JP2000178114A - 医療用硬化性組成物 - Google Patents
医療用硬化性組成物Info
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- JP2000178114A JP2000178114A JP10358173A JP35817398A JP2000178114A JP 2000178114 A JP2000178114 A JP 2000178114A JP 10358173 A JP10358173 A JP 10358173A JP 35817398 A JP35817398 A JP 35817398A JP 2000178114 A JP2000178114 A JP 2000178114A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 生体に対して安全でありかつ高強度の硬化物
を形成可能な医療用硬化性組成物を実現する。 【解決手段】 医療用硬化性組成物は、下記の一般式
(1)で示される少なくとも1種のビスクレゾールフル
オレン系化合物と、当該ビスクレゾールフルオレン系化
合物と重合可能な多官能性アクリル系モノマーとを含ん
でいる。一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基
を示している。 【化1】
を形成可能な医療用硬化性組成物を実現する。 【解決手段】 医療用硬化性組成物は、下記の一般式
(1)で示される少なくとも1種のビスクレゾールフル
オレン系化合物と、当該ビスクレゾールフルオレン系化
合物と重合可能な多官能性アクリル系モノマーとを含ん
でいる。一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基
を示している。 【化1】
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、硬化性組成物、特
に、医療用硬化性組成物に関する。
に、医療用硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】欠損したり侵蝕された骨や歯
などの生体硬組織の修復治療用および白内障治療のため
の眼内レンズ製造用の医療用材料として、多官能性の脂
肪族アクリレート化合物やメタクリレート化合物、ビス
フェノール系芳香族化合物および無機質骨材を主材料と
して混和したものが知られている。このような医療用材
料を用いて例えば欠損した骨を修復する場合は、通常、
化学触媒(硬化剤)が添加された当該医療用組成物を骨
の修復部位に装着しまたは填入して硬化させている。
などの生体硬組織の修復治療用および白内障治療のため
の眼内レンズ製造用の医療用材料として、多官能性の脂
肪族アクリレート化合物やメタクリレート化合物、ビス
フェノール系芳香族化合物および無機質骨材を主材料と
して混和したものが知られている。このような医療用材
料を用いて例えば欠損した骨を修復する場合は、通常、
化学触媒(硬化剤)が添加された当該医療用組成物を骨
の修復部位に装着しまたは填入して硬化させている。
【0003】しかし、このような医療用組成物により形
成される硬化物は、曲げ強度、辺縁強度が必ずしも十分
ではなく、医療用途において特に要求される高強度で信
頼性の高いものとは言い難い。また、この医療用組成物
は、所謂環境ホルモンとして認定されているビスフェノ
ール系芳香族化合物を主成分として含んでいるため、生
体に対して将来的に害悪を及ぼす可能性がある。
成される硬化物は、曲げ強度、辺縁強度が必ずしも十分
ではなく、医療用途において特に要求される高強度で信
頼性の高いものとは言い難い。また、この医療用組成物
は、所謂環境ホルモンとして認定されているビスフェノ
ール系芳香族化合物を主成分として含んでいるため、生
体に対して将来的に害悪を及ぼす可能性がある。
【0004】本発明の目的は、生体に対して安全であり
かつ高強度の硬化物を形成可能な医療用硬化性組成物を
実現することにある。
かつ高強度の硬化物を形成可能な医療用硬化性組成物を
実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る医療用硬化
性組成物は、下記の一般式(1)で示される少なくとも
1種のビスクレゾールフルオレン系化合物を含んでい
る。なお、一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル
基を示している。
性組成物は、下記の一般式(1)で示される少なくとも
1種のビスクレゾールフルオレン系化合物を含んでい
る。なお、一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル
基を示している。
【0006】
【化3】
【0007】また、本発明の他の見地に係る医療用硬化
性組成物は、上述の一般式(1)で示される少なくとも
1種のビスクレゾールフルオレン系化合物と、当該ビス
クレゾールフルオレン系化合物と重合可能な多官能性ア
クリル系モノマーとを含んでいる。
性組成物は、上述の一般式(1)で示される少なくとも
1種のビスクレゾールフルオレン系化合物と、当該ビス
クレゾールフルオレン系化合物と重合可能な多官能性ア
クリル系モノマーとを含んでいる。
【0008】ここで用いられる多官能性アクリル系モノ
マーは、例えば、二官能性脂肪族アクリレート化合物お
よび二官能性脂肪族メタアクリレート化合物からなる群
から選ばれた少なくとも1種の二官能性脂肪族アクリル
系モノマーと、三官能性脂肪族アクリレート化合物およ
び三官能性脂肪族メタアクリレート化合物からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の三官能性脂肪族アクリル系
モノマーとの混合物である。
マーは、例えば、二官能性脂肪族アクリレート化合物お
よび二官能性脂肪族メタアクリレート化合物からなる群
から選ばれた少なくとも1種の二官能性脂肪族アクリル
系モノマーと、三官能性脂肪族アクリレート化合物およ
び三官能性脂肪族メタアクリレート化合物からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の三官能性脂肪族アクリル系
モノマーとの混合物である。
【0009】このような多官能性アクリル系モノマーを
用いる場合、通常、ビスクレゾールフルオレン系化合物
(a)と二官能性脂肪族アクリル系モノマー(b)との
配合割合が下記の条件を満たすように設定されており、
かつビスクレゾールフルオレン系化合物と二官能性脂肪
族アクリル系モノマーとの合計量100重量部に対して
三官能性脂肪族アクリル系モノマーの割合が1〜50重
量部になるように設定されている。
用いる場合、通常、ビスクレゾールフルオレン系化合物
(a)と二官能性脂肪族アクリル系モノマー(b)との
配合割合が下記の条件を満たすように設定されており、
かつビスクレゾールフルオレン系化合物と二官能性脂肪
族アクリル系モノマーとの合計量100重量部に対して
三官能性脂肪族アクリル系モノマーの割合が1〜50重
量部になるように設定されている。
【0010】
【数2】
【0011】
【発明の実施の形態】ビスクレゾールフルオレン系化合
物 本発明で用いられるビスクレゾールフルオレン系化合物
は、下記の一般式(1)で示されるビスクレゾールフル
オレンジアクリレートまたはビスクレゾールフルオレン
ジメタアクリレートである。
物 本発明で用いられるビスクレゾールフルオレン系化合物
は、下記の一般式(1)で示されるビスクレゾールフル
オレンジアクリレートまたはビスクレゾールフルオレン
ジメタアクリレートである。
【0012】
【化4】
【0013】一般式(1)中、RはH(水素原子)また
はCH3(メチル基)を示している。このようなビスク
レゾールフルオレン系化合物は、例えば、市場において
入手可能な公知の物質であるビスクレゾールフルオレン
(例えば、大阪瓦斯株式会社の商品名“BCF”)のO
H基部分を常法に従ってアクリル酸またはメタアクリル
酸によりエステル化すると製造することができる。
はCH3(メチル基)を示している。このようなビスク
レゾールフルオレン系化合物は、例えば、市場において
入手可能な公知の物質であるビスクレゾールフルオレン
(例えば、大阪瓦斯株式会社の商品名“BCF”)のO
H基部分を常法に従ってアクリル酸またはメタアクリル
酸によりエステル化すると製造することができる。
【0014】本発明では、上述の一般式(1)で示され
るビスクレゾールフルオレン系化合物のうちの1種類が
単独で用いられてもよいし、2種類のものが混合して用
いられてもよい。すなわち、一般式(1)中のRが水素
原子のもの(すなわち、ビスクレゾールフルオレンジア
クリレート)、またはRがメチル基のもの(すなわち、
ビスクレゾールフルオレンジメタアクリレート)がそれ
ぞれ単独で用いられてもよいし、Rが水素原子のものと
Rがメチル基のものとが混合して用いられてもよい。
るビスクレゾールフルオレン系化合物のうちの1種類が
単独で用いられてもよいし、2種類のものが混合して用
いられてもよい。すなわち、一般式(1)中のRが水素
原子のもの(すなわち、ビスクレゾールフルオレンジア
クリレート)、またはRがメチル基のもの(すなわち、
ビスクレゾールフルオレンジメタアクリレート)がそれ
ぞれ単独で用いられてもよいし、Rが水素原子のものと
Rがメチル基のものとが混合して用いられてもよい。
【0015】なお、本発明では、一般式(1)中のRが
メチル基であるビスクレゾールフルオレンジメタアクリ
レートを単独で用いるのが最も好ましい。
メチル基であるビスクレゾールフルオレンジメタアクリ
レートを単独で用いるのが最も好ましい。
【0016】多官能性アクリル系モノマー 本発明で用いられる多官能性アクリル系モノマーは、上
述のビスクレゾールフルオレン系化合物と重合して硬化
物を形成するための成分であり、上述のビスクレゾール
フルオレン系化合物と重合反応可能なものであれば特に
限定されることなく各種のものを用いることができる。
述のビスクレゾールフルオレン系化合物と重合して硬化
物を形成するための成分であり、上述のビスクレゾール
フルオレン系化合物と重合反応可能なものであれば特に
限定されることなく各種のものを用いることができる。
【0017】ビスクレゾールフルオレン化合物と重合反
応可能な多官能性アクリル系モノマーとしては、例え
ば、二官能性脂肪族アクリレート化合物、二官能性脂肪
族メタアクリレート化合物、三官能性脂肪族アクリレー
ト化合物、三官能性脂肪族メタアクリレート化合物を挙
げることができる。
応可能な多官能性アクリル系モノマーとしては、例え
ば、二官能性脂肪族アクリレート化合物、二官能性脂肪
族メタアクリレート化合物、三官能性脂肪族アクリレー
ト化合物、三官能性脂肪族メタアクリレート化合物を挙
げることができる。
【0018】ここで、二官能性脂肪族アクリレート化合
物としては、エチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレ
ングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオール
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを例示す
ることができる。
物としては、エチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレ
ングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオール
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを例示す
ることができる。
【0019】また、二官能性脂肪族メタアクリレート化
合物としては、エチレングリコールジメタアクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエ
チレングリコールジメタアクリレート、ブチレングリコ
ールジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タアクリレート、プロピレングリコールジメタアクリレ
ート、1,3−ブタンジオールジメタアクリレート、
1,4−ブタンジオールジメタアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジメタアクリレートを例示することが
できる。
合物としては、エチレングリコールジメタアクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタアクリレート、トリエ
チレングリコールジメタアクリレート、ブチレングリコ
ールジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タアクリレート、プロピレングリコールジメタアクリレ
ート、1,3−ブタンジオールジメタアクリレート、
1,4−ブタンジオールジメタアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジメタアクリレートを例示することが
できる。
【0020】一方、三官能性脂肪族アクリレート化合物
としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリ
メチロールエタノールトリアクリレートおよびトリメチ
ロールメタントリアクリレートを挙げることができる。
また、三官能性脂肪族メタアクリレート化合物として
は、例えば、トリメチロールプロパントリメタアクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタアクリレート、ト
リメチロールエタノールトリメタアクリレートおよびト
リメチロールメタントリメタアクリレートを挙げること
ができる。
としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリ
メチロールエタノールトリアクリレートおよびトリメチ
ロールメタントリアクリレートを挙げることができる。
また、三官能性脂肪族メタアクリレート化合物として
は、例えば、トリメチロールプロパントリメタアクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタアクリレート、ト
リメチロールエタノールトリメタアクリレートおよびト
リメチロールメタントリメタアクリレートを挙げること
ができる。
【0021】上述の各種多官能性アクリル系モノマー
は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上のも
のが併用されてもよい。但し、三官能性脂肪族アクリレ
ート化合物および三官能性脂肪族メタアクリレート化合
物は、主として本発明の医療用硬化性組成物からなる硬
化物の硬度調整剤として機能し得ることから、本発明の
医療用硬化性組成物の使用目的に応じ、通常は二官能性
脂肪族アクリレート化合物および二官能性脂肪族メタア
クリレート化合物に対して補助的に利用するのが好まし
い。因みに、多官能性アクリル系モノマーとして三官能
性脂肪族アクリレート化合物や三官能性脂肪族メタアク
リレート化合物を主として用いると、高強度の硬化物が
得られるが、この硬化物は高強度故に可撓性が小さくな
り、医療上の利用目的によっては却って使用しにくくな
る場合がある。
は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上のも
のが併用されてもよい。但し、三官能性脂肪族アクリレ
ート化合物および三官能性脂肪族メタアクリレート化合
物は、主として本発明の医療用硬化性組成物からなる硬
化物の硬度調整剤として機能し得ることから、本発明の
医療用硬化性組成物の使用目的に応じ、通常は二官能性
脂肪族アクリレート化合物および二官能性脂肪族メタア
クリレート化合物に対して補助的に利用するのが好まし
い。因みに、多官能性アクリル系モノマーとして三官能
性脂肪族アクリレート化合物や三官能性脂肪族メタアク
リレート化合物を主として用いると、高強度の硬化物が
得られるが、この硬化物は高強度故に可撓性が小さくな
り、医療上の利用目的によっては却って使用しにくくな
る場合がある。
【0022】以上より、本発明で用いられる多官能性ア
クリル系モノマーとして好ましいものは、上述のような
二官能性脂肪族アクリレート化合物および二官能性脂肪
族メタアクリレート化合物からなる群から選ばれた少な
くとも1種の二官能性脂肪族アクリル系モノマーと、上
述のような三官能性脂肪族アクリレート化合物および三
官能性脂肪族メタアクリレート化合物からなる群から選
ばれた少なくとも1種の三官能性脂肪族アクリル系モノ
マーとを含む多官能性アクリル系モノマー混合物であ
る。このような多官能性アクリル系モノマー混合物を用
いると、本発明の組成物は、医療用の各種の目的に適し
た強度の硬化物を形成し易くなる。
クリル系モノマーとして好ましいものは、上述のような
二官能性脂肪族アクリレート化合物および二官能性脂肪
族メタアクリレート化合物からなる群から選ばれた少な
くとも1種の二官能性脂肪族アクリル系モノマーと、上
述のような三官能性脂肪族アクリレート化合物および三
官能性脂肪族メタアクリレート化合物からなる群から選
ばれた少なくとも1種の三官能性脂肪族アクリル系モノ
マーとを含む多官能性アクリル系モノマー混合物であ
る。このような多官能性アクリル系モノマー混合物を用
いると、本発明の組成物は、医療用の各種の目的に適し
た強度の硬化物を形成し易くなる。
【0023】その他の成分 本発明の医療用硬化性組成物は、上述の成分の他、必要
に応じて他の重合性モノマー、硬化触媒、フィラーおよ
び安定剤などの他の成分を含んでいてもよい。
に応じて他の重合性モノマー、硬化触媒、フィラーおよ
び安定剤などの他の成分を含んでいてもよい。
【0024】ここで、他の重合性モノマーは、通常、本
発明の組成物の粘度、硬化速度および重合収率等の調整
や、本発明の組成物による硬化物の硬度調整を目的とし
て添加されるものである。利用可能な他の重合性モノマ
ーとしては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタ
アクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリル
アクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレー
ト、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタアク
リレートなどのモノマーやそれらのオリゴマー、並びに
二官能性芳香族アクリル系モノマーを挙げることができ
る。
発明の組成物の粘度、硬化速度および重合収率等の調整
や、本発明の組成物による硬化物の硬度調整を目的とし
て添加されるものである。利用可能な他の重合性モノマ
ーとしては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタ
アクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタアクリレート、テトラヒドロフルフリル
アクリレート、テトラヒドロフルフリルメタアクリレー
ト、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタアク
リレートなどのモノマーやそれらのオリゴマー、並びに
二官能性芳香族アクリル系モノマーを挙げることができ
る。
【0025】ここで、二官能性芳香族アクリル系モノマ
ーとしては、二官能性芳香族アクリレート化合物または
二官能性芳香族メタアクリレート化合物が用いられる。
二官能性芳香族アクリレート化合物としては、2,2−
ビス(アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
[4−(3−アクリロキシ)−2−ヒドロキシプロポキ
シフェニル]プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキ
シエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ア
クリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−アクリロキシテトラエトキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシペ
ンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2(4−
アクリロキシジエトキシフェニル)−2(4−アクリロ
キシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−アクリロ
キシジエトキシフェニル)−2(4−アクリロキシトリ
エトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アク
リロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−アクリロキシイソプロポキシフェニル)プロパ
ン、2(4−アクリロキシジプロポキシフェニル)−2
(4−アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパンを
例示することができる。
ーとしては、二官能性芳香族アクリレート化合物または
二官能性芳香族メタアクリレート化合物が用いられる。
二官能性芳香族アクリレート化合物としては、2,2−
ビス(アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
[4−(3−アクリロキシ)−2−ヒドロキシプロポキ
シフェニル]プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキ
シエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ア
クリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−アクリロキシテトラエトキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシペ
ンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2(4−
アクリロキシジエトキシフェニル)−2(4−アクリロ
キシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−アクリロ
キシジエトキシフェニル)−2(4−アクリロキシトリ
エトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アク
リロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−アクリロキシイソプロポキシフェニル)プロパ
ン、2(4−アクリロキシジプロポキシフェニル)−2
(4−アクリロキシトリエトキシフェニル)プロパンを
例示することができる。
【0026】また、二官能性芳香族メタアクリレート化
合物としては、2,2−ビス(メタアクリロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス[4−(3−メタアクリロ
キシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル]プロパ
ン、2,2−ビス(4−メタアクリロキシエトキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタアクリロキシ
ジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メ
タアクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−メタアクリロキシテトラエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−メタアクリロキシペ
ンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
メタアクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2
(4−メタアクリロキシエトキシフェニル)−2(4−
メタアクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2
(4−メタアクリロキシジエトキシフェニル)−2(4
−メタアクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メタアクリロキシプロポキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−メタアクリロキシイ
ソプロポキシフェニル)プロパンを例示することができ
る。
合物としては、2,2−ビス(メタアクリロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス[4−(3−メタアクリロ
キシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル]プロパ
ン、2,2−ビス(4−メタアクリロキシエトキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタアクリロキシ
ジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メ
タアクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−メタアクリロキシテトラエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−メタアクリロキシペ
ンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
メタアクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2
(4−メタアクリロキシエトキシフェニル)−2(4−
メタアクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2
(4−メタアクリロキシジエトキシフェニル)−2(4
−メタアクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−メタアクリロキシプロポキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−メタアクリロキシイ
ソプロポキシフェニル)プロパンを例示することができ
る。
【0027】なお、上述の二官能性芳香族アクリル系モ
ノマーは、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以
上が併用されてもよい。
ノマーは、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以
上が併用されてもよい。
【0028】一方、硬化触媒は、本発明の医療用硬化性
組成物の硬化を手術等の各種の治療中の限られた時間内
において常温下で促進させるために添加されるものであ
り、通常、レドックス重合触媒や感光性触媒が用いられ
る。
組成物の硬化を手術等の各種の治療中の限られた時間内
において常温下で促進させるために添加されるものであ
り、通常、レドックス重合触媒や感光性触媒が用いられ
る。
【0029】ここで、レドックス重合触媒としては、通
常、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミン化合
物と過酸化ベンゾイル等の過酸化物とを組み合わせたも
のが用いられる。因みに、このようなレドックス重合触
媒を用いる場合は、本発明の組成物を2つに分け、その
一方にアミン化合物を添加し、他方に過酸化物を添加す
る。
常、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミン化合
物と過酸化ベンゾイル等の過酸化物とを組み合わせたも
のが用いられる。因みに、このようなレドックス重合触
媒を用いる場合は、本発明の組成物を2つに分け、その
一方にアミン化合物を添加し、他方に過酸化物を添加す
る。
【0030】一方、感光性触媒としては、例えば、α−
ジケトン、キノンおよびこれらの誘導体から選択される
少なくとも1種の光増感剤と、アルデヒドおよびその誘
導体から選択される少なくとも1種の促進剤とを含むも
のが用いられる。具体的には、例えば、カンファーキノ
ン、ベンジルおよびジアセチルのうちから選ばれた少な
くとも1つのビシナル−ジケトン(光増感剤)と、4−
(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸またはその低級ア
ルキルエステル(促進剤)とを含むものが用いられる。
このような感光性触媒を硬化触媒として用いると、本発
明の組成物は、可視光または紫外線を照射するだけで硬
化し得る。
ジケトン、キノンおよびこれらの誘導体から選択される
少なくとも1種の光増感剤と、アルデヒドおよびその誘
導体から選択される少なくとも1種の促進剤とを含むも
のが用いられる。具体的には、例えば、カンファーキノ
ン、ベンジルおよびジアセチルのうちから選ばれた少な
くとも1つのビシナル−ジケトン(光増感剤)と、4−
(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸またはその低級ア
ルキルエステル(促進剤)とを含むものが用いられる。
このような感光性触媒を硬化触媒として用いると、本発
明の組成物は、可視光または紫外線を照射するだけで硬
化し得る。
【0031】また、フィラーは、増量材または改質材と
して適宜添加されるものであり、例えば、シリカ粉末、
ガラスビーズ、酸化アルミニウム、α−石英末、ハイド
ロキシアパタイト、リン酸カルシウム化合物などの無機
物質の粉末が用いられる。これらのフィラーは、2種以
上のものが併用されてもよい。このような無機物質のフ
ィラーの粒径は、本発明の利用目的(本発明の組成物を
用いる治療目的)等に応じて適宜選択することができ、
特に限定されるものではないが、例えば歯科用途に用い
る場合は一般に100μm以下が好ましく、50μm以
下がより好ましい。この粒径が100μmを超える場合
は、本発明の組成物を硬化させることにより得られる歯
科用充填材の表面が粗くなり、舌が触れたときのざらつ
き感などの不快感が高まるおそれがある。また、歯垢が
付着し易くなったり、噛み合う相手側の歯に無理な点荷
重が発生するおそれがある。なお、粒径が数μm以下の
フィラーも、硬化物の表面平滑性を高めると共に硬化物
の強度を高めることができることから使用可能である。
また、硬化物の強度向上を図るために、各種の粒径のフ
ィラーが併用されてもよい。
して適宜添加されるものであり、例えば、シリカ粉末、
ガラスビーズ、酸化アルミニウム、α−石英末、ハイド
ロキシアパタイト、リン酸カルシウム化合物などの無機
物質の粉末が用いられる。これらのフィラーは、2種以
上のものが併用されてもよい。このような無機物質のフ
ィラーの粒径は、本発明の利用目的(本発明の組成物を
用いる治療目的)等に応じて適宜選択することができ、
特に限定されるものではないが、例えば歯科用途に用い
る場合は一般に100μm以下が好ましく、50μm以
下がより好ましい。この粒径が100μmを超える場合
は、本発明の組成物を硬化させることにより得られる歯
科用充填材の表面が粗くなり、舌が触れたときのざらつ
き感などの不快感が高まるおそれがある。また、歯垢が
付着し易くなったり、噛み合う相手側の歯に無理な点荷
重が発生するおそれがある。なお、粒径が数μm以下の
フィラーも、硬化物の表面平滑性を高めると共に硬化物
の強度を高めることができることから使用可能である。
また、硬化物の強度向上を図るために、各種の粒径のフ
ィラーが併用されてもよい。
【0032】なお、上述のフィラーは、樹脂成分との親
和性或いは結合性を高め、それにより本発明の組成物か
らなる硬化物の強度をより高めるために、予めシランカ
ップリング剤を用いて表面処理しておくのが好ましい。
この場合、シランカップリング剤としては、例えば、ビ
ニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ
エトキシ)シラン、ν−メタアクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(アミノエチル)ν−アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。
和性或いは結合性を高め、それにより本発明の組成物か
らなる硬化物の強度をより高めるために、予めシランカ
ップリング剤を用いて表面処理しておくのが好ましい。
この場合、シランカップリング剤としては、例えば、ビ
ニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ
エトキシ)シラン、ν−メタアクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(アミノエチル)ν−アミノプ
ロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。
【0033】さらに、安定剤は、本発明の組成物が使用
前に硬化してしまうのを抑制するためのものであり、通
常、ハイドロキノン系の重合抑制剤が用いられる。ハイ
ドロキノン系の重合抑制剤としては、例えば、ハイドロ
キノンモノメチルエーテルを挙げることができる。
前に硬化してしまうのを抑制するためのものであり、通
常、ハイドロキノン系の重合抑制剤が用いられる。ハイ
ドロキノン系の重合抑制剤としては、例えば、ハイドロ
キノンモノメチルエーテルを挙げることができる。
【0034】なお、本発明の組成物には、上述の他の成
分以外にも、例えばヒトの骨や歯牙等の硬組織と同じ色
調を再現するための色素などが適宜混入されていてもよ
い。
分以外にも、例えばヒトの骨や歯牙等の硬組織と同じ色
調を再現するための色素などが適宜混入されていてもよ
い。
【0035】配合割合 本発明の医療用硬化性組成物を構成する各成分の配合割
合は、組成物の粘度、組成物の硬化後の強度(硬度)な
どに応じて適宜設定することができ、特に限定されるも
のではない。但し、多官能性アクリル系モノマーとして
上述の二官能性脂肪族アクリル系モノマーと上述の三官
能性脂肪族アクリル系モノマーとの混合物を用いる場
合、通常、ビスクレゾールフルオレン系化合物(a)と
二官能性脂肪族アクリル系モノマー(b)との配合割合
が下記の条件を満たすように設定されており、かつビス
クレゾールフルオレン系化合物と二官能性脂肪族アクリ
ル系モノマーとの合計量100重量部に対して三官能性
脂肪族アクリル系モノマーの割合が1〜50重量部(好
ましくは5〜40重量部)になるように設定されている
のが好ましい。
合は、組成物の粘度、組成物の硬化後の強度(硬度)な
どに応じて適宜設定することができ、特に限定されるも
のではない。但し、多官能性アクリル系モノマーとして
上述の二官能性脂肪族アクリル系モノマーと上述の三官
能性脂肪族アクリル系モノマーとの混合物を用いる場
合、通常、ビスクレゾールフルオレン系化合物(a)と
二官能性脂肪族アクリル系モノマー(b)との配合割合
が下記の条件を満たすように設定されており、かつビス
クレゾールフルオレン系化合物と二官能性脂肪族アクリ
ル系モノマーとの合計量100重量部に対して三官能性
脂肪族アクリル系モノマーの割合が1〜50重量部(好
ましくは5〜40重量部)になるように設定されている
のが好ましい。
【0036】
【数3】
【0037】なお、この場合、ビスクレゾールフルオレ
ン系化合物のより好ましい配合割合は15重量部以上7
0重量部以下(さらに好ましくは20重量部以上68重
量部以下)であり、また二官能性脂肪族アクリル系モノ
マーのより好ましい配合割合は8重量部以上40重量部
以下(さらに好ましくは10重量部以上30重量部以
下)である。
ン系化合物のより好ましい配合割合は15重量部以上7
0重量部以下(さらに好ましくは20重量部以上68重
量部以下)であり、また二官能性脂肪族アクリル系モノ
マーのより好ましい配合割合は8重量部以上40重量部
以下(さらに好ましくは10重量部以上30重量部以
下)である。
【0038】このような本発明の組成物の配合割合にお
いて、ビスクレゾールフルオレン系化合物の配合割合が
10重量部未満の場合は、本発明の組成物からなる硬化
物の強度、生体硬組織との接着性および生体適合性など
が不十分になるおそれがある。逆に、80重量部を超え
る場合は、本発明の組成物からなる硬化物が脆くなるお
それがある。また、二官能性脂肪族アクリル系モノマー
の配合割合が5重量部未満の場合は、本発明の組成物の
練和性が低下するおそれがある。逆に、50重量部を超
える場合は、本発明の組成物からなる硬化物の強度が不
十分になるおそれがある。さらに、三官能性脂肪族アク
リル系モノマーの配合割合が1重量部未満の場合は、当
該モノマーを用いることによる効果が十分に発揮されな
いおそれがある。例えば、本発明の組成物からなる硬化
物の強度が不十分になるおそれがある。逆に、50重量
部を超える場合は、本発明の組成物からなる硬化物の強
度が高まり過ぎ、当該硬化物を医療用として利用するの
が困難になる場合がある。
いて、ビスクレゾールフルオレン系化合物の配合割合が
10重量部未満の場合は、本発明の組成物からなる硬化
物の強度、生体硬組織との接着性および生体適合性など
が不十分になるおそれがある。逆に、80重量部を超え
る場合は、本発明の組成物からなる硬化物が脆くなるお
それがある。また、二官能性脂肪族アクリル系モノマー
の配合割合が5重量部未満の場合は、本発明の組成物の
練和性が低下するおそれがある。逆に、50重量部を超
える場合は、本発明の組成物からなる硬化物の強度が不
十分になるおそれがある。さらに、三官能性脂肪族アク
リル系モノマーの配合割合が1重量部未満の場合は、当
該モノマーを用いることによる効果が十分に発揮されな
いおそれがある。例えば、本発明の組成物からなる硬化
物の強度が不十分になるおそれがある。逆に、50重量
部を超える場合は、本発明の組成物からなる硬化物の強
度が高まり過ぎ、当該硬化物を医療用として利用するの
が困難になる場合がある。
【0039】なお、他の重合性モノマー成分として上述
の二官能性芳香族アクリル系モノマーを用いる場合、そ
の配合量は、通常、ビスクレゾールフルオレン系化合
物、二官能性脂肪族アクリル系モノマーおよび当該二官
能性芳香族アクリル系モノマーの合計量100重量部に
おいて、二官能性芳香族アクリル系モノマーの占める割
合が60重量部以下、好ましくは53重量部以下、より
好ましくは48重量部以下になるよう設定する。二官能
性芳香族アクリル系モノマーの占める割合が60重量部
を超える場合は、本発明の組成物からなる硬化物の物
性、特に、曲げ強度などの強度が低下するおそれがあ
る。
の二官能性芳香族アクリル系モノマーを用いる場合、そ
の配合量は、通常、ビスクレゾールフルオレン系化合
物、二官能性脂肪族アクリル系モノマーおよび当該二官
能性芳香族アクリル系モノマーの合計量100重量部に
おいて、二官能性芳香族アクリル系モノマーの占める割
合が60重量部以下、好ましくは53重量部以下、より
好ましくは48重量部以下になるよう設定する。二官能
性芳香族アクリル系モノマーの占める割合が60重量部
を超える場合は、本発明の組成物からなる硬化物の物
性、特に、曲げ強度などの強度が低下するおそれがあ
る。
【0040】本発明の医療用硬化性組成物は、上述の各
種成分を混合し、これを練和してペースト状にすると調
製することができる。
種成分を混合し、これを練和してペースト状にすると調
製することができる。
【0041】ここで、上述の硬化触媒としてレドックス
重合触媒を用いる場合は、硬化触媒を除く他の成分を均
一に混合し、これにより得られる混合物を2つに分け
る。そして、その一方の混合物にアミン化合物を添加
し、他方の混合物に過酸化物を添加して、それぞれの混
合物を練和して2つのペーストを調製する。
重合触媒を用いる場合は、硬化触媒を除く他の成分を均
一に混合し、これにより得られる混合物を2つに分け
る。そして、その一方の混合物にアミン化合物を添加
し、他方の混合物に過酸化物を添加して、それぞれの混
合物を練和して2つのペーストを調製する。
【0042】一方、硬化触媒として感光性触媒を用いる
場合は、当該硬化触媒を含む全ての成分を混合して練和
し、ペーストを調製する。
場合は、当該硬化触媒を含む全ての成分を混合して練和
し、ペーストを調製する。
【0043】医療用硬化性組成物の使用方法 本発明の医療用硬化性組成物は、各種の医療分野、例え
ば、骨折などにより損傷した骨の修復や虫歯などの侵蝕
された歯の治療などの生体の硬組織の治療分野において
利用される。また、例えば白内障を治療する際に用いる
透明な眼内レンズを製造するために用いることもでき
る。なお、透明性が要求される眼内レンズを製造する場
合、本発明の組成物は上述のフィラーなどの透明性を阻
害する成分を含まないのが好ましい。
ば、骨折などにより損傷した骨の修復や虫歯などの侵蝕
された歯の治療などの生体の硬組織の治療分野において
利用される。また、例えば白内障を治療する際に用いる
透明な眼内レンズを製造するために用いることもでき
る。なお、透明性が要求される眼内レンズを製造する場
合、本発明の組成物は上述のフィラーなどの透明性を阻
害する成分を含まないのが好ましい。
【0044】本発明の組成物が上述のレドックス重合触
媒を含む場合は、使用に際してアミン化合物を含むペー
ストと過酸化物を含むペーストとを混合し、当該混合物
を例えば硬組織の修復部位に配置する。これにより、ア
ミン化合物と過酸化物とが一体化してレドックス重合が
進行し、本発明の組成物は通常数分以内(例えば5分以
内)に硬化する。
媒を含む場合は、使用に際してアミン化合物を含むペー
ストと過酸化物を含むペーストとを混合し、当該混合物
を例えば硬組織の修復部位に配置する。これにより、ア
ミン化合物と過酸化物とが一体化してレドックス重合が
進行し、本発明の組成物は通常数分以内(例えば5分以
内)に硬化する。
【0045】一方、本発明の組成物が上述の感光性触媒
を含む場合は、使用に際し、組成物に対して各種の光源
(例えばキセノンランプ等)から可視光や紫外線を照射
する。これにより、組成物は光重合し、通常数十秒(例
えば10〜60秒程度)で硬化する。
を含む場合は、使用に際し、組成物に対して各種の光源
(例えばキセノンランプ等)から可視光や紫外線を照射
する。これにより、組成物は光重合し、通常数十秒(例
えば10〜60秒程度)で硬化する。
【0046】このようにして硬化させた本発明の組成物
からなる硬化物は、生体の硬組織の修復治療用材料とし
ての必要な強度、すなわち良好な曲げ強度および圧縮強
度を有すると共に吸水率が小さく、しかも硬組織に対す
る接着性が良好でありかつ生体適合性に優れている。ま
た、本発明の組成物に含まれる上述のビスクレゾールフ
ルオレン系化合物は、所謂環境ホルモンのような生体に
対して害悪となるような物質ではないため、本発明の組
成物は生体に対して害悪になりにくく安全性が高い。
からなる硬化物は、生体の硬組織の修復治療用材料とし
ての必要な強度、すなわち良好な曲げ強度および圧縮強
度を有すると共に吸水率が小さく、しかも硬組織に対す
る接着性が良好でありかつ生体適合性に優れている。ま
た、本発明の組成物に含まれる上述のビスクレゾールフ
ルオレン系化合物は、所謂環境ホルモンのような生体に
対して害悪となるような物質ではないため、本発明の組
成物は生体に対して害悪になりにくく安全性が高い。
【0047】
【実施例】実施例1 表1に示す成分からなる2種類のペースト(ペーストA
−1およびペーストB−1)を調製した。この際、ビス
クレゾールフルオレンジメタアクリレートとモノマー成
分とを混合した後に溶解し、この溶解物に対してさらに
硬化剤成分と安定化剤とを添加した後にα−石英粉末
(フィラー)を添加した。その後、組成物を真空脱泡し
てから練和し、目的とするペーストを調製した。なお、
ここで用いたα−石英粉末は、予めν−メタアクリロキ
シプロピルトリメトキシシランを用いて常法により予め
シラン処理したものである。このペーストA−1とB−
1とを等量ずつ採取して練和したところ、約3分で硬化
した
−1およびペーストB−1)を調製した。この際、ビス
クレゾールフルオレンジメタアクリレートとモノマー成
分とを混合した後に溶解し、この溶解物に対してさらに
硬化剤成分と安定化剤とを添加した後にα−石英粉末
(フィラー)を添加した。その後、組成物を真空脱泡し
てから練和し、目的とするペーストを調製した。なお、
ここで用いたα−石英粉末は、予めν−メタアクリロキ
シプロピルトリメトキシシランを用いて常法により予め
シラン処理したものである。このペーストA−1とB−
1とを等量ずつ採取して練和したところ、約3分で硬化
した
【0048】
【表1】
【0049】比較例1 表2に示す、ビスクレゾールフルオレンジメタアクリレ
ートを含まない成分からなる2種類のペースト(ペース
トA−2およびペーストB−2)を調製した。この際、
モノマー成分を混合した後に溶解し、この溶解物に対し
てさらに硬化剤成分と安定化剤とを添加した後にα−石
英粉末(フィラー)を添加した。その後、組成物を真空
脱泡してから練和し、目的とするペーストを調製した。
なお、ここで用いたα−石英粉末は、予めν−メタアク
リロキシプロピルトリメトキシシランを用いて常法によ
り予めシラン処理したものである。このペーストA−2
とB−2とを等量ずつ採取して練和したところ、約3分
で硬化した
ートを含まない成分からなる2種類のペースト(ペース
トA−2およびペーストB−2)を調製した。この際、
モノマー成分を混合した後に溶解し、この溶解物に対し
てさらに硬化剤成分と安定化剤とを添加した後にα−石
英粉末(フィラー)を添加した。その後、組成物を真空
脱泡してから練和し、目的とするペーストを調製した。
なお、ここで用いたα−石英粉末は、予めν−メタアク
リロキシプロピルトリメトキシシランを用いて常法によ
り予めシラン処理したものである。このペーストA−2
とB−2とを等量ずつ採取して練和したところ、約3分
で硬化した
【0050】
【表2】
【0051】実施例2 表3に示す成分からなる2種類のペースト(ペーストA
−3およびペーストB−3)を実施例1の場合と同様に
して調製した。このペーストA−3とペーストB−3と
を等量ずつ採取して練和したところ、約3分で硬化し
た。
−3およびペーストB−3)を実施例1の場合と同様に
して調製した。このペーストA−3とペーストB−3と
を等量ずつ採取して練和したところ、約3分で硬化し
た。
【0052】
【表3】
【0053】比較例2 表4に示す、ビスクレゾールフルオレンジメタアクリレ
ートを含まない成分からなる2種類のペースト(ペース
トA−4およびペーストB−4)を比較例1の場合と同
様にして調製した。このペーストA−4とペーストB−
4とを等量ずつ採取して練和したところ、約3分で硬化
した。
ートを含まない成分からなる2種類のペースト(ペース
トA−4およびペーストB−4)を比較例1の場合と同
様にして調製した。このペーストA−4とペーストB−
4とを等量ずつ採取して練和したところ、約3分で硬化
した。
【0054】
【表4】
【0055】評価 各実施例および比較例で調製したペーストを用いて所定
の硬化物を作成し、この硬化物ついて、下記の方法に従
って曲げ強度、圧縮強度および吸水量を測定した。結果
を表5に示す。
の硬化物を作成し、この硬化物ついて、下記の方法に従
って曲げ強度、圧縮強度および吸水量を測定した。結果
を表5に示す。
【0056】曲げ強度 ISO4049に従って幅2mm、長さ25mmの硬化
物の試験片を作成し、この試験片を37℃の蒸留水中に
24時間浸漬した。その後、万能試験機を用い、クロス
ヘッドスピードを1mm/分に設定して試験片の曲げ強
度を測定した。
物の試験片を作成し、この試験片を37℃の蒸留水中に
24時間浸漬した。その後、万能試験機を用い、クロス
ヘッドスピードを1mm/分に設定して試験片の曲げ強
度を測定した。
【0057】圧縮強度 直径6mm、厚さ3mmの円柱形の硬化物の試験片を作
成し、これを37℃の蒸留水中に24時間浸漬した。そ
の後、万能試験機を用い、クロスヘッドスピードを1m
m/分に設定して試験片の圧縮強度を測定した。
成し、これを37℃の蒸留水中に24時間浸漬した。そ
の後、万能試験機を用い、クロスヘッドスピードを1m
m/分に設定して試験片の圧縮強度を測定した。
【0058】吸水量 直径20mm、厚さ2mmの円盤状の硬化物の試験片を
作成した。試験片に含まれる水分を乾燥剤の入ったデシ
ケータ中で除去し、試験片を恒量化した。そして、恒量
化された試験片を37℃の蒸留水中に1週間浸漬し、そ
の吸水量を測定した。
作成した。試験片に含まれる水分を乾燥剤の入ったデシ
ケータ中で除去し、試験片を恒量化した。そして、恒量
化された試験片を37℃の蒸留水中に1週間浸漬し、そ
の吸水量を測定した。
【0059】
【表5】
【0060】
【発明の効果】本発明の医療用硬化性組成物は、所謂環
境ホルモンとして作用しない上述のような一般式(1)
で示されるビスクレゾールフルオレン系化合物を含んで
いるため、高強度で生体に対する安全性の高い医療用硬
化物を形成することができる。
境ホルモンとして作用しない上述のような一般式(1)
で示されるビスクレゾールフルオレン系化合物を含んで
いるため、高強度で生体に対する安全性の高い医療用硬
化物を形成することができる。
フロントページの続き (72)発明者 須田 康裕 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4C081 AB02 AB06 BA15 CA081 CC01 CE08 EA05 4C089 AA01 BC05 BD02 BD04 CA09
Claims (4)
- 【請求項1】下記の一般式(1)で示される少なくとも
1種のビスクレゾールフルオレン系化合物を含む、医療
用硬化性組成物。 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を示す。) - 【請求項2】下記の一般式(1)で示される少なくとも
1種のビスクレゾールフルオレン系化合物と、 前記ビスクレゾールフルオレン系化合物と重合可能な多
官能性アクリル系モノマーと、を含む医療用硬化性組成
物。 【化2】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を示す。) - 【請求項3】前記多官能性アクリル系モノマーは、二官
能性脂肪族アクリレート化合物および二官能性脂肪族メ
タアクリレート化合物からなる群から選ばれた少なくと
も1種の二官能性脂肪族アクリル系モノマーと、三官能
性脂肪族アクリレート化合物および三官能性脂肪族メタ
アクリレート化合物からなる群から選ばれた少なくとも
1種の三官能性脂肪族アクリル系モノマーとの混合物で
ある、請求項2に記載の医療用硬化性組成物。 - 【請求項4】前記ビスクレゾールフルオレン系化合物
(a)と前記二官能性脂肪族アクリル系モノマー(b)
との配合割合が下記の条件を満たすように設定されてお
り、かつ前記ビスクレゾールフルオレン系化合物と前記
二官能性脂肪族アクリル系モノマーとの合計量100重
量部に対して前記三官能性脂肪族アクリル系モノマーの
割合が1〜50重量部になるように設定されている、請
求項3に記載の医療用硬化性組成物。 【数1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10358173A JP2000178114A (ja) | 1998-12-16 | 1998-12-16 | 医療用硬化性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10358173A JP2000178114A (ja) | 1998-12-16 | 1998-12-16 | 医療用硬化性組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000178114A true JP2000178114A (ja) | 2000-06-27 |
Family
ID=18457926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10358173A Pending JP2000178114A (ja) | 1998-12-16 | 1998-12-16 | 医療用硬化性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000178114A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7361432B2 (en) * | 2001-02-01 | 2008-04-22 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Composition for hologram-recording material, hologram-recording medium, and process for producing the same |
KR20140049584A (ko) * | 2011-08-11 | 2014-04-25 | 오사카 가스 케미칼 가부시키가이샤 | 플루오렌 골격을 갖는 다관능성 (메트)아크릴레이트 및 그의 경화성 조성물 |
-
1998
- 1998-12-16 JP JP10358173A patent/JP2000178114A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7361432B2 (en) * | 2001-02-01 | 2008-04-22 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Composition for hologram-recording material, hologram-recording medium, and process for producing the same |
KR20140049584A (ko) * | 2011-08-11 | 2014-04-25 | 오사카 가스 케미칼 가부시키가이샤 | 플루오렌 골격을 갖는 다관능성 (메트)아크릴레이트 및 그의 경화성 조성물 |
KR101868665B1 (ko) * | 2011-08-11 | 2018-07-17 | 오사카 가스 케미칼 가부시키가이샤 | 플루오렌 골격을 갖는 다관능성 (메트)아크릴레이트 및 그의 경화성 조성물 |
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