JP2000109536A - 軟質ポリウレタン発泡体並びにそれを用いた車両用内装材 - Google Patents
軟質ポリウレタン発泡体並びにそれを用いた車両用内装材Info
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- JP2000109536A JP2000109536A JP10286825A JP28682598A JP2000109536A JP 2000109536 A JP2000109536 A JP 2000109536A JP 10286825 A JP10286825 A JP 10286825A JP 28682598 A JP28682598 A JP 28682598A JP 2000109536 A JP2000109536 A JP 2000109536A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い衝撃吸収性能を有すると共に、樹脂温度
が低下した場合にも、フィーリング乃至は触感が悪化し
ない、軟質ポリウレタン発泡体の提供。 【解決手段】 有機ポリイソシアネート成分とポリオー
ル成分とを反応、発泡せしめて得られる、反撥弾性率が
30%以下で、−20℃における25%圧縮荷重値と+
20℃における25%圧縮荷重値との差にて表わされる
圧縮荷重の温度依存性が0.030kg/cm2 以下で
ある軟質ポリウレタン発泡体が、前記ポリオール成分と
して、平均官能基数が2〜8であり、ヒドロキシル当量
が900〜3300であるポリオキシアルキレンポリオ
ールを用い、且つ前記反応系に、ノニルフェノールやそ
れにエチレンオキシドを付加重合したモノオール系化合
物を、ポリオール成分の100gに対して0.005〜
0.1モルの割合で存在せしめることにより、形成され
る。
が低下した場合にも、フィーリング乃至は触感が悪化し
ない、軟質ポリウレタン発泡体の提供。 【解決手段】 有機ポリイソシアネート成分とポリオー
ル成分とを反応、発泡せしめて得られる、反撥弾性率が
30%以下で、−20℃における25%圧縮荷重値と+
20℃における25%圧縮荷重値との差にて表わされる
圧縮荷重の温度依存性が0.030kg/cm2 以下で
ある軟質ポリウレタン発泡体が、前記ポリオール成分と
して、平均官能基数が2〜8であり、ヒドロキシル当量
が900〜3300であるポリオキシアルキレンポリオ
ールを用い、且つ前記反応系に、ノニルフェノールやそ
れにエチレンオキシドを付加重合したモノオール系化合
物を、ポリオール成分の100gに対して0.005〜
0.1モルの割合で存在せしめることにより、形成され
る。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、軟質ポリウレタン発泡体、特
に、自動車等の車両用内装材として好適に使用される軟
質ポリウレタン発泡体、並びに、そのような軟質ポリウ
レタン発泡体を用いた車両用内装材、中でも、乗員をむ
ち打ち症から効果的に保護し得る衝撃吸収ヘッドレスト
や、乗員の背部を支持し、良好な衝撃吸収特性を発揮す
る車両用シートにおけるシートバックに関するものであ
る。
に、自動車等の車両用内装材として好適に使用される軟
質ポリウレタン発泡体、並びに、そのような軟質ポリウ
レタン発泡体を用いた車両用内装材、中でも、乗員をむ
ち打ち症から効果的に保護し得る衝撃吸収ヘッドレスト
や、乗員の背部を支持し、良好な衝撃吸収特性を発揮す
る車両用シートにおけるシートバックに関するものであ
る。
【0002】
【背景技術】従来から、軟質ポリウレタン発泡体は、そ
の高い反撥弾性特性から、車両用クッション、ヘッドレ
スト、インストルメントパネル(計器盤)、ステアリン
グホイール(ハンドル)、家具、寝具等の幅広い分野に
おいて用いられているが、その使用目的や使用部位によ
り、要求される性能も様々となっている。特に、車両用
ヘッドレストに使用される軟質ポリウレタン発泡体に
は、クッション材と同等のフィーリングを付与するため
に、高い反撥弾性特性と適度な硬度が要求されている。
の高い反撥弾性特性から、車両用クッション、ヘッドレ
スト、インストルメントパネル(計器盤)、ステアリン
グホイール(ハンドル)、家具、寝具等の幅広い分野に
おいて用いられているが、その使用目的や使用部位によ
り、要求される性能も様々となっている。特に、車両用
ヘッドレストに使用される軟質ポリウレタン発泡体に
は、クッション材と同等のフィーリングを付与するため
に、高い反撥弾性特性と適度な硬度が要求されている。
【0003】一方、近年、車両衝突時における安全性の
向上、特に乗員(人体)保護の見地から、自動車には、
種々の衝撃吸収装置が設けられてきている。例えば、エ
アバッグが、ハンドル、インストルメントパネル或いは
ドアに内蔵されたり、また特開平8−193118号公
報に開示されているような硬質のポリウレタンフォーム
を用いて、それを自動車のドア内部やシートにおけるシ
ートバックのドア側サイド部に内蔵して、外部から加わ
る衝突エネルギーを吸収せしめ、乗員の腰、肩及び腹部
を保護する試みも為されている。
向上、特に乗員(人体)保護の見地から、自動車には、
種々の衝撃吸収装置が設けられてきている。例えば、エ
アバッグが、ハンドル、インストルメントパネル或いは
ドアに内蔵されたり、また特開平8−193118号公
報に開示されているような硬質のポリウレタンフォーム
を用いて、それを自動車のドア内部やシートにおけるシ
ートバックのドア側サイド部に内蔵して、外部から加わ
る衝突エネルギーを吸収せしめ、乗員の腰、肩及び腹部
を保護する試みも為されている。
【0004】而して、硬質ポリウレタン発泡体は、一度
応力を加えて変形させると、元の形状には復元しないこ
とから、車両内で使用される部位は、必然的に限定さ
れ、乗員が頻繁に触れて応力が加わる部位の材料として
は不適当であり、そのため、ヘッドレスト、シートバッ
ク、インストルメントパネル、ハンドル、ドアトリム、
ピラーの室内側部材等には、使用困難なものであったの
である。
応力を加えて変形させると、元の形状には復元しないこ
とから、車両内で使用される部位は、必然的に限定さ
れ、乗員が頻繁に触れて応力が加わる部位の材料として
は不適当であり、そのため、ヘッドレスト、シートバッ
ク、インストルメントパネル、ハンドル、ドアトリム、
ピラーの室内側部材等には、使用困難なものであったの
である。
【0005】また、最近になって、シートクッションの
座り心地性の向上等の目的から、特開平2−52607
号公報や特開平1−280413号公報には、反撥弾性
率が25%以下の低反撥弾性特性の軟質ポリウレタン発
泡体と、反撥弾性率が55%以上の高反撥弾性特性の軟
質ポリウレタン発泡体とを組み合わせてなる構造のシー
トクッションが明らかにされ、更に、特開平7−677
57号公報には、反撥弾性率が5%以下の軟質ポリウレ
タン発泡体を枕の芯材として用いることによって、就寝
時の頭部を安定した状態に保つ技術が明らかにされてい
る。更にまた、特開平2−175713号公報には、平
均分子量が400〜2000、平均官能基数が2〜3.
5のポリエーテルポリオールを用いることにより、反撥
弾性率が25%以下の低反撥弾性特性の軟質ポリウレタ
ン発泡体を製造する方法が、開示されている。
座り心地性の向上等の目的から、特開平2−52607
号公報や特開平1−280413号公報には、反撥弾性
率が25%以下の低反撥弾性特性の軟質ポリウレタン発
泡体と、反撥弾性率が55%以上の高反撥弾性特性の軟
質ポリウレタン発泡体とを組み合わせてなる構造のシー
トクッションが明らかにされ、更に、特開平7−677
57号公報には、反撥弾性率が5%以下の軟質ポリウレ
タン発泡体を枕の芯材として用いることによって、就寝
時の頭部を安定した状態に保つ技術が明らかにされてい
る。更にまた、特開平2−175713号公報には、平
均分子量が400〜2000、平均官能基数が2〜3.
5のポリエーテルポリオールを用いることにより、反撥
弾性率が25%以下の低反撥弾性特性の軟質ポリウレタ
ン発泡体を製造する方法が、開示されている。
【0006】そして、このような低反撥弾性特性の軟質
ポリウレタン発泡体を用いた車両用内装材にあっては、
その低い反撥弾性特性によって、衝撃吸収性能が付与さ
れ得ることとなるのであり、またフィーリングも良好で
あって、圧縮変形後の形状復元性も有するところから、
そのような軟質ポリウレタン発泡体は、硬質ポリウレタ
ン発泡体が適用不可能であった衝撃吸収用内装材の構成
材料として、利用可能となったのである。
ポリウレタン発泡体を用いた車両用内装材にあっては、
その低い反撥弾性特性によって、衝撃吸収性能が付与さ
れ得ることとなるのであり、またフィーリングも良好で
あって、圧縮変形後の形状復元性も有するところから、
そのような軟質ポリウレタン発泡体は、硬質ポリウレタ
ン発泡体が適用不可能であった衝撃吸収用内装材の構成
材料として、利用可能となったのである。
【0007】しかしながら、従来から提案されている低
反撥弾性特性の軟質ポリウレタン発泡体は、環境温度が
低下すると、かかる発泡体を構成する樹脂硬度が急激に
上昇して、最早、軟質ポリウレタン発泡体とは言い難い
程の硬い発泡体になってしまい、軟質ポリウレタン発泡
体としての優れた特性を発揮することが出来なくなる問
題があった。例えば、低反撥弾性特性の軟質ポリウレタ
ン発泡体を、車両用ヘッドレストにおけるパッド材とし
て使用した場合において、それは、室温付近(10〜3
0℃)では柔らかく、フィーリング(触感)も良好であ
るのであるが、寒冷下(0〜−20℃)では、硬質ポリ
ウレタン発泡体並の硬度となり、そのために、衝撃吸収
特性や形状復元性が悪化すると共に、フィーリング乃至
は触感が著しく悪化してしまう問題があったのである。
反撥弾性特性の軟質ポリウレタン発泡体は、環境温度が
低下すると、かかる発泡体を構成する樹脂硬度が急激に
上昇して、最早、軟質ポリウレタン発泡体とは言い難い
程の硬い発泡体になってしまい、軟質ポリウレタン発泡
体としての優れた特性を発揮することが出来なくなる問
題があった。例えば、低反撥弾性特性の軟質ポリウレタ
ン発泡体を、車両用ヘッドレストにおけるパッド材とし
て使用した場合において、それは、室温付近(10〜3
0℃)では柔らかく、フィーリング(触感)も良好であ
るのであるが、寒冷下(0〜−20℃)では、硬質ポリ
ウレタン発泡体並の硬度となり、そのために、衝撃吸収
特性や形状復元性が悪化すると共に、フィーリング乃至
は触感が著しく悪化してしまう問題があったのである。
【0008】一方、ポリウレタン発泡体の製造に際し
て、モノオールを使用することは、公知である。例え
ば、特開昭52−21097号公報、特開平2−163
112号公報、特開平3−109412号公報、特開平
4−146916号公報、特開平5−202161号公
報、特開平5−287047号公報等においては、軟質
ポリウレタン発泡体の製造に際して、その反応系にモノ
オールを存在せしめることにより、得られる軟質ポリウ
レタン発泡体をソフト化、軽量化し、またスコーチを防
止することが出来ることが明らかにされている。また、
特開昭60−177035号公報、特開平3−1850
18号公報、特開平7−18045号公報においては、
モノオールを使用して、ウレタン化反応に際しての原材
料の粘度上昇を抑え、その混合性を改良することが明ら
かにされている。更に、特開昭56−36514号公
報、特開昭60−219220号公報、特開昭62−2
38256号公報、特開平2−199111号公報、特
開平5−84858号公報等においては、モノオールの
使用により、脱型時の収縮防止、機械強度向上、貯蔵安
定性改良、低周波数の防音性向上等が図られている。し
かし、これらの公知技術は、何れも、室温下及び寒冷下
の低反撥弾性特性と優れたフィーリングを有した軟質ポ
リウレタン発泡体を得ることについて、更にはそれら軟
質ポリウレタン発泡体を衝撃吸収材として有利に使用し
得ることについて、何等の開示も、示唆も為してはいな
い。
て、モノオールを使用することは、公知である。例え
ば、特開昭52−21097号公報、特開平2−163
112号公報、特開平3−109412号公報、特開平
4−146916号公報、特開平5−202161号公
報、特開平5−287047号公報等においては、軟質
ポリウレタン発泡体の製造に際して、その反応系にモノ
オールを存在せしめることにより、得られる軟質ポリウ
レタン発泡体をソフト化、軽量化し、またスコーチを防
止することが出来ることが明らかにされている。また、
特開昭60−177035号公報、特開平3−1850
18号公報、特開平7−18045号公報においては、
モノオールを使用して、ウレタン化反応に際しての原材
料の粘度上昇を抑え、その混合性を改良することが明ら
かにされている。更に、特開昭56−36514号公
報、特開昭60−219220号公報、特開昭62−2
38256号公報、特開平2−199111号公報、特
開平5−84858号公報等においては、モノオールの
使用により、脱型時の収縮防止、機械強度向上、貯蔵安
定性改良、低周波数の防音性向上等が図られている。し
かし、これらの公知技術は、何れも、室温下及び寒冷下
の低反撥弾性特性と優れたフィーリングを有した軟質ポ
リウレタン発泡体を得ることについて、更にはそれら軟
質ポリウレタン発泡体を衝撃吸収材として有利に使用し
得ることについて、何等の開示も、示唆も為してはいな
い。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、室温付近においても、また寒冷下においても、
高い衝撃吸収性能を有すると共に、フィーリング乃至は
触感が悪化しない、有用な軟質ポリウレタン発泡体を提
供することにあり、また、そのような軟質ポリウレタン
発泡体を用いた、優れた衝撃吸収性能を有する、柔らか
な車両用内装材、特に乗員をむち打ち症から効果的に保
護し得る衝撃吸収ヘッドレストや、乗員の背部を効果的
に支持する衝撃吸収シートバックを提供することにもあ
る。
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、室温付近においても、また寒冷下においても、
高い衝撃吸収性能を有すると共に、フィーリング乃至は
触感が悪化しない、有用な軟質ポリウレタン発泡体を提
供することにあり、また、そのような軟質ポリウレタン
発泡体を用いた、優れた衝撃吸収性能を有する、柔らか
な車両用内装材、特に乗員をむち打ち症から効果的に保
護し得る衝撃吸収ヘッドレストや、乗員の背部を効果的
に支持する衝撃吸収シートバックを提供することにもあ
る。
【0010】
【解決手段】そして、本発明者らは、上述の如き課題を
解決するために、軟質ポリウレタン発泡体について種々
検討した結果、発泡体のフィーリング乃至は触感の変化
が、その硬度の温度依存性にて影響を受け、更には硬度
の温度依存性が、25%圧縮荷重値にて求められる圧縮
荷重の温度依存性に関係する事実を見出すと共に、その
ような軟質ポリウレタン発泡体が、特定のポリオール成
分を用いると共に、特定のモノオール系化合物の存在下
におけるポリウレタン化反応によって、効果的に形成し
得る事実を見出し、本発明に到達したのである。
解決するために、軟質ポリウレタン発泡体について種々
検討した結果、発泡体のフィーリング乃至は触感の変化
が、その硬度の温度依存性にて影響を受け、更には硬度
の温度依存性が、25%圧縮荷重値にて求められる圧縮
荷重の温度依存性に関係する事実を見出すと共に、その
ような軟質ポリウレタン発泡体が、特定のポリオール成
分を用いると共に、特定のモノオール系化合物の存在下
におけるポリウレタン化反応によって、効果的に形成し
得る事実を見出し、本発明に到達したのである。
【0011】すなわち、本発明は、そのような知見に基
づいて完成されたものであって、その要旨とするところ
は、有機ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを
反応、発泡せしめて得られる、反撥弾性率が30%以下
で、−20℃における25%圧縮荷重値と+20℃にお
ける25%圧縮荷重値との差にて表わされる圧縮荷重の
温度依存性が0.030kg/cm2 以下である軟質ポ
リウレタン発泡体にして、前記ポリオール成分として、
平均官能基数が2〜8であり、ヒドロキシル当量が90
0〜3300であるポリオキシアルキレンポリオールが
用いられ、且つ前記反応系に、下記化2にて示される化
合物が、ポリオール成分の100gに対して0.005
〜0.1モルの割合で存在せしめられたことを特徴とす
る軟質ポリウレタン発泡体にある。
づいて完成されたものであって、その要旨とするところ
は、有機ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを
反応、発泡せしめて得られる、反撥弾性率が30%以下
で、−20℃における25%圧縮荷重値と+20℃にお
ける25%圧縮荷重値との差にて表わされる圧縮荷重の
温度依存性が0.030kg/cm2 以下である軟質ポ
リウレタン発泡体にして、前記ポリオール成分として、
平均官能基数が2〜8であり、ヒドロキシル当量が90
0〜3300であるポリオキシアルキレンポリオールが
用いられ、且つ前記反応系に、下記化2にて示される化
合物が、ポリオール成分の100gに対して0.005
〜0.1モルの割合で存在せしめられたことを特徴とす
る軟質ポリウレタン発泡体にある。
【化2】 (但し、上記化2において、nは0または1〜20の整
数を表わし、またx及びyは、それぞれ独立して、0ま
たは1〜20の整数を表わし、且つxとyの合計が0〜
20である。)
数を表わし、またx及びyは、それぞれ独立して、0ま
たは1〜20の整数を表わし、且つxとyの合計が0〜
20である。)
【0012】このような、本発明に従う軟質ポリウレタ
ン発泡体にあっては、特定のポリオール成分と特定のモ
ノオール系化合物の使用によって有利に実現される、反
撥弾性率が30%以下という低い反撥弾性特性によっ
て、高い衝撃吸収性能を発揮すると共に、圧縮荷重の温
度依存性が0.030kg/cm2 以下とされているこ
とによって、硬度の温度依存性が小さくなり、従って室
温付近での樹脂硬度と寒冷下における樹脂硬度の差が小
さくなるために、樹脂温度が低下した場合にも、発泡体
自体のフィーリング(触感)が悪化しない軟質ポリウレ
タン発泡体としての有効な機能を発揮し得るのである。
ン発泡体にあっては、特定のポリオール成分と特定のモ
ノオール系化合物の使用によって有利に実現される、反
撥弾性率が30%以下という低い反撥弾性特性によっ
て、高い衝撃吸収性能を発揮すると共に、圧縮荷重の温
度依存性が0.030kg/cm2 以下とされているこ
とによって、硬度の温度依存性が小さくなり、従って室
温付近での樹脂硬度と寒冷下における樹脂硬度の差が小
さくなるために、樹脂温度が低下した場合にも、発泡体
自体のフィーリング(触感)が悪化しない軟質ポリウレ
タン発泡体としての有効な機能を発揮し得るのである。
【0013】なお、かかる本発明に従う軟質ポリウレタ
ン発泡体において、有利には、上記化2にて示される特
性のモノオール系化合物におけるnは、0または1〜9
の整数であり、またx及びyは、それぞれ独立して、0
または1〜10の整数であり、且つxとyの合計が0〜
10であることが望ましく、また、前記化2にて示され
る化合物は、ノニルフェノール、またはノニルフェノー
ルに1〜10モルのエチレンオキシドを付加重合せしめ
てなる化合物であることが望ましく、更には、前記発泡
が、発泡剤としての水を前記反応系に存在せしめること
により、行なわれたものであることが望ましい。
ン発泡体において、有利には、上記化2にて示される特
性のモノオール系化合物におけるnは、0または1〜9
の整数であり、またx及びyは、それぞれ独立して、0
または1〜10の整数であり、且つxとyの合計が0〜
10であることが望ましく、また、前記化2にて示され
る化合物は、ノニルフェノール、またはノニルフェノー
ルに1〜10モルのエチレンオキシドを付加重合せしめ
てなる化合物であることが望ましく、更には、前記発泡
が、発泡剤としての水を前記反応系に存在せしめること
により、行なわれたものであることが望ましい。
【0014】また、この本発明に従う軟質ポリウレタン
発泡体の好ましい態様の一つによれば、それの−20℃
における25%圧縮荷重値及び+20℃における25%
圧縮荷重値は、何れも、0.110kg/cm2 以下で
あることが望ましく、これによって、寒冷下や室温付近
における有効なフィーリングが、有利に確保されること
となる。
発泡体の好ましい態様の一つによれば、それの−20℃
における25%圧縮荷重値及び+20℃における25%
圧縮荷重値は、何れも、0.110kg/cm2 以下で
あることが望ましく、これによって、寒冷下や室温付近
における有効なフィーリングが、有利に確保されること
となる。
【0015】さらに、本発明は、上述の如き軟質ポリウ
レタン発泡体を用いた車両用内装材をも、その要旨とす
るものであって、それは、表皮層の下に、外部からの衝
撃を吸収すべく配設されるパッド層の一部若しくは全体
を、上述の如き物性を有する軟質ポリウレタン発泡体に
て構成したことを特徴とするものであり、それによっ
て、高い衝撃吸収性能と優れたフィーリングが発揮され
ることとなる。
レタン発泡体を用いた車両用内装材をも、その要旨とす
るものであって、それは、表皮層の下に、外部からの衝
撃を吸収すべく配設されるパッド層の一部若しくは全体
を、上述の如き物性を有する軟質ポリウレタン発泡体に
て構成したことを特徴とするものであり、それによっ
て、高い衝撃吸収性能と優れたフィーリングが発揮され
ることとなる。
【0016】本発明は、そのような車両用内装材の中で
も、特に、車両用ヘッドレストを対象とするものであっ
て、それは、袋状の表皮と、該表皮内に配置された、該
表皮を貫通して外部に突出するステーを有する芯材と、
それら表皮と芯材との間に充填されるパッド材とを含む
車両用のヘッドレストにおいて、該パッド材の一部若し
くは全体を、上述の如き特性の軟質ポリウレタン発泡体
にて構成したことを特徴とするものであり、これによっ
て、追突事故等の場合に、乗員の頭部が衝突した衝撃を
吸収して、乗員をむち打ち症から効果的に保護し得るの
である。
も、特に、車両用ヘッドレストを対象とするものであっ
て、それは、袋状の表皮と、該表皮内に配置された、該
表皮を貫通して外部に突出するステーを有する芯材と、
それら表皮と芯材との間に充填されるパッド材とを含む
車両用のヘッドレストにおいて、該パッド材の一部若し
くは全体を、上述の如き特性の軟質ポリウレタン発泡体
にて構成したことを特徴とするものであり、これによっ
て、追突事故等の場合に、乗員の頭部が衝突した衝撃を
吸収して、乗員をむち打ち症から効果的に保護し得るの
である。
【0017】更にまた、本発明は、有利には、前記した
車両用内装材の中でも、車両用シートにおけるシートバ
ックを対象とするものであり、それは、シートバックカ
バーとシートバックフレームとの間に介装されるシート
バックパッドの一部若しくは全体を、前記した特性の軟
質ポリウレタン発泡体にて構成したことを特徴としてい
る。
車両用内装材の中でも、車両用シートにおけるシートバ
ックを対象とするものであり、それは、シートバックカ
バーとシートバックフレームとの間に介装されるシート
バックパッドの一部若しくは全体を、前記した特性の軟
質ポリウレタン発泡体にて構成したことを特徴としてい
る。
【0018】
【発明の実施の形態】ところで、本発明にて対象とする
軟質ポリウレタン発泡体は、外部荷重に対して自由に変
形し、荷重を除去すると元の形状に戻る、撓み性を有す
るものであって、本発明に係る軟質ポリウレタン発泡体
は、反撥弾性率が30%以下、好ましくは25%以下で
ある特性を有するものとされ、これによって、高い衝撃
吸収性能が付与されてなるものであるが、そのような反
撥弾性率は、ここでは、JIS−K−6401(199
7)に従って測定して得られた値が用いられることとな
る。そして、この反撥弾性率が30%を越えるようにな
ると、充分な衝突エネルギーの吸収が出来なくなってし
まうのである。
軟質ポリウレタン発泡体は、外部荷重に対して自由に変
形し、荷重を除去すると元の形状に戻る、撓み性を有す
るものであって、本発明に係る軟質ポリウレタン発泡体
は、反撥弾性率が30%以下、好ましくは25%以下で
ある特性を有するものとされ、これによって、高い衝撃
吸収性能が付与されてなるものであるが、そのような反
撥弾性率は、ここでは、JIS−K−6401(199
7)に従って測定して得られた値が用いられることとな
る。そして、この反撥弾性率が30%を越えるようにな
ると、充分な衝突エネルギーの吸収が出来なくなってし
まうのである。
【0019】また、本発明に従う軟質ポリウレタン発泡
体は、発泡体温度が−20℃における25%圧縮荷重値
と+20℃における25%圧縮荷重値との差にて表わさ
れる圧縮荷重の温度依存性〔Δ25%CFD=(−20
℃における25%圧縮荷重値)−(+20℃における2
5%圧縮荷重値)〕が0.030kg/cm2 以下の特
性を有するものとされ、これによって、硬度の温度依存
性を小さくして、樹脂温度が低下した場合にも、フィー
リングが悪化するようなこともないようになったのであ
る。なお、ここで、フィーリングとは、官能試験にて評
価されるものであって、発泡体を押圧した後、その押圧
力を解除したときの発泡体の復元状態において、その復
元が直ちに生じるものが、フィーリングがよいとされ、
一方、その復元にやや時間のかかるものが、フィーリン
グが悪いと評価される。また、上記の25%圧縮荷重値
は、ASTM−D−3574に準じて、所定の発泡体温
度(−20℃または+20℃)下において測定して得ら
れた数値である。即ち、低温時に荷重をかけると回復が
遅いところから、ここでは、各発泡体温度下において直
接その初高に対して25%圧縮を行ない、そのときの荷
重を25%圧縮荷重値とした。そして、それに基づいて
算出された圧縮荷重の温度依存性(Δ25%CFD)
が、0.030kg/cm2 を越えるようになると、樹
脂温度が低下した場合に、急激に硬度が上昇して、発泡
体のフィーリングが悪化してしまうこととなるのであ
る。従って、本発明における圧縮荷重の温度依存性(Δ
25%CFD)は、0.030kg/cm2 以下である
必要があり、好ましくは0.020kg/cm2 以下で
あることが望ましい。
体は、発泡体温度が−20℃における25%圧縮荷重値
と+20℃における25%圧縮荷重値との差にて表わさ
れる圧縮荷重の温度依存性〔Δ25%CFD=(−20
℃における25%圧縮荷重値)−(+20℃における2
5%圧縮荷重値)〕が0.030kg/cm2 以下の特
性を有するものとされ、これによって、硬度の温度依存
性を小さくして、樹脂温度が低下した場合にも、フィー
リングが悪化するようなこともないようになったのであ
る。なお、ここで、フィーリングとは、官能試験にて評
価されるものであって、発泡体を押圧した後、その押圧
力を解除したときの発泡体の復元状態において、その復
元が直ちに生じるものが、フィーリングがよいとされ、
一方、その復元にやや時間のかかるものが、フィーリン
グが悪いと評価される。また、上記の25%圧縮荷重値
は、ASTM−D−3574に準じて、所定の発泡体温
度(−20℃または+20℃)下において測定して得ら
れた数値である。即ち、低温時に荷重をかけると回復が
遅いところから、ここでは、各発泡体温度下において直
接その初高に対して25%圧縮を行ない、そのときの荷
重を25%圧縮荷重値とした。そして、それに基づいて
算出された圧縮荷重の温度依存性(Δ25%CFD)
が、0.030kg/cm2 を越えるようになると、樹
脂温度が低下した場合に、急激に硬度が上昇して、発泡
体のフィーリングが悪化してしまうこととなるのであ
る。従って、本発明における圧縮荷重の温度依存性(Δ
25%CFD)は、0.030kg/cm2 以下である
必要があり、好ましくは0.020kg/cm2 以下で
あることが望ましい。
【0020】なお、この本発明に従う軟質ポリウレタン
発泡体は、その軟質ポリウレタン発泡体としての特性を
充分に発揮させる上において、その−20℃における2
5%圧縮荷重値及び+20℃における25%圧縮荷重値
が、何れも、0.110kg/cm2 以下となるように
され、中でも、好ましくは0.020〜0.080kg
/cm2 、更に好ましくは0.030〜0.070kg
/cm2 、最も好ましくは0.040〜0.070kg
/cm2 の圧縮荷重特性を有するように構成されること
となる。なお、それら温度下における25%圧縮荷重値
が0.110kg/cm2 を越えるようになると、最
早、軟質ポリウレタン発泡体とは言い難い程度の硬度を
示すものとなり、触感も著しく悪化するようになるので
ある。
発泡体は、その軟質ポリウレタン発泡体としての特性を
充分に発揮させる上において、その−20℃における2
5%圧縮荷重値及び+20℃における25%圧縮荷重値
が、何れも、0.110kg/cm2 以下となるように
され、中でも、好ましくは0.020〜0.080kg
/cm2 、更に好ましくは0.030〜0.070kg
/cm2 、最も好ましくは0.040〜0.070kg
/cm2 の圧縮荷重特性を有するように構成されること
となる。なお、それら温度下における25%圧縮荷重値
が0.110kg/cm2 を越えるようになると、最
早、軟質ポリウレタン発泡体とは言い難い程度の硬度を
示すものとなり、触感も著しく悪化するようになるので
ある。
【0021】そして、かくの如き、所定の反撥弾性率及
び圧縮荷重の温度依存性(Δ25%CFD)を有する軟
質ポリウレタン発泡体は、本発明において、車両用内装
材、例えばステアリングホイール、インストルメントパ
ネル、シートクッション、シートバック、ドアトリム、
ピラー、ニーパッド、ヘッドレスト等の構成材料の一つ
として、有利に用いられ得、それによって、高い衝撃吸
収性能を発揮すると共に、触感に優れた内装材を与え
る。具体的には、それら内装材は、一般に、表皮層とフ
レーム乃至は芯材との間に、外部からの衝撃を吸収する
ためのパッド層が配設されてなる構造を有するものであ
るが、本発明においては、そのようなパッド層の一部若
しくは全体を、上記せる所定の反撥弾性率と圧縮荷重の
温度依存性(Δ25%CFD)を有する軟質ポリウレタ
ン発泡体にて構成することとしたのである。
び圧縮荷重の温度依存性(Δ25%CFD)を有する軟
質ポリウレタン発泡体は、本発明において、車両用内装
材、例えばステアリングホイール、インストルメントパ
ネル、シートクッション、シートバック、ドアトリム、
ピラー、ニーパッド、ヘッドレスト等の構成材料の一つ
として、有利に用いられ得、それによって、高い衝撃吸
収性能を発揮すると共に、触感に優れた内装材を与え
る。具体的には、それら内装材は、一般に、表皮層とフ
レーム乃至は芯材との間に、外部からの衝撃を吸収する
ためのパッド層が配設されてなる構造を有するものであ
るが、本発明においては、そのようなパッド層の一部若
しくは全体を、上記せる所定の反撥弾性率と圧縮荷重の
温度依存性(Δ25%CFD)を有する軟質ポリウレタ
ン発泡体にて構成することとしたのである。
【0022】特に、それら車両用内装材の中でも、本発
明に従うところの軟質ポリウレタン発泡体は、ヘッドレ
ストに対して有利に適用され得るものであり、その一例
が、図1に示されている。そこにおいて、ヘッドレスト
は、袋状の表皮2と、該表皮2内に配置された所定形状
のインサート4及び該表皮2を貫通して外部に突出す
る、該インサート4に固定されたステー6からなる芯材
8と、それら表皮2と芯材8との間に充填されたパッド
材10とから構成されてなるものであり、そしてそのよ
うなパッド材10の一部若しくは全体が、前記した本発
明に従う軟質ポリウレタン発泡体にて構成されるのであ
る。なお、このようなヘッドレストは、よく知られてい
るように、そのステー6において、車両用シートのシー
トバック上部に取り付けられ、図において矢印方向から
入力される乗員の頭部の衝撃力を吸収し得るようになっ
ている。従って、追突事故等の場合において、乗員の頭
部が矢印方向に衝突することによる衝撃は、パッド材1
0の少なくとも一部を構成する、本発明に従う軟質ポリ
ウレタン発泡体にて、効果的に吸収されることとなるの
であり、以て乗員をむち打ち症から有利に保護し得るの
である。
明に従うところの軟質ポリウレタン発泡体は、ヘッドレ
ストに対して有利に適用され得るものであり、その一例
が、図1に示されている。そこにおいて、ヘッドレスト
は、袋状の表皮2と、該表皮2内に配置された所定形状
のインサート4及び該表皮2を貫通して外部に突出す
る、該インサート4に固定されたステー6からなる芯材
8と、それら表皮2と芯材8との間に充填されたパッド
材10とから構成されてなるものであり、そしてそのよ
うなパッド材10の一部若しくは全体が、前記した本発
明に従う軟質ポリウレタン発泡体にて構成されるのであ
る。なお、このようなヘッドレストは、よく知られてい
るように、そのステー6において、車両用シートのシー
トバック上部に取り付けられ、図において矢印方向から
入力される乗員の頭部の衝撃力を吸収し得るようになっ
ている。従って、追突事故等の場合において、乗員の頭
部が矢印方向に衝突することによる衝撃は、パッド材1
0の少なくとも一部を構成する、本発明に従う軟質ポリ
ウレタン発泡体にて、効果的に吸収されることとなるの
であり、以て乗員をむち打ち症から有利に保護し得るの
である。
【0023】また、本発明に従う軟質ポリウレタン発泡
体は、車両用内装材の中でも、車両用シートにおけるシ
ートバックにも、有利に適用され得るものであり、その
一例が図2に示されている。そこにおいて、車両用シー
トは、乗員の背部を支持するシートバック12と乗員の
尻部を支持するシートクッション14とから構成されて
おり、そのうち、シートバック12は、シートバックフ
レーム16と、その上に配置されたシートバックパッド
18と、更にそのようなシートバックパッド18の表面
を覆うように設けられたシートバックカバー20とから
構成されているのであるが、本発明に従う軟質ポリウレ
タン発泡体は、そのような構造のシートバックのシート
バックパッド18の一部若しくは全体を構成しており、
以て優れた衝撃吸収特性やフィーリングを発揮している
のである。
体は、車両用内装材の中でも、車両用シートにおけるシ
ートバックにも、有利に適用され得るものであり、その
一例が図2に示されている。そこにおいて、車両用シー
トは、乗員の背部を支持するシートバック12と乗員の
尻部を支持するシートクッション14とから構成されて
おり、そのうち、シートバック12は、シートバックフ
レーム16と、その上に配置されたシートバックパッド
18と、更にそのようなシートバックパッド18の表面
を覆うように設けられたシートバックカバー20とから
構成されているのであるが、本発明に従う軟質ポリウレ
タン発泡体は、そのような構造のシートバックのシート
バックパッド18の一部若しくは全体を構成しており、
以て優れた衝撃吸収特性やフィーリングを発揮している
のである。
【0024】ここにおいて、かくの如き本発明に従う軟
質ポリウレタン発泡体は、従来と同様に、有機ポリイソ
シアネート成分とポリオール成分とを反応(ポリウレタ
ン化)せしめる一方、水の如き適当な発泡剤を用いて、
発泡させることにより、製造されることとなるが、その
際、ポリオール成分としては、平均官能基数が2〜8で
あり、且つヒドロキシル当量が900〜3300である
ポリオキシアルキレンポリオールが用いられると共に、
それら有機ポリイソシアネート成分とポリオール成分と
の反応系に、前記化2にて示される化合物が、ポリオー
ル成分の100gに対して、0.005〜0.1モルの
割合で存在せしめられて、ポリウレタン化反応が進行せ
しめられるのであり、これによって、目的とする反発弾
性率が30%以下であり、且つ圧縮荷重の温度依存性
(Δ25%CFD)が0.030kg/cm2 以下であ
る軟質ポリウレタン発泡体が、有利に得られるのであ
る。
質ポリウレタン発泡体は、従来と同様に、有機ポリイソ
シアネート成分とポリオール成分とを反応(ポリウレタ
ン化)せしめる一方、水の如き適当な発泡剤を用いて、
発泡させることにより、製造されることとなるが、その
際、ポリオール成分としては、平均官能基数が2〜8で
あり、且つヒドロキシル当量が900〜3300である
ポリオキシアルキレンポリオールが用いられると共に、
それら有機ポリイソシアネート成分とポリオール成分と
の反応系に、前記化2にて示される化合物が、ポリオー
ル成分の100gに対して、0.005〜0.1モルの
割合で存在せしめられて、ポリウレタン化反応が進行せ
しめられるのであり、これによって、目的とする反発弾
性率が30%以下であり、且つ圧縮荷重の温度依存性
(Δ25%CFD)が0.030kg/cm2 以下であ
る軟質ポリウレタン発泡体が、有利に得られるのであ
る。
【0025】具体的には、かかる本発明において、ポリ
オール成分として有利に用いられるポリオキシアルキレ
ンポリオールは、例えば、水、ジプロピレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、砂糖等の開
始剤に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のア
ルキレンオキシドを付加重合したものであって、その平
均官能基数が2〜8であり、且つヒドロキシル当量が9
00〜3300であるものである。なお、かかる平均官
能基数が2よりも少なくなると、有機ポリイソシアネー
ト成分との反応による樹脂化が充分でなくなり、生産性
が低下するようになるところから、好ましくないのであ
り、また平均官能基数が8よりも多くなると、発泡成形
に際して、型から脱型される軟質ポリウレタン発泡体が
収縮するようになって、好ましくないからである。更
に、ヒドロキシル当量にあっても、それが、900より
も小さくなると、反撥弾性率は低くなるものの、圧縮荷
重の温度依存性(Δ25%CFD)が高くなる問題があ
り、一方、3300よりも大きくなると、ポリオール自
体の粘度が高くなって、取扱い上、好ましくないからで
ある。
オール成分として有利に用いられるポリオキシアルキレ
ンポリオールは、例えば、水、ジプロピレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、砂糖等の開
始剤に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のア
ルキレンオキシドを付加重合したものであって、その平
均官能基数が2〜8であり、且つヒドロキシル当量が9
00〜3300であるものである。なお、かかる平均官
能基数が2よりも少なくなると、有機ポリイソシアネー
ト成分との反応による樹脂化が充分でなくなり、生産性
が低下するようになるところから、好ましくないのであ
り、また平均官能基数が8よりも多くなると、発泡成形
に際して、型から脱型される軟質ポリウレタン発泡体が
収縮するようになって、好ましくないからである。更
に、ヒドロキシル当量にあっても、それが、900より
も小さくなると、反撥弾性率は低くなるものの、圧縮荷
重の温度依存性(Δ25%CFD)が高くなる問題があ
り、一方、3300よりも大きくなると、ポリオール自
体の粘度が高くなって、取扱い上、好ましくないからで
ある。
【0026】なお、本発明にあっては、ポリオール成分
として、上述の如きポリオキシアルキレンポリオールと
共に、そのようなポリオキシアルキレンポリオール中に
おいて、アクリロニトリル、スチレン等のエチレン性不
飽和化合物を重合せしめることによって得られる、所謂
ポリマーポリオールを使用することも可能である。その
ようなポリマーポリオールの使用量としては、ポリオー
ル成分の100重量部中、0〜60重量部程度であり、
その使用量が多くなり過ぎると、圧縮荷重の温度依存性
(Δ25%CFD)が高くなる問題を惹起する。また、
本発明に従うポリオキシアルキレンポリオールと併用さ
れる上述の如きポリマーポリオールの他にも、ポリエス
テルポリオールやテトラヒドロフランの開環重合物等の
公知のポリオール化合物も、ポリオール成分の一部とし
て、使用可能である。
として、上述の如きポリオキシアルキレンポリオールと
共に、そのようなポリオキシアルキレンポリオール中に
おいて、アクリロニトリル、スチレン等のエチレン性不
飽和化合物を重合せしめることによって得られる、所謂
ポリマーポリオールを使用することも可能である。その
ようなポリマーポリオールの使用量としては、ポリオー
ル成分の100重量部中、0〜60重量部程度であり、
その使用量が多くなり過ぎると、圧縮荷重の温度依存性
(Δ25%CFD)が高くなる問題を惹起する。また、
本発明に従うポリオキシアルキレンポリオールと併用さ
れる上述の如きポリマーポリオールの他にも、ポリエス
テルポリオールやテトラヒドロフランの開環重合物等の
公知のポリオール化合物も、ポリオール成分の一部とし
て、使用可能である。
【0027】また、かかるポリオール成分と反応して、
ポリウレタンを形成する有機ポリイソシアネート成分と
しては、公知の各種のものが適宜に用いられ得るもので
あって、例えばトリレンジイソシアネート、フェニレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタント
リイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソ
シアネート、ナフタレンジイソシアネートやそれらの誘
導体(例えば、ポリオール類との反応により得られるプ
レポリマー類、変成ポリイソシアネート類等)等を挙げ
ることが出来るが、特に本発明にあっては、ポリメチレ
ンポリフェニルポリイソシアネートが、有利に用いられ
ることとなる。更に、4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート或いは2,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート或いはそれらの混合物(精製MDI)とポリ
メリックMDI(粗製MDI)とを30/70〜90/
10の重量割合で混合したものも、好適に用いられ得る
が、かかる精製MDIの比率が30重量%よりも少なく
なると、得られる軟質ポリウレタン発泡体の硬度が高く
なり、触感が悪化し、反撥弾性率も高くなる問題を惹起
し、一方、精製MDIの比率が90重量%よりも多くな
ると、有機ポリイソシアネート成分自体が低温で結晶固
化し、取扱い上、好ましくない問題を惹起するようにな
る。加えて、精製MDIと粗製MDIとを30/70〜
90/10の重量割合で混合したものをポリオール成分
で一部ウレタン変性した、末端イソシアネート基を有す
るプレポリマーも、好ましい有機ポリイソシアネート成
分の一つとして挙げることが出来る。
ポリウレタンを形成する有機ポリイソシアネート成分と
しては、公知の各種のものが適宜に用いられ得るもので
あって、例えばトリレンジイソシアネート、フェニレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタント
リイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソ
シアネート、ナフタレンジイソシアネートやそれらの誘
導体(例えば、ポリオール類との反応により得られるプ
レポリマー類、変成ポリイソシアネート類等)等を挙げ
ることが出来るが、特に本発明にあっては、ポリメチレ
ンポリフェニルポリイソシアネートが、有利に用いられ
ることとなる。更に、4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート或いは2,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート或いはそれらの混合物(精製MDI)とポリ
メリックMDI(粗製MDI)とを30/70〜90/
10の重量割合で混合したものも、好適に用いられ得る
が、かかる精製MDIの比率が30重量%よりも少なく
なると、得られる軟質ポリウレタン発泡体の硬度が高く
なり、触感が悪化し、反撥弾性率も高くなる問題を惹起
し、一方、精製MDIの比率が90重量%よりも多くな
ると、有機ポリイソシアネート成分自体が低温で結晶固
化し、取扱い上、好ましくない問題を惹起するようにな
る。加えて、精製MDIと粗製MDIとを30/70〜
90/10の重量割合で混合したものをポリオール成分
で一部ウレタン変性した、末端イソシアネート基を有す
るプレポリマーも、好ましい有機ポリイソシアネート成
分の一つとして挙げることが出来る。
【0028】そして、本発明にあっては、かくの如き有
機ポリイソシアネート成分と前記した特定のポリオール
成分とを反応、発泡せしめて、ポリウレタン発泡体を形
成させるに際して、前記化2にて示される特定のモノオ
ール系化合物が反応系に存在せしめられて、前記したポ
リウレタン化反応が進行させられるのであって、これに
より、低反撥弾性率で圧縮荷重の温度依存性(Δ25%
CFD)の良好な軟質ポリウレタン発泡体が有利に得ら
れるのである。
機ポリイソシアネート成分と前記した特定のポリオール
成分とを反応、発泡せしめて、ポリウレタン発泡体を形
成させるに際して、前記化2にて示される特定のモノオ
ール系化合物が反応系に存在せしめられて、前記したポ
リウレタン化反応が進行させられるのであって、これに
より、低反撥弾性率で圧縮荷重の温度依存性(Δ25%
CFD)の良好な軟質ポリウレタン発泡体が有利に得ら
れるのである。
【0029】なお、そのような前記化2にて示されるモ
ノオール系化合物の構造において、nが20よりも大き
くなると、得られる軟質ポリウレタン発泡体の反撥弾性
率を充分に低下させ得ず、生産性のみが低下するように
なる問題を惹起し、またxやy或いはそれらの合計が2
0よりも大きくなると、モノオール系化合物自体が固体
となり、取扱い上、好ましくないことに加えて、得られ
る軟質ポリウレタン発泡体の反撥弾性率が低下せず、生
産性のみが低下するようになる問題を惹起する。従っ
て、前記化2にて示される構造において、nは0または
1〜20の整数であり、またx及びyは、それぞれ独立
して、0または1〜20の整数であると共に、それらx
及びyの合計が0〜20となるように、規制されること
となるが、その中でも、nは0または1〜10の整数、
x及びyは、それぞれ独立して、0または1〜10の整
数、更にxとyの合計が0〜10であるようにすること
が、望ましいのである。
ノオール系化合物の構造において、nが20よりも大き
くなると、得られる軟質ポリウレタン発泡体の反撥弾性
率を充分に低下させ得ず、生産性のみが低下するように
なる問題を惹起し、またxやy或いはそれらの合計が2
0よりも大きくなると、モノオール系化合物自体が固体
となり、取扱い上、好ましくないことに加えて、得られ
る軟質ポリウレタン発泡体の反撥弾性率が低下せず、生
産性のみが低下するようになる問題を惹起する。従っ
て、前記化2にて示される構造において、nは0または
1〜20の整数であり、またx及びyは、それぞれ独立
して、0または1〜20の整数であると共に、それらx
及びyの合計が0〜20となるように、規制されること
となるが、その中でも、nは0または1〜10の整数、
x及びyは、それぞれ独立して、0または1〜10の整
数、更にxとyの合計が0〜10であるようにすること
が、望ましいのである。
【0030】また、そのような化2にて示される化合物
としては、フェノール、メチルフェノール、エチルフェ
ノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ペン
チルフェノール、ヘキシルフェノール、ヘプチルフェノ
ール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のアル
キルフェノール類や、そのようなアルキルフェノール類
にエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付
加重合したものを挙げることが出来るが、その中でも、
本発明にあっては、ノニルフェノールまたはノニルフェ
ノールにエチレンオキシドを1〜10モル付加重合した
ものが好適に用いられることとなる。
としては、フェノール、メチルフェノール、エチルフェ
ノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ペン
チルフェノール、ヘキシルフェノール、ヘプチルフェノ
ール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等のアル
キルフェノール類や、そのようなアルキルフェノール類
にエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付
加重合したものを挙げることが出来るが、その中でも、
本発明にあっては、ノニルフェノールまたはノニルフェ
ノールにエチレンオキシドを1〜10モル付加重合した
ものが好適に用いられることとなる。
【0031】さらに、かかる化2にて示されるモノオー
ル系化合物の使用量は、ポリオール成分の100gに対
して、0.005〜0.1モルの範囲内となるようにさ
れる必要がある。その使用量が、0.005モルよりも
少なくなると、得られる軟質ポリウレタン発泡体の反撥
弾性率を有利に低下せしめ得なくなるからであり、また
0.1モルよりも多くなると、反撥弾性率は低下するも
のの、生産性の悪化、低温での圧縮荷重値の上昇、ひい
ては圧縮荷重の温度依存性が高くなる等の問題を惹起す
る。なお、かかる化2にて示されるモノオール系化合物
の最も好ましい使用量は、ポリオール成分の100gに
対して、0.01〜0.08モルである。
ル系化合物の使用量は、ポリオール成分の100gに対
して、0.005〜0.1モルの範囲内となるようにさ
れる必要がある。その使用量が、0.005モルよりも
少なくなると、得られる軟質ポリウレタン発泡体の反撥
弾性率を有利に低下せしめ得なくなるからであり、また
0.1モルよりも多くなると、反撥弾性率は低下するも
のの、生産性の悪化、低温での圧縮荷重値の上昇、ひい
ては圧縮荷重の温度依存性が高くなる等の問題を惹起す
る。なお、かかる化2にて示されるモノオール系化合物
の最も好ましい使用量は、ポリオール成分の100gに
対して、0.01〜0.08モルである。
【0032】そして、本発明においては、上述の如き所
定のポリオール成分と有機ポリイソシアネート成分とを
前記化2にて示される特定のモノオール系化合物の存在
下において、反応せしめて、形成されるポリウレタンを
発泡させるために、本発明においては、有利には、水が
主たる発泡剤として用いられることとなるのである。な
お、この発泡剤としての水の使用量は、ポリオール成分
の100重量部に対して、2.0〜6.0重量部とされ
るが、好ましくは2.5〜5.0重量部の範囲内とされ
る。また、かかる水の使用量が2.0重量部よりも少な
くなると、充分な発泡を行ない難く、密度が大きくなる
問題があり、更に6.0重量部よりも多くしても、それ
に見合う発泡倍率の向上を望み得ないのみならず、成形
品質(ボイド、セル荒れ)が悪化する問題を生じる。
定のポリオール成分と有機ポリイソシアネート成分とを
前記化2にて示される特定のモノオール系化合物の存在
下において、反応せしめて、形成されるポリウレタンを
発泡させるために、本発明においては、有利には、水が
主たる発泡剤として用いられることとなるのである。な
お、この発泡剤としての水の使用量は、ポリオール成分
の100重量部に対して、2.0〜6.0重量部とされ
るが、好ましくは2.5〜5.0重量部の範囲内とされ
る。また、かかる水の使用量が2.0重量部よりも少な
くなると、充分な発泡を行ない難く、密度が大きくなる
問題があり、更に6.0重量部よりも多くしても、それ
に見合う発泡倍率の向上を望み得ないのみならず、成形
品質(ボイド、セル荒れ)が悪化する問題を生じる。
【0033】また、本発明に従って、上記のポリオール
成分と有機ポリイソシアネートとを前記化2にて示され
る所定のモノオール系化合物の存在下に反応・発泡せし
めることにより、目的とする軟質ポリウレタン発泡体を
製造するに際しては、従来と同様に、公知の触媒、架橋
剤、発泡剤、整泡剤、難燃剤、減粘剤、安定剤、充填
剤、着色剤等が、添加物として、適宜に配合せしめられ
ることとなる。なお、かかる触媒としては、一般に、ト
リエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン等のア
ミン系ウレタン化触媒、ラウリン酸スズ、オクタン酸ス
ズ等の有機金属系ウレタン化触媒が挙げられ、また発泡
剤は、水以外のものであって、例えばフロン、メチレン
クロライド、CO2 ガス等があり、そして整泡剤として
は、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製のSRX
−274C、日本ユニカー株式会社製のL−5390、
ゴールドシュミット社製のB−4113等が用いられ、
更に架橋剤としては、通常、トリエタノールアミン、ジ
エタノールアミン等が用いられることとなる。
成分と有機ポリイソシアネートとを前記化2にて示され
る所定のモノオール系化合物の存在下に反応・発泡せし
めることにより、目的とする軟質ポリウレタン発泡体を
製造するに際しては、従来と同様に、公知の触媒、架橋
剤、発泡剤、整泡剤、難燃剤、減粘剤、安定剤、充填
剤、着色剤等が、添加物として、適宜に配合せしめられ
ることとなる。なお、かかる触媒としては、一般に、ト
リエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン等のア
ミン系ウレタン化触媒、ラウリン酸スズ、オクタン酸ス
ズ等の有機金属系ウレタン化触媒が挙げられ、また発泡
剤は、水以外のものであって、例えばフロン、メチレン
クロライド、CO2 ガス等があり、そして整泡剤として
は、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社製のSRX
−274C、日本ユニカー株式会社製のL−5390、
ゴールドシュミット社製のB−4113等が用いられ、
更に架橋剤としては、通常、トリエタノールアミン、ジ
エタノールアミン等が用いられることとなる。
【0034】そして、目的とする軟質ポリウレタン発泡
体を製造するに際しては、通常、上述せるポリオール成
分に対して、前記化2にて示されるモノオール系化合物
の所定量を添加し、更に発泡剤としての水や、触媒、架
橋剤、整泡剤、その他の助剤を、それぞれ、所定量、予
め混合して、調製したレジンプレミックスを用い、これ
に前記した有機ポリイソシアネート成分を配合して反応
せしめ、更に発泡させる手法が、採用されるのである。
具体的には、そのようなレジンプレミックスと有機ポリ
イソシアネート成分とを、公知のウレタン発泡機を用い
て、NCO/OH比が0.60〜1.10となるように
混合せしめ、所定の成形型内に注入して、反応・発泡さ
せることにより、目的とする形状の軟質ポリウレタン発
泡体が成形されるのである。なお、かかるNCO/OH
比が0.60よりも低くなると、発泡体の硬度が低くな
り過ぎ、好ましくなく、また1.10よりも高くなる
と、発泡体の硬度が高くなり、生産性が低下するように
なるので、好ましくない。
体を製造するに際しては、通常、上述せるポリオール成
分に対して、前記化2にて示されるモノオール系化合物
の所定量を添加し、更に発泡剤としての水や、触媒、架
橋剤、整泡剤、その他の助剤を、それぞれ、所定量、予
め混合して、調製したレジンプレミックスを用い、これ
に前記した有機ポリイソシアネート成分を配合して反応
せしめ、更に発泡させる手法が、採用されるのである。
具体的には、そのようなレジンプレミックスと有機ポリ
イソシアネート成分とを、公知のウレタン発泡機を用い
て、NCO/OH比が0.60〜1.10となるように
混合せしめ、所定の成形型内に注入して、反応・発泡さ
せることにより、目的とする形状の軟質ポリウレタン発
泡体が成形されるのである。なお、かかるNCO/OH
比が0.60よりも低くなると、発泡体の硬度が低くな
り過ぎ、好ましくなく、また1.10よりも高くなる
と、発泡体の硬度が高くなり、生産性が低下するように
なるので、好ましくない。
【0035】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。また、
本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した発
明の実施の形態における記述以外にも、本発明の趣旨を
逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々
なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、
理解されるべきである。なお、以下の実施例中、部及び
%は、それぞれ、特に断りのない限り、重量基準にて示
されるものである。
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。また、
本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した発
明の実施の形態における記述以外にも、本発明の趣旨を
逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々
なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、
理解されるべきである。なお、以下の実施例中、部及び
%は、それぞれ、特に断りのない限り、重量基準にて示
されるものである。
【0036】原料の準備 以下の実施例及び比較例で使用する有機ポリイソシアネ
ート成分、ポリオール成分及び化2にて示される化合物
の詳細は、以下の通りである。 (1)ポリイソシアネートA(有機ポリイソシアネート
成分) 精製MDIと粗製MDIとを70/30の重量割合で混
合したものを、ヒドロキシル当量が1670、官能基数
が3のポリオキシアルキレンポリオールで一部ウレタン
変性してなる、末端イソシアネート基を有するプレポリ
マー(NCO含量:28.0%)。 (2)ポリオールA(ポリオール成分) グリセリンにプロピレンオキシド/エチレンオキシド
(=85/15)を付加重合した、ヒドロキシル当量が
1020のポリエーテルポリオール。 (3)ポリオールB(ポリオール成分) グリセリンにプロピレンオキシド/エチレンオキシド
(=85/15)を付加重合した、ヒドロキシル当量が
2000のポリエーテルポリオール。 (4)ポリオールC(ポリオール成分) グリセリンにプロピレンオキシド/エチレンオキシド
(=85/15)を付加重合した、ヒドロキシル当量が
800のポリエーテルポリオール。 (5)ポリオールD(ポリオール成分) ジプロピレングリコールにプロピレンオキシド/エチレ
ンオキシド(=80/20)を付加重合した、ヒドロキ
シル当量が1500のポリエーテルポリオール。 (6)ポリオールE(ポリオール成分) ソルビトールにプロピレンオキシド/エチレンオキシド
(=85/15)を付加重合した、ヒドロキシル当量が
1650のポリエーテルポリオール。 (7)ポリオールF(ポリオール成分) グリセリンにプロピレンオキシド/エチレンオキシド
(=85/15)を付加重合した、ヒドロキシル当量が
1650のポリエーテルポリオール中において、アクリ
ロニトリルを重合せしめて得られたポリマーポリオー
ル。 (8)化合物(モノオール系化合物) ノニルフェノール。 (9)化合物(モノオール系化合物) ノニルフェノールにエチレンオキシドを1モル付加重合
したモノオール。 (10)化合物(モノオール系化合物) ノニルフェノールにエチレンオキシドを3モル付加重合
したモノオール。 (11)化合物(モノオール系化合物) ノニルフェノールにエチレンオキシドを10モル付加重
合したモノオール。
ート成分、ポリオール成分及び化2にて示される化合物
の詳細は、以下の通りである。 (1)ポリイソシアネートA(有機ポリイソシアネート
成分) 精製MDIと粗製MDIとを70/30の重量割合で混
合したものを、ヒドロキシル当量が1670、官能基数
が3のポリオキシアルキレンポリオールで一部ウレタン
変性してなる、末端イソシアネート基を有するプレポリ
マー(NCO含量:28.0%)。 (2)ポリオールA(ポリオール成分) グリセリンにプロピレンオキシド/エチレンオキシド
(=85/15)を付加重合した、ヒドロキシル当量が
1020のポリエーテルポリオール。 (3)ポリオールB(ポリオール成分) グリセリンにプロピレンオキシド/エチレンオキシド
(=85/15)を付加重合した、ヒドロキシル当量が
2000のポリエーテルポリオール。 (4)ポリオールC(ポリオール成分) グリセリンにプロピレンオキシド/エチレンオキシド
(=85/15)を付加重合した、ヒドロキシル当量が
800のポリエーテルポリオール。 (5)ポリオールD(ポリオール成分) ジプロピレングリコールにプロピレンオキシド/エチレ
ンオキシド(=80/20)を付加重合した、ヒドロキ
シル当量が1500のポリエーテルポリオール。 (6)ポリオールE(ポリオール成分) ソルビトールにプロピレンオキシド/エチレンオキシド
(=85/15)を付加重合した、ヒドロキシル当量が
1650のポリエーテルポリオール。 (7)ポリオールF(ポリオール成分) グリセリンにプロピレンオキシド/エチレンオキシド
(=85/15)を付加重合した、ヒドロキシル当量が
1650のポリエーテルポリオール中において、アクリ
ロニトリルを重合せしめて得られたポリマーポリオー
ル。 (8)化合物(モノオール系化合物) ノニルフェノール。 (9)化合物(モノオール系化合物) ノニルフェノールにエチレンオキシドを1モル付加重合
したモノオール。 (10)化合物(モノオール系化合物) ノニルフェノールにエチレンオキシドを3モル付加重合
したモノオール。 (11)化合物(モノオール系化合物) ノニルフェノールにエチレンオキシドを10モル付加重
合したモノオール。
【0037】レジンプレミックスの調製 上記で準備された各種のポリオール成分及びモノオール
系化合物を用いて、以下の配合組成にて、レジンプレミ
ックスを調製した。 ポリオール成分 100.0部 シリコーン整泡剤 (東レ・ダウコーニング株式会社製SRX−274C) 1.0部 ジエタノールアミン 1.0部 アミン触媒(活材ケミカル株式会社製L−1020) 0.5部 アミン触媒(活材ケミカル株式会社製A−1) 0.1部 水 4.5部 モノオール系化合物 0.003〜0.15モル (ポリオール成分100gに対して)
系化合物を用いて、以下の配合組成にて、レジンプレミ
ックスを調製した。 ポリオール成分 100.0部 シリコーン整泡剤 (東レ・ダウコーニング株式会社製SRX−274C) 1.0部 ジエタノールアミン 1.0部 アミン触媒(活材ケミカル株式会社製L−1020) 0.5部 アミン触媒(活材ケミカル株式会社製A−1) 0.1部 水 4.5部 モノオール系化合物 0.003〜0.15モル (ポリオール成分100gに対して)
【0038】実施例1〜12及び比較例1〜4 上記において準備された、各種のレジンプレミックスと
有機ポリイソシアネート成分とを、下記の表1〜表4に
示される組合せにおいて用いて、図1に示される如き構
成の各種の衝撃吸収ヘッドレストを製造した。即ち、ポ
リプロピレン製成形品からなるインサート4を有する芯
材8と共に、袋状の表皮2を、所定の成形型の成形キャ
ビティ内に配置して、下記の表1〜4に示されるレジン
プレミックスと有機ポリイソシアネートとの組合せにお
いて、それらの混合物を表皮2内に注入して、加熱し、
反応・発泡せしめることにより、芯材8を埋設した状態
において軟質ポリウレタン発泡体からなるパッド材10
を表皮2内に一体的に充填せしめて、目的とするヘッド
レストを得た。なお、かかる発泡成形時には、生成する
軟質ポリウレタン発泡体が、発泡膨張して、表皮2内を
充填し、表皮2を成形キャビティ内面に押圧すること
で、成形キャビティの内面形状に対応した形状に賦形さ
れると共に、表皮2及び芯材8と一体的に接合したパッ
ド材10が形成された。また、図1における表皮2上の
点Pから芯材8までの距離(図において左右方向の距
離)が60mmとなるようにされた。
有機ポリイソシアネート成分とを、下記の表1〜表4に
示される組合せにおいて用いて、図1に示される如き構
成の各種の衝撃吸収ヘッドレストを製造した。即ち、ポ
リプロピレン製成形品からなるインサート4を有する芯
材8と共に、袋状の表皮2を、所定の成形型の成形キャ
ビティ内に配置して、下記の表1〜4に示されるレジン
プレミックスと有機ポリイソシアネートとの組合せにお
いて、それらの混合物を表皮2内に注入して、加熱し、
反応・発泡せしめることにより、芯材8を埋設した状態
において軟質ポリウレタン発泡体からなるパッド材10
を表皮2内に一体的に充填せしめて、目的とするヘッド
レストを得た。なお、かかる発泡成形時には、生成する
軟質ポリウレタン発泡体が、発泡膨張して、表皮2内を
充填し、表皮2を成形キャビティ内面に押圧すること
で、成形キャビティの内面形状に対応した形状に賦形さ
れると共に、表皮2及び芯材8と一体的に接合したパッ
ド材10が形成された。また、図1における表皮2上の
点Pから芯材8までの距離(図において左右方向の距
離)が60mmとなるようにされた。
【0039】かくして得られた各種のヘッドレストにつ
いて、それぞれ、図3に示されるように、点Pが上方に
位置する形態において、ステー6を治具22に固定し
て、支持せしめ、上方から重さ:6.9kgの頭部模型
24を自然落下させて、衝突速度:6.2km/Hrに
て、点Pに衝突させ、そのときの頭部模型24のリバウ
ンド高さを測定した。そして、その測定値から、それぞ
れのヘッドレストのエネルギー吸収率(E吸収率)を、
ステー6の変形がなく且つリバウンド方向が垂直である
として、下記の式に従って算出した。 E吸収率=〔1−(1/2・V1 2 )/(1/2・V0
2 +gh)〕×100(%)
いて、それぞれ、図3に示されるように、点Pが上方に
位置する形態において、ステー6を治具22に固定し
て、支持せしめ、上方から重さ:6.9kgの頭部模型
24を自然落下させて、衝突速度:6.2km/Hrに
て、点Pに衝突させ、そのときの頭部模型24のリバウ
ンド高さを測定した。そして、その測定値から、それぞ
れのヘッドレストのエネルギー吸収率(E吸収率)を、
ステー6の変形がなく且つリバウンド方向が垂直である
として、下記の式に従って算出した。 E吸収率=〔1−(1/2・V1 2 )/(1/2・V0
2 +gh)〕×100(%)
【0040】なお、上式において、V0 は衝突初速であ
り、V1 はリバウンド初速、gは重力加速度である。ま
た、hは、図4及び図5に示されるように、頭部模型2
4がヘッドレストの点Pに衝突した瞬間の位置:H1
と、頭部模型24がヘッドレストから離れた瞬間の位
置:H2 との差であり、かかる位置:H2 と最深谷部の
位置:H3 との差がリバウンド高さとなる。そして、こ
のようにして求められたE吸収率が大きい程、スプリン
グバックによるむち打ち症を、より効果的に防止するこ
とが出来るのである。
り、V1 はリバウンド初速、gは重力加速度である。ま
た、hは、図4及び図5に示されるように、頭部模型2
4がヘッドレストの点Pに衝突した瞬間の位置:H1
と、頭部模型24がヘッドレストから離れた瞬間の位
置:H2 との差であり、かかる位置:H2 と最深谷部の
位置:H3 との差がリバウンド高さとなる。そして、こ
のようにして求められたE吸収率が大きい程、スプリン
グバックによるむち打ち症を、より効果的に防止するこ
とが出来るのである。
【0041】また、各実施例及び比較例において得られ
たヘッドレストから、それぞれのパッド材10を切り出
し、発泡体サンプルを得て、その反撥弾性率及び圧縮荷
重の温度依存性(Δ25%CFD)を求めた。なお、反
撥弾性率については、厚さ:30mmの発泡体サンプル
を用いて、JIS−K−6401(1997)に基づい
て測定され、また、25%圧縮荷重値については、50
mm×50mm×25mmt の発泡体サンプルを用い
て、ASTM−D−3574に基づいて、−20℃及び
+20℃の温度下において測定され、その測定値の差:
(−20℃における25%圧縮荷重値)−(+20℃に
おける25%圧縮荷重値)をもって、圧縮荷重の温度依
存性(Δ25%CFD)を算出した。
たヘッドレストから、それぞれのパッド材10を切り出
し、発泡体サンプルを得て、その反撥弾性率及び圧縮荷
重の温度依存性(Δ25%CFD)を求めた。なお、反
撥弾性率については、厚さ:30mmの発泡体サンプル
を用いて、JIS−K−6401(1997)に基づい
て測定され、また、25%圧縮荷重値については、50
mm×50mm×25mmt の発泡体サンプルを用い
て、ASTM−D−3574に基づいて、−20℃及び
+20℃の温度下において測定され、その測定値の差:
(−20℃における25%圧縮荷重値)−(+20℃に
おける25%圧縮荷重値)をもって、圧縮荷重の温度依
存性(Δ25%CFD)を算出した。
【0042】かくして得られた各種のヘッドレストのE
吸収率、更には、それを構成するパッド材の反撥弾性率
や圧縮荷重の温度依存性(Δ25%CFD)の結果を、
それぞれ、下記表1〜表4に併せ示した。また、それら
の表には、各例のヘッドレストの発泡成形操作におい
て、成形されたヘッドレストが成形型より脱型可能にな
るまでの時間(分)を測定して得られた結果も示されて
いる。
吸収率、更には、それを構成するパッド材の反撥弾性率
や圧縮荷重の温度依存性(Δ25%CFD)の結果を、
それぞれ、下記表1〜表4に併せ示した。また、それら
の表には、各例のヘッドレストの発泡成形操作におい
て、成形されたヘッドレストが成形型より脱型可能にな
るまでの時間(分)を測定して得られた結果も示されて
いる。
【0043】
【表1】 *・・・ポリオール成分の100gに対するモル数
【0044】
【表2】 *・・・ポリオール成分の100gに対するモル数
【0045】
【表3】 *・・・ポリオール成分の100gに対するモル数
【0046】
【表4】 *・・・ポリオール成分の100gに対するモル数
【0047】これらの表の結果から明らかなように、本
発明に従う実施例1〜12のヘッドレストは、E吸収率
が80%以上であって、これにより、スプリングバック
によるむち打ち症が効果的に防止され得るのである。こ
れは、パッド材10として、反撥弾性率が30%以下の
軟質ポリウレタン発泡体を使用した結果であると考えら
れ、また、Δ25%CFDが0.030kg/cm2 以
下であることから、低温時(−20℃)と常温時(+2
0℃)におけるパッド材の25%圧縮荷重値の変化が少
なく、これによって、その硬度変化も少なくなって、フ
ィーリングの向上も効果的に達成され得るのである。更
に、図4には、実施例1のヘッドレストについてのリバ
ウンド高さ測定時の時間−変位曲線が示されているが、
この図からも明らかなように、リバウンドは1回だけで
あり、その高さも低いことが認められる。
発明に従う実施例1〜12のヘッドレストは、E吸収率
が80%以上であって、これにより、スプリングバック
によるむち打ち症が効果的に防止され得るのである。こ
れは、パッド材10として、反撥弾性率が30%以下の
軟質ポリウレタン発泡体を使用した結果であると考えら
れ、また、Δ25%CFDが0.030kg/cm2 以
下であることから、低温時(−20℃)と常温時(+2
0℃)におけるパッド材の25%圧縮荷重値の変化が少
なく、これによって、その硬度変化も少なくなって、フ
ィーリングの向上も効果的に達成され得るのである。更
に、図4には、実施例1のヘッドレストについてのリバ
ウンド高さ測定時の時間−変位曲線が示されているが、
この図からも明らかなように、リバウンドは1回だけで
あり、その高さも低いことが認められる。
【0048】これに対して、比較例1〜4のヘッドレス
トにあっては、表4からも明らかなように、各種の欠陥
が内在しているのである。例えば、比較例1のヘッドレ
ストにあっては、本発明に従う化2にて示されるモノオ
ール系化合物を反応系に存在せしめていないために、パ
ッド材となる軟質ポリウレタン発泡体の反撥弾性率が高
く、E吸収率が低下しているのであり、また比較例2に
あっては、使用するポリオールのヒドロキシル当量が低
いことにより、軟質ポリウレタン発泡体の反撥弾性率が
低下し、E吸収率も向上しているのであるが、圧縮荷重
の温度依存性(Δ25%CFD)が大きくなってしまっ
ているのである。また、比較例3及び4は、それぞれ、
本発明に従う化2にて示されるモノオール系化合物の添
加モル数が少な過ぎる場合と多過ぎる場合を示している
が、そこにおいて、その添加量が少な過ぎる場合には、
軟質ポリウレタン発泡体の反撥弾性率が30%以下まで
低下せず、また多過ぎる場合には、反撥弾性率の低下が
見られるものの、圧縮荷重の温度依存性と生産性が大幅
に悪化しているのである。なお、比較例1のヘッドレス
トのリバウンド高さ限定時の時間−変位曲線が、図5に
示されているが、かかる比較例1のヘッドレストでは、
リバウンドが周期的に何回か生じ、リバウンド高さも大
きいことが認められる。
トにあっては、表4からも明らかなように、各種の欠陥
が内在しているのである。例えば、比較例1のヘッドレ
ストにあっては、本発明に従う化2にて示されるモノオ
ール系化合物を反応系に存在せしめていないために、パ
ッド材となる軟質ポリウレタン発泡体の反撥弾性率が高
く、E吸収率が低下しているのであり、また比較例2に
あっては、使用するポリオールのヒドロキシル当量が低
いことにより、軟質ポリウレタン発泡体の反撥弾性率が
低下し、E吸収率も向上しているのであるが、圧縮荷重
の温度依存性(Δ25%CFD)が大きくなってしまっ
ているのである。また、比較例3及び4は、それぞれ、
本発明に従う化2にて示されるモノオール系化合物の添
加モル数が少な過ぎる場合と多過ぎる場合を示している
が、そこにおいて、その添加量が少な過ぎる場合には、
軟質ポリウレタン発泡体の反撥弾性率が30%以下まで
低下せず、また多過ぎる場合には、反撥弾性率の低下が
見られるものの、圧縮荷重の温度依存性と生産性が大幅
に悪化しているのである。なお、比較例1のヘッドレス
トのリバウンド高さ限定時の時間−変位曲線が、図5に
示されているが、かかる比較例1のヘッドレストでは、
リバウンドが周期的に何回か生じ、リバウンド高さも大
きいことが認められる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う軟質ポリウレタン発泡体にあっては、特定のポリ
オール成分を用いると共に、その反応系に特定のモノオ
ール系化合物を存在せしめて、ポリウレタン化反応が進
行せしめられて、形成されるものであるところから、3
0%以下の反撥弾性率と共に、圧縮荷重の温度依存性
(Δ25%CFD)が0.030kg/cm2 以下の特
性が有利に実現されたものとなっているのであり、これ
により、高い衝撃吸収性能と優れたフィーリング乃至は
触感、特に硬度が温度の影響を受け難いという、両方の
特性が付与されたものとなり、以て車両用内装材、特に
車両用ヘッドレストやシートバックのパッド材として用
いられて、優れた効果を発揮するのである。
に従う軟質ポリウレタン発泡体にあっては、特定のポリ
オール成分を用いると共に、その反応系に特定のモノオ
ール系化合物を存在せしめて、ポリウレタン化反応が進
行せしめられて、形成されるものであるところから、3
0%以下の反撥弾性率と共に、圧縮荷重の温度依存性
(Δ25%CFD)が0.030kg/cm2 以下の特
性が有利に実現されたものとなっているのであり、これ
により、高い衝撃吸収性能と優れたフィーリング乃至は
触感、特に硬度が温度の影響を受け難いという、両方の
特性が付与されたものとなり、以て車両用内装材、特に
車両用ヘッドレストやシートバックのパッド材として用
いられて、優れた効果を発揮するのである。
【図1】本発明に係る車両用内装材の一つであるヘッド
レストの一例を示す断面説明図である。
レストの一例を示す断面説明図である。
【図2】本発明に係る車両用内装材の一つである車両用
シートにおけるシートバックの一例を示す一部切り欠き
断面説明図である。
シートにおけるシートバックの一例を示す一部切り欠き
断面説明図である。
【図3】実施例及び比較例におけるヘッドレストの試験
方法を示す説明図である。
方法を示す説明図である。
【図4】実施例1のヘッドレストに衝撃を加えた場合の
時間−変位曲線を示すグラフである。
時間−変位曲線を示すグラフである。
【図5】比較例1のヘッドレストに衝撃を加えた場合の
時間−変位曲線を示すグラフである。
時間−変位曲線を示すグラフである。
2 表皮 4 インサート 6 ステー 8 芯材 10 パッド材 12 シートバッ
ク 14 シートクッション 16 シートバッ
クフレーム 18 シートバックパッド 20 シートバッ
クカバー 22 治具 24 頭部模型
ク 14 シートクッション 16 シートバッ
クフレーム 18 シートバックパッド 20 シートバッ
クカバー 22 治具 24 頭部模型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 9/02 CFF C08J 9/02 CFF //(C08G 18/48 101:00) (72)発明者 小幡 雅司 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 笹岡 邦男 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 3B084 DD02 EC03 4F074 AA80 AD05 BA34 DA08 DA33 DA35 4F100 AK51A AT00B AT00C BA03 BA07 BA10B BA10C BA13 DD32 DJ01A GB32 JK11 JK13A YY00A 4J034 BA03 BA07 BA08 CC12 DB01 DB04 DB05 DG02 DG03 DG04 DG09 HA01 HA07 HC12 HC13 HC64 HC65 HC67 NA03 QC02 QC08 QD03 RA05 RA12
Claims (8)
- 【請求項1】 有機ポリイソシアネート成分とポリオー
ル成分とを反応、発泡せしめて得られる、反撥弾性率が
30%以下で、−20℃における25%圧縮荷重値と+
20℃における25%圧縮荷重値との差にて表わされる
圧縮荷重の温度依存性が0.030kg/cm2 以下で
ある軟質ポリウレタン発泡体にして、前記ポリオール成
分として、平均官能基数が2〜8であり、ヒドロキシル
当量が900〜3300であるポリオキシアルキレンポ
リオールが用いられ、且つ前記反応系に、下記化1にて
示される化合物が、ポリオール成分の100gに対して
0.005〜0.1モルの割合で存在せしめられたこと
を特徴とする軟質ポリウレタン発泡体。 【化1】 (但し、上記化1において、nは0または1〜20の整
数を表わし、またx及びyは、それぞれ独立して、0ま
たは1〜20の整数を表わし、且つxとyの合計が0〜
20である。) - 【請求項2】 前記化1にて示される化合物において、
nが0または1〜9の整数であり、またx及びyが、そ
れぞれ独立して、0または1〜10の整数であり、且つ
xとyの合計が0〜10である請求項1記載の軟質ポリ
ウレタン発泡体。 - 【請求項3】 前記化1にて示される化合物が、ノニル
フェノールまたはノニルフェノールに1〜10モルのエ
チレンオキシドを付加重合せしめてなる化合物である請
求項1または請求項2記載の軟質ポリウレタン発泡体。 - 【請求項4】 前記発泡が、発泡剤としての水を前記反
応系に存在せしめることにより、行なわれたものである
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の軟質ポリウレタ
ン発泡体。 - 【請求項5】 前記−20℃における25%圧縮荷重値
及び+20℃における25%圧縮荷重値が、何れも、
0.110kg/cm2 以下である請求項1乃至請求項
4の何れかに記載の軟質ポリウレタン発泡体。 - 【請求項6】 表皮層の下に、外部からの衝撃を吸収す
べく配設されるパッド層の一部若しくは全体を、請求項
1乃至請求項5の何れかに記載の軟質ポリウレタン発泡
体にて構成したことを特徴とする車両用内装材。 - 【請求項7】 袋状の表皮と、該表皮内に配設された、
該表皮を貫通して外部に突出するステーを有する芯材
と、それら表皮と芯材との間に充填されるパッド材とを
含む車両用のヘッドレストにして、該パッド材の一部若
しくは全体を、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の
軟質ポリウレタン発泡体にて構成したことを特徴とする
車両用ヘッドレスト。 - 【請求項8】 シートバックカバーとシートバックフレ
ームとの間に介装されるシートバックパッドの一部若し
くは全体を、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の軟
質ポリウレタン発泡体にて構成したことを特徴とする車
両用シートにおけるシートバック。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10286825A JP2000109536A (ja) | 1998-10-08 | 1998-10-08 | 軟質ポリウレタン発泡体並びにそれを用いた車両用内装材 |
US09/178,314 US6136879A (en) | 1997-10-28 | 1998-10-23 | Soft polyurethane foam, method of producing the same and vehicle interior member using the same |
EP98120324A EP0913414B1 (en) | 1997-10-28 | 1998-10-27 | Soft polyurethane foam, method of producing the same and vehicle interior member using the same |
DE69818943T DE69818943T2 (de) | 1997-10-28 | 1998-10-27 | Polyurethan Weichschaum, Verfahren zu seiner Herstellung und Verwendung im Fahrzeug-Innenbereich |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10286825A JP2000109536A (ja) | 1998-10-08 | 1998-10-08 | 軟質ポリウレタン発泡体並びにそれを用いた車両用内装材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000109536A true JP2000109536A (ja) | 2000-04-18 |
Family
ID=17709533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10286825A Pending JP2000109536A (ja) | 1997-10-28 | 1998-10-08 | 軟質ポリウレタン発泡体並びにそれを用いた車両用内装材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000109536A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004197887A (ja) * | 2002-12-20 | 2004-07-15 | Nippon Tokushu Toryo Co Ltd | 防音排水管およびその製造方法 |
JP2005270648A (ja) * | 2004-02-26 | 2005-10-06 | Sanyo Chem Ind Ltd | 保冷具 |
JP2016204403A (ja) * | 2015-04-15 | 2016-12-08 | 三井化学株式会社 | 発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法、発泡ポリウレタンエラストマーおよび緩衝材 |
JP2017512865A (ja) * | 2014-03-24 | 2017-05-25 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | 多孔性材料の製造方法 |
-
1998
- 1998-10-08 JP JP10286825A patent/JP2000109536A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004197887A (ja) * | 2002-12-20 | 2004-07-15 | Nippon Tokushu Toryo Co Ltd | 防音排水管およびその製造方法 |
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JP2017512865A (ja) * | 2014-03-24 | 2017-05-25 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | 多孔性材料の製造方法 |
JP2016204403A (ja) * | 2015-04-15 | 2016-12-08 | 三井化学株式会社 | 発泡ポリウレタンエラストマーの製造方法、発泡ポリウレタンエラストマーおよび緩衝材 |
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