JP2000159919A - ポリオレフィン製微多孔体の製造方法 - Google Patents
ポリオレフィン製微多孔体の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】微粒子が凝集粒を形成することなく良好に分散
しており、均一な微多孔構造を有するポリオレフィン微
多孔体を効率的に製造する方法を開発すること。 【解決手段】ポリオレフィンが水に分散した分散液に、
ビニルモノマー、架橋剤及び重合開始剤を混合して重合
せしめ、生成した架橋ビニル重合体微粒子含有ポリオレ
フィン組成物を必要により希釈用ポリオレフィンと混合
した後成形し、該成形体を延伸することを特徴とするポ
リオレフィン製微多孔体の製造方法。
しており、均一な微多孔構造を有するポリオレフィン微
多孔体を効率的に製造する方法を開発すること。 【解決手段】ポリオレフィンが水に分散した分散液に、
ビニルモノマー、架橋剤及び重合開始剤を混合して重合
せしめ、生成した架橋ビニル重合体微粒子含有ポリオレ
フィン組成物を必要により希釈用ポリオレフィンと混合
した後成形し、該成形体を延伸することを特徴とするポ
リオレフィン製微多孔体の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン製
微多孔体の製造方法、詳しくは、均一な微多孔構造を有
するシート状または繊維状等のポリオレフィン製微多孔
体の製造方法を提供するものである。
微多孔体の製造方法、詳しくは、均一な微多孔構造を有
するシート状または繊維状等のポリオレフィン製微多孔
体の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】CaCO3、SiO2、ポリメチルシルセ
スキオキサンなどのフィラーを含むポリオレフィン組成
物を、シート状に成形した後延伸して微多孔性ポリオレ
フィンフィルムを得たり、該ポリオレフィン組成物を紡
糸した後延伸して微多孔性繊維を得ることは、既に提案
されている〔特開昭63−210144号公報、特開平
1−34726号公報、特開平9−157943号公
報、特開平9−157944号公報、S.Nago and Y.Miz
utani, J.Appl.Polym.Sci.,62, 81(199
6)〕。しかし、この方法では、ポリオレフィンへのフ
ィラーの配合時において該フィラーの分散性が十分でな
く、使用するフィラーの平均粒子径が小さい場合には、
凝集した粗大粒が形成され易く、得られる微多孔体は、
最大細孔径が大きくなり、均一な微多孔構造が形成され
難い面があった。
スキオキサンなどのフィラーを含むポリオレフィン組成
物を、シート状に成形した後延伸して微多孔性ポリオレ
フィンフィルムを得たり、該ポリオレフィン組成物を紡
糸した後延伸して微多孔性繊維を得ることは、既に提案
されている〔特開昭63−210144号公報、特開平
1−34726号公報、特開平9−157943号公
報、特開平9−157944号公報、S.Nago and Y.Miz
utani, J.Appl.Polym.Sci.,62, 81(199
6)〕。しかし、この方法では、ポリオレフィンへのフ
ィラーの配合時において該フィラーの分散性が十分でな
く、使用するフィラーの平均粒子径が小さい場合には、
凝集した粗大粒が形成され易く、得られる微多孔体は、
最大細孔径が大きくなり、均一な微多孔構造が形成され
難い面があった。
【0003】また、0.1μmオーダーの微細な粒子を
安定的に得る手法として、ビニルモノマーと架橋剤と
を、該ビニルモノマーと架橋剤とに対して可溶性の有機
溶媒中で架橋重合させる方法等が知られているが、こう
して得た微粒子は、嵩比重が小さく粉立ちし易いため、
上記微多孔体を製造する際のフィラーとして使用する上
では、取り扱い性に大きな問題があった。
安定的に得る手法として、ビニルモノマーと架橋剤と
を、該ビニルモノマーと架橋剤とに対して可溶性の有機
溶媒中で架橋重合させる方法等が知られているが、こう
して得た微粒子は、嵩比重が小さく粉立ちし易いため、
上記微多孔体を製造する際のフィラーとして使用する上
では、取り扱い性に大きな問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そのため、微粒子が均
一に分散したポリオレフィン組成物を直接的に得る手法
として、溶融したポリオレフィン中で、上記ビニルモノ
マーと架橋剤とを重合させる方法が、特開昭62−11
715号公報により提案されており、この方法により得
られた組成物を、そのまま上記微多孔体を製造するため
の素材として使用することが期待されている。ところ
が、この方法は、前記したような微粒子の粉立ちや凝集
の問題は解消される反面、使用するビニルモノマーの重
合収率が今一歩高くない問題があった。そのため、重合
体微粒子を多量に含有するポリオレフィン組成物が製造
し難く、また、未反応モノマーの回収に注力を要するも
のであった。
一に分散したポリオレフィン組成物を直接的に得る手法
として、溶融したポリオレフィン中で、上記ビニルモノ
マーと架橋剤とを重合させる方法が、特開昭62−11
715号公報により提案されており、この方法により得
られた組成物を、そのまま上記微多孔体を製造するため
の素材として使用することが期待されている。ところ
が、この方法は、前記したような微粒子の粉立ちや凝集
の問題は解消される反面、使用するビニルモノマーの重
合収率が今一歩高くない問題があった。そのため、重合
体微粒子を多量に含有するポリオレフィン組成物が製造
し難く、また、未反応モノマーの回収に注力を要するも
のであった。
【0005】こうしたことから、微粒子が凝集粒を形成
することなく良好に分散しており、均一な微多孔構造を
有するポリオレフィン微多孔体を効率的に製造する方法
を開発することが大きな課題であった。
することなく良好に分散しており、均一な微多孔構造を
有するポリオレフィン微多孔体を効率的に製造する方法
を開発することが大きな課題であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねてきた。その結果、ポ
リオレフィンが水に分散した分散液に、ビニルモノマ
ー、架橋剤及び重合開始剤を混合して重合せしめ、生成
した架橋ビニル重合体微粒子含有ポリオレフィン組成物
を微多孔体を製造する原料として用いることにより、上
記の課題が解決できることを見出し本発明を完成するに
至った。
を解決するために鋭意研究を重ねてきた。その結果、ポ
リオレフィンが水に分散した分散液に、ビニルモノマ
ー、架橋剤及び重合開始剤を混合して重合せしめ、生成
した架橋ビニル重合体微粒子含有ポリオレフィン組成物
を微多孔体を製造する原料として用いることにより、上
記の課題が解決できることを見出し本発明を完成するに
至った。
【0007】即ち、本発明は、ポリオレフィンが水に分
散した分散液中で、重合開始剤の存在下にビニルモノマ
ー及び架橋剤を重合せしめ、生成した架橋ビニル重合体
微粒子含有ポリオレフィン組成物を必要により希釈用ポ
リオレフィンと混合した後成形し、該成形体を延伸する
ことを特徴とするポリオレフィン製微多孔体の製造方法
である。
散した分散液中で、重合開始剤の存在下にビニルモノマ
ー及び架橋剤を重合せしめ、生成した架橋ビニル重合体
微粒子含有ポリオレフィン組成物を必要により希釈用ポ
リオレフィンと混合した後成形し、該成形体を延伸する
ことを特徴とするポリオレフィン製微多孔体の製造方法
である。
【0008】本発明において水に分散させるポリオレフ
ィンは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン
−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1等のα−
オレフィンの単独重合体、上記のα−オレフィンと共重
合可能な他のモノマーとの共重合体を挙げることができ
る。ここで、共重合可能な他のモノマーとしては、特に
限定されるものではないが、一般には炭素数2〜8のα
−オレフィン、特にエチレン、ブテン−1等のα−オレ
フィンが好適である。
ィンは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン
−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1等のα−
オレフィンの単独重合体、上記のα−オレフィンと共重
合可能な他のモノマーとの共重合体を挙げることができ
る。ここで、共重合可能な他のモノマーとしては、特に
限定されるものではないが、一般には炭素数2〜8のα
−オレフィン、特にエチレン、ブテン−1等のα−オレ
フィンが好適である。
【0009】これらのポリオレフィンは、低融点のもの
が架橋ビニル重合体微粒子が分散性良く生成するため好
ましい。一般には、融点が100℃以下、より好適には
80℃以下のものを用いるのが望ましい。また、融点は
65℃以上であるのが好ましい。具体的には、低結晶性
のポリプロピレンやプロピレン−エチレン共重合体、プ
ロピレン−1−ブテン共重合体等のプロピレン−α−オ
レフィン共重合体等が挙げられる。特に、低結晶性のポ
リプロピレンとしては、核磁気共鳴(NMR)で測定し
たアイソタクチックペンタッド分率が0.95以下、好
ましくは0.90以下のものが好適である。また、プロ
ピレン−α−オレフィン共重合体の場合、他のα−オレ
フィン単位の含有量が2〜85モル%、好ましくは10
〜80モル%であるのが好適である。
が架橋ビニル重合体微粒子が分散性良く生成するため好
ましい。一般には、融点が100℃以下、より好適には
80℃以下のものを用いるのが望ましい。また、融点は
65℃以上であるのが好ましい。具体的には、低結晶性
のポリプロピレンやプロピレン−エチレン共重合体、プ
ロピレン−1−ブテン共重合体等のプロピレン−α−オ
レフィン共重合体等が挙げられる。特に、低結晶性のポ
リプロピレンとしては、核磁気共鳴(NMR)で測定し
たアイソタクチックペンタッド分率が0.95以下、好
ましくは0.90以下のものが好適である。また、プロ
ピレン−α−オレフィン共重合体の場合、他のα−オレ
フィン単位の含有量が2〜85モル%、好ましくは10
〜80モル%であるのが好適である。
【0010】本発明では上記ポリオレフィンは、水に分
散される。分散媒として使用する水の使用量は、特に制
限されるものではないが、架橋ビニル重合体微粒子の生
成効率を勘案すると、ポリオレフィン100重量部に対
して、250〜1000重量部、好適には400〜80
0重量部であるのが好適である。水が250重量部より
少ないと重合の進行と共に生成物が固形化することによ
り、反応液の撹拌がし難くなり、他方、1000重量部
より多くなると、重合の進行が遅くなる。
散される。分散媒として使用する水の使用量は、特に制
限されるものではないが、架橋ビニル重合体微粒子の生
成効率を勘案すると、ポリオレフィン100重量部に対
して、250〜1000重量部、好適には400〜80
0重量部であるのが好適である。水が250重量部より
少ないと重合の進行と共に生成物が固形化することによ
り、反応液の撹拌がし難くなり、他方、1000重量部
より多くなると、重合の進行が遅くなる。
【0011】本発明では、このようにして調製されたポ
リオレフィンの分散液に、ビニルモノマー、架橋剤及び
重合開始剤を配合する。それにより、ビニルモノマー、
及び架橋剤は、分散するポリオレフィン中に浸透し、該
ポリオレフィン中で架橋重合して架橋ビニル重合体を生
じる。このようにポリオレフィン中で架橋ビニル重合体
が生成する知見は、既に、特公昭43−5398号公報
等により公知であり、生成したポリオレフィン組成物は
陰イオン交換体の製造原料として利用されているが、本
発明では、こうした反応において、生成する架橋ビニル
重合体がポリオレフィン中において微粒子として均一に
分散して生成することを見出した点に大きな意義を有し
ている。
リオレフィンの分散液に、ビニルモノマー、架橋剤及び
重合開始剤を配合する。それにより、ビニルモノマー、
及び架橋剤は、分散するポリオレフィン中に浸透し、該
ポリオレフィン中で架橋重合して架橋ビニル重合体を生
じる。このようにポリオレフィン中で架橋ビニル重合体
が生成する知見は、既に、特公昭43−5398号公報
等により公知であり、生成したポリオレフィン組成物は
陰イオン交換体の製造原料として利用されているが、本
発明では、こうした反応において、生成する架橋ビニル
重合体がポリオレフィン中において微粒子として均一に
分散して生成することを見出した点に大きな意義を有し
ている。
【0012】即ち、ポリオレフィン中での架橋重合にお
いて、生成するビニルポリマーラジカルはポリオレフィ
ンとは非相溶であり相分離を起こし、さらに、架橋剤の
使用が相分離を促進する。そして、ポリオレフィン中で
のビニルモノマー及び架橋剤の重合点への移動速度は小
さく、これらの結果、生成する架橋ビニル重合体は0.
01〜1μm程度の微小粒子となり、また、凝集するこ
ともほとんどない。従って、架橋ビニル重合体は微粒子
としてポリオレフィン中に均一に分散する。その結果、
得られたポリオレフィン組成物からなる成形体は、延伸
することにより該架橋ビニル重合体微粒子とポリオレフ
ィンのマトリックスとの間で界面剥離が生じ、均一に微
多孔化する。
いて、生成するビニルポリマーラジカルはポリオレフィ
ンとは非相溶であり相分離を起こし、さらに、架橋剤の
使用が相分離を促進する。そして、ポリオレフィン中で
のビニルモノマー及び架橋剤の重合点への移動速度は小
さく、これらの結果、生成する架橋ビニル重合体は0.
01〜1μm程度の微小粒子となり、また、凝集するこ
ともほとんどない。従って、架橋ビニル重合体は微粒子
としてポリオレフィン中に均一に分散する。その結果、
得られたポリオレフィン組成物からなる成形体は、延伸
することにより該架橋ビニル重合体微粒子とポリオレフ
ィンのマトリックスとの間で界面剥離が生じ、均一に微
多孔化する。
【0013】本発明においてビニルモノマーは、ラジカ
ル重合可能な公知のものが特に制限なく使用される。具
体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン等の芳香族系モノマー;アクリル酸、メタアクリル
酸、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート等
のアクリル酸、およびメタアクリル酸系モノマー;マレ
イミドおよびN−メチルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド等のN−置換体系モノマー;マレイン酸、無水マ
レイン酸等のカルボン酸系及びその無水物モノマーなど
が挙げられ、このうちスチレンやグリシジルメタクリレ
ートが特に好ましい。これらは、単独で、もしくは2種
以上を併用することができる。
ル重合可能な公知のものが特に制限なく使用される。具
体的には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン等の芳香族系モノマー;アクリル酸、メタアクリル
酸、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート等
のアクリル酸、およびメタアクリル酸系モノマー;マレ
イミドおよびN−メチルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド等のN−置換体系モノマー;マレイン酸、無水マ
レイン酸等のカルボン酸系及びその無水物モノマーなど
が挙げられ、このうちスチレンやグリシジルメタクリレ
ートが特に好ましい。これらは、単独で、もしくは2種
以上を併用することができる。
【0014】架橋剤も、使用するビニルモノマーに可溶
性のものが制限なく使用される。具体的には、ジビニル
ベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ビ
ス(4−ビニルフェニル)エタン、エチレングリコール
ジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレートなどのジビニル化合物、トリビニル化合物が使
用でき、特にジビニルベンゼンが好ましい。
性のものが制限なく使用される。具体的には、ジビニル
ベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ビ
ス(4−ビニルフェニル)エタン、エチレングリコール
ジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレートなどのジビニル化合物、トリビニル化合物が使
用でき、特にジビニルベンゼンが好ましい。
【0015】上記架橋重合は、重合開始剤を使用して行
う。重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤が
制限なく使用できる。半減期(1分)が80〜260
℃、好ましくは90〜180℃であるのが好ましい。具
体的には、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブ
チロニトリル、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシシ
クロヘキサン、アセチルパーオキシド、ジ−t−ブチル
パーオキシドなどから条件に合わせて選択すればよい。
また、これらは2種以上を併用しても良い。
う。重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤が
制限なく使用できる。半減期(1分)が80〜260
℃、好ましくは90〜180℃であるのが好ましい。具
体的には、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブ
チロニトリル、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシシ
クロヘキサン、アセチルパーオキシド、ジ−t−ブチル
パーオキシドなどから条件に合わせて選択すればよい。
また、これらは2種以上を併用しても良い。
【0016】上記各成分の使用割合は、特に制限される
ものではないが、ポリオレフィン100重量部に対し
て、重合効率から、ビニルモノマーと架橋剤の合計量が
15〜600重量部、好適には20〜300重量部であ
るのが好ましい。また、ビニルモノマーと架橋剤とは、
架橋剤/ビニルモノマーの重量比が0.04〜10、好
適には0.1〜5、さらに好適には0.1〜0.5であ
るのが好ましい。また、重合開始剤は、ポリオレフィン
100重量部に対して、0.01〜3重量部、好適には
0.025〜2重量部使用するのが好ましい。
ものではないが、ポリオレフィン100重量部に対し
て、重合効率から、ビニルモノマーと架橋剤の合計量が
15〜600重量部、好適には20〜300重量部であ
るのが好ましい。また、ビニルモノマーと架橋剤とは、
架橋剤/ビニルモノマーの重量比が0.04〜10、好
適には0.1〜5、さらに好適には0.1〜0.5であ
るのが好ましい。また、重合開始剤は、ポリオレフィン
100重量部に対して、0.01〜3重量部、好適には
0.025〜2重量部使用するのが好ましい。
【0017】重合反応の温度は、特に制限はなく通常、
室温〜100℃までの範囲で実施できる。また、ポリオ
レフインの水への分散状体は、固体状態であっても良い
し、溶融状体であっても良い。ポリオレフインが溶融状
体で分散している場合、添加するビニルモノマー、架橋
剤、重合開始剤のポリオレフィンへの浸透、拡散が早い
ため、生成する架橋ビニル重合体粒子がより均一な分散
状態となり好適である。従って、本発明では、使用する
ポリオレフィンとして前記した融点が100℃以下のも
のを使用し、反応温度はこのポリオレフィンの融点以上
として、該ポリオレフィンを溶融状態で分散させて重合
を実施するのが特に好ましい。こうした反応は、水中で
行われるため、重合熱の蓄積がなく、塊状のラジカル重
合の際よくみられる重合熱の蓄積から、設定した温度よ
りも重合温度が高くなるという現象を伴わない。
室温〜100℃までの範囲で実施できる。また、ポリオ
レフインの水への分散状体は、固体状態であっても良い
し、溶融状体であっても良い。ポリオレフインが溶融状
体で分散している場合、添加するビニルモノマー、架橋
剤、重合開始剤のポリオレフィンへの浸透、拡散が早い
ため、生成する架橋ビニル重合体粒子がより均一な分散
状態となり好適である。従って、本発明では、使用する
ポリオレフィンとして前記した融点が100℃以下のも
のを使用し、反応温度はこのポリオレフィンの融点以上
として、該ポリオレフィンを溶融状態で分散させて重合
を実施するのが特に好ましい。こうした反応は、水中で
行われるため、重合熱の蓄積がなく、塊状のラジカル重
合の際よくみられる重合熱の蓄積から、設定した温度よ
りも重合温度が高くなるという現象を伴わない。
【0018】また、ポリオレフィンは、平均粒子径が1
mm以下、好適には0.1〜1mmの粒子として水に分
散させるのが好ましい。このような粒子径で水に分散さ
せるため、ポリオレフィンを固体状態で反応させる場合
は、ポリオレフィンは上記平均粒子径の粉末を用い、撹
拌下に反応させるのが好ましい。また、低融点のポリオ
レフィンの場合、該平均粒子径よりも粒子径が大きいも
のでも、該融点の近くまで反応温度を高めて樹脂が軟化
した状態で反応液を強く撹拌すれば、上記平均粒子径で
ポリオレフィンを分散させて反応を実施することが可能
である。また、ポリオレフィンを溶融状体で反応させる
場合は、該平均粒子径の溶融粒子が分散するように、撹
拌の程度を調整すればよい。
mm以下、好適には0.1〜1mmの粒子として水に分
散させるのが好ましい。このような粒子径で水に分散さ
せるため、ポリオレフィンを固体状態で反応させる場合
は、ポリオレフィンは上記平均粒子径の粉末を用い、撹
拌下に反応させるのが好ましい。また、低融点のポリオ
レフィンの場合、該平均粒子径よりも粒子径が大きいも
のでも、該融点の近くまで反応温度を高めて樹脂が軟化
した状態で反応液を強く撹拌すれば、上記平均粒子径で
ポリオレフィンを分散させて反応を実施することが可能
である。また、ポリオレフィンを溶融状体で反応させる
場合は、該平均粒子径の溶融粒子が分散するように、撹
拌の程度を調整すればよい。
【0019】なお、このように撹拌下に反応を実施した
場合、重合の進行と共に、反応液は粘調化し、反応媒体
全体の撹拌効果が低下することがある。
場合、重合の進行と共に、反応液は粘調化し、反応媒体
全体の撹拌効果が低下することがある。
【0020】反応終了後の反応液からの架橋ビニル重合
体微粒子含有ポリオレフィン組成物の分離は、如何なる
方法で実施しても良い。例えば、ポリオレフィンが水に
固体状で分散した状態で反応を実施した場合には、濾過
して濾液を取り除き、減圧乾燥して実施すれば良いし、
該ポリオレフィンが溶融した状態で反応を実施した場合
には、反応液の温度を下げた後、メタノール、エタノー
ル等のポリオレフィンを析出させる溶媒を加え、架橋ビ
ニル重合体微粒子含有ポリオレフィン組成物を析出させ
た後、濾過し乾燥させる方法が良好である。
体微粒子含有ポリオレフィン組成物の分離は、如何なる
方法で実施しても良い。例えば、ポリオレフィンが水に
固体状で分散した状態で反応を実施した場合には、濾過
して濾液を取り除き、減圧乾燥して実施すれば良いし、
該ポリオレフィンが溶融した状態で反応を実施した場合
には、反応液の温度を下げた後、メタノール、エタノー
ル等のポリオレフィンを析出させる溶媒を加え、架橋ビ
ニル重合体微粒子含有ポリオレフィン組成物を析出させ
た後、濾過し乾燥させる方法が良好である。
【0021】以上の操作により、架橋ビニル重合体微粒
子高い収率で生成し、これがポリオレフイン中に均一に
分散したポリオレフィン組成物が得られる。架橋ビニル
重合体粒子は、反応温度が高く、撹拌が穏やかであるほ
ど、粒子径が大きいものになる。このような反応温度と
撹拌などの制御により、分散する架橋ビニル重合体微粒
子の平均粒子径は、0.01〜1μm、好適には0.0
5〜0.5μmのものにできる。
子高い収率で生成し、これがポリオレフイン中に均一に
分散したポリオレフィン組成物が得られる。架橋ビニル
重合体粒子は、反応温度が高く、撹拌が穏やかであるほ
ど、粒子径が大きいものになる。このような反応温度と
撹拌などの制御により、分散する架橋ビニル重合体微粒
子の平均粒子径は、0.01〜1μm、好適には0.0
5〜0.5μmのものにできる。
【0022】本発明では、このようにして得た架橋ビニ
ル重合体微粒子含有ポリオレフィン組成物は、そのまま
微多孔体の製造原料に用いても良いし、これを架橋ビニ
ル重合体微粒子を高濃度で含有するマスターバッチとし
て他のポリオレフィンと溶融混合して希釈して、微多孔
体の製造原料として用いても良い。このように他の希釈
用のポリオレフィンと溶融混合するに際して、上記ポリ
オレフィン組成物は、塊状物として反応液から分離され
ている場合でも、粉砕による微粒子の粉立ちは生じない
ため、適当な粒度の粒状物に粉砕して用いることができ
る。
ル重合体微粒子含有ポリオレフィン組成物は、そのまま
微多孔体の製造原料に用いても良いし、これを架橋ビニ
ル重合体微粒子を高濃度で含有するマスターバッチとし
て他のポリオレフィンと溶融混合して希釈して、微多孔
体の製造原料として用いても良い。このように他の希釈
用のポリオレフィンと溶融混合するに際して、上記ポリ
オレフィン組成物は、塊状物として反応液から分離され
ている場合でも、粉砕による微粒子の粉立ちは生じない
ため、適当な粒度の粒状物に粉砕して用いることができ
る。
【0023】架橋ビニル重合体微粒子含有ポリオレフィ
ン組成物と混合する希釈用のポリオレフィンとしては、
エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4
−メチルペンテン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィ
ンの単独重合体、上記のα−オレフィンと共重合可能な
他のモノマーとの共重合体を挙げることができる。中で
も、得られる微多孔体の耐熱性と成形性を勘案すると、
プロピレンの単独重合体、プロピレンと他の共重合可能
なモノマーとの共重合体が好適である。プロピレンと他
の共重合可能なモノマーとの共重合体は、特にプロピレ
ン単位を90モル%以上含み、他の共重合可能なモノマ
ー単位を10モル%以下含む共重合体が好適である。こ
こで、共重合可能な他のモノマーとしては、特に限定さ
れるものではないが、一般には炭素数2〜8のα−オレ
フィン、特にエチレン、ブテン−1等のα−オレフィン
が好適である。これらの希釈用ポリオレフィンは2種以
上が混合して用いられても良い。また、希釈用ポリオレ
フィンは、架橋ビニル重合体微粒子含有ポリオレフィン
組成物を構成するポリオレフィンと同種のものを用いる
のが、両者を相溶性良く混合する上で好ましい。
ン組成物と混合する希釈用のポリオレフィンとしては、
エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4
−メチルペンテン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィ
ンの単独重合体、上記のα−オレフィンと共重合可能な
他のモノマーとの共重合体を挙げることができる。中で
も、得られる微多孔体の耐熱性と成形性を勘案すると、
プロピレンの単独重合体、プロピレンと他の共重合可能
なモノマーとの共重合体が好適である。プロピレンと他
の共重合可能なモノマーとの共重合体は、特にプロピレ
ン単位を90モル%以上含み、他の共重合可能なモノマ
ー単位を10モル%以下含む共重合体が好適である。こ
こで、共重合可能な他のモノマーとしては、特に限定さ
れるものではないが、一般には炭素数2〜8のα−オレ
フィン、特にエチレン、ブテン−1等のα−オレフィン
が好適である。これらの希釈用ポリオレフィンは2種以
上が混合して用いられても良い。また、希釈用ポリオレ
フィンは、架橋ビニル重合体微粒子含有ポリオレフィン
組成物を構成するポリオレフィンと同種のものを用いる
のが、両者を相溶性良く混合する上で好ましい。
【0024】架橋ビニル重合体微粒子含有ポリオレフィ
ン組成物と希釈用ポリオレフインを混合して用いる場
合、その混合割合は、上記ポリオレフィン組成物中に含
有される架橋ビニル重合体微粒子の含有量と、所望され
る微多孔構造を形成させるに必要な架橋ビニル重合体微
粒子量を勘案して、決定される。通常、成形体を良好に
微多孔化させるためには、ポリオレフィン中に含有され
る微粒子が5〜30重量%であるのが好ましいため、こ
のような架橋ビニル重合体微粒子の含有量になるように
混合するのが好ましい。架橋ビニル重合体微粒子の含有
量が5重量%より小さいと微多孔構造の形成が十分でな
くなる傾向があり、架橋ビニル重合体微粒子の含有が3
0重量%より大きいと延伸や紡糸時にトラブルが発生し
易くなる傾向がある。架橋ビニル重合体微粒子含有ポリ
オレフィン組成物と他のポリオレフインの配合割合で示
せば、前者/後者が0.1〜5であるのが一般的であ
る。
ン組成物と希釈用ポリオレフインを混合して用いる場
合、その混合割合は、上記ポリオレフィン組成物中に含
有される架橋ビニル重合体微粒子の含有量と、所望され
る微多孔構造を形成させるに必要な架橋ビニル重合体微
粒子量を勘案して、決定される。通常、成形体を良好に
微多孔化させるためには、ポリオレフィン中に含有され
る微粒子が5〜30重量%であるのが好ましいため、こ
のような架橋ビニル重合体微粒子の含有量になるように
混合するのが好ましい。架橋ビニル重合体微粒子の含有
量が5重量%より小さいと微多孔構造の形成が十分でな
くなる傾向があり、架橋ビニル重合体微粒子の含有が3
0重量%より大きいと延伸や紡糸時にトラブルが発生し
易くなる傾向がある。架橋ビニル重合体微粒子含有ポリ
オレフィン組成物と他のポリオレフインの配合割合で示
せば、前者/後者が0.1〜5であるのが一般的であ
る。
【0025】フィルムや繊維状の微多孔体への製造方法
は、何等制限なく通常の方法が適用される。すなわち、
例えば、フィルム状微多孔体は、押出機によりシート状
物に押出し、テンター延伸機等を用いて、一軸または二
軸に延伸すればよい。押出温度は、使用するポリオレフ
ィン及び希釈用ポリオレフィンの融点をを勘案して適宜
設定すればよい。架橋ビニル重合体微粒子含有ポリオレ
フィン組成物をそのまま微多孔化する場合、使用したポ
リオレフィンの融点より50〜100℃高い温度で押出
すのが一般的である。また、多量の希釈用ポリオレフィ
ンで希釈して用いる場合、該希釈用ポリオレフィンの融
点より30〜120℃高い温度で押出すのが一般的であ
る。
は、何等制限なく通常の方法が適用される。すなわち、
例えば、フィルム状微多孔体は、押出機によりシート状
物に押出し、テンター延伸機等を用いて、一軸または二
軸に延伸すればよい。押出温度は、使用するポリオレフ
ィン及び希釈用ポリオレフィンの融点をを勘案して適宜
設定すればよい。架橋ビニル重合体微粒子含有ポリオレ
フィン組成物をそのまま微多孔化する場合、使用したポ
リオレフィンの融点より50〜100℃高い温度で押出
すのが一般的である。また、多量の希釈用ポリオレフィ
ンで希釈して用いる場合、該希釈用ポリオレフィンの融
点より30〜120℃高い温度で押出すのが一般的であ
る。
【0026】延伸は、二軸延伸の場合、逐次、あるいは
同時に二軸延伸できる。延伸倍率は、一軸延伸の場合、
1.5〜15倍、好適には3〜10倍であり、二軸延伸
の場合、さらに上記と直交する方向へ1.5〜10倍、
好適には1.5〜5倍延伸するのが好ましい。延伸温度
は、使用するポリオレフィン及び希釈用ポリオレフィン
の融点をを勘案して適宜設定すればよい。架橋ビニル重
合体微粒子含有ポリオレフィン組成物をそのまま微多孔
化する場合、使用したポリオレフィンの融点より20〜
50℃低い温度で延伸するのが一般的である。また、多
量の希釈用ポリオレフィンで希釈して用いる場合、該希
釈用ポリオレフィンの融点より20〜50℃低い温度で
延伸するのが一般的である。
同時に二軸延伸できる。延伸倍率は、一軸延伸の場合、
1.5〜15倍、好適には3〜10倍であり、二軸延伸
の場合、さらに上記と直交する方向へ1.5〜10倍、
好適には1.5〜5倍延伸するのが好ましい。延伸温度
は、使用するポリオレフィン及び希釈用ポリオレフィン
の融点をを勘案して適宜設定すればよい。架橋ビニル重
合体微粒子含有ポリオレフィン組成物をそのまま微多孔
化する場合、使用したポリオレフィンの融点より20〜
50℃低い温度で延伸するのが一般的である。また、多
量の希釈用ポリオレフィンで希釈して用いる場合、該希
釈用ポリオレフィンの融点より20〜50℃低い温度で
延伸するのが一般的である。
【0027】一方、繊維状微多孔体への製造方法もま
た、何等制限なく通常の方法が適用れる。すなわち、例
えば、繊維状微多孔体は、押出機の先端に繊維用のダイ
を設置して溶融紡糸し、次いで、ネルソン、あるいはゴ
デッドロール等を用いて、一軸延伸して得られる。延伸
倍率は、2〜15倍、好適には3〜12倍が好ましい。
また、溶融紡糸温度や延伸温度は、上記フィルム状微多
孔体を製造する際の押出温度や延伸温度と同様に設定す
ればよい。得られる微多孔性繊維の繊維径は、3〜30
μ、好適には5〜25μであるのが好ましい。なお、繊
維状微多孔体は、中空糸状のものであっても良い。
た、何等制限なく通常の方法が適用れる。すなわち、例
えば、繊維状微多孔体は、押出機の先端に繊維用のダイ
を設置して溶融紡糸し、次いで、ネルソン、あるいはゴ
デッドロール等を用いて、一軸延伸して得られる。延伸
倍率は、2〜15倍、好適には3〜12倍が好ましい。
また、溶融紡糸温度や延伸温度は、上記フィルム状微多
孔体を製造する際の押出温度や延伸温度と同様に設定す
ればよい。得られる微多孔性繊維の繊維径は、3〜30
μ、好適には5〜25μであるのが好ましい。なお、繊
維状微多孔体は、中空糸状のものであっても良い。
【0028】このようにして得られる微多孔体は、通
常、平均細孔径が0.05〜0.5μmの連通孔により
微多孔化されている。その全細孔比表面積が40〜18
0m2/gであり、空隙率が1〜50%、好適には1〜
40%あるのが好ましい。
常、平均細孔径が0.05〜0.5μmの連通孔により
微多孔化されている。その全細孔比表面積が40〜18
0m2/gであり、空隙率が1〜50%、好適には1〜
40%あるのが好ましい。
【0029】
【発明の効果】以上の説明の如く本発明の方法によれ
ば、平均粒子径が0.01〜1.0μm、好適には0.
05〜0.5μmの微細な架橋ビニル重合体微粒子が均
一に配合されたポリオレフィン組成物を、高い収率で得
ることができる。そして、このポリオレフィン組成物を
フイルムや繊維状の微多孔体の原料として使用すること
で、フィラーとポリオレフィンの混合時の粉立ち等の心
配もなく、良好な取り扱い性でこれらの微多孔体を製造
することができる。
ば、平均粒子径が0.01〜1.0μm、好適には0.
05〜0.5μmの微細な架橋ビニル重合体微粒子が均
一に配合されたポリオレフィン組成物を、高い収率で得
ることができる。そして、このポリオレフィン組成物を
フイルムや繊維状の微多孔体の原料として使用すること
で、フィラーとポリオレフィンの混合時の粉立ち等の心
配もなく、良好な取り扱い性でこれらの微多孔体を製造
することができる。
【0030】そして、得られた微多孔体は、除じん及び
除菌のための精密エアーフィルター;廃水処理;食品工
業、電子工業、製薬工業におけるクリーンウォーター製
造;各種の液/液分離等に使用されるカートリッジフィ
ルター用材料;さらには、精密ろ過、及び限外ろ過、パ
ーベーパレーション等の支持体としての用途に好適に使
用される。さらには、通気性の良い衣料用繊維や、濾布
不織布としての利用も考えられる。
除菌のための精密エアーフィルター;廃水処理;食品工
業、電子工業、製薬工業におけるクリーンウォーター製
造;各種の液/液分離等に使用されるカートリッジフィ
ルター用材料;さらには、精密ろ過、及び限外ろ過、パ
ーベーパレーション等の支持体としての用途に好適に使
用される。さらには、通気性の良い衣料用繊維や、濾布
不織布としての利用も考えられる。
【0031】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するため、以下、
実施例及び比較例を掲げて説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。尚、実施例および
比較例に示す物性は以下の方法により測定した値を示
す。
実施例及び比較例を掲げて説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。尚、実施例および
比較例に示す物性は以下の方法により測定した値を示
す。
【0032】(1)架橋ビニル重合体微粒子の平均粒子
径;JEOL(株)製、JSM−220型走査型電子顕
微鏡により観察した。
径;JEOL(株)製、JSM−220型走査型電子顕
微鏡により観察した。
【0033】(2)平均細孔径(μm);島津製作所
(株)製ポアサイザー9310を用い、水銀圧入式ポロ
シメーター法により測定した。
(株)製ポアサイザー9310を用い、水銀圧入式ポロ
シメーター法により測定した。
【0034】(3)全細孔比表面積(m2/g);島津
製作所(株)製ポアサイザー9310を用い、水銀圧入
式ポロシメーター法により測定した。
製作所(株)製ポアサイザー9310を用い、水銀圧入
式ポロシメーター法により測定した。
【0035】(4)空隙率(%);島津製作所(株)製
ポアサイザー9310を用い、水銀圧入式ポロシメータ
ー法により測定した。
ポアサイザー9310を用い、水銀圧入式ポロシメータ
ー法により測定した。
【0036】実施例1 900mlの水中に、プロピレン−1−ブテン共重合体
(Beaulon M−2481,三井石油化学社製;
プロピレン単位の含有量25モル%、融点75℃)20
0gを投入し、スチレン(54g)−ジビニルベンゼン
(6g)−ベンゾイルパーオキサイド(0.24g)の
混合溶液をN2雰囲気下に撹拌しながら滴下し、90℃
で4時間重合した。なお、反応開始当初、反応液の状態
を写真撮影し、分散するプロピレン−1−ブテン共重合
体の状態を観察したところ、該樹脂は平均粒子径0.5
mmの粒子として分散していた。
(Beaulon M−2481,三井石油化学社製;
プロピレン単位の含有量25モル%、融点75℃)20
0gを投入し、スチレン(54g)−ジビニルベンゼン
(6g)−ベンゾイルパーオキサイド(0.24g)の
混合溶液をN2雰囲気下に撹拌しながら滴下し、90℃
で4時間重合した。なお、反応開始当初、反応液の状態
を写真撮影し、分散するプロピレン−1−ブテン共重合
体の状態を観察したところ、該樹脂は平均粒子径0.5
mmの粒子として分散していた。
【0037】次いで、反応生成物を過剰のメタノール中
へ投入し、架橋ビニル重合体微粒子(スチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体)含有ポリオレフィン組成物を得
た。上記架橋ビニル重合体微粒子の重合転化率は93%
であった。また、高分解能走査型電子顕微鏡により観察
したところ、分散する架橋ビニル重合体微粒子の平均粒
子径は0.1μmであり、凝集粒子は存在しなかった。
へ投入し、架橋ビニル重合体微粒子(スチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体)含有ポリオレフィン組成物を得
た。上記架橋ビニル重合体微粒子の重合転化率は93%
であった。また、高分解能走査型電子顕微鏡により観察
したところ、分散する架橋ビニル重合体微粒子の平均粒
子径は0.1μmであり、凝集粒子は存在しなかった。
【0038】次いで、Tダイを具備した押出機により1
50℃の温度でシート状に成形し、柴山科学製作所の小
型2軸延伸装置を用い、50℃で2軸延伸(延伸倍率;
4×4倍)を行った。得られたフィルム状微多孔体の表
面を高分解能走査型電子顕微鏡により観察したところ、
微細粒子は、一様に分散しており凝集粒子は存在してい
なかった。また、得られたフィルム状微多孔体の性質は
下記のとうりであった。 架橋ビニル重合体微粒子の
平均粒子径 0.1μm 空隙率 48% 平均細孔径 0.03μm 全細孔比表面積 179m2/g 実施例2 実施例1と同様にして得た、架橋ビニル重合体微粒子含
有ポリオレフィン組成物を用い、スクリュー径15mm
φL/D=22の押出機に取付けた、直径0.5mmの
孔を有する繊維製造用ノズルより150℃で溶融紡糸し
未延伸繊維を得た。この未延伸繊維を、回転速度の異な
る2対のネルソンロール間で50℃にて延伸倍率10倍
に一軸延伸して繊維微多孔体を得た。得られた繊維微多
孔体の性質は下記のとうりであった。
50℃の温度でシート状に成形し、柴山科学製作所の小
型2軸延伸装置を用い、50℃で2軸延伸(延伸倍率;
4×4倍)を行った。得られたフィルム状微多孔体の表
面を高分解能走査型電子顕微鏡により観察したところ、
微細粒子は、一様に分散しており凝集粒子は存在してい
なかった。また、得られたフィルム状微多孔体の性質は
下記のとうりであった。 架橋ビニル重合体微粒子の
平均粒子径 0.1μm 空隙率 48% 平均細孔径 0.03μm 全細孔比表面積 179m2/g 実施例2 実施例1と同様にして得た、架橋ビニル重合体微粒子含
有ポリオレフィン組成物を用い、スクリュー径15mm
φL/D=22の押出機に取付けた、直径0.5mmの
孔を有する繊維製造用ノズルより150℃で溶融紡糸し
未延伸繊維を得た。この未延伸繊維を、回転速度の異な
る2対のネルソンロール間で50℃にて延伸倍率10倍
に一軸延伸して繊維微多孔体を得た。得られた繊維微多
孔体の性質は下記のとうりであった。
【0039】 空隙率 38% 平均細孔径 0.03μm 全細孔比表面積 166m2/g 実施例3 900mlの水中に、プロピレン−1−ブテン共重合体
(Beaulon M−2481,三井石油化学社製;
プロピレン単位の含有量25モル%、融点75℃)20
0gを投入し、スチレン(63g)−ジビニルベンゼン
(7g)−アゾビスイソブチロニトリル(1.0g)の
混合溶液をN2雰囲気下に撹拌しながら滴下し、90℃
で4時間重合した。なお、反応開始当初、反応液の状態
を写真撮影し、分散するプロピレン−1−ブテン共重合
体の状態を観察したところ、該樹脂は平均粒子径0.3
mmの粒子として分散していた。
(Beaulon M−2481,三井石油化学社製;
プロピレン単位の含有量25モル%、融点75℃)20
0gを投入し、スチレン(63g)−ジビニルベンゼン
(7g)−アゾビスイソブチロニトリル(1.0g)の
混合溶液をN2雰囲気下に撹拌しながら滴下し、90℃
で4時間重合した。なお、反応開始当初、反応液の状態
を写真撮影し、分散するプロピレン−1−ブテン共重合
体の状態を観察したところ、該樹脂は平均粒子径0.3
mmの粒子として分散していた。
【0040】次いで、反応生成物を過剰のメタノール中
へ投入し、架橋ビニル重合体微粒子(スチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体)含有ポリオレフィン組成物を得
た。上記架橋ビニル重合体微粒子の重合転化率は88%
であった。また、高分解能走査型電子顕微鏡により観察
したところ、分散する架橋ビニル重合体微粒子の平均粒
子径は0.3μmであり、凝集粒子は存在しなかった。
へ投入し、架橋ビニル重合体微粒子(スチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体)含有ポリオレフィン組成物を得
た。上記架橋ビニル重合体微粒子の重合転化率は88%
であった。また、高分解能走査型電子顕微鏡により観察
したところ、分散する架橋ビニル重合体微粒子の平均粒
子径は0.3μmであり、凝集粒子は存在しなかった。
【0041】さらに、これをマスターバッチとして、ポ
リプロピレン粉末〔PN−120,(株)トクヤマ製;
MFI=1.2〕と、クラッシャーおよび押出機を用い
て、架橋ビニル重合体微粒子の含有量が23重量%にな
るように混合した。
リプロピレン粉末〔PN−120,(株)トクヤマ製;
MFI=1.2〕と、クラッシャーおよび押出機を用い
て、架橋ビニル重合体微粒子の含有量が23重量%にな
るように混合した。
【0042】次いで、Tダイを具備した押出機により2
30℃の温度でシート状に成形し、柴山科学製作所の小
型2軸延伸装置を用い、140℃で2軸延伸(延伸倍
率;3×3倍)を行った。得られたフィルム状微多孔体
の表面を高分解能走査型電子顕微鏡により観察したとこ
ろ、微細粒子は、一様に分散しており凝集粒子は存在し
ていなかった。また、得られたフィルム状微多孔体の性
質は下記のとうりであった。
30℃の温度でシート状に成形し、柴山科学製作所の小
型2軸延伸装置を用い、140℃で2軸延伸(延伸倍
率;3×3倍)を行った。得られたフィルム状微多孔体
の表面を高分解能走査型電子顕微鏡により観察したとこ
ろ、微細粒子は、一様に分散しており凝集粒子は存在し
ていなかった。また、得られたフィルム状微多孔体の性
質は下記のとうりであった。
【0043】 架橋ビニル重合体微粒子の平均粒子径 0.3μm 空隙率 38% 平均細孔径 0.04μm 全細孔比表面積 140m2/g 実施例4 実施例3と同様にして得た、架橋ビニル重合体微粒子含
有ポリオレフィン組成物とポリプロピレン粉末の混合物
を、スクリュー径15mmφ、L/D=22の押出機に
取付けた、直径0.5mmの孔を有する繊維製造用ノズ
ルより270℃で溶融紡糸し未延伸繊維を得た。この未
延伸繊維を、回転速度の異なる2対のネルソンロール間
で120℃にて延伸倍率10倍に一軸延伸して繊維微多
孔体を得た。得られた繊維微多孔体の性質は下記のとう
りであった。
有ポリオレフィン組成物とポリプロピレン粉末の混合物
を、スクリュー径15mmφ、L/D=22の押出機に
取付けた、直径0.5mmの孔を有する繊維製造用ノズ
ルより270℃で溶融紡糸し未延伸繊維を得た。この未
延伸繊維を、回転速度の異なる2対のネルソンロール間
で120℃にて延伸倍率10倍に一軸延伸して繊維微多
孔体を得た。得られた繊維微多孔体の性質は下記のとう
りであった。
【0044】 空隙率 35% 平均細孔径 0.03μm 全細孔比表面積 176m2/g 実施例5 プロピレン−エチレン共重合体〔UT2304,宇部興
産(株)製;プロピレン単位の含有量64モル%、融点
81.5℃〕200gを、900mlの水中に投入し、
グリシジルメタクリレート(54g)、ジビニルベンゼ
ン(6g)、過酸化ベンゾイル(2.4g)の混合液を
滴下し、N2雰囲気下に撹拌しながら90℃で4時間重
合を行った。なお、反応開始当初、反応液の状態を写真
撮影し、分散するプロピレン−エチレン共重合体の状態
を観察したところ、該樹脂は平均粒子径0.5mmの粒
子として分散していた。
産(株)製;プロピレン単位の含有量64モル%、融点
81.5℃〕200gを、900mlの水中に投入し、
グリシジルメタクリレート(54g)、ジビニルベンゼ
ン(6g)、過酸化ベンゾイル(2.4g)の混合液を
滴下し、N2雰囲気下に撹拌しながら90℃で4時間重
合を行った。なお、反応開始当初、反応液の状態を写真
撮影し、分散するプロピレン−エチレン共重合体の状態
を観察したところ、該樹脂は平均粒子径0.5mmの粒
子として分散していた。
【0045】次いで、反応生成物を過剰のメタノール中
へ投入し、架橋ビニル重合体微粒子(グリシジルメタク
リレート−ジビニルベンゼン共重合体)含有ポリオレフ
ィン組成物を得た。上記架橋ビニル重合体微粒子の重合
転化率は94%であった。また、高分解能走査型電子顕
微鏡により観察したところ、分散する架橋ビニル重合体
微粒子の平均粒子径は0.1μmであり、凝集粒子は存
在しなかった。
へ投入し、架橋ビニル重合体微粒子(グリシジルメタク
リレート−ジビニルベンゼン共重合体)含有ポリオレフ
ィン組成物を得た。上記架橋ビニル重合体微粒子の重合
転化率は94%であった。また、高分解能走査型電子顕
微鏡により観察したところ、分散する架橋ビニル重合体
微粒子の平均粒子径は0.1μmであり、凝集粒子は存
在しなかった。
【0046】さらに、これをマスターバッチとして、ポ
リプロピレン粉末〔PN−120,(株)トクヤマ製;
MFI=1.2〕と、クラッシャーおよび押出機を用い
て、架橋ビニル重合体微粒子の含有量が3.8重量%に
なるように混合した。
リプロピレン粉末〔PN−120,(株)トクヤマ製;
MFI=1.2〕と、クラッシャーおよび押出機を用い
て、架橋ビニル重合体微粒子の含有量が3.8重量%に
なるように混合した。
【0047】次いで、Tダイを具備した押出機により2
30℃の温度でシート状に成形し、柴山科学製作所の小
型2軸延伸装置を用い、140℃で2軸延伸(延伸倍
率;3×3倍)を行った。得られたフィルム状微多孔体
の表面を高分解能走査型電子顕微鏡により観察したとこ
ろ、微細粒子は、一様に分散しており凝集粒子は存在し
ていなかった。また、得られたフィルム状微多孔体の性
質は下記のとうりであった。
30℃の温度でシート状に成形し、柴山科学製作所の小
型2軸延伸装置を用い、140℃で2軸延伸(延伸倍
率;3×3倍)を行った。得られたフィルム状微多孔体
の表面を高分解能走査型電子顕微鏡により観察したとこ
ろ、微細粒子は、一様に分散しており凝集粒子は存在し
ていなかった。また、得られたフィルム状微多孔体の性
質は下記のとうりであった。
【0048】 架橋ビニル重合体微粒子の平均粒子径 0.1μm 空隙率 28% 平均細孔径 0.02μm 全細孔比表面積 113m2/g 実施例6 実施例5と同様にして得た、架橋ビニル重合体微粒子含
有ポリオレフィン組成物とポリプロピレン粉末の混合物
を、スクリュー径15mmφ、L/D=22の押出機に
取付けた、直径0.5mmの孔を有する繊維製造用ノズ
ルより270℃で溶融紡糸し未延伸繊維を得た。この未
延伸繊維を、回転速度の異なる2対のネルソンロール間
で120℃にて延伸倍率8倍に一軸延伸して繊維微多孔
体を得た。得られた繊維微多孔体の性質は下記のとうり
であった。
有ポリオレフィン組成物とポリプロピレン粉末の混合物
を、スクリュー径15mmφ、L/D=22の押出機に
取付けた、直径0.5mmの孔を有する繊維製造用ノズ
ルより270℃で溶融紡糸し未延伸繊維を得た。この未
延伸繊維を、回転速度の異なる2対のネルソンロール間
で120℃にて延伸倍率8倍に一軸延伸して繊維微多孔
体を得た。得られた繊維微多孔体の性質は下記のとうり
であった。
【0049】 空隙率 15% 平均細孔径 0.01μm 全細孔比表面積 89m2 /g 実施例7 900mlの水中に、プロピレン−1−ブテン共重合体
〔タフマー XR110T,三井石油化学社製;プロピ
レン単位の含有量78.6モル%、融点99℃〕200
gを投入し、スチレン(54g)−ジビニルベンゼン
(6g)−ベンゾイルパーオキサイド(0.24g)の
混合溶液を、N2雰囲気下に撹拌しながら滴下し、90
℃で4時間重合した。なお、反応開始当初、反応液の状
態を写真撮影し、分散するプロピレン−1−ブテン共重
合体の状態を観察したところ、該樹脂は平均粒子径0.
2mmの粒子として分散していた。
〔タフマー XR110T,三井石油化学社製;プロピ
レン単位の含有量78.6モル%、融点99℃〕200
gを投入し、スチレン(54g)−ジビニルベンゼン
(6g)−ベンゾイルパーオキサイド(0.24g)の
混合溶液を、N2雰囲気下に撹拌しながら滴下し、90
℃で4時間重合した。なお、反応開始当初、反応液の状
態を写真撮影し、分散するプロピレン−1−ブテン共重
合体の状態を観察したところ、該樹脂は平均粒子径0.
2mmの粒子として分散していた。
【0050】次いで、反応生成物を過剰のメタノール中
へ投入し、架橋ビニル重合体微粒子(スチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体)含有ポリオレフィン組成物を得
た。上記架橋ビニル重合体微粒子の重合転化率は90%
であった。また、高分解能走査型電子顕微鏡により観察
したところ、分散する架橋ビニル重合体微粒子の平均粒
子径は0.3μmであり、若干の凝集粒子が認められる
もののほとんど凝集粒子は存在しなかった。
へ投入し、架橋ビニル重合体微粒子(スチレン−ジビニ
ルベンゼン共重合体)含有ポリオレフィン組成物を得
た。上記架橋ビニル重合体微粒子の重合転化率は90%
であった。また、高分解能走査型電子顕微鏡により観察
したところ、分散する架橋ビニル重合体微粒子の平均粒
子径は0.3μmであり、若干の凝集粒子が認められる
もののほとんど凝集粒子は存在しなかった。
【0051】次いで、140℃のTダイを具備した押出
機によりシート状に成形し、柴山科学製作所の小型2軸
延伸装置を用い、50℃で2軸延伸(延伸倍率;4×4
倍)を行った。得られたフィルム状微多孔体の表面を高
分解能走査型電子顕微鏡により観察したところ、微細粒
子はごく一部の凝集が見られたがほとんど問題はなかっ
た。また、得られたフィルム状微多孔体の性質は下記の
とうりであった。
機によりシート状に成形し、柴山科学製作所の小型2軸
延伸装置を用い、50℃で2軸延伸(延伸倍率;4×4
倍)を行った。得られたフィルム状微多孔体の表面を高
分解能走査型電子顕微鏡により観察したところ、微細粒
子はごく一部の凝集が見られたがほとんど問題はなかっ
た。また、得られたフィルム状微多孔体の性質は下記の
とうりであった。
【0052】 架橋ビニル重合体微粒子の平均粒子径 0.3μm 空隙率 36% 平均細孔径 0.06μm 全細孔比表面積 114m2/g 実施例8 実施例7と同様にして得た、架橋ビニル重合体微粒子含
有ポリオレフィン組成物とポリプロピレン粉末の混合物
を、スクリュー径15mmφ、L/D=22の押出機に
取付けた、直径0.5mmの孔を有する繊維製造用ノズ
ルより270℃で溶融紡糸し未延伸繊維を得た。この未
延伸繊維を、回転速度の異なる2対のネルソンロール間
で120℃にて延伸倍率7倍に一軸延伸して繊維微多孔
体を得た得られた繊維微多孔体の性質は下記のとうりで
あった。 空隙率 22% 平均細孔径 0.03μm 全細孔比表面積 84m2/g 比較例1 実施例1で用いたものと同じプロピレン−1−ブテン共
重合体100重量部に対して、平均粒子径0.08μm
の微粒炭酸カルシウム150重量部、分散剤として末端
OH化ポリブタジエン(GI−1000、日本曹達製)
を3重量部となる割合で予めスーパーミキサーで十分混
合した。この際、微粒炭酸カルシウムの粉立ちが顕著で
あった。次いで、2軸押出機を用いて150℃の温度で
加熱溶融せしめペレットに造粒した。
有ポリオレフィン組成物とポリプロピレン粉末の混合物
を、スクリュー径15mmφ、L/D=22の押出機に
取付けた、直径0.5mmの孔を有する繊維製造用ノズ
ルより270℃で溶融紡糸し未延伸繊維を得た。この未
延伸繊維を、回転速度の異なる2対のネルソンロール間
で120℃にて延伸倍率7倍に一軸延伸して繊維微多孔
体を得た得られた繊維微多孔体の性質は下記のとうりで
あった。 空隙率 22% 平均細孔径 0.03μm 全細孔比表面積 84m2/g 比較例1 実施例1で用いたものと同じプロピレン−1−ブテン共
重合体100重量部に対して、平均粒子径0.08μm
の微粒炭酸カルシウム150重量部、分散剤として末端
OH化ポリブタジエン(GI−1000、日本曹達製)
を3重量部となる割合で予めスーパーミキサーで十分混
合した。この際、微粒炭酸カルシウムの粉立ちが顕著で
あった。次いで、2軸押出機を用いて150℃の温度で
加熱溶融せしめペレットに造粒した。
【0053】次いで、Tダイを具備した押出機により1
50℃の温度でシート状に成形し、柴山科学製作所の小
型2軸延伸装置を用い、50℃で2軸延伸(延伸倍率;
4×4倍を行った。得られたフィルム状微多孔体の表面
を高分解能走査型電子顕微鏡により観察したところ、微
粒炭酸カルシウムの凝集粒子が生じており、最大0.8
μmの凝集が見られた。また、得られたフィルム状微多
孔体の性質は下記のとうりであった。
50℃の温度でシート状に成形し、柴山科学製作所の小
型2軸延伸装置を用い、50℃で2軸延伸(延伸倍率;
4×4倍を行った。得られたフィルム状微多孔体の表面
を高分解能走査型電子顕微鏡により観察したところ、微
粒炭酸カルシウムの凝集粒子が生じており、最大0.8
μmの凝集が見られた。また、得られたフィルム状微多
孔体の性質は下記のとうりであった。
【0054】 空隙率 36% 平均細孔径 0.6μm 全細孔比表面積 54m2/g 比較例2 グリシジルメタクリレート95重量%およびジビニルベ
ンゼン5重量%よりなるモノマー混合液100重量部
に、ジ−t−ブチルオキサイドを1.5重量部の割合で
添加し、この組成物を、実施例1で用いたものと同じプ
ロピレン−1−ブテン共重合体100重量部に対して5
重量部となる割合で予め十分混合し、次いで2軸押出機
中で150℃の温度で加熱溶融せしめ、重合を行った後
ペレットに造粒した。得られたポリオレフィン組成物の
架橋ビニル重合体微粒子の重合転化率は20%しかなか
った。また、高分解能走査型電子顕微鏡により観察した
ところ、分散する架橋ビニル重合体微粒子の平均粒子径
は0.1μmであった。 この架橋ビニル重合体微粒子
含有ポリオレフイン組成物をマスターバッチとして実施
例4と同様な方法により微多孔性繊維を製造したとこ
ろ、下記のとおり架橋ビニル重合体微粒子の含有量が少
なくて十分な微多孔化が生じなかった。
ンゼン5重量%よりなるモノマー混合液100重量部
に、ジ−t−ブチルオキサイドを1.5重量部の割合で
添加し、この組成物を、実施例1で用いたものと同じプ
ロピレン−1−ブテン共重合体100重量部に対して5
重量部となる割合で予め十分混合し、次いで2軸押出機
中で150℃の温度で加熱溶融せしめ、重合を行った後
ペレットに造粒した。得られたポリオレフィン組成物の
架橋ビニル重合体微粒子の重合転化率は20%しかなか
った。また、高分解能走査型電子顕微鏡により観察した
ところ、分散する架橋ビニル重合体微粒子の平均粒子径
は0.1μmであった。 この架橋ビニル重合体微粒子
含有ポリオレフイン組成物をマスターバッチとして実施
例4と同様な方法により微多孔性繊維を製造したとこ
ろ、下記のとおり架橋ビニル重合体微粒子の含有量が少
なくて十分な微多孔化が生じなかった。
【0055】 空隙率 0.5% 平均細孔径 0.002μm 全細孔比表面積 12m2/g
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA14 AA20 AA20X AA21X AA22X AA84 BB06 BB08 BC01 BC07 4F074 AA16 AA23 AA24 AA32 CA03 CC02Y CC32Y DA03 DA38 DA43 4J002 BB03X BB12X BB14X BB15X BB17X BC03W BC08W BC09W BG01W BG04W BG06W BH02W CD19W GD05
Claims (4)
- 【請求項1】ポリオレフィンが水に分散した分散液中
で、重合開始剤の存在下にビニルモノマー及び架橋剤を
重合せしめ、生成した架橋ビニル重合体微粒子含有ポリ
オレフィン組成物を必要により希釈用ポリオレフィンと
混合した後成形し、該成形体を延伸することを特徴とす
るポリオレフィン製微多孔体の製造方法。 - 【請求項2】水に分散させるポリオレフィンが100℃
以下の融点を有するものであり、ビニルモノマー及び架
橋剤の重合反応を該ポリオレフィンの融点以上の温度で
実施することを特徴とする請求項1記載のポリオレフィ
ン製微多孔体の製造方法。 - 【請求項3】成形体が繊維状である請求項1記載のポリ
オレフィン製微多孔体の製造方法。 - 【請求項4】成形体がフィルム状である請求項1記載の
ポリオレフィン製微多孔体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10334305A JP2000159919A (ja) | 1998-11-25 | 1998-11-25 | ポリオレフィン製微多孔体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10334305A JP2000159919A (ja) | 1998-11-25 | 1998-11-25 | ポリオレフィン製微多孔体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000159919A true JP2000159919A (ja) | 2000-06-13 |
Family
ID=18275872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10334305A Pending JP2000159919A (ja) | 1998-11-25 | 1998-11-25 | ポリオレフィン製微多孔体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000159919A (ja) |
-
1998
- 1998-11-25 JP JP10334305A patent/JP2000159919A/ja active Pending
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