JP3470054B2 - 窒化物系iii−v族化合物半導体装置 - Google Patents
窒化物系iii−v族化合物半導体装置Info
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Description
V族化合物半導体装置に関し、特に、高出力,高周波お
よび高温度特性に優れた2次元電子ガスを用いた半導体
装置に関する。
スとしては、ヘテロ構造電界効果型トランジスタ(HF
ET),高電子移動度トランジスタ(HEMT),および変
調ドープ電界効果型トランジスタ(MODFET)が挙げ
られる。このような2次元電子ガスを利用する半導体デ
バイスでは、GaAs系材料を用いたものが開発されて
いる。
に、図6に示すように、半絶縁性GaAs基板101上
に、順次、アンドープGaAsバッファ層102(膜厚
1μm,キャリア濃度3×1016cm-3)、アンドープA
lGaAsスペーサ層103(膜厚10nm,キャリア濃
度1×1017cm-3)、n型AlGaAsドナー層10
4(膜厚20nm,キャリア濃度1×1018cm-3)、n
型GaAsキャップ層105(膜厚10nm,キャリア濃
度3×1018cm-3)が形成されている。なお、図6に
おいて、107はゲート電極、108はソース/ドレイ
ン電極である。また、500は2次元電子ガスである。
ぼ同様な構造をしていて、窒化物系III‐V族化合物半
導体を用いたHFETトランジスタの構造が報告されて
いる(米国特許US5192987)。この窒化物系III−
V族化合物半導体を用いたトランジスタは、図7に示す
ように、サファイヤからなる絶縁性基板201上に、順
次、AlN低温成長バッファ層202(膜厚20nm)、
GaNバッファ層203(膜厚2μm,キャリア濃度8×
1016cm-3)、AlGaNドナー層204(膜厚20n
m,キャリア濃度1×1018cm-3)を積層した構造にな
っていて、チャネルとしてGaNを用いている。なお、
図7において、500は2次元電子ガスである。
用いた今1つのトランジスタとして、図8に示すよう
に、絶縁性基板301上のAlN低温成長バッファ層3
02(膜厚20nm),GaNバッファ層303(膜厚3μ
m),AlN障壁層304(膜厚3nm),GaNチャネル
層305(膜厚100nm)からなる逆構造のHFETが
見られる(Electron.Lett.31(1995)1951頁)。
なお、図8において、500は2次元電子ガスである。
ように、チャネル層として一般に用いられるGaNの電
子移動度は、キャリア濃度が1×1018cm-3の場合に
約200cm2/Vs、キャリア濃度が1×1017cm-3
の場合に約400cm2/Vsであり、SiCなどの他の
ワイドバンドギャップ材料に比べて電子移動度が一桁程
度大きい。もっとも、このGaNチャネルの電子移動度
は、GaAs系HFETで用いられるGaAsチャネル
の電子移動度に比べて、一桁程度小さな値になる。
昭63‐161678号公報に記載されているように、
チャネルの材料として、より電子移動度の大きなInG
aAs混晶をAlGaAs/GaAs界面に挿入するこ
とも行われており、窒化物系半導体装置にも同様な手法
を用いることができると考えられた。
装置においては、InGaN混晶の結晶性あるいは平坦
性に問題があり、電子移動度が必ずしも大きくはならな
いので、GaAs系HFETのInGaAsチャネル層
のような効果は期待できない。何故ならば、InGaN
混晶の組成が場所によって不均一になるからである。
nGaN混晶が得られたならば、GaNチャネルより
も、電子移動度を向上させることができると考えられ
る。
一なInGaN混晶を備え、チャネル電子移動度の大き
な窒化物系III‐V族化合物半導体装置を提供すること
にある。
ねた結果、上記目的を達成するためには、以下に記載す
る構造が有効であることが分かった。
からなるInGaNチャネル層が、AlxGayIn
1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1)膜の上に形成されたサ
ーフィスリアクタント層の上に形成されていることを特
徴としている。
ネル層がAlxGayIn1-x-y(0≦x≦1,0≦y≦
1)膜の上に形成されたサーフィスリアクタント層の上
に形成されている。このように、基板とInGaNチャ
ネル層との間に、サーフィスリアクタント層を挿入する
ことによって、3次元的な膜の成長を2次元的な膜の成
長に変えることが可能となり、InGaNチャネル層の
組成分布をより均一化できる。
の窒化物系III−V族化合物半導体装置において、サー
フィスリアクタント層が、Li,Be,Na,Mg,K,C
a,Zn,S,Se,Teのうちの少なくとも1つで構成さ
れている。
クタント層が、Li,Be,Na,Mg,K,Ca,Zn,S,
Se,Teのうちの少なくとも1つで構成されているか
ら、3次元的な膜の成長を2次元的な膜の成長に変える
ことができ、InGaNチャネル層の組成分布をより均
一化できる。
Geなどで構成すると、3次元的な膜の成長を促進する
ので、サーフィスリアクタント層としては好ましくな
い。
2に記載の窒化物系III‐V族化合物半導体装置におい
て、上記サーフィスリアクタント層の表面被覆率が1以
下であることを特徴としている。
リアクタント層の表面被覆率が1以下であるから、その
上に成長されるInGaNチャネル層の結晶性を劣化さ
せることがない。
覆率が1を超えると、その上に成長されるInGaNチ
ャネル層の結晶性が劣化する。なお、サーフィスリアク
タント層とは、結晶の表面エネルギーを変化させるため
に挿入される層のことである。
として用いているが、これは組成分布の無いInGaN
の移動度が、GaNの移動度よりも優れているからであ
る。また、InxGa1-xNの組成としては、X>0の範
囲であればよい。
りも移動度が大きいInGaN膜を得ることが可能とな
り、このInGaN膜をチャネル層として用いることに
よって、チャネル電子移動度の大きな窒化物系III−V
族化合物半導体装置を実現できる。
態に基づいて詳細に説明する。
Tの概要を表す断面を示す。
ァイア基板11、膜厚20nmの低温成長AlNバッフ
ァ層12、キャリア濃度5×1016cm-3,膜厚2μm
のアンドープGaNバッファ層13、膜厚20nm/2
0nm,5周期のアンドープGaN/InN多層膜14が
順次積層されている。さらに、このアンドープGaN/
InN多層膜14の上に、キャリア濃度4×1017cm
-3,膜厚10nmのIn0.2Ga0.8Nチャネル層15、
キャリア濃度5×1016cm-3,膜厚10nmのアンド
ープGaNスペーサ層16、キャリア濃度2×1018c
m-3,膜厚30nmのn型GaNドナー層17、Pt/A
uゲート電極18、Ti/Alソース/ドレイン電極19
が順次積層されている。なお、50は2次元電子ガスで
ある。
長方法としては、MOVPE法,MBE法などを用いる
ことができる。この参考例では、結晶成長方法としてM
OVPE法を用いた。MOVPE法のプロセスは、以下
の通りである。
1100℃にして、基板クリーニングを10分間だけ行
う。次に、基板11の温度を550℃に設定し、低温バ
ッファ層12を成長させた。その後、基板11の温度を
1000℃に設定し、GaNバッファ層13を成長させ
た。その後、700℃でGaN/InN多層膜14を成
長させ、引き続き、基板温度700℃でInGaNチャ
ネル層15を成長させた。その上のGaNスペーサ層1
6,GaNドナー層17は、基板温度を1000℃まで
上げながら成長させた。
構造について、ホール測定を行った結果、室温における
移動度800cm2/Vsおよび77K(絶対温度)におけ
る移動度1200cm2/Vsを確認した。
ースドレイン間距離を5μmのHFETとし、その特性
を評価した結果、室温において、最大発振周波数fmax
=18GHz、トランスコンダクタンスgm=150m
S/mm、温度250℃において、gm=100mS/m
mを得た。
て、GaNチャネル層を採用した比較例では、室温にお
いて、最大発振周波数fmax =15GHz、トランスコ
ンダクタンスgm=120mS/mm、温度200℃にお
いて、gm=80mS/mmであった。したがって、この
参考例で採用したInGaNチャネル層15の効果を確
認できた。また、この参考例では、最大動作温度は30
0℃であった。
ャリア濃度と電子移動度は、それぞれ、4×1017cm
-3と600cm2/Vsとなっており、その電子移動度
は、GaNチャネル層の約1.5倍となっていた。この
大きな移動度が、HFETの特性を大きく改善する原因
となっていると考えられる。
N多層膜14の上に成長させたInGaNチャネル層1
5の移動度と、比較例としてGaNバッファ層13の上
に直接成長したInGaNチャネル層の移動度とを比較
した。その結果、この参考例のGaN/InN多層膜1
4上のInGaNチャネル層15の移動度は、上記比較
例のGaN層直上のInGaNチャネル層の移動度の2
倍であった。これは、多層構造のGaN/InN層14
を採用したことによって、基板11の界面からの転位が
減少し、その結果、より組成分布の不均一が少ないIn
GaNチャネル層15を作製できたからであると考えら
れる。
明する。この第2参考例は、図1に示すGaN/InN
多層膜14の面内格子定数とInGaNチャネル層15
の面内格子定数とが一致するように、GaN/InN多
層膜14のGaN層,InN層の層厚を設定した点だけ
が、前述の第1の参考例と異なっている。
の結晶成長方法としては、MOVPE法,MBE法など
を用いることができる。この第2参考例では、結晶成長
方法としてMOVPE法を用いた。
ール測定を行った結果、室温における移動度850cm
2/Vsおよび77K(絶対温度)における移動度1250
cm2/Vsを確認した。
ースドレイン間距離を5μmのHFETを作製し、その
特性を評価した結果、室温において、最大発振周波数f
max=20GHz、トランスコンダクタンスgm=160
mS/mm、温度250℃において、gm=105mS/
mmであった。
て、GaNチャネル層を採用した比較例では、室温にお
いて、最大発振周波数fmax=15GHz、トランスコ
ンダクタンスgm=120mS/mm、温度200℃に
おいて、gm=80mS/mmであった。したがって、こ
の参考例で採用したInGaNチャネル層15の効果を
確認できた。また、この参考例では、最大動作温度は3
00℃であった。
N多層膜14の面内格子定数が、InGaNチャネル層
15の面内格子定数と一致するように、GaN/InN
多層膜14におけるGaNとInNの層厚を設定した。
チャネル層15と多層膜14の面内格子定数を一致させ
たことによって、InGaNチャネル層15内に存在す
る歪を小さくすることができる。したがって、上記歪に
よって引き起こされる組成分布の不均一さを抑えること
ができ、より均質な移動度の高いInGaNチャネル層
15を得ることができる。その結果、この第2参考例で
は、第1参考例よりもさらに特性を改善できた。
HFETの概要を表す断面を示す。
(0001)サファイア基板21、膜厚20nmの低温成
長GaNバッファ層22、キャリア濃度5×1016cm
-3,膜厚2μmのアンドープGaNバッファ層23、膜
厚20nm/20nm,5周期のアンドープAlN/In
N層24が順次積層されている。
層膜24の上に、キャリア濃度4×1017cm-3,膜厚
10nmのIn0.2Ga0.8Nチャネル層25、キャリア
濃度5×1016cm-3,膜厚10nmのアンドープGa
Nスペーサ層26、キャリア濃度2×1018cm-3,膜
厚30nmのn型GaNドナー層27、Pt/Auゲー
ト電極28、Ti/Alソース/ドレイン電極29が順次
積層されている。
長方法としては、MOVPE法,MBE法などを用いる
ことができる。この第3参考例では、結晶成長方法とし
てMOVPE法を用いた。MOVPE法のプロセスは、
以下の通りである。
100℃にして、基板クリーニングを10分間行った。
次に、基板21の温度を550℃に設定し、低温バッフ
ァ層22を成長した。その後、基板21の温度を100
0℃に設定し、GaNバッファ層23を成長させた。そ
の後、700℃でAlN/InN多層膜24を成長さ
せ、引き続き、基板温度700℃でInGaN層25を
成長させた。その上のGaNスペーサ層26の成長は基
板温度を1000℃まで上げながら行った。
構造について、ホール測定を行った結果、室温における
移動度880cm2/Vsおよび77K(絶対温度)におけ
る移動度1250cm2/Vsを確認した。
ースドレイン間距離を5μmのHFETとし、その特性
を評価した結果、室温において、最大発振周波数fmax
=19GHz、トランスコンダクタンスgm=155m
S/mm、温度250℃において、gm=110mS/m
mであった。
て、GaNチャネル層を採用した比較例では、室温にお
いて、最大発振周波数fmax=15GHz、トランスコ
ンダクタンスgm=120mS/mm、温度200℃にお
いて、gm=80mS/mmであった。したがって、この
第3参考例で採用したInGaNチャネル層25の効果
を確認できた。また、この第3参考例では、最大動作温
度は350℃であった。
N多層膜24の上に成長したInGaNチャネル層25
の移動度と、比較例としてGaNバッファ層23の上に
直接に成長させたInGaNチャネル層の移動度とを比
較した。その結果、この参考例のAlN/InN多層膜
24上のInGaNチャネル層25の移動度は、上記比
較例のGaNバッファ層23上に直接成長させたInG
aNチャネル層の移動度の1.7倍であった。これは、
多層構造のAlN/InN多層膜24を採用したことに
よって、基板21の界面からの転位が減少し、その結
果、組成分布の不均一がより少ないInGaNチャネル
層25を作製できたからであると考えられる。
2参考例が有したGaN/InN多層膜14のGaNを
AlNに換えて、AlN/InN多層膜24を採用した
から、InGaNチャネル層25とその下側の層23,
22との電気的絶縁性をさらに高めることができる。し
たがって、このAlN/InN多層膜24を採用した第
3参考例によれば、GaN/InN多層膜14を採用し
た第1,第2参考例に比べて、InGaNチャネル層2
5の移動度を、より一層大きくすることができた。
する。この第4参考例は、図2に示すAlN/InN多
層膜24の面内格子定数とInGaNチャネル層25の
面内格子定数とが一致するように、AlN/InN多層
膜24のAlN層,InN層の層厚を設定した点だけ
が、前述の第3参考例と異なっている。
長方法としては、MOVPE法,MBE法などを用いる
ことができる。この第4参考例では、結晶成長方法とし
てMOVPE法を用いた。
ール測定を行った結果、室温における移動度950cm
2/Vsおよび77K(絶対温度)における移動度1400
cm2/Vsを確認した。
m、ソースドレイン間距離を5μmのHFETを作製
し、その特性を評価した結果、室温において、最大発振
周波数fmax=21GHz、トランスコンダクタンスgm
=170mS/mm、温度250℃において、gm=13
0mS/mmであった。
て、GaNチャネル層を採用した比較例では、室温にお
いて、最大発振周波数fmax=15GHz、トランスコ
ンダクタンスgm=120mS/mm、温度200℃にお
いて、gm=80mS/mmであった。したがって、この
参考例で採用したInGaNチャネル層25の効果を確
認できた。また、この参考例では、最大動作温度は、3
80℃であった。
N多層膜24の面内格子定数が、InGaNチャネル層
25の面内格子定数と一致するように、AlN/InN
多層膜24のAlNとInNの層厚を決めた。上記面内
格子定数の一致によって、InGaNチャネル層25内
に存在する歪を小さくし、歪によって引き起こされる組
成分布の不均一さを抑えることができ、より均質な移動
度の高いInGaNチャネル層25を得ることができ
る。さらに、この第4参考例では、前記第3参考例と同
様に、AlN層を採用したAlN/InN多層膜24に
よる絶縁効果を発揮できる。
HFETの概要を表す断面を示す。
(0001)GaN基板31、キャリア濃度5×1016c
m-3,膜厚2μmのアンドープGaNバッファ層32、
膜厚20nmのアンドープAlN障壁層33、膜厚15
nmのアンドープInGaNチャネル層34が順次積層
されている。さらに、このアンドープInGaNチャネ
ル層34の上に、キャリア濃度5×1017cm-3,膜厚
30nmのSiドープGaNキャップ層35、Pt/A
uゲート電極36、Ti/Alソース/ドレイン電極37
が順次積層されている。
は、第1参考例と同様に、MOVPE法,MBE法など
を用いることができる。
の膜構造について、ホール測定を行った結果、室温にお
ける移動度900cm2/Vsおよび77K(絶対温度)に
おける移動度1300cm2/Vsを確認した。
ースドレイン間距離を5μmのHFETとし、その特性
を評価した結果、室温において、最大発振周波数fmax
=19GHz、トランスコンダクタンスgm=155m
S/mm、温度250℃において、gm=110mS/m
mであった。一方、アンドープInGaNチャネル層3
4に替えて、GaNチャネル層を採用した場合には、室
温において、最大発振周波数fmax=15GHz、トラ
ンスコンダクタンスgm=120mS/mm、温度200
℃において、gm=80mS/mmであった。
HFETの概要を表す断面を示す。
(0001)GaNラテラル成長基板41、キャリア濃度
5×1016cm-3,膜厚2μmのアンドープGaNバッ
ファ層42、膜厚20nmのアンドープAlN障壁層4
3、膜厚15nmのアンドープInGaNチャネル層4
4が順次積層されている。
上に、キャリア濃度5×1017cm-3,膜厚10nmの
SiドープGaNキャップ層45、Pt/Auゲート電
極46、Ti/Alソース/ドレイン電極47が順次積層
されている。
1の製造方法としては、Jpn.J.Appl.Phy
s.Vol.36(1997)899頁に開示された方法
がある。また、上記膜構造の結晶成長方法としては、上
述した第1参考例と同様に、MOVPE法,MBE法な
どを用いることができる。
構造について、ホール測定を行った結果、室温における
移動度880cm2/Vsおよび77K(絶対温度)におけ
る移動度1250cm2/Vsを確認した。
ースドレイン間距離を5μmのHFETとし、その特性
を評価した結果、室温において、最大発振周波数fmax
=19GHz、トランスコンダクタンスgm=155m
S/mm、温度250℃において、gm=110mS/m
mであった。
えて、GaNチャネル層を採用した比較例では、室温に
おいて、最大発振周波数fmax=15GHz、トランス
コンダクタンスgm=120mS/mm、温度200℃に
おいて、gm=80mS/mmであった。
FETの概要を表す断面を示す。
ァイア基板51、膜厚20nmのアンドープGaN低温
バッファ層52、キャリア濃度5×1016cm-3,膜厚
1μmのアンドープGaNバッファ層53、被覆率0.
33のLi原子からなるサーフィスリアクタント層54
が順次積層されている。
4の上に、膜厚30nmのアンドープInGaNチャネ
ル層55、キャリア濃度5×1017cm-3,膜厚10n
mのSiドープGaNキャップ層56、Pt/Auゲー
ト電極57、Ti/Alソース/ドレイン電極58が順次
積層されている。
膜構造を作製した。RF−MBE法のプロセスは以下の
通りである。
00℃にして、基板クリーニングを10分間行う。次
に、基板51の温度を550℃に設定し、結晶成長を良
くするために、窒素ラジカルを基板51に照射して、基
板表面を窒化する。その後、GaN(またはAlN)低温
バッファ層52を成長した。次に、窒素ラジカルを照射
しながら基板温度を750℃まで上昇し、GaNバッフ
ァ層53を成長した。そして、このGaNバッファ層5
3を成長させた後、基板温度を600℃に設定し、Li
ビームを照射し、所望の表面被覆率となるように、RH
EED(反射高速電子線回折)の表面再構成パターンを用
いて調整した。この所望の表面被覆率は、RHEEDの
再構成パターンから求めた。そして、引き続き、基板温
度600℃で、InGaNチャネル層55を成長させ、
最後に、基板温度を750℃まで上げながら、GaNキ
ャップ層56を成長させた。
膜構造について、ホール測定を行った結果、室温におけ
る移動度800cm2/Vsおよび77K(絶対温度)にお
ける移動度1150cm2/Vsを確認した。
ソースドレイン間距離を5μmのHFETとし、その特
性を評価した結果、室温において、最大発振周波数fma
x=18GHz、トランスコンダクタンスgm=155m
S/mm、温度250℃において、gm=105mS/m
mであった。
て、GaNチャネル層を採用した比較例では、室温にお
いて、最大発振周波数fmax=15GHz、トランスコ
ンダクタンスgm=120mS/mm、温度200℃にお
いて、gm=80mS/mmであった。したがって、この
実施形態で採用したInGaNチャネル層55の効果を
確認できた。また、この実施形態では、最大動作温度
は、280℃であった。
クタント層54として、被覆率0.33のLi原子を用
いたが、これ以外の被覆率1以下のBe,Na,Mg,K,
Ca,Zn,S,Se,Te原子を用いても同様の効果が得
られた。
では、2次元電子ガスを利用する半導体装置をヘテロ構
造電界効果型トランジスタ(HFET)としたが、高電子
移動度トランジスタ(HEMT),および変調ドープ電界
効果型トランジスタ(MODFET)にも適用できる。
明は、InGaNチャネル層がAlxGayIn1-x-y(0
≦x≦1,0≦y≦1)膜の上に形成されたサーフィス
リアクタント層の上に形成されている。このように、基
板とInGaNチャネル層との間に、サーフィスリアク
タント層を挿入することによって、3次元的な膜の成長
を2次元的な膜の成長に変えることが可能となり、In
GaNチャネル層の組成分布をより均一化できる。
の窒化物系III−V族化合物半導体装置において、サー
フィスリアクタント層が、Li,Be,Na,Mg,K,C
a,Zn,S,Se,Teのうちの少なくとも1つで構成さ
れている。
クタント層が、Li,Be,Na,Mg,K,Ca,Zn,S,
Se,Teのうちの少なくとも1つで構成されているか
ら、3次元的な膜の成長を2次元的な膜の成長に変える
ことができ、InGaNチャネル層の組成分布をより均
一化できる。
Geなどで構成すると、3次元的な膜の成長を促進する
ので、サーフィスリアクタント層としては好ましくな
い。
2に記載の窒化物系III‐V族化合物半導体装置におい
て、上記サーフィスリアクタント層の表面被覆率が1以
下であるから、その上に成長されるInGaNチャネル
層の結晶性を劣化させることがない。
として用いているが、これは組成分布の無いInGaN
の移動度が、GaNの移動度よりも優れているからであ
る。また、InxGa1-xNの組成としては、X>0の範
囲であればよい。
りも移動度が大きいInGaN膜を得ることが可能とな
り、このInGaN膜をチャネル層として用いることに
よって、チャネル電子移動度の大きな窒化物系III−V
族化合物半導体装置を実現できる。
装置の第1参考例であるHFETの素子構造を表す断面
図である。
を表す断面図である。
を表す断面図である。
を表す断面図である。
表す断面図である。
ある。
ある。
を示す図である。
Nバッファ層、13…アンドープGaNバッファ層、1
4…アンドープGaN/InN層、15…アンドープI
nGaNチャネル層、16…アンドープGaNスペーサ
ー層、17…n型GaNドナー層、18…ゲート電極、
19…ソース/ドレイン電極、21…(0001)サファ
イア基板、22…低温成長GaNバッファ層、23…ア
ンドープGaNバッファ層、24…AlN/InN層、
25…アンドープInGaNチャネル層、26…アンド
ープGaNスペーサー層、27…n型GaNドナー層、
28…ゲート電極、29…ソース/ドレイン電極、31
…(0001)GaN基板、32…アンドープGaNバッ
ファ層、33…アンドープAlN障壁層、34…アンド
ープInGaNチャネル層、35…SiドープGaNキ
ャップ層、36…Pt/Auゲート電極、37…Ti/A
lソース/ドレイン電極、41…(0001)GaNラテ
ラル成長基板、42…アンドープGaNバッファ層、4
3…アンドープAlN障壁層、44…アンドープInG
aNチャネル層、45…SiドープGaNキャップ層、
46…Pt/Auゲート電極、47…Ti/Alソース/ド
レイン電極、51…サファイア基板、52…アンドープ
GaN低温バッファ層、53…アンドープGaNバッフ
ァ層、54…サーフィスリアクタント層、55…アンド
ープInGaNチャネル層、56…SiドープGaNキ
ャップ層、57…Pt/Auゲート電極、58…Ti/A
lソース/ドレイン電極。
Claims (3)
- 【請求項1】 InGaNからなるInGaNチャネル
層が、AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1)
膜の上に形成されたサーフィスリアクタント層の上に形
成されていることを特徴とする窒化物系III‐V族化合
物半導体装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の窒化物系III−V族化
合物半導体装置において、 上記サーフィスリアクタント層が、Li,Be,Na,M
g,K,Ca,Zn,S,Se,Teのうちの少なくとも1つ
で構成されていることを特徴とする窒化物系III−V族
化合物半導体装置。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の窒化物系III
‐V族化合物半導体装置において、 上記サーフィスリアクタント層の表面被覆率が1以下で
あることを特徴とする窒化物系III‐V族化合物半導体
装置。
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-
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- 1998-12-28 JP JP37260098A patent/JP3470054B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WILLIAM A,Doolittle et.al,Growth of GaN on lithium gallate substrates for development of a GaN thin compliant substrate,Journal of Vacuum Science & Technology B,米国,1998年 6月,Vol.16,No.3,p.1300−1304 |
電子情報通信学会論文誌,日本,1998年 1月25日,Vol.J81−C−II,No.1,p.58−64 |
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