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JP2000277434A - 窒化物系化合物半導体及びその製造方法 - Google Patents

窒化物系化合物半導体及びその製造方法

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JP2000277434A
JP2000277434A JP7689099A JP7689099A JP2000277434A JP 2000277434 A JP2000277434 A JP 2000277434A JP 7689099 A JP7689099 A JP 7689099A JP 7689099 A JP7689099 A JP 7689099A JP 2000277434 A JP2000277434 A JP 2000277434A
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nitride
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信明 寺口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低キャリア濃度で高電子移動度を有する窒化
物系化合物半導体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 窒化物系化合物半導体を、Ga、Al、
P、As、Sb、Si及びランタノイドのうちの少なく
とも1つを所定の濃度でドーピングして結晶成長させた
InN層13、23、33、43又は53を有する構成
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低キャリア濃度で
高電子移動度を有する窒化物系化合物半導体及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化物系化合物半導体であるInNは、
理論的に1000cm2/Vs以上の高い移動度を有す
る半導体であり[S.N.Mohammad et a
l.,Proceedings of the IEE
E 83(1995)1306]、その高い移動度を用
いることで優れた特性を有するヘテロ構造電界効果トラ
ンジスタ等の電子デバイスが得られると考えられる。
【0003】一般に、窒化物系化合物半導体InNは、
有機金属気相成長法(MOVPE法:Metal Or
ganic Vapor Phase Epitax
y)[A.Yamamoto et al.,J.Cr
ystal Growth 189/190(199
8)p.461]、又はプラズマ励起した窒素を用いた
分子線エピタキシー法(MBE法:Molecular
Beam Epitaxy)[S.M.Donova
n et al.,J.Electronic Mat
erials 26(1997)p.1292]などの
結晶成長法で成長されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな成長法で成長したInN膜は、窒素空孔などに起因
した1×1019cm-3から1×1020cm-3程度のキャ
リア濃度を有しており、数百cm2/Vs程度の移動度
しか得られず、結晶性及び電気的特性に優れた窒化物系
化合物半導体InNの結晶成長が困難である。
【0005】このため、窒化物系化合物半導体InNを
用いた電子デバイスは全く実用化されるに至っていない
のが現状である。
【0006】本発明は、こうした従来技術の課題を解決
するものであり、低キャリア濃度で高電子移動度を有す
る窒化物系化合物半導体及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化物系化合物
半導体は、Ga、Al、P、As、Sb、Si及びラン
タノイドのうちの少なくとも1つを所定の濃度でドーピ
ングして結晶成長させたInN層を有しており、そのこ
とにより上記目的が達成される。
【0008】また、本発明の窒化物系化合物半導体の製
造方法は、Ga、Al、P、As、Sb又はランタノイ
ドを1×1017cm-3以上、1×1020cm-3以下の濃
度でドーピングしてInN層を結晶成長させる工程を包
含しており、そのことにより上記目的が達成される。
【0009】また、本発明の窒化物系化合物半導体の製
造方法は、Siを1×1016cm-3以上、1×1018
-3以下の濃度でドーピングしてInN層を結晶成長さ
せる工程を包含しており、そのことにより上記目的が達
成される。
【0010】前記ランタノイドが、La,Ce,Pr,
Nd,Pm,Sm、Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,E
r、Tm、Yb及びLuのうちの少なくとも1つである
構成とすることができる。
【0011】以下に、本発明の作用について説明する。
【0012】本発明の窒化物系化合物半導体は、InN
層が、Ga、Al、P、As、Sb及びランタノイドの
うちの少なくとも1つを所定の濃度でドーピングして結
晶成長させたものであるため、結晶成長の際に結合力が
弱いIn−N結合の一部を結合力の強いGa、Al又は
ランタノイドとNの結合に置換することで、窒素空孔の
生成が抑えられており、又結晶成長の際に窒素空孔が
P、As又はSbで置換されキャリアの生成が抑えられ
ているため、窒化物系化合物半導体を低キャリア濃度で
高電子移動度を有するものとすることが可能となる。ま
た、InN層が、Siを所定の濃度でドーピングして結
晶成長させたものとする場合には、結晶性の改善により
キャリア濃度を下げることが可能である。
【0013】より詳しくは、窒化物系化合物半導体In
Nのキャリア濃度は、例えば、図2の実験結果に示すよ
うに、III族元素であるGaのドーピング濃度に依存
する。もともと、アンドープのInNのキャリア濃度が
1×1020cm-3程度ある場合、Gaのドーピングによ
ってInNのキャリア濃度は減少する。これは、結合力
が弱いIn−N結合の一部を、結合力の強いGa−N結
合に置換することで、窒素空孔の生成が抑えられたため
である。
【0014】図2に示す実験結果から、Gaのドーピン
グ濃度を1×1017cm-3以上にすると、InNのキャ
リア濃度を下げることが可能である。
【0015】但し、Gaのドーピング濃度を1×1020
cm-3以上に増やした場合、キャリア濃度も下がるが膜
質もInGaN混晶状態になるため、ドーピングのレベ
ルを超えてしまう。従って、ドーピング濃度の上限とし
ては、1×1020cm-3以下にすることが望ましい。
【0016】尚、Gaと同じIII族元素であるAlを
用いても上記と同様の結果が得られる。
【0017】このように、Ga又はAlを1×1017
-3以上、1×1020cm-3以下のドーピング濃度で、
窒化物系化合物半導体InNを結晶成長することによ
り、低キャリア濃度で高電子移動度を有するInNの結
晶成長が可能となる。具体的には、例えば、キャリア濃
度が1×1018cm-3以下で、高電子移動度が1000
cm2/Vs以上のInNが得られた。
【0018】また、ドーピングをGa又はAlのIII
族元素に変えて、V族元素であるP、As又はSbを用
いても、上記図2と同様の結果が得られる。即ち、P、
As又はSbを1×1017cm-3以上、1×1020cm
-3以下のドーピング濃度で、窒化物系化合物半導体In
Nを結晶成長することにより、窒素空孔をP、As又は
Sbで置換することでキャリアの生成が抑えられたた
め、低キャリア濃度で高電子移動度を有するInNの結
晶成長が可能となる。
【0019】また、ドーピングをGa又はAlのIII
族元素に変えて、ランタノイドを用いても、上記図2と
同様の結果が得られる。即ち、ランタノイドを1×10
17cm-3以上、1×1020cm-3以下のドーピング濃度
で、窒化物系化合物半導体InNを結晶成長することに
より、結合力が弱いIn−N結合の一部を結合力の強い
ランタノイド−N結合に置換することで窒素空孔の生成
が抑えられたため、低キャリア濃度で高電子移動度を有
するInNの結晶成長が可能となる。
【0020】ランタノイドが、La,Ce,Pr,N
d,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,E
r,Tm,Yb,Luのうちの少なくとも1つである構
成にすると、これらの元素の窒化物は、バンドギャップ
が2eV前後の半導体であり、InNの有している特性
を損なわない。
【0021】また、窒化物系化合物半導体InNのキャ
リア濃度は、例えば、図3の実験結果に示すように、S
iのドーピング濃度に依存する。これは、Siのドーピ
ングによるInNの結晶性改善の効果と考えられる。
【0022】図3に示す実験結果から、Siのドーピン
グ濃度を1×1016cm-3以上にすると、InNのキャ
リア濃度を下げることが可能である。また、Siのドー
ピングによるキャリア生成を1×1018cm-3以下にす
ることが望ましいため、Siのドーピング濃度を1×1
18cm-3以下にすることが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて具体的に説明する。
【0024】(実施形態1)本発明の実施形態1による
窒化物系化合物半導体は、例えば、図1の断面図に示す
ように、(0001)サファイア基板11上に、膜厚2
0nmの低温成長GaNバッファ層12、Ga濃度5×
1019cm-3、膜厚1μmのGa添加InN層13、及
びIn電極14が、順次積層された構造を有する。
【0025】このような層構造を形成するための結晶成
長の方法としては、有機金属気相成長法(MOVPE
法)、プラズマ励起した窒素を用いた分子線エピタキシ
ー法(MBE法)などを用いることができる。より詳し
くは、MBE法は、RF(Radio Frequen
cy Osillator:無線周波発振器)−励起M
BE法、ECR(Electron Cyclotro
n ResonanceReactor:電子サイクロ
トロン共鳴反応器)−励起MBE法などを用いることが
できる。
【0026】本実施形態1では、例えば、RF−励起M
BE法により結晶成長を行い各層を形成した。
【0027】具体的には、まず真空中で基板温度800
℃にて10分間程度基板11の洗浄を行う。次に、基板
温度を550℃に設定し、窒素流量1sccm、プラズ
マ電力300Wの条件で窒素ラジカルを基板11に照射
し、結晶成長を良くするための1時間程度表面の窒化を
行い、その後基板11上にGaN低温バッファ層12を
結晶成長させる。次に、同じ基板温度でGaN低温バッ
ファ層12上にGa添加InN層13を結晶成長させ
る。Ga添加InN層13上にIn電極14を形成し、
ホール測定を行った結果、キャリア濃度8×1016cm
-3、移動度1500cm2/Vsの窒化物系化合物半導
体が得られた。
【0028】より詳しくは、窒化物系化合物半導体In
Nのキャリア濃度は、例えば、図2の実験結果に示すよ
うに、III族元素であるGaのドーピング濃度に依存
する。もともと、アンドープのInNのキャリア濃度が
1×1020cm-3程度ある場合、Gaのドーピングによ
ってInNのキャリア濃度は減少する。これは、結合力
が弱いIn−N結合の一部を、結合力の強いGa−N結
合に置換することで、窒素空孔の生成が抑えられたため
である。
【0029】図2に示す実験結果から、Gaのドーピン
グ濃度を1×1017cm-3以上にすると、InNのキャ
リア濃度を下げることができる。
【0030】但し、Gaのドーピング濃度を1×1020
cm-3以上に増やした場合、キャリア濃度も下がるが膜
質もInGaN混晶状態になるため、ドーピングのレベ
ルを超えてしまう。従って、ドーピング濃度の上限とし
ては、1×1020cm-3以下にすることが望ましい。
【0031】(実施形態2)本発明の実施形態2よる窒
化物系化合物半導体は、上述した実施形態1におけるG
a添加InN層13が、Al添加InN層23である点
で相違し、その他の構成は図1に示す上記実施形態1の
場合と同様とするものである。
【0032】尚、結晶成長の方法としては、MOVPE
法、RF−励起MBE法、ECR−励起MBE法などを
用いることができるが、ここでは、例えば、MOVPE
法により結晶成長を行い各層を形成した。
【0033】具体的には、まず水素雰囲気中で基板温度
1100℃にて基板11の洗浄を10分間程度行う。次
に、基板温度を550℃に設定し、基板11上にGaN
低温バッファ層12を結晶成長させる。次に、基板温度
を600℃に設定し、GaN低温バッファ層12上に、
例えばAl濃度1×1020cm-3、膜厚1μmのAl添
加InN層23を結晶成長させる。Al添加InN層2
3上にIn電極14を形成し、ホール測定を行った結
果、キャリア濃度1×10-7cm-3、移動度1200c
2/Vsの窒化物系化合物半導体が得られた。
【0034】尚、本実施形態2は、上述した実施形態1
の場合と同様にIII族元素を用いるものであるので、
図2を用いて説明した上記と同様の結果が得られる。
【0035】即ち、本発明の実施形態2による窒化物系
化合物半導体の製造方法によれば、Alを1×1017
-3以上、1×1020cm-3以下の濃度でドーピングし
てInN層を結晶成長させる工程を包含しているので、
結晶成長の際に結合力が弱いIn−N結合の一部を結合
力の強いAl−N結合に置換することで窒素空孔の生成
を抑えることができる。従って、窒化物系化合物半導体
を低キャリア濃度で高電子移動度を有するものとするこ
とができる。
【0036】(実施形態3)本発明の実施形態3による
窒化物系化合物半導体は、上述した実施形態1における
Ga添加InN層13が、P、As又はSb添加InN
層33である点で相違し、その他の構成は図1に示す上
記実施形態1の場合と同様とするものである。
【0037】尚、結晶成長の方法としては、MOVPE
法、RF−励起MBE法、ECR−励起MBE法などを
用いることができるが、ここでは、例えば、MOVPE
法により結晶成長を行い各層を形成し、濃度1×1019
cm-3、膜厚1μmPのAs又はSb添加InN層33
を有する構成とした。
【0038】表1は、P、As又はSbを同一濃度の添
加量で形成したInN層のホール測定の結果を示してお
り、InN層33にPを添加した場合、キャリア濃度
3.4×1017cm-3、移動度1100cm2/Vsが
得られ、Asを添加した場合、キャリア濃度5.0×1
17cm-3、移動度1050cm2/Vsが得られ、S
bを添加した場合、キャリア濃度6.8×1017
-3、移動度1020cm2/Vsが得られ、いずれの
場合においても低キャリア濃度で高電子移動度を有する
窒化物系化合物半導体が得られた。
【0039】
【表1】
【0040】即ち、本発明の実施形態3による窒化物系
化合物半導体の製造方法によれば、P、As又はSbを
1×1017cm-3以上、1×1020cm-3以下の濃度で
ドーピングしてInN層を結晶成長させる工程を包含し
ているので、結晶成長の際に窒素空孔をP、As又はS
bで置換してキャリアの生成を抑えることができる。従
って、窒化物系化合物半導体を低キャリア濃度で高電子
移動度を有するものとすることができる。
【0041】(実施形態4)本発明の実施形態4による
窒化物系化合物半導体は、上述した実施形態1における
Ga添加InN層13が、ランタノイド添加InN層4
3である点で相違し、その他の構成は図1に示す上記実
施形態1の場合と同様とするものである。
【0042】尚、結晶成長の方法としては、MOVPE
法、RF−励起MBE法、ECR−励起MBE法などを
用いることができるが、ここでは、例えば、MOVPE
法により結晶成長を行い各層を形成し、濃度1×1019
cm-3、膜厚1μmのランタノイド添加InN層43を
有する構成とした。
【0043】表2は、ランタノイドであるPr、Nd、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho又はYbを同一濃度の添
加量で形成したInN層のホール測定の結果を示してお
り、InN層43にいずれのランタノイドを添加した場
合においても、低キャリア濃度で高電子移動度を有する
窒化物系化合物半導体が得られた。
【0044】
【表2】
【0045】即ち、本発明の実施形態4による窒化物系
化合物半導体の製造方法によれば、ランタノイドを1×
1017cm-3以上、1×1020cm-3以下の濃度でドー
ピングしてInN層を結晶成長させる工程を包含してい
るので、結晶成長の際に結合力が弱いIn−N結合の一
部を結合力の強いランタノイド−結合に置換することで
窒素空孔の生成を抑えることができ、キャリアの生成を
抑えることができる。従って、窒化物系化合物半導体を
低キャリア濃度で高電子移動度を有するものとすること
ができる。また、これらのランタノイド元素の窒化物
は、バンドギャップが2eV前後の半導体であるので、
InNの有している特性を損なわないという効果を奏す
る。
【0046】尚、表2では、ランタノイドが、Pr、N
d、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho又はYbである場合
の結果を示したが、これ以外のランタノイドでも同様の
効果が確認されている。
【0047】(実施形態5)本発明の実施形態5による
窒化物系化合物半導体は、上述した実施形態1における
Ga添加InN層13が、Si添加InN層53である
点で相違し、その他の構成は図1に示す上記実施形態1
の場合と同様とするものである。
【0048】尚、結晶成長の方法としては、MOVPE
法、RF−励起MBE法、ECR−励起MBE法などを
用いることができるが、ここでは、例えば、RF−励起
MBE法により結晶成長を行い各層を形成し、濃度1×
1018cm-3、膜厚1μmのSi添加InN層53を有
する構成とした。
【0049】具体的には、窒化物系化合物半導体InN
のキャリア濃度は、例えば、図3の実験結果に示すよう
に、Siのドーピング濃度に依存する。これは、Siの
ドーピングによるInNの結晶性改善の効果と考えられ
る。
【0050】図3に示す実験結果から、Siのドーピン
グ濃度を1×1016cm-3以上にすると、InNのキャ
リア濃度を下げることができる。また、Siのドーピン
グによるキャリア生成を1×1018cm-3以下にするこ
とが望ましいため、Siのドーピング濃度を1×1018
cm-3以下にすることが望ましい。
【0051】Si添加InN層53上にIn電極14を
形成し、ホール測定を行った結果、キャリア濃度5×1
17cm-3、移動度1000cm2/Vsの窒化物系化
合物半導体が得られた。
【0052】尚、上述した各実施形態は、本発明の窒化
物系化合物半導体及びその製造方法の一例を示している
にすぎず、本発明はこれらの具体手的構成に限定される
ものでない。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化物系
化合物半導体によれば、InN層が、Ga、Al、P、
As、Sb及びランタノイドのうちの少なくとも1つを
所定の濃度でドーピングして結晶成長させたものである
ため、結晶成長の際に結合力が弱いIn−N結合の一部
を結合力の強いGa、Al又はランタノイドとNの結合
に置換することで、窒素空孔の生成を抑えられており、
又結晶成長の際に窒素空孔がP、As又はSbで置換さ
れキャリアの生成が抑えられているため、窒化物系化合
物半導体を低キャリア濃度で高電子移動度を有するもの
とすることができる。また、InN層が、Siを所定の
濃度でドーピングして結晶成長させたものとする場合に
は、結晶性の改善によりキャリア濃度を下げることがで
きる。
【0054】具体的には、例えば、キャリア濃度が1×
1018cm-3以下で、高電子移動度が1000cm2
Vs以上の窒化物系化合物半導体が得られた。従って、
例えば、ヘテロ接合電界効果トランジスタなどの高速電
子デバイスへ応用することができる。
【0055】また、本発明の窒化物系化合物半導体の製
造方法によれば、Ga、Al、P、As、Sb又はラン
タノイドを1×1017cm-3以上、1×1020cm-3
下の濃度でドーピングしてInN層を結晶成長させる工
程を包含しているので、結晶成長の際に結合力が弱いI
n−N結合の一部を結合力の強いGa、Al又はランタ
ノイドとNの結合に置換することで窒素空孔の生成を抑
えることができ、又結晶成長の際に窒素空孔をP、As
又はSbで置換してキャリアの生成を抑えることができ
る。また、Siを1×1016cm-3以上、1×1018
-3以下の濃度でドーピングしてInN層を結晶成長さ
せる工程を包含しているので、結晶性の改善によりキャ
リア濃度を下げることができる。従って、窒化物系化合
物半導体を低キャリア濃度で高電子移動度を有するもの
とすることができる。
【0056】上記ランタノイドが、La,Ce,Pr,
Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,E
r,Tm,Yb,Luのうちの少なくとも1つである構
成にすると、これらの元素の窒化物は、バンドギャップ
が2eV前後の半導体であるので、InNの有している
特性を損なわないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1〜実施形態5による窒化物
系化合物半導体の構成例を示す断面図である。
【図2】GaをドープしたInN層におけるキャリア濃
度とGaドーピング濃度との関係を表すグラフである。
【図3】SiをドープしたInN層におけるキャリア濃
度とGaドーピング濃度との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
11 基板 12 低温成長GaNバッファ層 13 Ga添加InN層 14 In電極 23 Al添加InN層 33 P、As又はSb添加InN層 43 ランタノイド添加InN層 53 Si添加InN層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ga、Al、P、As、Sb、Si及び
    ランタノイドのうちの少なくとも1つを所定の濃度でド
    ーピングして結晶成長させたInN層を有する窒化物系
    化合物半導体。
  2. 【請求項2】 Ga、Al、P、As、Sb又はランタ
    ノイドを1×1017cm-3以上、1×1020cm-3以下
    の濃度でドーピングしてInN層を結晶成長させる工程
    を包含する窒化物系化合物半導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 Siを1×1016cm-3以上、1×10
    18cm-3以下の濃度でドーピングしてInN層を結晶成
    長させる工程を包含する窒化物系化合物半導体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ランタノイドが、La,Ce,P
    r,Nd,Pm,Sm、Eu,Gd,Tb,Dy,H
    o,Er、Tm、Yb及びLuのうちの少なくとも1つ
    である請求項1又は請求項2記載の窒化物系化合物半導
    体及びその製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011222964A (ja) * 2010-03-24 2011-11-04 Ngk Insulators Ltd 半導体素子用エピタキシャル基板および半導体素子
JP2012049465A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Advanced Power Device Research Association 窒化物系化合物半導体、窒化物系化合物半導体素子、およびその製造方法

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