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JP2000123109A - 光記録媒体及び光記録媒体書き込み・読み取り装置 - Google Patents

光記録媒体及び光記録媒体書き込み・読み取り装置

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Publication number
JP2000123109A
JP2000123109A JP10303371A JP30337198A JP2000123109A JP 2000123109 A JP2000123109 A JP 2000123109A JP 10303371 A JP10303371 A JP 10303371A JP 30337198 A JP30337198 A JP 30337198A JP 2000123109 A JP2000123109 A JP 2000123109A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
hologram
recorded
optical recording
information
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP10303371A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Suzuki
英男 鈴木
Shinji Nakamura
伸司 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP10303371A priority Critical patent/JP2000123109A/ja
Publication of JP2000123109A publication Critical patent/JP2000123109A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造されにくく、また改ざんすることができ
ない光記録媒体とその書き込み・読み取り装置を提供す
る。 【解決手段】 記録すべき情報を表わす0と1の2進符
号からなる組合せ符号の0と1又はその逆がホログラム
パターンの記録部と消去部に対応するように、ホログラ
ムパターンの記録部と消去部が設けられて光記録媒体へ
の記録が行われる。具体的には記録すべき情報を、kビ
ットの2進符号で表すとき、このnビットの内kビット
(n≧k≧0)を一定に固定した組合せ符号(重み一定
符号)を用いて記録すべき情報を表現し、その組合せ符
号化された2進符号の情報をホログラム画像の消去・非
消去に対応させて光記録媒体に記録するようにしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体及び光
記録媒体書き込み・読み取り装置に関し、特にプリペイ
ドカード、クレジットカード、キャッシュカード、身分
証明カードなど偽造あるいは改ざんされては困る光記録
媒体および光記録媒体書き込み・読み取り装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現行のプリペイドカード、クレジットカ
ード、キャッシュカードなどは記録手段として磁気スト
ライプといわれる磁気記録部分を有し、残高や必要に応
じて本人を確認するためのID(識別)番号などが記録
され、プリペイドカードではカードの使用に伴い残高な
どの記録が変更される。かかる記録媒体としてのカード
は携帯に便利であり、面倒な現金の授受を伴わない、い
わゆるキャッシュレス社会に貢献するものである。一
方、かかるカードは記録媒体が磁気記録層であるため、
汎用の装置により第三者が容易に記録内容を判読するこ
とが可能であり、よって偽造も容易であり、テレフォン
カードやパチンコ店のプリペイドカードが大量に偽造さ
れたり、不正使用されるということも多く、社会問題化
している。
【0003】この社会問題の内、本出願人会社では、偽
造対策の可能な光記録媒体を本発明に先立って発明し、
特許出願をしている(特願平8−359259号:特開
平10−198259号公報)。この先願に開示された
発明では、多くの情報が記録可能であるとともに、偽造
や不正使用の最も困難な光記録媒体が提案されている。
すなわち、この先願の技術では、画像をホログラムとし
て表し、そのデータを用いて電子ビーム露光装置を駆動
し、電子ビームにより記録媒体にホログラムの干渉縞を
精密に描画し、この記録媒体をエッチング処理して光記
録媒体の原盤を作製し、この原盤を用いて複製によりホ
ログラムの干渉縞を示す複数の記録エリアとこれに対応
する反射膜の独立した複数の領域を設けて、あるいは反
射膜が外部に露出することのないよう保護層と基板が前
記光記録媒体の全周にわたって密着する構造として光記
録媒体を製造するようにしている。したがって、この先
願の技術を利用すれば、2進符号で表される情報をホロ
グラム画像の消去・非消去に対応させて表すことが可能
で、高度な技術と高価な設備を持ち、かつ、極秘のホロ
グラム画像と符号化・配置の規則を知る者しか製造及び
偽造し得ないものとなっている。しかし、この最も偽造
されにくい光記録媒体においても、更なる不正使用を回
避するためには、書き込まれる情報を改ざんできないよ
うな対策が必要不可欠であり、重要な問題となってい
る。
【0004】一方、上記社会問題の内、改ざん対策を解
決すべく、特公平6−6482号公報及び特公平7−4
3881号公報では、改ざん検出方式が開示されてい
る。しかしながら、これらの公報に開示された改ざん検
出方式は、一方向性誤り通信路の誤り検出符号としての
バーガー符号(Berger Code)の原理を超えるものでは
ない。バーガー符号は、情報ビットの後に、この情報ビ
ット中の0の数を2進数で表した検査ビットを付加した
組織符号であり、その開発者J. M. Bergerの論文(Info
rmation and Control, Vol. 4, pp. 68-73, 1961中の"A
Note on Error Detection Codes for Asymmetric Chan
nels)に示され、また電子情報通信学発行の「符号理論
第6版(平成8年)pp. 328-329」にも解説されてい
る。通信理論における通信路とは、通信路以外に記録媒
体という意味を含むことからも、バーガー符号のアイデ
アそのものである。また、誤りには、自然現象として不
意に起こる誤りと、人的に故意に起こさせる誤りがある
が、改ざんは故意の誤りであるから、バーガー論文にお
ける誤り検出符号とは改ざん検出符号としての意味合い
を含んでいる。これらの改ざん検出方式は、改ざんを不
可能とするが、偽造を防ぐものではないので、偽造対策
が重要な問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記それぞれは偽造対
策と改ざん対策が別であり、両方の対策を兼ねていない
ので不十分であり、両対策を盛り込んだ記録媒体と装置
が必要とされている。したがって、本発明は偽造されに
くく、また改ざんすることができない光記録媒体とその
書き込み・読み取り装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、記録すべき情報を表わす0と1の2進
符号からなる組合せ符号の0と1又はその逆がホログラ
ムパターンの記録部と消去部に対応するように、ホログ
ラムパターンの記録部と消去部が設けられて光記録媒体
への記録が行われる。具体的には記録すべき情報を、k
ビットの2進符号で表すとき、このnビットの内kビッ
ト(n≧k≧0)を一定に固定した組合せ符号(重み一
定符号)を用いて記録すべき情報を表現し、その組合せ
符号化された2進符号の情報をホログラム画像の消去・
非消去に対応させて光記録媒体に記録するようにしてい
る。なお、組合せ符号とは、2進符号の0の数が常に一
定となる符号、言い換えれば、2進符号の1の数が常に
一定となる符号のことである。この組合せ符号は、ハミ
ング重みが一定となることから、重み一定符号とも呼ば
れ、文献(今井秀樹:符号理論)より、バーガー符号よ
り効率が良いことが知られている。
【0007】すなわち本発明によれば、記録すべき情報
を表わす0と1の2進符号からなる組合せ符号の0と1
又はその逆がホログラムパターンの記録部と消去部にそ
れぞれ対応するように、ホログラムパターンの記録部と
消去部が設けられて記録された光記録媒体が提供され
る。
【0008】また本発明によれば、あらかじめ複数のホ
ログラムパターンが配列されている光記録媒体に対し、
記録すべき情報を0と1の2進符号からなる組合せ符号
として記録するために、前記ホログラムパターンの記録
部中、前記組合せ符号の0又は1に対応する前記ホログ
ラムパターンをそのままとし、1又は0に対応する前記
ホログラムパターンを消去する手段を有する光記録媒体
書き込み装置が提供される。
【0009】また本発明によれば、ホログラムパターン
を配列して記録することが可能な光記録媒体に対し、前
記ホログラムパターンを記録する手段と、記録すべき情
報を0と1の2進符号からなる組合せ符号として記録す
るために、前記組合せ符号の0又は1に対応する前記ホ
ログラムパターンをそのままとし、1又は0に対応する
前記ホログラムパターンを消去する手段とを、有する光
記録媒体書き込み装置が提供される。
【0010】また本発明によれば、あらかじめ記録され
たホログラムパターンを組合せ符号としての2進符号の
0又は1に応じて選択的に消去して前記2進符号が記録
された光記録媒体にレーザビームを照射する手段と、前
記照射されたレーザビームにより再生されるホログラム
パターンを検出する手段と、前記検出する手段の出力信
号に応じて前記ホログラムパターンの有無に応じて2進
符号を生成する手段とを、有する光記録媒体読み取り装
置が提供される。
【0011】また本発明によれば、基板と、前記基板に
形成された記録層に複数の記録エリアと反射膜と保護層
を有する光記録媒体において、前記記録エリアの各々
が、記録すべき2次元画像に対応するホログラムの干渉
縞を電子ビームにて描画して得たものを複製したものに
対し主情報を0と1の2進符号の情報ビットで表したと
き、記録すべき情報を表わす0と1の2進符号からなる
組合せ符号の0と1又はその逆がホログラムパターンの
記録部と消去部に対応するように、ホログラムパターン
の記録部と消去部が設けられて記録されたものであり、
前記反射膜が前記記録エリアの複数に対面する領域を有
し、かつ前記反射膜が外部に露出することのないよう前
記保護層と前記基板の間に位置し、かつ前記保護層と前
記基板が前記光記録媒体の全周にわたって密着している
ことを特徴とする光記録媒体が提供される。
【0012】なお、組合せ符号の1と0又はその逆に対
応して、あらかじめ光記録媒体に記録された複数のホロ
グラムパターンをそのまま残すか、あるいは消去するこ
とにより情報が記録された光記録媒体は本発明の好まし
い態様である。
【0013】また、組合せ符号の1と0又はその逆に対
応して、あらかじめ光記録媒体に記録された複数のホロ
グラムパターンをそのまま残すか、あるいは消去するこ
とにより情報を記録する情報記録方法は本発明の好まし
い態様である。
【0014】また、組合せ符号の1と0又はその逆に対
応して、あらかじめ光記録媒体に記録された複数のホロ
グラムパターンをそのまま残すか、あるいは消去するこ
とにより情報が記録されたものから前記ホログラムパタ
ーンを読み取り、記録されている組合せ符号を読み出す
情報読み出し方法は本発明の好ましい態様である。
【0015】また、基板と、前記基板に形成された記録
層に複数の記録エリアと反射膜を有する光記録媒体にお
いて、前記記録エリアの各々が、記録すべき2次元画像
に対応するホログラムの干渉縞を電子ビームにて描画し
て得たものを複製したものに対し、記録すべき情報を表
わす0と1の2進符号からなる組合せ符号の0と1又は
その逆がホログラムパターンの記録部と消去部に対応す
るように、ホログラムパターンの記録部と消去部が設け
られて記録されたものであり、前記反射膜が前記記録エ
リアの各々又は複数に対面する領域を複数有し、かつ前
記個々の記録エリアの2次元画像領域の全体を覆うよう
配置され、かつ前記反射膜の各領域は隣り合う反射膜の
領域と連続せず独立していることを特徴とする光記録媒
体は本発明の好ましい態様である。
【0016】また、基板と、前記基板に形成された記録
層に複数の記録エリアと反射膜を有する光記録媒体にお
いて、前記記録エリアの各々が、記録すべき2次元画像
を読み取り、数値化して得られたデータを演算処理し、
ホログラムの干渉縞を表すデータを電子ビーム露光装置
に与え、電子ビームを走査して被露光媒体を露光せしめ
て描画し、前記被露光媒体をエッチング及びメッキ処理
して複製して形成されたものに対し、記録すべき情報を
表わす0と1の2進符号からなる組合せ符号の0と1又
はその逆がホログラムパターンの記録部と消去部に対応
するように、ホログラムパターンの記録部と消去部が設
けられて記録されたものであり、前記反射膜が前記記録
エリアの各々又は複数に対面する領域を複数有し、かつ
前記個々の記録エリアの2次元画像領域の全体を覆うよ
う配置され、かつ前記反射膜の各領域は隣り合う反射膜
の領域と連続せず独立していることを特徴とする光記録
媒体は本発明の好ましい態様である。
【0017】また、基板と、前記基板に形成された記録
層に複数の記録エリアと反射膜を有する光記録媒体にお
いて、前記記録エリアの各々が、記録すべき2次元画像
に対応するホログラムの干渉縞を電子ビームにて描画し
て得たものを複製したものに対し、記録すべき情報を表
わす0と1の2進符号からなる組合せ符号の0と1又は
その逆がホログラムパターンの記録部と消去部に対応す
るように、ホログラムパターンの記録部と消去部が設け
られて記録されたものであり、前記反射膜が前記記録エ
リアの一部の各々又は複数に対面する領域を複数有し、
かつ前記個々の記録エリアの2次元画像領域の全体を覆
うよう配置され、かつ前記反射膜の各領域は隣り合う反
射膜の領域と連続せず独立していることを特徴とする光
記録媒体は本発明の好ましい態様である。
【0018】また、基板と、前記基板に形成された記録
層に複数の記録エリアと反射膜を有する光記録媒体にお
いて、前記記録エリアの各々が、記録すべき2次元画像
を読み取り、数値化して得られたデータを演算処理し、
ホログラムの干渉縞を表すデータを電子ビーム露光装置
に与え、電子ビームを走査して被露光媒体を露光せしめ
て描画し、前記被露光媒体をエッチング及びメッキ処理
して複製して形成されたものに対し、記録すべき情報を
表わす0と1の2進符号からなる組合せ符号の0と1又
はその逆がホログラムパターンの記録部と消去部に対応
するように、ホログラムパターンの記録部と消去部が設
けられて記録されたものであり、前記反射膜が前記記録
エリアの一部の各々又は複数に対面する領域を複数有
し、かつ前記個々の記録エリアの2次元画像領域の全体
を覆うよう配置され、かつ前記反射膜の各領域は隣り合
う反射膜の領域と連続せず独立していることを特徴とす
る光記録媒体は本発明の好ましい態様である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施の形態について説明する。図1は本発明に係
る光記録媒体の第1の実施形態の平面図である。本発明
の光記録媒体の用途は種々あるが、ここではカード型の
プリペイドカード1であるとして実施形態の説明を行
う。このプリペイドカード1には、多くのビット情報を
表すために、1ビットの記録エリアとしてのホログラム
が、多数配列されている。ホログラムは、その1つが拡
大して示されているようにホログラムの干渉縞、すなわ
ちホログラムパターン2として記録されるが、その詳細
は、上記先願に示されており、本願においても、後述す
る実施形態とともに詳しく説明する。図1の例では、2
5mm×75mmの平板状の合成樹脂製カードに3列の
ホログラムパターンの記録部分が設けられていて、各列
には120個のホログラムパターンがあらかじめ記録さ
れ、その後選択的にいくつかが消去されている。図中、
白丸部分は消去されていない部分、黒丸は消去されてい
る部分である。非消去部と消去部については、図3と共
に詳しく後述する。なお、図1中、下方には記録される
データの種類として生産番号(PSN)や残金(RS
V)などの記録場所とホログラムパターン(CGH)の
数が示されている。UR、MR、BRはそれぞれUPP
ER ROW(上の列)、MIDDLE ROW(真ん
中の列)BOTTOM ROW(下の列)の略である。
【0020】図2の(A)は組合せ符号(重み一定符
号)の一例として、情報ビットが6ビットの場合を示し
ている。ここでは、6ビット中、3ビットが1である符
号の例を表している。一般的には、nビット中、kビッ
トが1ビットである符号であると言える。nは任意の正
の整数で、kは、n≧k≧0である。組合せ符号の各ビ
ットの0と1は、後述するように、どちらをホログラム
の消去に対応させても改ざん検出符号として成り立つ。
【0021】図2の(A)の組合せ符号1、2、3の例
では、6ビット中、3ビットが1である組合せ符号の例
である。6ビット中、3ビットが1である組合せ符号が
表すことができる情報の数は、20種類であるので、例
えば0から19までの20種類の情報を表すことができ
る。情報と組合せ符号の各符号語との対応は、この場合
20!(=2.43×10**18)種類の対応が考えられ、どのよ
うに対応させてもよいが、ここでは、それらのうち、組
合せ符号1、2、3の3つの例を示した。
【0022】図2の(B)の組合せ符号4、5、6の例
では6ビット中、3ビットが1である組合せ符号の例で
ある。6ビット中、3ビットが1である組合せ符号が表
すことができる情報の数は、20種類であるので、例え
ば0から19までの20種類の情報を表すことができ
る。しかしながら、表現したい情報が2のべき乗(例え
ば、2、4、8、16、...)の形をしていることも
多いので、例えば0から15までの16種類の情報を表
すものとすると、情報と組合せ符号の各符号語との対応
は、この場合20!/4!(=1.01×10**17)種類の対
応が考えられ、どのように対応させてもよいが、ここで
は、それらのうち、組合せ符号4、5、6の3つの例を
示した。
【0023】組合せ符号は前述の文献に詳述されている
が、2進符号の0の数が常に一定となる符号のことであ
る。本発明では組合せ符号化された2進符号の情報をホ
ログラム画像の消去・非消去に対応させて光記録媒体に
記録するようにしている。次に、図2の(A)、(B)
における2進符号の0と1のどちらをホログラムの消去
に対応させても、改ざんされた場合にその事実を検出す
る符号として成り立つことを説明する。まず、2進符号
の1をホログラムの消去、2進符号の0をホログラムの
非消去に対応させると、前提としてこの光記録媒体は非
可逆であるから、一度消去したホログラムは復活しない
ので、この場合、0→1に遷移することはあっても、1
→0に遷移することはない。したがって、改ざんは、0
→1の遷移にしか発生しない。すなわち、改ざんが生じ
た段階で、直ちに0または1の数があらかじめ定めた数
と異なるようになるため、改ざん不可能である。これ
は、逆に2進符号の1をホログラムの非消去に対応させ
ても同様のことである。
【0024】組合せ符号化された各情報は、各情報に割
り当てられたグループ内の複数のホログラム2の消去・
非消去により記録される。ホログラム2の消去方法に
は、サーマルヘッド、レーザ、ポンチとダイスによるプ
レス打ち抜き、ドリルなど種々の方法が考えられるが、
ここでは図3のサーマルヘッド3で消去することとす
る。図3において、ホログラムパターン2が記録された
ままの状態、すなわち非消去状態のホログラムパターン
(非消去)2Aと、ホログラムパターン2が記録された
後、サーマルヘッド3による熱溶融で消去された状態の
ホログラムパターン(消去後)2Bが示されている。こ
れらホログラム2の消去・非消去という動作を、記録・
読み取り装置における記録と呼ぶことにする。一方、記
録・読み取り装置における読取りは、図4のように、L
D(レーザダイオード4)の光がホログラム2に反射し
て撮像素子5で受像し、所望のホログラム画像6の有無
で、ホログラム2の非消去・消去を判断し、情報を得
る。ここでは偽造解析と改ざん解析の2つの側面があ
る。まず偽造解析は、撮像素子5でホログラム画像6を
撮像することにより、所望のホログラム画像6が得られ
れば偽造されていないと判断し、ホログラム画像6はあ
るが規則に合わない画像が得られた場合は偽造であると
判断する。次に改ざん解析では、撮像素子5でホログラ
ム画像6の有・無(ホログラム2の非消去・消去)を2
進符号として理解し、組合せ符号が規則通り形成されて
いれば改ざんなしと判断し、組合せ符号が規則からはず
れて形成されていれば改ざん有りと判断する。
【0025】図5では、本発明に係る光記録媒体の製造
過程から利用までの流れを表す。図1において、ISN
(ICウエハーシリアル番号)という情報は、成形プロ
セスにおける原盤に記録されているもので、プレス成形
で複製(レプリケーション)しても変わることのない情
報である。その他のSSN(スタンパー・シリアル番
号)、PSN(生産シリアル番号)、TSN(券売機シ
リアル番号)、VLD(発券発行日時)、RSV(残
金)は、後に記録される情報である。改ざん検出符号と
しての組合せ符号化は、これら改ざんされる可能性のあ
る、後に記録される情報に対して各々独立して順次記録
される。また成形プロセスにより同じものが複製される
ISNは、偽造されることはあっても、改ざんすること
は不可能なので、改ざん検出符号は必要としない。
【0026】図5において、券売機と自動販売機それぞ
れの過程において、偽造または改ざんされたカードか正
規のカードであるかを検査した後に記録される。このよ
うにそれぞれの情報はそれぞれの過程において順次記録
されるので、本発明では、ある時点でカードが盗まれ改
ざんされても、1つ前の過程に戻ることができないの
で、どの時点で不正があったかが特定できる。また、そ
れぞれの過程の記録前に、偽造カードか正規のカードで
あるか、ホログラム画像を検査し、かつ、改ざんカード
か正規のカードであるか否かを検査した後に、記録を行
うことができるので、不正に対する検査が厳しくでき
る。
【0027】次に上記第1実施形態で説明した所定2進
符号に対応させてホログラムの非消去・消去を行って情
報を書き込む方式を、前述の本出願人の先願である特願
平8−359259号に示した光記録媒体に適用した場
合を本発明の第2ないし第4実施形態として説明する。
なお、第2ないし第4実施形態でも、ホログラムパター
ンを形成した後、図3と共に説明したように情報ビット
の0と1又はその逆に応じてホログラムパターンをサー
マルヘッドで選択的に消去するものとする。図6は本発
明に係る光記録媒体の第2実施形態の平面図である。以
下の実施形態も第1実施形態同様カード型のプリペイド
カード26であるとして説明を行う。このプリペイドカ
ード26には複数の記録エリア28が設けられ、配列さ
れている。いま、この記録エリア28の1つ1つに文字
の情報が記録されているものとする。図7は図6の光記
録媒体のII−II線での断面図であり、このプリペイドカ
ード26が基板27と、その記録層に設けられた記録エ
リア28と、反射膜の複数の領域29と保護層31を有
している様子が示されている。なお、図6及び他の同様
な平面図は光記録媒体26を基板27側から見たもので
あり、記録エリア28は実線で、反射膜の各領域29は
点線で示されている。基板27としては例えばポリカー
ボネートなどを用いることができる。また保護層31と
しては、例えばUVポリマーコートなどを用いることが
できる。
【0028】図8は、図6の光記録媒体26を製造する
装置及び工程を示すブロック図である。いま、製造しよ
うとするプリペイドカード26に数字を含む文字情報を
記録するものとすると、文字情報の信号が入力端子IN
1に供給され、画像信号化回路10に入力される。画像
信号化回路10は入力されたデジタル信号のコード情報
で表された文字を2次元画像のドットパターンの画像信
号(図9の入力データ)に変換する。
【0029】この画像信号はスイッチ12又はマルチプ
レクサを介して数値演算装置14に供給される。数値演
算装置14は所定のアルゴリズムを用いて2次元画像の
ドットパターンの画像信号から干渉光を照射することな
くホログラムの干渉縞パターン(ホログラフィー干渉図
形)を得るための数値を得る。図9はこの様子を模式的
に示している。数値演算装置としては好ましくは高速演
算の可能なコンピュータを用いる。2次元画像データか
らそれに対応するホログラム干渉縞、すなわち波面の形
を演算により導き出すことはいわゆるCGH(コンピュ
ータ・ジェネレイテッド・ホログラム)として知られて
いる。
【0030】なお、数値演算装置14は後述の描画装置
である電子ビーム露光装置18の解像度に応じた座標デ
ータを出力するよう構成されている。また、描画を実際
に行う前に、数値演算で得られた座標データをフィード
バックして入力データと比較して、両者間の誤差を低減
すべく複数回の再計算を行う。数値演算装置14の出力
信号はエンコーダ16にて所定のフォーマットの信号と
され、電子ビーム露光装置18に入力される。電子ビー
ム露光装置18は本来ICやLSIを製造するときにそ
の回路配置パターンを描画するために用いられるもので
あり、ここでは図9に示した干渉縞のパターン(出力デ
ータ)を1次記録媒体20上に描画するために用いられ
る。なお、この1次記録媒体20は最終製品である光記
録媒体26と識別するため1次記録媒体20という。1
次記録媒体20としては、図10のbに示すようにガラ
ス30などの基板の上に被露光媒体としての感光性樹脂
であるフォトレジスト32を塗付したものを用いる。1
次記録媒体20はステッパ22(ステージコントロー
ラ)に取り付けられ、ステッパ22は電子ビーム露光装
置18からの信号により電子ビーム34に垂直な面上の
X−Yの2方向に移動可能である。なお、電子ビームに
よる描画では、従来の光記録媒体の製造に用いられるレ
ーザビームによる描画と比較すると、極めて繊細かつ緻
密なパターンを描画することが可能であり、ホログラム
の干渉縞のパターンの描画に適しているといえる。
【0031】いま、英文字(数字を含む)で300文字
からなるデータをプリペイドカードに記録するものとす
ると、入力端子IN1からシリアルに入力される文字列
のデータが画像信号化回路10にて順次画像信号化さ
れ、数値演算装置14にて所定のアルゴリズムにて数値
演算処理が行われ、エンコーダ16にて所定フォーマッ
トのデータとされて電子ビーム露光装置18に供給さ
れ、電子ビーム34が偏向されて、1次記録媒体20上
に描画が行われる。このとき、電子ビーム露光装置18
はステッパ22を制御して300の記録エリア28が3
列で、各列に100個の記録エリアが並ぶよう電子ビー
ム34と垂直な面上のX−Y方向に1次記録媒体20を
移動させる。
【0032】図6に示すように、完成したプリペイドカ
ード26には、3列の記録エリア28が配列されてい
る。各記録エリア28は250μm角(A=250μ
m)であり、同じ列(図中横の列)の隣り合う記録エリ
ア28同士の間隔も250μmである(図6ではB>A
のように示されているが、A=B=250μmであ
る)。また、隣の列の記録エリア28同士の間隔Cは5
00μmである。なお、1つの記録エリア28には1つ
の文字に対応するホログラムの干渉縞パターンが記録さ
れていて、記録エリアの各々の情報は独立しているが、
例えば図13に示すように隣接して配置された複数の記
録エリア44a、44b、44c、44dに同一の2次
元画像に対応する同一のホログラムの干渉縞パターンを
重複して記録するよう構成することもできる。なお、図
6に示した例では、記録エリア28を300個設けてい
るが、例えば名刺サイズのカード状光記録媒体の片面を
有効利用すれば、1つの記録エリア28のサイズが上記
と同じ250μm角として、1000個以上設けること
が可能である。
【0033】図8に戻り、1次記録媒体20への記録が
終了すると、1次記録媒体20はステッパ22から取り
外され、周知の光記録媒体(光ディスク)製造工程24
を経て最終製品であるプリペイドカード26を得ること
ができる。図10は電子ビーム露光装置18による1次
記録媒体20への電子ビーム34の照射とその後のエッ
チング工程、メッキ工程などを含む光ディスク製造工程
の一例を示す図であり、図中a〜gの順で工程が進む。
図10中、36はフォトレジスト32にできた凹凸面上
に生成された金属メッキ層であり、eに示す状態から基
板30が取り除かれ、fに示すようにプレス部材38に
スタンパ36Aとして取り付けられる。40は光記録媒
体本体40Aを構成するPC樹脂であり、溶融した状態
でプレス基台42から射出され、gに示すようにプレス
部材38がプレス基台42に相対的に接近するプレス工
程により成型されてスタンパ36Aの凹凸に応じた凹凸
が形成される。その後、反射膜の領域29が各記録エリ
ア28の各々に対応して設けられ、その後保護層31が
反射膜の領域(反射膜の領域29及びその中間部分など
同一レベル部を含む)の上に施される。反射膜の各領域
29は、本実施形態の場合、各記録エリア28は250
μm角なので、これより大きいサイズに設定されてい
る。反射膜としては例えばアルミ膜をスパッタリングに
より設けることができる。
【0034】図6及び図7の例では、反射膜は各記録エ
リア28にそれぞれ対応して設けられているが、必ずし
も1対1に対応する必要はなく、例えば複数の記録エリ
ア28をグループとして、このグループの記録エリア2
8に一括して対応する単一の反射膜の領域を設けるよう
にして、結果として複数の反射膜の領域がそれぞれ連続
せず独立して設けられていればよい。なお、スタンパ3
6Aは図10の工程eから直接製造せず、まずマスター
ディスクを製造し、それから複数のスタンパ36Aを作
るようにすることもでき、大量に光記録媒体を製造する
場合には複数のスタンパ36Aを製造する必要がある。
【0035】1次記録媒体20をフォトマスク原盤とし
て加工し、この1次記録媒体をフォトマスク原盤より光
露光による複数の2次記録媒体を作製し、この2次記録
媒体を原盤として用いて光ディスク製造工程を経て最終
製品である光記録媒体26を製造することも可能であ
る。図11はかかるフォトマスク原盤を用いた場合の製
造工程をA〜Jの順に示す図である。図11に示す方式
によれば、図10の方式に比べて露光工程が増えるた
め、若干の精度低下をきたすが、大量の二次原盤の複製
に適している。図12は一次原盤基板にシリコンウエハ
ーを用いた光記録媒体の製造工程の他の例を示すもので
ある。
【0036】本発明の光記録媒体は、後述する図15、
図24、図25などに示す所定のリーダにかけられ、そ
の記録情報が読み取られる。このとき、プリペイドカー
ド26を所定方向に送り、コヒーレント光線である参照
光としてのレーザビームなどを記録エリア28に照射す
ると、記録されている元の2次元画像が投影される。す
なわち、図9に示した文字「A」が記録されていると、
このドットパターンが所定位置に映し出されるので、こ
れをCCD撮像素子などの撮像手段にて撮像して解読す
ることにより元の文字情報を再生することができる。
【0037】上記説明は図8の入力端子IN1に文字信
号が入力された場合のものであったが、入力端子IN2
に画像信号を与えるようにしてもよい。この場合画像信
号はスイッチ12を介して数値演算装置14に供給さ
れ、前述の場合と同様に数値演算が実行され、ホログラ
ムの干渉縞のデータが得られ、これを描画してできた光
記録媒体としてのプリペイドカード26にレーザビーム
などを照射することにより、元の画像を再生することが
できる。記録する画像としては、ロゴや、バーコード、
カードの所有者や発行者を特定する情報、例えば指紋や
声紋、あるいは顔写真など、あるいはカードが真正なも
のであることを示す情報などを記録することができる。
【0038】図6に示すように反射膜の各領域29を隣
接する他の反射膜の領域29と連続させず独立としたこ
とにより、次のような偽造に対する効果がある。すなわ
ち、仮に反射膜が単一の連続した膜であり、図6の光記
録媒体26の2次元領域の全体にわたるものであるとす
ると、不正を図る偽造者はまず真正なプリペイドカード
を入手し、これを苛性ソーダ溶液に浸漬し、しばらく放
置する。その結果、媒体の側面において露出しているア
ルミなどの反射膜が溶けだし、反射膜がすべて溶けて消
失され、よって保護層31と記録層のある基板27とを
互いに分離することができる。
【0039】記録エリアのホログラムは基板に射出成型
されたものであるから、ホログラムの干渉縞が露出する
こととなり、これにNiスパッタリング、Niメッキを
施してスタンパを偽造することが可能であり、これを用
いてプリペイドカードを偽造できることとなる。図6の
構成によれば、反射膜の各領域29を隣接する他の反射
膜の領域29と連続させず独立としたことにより、苛性
ソーダに浸漬しても、反射膜のほとんどの領域29は露
出してないので、溶けだすことがなく、また、保護層3
1は記録エリア28の部分を除いては、ほとんどの部分
で基板27に密着又は接着されており、よって、保護層
31を基板27から分離することができない。なお、保
護層31を基板27から分離することをより困難とする
ためには、保護層31と基板27の材料を選定する際
に、両者が強く密着あるいは接着する性質のものを選定
することが好ましい。
【0040】次に本発明の第3実施形態について説明す
る。図14は本発明の光記録媒体の第3実施形態を基板
27側から見た平面図である。第3実施形態は次の点で
第2実施形態と異なる。すなわち、記録エリア28に対
し反射膜の各領域29が設けられているのみならず、記
録エリア28の設けられていない領域にも所定のパター
ンの反射膜の領域29A、29B、29C、29D、2
9Eが設けられている。この反射膜の領域もアルミなど
の金属をスパッタリングにより設けたものである。この
反射膜の領域は領域29Dに示すように数字や文字など
目視により判断できるものとすることができる他、CO
2 レーザやYAGレーザなどの高出力レーザビームを用
いて微細なパターンを形成することができる。数字や文
字などを表示する場合は、プリペイドカードの有効期限
その他の使用制限情報を記載しておくことができ、また
微細なパターンを形成する場合は、特殊な図形や模様な
どを記載しておくことにより偽造媒体と真正媒体との目
視判断が容易となる。
【0041】上記第2実施形態及び第3実施形態の光記
録媒体は図7の断面図から明らかなように、反射膜の各
領域29が基板27の記録エリア28と保護層31の間
に設けられている。しかし反射膜が極めて薄く、かつ記
録エリア28に密着して形成されると、反射膜自体にホ
ログラムの凹凸が映し出される。この場合、ホログラム
の情報を読み取るには、保護層31側から光ビームを照
射してその反射光を読み取る方法と、基板27側から光
ビームを照射してその反射光を読み取る方法との双方が
可能となる。ところが、不正使用に対処するには、図1
5に示すように、保護層31側ではなく、基板27側か
ら光ビームを照射して、その反射光を読み取る必要があ
る。以下この点について説明する。
【0042】図15はリーダにてホログラムの情報を読
み取る状態を模式的に示しており、レーザダイオード4
5から出たレーザビームはレンズ46、ハーフミラー4
7を介して記録エリア28とその背後の反射膜の領域2
9に照射され、反射光がCCDなどの撮像素子48で受
光され、2次元画像として認識される。一般に光記録媒
体からの情報の読取りには、光ビームの検出方法によ
り、透過型と反射型があるが、今、透過型のホログラム
によるプリペイドカードがあるとして、その不正使用の
可能性について検討する。図16は通常の透過型の再生
系を示しており、これに対し不正使用者は、保護層31
の上に薄いダミーシート35を貼り、図17の状態とす
ることが考えられる。
【0043】プリペイドカードはその使用による課金
を、所定の金額情報の記録部分を物理的に破壊すること
により残高を減額して行っている。本発明による光記録
媒体では、ホログラムの記録されている記録エリア28
を破壊することとなる。金額情報の記録部分の物理的破
壊の手法としては、図18ないし図22に示すように、
サーマルヘッドによる熱的破壊、レーザビームによる破
壊、ドットインパクトヘッドによる機械的変形による破
壊、ドリルビットによる貫通又は穴あけ破壊、ポンチを
ダイスにプレスする打ち抜き破壊などがある。このう
ち、レーザビームによる破壊(図19)、ドリルビット
による貫通又は穴あけ破壊(図21)、ポンチをダイス
にプレスする打ち抜き破壊(図22)が効果的である
が、レーザビームによる破壊は高出力が必要で高価であ
り、ドリルビットによる貫通又は穴あけ破壊や、ポンチ
をダイスにプレスする打ち抜き破壊は発生するゴミの対
策が必要でありあまり現実的ではない。そこで、サーマ
ルヘッドによる熱的破壊(図18)又は、ドットインパ
クトヘッドによる機械的変形による破壊(図20)が実
用的であることとなる。
【0044】今、サーマルヘッドによる熱的破壊(図1
8)又は、ドットインパクトヘッドによる機械的変形に
よる破壊(図20)が採用されているものとして、図1
7のダミーシート35を貼った透過型のプリペイドカー
ドが使用されたとする。この場合、ホログラムのデータ
は撮像素子48により正確に読み取られ、真正なプリペ
イドカードとして使用され、その後課金時に熱的破壊又
は機械的変形による破壊の段階となるが、ダミーシート
35を介して熱又は圧力が印加されるため、熱的破壊又
は機械的変形による破壊はダミーシート35に止まり、
ホログラムの記録されている記録エリア28には及ばな
い。この破壊の段階で、破壊が正常に行われたか否かの
判断は、撮像素子48による画像を用いるが、ダミーシ
ート35は熱的又は機械的変形を受けているため、この
部分が不透過部35Aとなり、正常な2次元パターンが
得られず、よってホログラムの破壊が完了したものと認
識されてしまう。したがって、不正使用者は、破壊され
たダミーシート35を剥がして、新しいダミーシートを
貼ることにより、ホログラムの記録された記録エリア2
8の実際の破壊を受けることなく、何回でも繰り返しプ
リペイドカード26を違法に使用することができてしま
う。
【0045】図17の例は透過型の場合であったが、反
射型であっても、反射膜を記録エリア28より記録媒体
側、すなわち保護層の反対側に配置し、保護層側からホ
ログラムデータを読み取ろうとすると、同様に保護層の
上にダミーシート35を貼ることにより、記録エリア2
8の破壊の代わりにダミーシート35が破壊され、あた
かも記録エリア28が破壊されたものと認識されてしま
う。
【0046】そこで、本発明では反射型を採用するとと
もに、反射膜の領域29を基板27の記録層と保護層3
1の間に設けることにより、保護層31側ではなく、基
板27側から光ビームを照射して、その反射光を基板2
7側からのみ取り出す構成としている。かかる構成のプ
リペイドカードに対し、不正使用者が保護層31の上に
ダミーシート35を貼った場合、確かにダミーシート3
5が熱的破壊又は機械的破壊を受け、ホログラムの記録
されている記録エリア28の破壊は免れるが、ホログラ
ムの検出は基板27側から行っているので、上記ダミー
シート35の破壊後も、正常な2次元パターンが撮像素
子48により得られ、よって記録エリア28の破壊が完
了したとは認識されず、不正なプリペイドカードとし
て、使用不可などの処理をすることが可能である。
【0047】次に本発明の光記録媒体の第4実施形態に
ついて説明する。これまで説明した各実施形態では、記
録エリア28には全て反射膜の領域29が設けられ、光
記録媒体としては、完全に反射型のものであった。第4
実施形態では、図23に示されるように記録エリア28
の全てに反射膜の領域29を設けるのではなく、複数の
記録エリア28の一部の記録エリア28Aについては反
射膜の領域を設けず、透過型としている。換言すれば、
反射型と透過型を組み合わせた構成となっている。な
お、図23では記録エリア28が1列のみ示されている
が、図6と同様に複数の列として構成することができ
る。また、図14のように記録エリア28の設けられて
いない領域にも所定のパターンの反射膜の領域を設ける
ことができる。
【0048】図24と図25は図23に示した第4実施
形態の光記録媒体26Aからホログラムのデータを読み
出すための構成を模式的に示す図である。図24と図2
5では光記録媒体26Aが断面図で示されているが、反
射膜が設けられている部分については、第2実施形態及
び第3実施形態同様、反射膜の領域29が基板27の記
録層と保護層31の間に設けられている。
【0049】図24は、複数の記録エリア28のうち反
射膜の領域29が設けられているものから記録データを
読み出すときの手法を示すものである。データの読み出
しには基板27側のレーザダイオード45からの光ビー
ムをレンズ46、ハーフミラー47を介してプリペイド
カード26の基板27側から記録エリア28に照射し、
記録エリア28とその背後の反射膜の領域29からの反
射光を撮像素子48にて受光する。図25は、反射膜の
領域29が設けられていない記録エリア28Aから記録
データを読み出すときの手法を示すものである。図24
の状態から、プリペイドカード26を図中左右方向に移
動し、記録エリア28Aが読取位置に来るよう制御す
る。データの読み出しには保護層31側のレーザダイオ
ード50からの光ビームをレンズ51を介してプリペイ
ドカード26の保護層31側から記録エリア28Aに照
射し、記録エリア28Aを透過した透過光を撮像素子4
8にて受光する。
【0050】上記第4実施形態は反射型と透過型の記録
エリアを混在させているので、第2実施形態及び第3実
施形態と比較して次の特徴がある。すなわち、反射型と
透過型を有しているので、読み取り装置の構成はやや複
雑となるが、透過型部分は反射膜が設けられていないの
で、保護層31の樹脂が直接ホログラムの凹凸のある記
録エリア28Aに入り込んでおり、微細な縞模様の中に
樹脂が入り組んで硬化しているので、偽造を図る者が何
等かの方法で保護層を除去してホログラムのパターンを
コピーしようとしても、微細な凹凸の中に入り込んだ保
護層の樹脂を除去することは困難であり、第2実施形
態、第3実施形態よりさらに偽造が困難である。なお、
ホログラムにおける凹凸の段差は、使用する光の波長な
どにより決定されるが、透過型か反射型かにより本来段
差が2倍異なる。したがって、透過型の記録エリア28
Aにおける段差を反射型のものから変更して設けるよう
にすることもできる。一方、かかる手当をせず、透過型
であっても反射型と同じ段差とすると、透過型では回折
光の効率が低くなるので、撮像素子48の出力信号の読
取りのスレッショルドを下げるなど、透過型部分の感度
を向上させることで対処することができる。
【0051】上記各実施形態では、少なくとも2つ以上
の反射膜の領域29が設けられ、それらが連続せず、独
立していることにより苛性ソーダ溶液に浸漬しても容易
に反射膜が溶けることがないようにしているが、反射膜
が単一であったとしても、その端部が光記録媒体の側面
又はその他の場所で外部に露出していなければ、苛性ソ
ーダ溶液に浸漬しても容易に反射膜が溶けることがな
い。よって、光記録媒体の偽造防止の簡易な構成として
は、反射膜が外部に露出することのないよう保護層31
と基板27が光記録媒体の全周にわたって密着して構成
とすることができる。
【0052】上記実施の形態では、組合せ符号の1と0
に対応してホログラムパターンの消去・非消去部分を設
けているが、前述のバーガー符号と組み合わせて用いる
こともできる。すなわち、記録すべき項目毎に組合せ符
号とバーガー符号を使い分けるようにすることができ
る。なお、バーガー符号では、主情報を0と1の2進符
号の情報ビットで表したとき、情報ビット中の0のビッ
ト数を2進符号で表した検査ビットを情報ビットと共に
1と0又はその逆が、ホログラムパターンの記録部(非
消去)2Aと消去部2Bに対応するよう光記録媒体が形
成される。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、所
定情報をホログラムパターンとして電子ビームにより記
録し、その後、記録すべき情報を組合せ符号の1と0ま
たはその逆がホログラムパターンの記録部と消去部に対
応するように、ホログラムパターンの記録部と消去部が
設けられた形の光記録媒体が製造されるので、従来の光
記録媒体の製造に用いられるレーザビームによる描画と
比較すると、極めて繊細かつ緻密なパターンを描画する
ことが可能であり、これを複製して偽造品を製造するに
は極めて多大のコストを要するので、実際に複製を製造
することが困難であり、かつ、改ざんすれば、0の数に
変更をきたして容易に改ざんが判明する。また、ある時
点でカードが盗まれ改ざんされても、1つ前の過程に戻
ることができないので、どの時点で不正があったかが特
定できる。また、それぞれの過程の記録前に、偽造カー
ドか正規のカードであるか、ホログラム画像を検査し、
かつ、改ざんカードか正規のカードであるか否かを検査
した後に、記録を行うことができるので、不正に対する
検査が厳しくできる。さらに、反射膜が記録エリアの各
々又は複数に対面する領域を複数有し、かつ個々の記録
エリアの2次元画像領域の全体を覆うよう配置され、か
つ反射膜の各領域は隣り合う反射膜の領域と連続せず独
立しているか、あるいは反射膜が外部に露出することの
ないよう保護層と基板が前記光記録媒体の全周にわたっ
て密着する構造としておけば、反射膜を溶解させてホロ
グラムの凹凸面を露出させて偽造を図ることが困難であ
る。万が一、偽造できたとしても、同じ生産番号(PS
N)しか製造できないので、容易に不正が判明可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光記録媒体の第1の実施形態の平
面図である。
【図2】本発明で用いる組合せ符号の2つの例の説明図
である。
【図3】本発明における情報の書き込みの際のホログラ
ムパターンの非消去と消去の様子を示す光記録媒体の断
面図である。
【図4】本発明に係る光記録媒体からホログラムパター
ンを読み取る装置を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る光記録媒体の製造から利用までの
過程を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る光記録媒体の第2実施形態の基板
側から見た平面図である。
【図7】図6の光記録媒体のII−II線での断面図であ
る。
【図8】本発明に係る光記録媒体を製造する工程の一例
を模式的に示すブロック図である。
【図9】2次元画像からホログラムの干渉縞パターンを
得る手順を示す図である。
【図10】本発明に係る光記録媒体の製造工程の一例を
示す断面図である。
【図11】本発明に係る光記録媒体の製造工程の他の例
を示す断面図である。
【図12】本発明に係る光記録媒体の製造工程の他の例
を示す断面図である。
【図13】本発明に係る光記録媒体の記録エリアの他の
構成を示す図である。
【図14】本発明に係る光記録媒体の第3実施形態の基
板側から見た平面図である。
【図15】本発明の第2実施形態及び第3実施形態の光
記録媒体から記録データを読み出すための構成を示す図
である。
【図16】透過型の光記録媒体からデータを読む通常の
透過型の再生系を示す図である。
【図17】不正使用者により保護層の上に薄いダミーシ
ートを貼った透過型の光記録媒体からデータを読む通常
の透過型の再生系を示す図である。
【図18】サーマルヘッドによる熱的破壊を示す模式図
である。
【図19】レーザビームによる破壊を示す模式図であ
る。
【図20】ドットインパクトヘッドによる機械的変形に
よる破壊を示す模式図である。
【図21】ドリルビットによる貫通又は穴あけ破壊を示
す模式図である。
【図22】ポンチをダイスにプレスする打ち抜き破壊を
示す模式図である。
【図23】本発明に係る光記録媒体の第4実施形態の基
板側から見た平面図である。
【図24】第4実施形態における反射型記録エリアから
のデータ読み出しの構成を示す模式図である。
【図25】第4実施形態における透過型記録エリアから
のデータ読み出しの構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1、26、26A 光記録媒体 2 ホログラムパターン 2A ホログラムパターンの非消去部(記録部) 2B ホログラムパターンの消去部 3 サーマルヘッド(消去する手段) 4 レーザダイオード(レーザビームを照射する手段) 5 撮像素子(ホログラムパターンを検出する手段) 6 ホログラムパターンの画像 10 画像信号化回路 12 スイッチ 14 数値演算装置 16 エンコーダ 18 電子ビーム露光装置 20 1次記録媒体 22 ステッパ 24 光記録媒体(光ディスク)製造工程 27 基板 28、28A、44a、44b、44c、44d 記録
エリア 29、29A、29B、29C、29D、29E 反射
膜の領域 30 基板 31 保護層 32 フォトレジスト(被露光媒体) 34 電子ビーム 36 金属メッキ層 36A スタンパ 38 プレス部材 40 PC樹脂 40A 光記録媒体本体 42 プレス基台 45、50 レーザダイオード 46、51 レンズ 47 ハーフミラー 48 撮像素子 IN1、IN2 入力端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K008 AA13 BB08 CC01 CC03 DD03 EE04 GG05 HH01 HH28 5B072 BB00 CC35 5D090 AA03 BB03 CC06 CC14 DD01 EE20 GG11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録すべき情報を表わす0と1の2進符
    号からなる組合せ符号の0と1又はその逆がホログラム
    パターンの記録部と消去部にそれぞれ対応するように、
    ホログラムパターンの記録部と消去部が設けられて記録
    された光記録媒体。
  2. 【請求項2】 あらかじめ複数のホログラムパターンが
    配列されている光記録媒体に対し、記録すべき情報を0
    と1の2進符号からなる組合せ符号として記録するため
    に、前記ホログラムパターンの記録部中、前記組合せ符
    号の0又は1に対応する前記ホログラムパターンをその
    ままとし、1又は0に対応する前記ホログラムパターン
    を消去する手段を有する光記録媒体書き込み装置。
  3. 【請求項3】 ホログラムパターンを配列して記録する
    ことが可能な光記録媒体に対し、前記ホログラムパター
    ンを記録する手段と、 記録すべき情報を0と1の2進符号からなる組合せ符号
    として記録するために、前記組合せ符号の0又は1に対
    応する前記ホログラムパターンをそのままとし、1又は
    0に対応する前記ホログラムパターンを消去する手段と
    を、 有する光記録媒体書き込み装置。
  4. 【請求項4】 あらかじめ記録されたホログラムパター
    ンを組合せ符号としての2進符号の0又は1に応じて選
    択的に消去して前記2進符号が記録された光記録媒体に
    レーザビームを照射する手段と、 前記照射されたレーザビームにより再生されるホログラ
    ムパターンを検出する手段と、 前記検出する手段の出力信号に応じて前記ホログラムパ
    ターンの有無に応じて2進符号を生成する手段とを、 有する光記録媒体読み取り装置。
  5. 【請求項5】 前記2進符号を生成する手段の生成する
    2進符号を分析し、情報ビットの0又は1の数がすべて
    の情報について同一であるか、あるいは少なくとも同一
    種類の情報について同一であるか否かを判断する判断手
    段をさらに有することを特徴とする請求項4記載の光記
    録媒体読み取り装置。
  6. 【請求項6】 基板と、前記基板に形成された記録層に
    複数の記録エリアと反射膜と保護層を有する光記録媒体
    において、 前記記録エリアの各々が、記録すべき2次元画像に対応
    するホログラムの干渉縞を電子ビームにて描画して得た
    ものを複製したものに対し主情報を0と1の2進符号の
    情報ビットで表したとき、記録すべき情報を表わす0と
    1の2進符号からなる組合せ符号の0と1又はその逆が
    ホログラムパターンの記録部と消去部に対応するよう
    に、ホログラムパターンの記録部と消去部が設けられて
    記録されたものであり、 前記反射膜が前記記録エリアの複数に対面する領域を有
    し、かつ前記反射膜が外部に露出することのないよう前
    記保護層と前記基板の間に位置し、かつ前記保護層と前
    記基板が前記光記録媒体の全周にわたって密着している
    ことを特徴とする光記録媒体。
JP10303371A 1998-10-09 1998-10-09 光記録媒体及び光記録媒体書き込み・読み取り装置 Withdrawn JP2000123109A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101405753B (zh) * 2005-12-19 2012-07-11 国际先端技术综合研究所株式会社 能够由全息图芯片进行真伪判别的卡

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