JP2000274429A - 液体動圧軸受及びスピンドルモータ - Google Patents
液体動圧軸受及びスピンドルモータInfo
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- JP2000274429A JP2000274429A JP11082280A JP8228099A JP2000274429A JP 2000274429 A JP2000274429 A JP 2000274429A JP 11082280 A JP11082280 A JP 11082280A JP 8228099 A JP8228099 A JP 8228099A JP 2000274429 A JP2000274429 A JP 2000274429A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】大きな衝撃や急激な温度上昇によっても潤滑オ
イルが液体動圧軸受から漏出しないようにシール機能向
上させること。 【解決手段】フランジ付軸部材1と円筒状受け部材4と
環状押さえ部材5とを具備した液体動圧軸受によって、
ハブ6を有するロータをステータに回転自在に支持した
スピンドルモータにおいて、第1のキャピラリーシール
S1を環状押さえ部材5の下段内周面とフランジ付軸部
材1の外周面との間に形成させ、且つ第2のキャピラリ
ーシールS2を環状押さえ部材5の上段内周面とハブ6
の環状突出部の外周面との間に形成させ、更にその間に
はバッファー用環状空隙Wを形成させた。
イルが液体動圧軸受から漏出しないようにシール機能向
上させること。 【解決手段】フランジ付軸部材1と円筒状受け部材4と
環状押さえ部材5とを具備した液体動圧軸受によって、
ハブ6を有するロータをステータに回転自在に支持した
スピンドルモータにおいて、第1のキャピラリーシール
S1を環状押さえ部材5の下段内周面とフランジ付軸部
材1の外周面との間に形成させ、且つ第2のキャピラリ
ーシールS2を環状押さえ部材5の上段内周面とハブ6
の環状突出部の外周面との間に形成させ、更にその間に
はバッファー用環状空隙Wを形成させた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハードディスクドラ
イブ装置等の回転体装置の駆動源として用いられるスピ
ンドルモータ、及びこのスピンドルモータの軸受に適し
た液体動圧軸受に関し、特に液体動圧軸受の潤滑オイル
のシール構造に関するものである。
イブ装置等の回転体装置の駆動源として用いられるスピ
ンドルモータ、及びこのスピンドルモータの軸受に適し
た液体動圧軸受に関し、特に液体動圧軸受の潤滑オイル
のシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7の従来の液体動圧軸受において、軸
部材は円柱部材2と、この円柱部材2に圧入されたスラ
スト動圧用リング部材3とからなるフランジ付軸部材1
である。このフランジ付軸部材1が回転自在に嵌合する
円筒状受け部材は、底のある小径の円筒部が下段に、且
つ大気に開口した開口端を有する大径の円筒部が上段に
夫々形成された段付の円筒状受け部材4である。円筒状
受け部材4の開口端は環状押さえ部材5によって塞がれ
ている。ラジアル動圧発生溝G1は円柱部材2の下側の
外周面に形成されている。スラスト動圧発生溝G2はス
ラスト動圧用リング部材3の上面と下面に夫々形成され
ている。フランジ付軸部材1、円筒状受け部材4及び環
状押さえ部材5との間に形成された数μmから数10μ
m程度の微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5に
は、潤滑オイルFが充填されている。潤滑オイルFのシ
ールはキャピラリーシールSによって行われている。
部材は円柱部材2と、この円柱部材2に圧入されたスラ
スト動圧用リング部材3とからなるフランジ付軸部材1
である。このフランジ付軸部材1が回転自在に嵌合する
円筒状受け部材は、底のある小径の円筒部が下段に、且
つ大気に開口した開口端を有する大径の円筒部が上段に
夫々形成された段付の円筒状受け部材4である。円筒状
受け部材4の開口端は環状押さえ部材5によって塞がれ
ている。ラジアル動圧発生溝G1は円柱部材2の下側の
外周面に形成されている。スラスト動圧発生溝G2はス
ラスト動圧用リング部材3の上面と下面に夫々形成され
ている。フランジ付軸部材1、円筒状受け部材4及び環
状押さえ部材5との間に形成された数μmから数10μ
m程度の微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5に
は、潤滑オイルFが充填されている。潤滑オイルFのシ
ールはキャピラリーシールSによって行われている。
【0003】キャピラリーシールSは円筒状受け部材4
の開口端に形成された環状隙間、即ち環状押さえ部材5
の内周面とフランジ付軸部材1の円柱部2の外周面との
間に数10μmから数100μm程度の微小な環状隙間
を形成し、且つ図6(C)に断面図で示す如く環状押さ
え部材5の内周面をテーパー状としたものである。この
ようにして形成された環状押さえ部材5とフランジ付軸
部材1との間の環状隙間は、大気に向かって末広がりに
開口した環状のテーパー溝となっており、液体動圧軸受
内に充填された潤滑オイルは毛細管現象と表面張力によ
って漏出が阻止される。
の開口端に形成された環状隙間、即ち環状押さえ部材5
の内周面とフランジ付軸部材1の円柱部2の外周面との
間に数10μmから数100μm程度の微小な環状隙間
を形成し、且つ図6(C)に断面図で示す如く環状押さ
え部材5の内周面をテーパー状としたものである。この
ようにして形成された環状押さえ部材5とフランジ付軸
部材1との間の環状隙間は、大気に向かって末広がりに
開口した環状のテーパー溝となっており、液体動圧軸受
内に充填された潤滑オイルは毛細管現象と表面張力によ
って漏出が阻止される。
【0004】キャピラリーシールは液体動圧軸受の通常
の使用状態では、その機能を十分に発揮するものであ
る。しかしながら、キャピラリーシールは大気に開口し
ながら容器内の液体をシールするものであるから、大き
な衝撃や急激な温度上昇によってシール機能が阻害さ
れ、液体動圧軸受の外に潤滑オイルが漏出するという問
題がある。
の使用状態では、その機能を十分に発揮するものであ
る。しかしながら、キャピラリーシールは大気に開口し
ながら容器内の液体をシールするものであるから、大き
な衝撃や急激な温度上昇によってシール機能が阻害さ
れ、液体動圧軸受の外に潤滑オイルが漏出するという問
題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、軸部材と、該軸部材が回転自在に嵌合する
円筒状受け部材と、該円筒状受け部材の開口端を塞ぐ環
状押さえ部材とを具備する液体動圧軸受、及びこの液体
動圧軸受を備えたスピンドルモータにおいて、大きな衝
撃や急激な温度上昇によっても潤滑オイルが液体動圧軸
受から漏出しないようにシールすることである。
する課題は、軸部材と、該軸部材が回転自在に嵌合する
円筒状受け部材と、該円筒状受け部材の開口端を塞ぐ環
状押さえ部材とを具備する液体動圧軸受、及びこの液体
動圧軸受を備えたスピンドルモータにおいて、大きな衝
撃や急激な温度上昇によっても潤滑オイルが液体動圧軸
受から漏出しないようにシールすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、軸部材と、該軸部材が回転自在に嵌合する円筒状受
け部材と、該円筒状受け部材の開口端を塞ぐ環状押さえ
部材とを具備し、且つこれらの構成部材の間に形成され
た微小隙間に潤滑オイルが充填された液体動圧軸受にお
いて、前記環状押さえ部材の内周面と前記軸部材との間
の微小な環状隙間の下段に第1のキャピラリーシールを
且つ上段に第2のキャピラリーシールを夫々形成させ、
更にその間にはバッファー用環状空隙を形成させた。
に、軸部材と、該軸部材が回転自在に嵌合する円筒状受
け部材と、該円筒状受け部材の開口端を塞ぐ環状押さえ
部材とを具備し、且つこれらの構成部材の間に形成され
た微小隙間に潤滑オイルが充填された液体動圧軸受にお
いて、前記環状押さえ部材の内周面と前記軸部材との間
の微小な環状隙間の下段に第1のキャピラリーシールを
且つ上段に第2のキャピラリーシールを夫々形成させ、
更にその間にはバッファー用環状空隙を形成させた。
【0007】また、軸部材と、該軸部材が回転自在に嵌
合する円筒状受け部材と、該円筒状受け部材の開口端を
塞ぐ環状押さえ部材とを具備し、且つこれらの構成部材
の間に形成された液体動圧軸受において、前記環状押さ
え部材の内周面を小径の下段内周面と大径の上段内周面
とから成る段付内周面とし、前記下段内周面と前記軸部
材の外周面との間に第1のキャピラリーシールを形成さ
せ、且つ前記上段内周面と前記軸部材の外周面との間又
は前記上段内周面と前記軸部材に圧入されたシール用環
状部材の外周面との間に第2のキャピラリーシールを形
成させ、更にその間にはバッファー用環状空隙を形成さ
せた。
合する円筒状受け部材と、該円筒状受け部材の開口端を
塞ぐ環状押さえ部材とを具備し、且つこれらの構成部材
の間に形成された液体動圧軸受において、前記環状押さ
え部材の内周面を小径の下段内周面と大径の上段内周面
とから成る段付内周面とし、前記下段内周面と前記軸部
材の外周面との間に第1のキャピラリーシールを形成さ
せ、且つ前記上段内周面と前記軸部材の外周面との間又
は前記上段内周面と前記軸部材に圧入されたシール用環
状部材の外周面との間に第2のキャピラリーシールを形
成させ、更にその間にはバッファー用環状空隙を形成さ
せた。
【0008】更に、フランジ付軸部材と、該フランジ付
軸部材が回転自在に嵌合する円筒状受け部材と、該円筒
状受け部材の開口端に形成された環状段部に圧入された
環状押さえ部材とを具備し、且つこれらの構成部材の間
に形成された液体動圧軸受において、前記環状押さえ部
材の内周面を小径の下段内周面と大径の上段内周面とか
ら成る段付内周面とし、前記下段内周面と前記フランジ
付軸部材の外周面との間に第1のキャピラリーシールを
形成させ、且つ前記上段内周面と前記フランジ付軸部材
の外周面との間又は前記上段内周面と前記フランジ付軸
部材に圧入されたシール用環状部材の外周面との間に第
2のキャピラリーシールを形成させ、更にその間にはバ
ッファー用環状空隙を形成させた。
軸部材が回転自在に嵌合する円筒状受け部材と、該円筒
状受け部材の開口端に形成された環状段部に圧入された
環状押さえ部材とを具備し、且つこれらの構成部材の間
に形成された液体動圧軸受において、前記環状押さえ部
材の内周面を小径の下段内周面と大径の上段内周面とか
ら成る段付内周面とし、前記下段内周面と前記フランジ
付軸部材の外周面との間に第1のキャピラリーシールを
形成させ、且つ前記上段内周面と前記フランジ付軸部材
の外周面との間又は前記上段内周面と前記フランジ付軸
部材に圧入されたシール用環状部材の外周面との間に第
2のキャピラリーシールを形成させ、更にその間にはバ
ッファー用環状空隙を形成させた。
【0009】更にまた、フランジ付軸部材と、該フラン
ジ付軸部材が回転自在に嵌合する円筒状受け部材と、該
円筒状受け部材の開口端に形成された環状段部に圧入さ
れた環状押さえ部材とを具備する液体動圧軸受であっ
て、第1のキャピラリーシールと第2のキャピラリーシ
ールが形成された液体動圧軸受によって、ハブを有する
ロータをステータに回転自在に支持したスピンドルモー
タにおいて、前記環状押さえ部材の内周面を小径の下段
内周面と大径の上段内周面とから成る段付内周面とし、
前記第1のキャピラリーシールを前記下段内周面と前記
フランジ付軸部材の外周面との間に形成させ、且つ前記
第2のキャピラリーシールを前記上段内周面と前記フラ
ンジ付軸部材に圧入された前記ハブの環状突出部の外周
面との間に形成させ、更にその間にはバッファー用環状
空隙を形成させた。
ジ付軸部材が回転自在に嵌合する円筒状受け部材と、該
円筒状受け部材の開口端に形成された環状段部に圧入さ
れた環状押さえ部材とを具備する液体動圧軸受であっ
て、第1のキャピラリーシールと第2のキャピラリーシ
ールが形成された液体動圧軸受によって、ハブを有する
ロータをステータに回転自在に支持したスピンドルモー
タにおいて、前記環状押さえ部材の内周面を小径の下段
内周面と大径の上段内周面とから成る段付内周面とし、
前記第1のキャピラリーシールを前記下段内周面と前記
フランジ付軸部材の外周面との間に形成させ、且つ前記
第2のキャピラリーシールを前記上段内周面と前記フラ
ンジ付軸部材に圧入された前記ハブの環状突出部の外周
面との間に形成させ、更にその間にはバッファー用環状
空隙を形成させた。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係るスピンドルモータの
一実施例は図1に示す如く、フランジ付軸部材1と段付
円筒状受け部材4を基本構成部材とする液体動圧軸受、
フランジ付軸部材1の端部に同軸にして固着されハード
ディスク等の回転体を保持するカップ状ハブ6、このカ
ップ状ハブ6のスリーブ部の内周面に取り付けられたロ
ータ磁石8、段付円筒状受け部材4の外周面に取り付け
られてロータ磁石8と共働して回転力を発生させるステ
ータコイル9、及びモータ基板10とから構成されてい
る。
一実施例は図1に示す如く、フランジ付軸部材1と段付
円筒状受け部材4を基本構成部材とする液体動圧軸受、
フランジ付軸部材1の端部に同軸にして固着されハード
ディスク等の回転体を保持するカップ状ハブ6、このカ
ップ状ハブ6のスリーブ部の内周面に取り付けられたロ
ータ磁石8、段付円筒状受け部材4の外周面に取り付け
られてロータ磁石8と共働して回転力を発生させるステ
ータコイル9、及びモータ基板10とから構成されてい
る。
【0011】本発明に係る液体動圧軸受は、図2と図3
に示す如く、フランジ付軸部材1と円筒状受け部材4を
基本構成部材とするものである。フランジ付軸部材1は
円柱部材2と、この円柱部材2に圧入された動圧用リン
グ部材3とからなる。円筒状受け部材4は、下段には底
を有する小径の円筒部が、且つ上段には大気に開口した
開口端を有する大径の円筒部が夫々形成されている。円
筒状受け部材4の開口端には環状段部が形成されてお
り、この環状段部には環状押さえ部材5が圧入され、こ
れによって円筒状受け部材4の開口端は塞がれている。
に示す如く、フランジ付軸部材1と円筒状受け部材4を
基本構成部材とするものである。フランジ付軸部材1は
円柱部材2と、この円柱部材2に圧入された動圧用リン
グ部材3とからなる。円筒状受け部材4は、下段には底
を有する小径の円筒部が、且つ上段には大気に開口した
開口端を有する大径の円筒部が夫々形成されている。円
筒状受け部材4の開口端には環状段部が形成されてお
り、この環状段部には環状押さえ部材5が圧入され、こ
れによって円筒状受け部材4の開口端は塞がれている。
【0012】ラジアル動圧発生溝G1は図4に示す如き
部分溝又はヘリングボーン溝であって、円柱部材2の下
側の外周面に形成されている。また、スラスト動圧発生
溝G2は図5に示すヘリングボーン溝であって、動圧用
リング部材3の上面と下面に夫々形成されている。ラジ
アル動圧発生溝G1は、円柱部材2でなく、動圧用リン
グ部材3の外周面に形成してもよい。
部分溝又はヘリングボーン溝であって、円柱部材2の下
側の外周面に形成されている。また、スラスト動圧発生
溝G2は図5に示すヘリングボーン溝であって、動圧用
リング部材3の上面と下面に夫々形成されている。ラジ
アル動圧発生溝G1は、円柱部材2でなく、動圧用リン
グ部材3の外周面に形成してもよい。
【0013】フランジ付軸部材1、円筒状受け部材4及
び環状押さえ部材5との間に形成された数μmから数1
0μm程度の微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5
には、潤滑オイルFが充填されている。本発明におい
て、潤滑オイルFのシールは下段のキャピラリーシール
S1と上段のS2とによって行われている。この上下2
段のキャピラリーシール構造は、例えば図6(A)と
(B)に基本形状の断面図で示す如く、環状押さえ部材
5を少なくとも小径の下段内周面5aと大径の上段内周
面5bとからなる段付内周面とすることによって実現で
きる。
び環状押さえ部材5との間に形成された数μmから数1
0μm程度の微小隙間R1、R2、R3、R4及びR5
には、潤滑オイルFが充填されている。本発明におい
て、潤滑オイルFのシールは下段のキャピラリーシール
S1と上段のS2とによって行われている。この上下2
段のキャピラリーシール構造は、例えば図6(A)と
(B)に基本形状の断面図で示す如く、環状押さえ部材
5を少なくとも小径の下段内周面5aと大径の上段内周
面5bとからなる段付内周面とすることによって実現で
きる。
【0014】第1のキャピラリーシールS1は、図2、
図3及び図6(A)と(B)に断面図で示す如く、環状
押さえ部材5の小径の下段内周面5aとフランジ付軸部
材1の円柱部2の外周面との間に数10μmから数10
0μm程度の微小な環状隙間を形成し、且つ環状押さえ
部材5の下段内周面5aをテーパー状としたものであ
る。
図3及び図6(A)と(B)に断面図で示す如く、環状
押さえ部材5の小径の下段内周面5aとフランジ付軸部
材1の円柱部2の外周面との間に数10μmから数10
0μm程度の微小な環状隙間を形成し、且つ環状押さえ
部材5の下段内周面5aをテーパー状としたものであ
る。
【0015】第2のキャピラリーシールS2は、図2及
び図6(A)に断面図で示す如く、環状押さえ部材5の
大径の上段内周面5bとフランジ付軸部材1の円柱部2
に圧入されたハブ6の環状突出部の外周面6bとの間に
数10μmから数100μm程度の微小な環状隙間を形
成し、且つ環状押さえ部材5の大径の上段内周面5bを
テーパー状としたものである。又は、第2のキャピラリ
ーシールS2は、図2及び図6(B)に断面図で示す如
く、環状押さえ部材5の大径の上段内周面5bとフラン
ジ付軸部材1の円柱部材2に圧入されたシール用環状部
材7の外周面7aとの間に数10μmから数100μm
程度の微小な環状隙間を形成し、且つシール用環状部材
7の外周面7aをテーパー状としたものである。
び図6(A)に断面図で示す如く、環状押さえ部材5の
大径の上段内周面5bとフランジ付軸部材1の円柱部2
に圧入されたハブ6の環状突出部の外周面6bとの間に
数10μmから数100μm程度の微小な環状隙間を形
成し、且つ環状押さえ部材5の大径の上段内周面5bを
テーパー状としたものである。又は、第2のキャピラリ
ーシールS2は、図2及び図6(B)に断面図で示す如
く、環状押さえ部材5の大径の上段内周面5bとフラン
ジ付軸部材1の円柱部材2に圧入されたシール用環状部
材7の外周面7aとの間に数10μmから数100μm
程度の微小な環状隙間を形成し、且つシール用環状部材
7の外周面7aをテーパー状としたものである。
【0016】上述の如く、本発明においては、環状押さ
え部材5の内周面とフランジ付軸部材1との間に形成さ
れた微小な環状隙間の下段に第1のキャピラリーシール
S1を且つ上段に第2のキャピラリーシールS2を夫々
形成させた。そして、この微小な環状隙間の中段、即ち
第1のキャピラリーシールS1と第2のキャピラリーシ
ールS2との間にはバッファー用環状空隙Wを形成させ
た。即ち、バッファー用環状空隙Wは、図2の第1実施
例においては環状押さえ部材の段部5cとハブ6の環状
突出部の下面6aに挟まれた空隙であり、図3の第2実施
例においては環状押さえ部材の段部5cとシール用環状
部材7の下面7aに挟まれた空隙である。
え部材5の内周面とフランジ付軸部材1との間に形成さ
れた微小な環状隙間の下段に第1のキャピラリーシール
S1を且つ上段に第2のキャピラリーシールS2を夫々
形成させた。そして、この微小な環状隙間の中段、即ち
第1のキャピラリーシールS1と第2のキャピラリーシ
ールS2との間にはバッファー用環状空隙Wを形成させ
た。即ち、バッファー用環状空隙Wは、図2の第1実施
例においては環状押さえ部材の段部5cとハブ6の環状
突出部の下面6aに挟まれた空隙であり、図3の第2実施
例においては環状押さえ部材の段部5cとシール用環状
部材7の下面7aに挟まれた空隙である。
【0017】このように構成された本発明に係る液体動
圧軸受のシール構造は、下段の第1のキャピラリーシー
ルS1と、上段の第2のキャピラリーシールS2、及び
中段のバッファー用環状空隙Wの三段構え構造である。
即ち下段の第1のキャピラリーシールS1は、従来のキ
ャピラリーシールと同様に、バッファー用環状空隙Wに
向かって末広がりに開口した環状のテーパー溝となって
おり、液体動圧軸受内に充填された潤滑オイルは毛細管
現象と表面張力によってバッファー用環状空隙Wへの漏
出が阻止される。
圧軸受のシール構造は、下段の第1のキャピラリーシー
ルS1と、上段の第2のキャピラリーシールS2、及び
中段のバッファー用環状空隙Wの三段構え構造である。
即ち下段の第1のキャピラリーシールS1は、従来のキ
ャピラリーシールと同様に、バッファー用環状空隙Wに
向かって末広がりに開口した環状のテーパー溝となって
おり、液体動圧軸受内に充填された潤滑オイルは毛細管
現象と表面張力によってバッファー用環状空隙Wへの漏
出が阻止される。
【0018】もし、急激な熱膨張や大きな衝撃によっ
て、液体動圧内に充填された潤滑オイルが下段の第1の
キャピラリーシールS1から溢れ出した場合、バッファ
ー用環状空隙Wは溢れ出した潤滑オイルを収容し、外に
漏出するのを防止する。
て、液体動圧内に充填された潤滑オイルが下段の第1の
キャピラリーシールS1から溢れ出した場合、バッファ
ー用環状空隙Wは溢れ出した潤滑オイルを収容し、外に
漏出するのを防止する。
【0019】バッファー用環状空隙Wが収容しきれない
程に大量の潤滑オイルが溢れ出した場合には、上段の第
2のキャピラリーシールS2が毛細管現象と表面張力に
よって液体動圧軸受の外に潤滑オイルが漏出するのを阻
止する。
程に大量の潤滑オイルが溢れ出した場合には、上段の第
2のキャピラリーシールS2が毛細管現象と表面張力に
よって液体動圧軸受の外に潤滑オイルが漏出するのを阻
止する。
【0020】このように本発明に係る液体動圧軸受は三
段構えで潤滑オイルの漏出を防止するから、キャピラリ
ーシールを1個だけ備えた従来の液体動圧軸受に比較す
ると格段にシール機能が向上した。
段構えで潤滑オイルの漏出を防止するから、キャピラリ
ーシールを1個だけ備えた従来の液体動圧軸受に比較す
ると格段にシール機能が向上した。
【0021】なお、第2のキャピラリーシールは上述の
構造のものに限定されるものではない。例えば、図2に
おいて、環状押さえ部材5を図6(B)の垂直な断面形
状のものとし、且つ対応するハブ6の環状突出部の外周
面6bを傾斜した断面形状としてもよい。また、図3に
おいても、環状押さえ部材5を図6(A)の傾斜した断
面形状のものとし、且つ対応するシール用環状部材7の
外周面7aを垂直な断面形状としてもよい。更に、図3
において、シール用環状部材7は円柱部材2又はハブ6
と一体に形成してもよい。
構造のものに限定されるものではない。例えば、図2に
おいて、環状押さえ部材5を図6(B)の垂直な断面形
状のものとし、且つ対応するハブ6の環状突出部の外周
面6bを傾斜した断面形状としてもよい。また、図3に
おいても、環状押さえ部材5を図6(A)の傾斜した断
面形状のものとし、且つ対応するシール用環状部材7の
外周面7aを垂直な断面形状としてもよい。更に、図3
において、シール用環状部材7は円柱部材2又はハブ6
と一体に形成してもよい。
【0022】本発明に係る液体動圧軸受を十字型断面の
フランジ付軸部材を備える液体動圧軸受に適用した実施
例を開示して説明したが、本発明はその他の軸部材、例
えばT字型断面のフランジ付軸部材を備える液体動圧軸
受にも、勿論適用できる。また、フランジ付軸部材は、
円柱部材と動圧用リング部材を別体にして製作し、圧入
によって組み立てたものを示したが、一体形状のもので
あってもよい。
フランジ付軸部材を備える液体動圧軸受に適用した実施
例を開示して説明したが、本発明はその他の軸部材、例
えばT字型断面のフランジ付軸部材を備える液体動圧軸
受にも、勿論適用できる。また、フランジ付軸部材は、
円柱部材と動圧用リング部材を別体にして製作し、圧入
によって組み立てたものを示したが、一体形状のもので
あってもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明は、液体動圧軸受において、環状
押さえ部材の内周面と軸部材との間の微小な環状隙間の
下段に第1のキャピラリーシールを且つ上段に第2のキ
ャピラリーシールを夫々形成させ、更にその間にはバッ
ファー用環状空隙を形成させたものである。従って、下
段、中段そして上段の三段構えでシールする構造である
から、従来のものに比較してシール機能が格段に向上
し、この液体動圧軸受を備えたスピンドルモータは潤滑
オイルの漏出の恐れが極めて小さくなった。それ故、汚
染が重大な問題となるハードディスク等の情報媒体の駆
動装置、或いは携帯型電子機器に好適なスピンドルモー
タが提供された。
押さえ部材の内周面と軸部材との間の微小な環状隙間の
下段に第1のキャピラリーシールを且つ上段に第2のキ
ャピラリーシールを夫々形成させ、更にその間にはバッ
ファー用環状空隙を形成させたものである。従って、下
段、中段そして上段の三段構えでシールする構造である
から、従来のものに比較してシール機能が格段に向上
し、この液体動圧軸受を備えたスピンドルモータは潤滑
オイルの漏出の恐れが極めて小さくなった。それ故、汚
染が重大な問題となるハードディスク等の情報媒体の駆
動装置、或いは携帯型電子機器に好適なスピンドルモー
タが提供された。
【図1】本発明に係る液体動圧軸受を備えたスピンドル
モータの一実施例の断面図である。
モータの一実施例の断面図である。
【図2】本発明に係る液体動圧軸受の第1実施例の断面
図である。
図である。
【図3】本発明に係る液体動圧軸受の第2実施例の断面
図である。
図である。
【図4】ラジアル動圧発生溝の一例を示す図である。
【図5】スラスト動圧発生溝の一例を示す図である。
【図6】キャピラリーシールを構成する環状押さえ部材
の断面図で、(A)は本発明の液体動圧軸受の第1実施
例に、(B)は本発明の液体動圧軸受の第2実施例に、
(C)は従来の液体動圧軸受に夫々採用されたものであ
る。
の断面図で、(A)は本発明の液体動圧軸受の第1実施
例に、(B)は本発明の液体動圧軸受の第2実施例に、
(C)は従来の液体動圧軸受に夫々採用されたものであ
る。
【図7】従来のスピンドルモータの一例の断面図であ
る。
る。
1 フランジ付軸部材 2 円柱部材 3 動圧用リング部材 4 段付円筒状受け部材 5 環状押さえ部材 5a 小径の下段内周面 5b 大径の上段内周面 5c 内周面 6 カップ状ハブ 6a 環状突出部 6b 外周面 7 シール用環状部材 7a 外周面 8 ロータ磁石 9 ステータコイル 10 モータ基板 F 潤滑オイル G1 ラジアル動圧発生溝 G2 スラスト動圧発生溝 R1、R2、R3、R4、R5 微小隙間 S キャピラリーシール S1 第1のキャピラリーシール S2 第2のキャピラリーシール W バッファー部
フロントページの続き Fターム(参考) 3J011 AA07 BA02 BA09 CA01 CA02 JA02 KA02 KA03 MA03 MA24 5H607 AA05 BB01 BB14 BB17 BB25 CC01 DD03 EE10 GG12 GG15 JJ10 5H621 HH01 JK19
Claims (4)
- 【請求項1】軸部材と、該軸部材が回転自在に嵌合する
円筒状受け部材と、該円筒状受け部材の開口端を塞ぐ環
状押さえ部材とを具備し、且つこれらの構成部材の間に
形成された微小隙間に潤滑オイルが充填された液体動圧
軸受において、前記環状押さえ部材の内周面と前記軸部
材との間の微小な環状隙間の下段に第1のキャピラリー
シールを且つ上段に第2のキャピラリーシールを夫々形
成させ、更にその間にはバッファー用環状空隙を形成さ
せたことを特徴とする液体動圧軸受。 - 【請求項2】軸部材と、該軸部材が回転自在に嵌合する
円筒状受け部材と、該円筒状受け部材の開口端を塞ぐ環
状押さえ部材とを具備し、且つこれらの構成部材の間に
形成された液体動圧軸受において、前記環状押さえ部材
の内周面を小径の下段内周面と大径の上段内周面とから
成る段付内周面とし、前記下段内周面と前記軸部材の外
周面との間に第1のキャピラリーシールを形成させ、且
つ前記上段内周面と前記軸部材の外周面との間又は前記
上段内周面と前記軸部材に圧入されたシール用環状部材
の外周面との間に第2のキャピラリーシールを形成さ
せ、更にその間にはバッファー用環状空隙を形成させた
ことを特徴とする液体動圧軸受。 - 【請求項3】フランジ付軸部材と、該フランジ付軸部材
が回転自在に嵌合する円筒状受け部材と、該円筒状受け
部材の開口端に形成された環状段部に圧入された環状押
さえ部材とを具備し、且つこれらの構成部材の間に形成
された液体動圧軸受において、前記環状押さえ部材の内
周面を小径の下段内周面と大径の上段内周面とから成る
段付内周面とし、前記下段内周面と前記フランジ付軸部
材の外周面との間に第1のキャピラリーシールを形成さ
せ、且つ前記上段内周面と前記フランジ付軸部材の外周
面との間又は前記上段内周面と前記フランジ付軸部材に
圧入されたシール用環状部材の外周面との間に第2のキ
ャピラリーシールを形成させ、更にその間にはバッファ
ー用環状空隙を形成させたことを特徴とする液体動圧軸
受。 - 【請求項4】フランジ付軸部材と、該フランジ付軸部材
が回転自在に嵌合する円筒状受け部材と、該円筒状受け
部材の開口端に形成された環状段部に圧入された環状押
さえ部材とを具備する液体動圧軸受であって、第1のキ
ャピラリーシールと第2のキャピラリーシールが形成さ
れた液体動圧軸受によって、ハブを有するロータをステ
ータに回転自在に支持したスピンドルモータにおいて、
前記環状押さえ部材の内周面を小径の下段内周面と大径
の上段内周面とから成る段付内周面とし、前記第1のキ
ャピラリーシールを前記下段内周面と前記フランジ付軸
部材の外周面との間に形成させ、且つ前記第2のキャピ
ラリーシールを前記上段内周面と前記フランジ付軸部材
に圧入された前記ハブの環状突出部の外周面との間に形
成させ、更にその間にはバッファー用環状空隙を形成さ
せたことを特徴とするスピンドルモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11082280A JP2000274429A (ja) | 1999-03-25 | 1999-03-25 | 液体動圧軸受及びスピンドルモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11082280A JP2000274429A (ja) | 1999-03-25 | 1999-03-25 | 液体動圧軸受及びスピンドルモータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000274429A true JP2000274429A (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=13770109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11082280A Pending JP2000274429A (ja) | 1999-03-25 | 1999-03-25 | 液体動圧軸受及びスピンドルモータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000274429A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005257073A (ja) * | 2004-02-09 | 2005-09-22 | Minebea Co Ltd | モータの流体軸受装置、該流体軸受装置を備えたモータ並びに記録ディスク駆動装置 |
JP2007113705A (ja) * | 2005-10-20 | 2007-05-10 | Minebea Co Ltd | 流体動圧軸受装置、モータおよびディスク記憶装置 |
JP2007182995A (ja) * | 2007-03-06 | 2007-07-19 | Nippon Densan Corp | 動圧軸受装置 |
KR101761336B1 (ko) * | 2011-09-06 | 2017-07-25 | 주식회사 히타치엘지 데이터 스토리지 코리아 | 스핀들 모터 |
-
1999
- 1999-03-25 JP JP11082280A patent/JP2000274429A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005257073A (ja) * | 2004-02-09 | 2005-09-22 | Minebea Co Ltd | モータの流体軸受装置、該流体軸受装置を備えたモータ並びに記録ディスク駆動装置 |
JP2007113705A (ja) * | 2005-10-20 | 2007-05-10 | Minebea Co Ltd | 流体動圧軸受装置、モータおよびディスク記憶装置 |
JP2007182995A (ja) * | 2007-03-06 | 2007-07-19 | Nippon Densan Corp | 動圧軸受装置 |
JP4605168B2 (ja) * | 2007-03-06 | 2011-01-05 | 日本電産株式会社 | 動圧軸受装置および動圧軸受装置の製造方法 |
KR101761336B1 (ko) * | 2011-09-06 | 2017-07-25 | 주식회사 히타치엘지 데이터 스토리지 코리아 | 스핀들 모터 |
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