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JP2000169816A - 粘着剤組成物及び粘着シート - Google Patents

粘着剤組成物及び粘着シート

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JP2000169816A
JP2000169816A JP10348054A JP34805498A JP2000169816A JP 2000169816 A JP2000169816 A JP 2000169816A JP 10348054 A JP10348054 A JP 10348054A JP 34805498 A JP34805498 A JP 34805498A JP 2000169816 A JP2000169816 A JP 2000169816A
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sensitive adhesive
pressure
water
meth
crosslinking agent
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亜紀子 宮野
Kazuhisa Maeda
和久 前田
Michio Umeda
道夫 梅田
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分散型のアクリル系粘着剤であっても、優
れた接着性、粗面接着性及び保持性を併せ持つ粘着剤組
成物及び粘着シートを提供する。 【解決手段】 水分散型粘着剤組成物は、室温粘着性を
有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、該(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体に対して熱架橋可能な
油溶性架橋剤及び水溶性架橋剤を含む。前記(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体の溶剤不溶分は、例えば35
重量%以下である。油溶性架橋剤及び水溶性架橋剤の使
用量は、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体10
0重量部に対して、それぞれ、例えば0.01〜1.5
重量部程度である。粘着シートは、上記の水分散型粘着
剤組成物を基材上に塗布し、熱架橋することにより得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水分散型の粘着剤組
成物及び粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】水分散型のアクリル系粘着剤を用いた粘
着シートは、溶剤を用いないため、環境衛生上望まし
く、耐溶剤性に優れるなどの利点を有している。しか
し、その一方で、溶剤型の粘着剤を用いた粘着シートと
比較した場合、接着性や粗面接着性及び保持性の各性能
を両立できないという欠点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、水分散型のアクリル系粘着剤であっても、優れ
た接着性、粗面接着性及び保持性を併せ持つ粘着剤組成
物及び粘着シートを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため鋭意検討した結果、水分散型粘着剤に
おいて(メタ)アクリル酸エステル共重合体を架橋させ
る際に、架橋剤として油溶性架橋剤と水溶性架橋剤とを
併用すると、溶剤型粘着剤と比較して同等以上の優れた
接着性、粗面接着性及び保持性が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、室温粘着性を有する
(メタ)アクリル酸エステル共重合体と、該(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体に対して熱架橋可能な油溶性
架橋剤及び水溶性架橋剤を含む水分散型粘着剤組成物を
提供する。この粘着剤組成物において、(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体における溶剤不溶分は、例えば3
5重量%以下である。油溶性架橋剤及び水溶性架橋剤の
含有量は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体100
重量部に対して、それぞれ、例えば0.01〜1.5重
量部程度である。
【0006】本発明は、また、上記の水分散型粘着剤組
成物を基材上に塗布し、熱架橋して得られる粘着シート
を提供する。本発明は、さらに、水分散型アクリル系粘
着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着シート
であって、接着力(180度ピール、剥離速度300m
m/分)が530gf/20mm幅以上、粗面接着力
(180度ピール、剥離速度300mm/分、被着体:
粒度280番研磨紙)が40gf/20mm幅以上で、
且つ保持力(接触面積:10mm×20mm、80℃に
おける落下時間)が70分以上である粘着シートを提供
する。
【0007】なお、本明細書において、「溶剤不溶分」
とは、所定量(約500mg)の試料を精秤し(そのう
ち固形分の重量をW1mgとする)、これを酢酸エチル
中に室温で3日間浸漬した後、不溶の固体を濾過し、こ
の固体を100℃で2時間乾燥させて重量(W2mg)
を測定し、下記式 溶剤不溶分(重量%)=(W2/W1)×100 に従って算出したものである。
【0008】また、接着力とは、粘着シートをステンレ
ス板(被着体)に貼り合わせ、23℃、65%RH、剥
離速度300mm/分の条件で剥離したときに要する力
を意味する。また、粗面接着力とは、粘着シートを粒度
280番の研磨紙(被着体)に貼り合わせ、23℃、6
5%RH、剥離速度300mm/分の条件で剥離したと
きに要する力を意味する。保持力とは、粘着シートをフ
ェノール樹脂板(被着体)に10mm×20mmの接触
面積で貼り合わせ、80℃の条件でフェノール樹脂板を
垂下し、粘着シートの自由端に600gの荷重を負荷し
たときに、粘着シートが落下するまでに要する時間を意
味する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における(メタ)アクリル
酸エステル共重合体としては、室温において粘着性を示
すものであればよい。該(メタ)アクリル酸エステル共
重合体の主単量体成分である(メタ)アクリル酸エステ
ルとしては、一般式(1) CH2=C(R1)COOR2 (1) (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数2〜
14のアルキル基を示す)で表される化合物が挙げられ
る。
【0010】前記R2として、例えば、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、イ
ソアミル基、ヘキシル基、へプチル基、2−エチルヘキ
シル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基
などが例示できる。これらの(メタ)アクリル酸エステ
ルは単独でまたは2種以上混合して使用できる。
【0011】前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体
では、熱架橋するための架橋点を導入するため、官能基
含有単量体が共重合されている。官能基含有単量体をコ
モノマー成分として用いることにより被着体に対する接
着力も向上する。
【0012】前記官能基含有単量体としては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、
クロトン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有
単量体又はその酸無水物;(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチルなどの
水酸基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸ジメ
チルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミ
ノエチルなどのアミノ基含有単量体;(メタ)アクリル
酸グリシジルなどのグリシジル基含有単量体;(メタ)
アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、(メタ)ア
クリロイルプロピルジメトキシシラン、(メタ)アクリ
ロイルプロピルトリエトキシシランなどの多官能性アル
コキシシラン;(メタ)アクリロニトリル、N−(メ
タ)アクリロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリ
ドンなどが挙げられる。これらの官能基含有単量体は1
種または2種以上使用することができる。
【0013】また、前記(メタ)アクリル酸エステル共
重合体では、凝集力等の特性を高めるため、必要に応じ
て、その他の共重合性単量体をコモノマー成分として用
いられる。このような共重合性単量体としては、例え
ば、(メタ)アクリル酸メチル:酢酸ビニルなどのビニ
ルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族
ビニル化合物;シクロペンチルジ(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの環式アル
コールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレートなどの多価アルコールの(メタ)アク
リル酸エステル類などが挙げられる。これらの共重合性
単量体も1種または2種以上使用できる。
【0014】前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体
における溶剤不溶分は、粘着性等を損なわない範囲で適
宜選択できるが、一般には35重量%以下、好ましくは
20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下であ
る。
【0015】本発明の重要な特徴は、架橋剤として油溶
性架橋剤と水溶性架橋剤とを併用する点にある。なお、
本明細書において、「油溶性架橋剤」とは、実質的に水
に不溶な架橋剤(例えば、テトラッド−C:三菱瓦斯化
学株式会社製、デナコールEX−622:ナガセ化成工
業株式会社製)を意味し、「水溶性架橋剤」とは、実質
的に水に可溶な架橋剤(例えば、エポクロスWS−50
0:日本触媒化学工業株式会社製、TEPIC:日産化
学工業株式会社製)を意味する。
【0016】油溶性架橋剤及び水溶性架橋剤としては、
前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体を構成する官
能基含有単量体の種類に応じ、該官能基に対して反応性
を有するものを適宜選択して使用できる。
【0017】例えば、前記官能基含有単量体がカルボキ
シル基含有単量体又はその酸無水物である場合には、架
橋剤として、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネ
ート、エポキシ化合物(エポキシ樹脂等)、オキサゾリ
ン化合物、金属(過)酸化物、金属塩、金属水酸化物な
どが使用される。また、前記官能基含有単量体が水酸基
含有単量体である場合には、架橋剤として、メラミン樹
脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート、エポキシ化合物な
どが使用できる。さらに、アミド基含有単量体に対して
は、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート、エ
ポキシ化合物、カルボキシル基含有ポリマーなどが、ア
ミノ基含有単量体に対しては、ポリイソシアネート、エ
ポキシ化合物などが、グリシジル基含有単量体に対して
は、カルボキシル基含有ポリマー、酸無水物、ポリアミ
ンなどがそれぞれ用いられる。
【0018】これらの架橋剤のうち、代表的な油溶性架
橋剤にはエポキシ型架橋剤などが含まれ、代表的な水溶
性架橋剤にはオキサゾリン型架橋剤などが含まれる。
【0019】油溶性架橋剤及び水溶性架橋剤は、前記
(メタ)アクリル酸エステル共重合体中の架橋点となる
官能基に対して、それぞれ、例えば0.1〜5当量程度
用いられる。油溶性架橋剤及び水溶性架橋剤の使用量
は、一般には、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合
体100重量部に対して、0.01〜1.5重量部、好
ましくは0.01〜1重量部程度である。また、油溶性
架橋剤と水溶性架橋剤との割合は、例えば、前者/後者
(重量比)=1/99〜99/1、好ましくは10/9
0〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/
20程度である。
【0020】本発明の水分散型粘着剤組成物は、例え
ば、前記(メタ)アクリル酸エステル、官能基含有単量
体、及び必要に応じてその他の共重合性単量体を含む単
量体混合物を慣用の乳化重合に付して、(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体の水分散液を得、これに前記油溶
性架橋剤及び水溶性架橋剤を添加することにより調製で
きる。
【0021】重合方法としては、一般的な一括重合、連
続滴下重合、分割滴下重合などを採用でき、重合温度
は、例えば20〜100℃程度である。
【0022】重合に用いる重合開始剤としては、例え
ば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライ
ド、2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、
2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチル
アミジン)などのアゾ系開始剤;過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウムなどの過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサ
イド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化
物系開始剤;過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなどのレ
ドックス系開始剤などが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。重合開始剤の使用量は、モノマーの
総量100重量部に対して、例えば0.005〜1重量
部程度である。
【0023】また、重合には連鎖移動剤を用いてもよ
い。連鎖移動剤としては、慣用の連鎖移動剤、例えば、
ドデカンチオール等のメルカプタン類等が例示できる。
連鎖移動剤の使用量は、モノマーの総量100重量部に
対して、例えば0.001〜0.5重量部程度である。
【0024】また、乳化剤として、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル硫酸アンモニウムなどのアニオン系乳化
剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン系乳
化剤などを使用できる。これらの乳化剤は単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。乳化剤の使用量
は、モノマーの総量100重量部に対して、例えば0.
2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部程度であ
る。
【0025】(メタ)アクリル酸エステル共重合体の前
記溶剤不溶分は、重合条件、例えば、反応温度、反応時
間、モノマー組成、重合開始剤の種類及び使用量、連鎖
移動剤の種類及び使用量などを適宜選択することにより
調整できる。
【0026】前記水分散型粘着剤組成物は、上記方法の
ほか、前記(メタ)アクリル酸エステル共重合体を乳化
重合以外の方法で得た後、前記架橋剤を添加し、乳化剤
により水に分散させて調製してもよい。水分散型粘着剤
組成物には、その他、必要に応じて、pHを調整するた
めの塩基(アンモニア水など)や酸、粘着剤に通常使用
される添加剤、例えば、粘着付与樹脂、界面活性剤、老
化防止剤、充填剤、顔料、着色剤などが添加されていて
もよい。
【0027】本発明の粘着シートは、上記の水分散型粘
着剤組成物を基材上に塗布し、熱架橋することにより得
られる。基材としては、例えば、ポリプロピレンフィル
ム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム、ポリエス
テルフィルム、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィ
ルム;クラフト紙などの紙;金属箔などを使用できる。
前記プラスチックフィルムは、無延伸フィルム及び延伸
(一軸延伸又は二軸延伸)フィルムの何れであってもよ
い。また、基材のうち粘着剤を塗布する面には、通常使
用される下塗剤やコロナ放電方式などによる表面処理が
施されていてもよい。基材の厚みは、目的に応じて適宜
選択できるが、一般には10〜500μm程度である。
【0028】水分散型粘着剤組成物の塗布は、慣用のコ
ーター、例えば、グラビヤロールコーター、リバースロ
ールコーター、キスロールコーター、ディップロールコ
ーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコー
ターなどを用いて行うことができる。前記粘着剤組成物
は、乾燥後の粘着剤層の厚みが、例えば10〜100μ
m程度となるように塗布される。
【0029】熱架橋は、慣用の方法、例えば、架橋剤の
種類に応じて架橋反応が進行する温度にまで加熱するこ
とにより行われる。架橋後の粘着剤層の溶剤不溶分は、
例えば25〜70重量%程度、好ましくは30〜50重
量%程度である。架橋後の粘着剤層の溶剤不溶分は、例
えば、単量体総量に対する前記官能基含有単量体の割
合、架橋剤の種類や量を調整することによりコントロー
ルできる。粘着シートは、ロール状に巻回した粘着テー
プであってもよい。
【0030】本発明では、水分散型のアクリル系粘着剤
を用いているにもかかわらず、接着力、粗面に対する接
着力が良好で且つ保持性能にも優れる。好ましい粘着シ
ートでは、接着力(180度ピール、剥離速度300m
m/分)は530gf/20mm幅以上(例えば530
〜2000gf/20mm幅、好ましくは650〜20
00gf/20mm幅程度)、粗面接着力(180度ピ
ール、剥離速度300mm/分、被着体:粒度280番
研磨紙)は40gf/20mm幅以上(例えば40〜2
00gf/20mm幅、好ましくは75〜200gf/
20mm幅程度)、保持力(接触面積:10mm×20
mm、80℃における落下時間)は70分以上(好まし
くは100分以上、さらに好ましくは120分以上)で
ある。
【0031】このような効果が奏される詳細な理由は明
らかでないが、油溶性架橋剤と水溶性架橋剤とを併用す
ることで、水分散型粘着剤の粒子の内部と外側が均一に
架橋されることに起因するものと推測される。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、水分散型のアクリル系
粘着剤を用いるので、環境衛生上望ましいだけでなく、
水分散型であるにもかかわらず、接着性、粗面接着性及
び保持性の特性を併せ持つ。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。なお、「部」は、特に断りがない限り重量
基準である。
【0034】実施例1 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応
容器に、アクリル酸ブチル95部、アクリル酸5部、
2,2′−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン)]ジヒドロクロライド(開
始剤)0.1部、ドデカンチオール(連鎖移動剤)0.
01部を、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
硫酸ナトリウム(乳化剤)3部を添加した水100部に
加えて乳化重合したのち、10重量%アンモニウム水を
添加してpH8に調整した。得られたアクリル系共重合
体の溶剤不溶分は0重量%であった。上記で得られたア
クリル系共重合体の水分散液に、トルエンに溶解した油
溶性のエポキシ型架橋剤(テトラッド−C:三菱瓦斯化
学株式会社製)を0.08部、水に溶解した水溶性のオ
キサゾリン型架橋剤(エポクロスWS−500:日本触
媒化学工業株式会社製)を0.05部添加して、水分散
型粘着剤組成物を調製した。この水分散型粘着剤組成物
を厚さ40μmのポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムに塗布し、120℃で3分乾燥し、厚さ5
0μmの粘着剤層を付設して粘着シートを作製した。粘
着剤層の溶剤不溶分は40重量%であった。
【0035】実施例2 アクリル酸ブチル95部、アクリル酸5部、過硫酸アン
モニウム(開始剤)0.1部、ドデカンチオール(連鎖
移動剤)0.01部を、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル硫酸ナトリウム(乳化剤)3部を添加した
水100部に加えて乳化重合したのち、10重量%アン
モニウム水を添加してpH8に調整した。得られたアク
リル系共重合体の溶剤不溶分は30重量%であった。上
記で得られたアクリル系共重合体の水分散液に、トルエ
ンに溶解した油溶性のエポキシ型架橋剤(テトラッド−
C:三菱瓦斯化学株式会社製)を0.05部、水に溶解
した水溶性のオキサゾリン型架橋剤(エポクロスWS−
500:日本触媒化学工業株式会社製)を0.05部添
加して、水分散型粘着剤組成物を調製した。この水分散
型粘着剤組成物を厚さ40μmのPETフィルムに塗布
し、120℃で3分乾燥し、厚さ50μmの粘着剤層を
付設して粘着シートを作製した。粘着剤層の溶剤不溶分
は40重量%であった。
【0036】比較例1 実施例1に準じて調製したアクリル系共重合体の水分散
液に、トルエンに溶解した油溶性のエポキシ型架橋剤
(テトラッド−C:三菱瓦斯化学株式会社製)を0.1
部添加して、水分散型粘着剤組成物を調製した。この水
分散型粘着剤組成物を厚さ40μmのPETフィルムに
塗布し、120℃で3分乾燥し、厚さ50μmの粘着剤
層を付設して粘着シートを作製した。粘着剤層の溶剤不
溶分は40重量%であった。
【0037】比較例2 実施例1に準じて調製したアクリル系共重合体の水分散
液に、水に溶解した水溶性のオキサゾリン型架橋剤(エ
ポクロスWS−500:日本触媒化学工業株式会社製)
を0.7部添加して、水分散型粘着剤組成物を調製し
た。この水分散型粘着剤組成物を厚さ40μmのPET
フィルムに塗布し120℃で3分乾燥し、厚さ50μm
の粘着剤層を付設して粘着シートを作製した。粘着剤層
の溶剤不溶分は40重量%であった。
【0038】評価試験 実施例及び比較例で得た粘着シートについて次の特性を
調べた。結果を表1に示す。 (接着力)幅20mm、長さ100mmの大きさの試験
片を作製し、この試験片を被着体(SUS430BA
板)に2Kgのローラを1往復させる方法にて圧着し、
23℃下に20分放置後、23℃、65%RH雰囲気下
で剥離に要する力を測定した(180度ピール、剥離速
度300mm/分)。
【0039】(粗面接着力)幅20mm、長さ100m
mの大きさの試験片を作製し、この試験片を粒度280
番の研磨紙に2Kgのローラを1往復させる方法にて圧
着し、23℃下に20分放置後、23℃、65%RH雰
囲気下で剥離に要する力を測定した(180度ピール、
剥離速度300mm/分)。
【0040】(保持力試験)幅10mmの粘着シートを
フェノール樹脂板に対し10mm×20mmの接触面積
で貼り付け、20分経過後80℃下に20分放置した
後、フェノール樹脂板を垂下し、粘着テープの自由端に
600gの均一荷重を負荷して、80℃での粘着シート
の落下時間を測定した。
【0041】
【表1】 表1の結果より、実施例の粘着シートは、比較例の粘着
シートに比べ、接着力、粗面接着力及び保持力の何れの
特性も優れていることが明らかである。
フロントページの続き (72)発明者 梅田 道夫 大阪府茨木市下穂積一丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AA10 AA12 AA13 AA14 AA17 AB01 CA02 CA04 CA05 CA06 CA08 CB02 CC02 4J040 DF041 DF051 EB112 EB132 EC002 GA05 GA07 GA11 GA12 GA13 GA14 GA19 GA22 GA31 HA136 HB41 HC16 HC26 JA03 JA09 JB09 KA16 LA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温粘着性を有する(メタ)アクリル酸
    エステル共重合体と、該(メタ)アクリル酸エステル共
    重合体に対して熱架橋可能な油溶性架橋剤及び水溶性架
    橋剤を含む水分散型粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリル酸エステル共重合体に
    おける溶剤不溶分が35重量%以下である請求項1記載
    の水分散型粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 油溶性架橋剤及び水溶性架橋剤を、(メ
    タ)アクリル酸エステル共重合体100重量部に対し
    て、それぞれ0.01〜1.5重量部含む請求項1又は
    2記載の水分散型粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかの項に記載の水分
    散型粘着剤組成物を基材上に塗布し、熱架橋して得られ
    る粘着シート。
  5. 【請求項5】 水分散型アクリル系粘着剤組成物から形
    成された粘着剤層を有する粘着シートであって、接着力
    (180度ピール、剥離速度300mm/分)が530
    gf/20mm幅以上、粗面接着力(180度ピール、
    剥離速度300mm/分、被着体:粒度280番研磨
    紙)が40gf/20mm幅以上で、且つ保持力(接触
    面積:10mm×20mm、80℃における落下時間)
    が70分以上である粘着シート。
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