばれる請求項1〜9
    いずれか記載の塗装物。
  11. 【請求項11】自動車部材に下塗り塗料(A)を塗装
    し、次いで該塗装表面の少なくとも一部に下塗り塗料も
    しくは下塗り塗料を通して見える基板と異なる色のビー
    ズ状樹脂塗料(B)を塗装し、その後0〜110℃にて
    固着させることを特徴とする請求項1〜10いずれか記
    載の自動車部材塗装物の塗装方法。
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